以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
図1は、本実施形態に係るシート処理システムの構成を示す図である。
シート処理システムは、画像形成装置101、画像処理装置102、及びこれらを接続するネットワーク103を有する。画像処理装置102は、オペレータが操作して印刷ジョブの作成等の処理を行うのに使用され、ジョブの管理、及びRIPや面付けなどの処理を行い、処理済の画像データを画像形成装置101に送信して印刷させる。
図2は、実施形態に係る画像形成装置101の構成を示す図である。
この画像形成装置101は、外部に設けられた給紙装置201,202、画像形成装置本体203、クリーサ装置204、くるみ製本機205、フィニッシャ装置206を備えている。画像形成装置本体203は、上流側の画像形成部210と、下流側の定着・スキャナ部211を備える。
外部給紙装置201,202は、大量のメディアを画像形成装置本体203に供給できる大容量の給紙装置である。画像形成装置本体203は印刷装置であり、外部給紙装置201,202、或いは画像形成装置本体203に内蔵された給紙トレイから給紙したメディアに印刷を行う。クリーサ装置204は、メディアにクリースを施す。くるみ製本機205は、くるみ製本を行う。フィニッシャ装置205は、パンチやステイプルなどのフィニッシング処理や、中綴じ製本を実行できる。
図3は、実施形態に係る給紙装置201の断面図である。尚、給紙装置202の構成も同様であるため、その説明を省略する。
ストレートパス307は、給紙トレイ301、給紙トレイ302、給紙トレイ303、又は上流側から搬送されてきたメディアを下流側の装置へ搬送するパスである。本実施形態では、外部給紙装置202の上流側に外部給紙装置201、下流側に画像形成装置本体203が配置されている。そのため外部給紙装置202は、ストレートパス307を通じて、給紙トレイ301〜303に収容されているメディア、或いは外部給紙装置201から搬送されてきたメディアを画像形成装置本体203へ搬送する。給紙トレイ301〜303は、メディアを給紙するトレイである。各給紙トレイは、リフトアップモータ(不図示)により給紙トレイ下部をリフトアップすることで、収容しているメディアを、各対応する給紙ローラ304〜306に接触させることができる。給紙ローラ304〜306のそれぞれは、各対応する給紙トレイ301,302,303に収容されているメディアを1枚ずつ引き出すローラで、これらローラの回転により引き出されたメディアはストレートパス307に送られて搬送される。
図4(A)、図4(B)は、画像形成装置本体203の断面図である。
図4(A)は、画像形成装置本体203の上流側の画像形成部210の構造を示し、図4(B)は、画像形成装置本体203の下流側の定着・スキャナ部211の構成を示す。ここで、上流側の画像形成部210は外部給紙装置202と接続され、下流側の定着・スキャナ部211はクリーサ装置204と接続されている。
給紙トレイ401、給紙トレイ402は、メディアを収容して給紙するトレイである。リフトアップモータ(不図示)により給紙トレイの下部をリフトアップすることで、収容されているメディアを給紙ローラ403、或いは給紙ローラ404に接触させることができる。給紙ローラ403、給紙ローラ404は、それぞれ、給紙トレイ401、給紙トレイ402に収容されているメディアを1枚ずつ引き出すローラである。給紙トレイ401,402に収容されているメディアは、それぞれ、給紙ローラ403,404の回転により搬送経路に送り出されて搬送パス411まで搬送される。搬送パス412は、二次転写位置410までメディアを搬送するパスである。また搬送パス412は、外部給紙装置202のストレートパスと接続されている。これにより、搬送パス412には、搬送パス411から搬送されてきたメディア、及び、外部給紙装置202のストレートパス307を搬送されてきたメディアが搬送される。
現像ユニット405〜408はそれぞれ、画像を形成するための現像ユニットであり、Y、M、C、Kの4色のステーションを具備している。ここで形成された画像は、図中、時計回りに回転している中間転写ベルト409に一次転写され、二次転写位置410で搬送パス412上を搬送されてきたメディアに転写される。こうして画像が転写されたメディアは、搬送パス412を通じて第一定着部413まで搬送される。第一定着部413では、画像が転写されたメディアに対して加熱、加圧を施すことにより、転写された画像をメディアに定着させる。
フラッパ415は、第一定着部413を通過したメディアを、搬送パス416もしくは搬送パス417に振り分ける。フラッパ415は、揺動軸を中心に揺動可能に構成され、メディアの搬送方向を規定する。フラッパ415が、図中時計回りの方向に揺動しているときは、メディアは搬送パス417に搬送され、図中反時計回りの方向に揺動しているときは、メディアは搬送パス416に搬送される。第一定着部413を通過したメディアが、搬送パス416、もしくは搬送パス417のどちらを搬送されるかは、メディアの種類(坪量が大きいなど)などの条件によって決定される。そのメディアに対して再度、定着が必要だと判断した場合は、メディアは、搬送パス417に搬送され、再度定着が不要と判断した場合は、メディアは、搬送パス416に搬送される。第二定着部414は、搬送パス417上を搬送されてきたメディアに対して、再度、加熱、加圧を施すための装置である。
排紙フラッパ418は、搬送パス416、もしくは搬送パス417から搬送されてきたメディアを、クリーサ装置204、もしくは搬送パス419に搬送するために使われる。排紙フラッパ418は、揺動軸を中心に揺動可能に構成され、メディアの搬送方向を規定する。排紙フラッパ418が、図中時計回りの方向に揺動しているときは、メディアはクリーサ装置204に搬送され、図中反時計回りの方向に揺動しているときは、メディアは搬送パス419に搬送される。搬送パス419を搬送されたメディアは、反転パス420に搬送される。そして、スイッチバック処理により、メディアの搬送方向が180度変更される。フラッパ421は、揺動軸を中心に揺動可能に構成され、メディアの搬送方向を規定する。フラッパ421が、図中時計回りの方向に揺動されると、反転パス420から搬送されてきたメディアは、搬送パス422に搬送される。搬送パス422は、図4(A)の搬送パス411へ通じている。こうして反転パス420で反転されたメディアは、印刷面が表裏逆転して二次転写位置410に送られる。この仕組みにより、画像形成装置本体203は両面印刷を実施することができる。
フラッパ421が図中反時計回り方向に揺動された場合は、メディアは搬送パス419を通過する。そして、排紙フラッパ418が、図中反時計回り方向に揺動されていると、メディアはクリーサ装置204に搬送される。つまり反転パス420でメディアを反転しているので、定着画像を下向きにした状態で、メディアをクリーサ装置204に搬送可能となる。尚、定着画像を上向きにした状態で、メディアをクリーサ装置204に搬送する場合は、反転パス420を使わないことで実現できる。
自動原稿搬送装置(ADF)423は、原稿トレイの積載面にセットされた原稿束を1頁目の原稿から、ページ順に、順番に分離して、スキャナ424によって原稿走査させるドキュメントフィーダである。スキャナ424は、自動原稿搬送装置423から搬送された原稿に光源(不図示)を照射し、CCD(不図示)にて原稿画像を走査し、その原稿の画像データを生成する。こうして生成された画像データは画像処理が施され、現像ユニット405〜408により、その画像がメディアに転写される。こうして、コピー動作が実施される。
操作パネル425は、画像形成装置本体203に付属の操作用パネルでタッチパネル機能を有し、画像形成装置101への設定やコピー動作の開始を行うのに利用される。
図5は、実施形態に係るクリーサ装置204の断面図である。
ストレートパス501は、上流側から搬送されてきたメディアを下流側へ搬送するパスである。本実施形態では、画像形成装置本体203から受け取ったメディアを、くるみ製本機205へ搬送する。搬送パス502は、クリース処理を行うメディアを搬送するための搬送パスである。フラッパ503は、画像形成装置本体203から搬送されてきたメディアを、ストレートパス501或いは搬送パス502に振り分けるものである。フラッパ503は、揺動軸を中心に揺動可能に構成され、メディアの搬送方向を規定する。フラッパ503が、図中時計回りの方向に揺動しているときは、メディアはストレートパス501に搬送され、図中反時計回りの方向に揺動しているときは、メディアは搬送パス502に搬送される。
クリース用ダイ504は、メディアにクリース処理を施すためのダイであり、クリース(筋付け)を施すためのクリース刃505を有している。尚、クリース用ダイ504は、クリーサ装置204に着脱可能であり、センサ(不図示)により、クリース用ダイ504が、クリーサ装置204に装着されているか否かを検知できる。圧力装置506〜508は、クリース用ダイ504に圧力を加えるための装置である。土台509は、クリース刃505を受けるための土台である。搬送速度制御ユニット510は、メディアの搬送速度を規定の速度に制御しており、ユニット内部にメディアの搬送速度を検知するためのセンサを有している。検知センサ511は、搬送されているメディアの先端を検知するためのセンサである。
クリーサ装置204で、メディアに対してクリースを施す場合は、以下の動作を行うことで実現する。
まず、搬送速度制御ユニット510は、メディアの搬送速度を検知するセンサを有しており、搬送パス502を通過するメディアの搬送速度を規定の速度になるように、加速もしくは減速する。そして、規定の速度で搬送されているメディアの先端が、検知センサ511で検知されると、圧力装置506〜508は、クリース用ダイ504に対して、図中上方から下方に向かって圧力を加える。尚、圧力装置506〜508は、任意の装置のみの動作、もしくは、複数の連動動作が可能であり、クリース用ダイ504に加える圧力を制御できる。圧力装置506〜508によりクリース用ダイ504に加えられた圧力は、クリース刃505に伝えられる。そして、クリース刃505は、図中上方から下方へ移動し、クリース刃505と土台509で、メディアを挟むことでクリース(筋付け)を実現する。
尚、クリーサ装置204は、メディアの搬送方向の任意の位置にクリースを施すことが可能である。具体的には、以下の制御を行うことで実現する。
搬送パス502を搬送されているメディアは、搬送速度制御ユニット511により、既定の搬送速度に制御される。また、クリース刃505によりクリースを行うタイミングは、検知センサ511とクリース刃505の距離に、クリース位置(メディア先端からの距離)を足し合わせた値を、その既定の搬送速度で割り算を行うことで計算できる。つまり、検知センサ511によりメディアの先端が検知されたタイミングを基準として、その計算したタイミングで、クリース刃505をメディアに押し付けるように圧力装置506〜508を駆動する。
図6は、実施形態に係るくるみ製本機205の断面図である。
ストレートパス601は、上流側から搬送されてきたメディアを下流側へ搬送するパスである。本実施形態においては、クリーサ装置204から受け取ったメディアを、フィニッシャ装置206へ搬送する。搬送パス602は、インサータトレイ603,604に給紙されたメディアをストレートパス601に搬送するための搬送パスである。これらインサータトレイ603,604は、印刷済のメディアを使ってくるみ製本を生成する場合に、印刷済みのメディアを給紙するためのトレイである。
フラッパ605は、クリーサ装置204、インサータトレイ603,604から搬送されてきたメディアを、ストレートパス601もしくは搬送パス606に振り分けるものである。フラッパ605は、揺動軸を中心に揺動可能に構成され、メディアの搬送方向を規定する。フラッパ605が、図中時計回りの方向に揺動しているときは、メディアはストレートパス601に搬送され、図中反時計回りの方向に揺動しているときは、メディアは搬送パス606に搬送される。搬送速度制御ユニット607は、メディアの先端を検知するためのセンサを有しており、センサがメディアの先端を検知してから一定距離搬送した後に、メディアの搬送を停止する機能を有する。フラッパ608は、ストレートパス601から搬送されてきたメディアをストレートパス601、もしくは搬送パス609に振り分けるものである。フラッパ608は、揺動軸を中心に揺動可能に構成され、メディアの搬送方向を規定する。フラッパ608が、図中時計回りの方向に揺動しているときは、メディアはストレートパス601に搬送される。また、フラッパ608が、図中反時計回りの方向に揺動しているときは、メディアは搬送パス609に搬送される。搬送パス609は、メディアスタックユニット610へメディアを搬送するための搬送パスである。
メディアスタックユニット610は、くるみ製本の中紙をスタックするためのユニットである。メディアスタックユニット610は、正面側が解放されたコの字型になっており、正面側から背面側へ移動する機能を有している。グリッパ対611は、メディアスタックユニット610にスタックされた中紙束をグリップし、中紙束を糊付けユニット612にて糊付けした後、形成ローラ対614まで搬送する。糊付けユニット612は、くるみ製本の中紙束とくるみ製本の表紙とを糊付けするために利用する糊を溶解するユニットである。糊付けユニット612は、くるみ製本機動作中は、溶解された糊をユニット内に溜めており、更に、正面側から背面側へ移動する機能を有している。糊付け台613は、溶解した糊を付着させた中紙束と表紙とを糊付けする際に利用する糊付け台であり、正面側から背面側へ移動する機能を有している。形成ローラ対614は、糊付けされた中紙束と表紙を、くるみ製本の形状に形成する。形成ローラ対614は、上方から下方に向かって押し出す方向にローラ対を回転させている。そのため、形成ローラ対614は、グリッパ対611から、糊付けされた中紙束と表紙を受け取り、くるみ製本の背表紙側を下側にして、ガイド615に沿って回転台618に、形成されたくるみ製本を落とし込む。
ガイド615は、形成されたくるみ製本の背表紙が、幅寄せ部616の方向を向くように落とし込むためのガイドである。幅寄せ部616は、形成されたくるみ製本を、カッタ617で切断するために位置調整を行う。カッタ617は、形成されたくるみ製本の小口及び天地を断裁するためのカッタである。回転台618は、形成されたくるみ製本を回転する機能を有し、くるみ製本の小口や天地を断裁する際に、カッタ617だけで、小口及び天地を断裁することを可能とする装置である。バスケット部619は、断裁されたくるみ製本の製本物を溜め置くための保管場所である。
以下に、具体的に、くるみ製本を生成するときの動作を説明する。
くるみ製本の表紙となるメディアは、フラッパ605により、搬送パス606へ搬送される。そして、搬送速度制御ユニット607により、くるみ製本の表紙となるメディアの中心位置が、くるみ製本の背表紙の中心となる位置で、搬送を停止するように制御される。具体的には、くるみ製本の表紙となるメディアは、糊付け台613に配置されることになる。一方、くるみ製本の中紙となるメディアは、フラッパ605によりストレートパス501に搬送された後、フラッパ608により、搬送パス609を経由して、メディアスタックユニット610に搬送される。こうして中紙束がすべて揃うと、グリッパ対611は中紙束をグリップし、続いて、メディアスタックユニット610は、正面側から背面側へ移動する。このとき、グリッパ対611は、メディアスタックユニット610のコの字型の空間部分に位置しているため、メディアスタックユニット610が、背面側に移動することにより、糊付けユニット612にまで、中紙束を移動することが可能となる。
グリッパ対611は、中紙束の背表紙方向が下方向になるように回転しながら、糊付けユニット612に移動して糊付けを行う。そして、糊付けが完了すると、グリッパ対611は、一度、中紙束を上方向に移動し、更に、糊付けユニット612を、正面側から背面側へ移動する。糊付けユニット612の移動が完了すると、グリッパ対611は、下方向に移動し、糊付け台613に配置されたくるみ製本の表紙となるメディアに、中紙束を接着させる。こうして接着が完了した後、糊付け台613は、正面側から背面側へ移動し、その移動が完了すると、グリッパ対611は下方向に移動し、形成ローラ614にて、くるみ製本の形成を行う。
こうして、形成されたくるみ製本は、形成ローラ614により、ガイド615に沿って、下方向に押し出されるため、背表紙側が幅寄せ部616に向いた形で、回転台616上に配置される。回転台618の上に横たわる形成されたくるみ製本は、幅寄せ部616で位置を合わせられ、小口となる部分をカッタ617で断裁される。次に、回転台618が90度回転して、幅寄せ部616で位置合わせを行い、天となる部分を断裁する。更に、回転台618が180度回転して、幅寄せ部616で位置合わせを行い、地となる部分を断裁する。こうして断裁されたくるみ製本の製本物は、幅寄せ部616で図中左側に押しやられ、バスケット部619に入れられる。
図7は、実施形態に係るフィニッシャ装置206の断面図である。
搬送パス701は、上流側から搬送されてきたメディアをフィニッシャ装置206へ搬送するパスである。本実施形態においては、フィニッシャ装置206は、くるみ製本機205のストレートパス601から搬送されてきたメディアを受け取り、フィニッシャ装置206内部へ搬送する。搬送パス702は、インサータトレイ703,704に給紙されたメディアを搬送パス701に搬送するための搬送パスである。インサータトレイ603,604は、印刷済のメディアを使って、パンチ、ステイプル、中綴じ製本などの製本物を生成する場合に、印刷済みのメディアを給紙するためのトレイである。
フラッパ705は、揺動軸を中心に揺動可能に構成され、搬送パス701もしくは搬送パス702にて搬送されてきたメディアの搬送方向を規定する。フラッパ705が、図中反時計回りの方向に揺動している時には、メディアは搬送パス706へ搬送される。また、図中時計回りの方向に揺動している時には、メディアは搬送パス707へ搬送される。フラッパ708は、揺動軸を中心に揺動可能に構成され、搬送パス707にて搬送されてきたメディアの搬送方向を規定する。フラッパ708が、図中反時計回りの方向に揺動している場合は、メディアは搬送パス710へ搬送される。また、図中時計回りの方向に揺動している時には、メディアは搬送パス709へ搬送される。搬送パス709は、メディアをサンプルトレイ711へ搬送するための搬送パスである。また、搬送パス710は、メディアをスタックトレイ714へ搬送するための搬送パスである。サンプルトレイ711は、搬送パス709を通過したメディアが排出されるトレイである。搬送パス710に搬送されたメディアは、パンチャ712、ステープラ713を通過し、スタックトレイ714に搬送される。
パンチャ712は、搬送パス710を通過するメディアに穴あけ処理を施す。パンチャ712は、入れ替え可能な2穴や3穴などの刃(不図示)を有しており、刃を入れ替えることで、メディアに対して任意の数の穴を開けることが可能である。ステープラ713は、搬送パス710を通過するメディアをスタックし、ステイプル処理を施す。ステープラ713は、補充可能な刃(不図示)を有しており、角止め、2カ所止めなど各種ステイプル処理が可能である。スタックトレイ714は、搬送パス710を通過したメディアが排出されるトレイである。
搬送パス706は、中綴じ処理を施す場合に、メディアを搬送する搬送パスである。ストッパ715は、搬送パス706から搬送されてきたメディアを停止させるためのストッパである。ストッパ715は、モータ(不図示)により、ストッパ715から折り込みプレート716間の長さを調整できる。通常、中綴じ処理を施すメディアの搬送方向の長さの二分の一の長さに設定する。つまり、中綴じ処理は、中綴じ処理を施すメディアの中央に施される。折り込みプレート716は、ストッパ715にて停止させたメディアをサドルステッチャ717へ押し込むための装置である。サドルステッチャ717は、折り込みプレート716によって、押し込まれたメディアに対して、ステイプル処理と折り込み処理を施す。ストッパ715と折り込みプレート716の働きにより、メディアの真ん中が折り込まれて、サドルステッチャ717に入ってくる。そのため、サドルステッチャ717を通過すると、中綴じ処理を施されたメディアが、スタック部718に搬送される。そして、中綴じ処理を施されたメディアは、機外排出ローラ719により、スタック部718からサドルトレイ720へ排出される。ガイド721は、中綴じ処理を施されたメディアを留め置き、順次1冊ずつ、サドルスタック部722へ送り込む働きを持つ。サドルスタック部722は、中綴じ処理を施されたメディアを大量に溜め置くものである。
図8は、実施形態に係る画像形成装置101のハードウェア構成を説明するブロック図である。
CPU回路部801はCPU802を有し、ROM803に格納されているプログラムに従って、次に示す各制御部をコントロールする。まず、印刷に関する制御部として、操作パネル制御部805、原稿給紙装置制御部806、イメージリーダ制御部807、画像信号制御部808、プリンタ制御部809、給紙装置制御部810を制御する。印刷物の形成に関する制御部として、クリーサ制御部811、くるみ製本制御部812、フィニッシャ制御部813を制御する。更に、内部および外部とのインタフェース制御部として、HDD815を制御するためのHDD・I/F部814、ネットワークI/F部816も制御する。RAM804は制御データを一時的に保持する領域や、制御に伴う演算の作業領域として用いられる。
操作パネル制御部805は、操作パネル425を制御する。原稿給紙装置制御部806は、自動原稿搬送装置(ADF)423を制御する。イメージリーダ制御部807はスキャナ424を制御する。画像信号制御部808は、受け取った画像データに対して画像処理を施した後に、プリンタ制御部809が解釈可能な画像信号に変換し、プリンタ制御部809へ渡す制御を行う。プリンタ制御部809は、現像ユニット405、現像ユニット406、現像ユニット407、現像ユニット408、第一定着部413、第二定着部414等を制御する。給紙装置制御部810は、外部給紙装置201、外部給紙装置202、画像形成装置本体203の給紙トレイを制御する。
クリーサ制御部811はクリーサ装置204を制御する。くるみ製本制御部812はくるみ製本機205を制御する。フィニッシャ制御部813は、フィニッシャ装置206を制御する。HDD・I/F部814はCPU回路部801とHDD815とのインタフェースであり、HDD815に対する書き込みや読み出しを制御する。ネットワークI/F部816は、ネットワーク103を介したデータの送受信を制御する。HDD815は、大容量記憶装置であり、不揮発性のデータを保存する領域である。ネットワークI/F部816は、ネットワーク103を介して画像処理装置102(図1)と接続されている。
コピー動作時のCPU回路部801による各制御部に対する制御について説明する。
CPU回路部801は、操作パネル制御部805からのコピー指示を受けると、原稿給紙装置制御部806を介して自動原稿搬送装置(ADF)423に、原稿束を1枚ずつフィードするように指示する。そして、CPU回路部801は、イメージリーダ制御部807を使い、スキャナ424に、原稿を読み取り画像データを生成させる。次に、CPU回路部801は、生成した画像データを、RAM804に一次保存し、画像信号制御部808へ転送する。そしてCPU回路部801は、画像信号制御部808にプリンタ制御部809が解釈可能な画像信号に変換し、プリンタ制御部809へ画像信号を渡すよう指示する。同時に、CPU回路部801は、給紙装置制御部810を使い、外部給紙装置201、外部給紙装置202などから印刷用のメディアを給紙するように指示する。
プリンタ制御部809は、現像ユニット405、現像ユニット406、現像ユニット407、現像ユニット408、第一定着部413、第二定着部414等を制御し、前記給紙したメディアに読み取った画像を形成する。その後、画像形成されたメディアは、オペレータ指定の出力形態に応じて後処理を施される。ここで、後処理とは、クリーサ制御部811、くるみ製本制御部812、フィニッシャ制御部813により施される処理を示す。
例えば、メディアにクリース処理を施す場合は、CPU回路部801は、クリーサ制御部811を使って、メディアに対するクリース処理を実施する。その後、くるみ製本を形成する場合は、CPU回路部801が、くるみ製本制御部812を使って、くるみ製本の形成処理を行いバスケット部619に排出させる。また、フィニッシャ装置205に排紙される場合は、CPU回路部801が、フィニッシャ制御部813を使って、指定された排紙先や、中綴じおよび2穴パンチなど指定されたフィニッシング設定に応じた処理を行う。そして、処理を施されたメディアを、サンプルトレイ711、スタックトレイ714、サドルスタック部722のいずれかに排紙させる。
次に、プリント動作時のCPU回路部801による各制御部に対する制御について説明する。
CPU回路部801は、ネットワークI/F816を経由して、例えば画像処理装置102から印刷画像データを受信する。次に、CPU回路部801は、受信した画像データを、RAM804に一次保存し、画像信号制御部808へ転送する。その後は、コピー動作時と同様であるので、説明は省略する。
図9は、実施形態に係るクリーサ制御部811の詳細な構成を示すブロック図である。
CPU回路部901はCPU902を有し、ROM903に格納されているプログラムに従って、次に示す制御部をコントロールする。制御部とは、ダイ検知部905、圧力制御部906、搬送パス制御部907である。また、RAM904は制御データを一時的に保持する領域や、制御に伴う演算の作業領域として用いられる。CPU回路部901は、CPU回路部801とダイ検知部905、圧力制御部906、搬送パス制御部907との間の仲介回路である。CPU回路部901は、CPU回路部801からの指示や制御部からの通知を仲介する機能を持つ。
ダイ検知部905は、クリース用ダイ504が、クリーサ装置204に装着されているか否かを検知する検知部である。圧力制御部906は、圧力装置506〜508を制御し、クリース用ダイ504に圧力を加えることでクリースを行う。搬送パス制御部907は、フラッパ503、搬送速度制御ユニット510などを制御し、メディアの搬送パス切り替えや、搬送速度のコントロールを行う。つまり、CPU回路部801は、CPU回路部901を通じて、ダイ検知部905、圧力制御部906、搬送パス制御部907を集中制御できる構成となっており、クリーサ装置204に対するクリース処理や搬送パス制御をコントロール可能である。
図10は、実施形態に係る画像処理装置102のハードウェア構成を説明するブロック図である。
CPU1001は、ROM1007、HDD1009及びCDD1006に格納された制御プログラムに基づいてCPUデバイスに接続された各デバイスを制御する。表示部1002の表示画面には、例えばウインドウ、アイコン、メッセージ、メニューその他のオペレータインターフェース情報が表示される。VRAM1003は表示部1002に表示するための表示画像が描画される。このVRAM1003に生成された表示用の画像データは、所定の規定に従って表示部1002に転送され、これにより表示部1102に画像が表示される。キーボード1004は、文字を入力するための各種キーを有する。PD(ポインティングデバイス)1005は、例えば、表示部1002の表示画面上に表示されたアイコン、メニューその他のオブジェクトを指示するために使用される。CDD(コンパクトディスクドライブ)1006は、CD−ROMや、CD−Rなどの記録メディアとの間で各種制御プログラムやデータの読み書きを行う装置である。これはDVDドライブであってもよい。ROM(リードオンリメモリ)1007は、各種の制御プログラムやデータを保持する。RAM(ランダムアクセスメモリ)1008は、CPU1001のワーク領域、エラー処理時のデータの退避領域、制御プログラムのロード領域等を有する。例えば、画像処理装置102は、電子データをRIPして画像形成装置101へ送信する機能を有している。そのプログラムはROM1007に格納されており、RIP処理を行う際にはCPU1001のワーク領域やRAM1008を利用する。HDD(ハードディスクドライブ)1009は、各種制御プログラムや各種データを保存する。外部記録I/F1010は、USBメモリなどの外部記録媒体への読み書きを行う。ネットワーク・インターフェース(Net−I/F)1011は、ネットワーク103を介して、データの送受信を行う。本実施形態で画像処理装置102は、画像形成装置101との間で、ネットワーク103を介してデータの送受信を行うことができる。CPUバス1013は、アドレスバス、データバス及びコントロールバスを含む。
図11は、実施形態に係る画像形成装置101と画像処理装置102のソフトウェア構成を説明するブロック図である。
UI処理部1101、機器制御部1102、受信処理部1103、送信処理部1104、ネットワークI/F制御部1105は、画像形成装置101のCPU回路部801にて実行されるソフトウェアである。またUI処理部1106、ジョブ制御部1107、RIP処理部1108、受信処理部1109、送信処理部1110、ネットワークI/F制御部1111は、画像処理装置102のCPU1001にて実行されるソフトウェアである。
まず画像形成装置101の構成について説明する。
UI処理部1101は、操作パネル制御部805を制御し、操作パネル425に画像形成装置101に関する設定画面の表示などを担当する。そして、UI処理部1101は、設定画面にて設定された設定値を画像形成装置101のHDD815への保存や読み出しを行う処理を担当する。機器制御部1102は、CPU回路部801を制御し、画像形成装置本体203の画像形成機能、クリース装置204のクリース機能、くるみ製本機205でのくるみ製本形成、フィニッシャ装置206での中綴じ製本生成などの処理を担当する。更に機器制御部1102は、画像形成装置101のHDD815から印刷に関する設定を読み出し、印刷処理に反映する処理も担当する。受信処理部1103は、画像処理装置102によりRIPされた印刷画像を、ネットワークI/F制御部1105を通じて受信し、ページ単位で機器制御部1102へ渡す処理を担当する。送信処理部1104は、画像形成装置101にて発生したイベントや状態変更の通知などを、ネットワークI/F制御部1105を通じて送信する。ネットワークI/F制御部1105は、ネットワークI/F816を制御する。更に、画像処理装置102のネットワークI/F制御部1111と連携し、ネットワーク103を通じて、画像形成装置101と画像処理装置102との間のデータ通信処理を担当する。
次に画像処理装置102の構成について説明する。
UI処理部1106は、画像処理装置102の表示部1002に、画像形成装置101と画像処理装置102が印刷ジョブを実行するときの制御設定画面を表示する処理を担当する。ジョブ制御部1107は、画像形成装置101に対する印刷ジョブの送信処理を担当する。具体的には、印刷ジョブの印刷開始要求やジョブ設定情報の送信などの処理を行う。RIP処理部1108は、印刷データをページ単位でRIPする処理を担当する。受信処理部1109は、ネットワークI/F制御部1111を通じて、画像形成装置101からのイベントや状態変更などを受信し、UI処理部1106へ渡す処理を担当する。送信処理部1110は、RIP画像を、ページ単位で、ネットワークI/F制御部1111を通じて、画像形成装置101の受信処理部1103に渡す処理を担当する。ネットワークI/F制御部1111は、Net−I/F1011を制御する。更に、画像形成装置101のネットワーク制御部1105と連携し、ネットワーク103を通じて、画像形成装置101との間のデータ通信処理を担当する。
このような構成において、画像処理装置102が印刷ジョブをRIPし、画像形成装置101で印刷する場合は、以下の処理を行うことで実現する。
まず、画像処理装置102のジョブ制御部1107は、UI処理部1106にて設定されたジョブ設定に従って印刷ジョブを生成する。次に、ジョブ制御部1107は、印刷ジョブをRIP処理部1108によりページ単位でレンダリングし、送信処理部1110を介して、その画像データを画像形成装置101の機器制御部1102へ送信する。更に、ジョブ制御部1107は、画像データの送信に併せて、ネットワークI/F制御部1111を通じて、ジョブ設定情報を画像形成装置101の機器制御部1102へ送信する。
次に、画像形成装置101の機器制御部1102は、受信した画像データを受け取り、その画像データを画像信号制御部808へ渡すとともに、ジョブ設定情報を受信する。続いて、機器制御部1102は、ジョブ設定情報を基に、プリンタ制御部809、給紙装置制御部810、クリーサ制御部811、くるみ製本制御部812、フィニッシャ制御部813を制御する。そして機器制御部1102は、各制御部へ、給紙トレイ、排紙先、クリースの有無、フィニッシング形態(くるみ製本、中綴じ製本、パンチ、ステイプル)などに関する指示を出す。この時、機器制御部1102は、画像形成装置101のHDD815から印刷に関する設定を読み出し、必要に応じて、印刷処理に反映する。そして、上述の指示を出すと共に、画像信号制御部808へ、画像データをプリンタ制御部809へ渡すように指示する。
以上により、画像が印刷されたメディアは、ジョブ設定情報及びHDD815に保存された印刷に関する設定に従って、クリース処理を施した印刷物に生成される。
図12(A)及び図12(B)は、実施形態に係る画像処理装置102の表示部1002に表示されるジョブ設定画面例を示す図である。
図12(A)は、ジョブ設定画面の一例を示す図である。
タグ1201は、ジョブ設定項目を種類によってグループ化したタグであり、「一般」、「ジョブ情報」、「メディア」、「レイアウト」、「仕上げ」の5種類により構成されている。そして、図12(A)では、「メディア」が選択されて、その設定項目が表示されている。「メディア」は、印刷ジョブが使用するメディアに関連する設定をまとめたタグである。メディア種類1202、メディアサイズ1203、給紙トレイ1204は、くるみ製本表紙、もしくは中綴じ製本に使うメディアに関する設定項目である。図中、メディア種類1202では、普通紙が選択されており、メディアサイズ1203では、A3が選択されており、給紙トレイ1204では、自動選択が選択されている。つまり、図12(A)の設定では、メディアタイプが普通紙で、サイズがA3に設定されている給紙トレイであれば、どの給紙トレイからでも給紙して印刷するように設定されている。
メディア種類1205、メディアサイズ1206、給紙トレイ1207は、くるみ製本中紙に使うメディアに関する設定項目である。図12(A)では、メディア種類1205は普通紙が選択されており、メディアサイズ1206はA4、給紙トレイ1206は自動選択が選択されている。つまり、図中の設定では、メディアタイプが普通紙で、メディアサイズがA4と設定されている給紙トレイであれば、どの給紙トレイからでも給紙して印刷するように設定されている。
OKボタン1208は、このジョブ設定画面で設定した内容をジョブ設定として決定するボタンである。キャンセルボタン1209は、ジョブ設定画面で設定した内容を破棄するボタンである。尚、OKボタン1208或いはキャンセルボタン1209が押下されると、このジョブ設定画面は閉じられる。
図12(B)は、「仕上げ」の設定画面の一例を示す図である。
「仕上げ」は、排紙に関する設定をまとめたタグである。排紙先1208は、排紙先の指定に関する設定であり、図中では、くるみ製本機が指定されている。ここで、本設定は、くるみ製本機以外にも、フィニッシャ装置206のサンプルトレイ711、スタックトレイ714、サドルスタック部722などが選択可能である。パンチ1209は、フィニッシャ装置206に排出する際に、メディアに穴あけ処理を行うか否かを設定する項目である。図中では、パンチは「しない」に指定されている。ステイプル1210は、フィニッシャ装置206に排出する際に、メディアにステイプル処理を行うか否かを設定する項目である。図中では、ステイプル設定は「しない」に指定されている。中綴じ製本1211は、フィニッシャ装置206に排出する際に、メディアに中綴じ処理を行うか否かを設定する項目である。図中では、中綴じ処理は「しない」に設定されている。くるみ製本1212は、くるみ製本機205で、くるみ製本を形成する場合に設定する項目である。図中では、くるみ製本を左中綴じで形成するように設定されている。OKボタン1208、及びキャンセルボタン1209については、図12(A)での説明と同様であるため、説明を省略する。
尚、図12(A)、図12(B)の画面による設定は、画像処理装置102のUI処理部1106が、CPU1001を使って、HDD1009に保存する。また、表示する場合は、UI処理部1106がHDD1009から読みだす処理を行う。
図13は、実施形態に係る画像形成装置101の操作パネル425に表示される、くるみ製本時の折り返し設定画面の一例を示す図である。
設定項目1301は、くるみ製本時の折り返し設定(クリース設定)に関する設定項目を示す。設定項目1301には、「折り返し用クリース」のラジオボタン設定と、「背表紙の角からのオフセット位置」を設定する2つの項目がある。まず、「折り返し用クリース」のラジオボタン設定は、「する」もしくは「しない」の2つの選択肢の中から一つが選択可能である。尚、図13の例では、「する」が選択されている。また、「背表紙の角からのオフセット位置」は、mmの単位で、正の数値が入力可能であり、図13の例では、「15.0」が入力されている。決定ボタン1302は、「折り返し用クリース」のラジオボタン設定と「背表紙の角からのオフセット位置」の設定を確定する場合に押下するボタンである。キャンセルボタン1303は、「折り返し用クリース」のラジオボタン設定と「背表紙の角からのオフセット位置」の設定を破棄するためのボタンある。
尚、図13の画面による設定は、画像形成装置101のUI処理部1101が、CPU回路部801を使って、HDD815に保存する。また、表示する場合は、UI処理部1101がHDD815から読み出す処理を行う。
図14は、本発明の実施形態に係るくるみ製本の表紙に対する折り返しを説明する概念図である。図14を参照して、実施形態1における、「背表紙の角」、「折り返し」、「オフセット」を明確に定義する。更に、「背表紙の角」、「折り返し」、「オフセット」と「クリース位置1」、「クリース位置2」の関係を明確にする。
図14(A)、図14(B)は、くるみ製本に関する、背表紙の角と折り返しの位置関係を説明する図である。図14(A)に示すように、折り返しは、くるみ製本の表表紙と裏表紙にそれぞれ1本存在する。また、背表紙の角と折り返しの間は、オフセットと言う名称で定義され、更に、背表紙の角の間は、背表紙の厚みと言う名称で定義される。
尚、図14(B)のオフセットは、図13の設定項目1301で設定する「背表紙の角からのオフセット位置」に対応している。図13の例では、図14(B)のオフセットの長さを15.0mmに設定している。
図14(C)は、くるみ製本の表紙に対して、基準位置(メディアの先端)から、折り返しの位置がどこに位置するかを説明する図である。
図6で説明したように、くるみ製本の表紙の中心に、中紙の束が糊付けされる。そのため、基準位置(メディアの先端)から「クリース位置1」、「クリース位置2」までの長さは、図14(C)に示すように、くるみ製本表紙のメディアの長さ、背表紙の厚み、オフセットと関係している。尚、背表紙の厚みは、くるみ製本の中紙に使うメディアの種類や枚数に依存するため、生成するくるみ製本毎に異なる。
以上から、数式で表すと、以下の関係にある。
クリース位置1
=(くるみ製本表紙の長さ/2)−(背表紙の厚み/2)−オフセット値
クリース位置2
=(くるみ製本表紙の長さ/2)+(背表紙の厚み/2)+オフセット値
[実施形態1]
次に本発明の実施形態1について説明する。実施形態1では、画像処理装置102が画像形成装置101に対して、くるみ製本ジョブの印刷要求を行った場合に、くるみ製本の表紙に折り返し用のクリースを行う場合について説明する。実施形態1の前提を説明する。まず、画像形成装置101には、図13にて説明した設定が施されており、折り返し用クリースは「する」、背表紙の角からのオフセット位置は、「15.0mm」が設定されている。
次に、画像処理装置102では、図12(A),図12(B)を参照して説明した設定が施されており、画像処理装置102は、画像形成装置101に対して、くるみ製本の印刷開始要求とジョブ設定情報の送信を行った状態であるとする。
以後、本発明の実施形態1について、図15のフローチャートを参照して説明する。
図15は、本発明の実施形態1に係る画像形成装置101におけるクリース処理を説明するフローチャートである。この処理を実行するプログラムは、ROM803に格納されており、CPU802の制御の下に実行される。
S1501でCPU802は、画像処理装置102のジョブ制御部1107から印刷開始要求を受信したか否かを判断する。ここで印刷開始要求を受信したと判定するとS1502に進み、CPU802はジョブ設定情報を解析し、くるみ製本の生成が要求されているか否かを判定する。ここでくるみ製本の生成が要求されていないと判定するとS1503に進み、CPU802は、ジョブ設定情報に従って、印刷処理を行って処理を終了する。
一方、S1502でくるみ製本の生成が要求されているときはS1504に進みCPU802は、ジョブ設定情報から、くるみ製本表紙のメディア種別とくるみ製本中紙のメディア種別を取得する。図12(A)の例で言うと、メディア種類1202とメディア種類1205で設定されているメディアの種類を取得する。次にS1505へ進みCPU802は、画像処理装置102でRIPされた印刷用の画像データを全て受信するまで待ち、中紙の画像データをカウントアップする。通常、くるみ製本の中紙は両面印刷であるため、中紙の画像データを2で割った枚数が、中紙の枚数となる。尚、中紙の枚数の決定については、画像処理装置102から中紙に使うメディア枚数を受信しても良く、実施形態1に限定されるものではなく、中紙の枚数が決定できる仕組みであればどのような処理でも良い。
次にS1506に進みCPU802は、以下の式に従って背表紙の厚みを計算する。
背表紙の厚み=(くるみ製本表紙のメディアの厚み)+(くるみ製本中紙のメディアの厚み×中紙の枚数)
尚、メディア毎の厚みは、画像形成装置101のHDD815に保存されており、CPU802は、記憶されているメディア毎の厚みの情報を読み出して上記計算を行う。
尚、背表紙の厚みの計算式については、本実施形態1に限定されるものではなく、中紙のメディア混在を考慮した式としても良い。次にS1507へ進みCPU802は、図13の画面における「折り返し用クリース」の設定を、画像形成装置101のHDD815から読み込む。ここで「折り返し用クリース」設定が「しない」の場合はS1511に進んでくるみ製本を作成して、この処理を終了する。
S1507で折り返し用クリース」設定が「する」の場合はS1508に進む。S1508でCPU802は、図13の画面で設定された、「背表紙の角からのオフセット位置」の設定を、画像形成装置101のHDD815から読み込む。図13の例では、この長さは、15.0mmに設定されている。次にS1509に進みCPU802は、図14で説明した、くるみ製本表紙に対する、クリース位置1とクリース位置2を計算する。尚、この計算式は、図14を参照して前述した通りである。次にS1510に進みCPU802は、CPU回路部801を経由してクリーサ装置204のCPU回路部901に、くるみ製本の表紙に対するクリース(筋付け)処理を指示する。
尚、ここでは、図5を参照して説明したように、クリース処理には、基準位置(メディア先端)からのクリース位置情報が必要である。そのためCPU802は、S1509で計算したクリース位置1とクリース位置2で、くるみ製本の表紙に対して、クリースを実施するようにCPU回路部801を経由して、クリーサ制御部811のCPU回路部901を制御する。そしてS1511に進みCPU802は、くるみ製本の形成処理を行うために、画像形成装置本体203のCPU回路部801を使って、くるみ製本制御部812を制御する。そして、くるみ製本の形成処理が終わると、この処理を終了する。
以上説明したように本実施形態1によれば、くるみ製本の表紙に使われるメディアに対して、折り返し用クリースを施すことができる。そのため、S1511でくるみ製本機205がくるみ製本処理を完了させれば、折り返し用クリースが施されたくるみ製本が形成される。本実施形態1では、表紙に使われるメディアに対して、背表紙の角から15.0mmの位置に折り返し用クリースが施された状態でくるみ製本が形成される。
実施形態1によれば、オペレータは、くるみ製本された本の表紙のクリースの位置を背表紙の角からの長さで指定するだけで、背表紙の厚みに応じたクリース位置を自動的に決定してクリース処理を施すことができる。これによりオペレータは、容易に、折り返し部の位置を指定して、意図した製本物を得ることができるという効果がある。
[実施形態2]
次に本発明の実施形態2を説明する。この実施形態2では、画像処理装置102が画像形成装置101に対して、中綴じ製本ジョブの印刷要求を行った場合に、中綴じ製本の表紙に折り返し用のクリースを行う場合について説明する。尚、実施形態2に係る画像形成装置101、画像処理装置102、及びシート処理システムの構成は前述の実施形態1と同様であるため、その説明を省略する。
図16(A)、図16(B)は、実施形態2に係る中綴じ製本に関する、背の角と折り返しの位置関係を説明する図である。
図16(A)のように、折り返しは、中綴じ製本の表表紙と裏表紙にそれぞれ1本存在する。また、背の角と折り返しの間の長さは、オフセットと言う名称で定義される。
図16(C)は、中綴じ製本の表紙に対して、基準位置(メディアの先端)から、折り返しの位置がどこに位置するかを説明する図である。
図7を参照して説明したように、中綴じ処理は、中綴じ製本されるメディアの中央に施される。そのため、基準位置(メディアの先端)から「クリース位置1」、「クリース位置2」までの長さは、くるみ製本表紙のメディアの長さ、オフセットと図16(C)の関係にある。
以上から、数式で表すと、以下の関係にある。
クリース位置1=(中綴じ製本表紙の長さ/2)−オフセット値
クリース位置2=(中綴じ製本表紙の長さ/2)+オフセット値
図17は、中綴じ製本の折り返し設定画面の一例を示す図で、図13とほぼ同様である。実施形態2におけるオフセット値は、設定項目1701の「背の角からのオフセット位置」で設定される。設定項目1701の「折り返しクリース」、決定ボタン1702、課yンセルボタン1703は、図13の設定項目1301、決定ボタン1302、キャンセルボタン1303と同様であるので、その説明を省略する。
図18(A),図18(B)は、実施形態2に係る画像処理装置の表示部に表示されるジョブ設定画面の一例を示す図で、前述の実施形態1における図12(A),図12(B)とほぼ同様であり、以下の3つの設定が異なる。
具体的には、図18(B)の排紙先1808が、「サドルスタック部」に設定されており、中綴じ製本1811が「する(左綴じ)」に、くるみ製本1812が「しない」に設定されている。残りの項目1801〜1807,1809,1810は、図12の1201〜1207,1209,1210と同様であるため、それらの説明を省略する。
実施形態2の前提を説明する。まず、画像形成装置101には、図17に示す設定が施されており、折り返し用クリースは「する」、背の角からのオフセット位置は、「15.0mm」に設定されている。
画像処理装置102は、図18(A),図18(B)に示すような設定が施されて、中綴じ製本の印刷が設定済みであり、画像処理装置102は、画像形成装置101に対して、中綴じ製本の印刷の開始要求とジョブ設定情報の送信を行った状態であるとする。以後、実施形態2について、図19のフローチャートを参照して説明する。
図19は、本発明の実施形態2に係る画像形成装置101で中綴じ製本を実行する際のクリース処理を説明するフローチャートである。この処理を実行するプログラムはROM803に格納されており、CPU802の制御の下に実行される。
先ずS1901でCPU802は、画像処理装置102のジョブ制御部1107から印刷開始要求を受信したか否かを判定し、印刷開始要求を受信した場合はS1902に進む。S1902でCPU802は、ジョブ設定情報を解析し、中綴じ製本の生成が要求されているか否かを判定する。ここで中綴じ製本の生成が要求されていない場合はS1903に進んで印刷処理を実行して、この処理を終了する。
S1902で中綴じ製本の生成が要求されているとS1904に進みCPU802は、図17の設定画面で設定された、「折り返し用クリース」の設定を、画像形成装置101のHDD815から読み込む。ここで「折り返し用クリース」設定が「しない」であればS1908に進むが、「する」の場合はS1905に進む。S1905でCPU802は、図17の画面で設定された「背の角からのオフセット位置」の設定を、画像形成装置101のHDD815から読み込む。図17の例では「15.0mm」に設定されている。次にS1906に進みCPU802は、図16(C)を参照して説明した、中綴じ製本表紙に対する、クリース位置1とクリース位置2を計算する。尚、この計算式は、前述の図16での説明に従う。そしてS1907へ進みCPU802は、画像形成装置本体203のCPU回路部801を経由して、クリーサ装置204のCPU回路部901に、中綴じ製本の表紙に対するクリース(筋付け)処理を指示する。
ここでは図5で説明したように、クリース処理には、基準位置(メディア先端)からのクリース位置情報が必要である。そのためCPU802は、S1906で計算したクリース位置1とクリース位置2で、中綴じ製本の表紙に対してクリースを実施するように制御する。そしてS1908に進みCPU802は、中綴じ製本の形成処理を行うために、画像形成装置本体203のCPU回路部801を使って、フィニッシャ製本制御部813を制御して中綴じ製本の形成処理を実行する。
こうして中綴じ製本の表紙に使われるメディアは、折り返し用クリースが施されている状態となる。これによりS1908でフィニッシャ装置206が、中綴じ製本処理を完了させると、折り返し用クリースが施された中綴じ製本が形成される。尚、実施形態2では、背の角から15.0mmの位置に折り返し用クリースが施された状態の中綴じ製本が形成される。
実施形態2によれば、オペレータは、中綴じ製本された本の表紙のクリースの位置を、背表紙の角からの長さで指定するだけで、背表紙の厚みに応じたクリース位置を自動的に決定してクリース処理を施すことができる。これによりオペレータは、容易に、折り返し部の位置を指定して、意図した製本物を得ることができるという効果がある。
[実施形態3]
次に本発明の実施形態3を説明する。この実施形態3では、画像処理装置102が画像形成装置101に対して、くるみ製本ジョブの印刷要求を行った場合に、くるみ製本の綴じ設定を参照することで、くるみ製本表紙の表表紙にのみ、折り返し用のクリースを行う場合について説明する。尚、実施形態3に係る画像形成装置101、画像処理装置102、及びシート処理システムの構成は前述の実施形態1と同様であるため、その説明を省略する。
図20(A),図20(B)は、本実施形態3で形成される、左綴じのくるみ製本と右綴じのくるみ製本を説明する図である。本実施形態3では、表表紙側のみ折り返し用クリースを施すため、図20(A),図20(B)に示すくるみ製本が形成される。
図20(C)は、くるみ製本機205における、くるみ製本の形成プロセスと、クリース位置1およびクリース位置2の関係を示した図である。図20(A),図20(B),図20(C)の関係から分かるように、左綴じのくるみ製本のクリース位置は、クリース位置1に該当し、右綴じのくるみ製本のクリース位置は、クリース位置2に該当する。
以下、前述の実施形態1で説明した図15のフローチャートを参照して、実施形態3に係る、くるみ製本表紙の表表紙にのみ、折り返し用クリースを施す処理について説明する。
S1501〜S1509までの処理は説明済であるので、説明を省略する。S1510でCPU802は、ジョブ設定情報から、くるみ製本設定1212を参照する。ここでCPU802は、くるみ製本設定1212が、「する(左綴じ)」であった場合は、くるみ製本の表紙に対してクリース位置1のクリース(筋付け)処理だけを実施する。逆にCPU802は、くるみ製本設定1212が、「する(右綴じ)」であった場合は、くるみ製本の表紙に対してクリース位置2のクリース(筋付け)処理だけを実施する。そして、この処理が終わるとS1511に進む。尚、S1511は、説明済なので、説明を省略する。
以上の処理により、くるみ製本表紙の表表紙にのみ、折り返し用のクリースを行ったくるみ製本が形成できる。
尚、実施形態3について補足をしておく。実施形態3では、画像の天方向は、くるみ製本機205の奥側である前提である。画像の天方向が、くるみ製本機205の手前側である場合は、S1510でCPU802が、クリース位置1とクリース位置2を入れ替えてクリース処理を実施すれば良い。
以上説明したように実施形態3によれば、オペレータは、右綴じ或いは左綴じでくるみ製本された本の表紙のクリースの位置を、背表紙の角からの長さで指定するだけで、背表紙の厚みに応じたクリース位置を自動的に決定してクリース処理を施すことができる。これによりオペレータは、容易に、折り返し部の位置を指定して、意図した製本物を得ることができるという効果がある。
[実施形態4]
次に本発明の実施形態4を説明する。この実施形態4では、画像処理装置102が画像形成装置101に対して、中綴じ製本ジョブの印刷要求を行った場合に、中綴じ製本の綴じ設定を参照することで、中綴じ製本表紙の表表紙にのみ、折り返し用のクリースを行う場合について説明する。尚、実施形態4に係る画像形成装置101、画像処理装置102、及びシート処理システムの構成は前述の実施形態1と同様であるため、その説明を省略する。
図21(A),図21(B)は、本実施形態4で形成される、左綴じの中綴じ製本と、右綴じの中綴じ製本を説明する図である。本実施形態3では、表表紙側のみ折り返し用クリースを施すため、図21(A),図21(B)に示すくるみ製本が形成される。
図21(C)は、フィニッシャ装置206における、中綴じ製本の形成プロセスを示した図である。図21(C)に示すように、図中下方向がメディアの基準位置であり、中綴じ製本を形成する場合に、折り込みプレート716が、図中右から左へ、中綴じ製本の中心に圧力を加える。
図21(D)は、中綴じ製本表紙に対するクリース位置1とクリース位置2を説明する図である。図21(A),図21(B),図21(C),図21(D)の関係から分かるように、左綴じの中綴じ製本のクリース位置はクリース位置2に該当し、右綴じの中綴じ製本のクリース位置はクリース位置1に該当する。
以下、前述の図19のフローチャートを参照して、実施形態4において、中綴じ製本表紙の表表紙にのみ折り返し用クリースを施す処理について説明する。
S1901〜S1906までの処理は説明済であるので、説明を省略する。S1907でCPU802は、ジョブ設定情報から、図18の中綴じ製本1811を参照する。ここでCPU802は、中綴じ製本1811が「する(左綴じ)」であった場合は、中綴じ製本の表紙に対してクリース位置2のクリース(筋付け)処理だけを実施する。逆に中綴じ製本1811が「する(右綴じ)」であった場合は、中綴じ製本の表紙に対してクリース位置1のクリース(筋付け)処理だけを実施する。そして、この処理が終わるとS1908に進んで中綴じ製本処理を実行する。
以上の処理により、中綴じ製本表紙の表表紙にのみ、折り返し用のクリースを行った中綴じ製本が形成できる。
尚、実施形態4について補足をしておく。実施形態4では、画像の天方向は、フィニッシャ装置206の奥側である前提である。画像の天方向が、フィニッシャ装置206の手前側である場合は、S1907でCPU802は、クリース位置1とクリース位置2を入れ替えてクリース処理を実施すれば良い。
実施形態4によれば、オペレータは、中綴じ製本された本の表紙のクリースの位置を、背表紙の角からの長さで指定するだけで、背表紙の厚みに応じたクリース位置を自動的に決定してクリース処理を施すことができる。これによりオペレータは、容易に、折り返し部の位置を指定して、意図した製本物を得ることができるという効果がある。
[実施形態5]
次に本発明の実施形態5を説明する。この実施形態5では、くるみ製本の表表紙を折り返し用のクリース位置で折り返した場合に、本文1ページ目の絵が隠れる場合に警告メッセージを表示する方法について説明する。尚、実施形態5に係る画像形成装置101、画像処理装置102、及びシート処理システムの構成は前述の実施形態1と同様であるため、その説明を省略する。
図22は、本発明の実施形態5に係る画像処理装置102の表示部1002に表示される確認メッセージ画面の一例を示す図である。尚、図22の確認メッセージは、画像処理装置102のCPU1001が表示処理を行う。
確認メッセージ本文2201は、オペレータに確認したい内容を表示している。実施形態5では、折り返し用クリース位置が本文1ページ目の印刷部分と重なるため、印刷を継続するか否かの確認をしている。印刷するボタン2202は、印刷を実行する場合にオペレータが押下するボタンである。印刷しないボタン2203は、印刷を実行しない場合にオペレータが押下するボタンである。
次に、図23のフローチャートを参照して、くるみ製本の表表紙を折り返し用のクリース位置で折り返した場合に、本文1ページ目の絵が隠れる時に警告メッセージを表示する処理について説明する。尚、印刷設定については、実施形態1と同様に、図12(A),図12(B)の設定がなされているものとする。
図23は、実施形態5に係る画像処理装置102による、本文1ページ目の絵が隠れる場合の警告処理の手順を説明するフローチャートである。この処理を実行するプログラムはROM1007に格納されており、CPU1001の制御の下にこのプログラムが実行されることにより、この処理が実現される。
S2301でCPU1001は、印刷開始が指示されたかどうかを判定する。具体的には、図12のOKボタン1208が押下されたかどうかを判定し、押下されるとS2301のループを抜けてS2302に進み、図12の画面で設定された印刷設定をジョブ設定情報として画像形成装置101に送信する。S2302でCPU1001は、そのジョブ設定情報を解析し、くるみ製本の印刷開始かどうかを判定し、そうであればS2305に進むが、そうでない場合はS2303に進んで、通常の印刷処理を実行する。尚、図12(B)のくるみ製本1212が「する(左綴じ)」もしくは「する(右綴じ)」のいずれかである場合に、くるみ製本の印刷開始であると判定する。S2303でCPU1001は、画像形成装置101の機器制御部1102に対して、印刷開始要求と、受信したジョブ設定情報を送信してS2304に進む。S2304でCPU1001は、印刷ジョブのRIP処理と、RIPした画像データを画像形成装置101に送信して、この処理を終了する。
一方、S2302でくるみ製本と判定するとS2305に進みCPU1001は、本文1ページ目のRIP処理を実行してS2306に遷移する。ここではRIP処理部1108は、本文1ページ目のRIP処理依頼を受信すると本文1ページ目のディスプレイリストを生成し、そのディスプレイリストの生成が完了した段階で、ディスプレイリストの生成完了通知を送信する。S2306は、CPU1001が本文1ページ目のディスプレイリストの生成完了通知を検知するためのループである。ここでCPU1001がディスプレイリストの生成完了通知を受信するとS2307へ進み、CPU1001は、画像形成装置101に対して、くるみ製本時の折り返し設定の取得要求を送信する。くるみ製本時の折り返し設定の取得要求を受信した画像形成装置101のCPU802は、HDD815に保存されたくるみ製本時の折り返し設定を取得し、その設定情報を画像処理装置102に返信する。こうしてくるみ製本時の折り返し設定を受信するとS2308へ遷移する。
S2308でCPU1001は、sono取得したくるみ製本時の折り返し設定の情報を解析し、「折り返し用クリース」の設定が「する」或いは「しない」のいずれであるかを判定する。ここで「しない」の場合はS2314に遷移し、「する」の場合はS2309に遷移する。S2309でCPU1001は、本文1ページ目のディスプレイリストを参照して、オフセット位置から背表紙側の用紙端の間にオブジェクトが存在するか否かを調べる。次にS2310に進みCPU1001は、本文1ページ目に対して、オフセット位置から背表紙側の用紙端の間にオブジェクトが存在するかどうかを判定し、オブジェクトが存在すると判定したときはS2311に進む。一方、本文1ページ目に対して、オフセット位置から背表紙側の用紙端の間にオブジェクトが存在しないと判定したときはS2314に進む。
S2311でCPU1001は、例えば図22に示すような確認メッセージを表示してS2312に進む。そしてS2312に進みCPU1001は、オペレータが印刷するボタン2202、或いは印刷しないボタン2203を選択しかを判定し、印刷するボタン2202が押下されたときはS2314に進む。一方、印刷しないボタン2203が押下されたときはS2313に進む。S2313でCPU1001は、印刷を実行しないため、RIP済みデータを削除して、この処理を終了する。
一方、S2314でCPU1001は、画像形成装置101に対してくるみ製本の印刷開始要求と、受信したくるみ製本のジョブ設定情報を送信してS2315に遷移する。S2315でCPU1001は、印刷ジョブのRIP処理とRIPした画像データを画像形成装置101に送信して、この処理を終了する。
以上説明したように本実施形態5によれば、くるみ製本の表表紙を折り返し用のクリース位置で折り返したときに本文1ページ目の絵が隠れる場合に、オペレータに警告することができる。
[実施形態6]
次に本発明の実施形態6を説明する。この実施形態6では、中綴じ製本の表表紙を折り返し用のクリース位置で折り返した場合に、本文1ページ目の絵が隠れる場合に警告メッセージを表示する方法である。尚、実施形態6に係る画像形成装置101、画像処理装置102、及びシート処理システムの構成は前述の実施形態1と同様であるため、その説明を省略する。この実施形態6は、実施形態5のくるみ製本の処理を中綴じ製本に置き換えたものである。
実施形態6では、印刷設定については、実施形態2と同様に、図18(A),図18(B)の設定がなされているものとする。また、確認メッセージは、実施形態5と同様に、例えば図22に示すような警告画面を表示する。
実施形態6に係る画像処理装置102の処理は、実施形態5の図23のフローチャートにおいて、くるみ製本に関する処理を中綴じ製本に関する処理に置き換えればよい。
以上説明したように実施形態6によれば、中綴じ製本の表表紙を折り返し用のクリース位置で折り返したときに本文1ページ目の絵が隠れる場合に、オペレータに警告することができる。
[実施形態7]
次に本発明の実施形態7を説明する。この実施形態7では、くるみ製本の折り返し用のクリース位置設定がくるみ製本の糊付け部分と重なることを防ぐ方法について説明する。尚、実施形態7に係る画像形成装置101、画像処理装置102、及びシート処理システムの構成は前述の実施形態1と同様であるため、その説明を省略する。
図24(A)は、くるみ製本において、表紙と中紙束を背表紙部分で糊付けされて形成されている状態を示す図である。このとき、利用する糊や、くるみ製本機の性能にも依存するが、一般的には、糊付けの厚みは7.0[mm]程度であることが多い。
折り返し用クリースは、指定した位置に筋付けを施すことにより、表紙の見開き位置を誘導する効果がある。つまり、糊付け部分に折り返し用クリースを施さないことで、糊付け部分で表紙を開くことを回避できる。これにより、表紙の見開き動作で、糊付け位置に力が加わることを防ぐことができ、糊付けした表紙と中紙が剥がれるのを防止できる効果がある。
図24(B)は、画像形成装置101の操作パネル425に表示される、警告メッセージ画面の一例を示す図である。
これは例えば、図13のくるみ製本時の折り返し設定において、背表紙の角からのオフセット位置が、7.0[mm]以下に設定された状態で、決定ボタン1302が押下された場合に表示される画面である。
警告メッセージ本文2401は、背表紙の角からのオフセット位置を7.0[mm]よりも長く設定するように指示するものである。閉じるボタン2402は、オペレータが2401の警告メッセージを確認した後に、押下するボタンである。閉じるボタン2402が押下されると、図13に戻る。
上記の処理を、実施形態1に追加することで、くるみ製本の折り返し用のクリース位置設定が、くるみ製本の糊付け部分と重なることを防ぐことができる。
尚、上記記載の例に限らず、例えば図13において、背表紙の角からのオフセット位置の入力範囲を7.0[mm]より大きくする制限を設けるようにしても良い。
以上説明したように実施形態7によれば、くるみ製本の折り返し用のクリース位置設定がくるみ製本の糊付け部分と重なるのを防止できる。これにより、表紙の見開き動作で、糊付け位置に力が加わることを防ぐことができ、糊付けした表紙と中紙が剥がれるのを防止できるという効果がある。
以上、実施形態として、画像形成装置101と画像処理装置102を有するシート処理システムを例に説明したが、画像形成装置101が画像処理装置102の処理を統合した形態でも、本発明は実施可能である。
また、画像形成装置101のUI処理部101の処理を画像処理装置102のUI処理部1106で行い、画像形成装置101のHDD815への設定の保存および読み出しを、ネットワーク103経由で実施する構成でもよい。
以上説明した実施形態によれば、オペレータは、折り返し用クリースの位置を、背表紙からの相対位置を指定するだけで良いので、オペレータが位置を計算する手間を省くことができ、作業の効率化を図ることができる。
また、実際の製本印刷物に対して、あとx[mm]背表紙側にずらすと言った形での指定が可能となるため、クリースの位置の計算ミスによる無駄な印刷物の生成を防ぐこともできる。
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また上記実施形態は、それぞれ他の実施形態と組わせて実施されても良く、本発明はそのような形態も包含するものとする。
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。