JP4199890B2 - 潤滑性付与部材、その部材を使用した画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

潤滑性付与部材、その部材を使用した画像形成装置および画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファクシミリ、プリンター、電子写真複写機等の画像形成装置に用いられる電子写真感光体の表面に潤滑性を付与する部材、それを用いる画像形成装置および画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法を用いたプリンターや電子写真複写機、ファクシミリ等の画像形成装置ではセレン感光体、シリコン感光体、有機感光体等で代表される感光体を中心として、帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電等の各装置が配置され、これらの各装置が順に作動することにより画像形成が行われる。
この画像形成においては、帯電工程で生成されるオゾンとか窒素酸化物のようなコロナ生成物、現像工程後に残留するトナー成分および転写工程で用いる転写紙の紙粉、さらに感光層の削れ紛、定着装置から出るガス成分等の汚染物質が感光体表面上に付着する。
【0003】
画像形成を繰り返し行ない長期に亘って感光体を使用すると、その汚染物質が蓄積し、その結果感光体のクリーニング性が低下すると共に感光体の表面の摩耗が促進されて摩擦係数があがって、クリーニングブレードの感光体との当接部が変形し歪などが発生する。
その結果、画像の局部的な転写不良が発生して、十分な解像性が得られなくなりかつシャープ性等の画像品質を低下させ、さらに感光体が長期間もたない原因になっている。
【0004】
帯電法としてはコロナ帯電法と接触帯電法が実用化されており、コロナ生成物の量が前者の方が後者に比べてはるかに多いことは事実であるが、コロナ生成物の量の多少を問わず、感光体に付着し蓄積すると上記のような問題を発生させる原因になることに違いはない。
【0005】
さらにこの汚染物質によって、感光体表面の摩擦係数が大きくなり、すなわち摩擦抵抗が増加し、その結果クリーニングブレードの感光体表面への摺擦圧が増加するため、感光体が振動しキーンという不連続音(ブレード鳴きと通称する)を起し、ひどくなるとブレードが巻き込まれて感光体の回転がロックされることすら発生する程、感光層の摩耗を促進することになる。
このような汚染物質の発生は、電子写真画像プロセスを行なう場合には不可避的な問題である。
【0006】
未稼動の電子写真画像形成装置に搭載されている感光体、すなわち未使用の感光体の表面摩擦係数は通常もともと高く、従がってそれをそのままにして稼動し画像形成を繰り返すと、前記のように汚染物質が原因となって、摩擦係数はますます高くなり、前記のような問題を必然的に発生させることになるため、感光体表面に付着した汚染物質を除去しやすくするばかりでなく、可能な限り稼動直後から付着しにくい状態にすることが重要であり、そのような技術の出現が望まれていた。
【0007】
従来そのような技術として提案されているものの中に、感光体の表面の摩擦係数を低下し耐摩耗性を向上させるために、潤滑剤を感光体の表面に塗布する方法がある。
【0008】
例えば、特開昭56−113133号公報には、細孔を有する布製のポーチなどに粉末状の潤滑剤を内在させ、その外表面に粉末状潤滑剤を保有させ、回転させながら常時感光体に潤滑剤を付与し、ブレードと感光体間の摩擦抵抗を低減化させることが提案されている。
回転体から粉末を補給する場合、飛散という問題があり周囲を汚す可能性がある。また塗布量のコントロールが難しい。しかも、ただ単に塗布しただけでは、摩擦係数を低下させにくいので、何らかの方法で感光体に薄膜を形成させることが必要となるが、塗布量にばらつきが生じた場合には感光層の摩擦係数が暴れ、所定の効果が得られにくい。
【0009】
特開平3−269478号公報にはそのクリーニングブレードのチャタリング、めくれを防止することを目的として、ブレードの先端部に薄層形成性を有する滑材(ケイ酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛など)を薄層状に塗布することが提案されている。
この方法は有効な手段であるが、長期使用中に補給が行なわれないと、潤滑作用が途切れてしまうため、ブレードを感光体との摩擦抵抗が上昇し、こすれによる高周波音を発生し、途中で目的を達成できなくなる可能性が大きい。特に摩擦係数が高くなる樹脂を使用した感光体では、高周波音が発生し易く、場合によっては感光体の回転を停止させ、画像形成装置に破損が生じる場合がある。
【0010】
その他にも、例えば下記のような画像形成装置の開示例がある。
特開平8−202226号公報には、ブラシに潤滑剤を一旦塗布しその潤滑剤の塗布量をコントロールしながら、感光体表面に塗布する装置をクリーニング部内に設置した画像形成装置が提案されている。
特開平8−305233号では、像担持体上に形成されたトナー像を検知し、その基準値に応じてクリーニングブラシで潤滑剤を塗布する制御装置を有する画像形成装置が提案されている。
特開平6−342236号公報には、感光体の回転速度とは線速度を変えた帯電ローラーに一旦潤滑剤を塗布し、この帯電ローラーを介して感光体に潤滑剤を塗布する装置を具備し、前記線速度を変えて均一塗布を狙った画像形成装置が提案されている。
【0011】
しかしながら、これらの提案された画像形成装置によっても、所期の目的は達成されず、未だ十分な解決策がないのが実情である。
その理由は、塗布方法自体の問題であって、これらの提案では塗布量をコントロールして均一の塗布膜の形成を試みているが、その結果は満足できるものではなく、感光体の画像形成部分全面に均一でしかも薄い潤滑剤の塗布膜が得られないことに起因している。潤滑剤の塗布膜が厚くなると、汚染物質を取り込むとか滑りやすくなってクリーニングブレードが効かなくなる等の問題が発生する。
潤滑剤を塗布しても画像形成装置稼動後感光体表面の摩擦係数が所望の低い値になるまでにかなりの枚数の画像を形成しなければならず、かつ所望の摩擦係数になってもその値が枚数を重ねると変化してしまい、すなわち即効性と持続性が低く、所期の目的が十分達成されない。
さらに、このように塗布方法自体の問題に加えて、潤滑剤の材料そのものにも問題がある。これらの提案では、潤滑剤として主としてステアリン酸亜鉛が用いられているが、ステアリン酸亜鉛は潤滑性に優れているため耐摩耗性を得るのに適しているものの、感光体表面への付着性が異常に高いために、例えば、感光体に一度付着するとコロナ生成物、トナーなどの構成成分を巻き込んで蓄積して、クリーニングブレードによる掻き取り効果の大幅な低下とか局部的な画像品質低下等が発生させるばかりでなく、均一な塗布を妨げる原因になっている。
【0012】
結論を言えば、感光体表面に均一かつ薄い潤滑剤の塗布膜を形成し、しかも塗布するとすぐに、すなわち50〜100枚程度の画像形成を繰り返したあたりで、摩擦係数が低減化され、しかもその状態を多数枚の画像形成を繰り返しても維持しほとんど変化させないような、潤滑剤の塗布方法は未だ提案されていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、長期に亘って画像形成を繰り返しても良好な画像品質が安定に得られて感光体を長期間使用できるようにするための、電子写真用感光体表面へ潤滑剤を塗布する新規な部材、それを用いた画像形成装置および画像形成方法を提供することである。
本発明の他の目的は、電子写真感光体表面に均一かつ薄い潤滑剤の塗布膜を形成し、かっ感光体表面の摩擦係数の低減化のために即効性があり、かつ低減した摩擦係数を持続できる、電子写真用感光体表面へ潤滑剤を塗布する新規な部材、それを用いた画像形成装置および画像形成方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、画像形成時にブレード鳴き等の異常音を発生させないように感光体表面の摩擦係数の低減化を行なう、潤滑剤を塗布するための新規な部材とそれを用いた画像形成装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下に示す潤滑性付与部材、この潤滑性付与部材を使用した画像形成装置および画像形成方法により達成可能である。
【0015】
すなわち本発明によれば、第一に、電子写真感光体の表面に当接させて潤滑性を付与する潤滑性付与部材であって、該電子写真感光体の表面と当接させる面が、フッ素系樹脂からなるフィルム状の可撓性潤滑材料からなると共に、少なくとも感光体の長さ方向の画像形成部分の長さを有し、該可撓性潤滑材料の該電子写真感光体と当接させる面とは逆側に、弾性部材を内蔵し、該可撓性潤滑材料が支持基体及び抑え板で挟持されていることを特徴とする潤滑性付与部材が提供される。
【0017】
第二に、電子写真感光体の表面に当接させて潤滑性を付与する潤滑性付与部材であって、該電子写真感光体の表面と当接させる面が、フッ素系樹脂からなる可撓性潤滑材料からなると共に、少なくとも感光体の長さ方向の画像形成部分の長さを有し、該可撓性潤滑材料が弾性部材を介して支持基体に取り付けられており、該弾性部材は、スポンジ、モルトプレーン又はフォームであることを特徴とする潤滑性付与部材が提供される。
【0020】
に、前記可撓性潤滑材料は、厚さが50〜500μmであることを特徴とする上記第一又は第二に記載の潤滑性付与部材が提供される。
【0022】
第四に、前記可撓性潤滑材料は、前記電子写真感光体の表面に当接する部位の前記電子写真感光体と当接させる面とは逆側に裏打ちが施されていることを特徴とする上記第一〜三のいずれかに記載の潤滑性付与部材が提供される。
【0023】
に、前記可撓性潤滑材料は、前記電子写真感光体の表面に当接する部位の内側に、削れ状態判定用マーキングが施されていることを特徴とする上記第一〜のいずれかに記載の潤滑性付与部材が提供される。
【0024】
また、本発明によれば、第に、電子写真感光体、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置およびクリーニング装置が配置されている電子写真画像形成装置において、さらに上記第一〜のいずれかに記載の潤滑性付与部材が設置されていることを特徴とする電子写真画像形成装置が提供される。
【0025】
に、前記潤滑性付与部材は、トナークリーニング装置と帯電装置との間に配置されていることを特徴とする上記第に記載の電子写真画像形成装置が提供される。
【0026】
に、前記潤滑性付与部材とトナークリーニング装置との間に補助クリーニング装置が配置されていることを特徴とする上記第又は第に記載の電子写真画像形成装置が提供される。
【0027】
さらにまた、本発明によれば、第に、上記第のいずれかに記載の電子写真画像形成装置を用いた画像形成方法であって、前記潤滑性付与部材を前記電子写真感光体の表面に常時又は間欠的に当接させて画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法が提供される。
【0028】
に、前記潤滑性付与部材と前記電子写真感光体の表面とを当接する際のニップは、0.2mm以上であることを特徴とする上記第に記載の画像形成方法が提供される。
【0029】
十一に、前記潤滑性付与部材を前記電子写真感光体の表面に当接させて、画像形成時又は画像形成後の前記電子写真感光体の表面のオイラーベルト方式により算出される静止摩擦係数を0.4以下にすることを特徴とする上記第又は第に記載の画像形成方法が提供される。
【0030】
十二に、前記電子写真画像形成装置を稼動させる前に、潤滑剤をクリーニングブレード先端部、その周囲及び感光体のクリーニングブレード近傍の少なくとも一個所に塗布することを特徴とする上記第十一のいずれかに記載の画像形成方法が提供される。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の潤滑性付与部材は、電子写真感光体表面と当接させる面が可撓性潤滑材料からなり、短かくとも感光体の長さ方向の画像形成部分の長さを有するものであることを特徴とするものである。
ここで、可撓性潤滑材料とは可撓性でかつ摺擦によって潤滑剤が放出する機能を有する材料をいう。
すなわち、可撓性潤滑材料を感光体表面に当接させると、感光体の動きによって可撓性潤滑材料の表面が摺擦されて潤滑剤が放出し感光体表面に潤滑性が付与されることになる。
【0032】
本発明の潤滑性付与部材に用いる材料が可撓性であることを要件としているのは、感光体表面に当接させると、可撓性すなわち“たわみ”によって感光体表面状態に合せて材料の表面が変化し双方の表面が密着しやすくなって、所望の効果をもたらすからである。
また、短くとも感光体の長さ方向の画像形成部分の長さを有することが必要であるのは、所期の目的を達成させるのに、感光体上の画像形成領域全長さに亘って、潤滑性付与部材を当接させながら画像形成を行う必要があり、潤滑性付与部材が当接されない部分ができると、画像品質に異常が起こり、感光体の偏摩耗が生じることになるからである。
【0033】
本発明の潤滑性付与部材のイメージを掴むために、図9と図3を用いて説明する。なお、これらの図を用いた詳しい説明は、後で行なう。
図9には本発明の潤滑性付与部材の一例の全体像を示している。201bが可撓性潤滑材料であり、この底面201b−1の長さ方向部分Xを感光体の長さ方向に当接させて潤滑性を付与する。図3は本発明の潤滑性付与部材の一例であって、可撓性潤滑材料201bが感光体表面101に当接した状態を示している。
【0034】
本発明に用いる可撓性潤滑材料には、該材料自体が潤滑剤であるもの(可撓性潤滑材料Aという)と、該材料自体は潤滑性はないが潤滑剤を添加して潤滑性にしたもの(可撓性潤滑材料Bという)の双方を包含する。
この潤滑剤としては、電子写真特性に悪影響を与えないように、電気抵抗とか屈折率のような物性と化学的な安定性を考慮に入れて選択することが必要である。電気抵抗によっては潜像を乱し、屈折率によっては光散乱により露光工程に影響を与えることがあり、従がって電気抵抗としては約1014Ω・cm以上のもの、屈折率が1.0に近似するものが好ましい。
【0035】
従って、このような条件に合う潤滑剤でありさえすれば特に限定されないが、潤滑性付与部材の製造性と画像形成装置内の搭載スペース等を考慮すると、材料自体が潤滑剤である可撓性潤滑材料Aが好ましく、特にフッ素系樹脂が好ましい。
フッ素系樹脂が好ましい理由は、特に化学的に安定で、かつ感光体表面に対する接触性(当接性)と感光体への転移性が特にすぐれており感光体表面への潤滑性を付与するのに有効であり、さらに高抵抗であるため、電子写真特性を阻害し難いという優れた面も持ち合わせているからである。またフッ素系樹脂が本発明の潤滑性付与部材に使用するのに有効なのは、通常柔らかいが弾力性は殆ど無いために、物体に摺擦すると樹脂先端部のフッ素が脱落し、相手側に転移し潤滑作用を呈するからであると考えられる。
【0036】
フッ素系樹脂としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE、商品例:テフロン)、四フッ化エチレンとパーフルロロアルキルビニルエーテルとの共重合体(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレンとエチレンとの共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、テトラフルオロエチレンとオキサフルオロプロピレンとの共重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリトリフルオロクロルエチレン(PTFCE)、ジクロルジフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂;ポリフルオロカーボン、ポリテトラフルオロエチレン等の繊維の加工物を等を挙げることができる。この中でも特に、ポリテトラフルオロエチレンが有効な材料である。
【0037】
潤滑剤を添加して潤滑性にした可撓性潤滑材料Bの場合に用いる潤滑剤としては、通常知られている潤滑剤であって前記の条件に合うものであれぱ使用可能であり特に限定されない。
例えば、織物、フエルト、細孔を有するシート状物、あるいは多孔質のような可撓性の材料に、フッ素系グリス、シリコーン系グリス、シリコーン−フッ素系のシリコーン、フッ素系の合成潤滑グリス等に代表されるグリース類、その他の固体形態粉末タイプあるいは液体形態の潤滑剤を内蔵しあるいは含浸する等して添加して本発明に使用する可撓性潤滑材料Bとして用いることが可能である。
【0038】
しかしながら、潤滑剤を添加する方法は、それを使用して感光体に潤滑剤を塗布し均一かつ薄い膜を形成するのにかなりの工夫を必要とするため、前述のように、材料自体が潤滑剤である可撓性潤滑材料Aがはるかに好ましく、特にフッ素系樹脂が有効である。
【0039】
また本発明に用いる可撓性潤滑材料Aとしては、特に潤滑付与部材の製造上の簡便性、画像形成装置内の設置スペースを考慮した場合の小型化のために、さらに厚さを容易に選択できるため、感光体との接触性が良好で傷つきにくいという点をから、フィルム状もしくはシート状(フィルム状と総称する)を用いることが好ましい。
【0040】
さらに潤滑性付与部材の感光体表面との当接性を高めソフトな接触を持たせるために、可撓性潤滑材料A自体が、網目構造のもの、繊維の間に気泡を入れてスポンジ様にしたもの、マシュマロ状のもの、繊維を柔らかく束ねて長手方向に裂けるようにしたもの等(弾性体状構造物という)を用いることができる。
このようなもので市販されているものとして、例えばフロン工業社製のテフロンソフトテープ(商品名)とかニチアス社製のテフロンSPパッキン(商品名)がある。
【0041】
潤滑性付与部材の感光体表面との当接性を高める他のやり方は、フィルム状可撓性材料Aの感光体と当接させる面とは逆側(内側)に、弾性部材を内蔵させた構造物を使用することである。
スポンジ、モルトプレーン、フォーム等で呼ばれる弾性体材料を内蔵させた構造物を用いると、特に変形安定性に優れ多数枚複写に特に有効である。
【0042】
本発明に使用する可撓性潤滑材料の厚さは、感光体表面との当接性とその安定性を得るために重要な条件であり、薄過ぎると耐久性の面で、厚すぎると当接面が硬くなって感光体にダメージを起こさせるので、約50〜500μmが好ましく、特に約100から300μmであることが好ましい。
しかしながら、特に可撓性潤滑材料Aの場合、薄いと伸びやしわにより変形するとか感光体表面との摺擦により折れやすい等の欠点があるものの、感光体表面との当接性がより安定するという利点があり、その利点を活かすため該材料を例えばアセテートフィルムのような材料で裏打ちして用いることができる。
【0043】
本発明の潤滑性付与部材として、可撓性潤滑材料として材質によってあるいは成型加工によって画像形成装置に設置する部分を少なくとも硬度を上げる等すれば、支持基体に固定せずに単独に使用することが可能である。
しかしながら、安定した特性及び動作を得るためには可撓性潤滑材料を支持基体に固定し、あるいは可撓性潤滑材料を支持基体と抑え板で挟持する構造にしたものも用いる方が実用上有効である。
【0044】
支持基体としては樹脂シートでも金属板でも良く、例えばポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニール樹脂などのフィルム、アルミニウム板、ステンレス板などが使用でき、これらの材料は抑え板にも適用可能である。
支持基体あるいは抑え板の厚さは、潤滑性付与部材の構造によって適宜選択される。
【0045】
可撓性潤滑材料Aを長期に亘って使用すると、伸びとか破れなどの異常が起こり、画像品質の悪化、感光体の局部的な摩耗、感光体汚染などが発生する事がある。この様な問題が発生すると感光体を早めに交換する必要性が出てくるが、この交換時期を、可撓性潤滑材料Aの内側にマーキングを施すことにより、確認することができる。
可撓性潤滑材料Aの色は通常白色半透明あるいは茶褐色のものが多いが、摩耗して膜厚が減るにしたがって透明性を増してくるため、可撓性潤滑材料Aの感光体当接部に相当する内側に施したマーキングが鮮明になってきて、交換時期のタイミングをはかれる利点がある。
【0046】
ここで、本発明の潤滑性付与部材について、代表的なものを例に挙げて説明する。
【0047】
図5(a)、(b)は、可撓性潤滑材料として300〜500μmの厚みのフィルム状のフッ素樹脂を用い、これを感光体の画像形成領域の長さにカットして、感光体(101)にニップを持つように曲げた形状の潤滑性付与部材201bの側面図の例である。図5(a)はフッ素系樹脂部材201b、図5(b)はフッ素系樹脂部材201bを支持基体201aに取り付けた図である。
この方式は、5万枚程度の比較的複写枚数の少ない画像形成装置に好適である。
支持基体は201aポリカーボネート樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、べークライト樹脂、アルミニウム板、ステンレス板などが利用でき、支持基体の厚みは200〜1000μm程度有ればよい。
【0048】
図6は、50〜200μmのフィルム状の可撓性潤滑材料Aを折り返し、先端部を折り曲げ膨らみを持たせた形状の側面図例で、支持基体201aに取り付けた可撓性潤滑材料201bである。
支持基体に取り付けるのは強度と実質的な作用領域が感光体表面に当接する領域のみで、その他の領域は機能に作用しないためである。また、先端の膨らみを持たせるのは感光体とのソフトな接触性を得るためである。
50μm程度の薄いフィルム状の材料を使用する場合には、感光体との当接部位をはずした位置に両面テープを貼り2枚重ねに使用する方が耐久性取扱い及び作成面から好ましい。
【0049】
図7は、可撓性潤滑材料のフッ素系樹脂部材201b中に弾性部材201cを内蔵した潤滑性付与部材を示す側面図例で、支持基体201aに強力両面テープ(例えばニチバンテープ、3M社のST416P、ニットーテープなど)で接着した図である。
フッ素系樹脂部材201bと支持基体201aとの接合はテープで抑えるか、ホッチキス針の様なかしめ材201eで補強すればよい。
弾性部材201cとしては、柔らかく、引っ張り強度が大きく、圧縮残留歪みが少ない部材が望ましい。これは長時問に亘って使用する場合、変形による感光体との接触性の悪化を抑制する事と、感光体との均一な接触性を保持するためである。
【0050】
弾性部材としてはイノアックコーポレーションのウレタンフオーム(商品名:ポロン、特性例 密度:0.2g/cm2、引っ張り強度:3.1kg/cm2、延び:150%、圧縮残留歪み:5.9%、No.LE−20)等が良好な部材の1つとして挙げられるが、通常スポンジ又はモルトプレーンと言われるウレタン樹脂系の発泡材(例えば、イノアック・コーポレーション製HR−80、EGR−2、SM−55、ECTなど)でも使用可能である。
【0051】
内蔵する弾性部材の膜厚は取り付けスペースで決定すればよいが、通常は2〜5mmの厚みで十分であり、2〜3mmの場合は1枚か2枚重ね、又は1枚を折り曲げて使用する。5mm厚の場合は1枚使用で効果が得られる。
弾性部材はシート状でなくとも、丸棒状になっているものでも良く、場合によっては、空気を入れた風船の様な物でも良い。フィルム状の可撓性潤滑材料には50〜100μm程度の薄膜のフィルムが好適である。
この方式は、5万枚程度あるいはそれ以上の複写に好適である。
【0052】
図8は、図7に示す構造の潤滑性付与部材に更に前側に抑え板201dを付加した部材の側面図で、図7の構造の耐久性を高めたものである。
長期に亘って使用すると、可撓性潤滑材料201bは弾性部材の変形により、感光体との接触性が不安定になり、摩擦係数が局部的に上昇する場合が生じる。これを防止するために抑え板201dを付加する。
この処置により、更に長期に亘って安定した画像品質並びに感光体の低摩耗化を保証できる。また、抑え板201dで挟持する場合に両面テープを使用するが、更にかしめ材201e(例えばホッチキス針)を使用すれば安定性が向上する。
この方式に用いるフィルム状の可撓性潤滑材料の厚さは、100μm前後で十分である。300μm程度に厚くなると弾性部材の効果が期待できない。
【0053】
抑え板201dとしては、ポリカーボネート樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムなどが利用でき、厚みは200〜500μm程度でよい。通常は200〜300μm程度のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムやポリカーボネート樹脂フィルムでよい。
【0054】
図9は、図8に示す潤滑性付与部材を斜視図で示したものである。少なくとも感光体の長手方向の画像形成領域をカバーできる長さ以上あればよい。
【0055】
図10は、可撓性潤滑材料が弾性体状構造物401bであって、これをスポンジやモルトプレーンあるいはもっと密度の高いフォームと呼ばれる弾性部材401cを介して支持基体401aに取り付けた例である。しかしながら、弾性部材を介さずに可撓性潤滑材料を直接支持基体に取り付けても良い。
この弾性体状構造物401bはスポンジやモルトプレーンの様な復元性、弾力性の良好な構造物である。
【0056】
図11はブレードクリーニング部の金属基体部に取り付け(ねじ止め)可能なように形成した潤滑剤塗布装置201である。支持基体201aは250μm程度の厚さポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などのフィルム、0.1〜0.2mm程度の厚さのアルミニウム板、ステンレス版等が使用できる。
【0057】
次に、電子写真画像形成プロセスにおいて、本発明の潤滑性付与部材を使用する態様を説明する。
図1によって電子写真画像形成プロセスを概説する。感光体101は帯電装置(ここでは接触帯電装置で示す)102により荷電される。帯電極性は感光体を構成する材料種で異なり、近年の感光体の主流である有機感光体にはマイナス帯電あるいはプラス帯電で動作する2種の感光体がある。本発明の潤滑性付与部材が適用される感光体としては、特に限定されない。
【0058】
代表的な感光体の構成を図2(a)〜(d)に示す。図2(a)は導電性支持体1上に下引き層2を形成し、その上に電荷輸送材と電荷発生材を一体成形した感光層5の単層タイプ、図2(b)は導電性支持体1上に電荷発生層3、ついで電荷輸送層4を形成した機能分離型の感光体、図2(c)は導電性支持体1と電荷発生層3の間に下引き層2を形成し、その上に電荷輪送層4を形成した機能分離型の感光体、図2(d)は電荷輪送層4の上に保護層6を形成した感光体である。
プラス帯電の場合は図2(a)の構成が多く使用され、マイナス帯電の場合は図2(b)〜図2(d)の構成の感光体が多く使用される。電荷輸送層4を上面に形成する主な理由は高寿命化にある。電荷発生層を最上面に形成する場合には、殆どの場合保護層を必要とする。
また、図2(c)の様な機能分離型の感光体の耐摩耗性を更に延ばすために、感光層の上に保護層が形成される場合もある。
【0059】
感光体にプラスもしくはマイナス電荷を付与後、画像露光系103により画像露光が感光体面101に行われ、感光体上に原稿に応じた潜像が形成される。この潜像は現像装置104で現像剤により現像され、原稿像は感光体上で顕像化(トナー像)される。続いて、感光体上のトナー像は転写装置105によりコピー用紙109に転写され、定着装置108に送られハードコピーとなる。
【0060】
転写を終了した感光体101は、クリーニング装置106(一般にクリーニングブラシ及び/又はクリーニングブレードで構成する)でトナー像が清掃された後、内部電荷を消去するために、除電装置(一般に赤色光が使用される)107で除電され一連の複写プロセスが終了する。
【0061】
本発明の潤滑性付与部材を設置する位置はスペースがあればどの位置でも可能であるが、潤滑性付与部材を効果的に動作させるためには、複写に全く阻害されないクリーニング装置106と帯電装置102との間に設置するのが最も有効である。図1では、この好ましい態様として潤滑性付与部材201が設置された装置を示している。
【0062】
潤滑剤付与部材の設置を、クリーニング装置106と帯電装置102との間以外の場所に行なっても、その効果は発揮する。例えば現像装置104と転写装置105の間に設置する場合で説明すると、潤滑剤付与部材を最初に感光体表面に当接し潤滑剤を付与した後、複写が終了するまで非当接状態にしておく必要がある。そうしないと現像されたトナー画像が当接された潤滑剤付与部材によって崩れてしまうからである。
【0063】
この場合、一つの原稿から数枚複写する場合にはさほど問題ないが、多数枚を複写する場合には、枚数を重ねるに従がい潤滑剤付与部材から最初に転移された潤滑剤がクリーニングブレード等で徐々に除去されて、感光体表面の潤滑剤の膜が不均一な状態になることがあり、そのような場合には潤滑剤付与部材の所期の効果が低下することになる。
【0064】
本発明の潤滑剤付与部材を、クリーニング装置106と帯電装置102との間に設置する場合には、潤滑性付与部材は感光体表面に常時当接させるか、もしくは間欠的に当接するようにすることができる。間欠的とは、一定時間潤滑性付与部材を感光体表面に当接させた後、一定時間感光体から隔離する方法で、常時当接させることに比べて、感光体の摩耗は少し増加する傾向にあるが、画像品質の安定性は増す。
【0065】
次に、潤滑性付与部材と感光体表面との長さ方向の接触幅(以後ニップと称する)について、図3と図4を用いて説明する。
ニップは、感光体に潤滑性を付与し適切な摩擦係数を維持するのに重要な要件である。
潤滑性付与部材を構成する可撓性潤滑材料201bを感光体101に当接して、回転する感光体により摺擦させると、潤滑剤微粒子が感光体に転移されるが、この際の感光体101の潤滑性能はニップにより左右される。図4に示すように、ニップが殆んど0に近く線接触になるにしたがって潤滑性能は殆んど発揮しなくなるが、ニップが大きくなるにしたがい潤滑性能がでてきて、最終的には一定のレベルに落ち着く。
【0066】
ニップは、基本的には可撓性潤滑材料が感光体に接触しているトータルの時間を意味し、可撓性潤滑材料の材質、感光体表面の性状等により左右され限定的でないが、0.2mm以上であることが好ましい。しかしながら、必要以上に大きいと当接時間が長く感光体の摩擦係数が下がりすぎて、その結果クリーニング機能が効かなくなって画像品質の低下をもたらすことにもなるため、特に0.5〜1.5mmであることがより好ましく、0.8〜1.1mmがもっとも好ましい。
ニップは、可撓性潤滑材料を感光体101に当接させる圧力、すなわち当接圧に左右される面があるが、当接圧が大きすぎるとニップの調整ができなくなって、感光体にスクラッチが形成されるなどの影響が出てくるため、適切なニップになるように当接圧を調整することが望ましい。
【0067】
さらに、φ24(mm)とかφ30(mm)のような小径の感光体を使用する場合、ニップを大きくとることは出来ないが、φ80(mm)やφ100(mm)の様に大きな感光体を使用する場合には、ニップが確保しやすいため、高速の画像形成の場合に有利となり、当接圧にも余裕がでてくる。したがって、感光体の径に応じたニップを設定することも必要である。
【0068】
当接圧は、潤滑性付与部材を適正に作動させるために潤滑性付与部材に応じて設定することが必要である。当接圧が高いと感光体に機械的ダメージを与え、低いと感光体表面との当接に不均一が生じるため、感光層の膜削れ、画像品質に不均一が生じる。
【0069】
当接圧は部材の形状、材質等で左右されるために、限定的でないが、本発明における当接圧を次のように定義する。
長さ100mm、幅30mm、厚さ85μmの上質紙(ベルト)を感光体と潤滑性付与部材の間に挿入し、前記のデジタル・フォース・ゲージで引っ張り、ベルトが引き出された最大に振れた目盛りを読みとり、その値を当接圧(gr)とする。
【0070】
本発明の潤滑性付与部材を当接することによって得られる感光体表面の摩擦係数の値は、以上説明した当接圧あるいはニップの設定値により、かなり左右されるものである。
所期の目的を達成するため実用上維持する必要のある摩擦係数の値としては、0.4以下であれば好ましいが、0.1〜0.3であればさらに好ましく、0.2〜0.3であれば特に有効である。
すなわち、摩擦係数は0.2〜0.3程度に維持すれば、クリーニングブレード及び現像剤による研磨効果が活きるため、感光体の摩耗を抑えながら、高画像品質を維持するのにもっとも効果的である。
【0071】
本発明における摩擦係数は、オイラーベルト方式により次のような測定方法で算出されるものである。なお、このオイラー・ベルト方式については、特開平9−166919号公報にも示されている。
まず、測定用の感光体を固定する。ベルトとして幅30mm、長さ290mmにカットした上質紙を用意し、前記上質紙を感光体の上に乗せ、ベルト端部の一方に100grのおもりを取り付け、もう一方の片端に重量測定用のデジタル・フォース・ゲージを取り付け、デジタル・フォース・ゲージをゆっくり引き、ベルトが移動開始する瞬間の重量を読みとり、次の式で(静止)摩擦係数を計算する。
μs=2/π×1n(F/W)
ただし、μs:静止摩擦係数
F:読みとり荷重
W:分銅の重さ
π:円周率
【0072】
潤滑性付与部材の可撓性潤滑材料をニップを持たせて感光体に当接して所期の目的を達成するためには、前述のように感光体に機械的ダメージを与えないように可撓性潤滑材料が感光体に均一かつソフトに当接させる工夫が必要となる。
その例として、可撓性潤滑材料Aを用いる場合、適切なニップを得られるように感光体の曲率に沿ったような形に成形するなどすれば、当接しても所定の摩擦係数を得ることができる。さらに多数枚複写で高画質が要求されるような場合には、より安定した当接状態が求められ、そのために前述の可撓性潤滑材料A中に弾性部材を内蔵する方法が有効である。
【0073】
先に説明したように、未使用の感光体の多くは通常表面摩擦係数がもともと高いものであるが、それを搭載した画像形成装置をそのままにして稼動させても、クリーニングブレードの材質がゴムのようなものが多いため、時には感光体をロックするような事態をおこし、感光体の初期回転起動がスムーズにいかず、本発明の所期の目的が十分に達成されない場合がある。
【0074】
このような事態の発生を防止する方法として、画像形成装置を稼動させる前に、潤滑剤をクリーニングブレード先端部及びその周囲、感光体のクリーニングブレード近傍に塗布しておくと、感光体の初期回転起動を感光体に傷つけることなくスムーズに行なえるようになるために有効であり、本発明の潤滑性付与部材と併用することが好ましい。
【0075】
このために用いる潤滑剤としては、通常知られている潤滑剤が使用可能であり特に限定されない。
使用可能な潤滑剤としては、例えば、オレイン酸鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸銅、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸鉄、ステアリン酸銅、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、リノレン酸亜鉛等の金属脂肪酸、フッ化亜鉛、滑石(タルク)類の他に、本発明の潤滑性付与部材で用いる可撓性潤滑材料として先に挙げたフッ素を含有する高分子等が全て使用できる。
これらの中では、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の粉末状フッ素系樹脂が良好な効果を与え、化学的安定性の面でも好適である。
【0076】
液体の潤滑剤の場合にはブレードの先端部及び周辺に塗布する程度で、十分に効果を発揮できる。潤滑性を出す液体には次のようなものがある。
鯨油、スクワランオイルなどの動物性オイル系、菜種油、紅花油、ゴマ油、椿油、糠油などの植物性オイル系、パラフィンやナフテン系の鉱物油石油系、エステル系、ポリエーテル系、炭化水素系、シリコーン系、フッ素系の合成油系等。
【0077】
シリコーンオイルにはメチルフェニルシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、シリコーンポリエーテル共重合体のオイル類、変性シリコーンオイルとしてはフッ素変性、エポキシ変性、アルコール変性、アルキル変性、アミノ変性等のシリコーンオイルなどがあり、多少の効果上に違いがあるが良好な潤滑性を示す。
フッ素系のオイルとしてはフルオロカーボン油、パーフルオロエーテル油などがある。これらの液体の中では特にシリコーンオイルもしくはフッ素系のオイルが化学的安定性、不揮発性の面で優れ、本発明には好適である。
【0078】
一方、潤滑グリースは一般的にシックナー(増稠剤)が繊維状のミセルとして分散し多くの点で接合し、全体的に網目3次元構造を作り、その中で潤滑油が保持されていると考えられる。潤滑グリースとしては増稠剤としてカルシウム石鹸グリス、ナトリウム石鹸グリス、リチウム石鹸グリス、カルシウムコンプレックスグリス、バリウムコンプレックスグリス等の石鹸系グリスの他、ベントン、ファインシリカ、銅フタロシアニンアリル尿素などの非石鹸系のグリスがあり、これらの基油としてはジエステル油、シリコーン油、フルオロカーボン油等を用いたものである。
【0079】
グリースの場合には、フッ素グリス、シリコーン系グリス、シリコーン−フッ素系のシリコーン、フッ素系の合成潤滑グリス等が優れた潤滑剤で、本発明にはこれらの合成グリースが特に好適である。
このグリースをブレードの先端部を中心に薄く塗布し、不要なグリースを除去しておくことにより画像品質を劣化させることなく、感光体にスムーズな回転を与えることができる。
【0080】
さらに感光体のクリーニングをより完全に行なうために、通常のクリーニング装置に加えて補助クリーニング装置を併設すると、本発明の潤滑性付与部材の所期の機能がより有効に作用するので、好ましい。
補助クリーニング装置について、図21〜23を用いて説明する。
【0081】
補助クリーニング装置501は補助クリーニング部材501aが支持基体501bに支持された構成である。補助クリーニング部材としては感光体にスクラヅチを与えにくい部材、例えばポリウレタンゴム、クロロプレンゴム、ネオプレンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴムなどが用いられる。硬度はアスカーC硬度で50〜85度、厚みは1〜3mm程度のものが好ましい。硬度は硬すぎると感光体にスクラッチを与える危険性が増し、柔らかいと異物に対する抵抗力が小さく、異物のすり抜けが起こる可能性があるため、通常は65〜80度程度を使用することが特に好ましく、感光体の硬度、及び表面物性、当接角等を配慮して設定される。
【0082】
補助クリーニング部材501aは図21および図22に示される様に、感光体101にたいしカウンター方向で取り付けられる。補助クリーニング部材が2〜3mm程度の厚さの場合には図21及び22の様に先端部をカットし、入り口側で、トナー等の異物を阻止することが望ましい。これは異物のすり抜けを防止するために都合が良い。1mm程度の薄い場合にも先端部を傾斜カットするのが望ましいが、そのままのカットでも不都合は生じない。カットする角度は取り付け位置、角度などによって左右されるため、特定されるものではない。
【0083】
支持基体501bの先端部から補助クリーニング部材501aの先端部までの長さは補助クリーニング部材501aの厚さおよび、スペース、クリーニング性能等によって左右されるが、通常は15mm以下に設定される。補助クリーニング部材501aの厚さが薄くなるにしたがい短くする。スペースの関係で1mmの厚さを使用する場合には10mm以下、好ましくは5mm程度で使用されるが、この場合には更に図23に示すように補強板501cを使用するのが望ましい。補強板は0.1〜0.2mm程度の厚みのアルミニウム板を両面テープで接着する程度で十分である。
【0084】
トナークリーニングブレード106aと補助クリーニング部材501aとの間隔は1mm以上とすると効果的である。
【0085】
次に、本発明の潤滑性付与部材を画像形成装置に取り付けた例にっいて説明する。
【0086】
図12は図5(b)の潤滑性付与部材201を帯電装置102のカバーを利用して取り付けた例である。取り付けに関しては特に前記方法に固定されるものでなく、クリーニング装置106のクリーニングブレードの金属基体部に取り付けても、画像形成装置の筐体に取り付けても良い。
【0087】
図13は図6に示す先端部に膨らみを有する潤滑性付与部材201を帯電装置102のカバーを利用して取り付けた例である。
【0088】
図14は図11に示す弾性部材201cを内蔵した潤滑性付与部材201を帯電装置102のカバーを利用して取り付けた例である。帯電装置102のカバーに取り付けるには前述の強力両面テープで行う事ができるが、交換可能なようにレールを利用する方式でも良い。
【0089】
図15は図8に示す潤滑性付与部材201をブレードクリーニング装置106の金属基体部を利用して取り付けた例である。この方法では金属基体部と厚み1〜2mm程度のアルミニウムやアクリル樹脂、塩化ビニール樹脂などをL型に加工したLアングル303との間にスプリング302を挿入し、潤滑性付与部材201の当接圧を調整できるようにした例である。
【0090】
これら以外の設置の方法としては、クリーニング装置の金属基体部や帯電装置のカバーにレールを取り付けたり、あるいは画像形成装置の筐体に取り付けるようにすれば、交換が容易に行える。
例えば、リコー社製電子写真複写機(MF200)の感光体とクリーニング装置と現像装置が一体化したユニットを使用した例では、本実施例に示すようにクリーニング装置の取り付け部を利用して潤滑性付与部材をセットすることができる。
【0091】
図16は、図10に示す弾性体状構造物401bを弾性部材401cを介して支持基体401aに超強力両面テープ等を使用して接着した潤滑性付与部材401を、ブレードクリーニング装置の金属基体部を利用して設置した例である。
【0092】
図17は図11に示す潤滑性付与部材の装置201をブレードクリーニング装置106の金属基体部に取り付けた例で、安定性は良好で、10〜20万枚の複写に使用できる。
【0093】
図示していないが、例えば図11に示す潤滑性付与部材の可撓性潤滑材料の感光体と接する側の反対側の面に、少なくとも感光体に当接する幅以上(通常は5mm程度あればよい)で感光体の全長さに亘って、ペンキやラインマーカーのような油性インキなどで赤色とか青色に印刷もしくは手書して、可撓性潤滑材料の削れ判定用マークを形成する。可撓性潤滑材料が削れて薄くなるにしたがい、マ一クが次第にはっきりと目視できるようにして、部材の交換時期の判断を可能にすることができる。
【0094】
【実施例】
次に、本発明を実施例及び比較例をあげて具体的に説明する。ここでの部は重量基準である。
まず、評価方法および感光体の作製方法について述べる。
【0095】
(評価方法)
効果の確認は電子写真複写機(リコー社製電子写真複写機、イマジオMF200機又はDA355機)を用い、評価には後述する方法で作成した感光体を使用した。
評価方法は、下記方法で作成した感光体を前記電子写真複写機に搭載し、A4サイズの複写紙を使用し、1万枚/日の割合で複写し、指定の原稿を用い画像評価を行い、前記方法による摩擦係数、フィッシャー社の渦電流式の膜厚計を用いて膜厚の測定を行った。トータル評価枚数は5〜10万枚とした。画像評価は指定のA3サイズの原稿で作像し、膜厚はフィッシャー社の渦電流式膜厚計を用いた。ただし、潤滑性付与部材は必要に応じて交換した。
潤滑性付与部材の設置位置はトナークリーニング装置と帯電装置との間である。
また、通紙評価を行った環境は22〜24℃/66〜70%RHであり、画像評価は30℃/90%RH環境でも行った。
詳細には実施例、比較例中に記載する。
【0096】
(感光体の作製)
φ30mm、長さ340mmのアルミニウムドラムに下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布乾燥することにより、3.5μm厚の下引き層、0.2μm厚の電荷発生層、25μm厚の電荷輸送層を順次形成し電子写真感光体を作製した。
【0097】
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL、
大日本インキ化学工業社製) 6部
メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60、
大日本インキ化学工業社製) 4部
酸化チタン 40部
メチルエチルケトン 200部
【0098】
〔電荷発生層用塗工液〕
下記構造のトリスアゾ顔料 2.5部
【化1】
Figure 0004199890
ポリビニルブチラール(UCC社製:XYHL) 0.5部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
【0099】
〔電荷輪送層用塗工液〕
ビスフェノールA型ポリカーボネート(帝人社製:
パンライトK1300) 10部
下記構造の低分子電荷輪送物質 10部
【化2】
Figure 0004199890
塩化メチレン 100部
メチルフェニルシリコーンオイル(50cs) 数滴
【0100】
続いて、本発明の潤滑性付与部材について説明する。
【0101】
実施例1および2
可撓性潤滑材料201bとして200μm厚及び500μm厚のフッ素樹脂フィルム(ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、ニチアス社製の商品名ナフロン(TOMBO 9001))、支持基体201aとして300μm厚のポリカーボネート樹脂を用い、図5(b)に示す構造の潤滑性付与部材を作成した。
【0102】
この潤滑性付与部材をリコー社製電子写真複写機MF200の感光体ユニットの帯電装置のカバー部に強力両面テープを用いて、当接圧を45〜55gr目標に装着し、効果確認を行った。これを実施例1及び2として表1に示し、また摩擦係数の推移の結果を図18に示す。図18から、約100枚を複写するまでに摩擦係数は低減し、その値から5万枚までほとんど変化しないことがわかる。
図18中、前側、中央、奥側とは、感光体の一方の端から70mm(前側)、170mm(中央)及び270mm(奥側)の位置について測定したこと意味する。(以下、図19および図20も同じ)
この方式では明らかに潤滑性付与部材の効果が認められたが、500μm厚のフッ素系樹脂フィルムでは5万枚終了後、感光体面に若干筋状の汚れが確認されたが、画像上では実用領域であった。
【0103】
実施例3〜5
可撓性潤滑材料201bとして50μm厚、100μm厚及び200μm厚のフッ素樹脂フィルム(ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、ニチアス社の商品名ナフロン(TOMBO 9001))、支持基体201aとして300μm厚のポリカーボネート樹脂を用い、図6に示す構造の潤滑性付与部材を作成した。
【0104】
この潤滑性付与部材をリコー社製電子写真複写機MF200の感光体ユニットの帯電装置のカバー部に強力両面テープを用いて、当接圧を40gr目標に装着し、効果確認を行った。これを実施例3、4及び5として表1に結果を示す。
この方式では摩擦係数の変化及び、膜削れ量も問題なかった。
【0105】
実施例6〜9
可撓性潤滑材料201bとして50μm厚及び100μm厚のフッ素樹脂フィルム(ポリテトラフルオロエチレン樹脂PTFE)、ニチアス社製の商品名ナフロン(TOMBO 9001))、支持基体201aとして300μm厚のポリカーボネート樹脂、弾性部材として人工皮革(東レエクセーヌ社製)及び弾性部材201cとしてウレタンフォーム(LE−20、密度:0.2g/cm2、引っ張り強度:3.1kg/cm2、延び:150%、圧縮残留歪み:5.9%)を用い、図7に示す構造の潤滑性付与部材を作成した。
【0106】
この潤滑性付与部材をリコー社製電子写真複写機MF200の感光体ユニットのクリーニング装置ブレードの取り付け支持体に、図15に示すLアングル303を取り付け、感光体への潤滑性付与部材の当接圧が40〜60grに入るように、超強力両面テープ(3M社製、#442J)を用いて取り付け、効果確認を行った。人工皮革の場合を実施例6及び7、ウレタンフォームの場合を実施例8及び9として表1に結果を示す。
この方式では50μm厚の可撓性潤滑材料と人工皮革を組み合わせたときに微かに筋状汚れが画像上及び感光体に観測されたが、効果としては十分に確認された。
【0107】
実施例10〜11
可撓性潤滑材料201bとして50μm厚及び100μm厚のフッ素樹脂フィルム(ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、ニチアス社製の商品名ナフロン(TOMBO 9001))、支持基体201aとして300μm厚のポリカーボネート樹脂、抑え板として250μm厚のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、弾性部材201cとして2mm厚と3mm厚のウレタンフォーム(LE−20、密度:0.2g/cm2、引っ張り強度:3.1kg/cm2、延び:150%、圧縮残留歪み:5.9%)を用い、図8に示す構造の潤滑性付与部材を作成した。
なお、50μm厚のフィルムの場合は2枚重ねとし、感光体表面と当接する部位をはずして、ズレが無いように両面テープで張り合わせた。
【0108】
この潤滑性付与部材をリコー社製電子写真複写機MF200の感光体ユニットのクリーニング装置のブレードの取り付け支持体に、図15に示すLアングル303を取り付け、感光体への潤滑性付与部材の当接圧が40〜60grに入るように、超強力両面テープ(3M社製、#442J)を用いて取り付け、効果確認を行った。これを実施例10及び11として表1に示し、実施例11の摩擦係数の推移を図19として結果を示す。この図19から摩擦低減状態は、図18で述べたと同様であることが判る。
この方式では潤滑性付与部材の削れが50μm厚のフッ素系樹脂フィルムに耐久性の問題が有り、画像に黒筋が発生したものの、100μm厚の方では削れに余裕が有り、画質に問題は無かった。
【0109】
実施例12〜14
可撓性潤滑材料201bとして50μm厚及び100μm厚のフッ素樹脂フィルム(ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、ニチアス社の商品名ナフロン(TOMBO 9001))、支持基体201aとして300μm厚のポリカーボネート樹脂、抑え板として250μm厚のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、弾性部材201cとして2mm厚のウレタンフォーム(LE−20、密度:0.29/cm2、引っ張り強度:3.1kg/cm2、延び:150%、圧縮残留歪み:5.9%)を用い、図8に示す構造の潤滑性付与部材を作成した。
50μm厚及び100μm厚のフッ素樹脂フィルムは夫々1枚とし、両面テープを張った25μm厚及び50μm厚のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(東レ社製、ルミラー)、及び糊付きアセテートフィルム(3M社製、メンディングテープ)を用意し裏打ち部材として、前記の50μm厚及び100μm厚のフッ素樹脂フィルムの裏打ち部材として貼り付けた。
【0110】
この潤滑性付与部材をリコー社製電子写真複写機MF200の感光体ユニットのクリーニング装置のブレードの取り付け支持体に、図15に示すLアングル303を取り付け、感光体と潤滑性付与部材の当接圧が40〜60grに入るように超強力両面テープ(3M社製、#442J)を用いて取り付け、効果確認を行った。これを実施例12及び14として、表1に結果を示す。
この方式は補強部材としての裏打ちで、結果は実施例10、11とほぼ同じ結果で問題はなかった。補強したため、フッ素系樹脂部材の折れ及び歪みが少なくなり、裏打ちを施さない時に比べて取扱い上有利さが認められた。
【0111】
実施例15および16
可撓性潤滑材料として50μm厚及び100μm厚のフッ素樹脂フィルム(ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、ニチアス社の商品名ナフロン(TOMBO 9001))、支持基体201aとして300μm厚のポリカーボネート樹脂、抑え板として250μm厚のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、弾性部材として2mm厚のウレタンフォーム(LE−20、密度:0.2g/cm2、引っ張り強度:3.1kg/cm2、延び:150%、圧縮残留歪み:5.9%)を用い、図8に示す構造の潤滑性付与部材を作成した。
なお、50μm厚及び100μm厚のフッ素樹脂フィルムは夫々1枚とし、感光体との当接する部位の内側に油性ペンで幅20mmのラインを感光体長手方向全幅に亘ってマーキングし、50μm厚のフッ素系樹脂フィルムには更に実施例14に示す1/2インチ幅のアセテートフィルムを貼り付けた。
【0112】
この潤滑性付与部材をリコー社製電子写真複写機MF200の感光体ユニットのクリーニング装置のブレードの取り付け支持体に、図15に示すLアングルを取り付け、感光体への潤滑性付与部材の当接圧が40〜60grに入るように、超強力両面テープ(3M社製、#442J)を用いて取り付け、効果確認を行った。これを実施例15及び16として表1に結果を示す。
この方式では実施例10〜14の結果にほぼ準じるが、50μm厚のフッ素樹脂フィルムでは明らかに削れが生じ、マーキングが現れたが、100μm厚の方では削れた分だけマーキングが濃くなる方向で観測され、明らかに交換時期を判断しうることが判った。
【0113】
実施例17
幅6.5mm、厚さ3.8mm、長さ300mmの弾性体状構造物であるフッ素系樹脂テープ(フロン工業社製、テフロンソフトテープ(PTFE))を感光体と2〜3mmの当接幅で接するように加工された1mm厚のアルミニウム板に3mm厚のウレタンフォームを介して両面テープで張り付けて、図10に示す構造の潤滑性付与部材を作成した。これをリコー社製電子写真複写機MF200の感光体ユニットのクリニング装置ブレードの取り付け支持体にスプリングを使用し、長手方向で当接圧が自由に設定できるように取り付け、効果確認を行った。これを実施例17として表1に結果を示す。
この方式では接触性に若干問題が発生し、微かに筋状模様が出たが、それ以外の項目については特に問題なかった。
【0114】
実施例18
幅6.5mm、厚さ4.5mm、長さ300mmのフッ素系樹脂の弾性体状構造物(フロン工業社製、テフロンソフトテープ(PTFE、TK−9型))を用い、L型に加工した長さ300mm、厚さ1mmのアルミニウム板に、強力両面テープ(3M社製442J)で張り付けて、図10に示す構造の潤滑性付与部材を作成した。これを評価機(リコー社製電子写真複写機イマジオMF200機)のクリーニング装置の金属部に感光体とのニップが約1.5mm前後得られるようにスプリングを間に挟みビス固定した。この時の当接圧は約43〜48gであった。これの評価結果を表1に示す。
【0115】
比較例1
実施例1〜18に使用したと同等の感光体を用い、潤滑性付与部材の装置を装着しないで摩擦係数、作像、及び膜厚の評価を実施した。この結果を表1に示し、また摩擦係数の推移の結果を図20に示す。この図20から、複写を開始するとまもなく摩擦係数が増加していることが判る。
この方式では画像上の問題は全くないが、膜削れが0.6μmと潤滑性付与部材を使用した場合の3倍の削れがあり、耐久性が低い結果となった。
【0116】
比較例2
実施例1〜18と同じ構成のφ100mmの感光体を作製し、クリーニングブラシを介してステアリン酸亜鉛が感光体に付与できるようにクリーニング装置を改造した電子写真複写機(リコー社製、DA355機)に搭載して、実施例1〜18、および比較例1と同様な評価方法で評価を実施した。この結果を表1に示す。
この方式では感光体の削れは全くないが、測定環境下で画像流れが発生した。
【0117】
【表1】
Figure 0004199890
【0118】
実施例19〜24
実施例11に示す潤滑性付与部材と取り付け装置を用い、スプリングによる感光体に対する当接圧を変化させ、感光体表面の摩擦係数が10000枚の複写後、夫々0.58〜0.62、0.45〜0.55、0.35〜0.45、0.25〜0.35、0.15〜0.25、0.2以下になるような数値に調整し、実施例1〜18と同様な評価方法で5万枚の複写を行い評価を実施した。以上の当接圧の条件を順に実施例19〜24として表2に結果を示す。
【0119】
【表2】
Figure 0004199890
【0120】
摩擦係数を変化させることで、感光層の摩耗に変化を生じるが、当接圧を上げすぎると、感光体に摺擦時のスクラッチが入り得策ではない。5万枚の評価結果では摩擦係数が低下するにしたがい感光層の摩耗は少なくなる。感光体を20万枚使用すると仮定すると、膜厚の減少と共に感光体が受ける電界強度が上昇するので、薄い電荷輸送層の感光体を使用した場合、放電破壊と言う現象を生む危険性が出てくる。したがって、膜厚減少の観点からも摩擦係数は少ない方が望ましいが、当接圧を上げることによって、感光体を傷つける危険性も出てくる。したがつて、上記範囲によれば、摩擦係数は0.35〜0.45が限界で、0.25〜0.35の範囲以下が好ましい。しかし、0.2になると、当接圧は100gr前後になり、感光体が傷つきが生じた。これらの結果から、摩擦係数は好ましい範囲は0.2〜0.4の範囲にある。
【0121】
実施例25〜30
可撓性潤滑材料として100μm厚のフッ素樹脂フィルム(ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、ニチアス社製、商品名ナフロン(TOMBO 9001))、弾性部材として1.5〜3mm厚のウレタンフォーム(イノアック製、商品名ポロンLE−20、L−24)、支持基体及び抑え板として250μm厚のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(東レ社製、ルミラー)を夫々使用して、感光体に当接したとき柔軟性の異なる図11に示す構成の潤滑性付与装置を作成した。
作製した潤滑剤付与装置を図17に示すように感光体ユニット(PCU)に取り付け、当接圧を45〜65grの間で調節し、感光体とのニップを夫々約0.12mm、0.3mm、0.8mm、1.2mm、2.0mm、3.5mmとして3万枚の通紙評価を実施した。結果を表3に示す。
【0122】
表3に見られるように、潤滑性付与部材の感光体表面への当接幅(ニップ)が0.12mmの場合は摩擦係数の低減効果が無く、むしろ上昇する。しかし、当接幅が0.3mmの場合は明らかに低下が見られ、0.8mm以上であれば、摩擦係数は0.3以下を達成でき、感光体の摩耗抑制が大きい。画像品質に関しては30℃90%RHの環境下でも問題がないが、当接幅が3.5mmになると、トナーフィルミングが少し多くなる傾向が見られるが概ね良好である。
【0123】
比較例3
実施例25に使用した弾性部材の代わりに、外径約φ2mmの熱収縮被覆チューブ(商品名:スミチューブ)を内蔵し、図11に同等の潤滑性付与部材を作製し、実施例25〜30と同じ方法で通紙評価を実施した。
この方法での当接幅は確認できなかった。この結果を表3に示す。
この方式では感光体との当接幅が確保され無いため(0.1mm以下)、線接触となり摩擦係数の低減化が殆ど無く、感光層の削れが多くなり、また筋状の模様が画像上に発生した。
【0124】
【表3】
Figure 0004199890
【0125】
次に、画像形成装置を画像形成稼動前に、潤滑剤をクリーニングブレード先端部、その周囲及び感光体のクリーニングブレード近傍の少なくとも一個所に塗布しておいて、感光体の初期稼動をスムースに行なうことについて、実施例に基づいて説明する。
【0126】
実施例31
効果確認用の電子写真複写機のクリーニングブレード先端部及びブレード周辺部の感光体面に(I)0.3〜0.5μmの粉末状ポリフッ化ビニリデン(PVDF、ペンヲルト化学社製、商品名カイナー)または(II)ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、ダイキン工業社製、商品名L−2)を刷毛に付着させて適当量塗布した。この状態で感光体を手回し回転させた。
次に、可撓性潤滑材料として100μm厚のフッ素フィルム(ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、ニチアス社製、商品名ナフロン(TOMBO 9001))、弾性部材として厚さ2mmのウレタンフォーム(イノアック製、商品名ポロンLE−20)、支持基体及び抑え板として250μm厚のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(東レ社製、ルミラー)を夫々使用して、図8に示す潤滑性付与部材装置を作成し、図15に示すように取付けた。このときの当接圧は前記した測定法にしたがって55±2(gr)に設定した。
この条件でのニップは0.8〜1.1mmである。
このようにして設定された効果確認用の電子写真機を稼動させ、通紙評価を実施した。
結果を表4に示す。
使用した2種の粉末状フッ素系樹脂はいずれも問題なく効果を発揮し、感光体の初期回転起動もスムーズであった。また、ブレードクリーニング装置と帯電装置の間に設置された潤滑性付与部材も良好に作動し、感光層の膜削れも少なく、いずれの環境でも20,000枚の通紙ランで実用上問題となる項目は確認できなかった。
【0127】
【表4】
Figure 0004199890
【0128】
実施例32
実験装置のクリーニングブレードの先端部を中心に以下に示す液体状の潤滑性付与部材を塗布した。
(III)300CSシリコーンオイル(KF96)
(IV)100CSフッ素系オイル(FLS507)
(V)グリース(SH111)
なお、文中SH系は東レダウコーニング社製、KF系は信越化学社製、FLS507は旭化成社製である。
【0129】
塗布方法は不織布(ユニチャーム製、マイクロワイプMU−1000)に前記潤滑性付与部材を含浸もしくは付着させて、実験装置に装着された状態のブレードの先端部を中心に全長さに亘って十分に塗布した後、別の不織布を用いて不要な液を拭き取り、前記作製法にしたがって作成された感光体を装着し、感光体を手回し2、3回転させた。
【0130】
次に、可撓性潤滑材料として100μm厚のフッ素フィルム(ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、ニチアス社製、商品名ナフロン(TOMBO 9001))、弾性部材として厚さ2mmのウレタンフォーム(イノアック製、商品名ポロンLE−20)、支持基体及び抑え板として250μm厚のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(東レ社製、ルミラー)を夫々使用して、図8に示す潤滑性付与部材装置を作成し、図15に示すように取り付けた。このときの当接圧は前記した測定法にしたがって55±2(gr)に設定した。
この条件でのニップは約0.3mmである。
このようにして設定された効果確認用の電子写真複写機を稼動させ、20,000枚の通紙評価を実施した。
結果を表5に示す。表5にみられるように、ロックして感光体が回転しなかったり、ブレード鳴きが生じる等はなかった。
【0131】
【表5】
Figure 0004199890
【0132】
さらに、通常のクリーニング装置とは別個の補助クリーニング装置を、潤滑性付与部材とクリーニング装置との間に設置して、クリーニング機能を向上させて、本発明の潤滑性付与部材の所期の目的をさらに高めることについて、実施例に基づいて説明する。
【0133】
実施例33〜36
可撓性潤滑材料として厚さ100μmのフッ素樹脂フィルム(ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、ニチアス社製、商品名ナフロン(TOMBO 9001))、弾性部材として厚さ2mmのウレタンフォーム(イノアック製、商品名ポロンLE−20)、支持基体及び抑え板として厚さ250μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(東レ社製、ルミラー)を夫々使用して、図24のAが約4.2mm、Bが約4.5mm、Cが約5mmの潤滑性付与部材装置を作成した。これをパーツ1とする。
【0134】
次に、厚さ1mmのゴム硬度が40度(シリコーンゴム)、55度(クロロプレンゴム)、70度(ポリウレタンゴム)、85度(ポウレタンゴム)の4種の硬度の異なるゴム板を幅10mm、長さ285mmに切断し、L字型に曲げた厚さ0.3mmのアルミニウム板を支持基体として、前記ゴム部材の先端部とアルミニウム先端部との寸法差が3.5mmとなるように、両面テープで貼り付けた。これらをパーツ2とする。
【0135】
この様にして作製されたパーツ1及びパーツ2を一体化し、評価用複写機(リコー社製イマジオMF200)の感光体ユニットにセットした。
セットの方法は、パーツ1とトナークリニングブレードの間隔を1.5mmとなし、次にパーツ2の取り付けネジを調節し、感光体表面と潤滑性付与部材のニップ(当接幅)が0.7〜1.0mmになる様な当接圧30〜35gで設定した。
【0136】
この様にして作製された感光体ユニットを評価用の複写機に装着し、通紙評価を実施した。その結果を表6に示す。ゴム硬度が40度ではクリーンニングブレードからの抜けトナーの阻止が不完全なため、潤滑性付与部材にトナー付着が見られた。画像品質に少し間題が発生し、感光層に偏摩耗が起こり、摩耗増加がおこった。55度のものでも問題とするレベルではないが、微かに筋が少し発生した。70度および85度のものに関してはトナー等の異物は殆ど阻止でき、画像及び感光体への影響は皆無であった。
【0137】
【表6】
Figure 0004199890
【0138】
【発明の効果】
請求項1に記載の潤滑性付与部材によれば、潤滑性付与部材を固体形状にすることにより、取り扱い、作業性に有利となり、形状をスペースに応じて適時変更でき、さらに部材による汚染が無いため、感光体を良好な特性で安定維持可能である。また、潤滑性付与部材を感光体の画像領域全長さに亘って作用させることによって、画像濃度にムラがでることをなくし、全域に亘って均一な画像品質を保証することができる。
さらに、可撓性潤滑材料をフィルム形態にすることで形状を設置スペースに応じて変えることができる。また、フィルムであるため、衝撃を吸収し感光体に対する機械的ダメージを抑制することができる。更に、感光体への作用をより均一化することが可能となり、均一な画像品質を得ることが可能であり、安価である。
また、弾性部材を内蔵したタイプであるため、多数枚複写に好適である。弾性部材は単層タイプより少し高価であるが、他の方式(例えば湿式法)と比べれば、遥かに安価であり、良好な効果を持続させることができる。
さらに、可撓性潤滑材料をフッ素系樹脂部材とすることで、少ない量で、効率よく感光体表層の摩擦係数を低減化できるため、感光体の表層汚染を最小限に止めることができ、また、感光体に対する負荷を抑えることができるため、感光体が受ける機械的ダメージを少なくすることができ、良好な画像品質が安定維持可能である。
また、良質の画質が長期にわたって得られる。潤滑性付与部材が長期に亘って使用される揚合(例えば複写枚数が多い、フルカラー複写機、プリンターなど1枚のコピーを得るのに4回作像される等)には潤滑性付与部材にも耐久性が要求される。この様な場合、支持基体に、更に抑え板で潤滑性付与部材が変形したり、浮きを生じないように、取り付け安定性を維持する必要がある。この処置により、感光体の摩耗は安定して抑制され、良好な画像品質が長期に亘って維持され、クリーニング性も良好である。
【0140】
請求項2に記載の潤滑性付与部材によれば、潤滑性付与部材を固体形状にすることにより、取り扱い、作業性に有利となり、形状をスペースに応じて適時変更でき、さらに部材による汚染が無いため、感光体を良好な特性で安定維持可能である。また、潤滑性付与部材を感光体の画像領域全長さに亘って作用させることによって、画像濃度にムラがでることをなくし、全域に亘って均一な画像品質を保証することができる。
さらに、フィルム形態の可撓性潤滑材料の他に弾性体状構造物が使用できる。フッ素樹脂で形成される弾性体状構造物はポーラスな繊維の集合体であるため、感光体へのなじみが良く、機械的なダメージも与えにくい。したがって、画像品質の均一性が得られ、また感光体の摩耗が少ないため耐久性が良い。必要な長さに切断し、装置にセットして使用することで、簡単に取り外し交換ができる。
また、本発明に使用される潤滑性付与部材の構造は弾性部材を内蔵した構造のものである。弾性部材を内蔵したタイプは多数枚複写に好適である。弾性部材は単層タイプより少し高くなるだけであるが、他の方式(例えば湿式法)と比べれば、遥かに安価であり、良好な効果を持続させることができる。
さらに、良質の画質が長期にわたって得られる。
また、可撓性潤滑材料をフッ素系樹脂部材とすることで、少ない量で、効率よく感光体表層の摩擦係数を低減化できるため、感光体の表層汚染を最小限に止めることができ、また、感光体に対する負荷を抑えることができるため、感光体が受ける機械的ダメージを少なくすることができ、良好な画像品質が安定維持可能である。
【0143】
請求項に記載の潤滑性付与部材によれば、可撓性潤滑材料の膜厚を50〜500μmに規定する事によって、機械的ダメージが抑制され、感光体との接触性が良くなるため、感光体のダメージが少なく、均一な画像品質が得られる。
【0145】
請求項に記載の潤滑性付与部材によれば、フッ素樹脂は柔らかく折れやすい為、感光体との当接部位に相当する面の内側に、裏打ちを施すことにより、機械的耐久性が向上し、取扱い、作成面から有利である。特には50μm程度の薄いフィルムに有効な手段である。
【0146】
請求項に記載の潤滑性付与部材によれば、フッ素系樹脂は柔らかく、摩耗し易いため、長期に亘って使用されると摩耗し、機能を果たせなくなる場合があり、その交換が必要となるが、この交換の目安を判断するために、感光体表面と当接する部位の内側にマーキングを施しておくことにより、交換時期が的確に判断できる。
【0147】
請求項に記載の画像形成装置および、請求項の画像形成方法によれば、安定した画像品質が得られる。本発明では特に潤滑性付与部材の設置場所はトナークリーニング装置と帯電装置との間が好ましい。このことによって潤滑性付与部材は効果的に感光体に作用させることが可能となる。したがって、連続コピー枚数が多い場合でも、安定した潤滑剤補給ができ、安定した画像品質が可能となる。潤滑性付与部材は常時もしくは間欠的に感光体表面に当接作動する事ができる。間欠動作のメリットは潤滑性付与部材の付着し過ぎを緩和することにある。この事により画像品質はより安定化させることが可能となるため、高品位画像には有効な手段である。
【0148】
請求項に記載の画像形成装置によれば、通常のクリーニング装置に加えて補正クリーニングを併設したことにより、潤滑性付与部材の機能がさらに効果的に作用する。
【0149】
請求項10に記載の画像形成方法によれば、感光体の高寿命化が図られる。感光体表面の摩擦係数を目標値に低減化させるための条件として、潤滑性付与部材の感光体表面への当接幅(ニップ)は重要な因子である。すなわち、一定荷重をかけたときに感光体表面との間で、0.2mm以上の当接幅(ニップ)とする事によって、感光体に大きな負荷をかけないでも摩擦係数は低減化させることができる。ニップが大きくなるにしたがい、摩擦係数は低下するが、ニップを1mm前後になるように設定する事によってより安定した特性を得ることが可能となる。この結果、感光層の摩耗が抑制され、クリーニング性および転写効率が向上し、ブレード鳴きが解消するため、画像品質の安定化、感光体の高寿命化、静粛性が達成できる。
【0150】
請求項11に記載の画像形成方法によれば、感光体表面の摩擦係数の数値に応じて感光体摩耗、クリーニング性能等の特性が向上するが、通常はオイラーベルト方式により算出される静止摩擦係数を0.4以下することで所期目的が達成可能である。更に、多数枚複写などが要求されるような場合には、オイラーベルト方式により算出される静止摩擦係数が0.3〜0.1の間になるように設定することで、感光層の摩耗が抑制され、クリーニング性および転写効率が向上し、ブレード鳴きが解消するため、画像品質の安定化、感光体の高寿命化が達成でき、静粛性が得られる。
【0151】
請求項12に記載の画像形成方法によれば、画像形成装置を稼動させる前に、潤滑剤をクリーニングブレード先端部及びその周囲、感光体のクリーニングブレード近傍に塗布しておくことによって、感光体の初期回転起動を感光体に傷つけることなくスムーズに行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複写プロセスを説明する概略図である。
【図2】(a)(b)(c)および(d)は本発明に使用される感光体の四例の層構成を示す概略図である。
【図3】ニップを説明する概略図である。
【図4】摩擦係数とニップの関係を説明するグラフである。
【図5】(a)および(b)はフィルム状フッ素系樹脂部材単体の潤滑性付与部材の二例の側面から見た概略図である。
【図6】感光体表面との当接部を折り返し膨らみを持たせたフィルム状フッ素系樹脂部材単体を支持基体に固定した潤滑性付与部材の側面から見た概略図である。
【図7】フッ素系樹脂フィルムに弾性部材を内蔵した潤滑性付与部材の側面から見た概略図である。
【図8】抑え板で全面から補強を施したフッ素系樹脂フィルムに弾性部材を内蔵した潤滑性付与部材の側面から見た概略図である。
【図9】図8に示す潤滑性付与部材の斜視図である。
【図10】弾性体状構造物を取り付けた潤滑性付与部材の一例を示す概略図である。
【図11】ブレードクリーニング装置の金属基体部に取り付け可能にした潤滑性付与部材の装置の側面から見た概略図である。
【図12】図5に示すフィルム状フッ素系樹脂部材単体の潤滑性付与部材を帯電装置のカバー(ユニット)の取り付けた一例を示す概略図である。
【図13】図6に示す感光体表面との当接部を袋状にしたフィルム状フッ素系樹脂部材単体を支持基体に固定した潤滑性付与部材を帯電装置のカバー(ユニット)に取り付けた一例を示す概略図である。
【図14】図11に示すフッ素系樹脂フィルムに弾性部材を内蔵した潤滑性付与部材を帯電装置のカバー(ユニット)に取り付けた一例を示す概略図である。
【図15】図8に示す抑え板で全面より補強を施したフッ素系樹脂フィルムに弾性部材を内蔵した潤滑性付与部材をブレードクリーニングの金属基体を利用し当接圧を調節できるように装着した一例を示す概略図である。
【図16】図10に示す弾力性構造体を取り付けた潤滑性付与部材をブレードクリーニングの金属基体を利用して装着した一例を示す概略図である。
【図17】図11に示す潤滑性付与部材による装置をブレードクリーニングの金属基体を利用して装着した一例を示す概略図である。
【図18】実施例1及び2に示す摩擦係数の推移を示すグラフである。
【図19】実施例11に示す摩擦係数の推移を示すグラフである。
【図20】比較例1に示す摩擦係数の推移を示すグラフである。
【図21】潤滑性付与部材と補助クリーニング装置を組み合わせた例の概略図である。
【図22】潤滑性付与部材と補助クリーニング装置を組み合わせた例の概略図である。
【図23】潤滑性付与部材と補助クリーニング装置を組み合わせた例の概略図である。
【図24】潤滑性付与部材装置の寸法関係を説明するための図である。
【符号の説明】
(図1)
101 画像坦持体(感光体)
102 接触帯電装置
103 画像露光系
104 現像装置
105 転写装置
106 クリーニング装置
106a クリーニングブレード
107 除電装置(ランプ)
108 定着装置
109 コピー用紙
201 潤滑性付与部材
(図2)
1 導電性支持体
2 下引き層
3 電荷発生層
4 電荷輸送層
5 感光層
6 保護層
(図3、図5〜図17、図21〜24)
201a 支持基体
201b 潤滑性付与部材(フッ素系樹脂部材)
201c 弾性部材
201d 抑え板
201e かしめ具
302 スプリング
303 Lアングル
401a 支持基体
401b 弾性体状構造物
401c 弾性部材
501 補助クリーニング装置
501a 補助クリーニング部材
501b 支持基体
501c 補強板

Claims (12)

  1. 電子写真感光体の表面に当接させて潤滑性を付与する潤滑性付与部材であって、
    該電子写真感光体の表面と当接させる面が、フッ素系樹脂からなるフィルム状の可撓性潤滑材料からなると共に、少なくとも感光体の長さ方向の画像形成部分の長さを有し、
    該可撓性潤滑材料の該電子写真感光体と当接させる面とは逆側に、弾性部材を内蔵し、
    該可撓性潤滑材料が支持基体及び抑え板で挟持されていることを特徴とする潤滑性付与部材。
  2. 電子写真感光体の表面に当接させて潤滑性を付与する潤滑性付与部材であって、
    該電子写真感光体の表面と当接させる面が、フッ素系樹脂からなる可撓性潤滑材料からなると共に、少なくとも感光体の長さ方向の画像形成部分の長さを有し、
    該可撓性潤滑材料が弾性部材を介して支持基体に取り付けられており、
    該弾性部材は、スポンジ、モルトプレーン又はフォームであることを特徴とする潤滑性付与部材。
  3. 前記可撓性潤滑材料は、厚さが50〜500μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の潤滑性付与部材。
  4. 前記可撓性潤滑材料は、前記電子写真感光体の表面に当接する部位の前記電子写真感光体と当接させる面とは逆側に裏打ちが施されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の潤滑性付与部材。
  5. 前記可撓性潤滑材料は、前記電子写真感光体の表面に当接する部位の内側に、削れ状態判定用マーキングが施されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の潤滑性付与部材。
  6. 電子写真感光体、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置およびクリーニング装置が配置されている電子写真画像形成装置において、
    さらに請求項1〜5のいずれかに記載の潤滑性付与部材が設置されていることを特徴とする電子写真画像形成装置。
  7. 前記潤滑性付与部材は、トナークリーニング装置と帯電装置との間に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の電子写真画像形成装置。
  8. 前記潤滑性付与部材とトナークリーニング装置との間に補助クリーニング装置が配置されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の電子写真画像形成装置。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の電子写真画像形成装置を用いた画像形成方法であって、
    前記潤滑性付与部材を前記電子写真感光体の表面に常時又は間欠的に当接させて画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法。
  10. 前記潤滑性付与部材と前記電子写真感光体の表面とを当接する際のニップは、0.2mm以上であることを特徴とする請求項9に記載の画像形成方法。
  11. 前記潤滑性付与部材を前記電子写真感光体の表面に当接させて、画像形成時又は画像形成後の前記電子写真感光体の表面のオイラーベルト方式により算出される静止摩擦係数を0.4以下にすることを特徴とする請求項9又は10に記載の画像形成方法。
  12. 前記電子写真画像形成装置を稼動させる前に、潤滑剤をクリーニングブレード先端部、その周囲及び感光体のクリーニングブレード近傍の少なくとも一個所に塗布することを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の画像形成方法。
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