以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る印刷システムに好適なPODシステムの構成図である。
PODシステム1は、印刷システム1000、スキャナ102、サーバコンピュータ103(PC103)、及びクライアントコンピュータ104(PC104)を有し、それらはネットワーク101を介して互いに接続されている。また、PODシステム1は、紙折り機107、断裁機109、中綴じ製本機110、及びくるみ製本機108を有する。
PC103は、ネットワーク101に接続された各種装置とのデータの送受信を管理する。PC104は、ネットワーク101を介して画像データを印刷システム1000やPC103に送信する。紙折り機107は、印刷システム1000で印刷されたシートの折り処理を行う。くるみ製本機108は、印刷システム1000で印刷されたシートに対するくるみ製本処理を行う。断裁機109は、印刷システム1000で印刷された複数枚のシートからなるシート束毎に、シート束の断裁処理を行う。中綴じ製本機110は、印刷システム1000で印刷されたシート束に対する中綴じ製本処理を行う。
紙折り機107、くるみ製本機108、断裁機109、及び中綴じ製本機110を利用する場合、オペレータ(又はユーザ)は印刷されたシート束を印刷システム1000から取り出し、利用する装置にセットし、その装置によって処理を実行させる。
PODシステム1が有する複数の装置のうち、中綴じ製本機110以外の装置は、ネットワーク101に接続されており、互いに他装置とデータ通信可能に構成されている。
次に、印刷システム1000の構成について図2及び図3を参照して説明する。
図2は、印刷システム1000の内部構成を示すブロック図である。
図2において、印刷システム1000は、印刷装置100と、印刷装置100に接続されたシート処理装置(後処理装置)200とを有する。本実施の形態では、印刷装置100は、コピー機能及びプリンタ機能等の複数の機能を有するMFP(Multi Function Peripheral)である。なお、印刷装置100は、コピー機能のみ、或いはプリンタ機能のみ
の単一機能型の印刷装置であってもよい。
印刷システム1000に含まれる各ユニットのうち、シート処理装置200以外のユニットは、印刷装置100に含まれる。印刷装置100には、任意の台数のシート処理装置200を接続することができる。印刷システム1000は、印刷装置100で印刷されたシートに対するシート処理(後処理)を、印刷装置100に接続されたシート処理装置200により実行できるように構成されている。なお、シート処理装置200を接続せずに印刷装置100のみで印刷システム1000を構成することも可能である。
シート処理装置200は、印刷装置100と通信可能に構成され、印刷装置100からの指示を受け、後述するシート処理を実行することができる。スキャナ部201は、原稿上の画像を読み取って画像データに変換し、他のユニットに転送する。外部I/F202は、ネットワーク101に接続された他の装置(外部デバイス)との間でデータの送受信を行う。プリンタ部203は、入力された画像データに基づく画像をシート上に印刷する。操作部204は、後述するハードキー入力部(キー入力部)402やタッチパネル部401を有し、それらを介してオペレータからの指示を受け付ける。また、操作部204は、操作部204が有するタッチパネルに各種表示を行う。
制御部205は、印刷システム1000が有する各種ユニットの処理や動作等を統括的に制御する。即ち、制御部205は、印刷装置100及び印刷装置100に接続されたシート処理装置200の動作も制御する。ROM207は、制御部205によって実行される各種コンピュータプログラムを記憶する。例えば、ROM207は、後述するフローチャートの各種処理を制御部205に実行させるためのプログラムや、後述する各種設定画面を表示するために必要な表示制御プログラムを記憶する。また、ROM207は、制御部205がPC103やPC104等から受信したPDL(ページ記述言語)コードデータを解釈してラスタイメージデータに展開する動作を実行するためのプログラムを記憶する。他にも、ROM207は、ブートシーケンスやフォント情報等を記憶する。
RAM208は、スキャナ部201や外部I/F202から送られてきた画像データや、ROM207からロードされた各種プログラム、設定情報を記憶する。また、RAM208は、シート処理装置200に関する情報を記憶する。シート処理装置200に関する情報には、印刷装置100に接続されたシート処理装置200の台数(0〜n台)と、各シート処理装置200の機能に関する情報、各シート処理装置200の接続順序等が含まれる。
HDD(ハードディスクドライブ)209は、ハードディスクとハードディスクへのデータの読み書きを行う駆動部等で構成される。HDD209は、スキャナ部201や外部I/F202から入力され、圧縮伸張部210によって圧縮された画像データを記憶するための大容量の記憶装置である。制御部205は、オペレータからの指示に基づいて、HDD209に格納された画像データをプリンタ部203によって印刷することができる。また、制御部205は、オペレータからの指示に基づいて、HDD209に格納された画像データを、外部I/F202を介してPC103等の外部装置へ送信することもできる。圧縮伸張部210は、JBIGやJPEG等の各種圧縮方式によってRAM208、HDD209に記憶されている画像データ等の圧縮・伸張動作を行う。
図3は、印刷システム1000を構成する印刷装置100と複数のシート処理装置200の内部構造の概略を示す縦断面図である。
図3において、印刷システム1000におけるシート処理装置200は、上流の装置から下流の装置にシート搬送路を介してシートを搬送できるのであれば、任意の種類の装置を任意の台数だけ連結することができる。例えば、図3に示すように、印刷装置100に近い順に、大容量スタッカ200−3a、糊付け製本機200−3b、中綴じ製本機200−3cの順序で連結し、これらを印刷システム1000にてそれぞれ選択的に利用することができる。また、シート処理装置200のそれぞれがシート排出部を備え、オペレータは、シート処理がなされたシートを、それぞれのシート処理装置のシート排出部から取り出すことができる。
自動原稿搬送装置(ADF)301は、原稿トレイの積載面にセットされた原稿束を1ページ目の原稿から順番に分離し、分離した原稿をスキャナ部302で走査するために原稿台ガラス上へ搬送する。
スキャナ部302は、原稿台ガラス上に搬送された原稿の画像を読み取り、CCD(Charge Coupled Device)によって画像データに変換する。ポリゴンミラー等の回転多面鏡
303は、画像データに応じて変調された、例えばレーザ光などの光線を入射させ、反射ミラーを介して反射走査光として感光ドラム304に照射する。感光ドラム304上にレーザ光によって形成された潜像はトナーによって現像され、現像されたトナー像は転写ドラム305上に貼り付けられたシートに転写される。この一連の画像形成プロセスをイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーに対して順次実行することによりフルカラー画像が形成される。
4回の画像形成プロセスの後に、転写ドラム305上のフルカラー画像が形成されたシートは、分離爪306によって分離され、定着前搬送器307によって定着器308へ搬送される。定着器308は、ローラやベルト、ハロゲンヒータなどの熱源を内蔵し、トナー像が転写されたシート上のトナーを熱と圧力によって溶解し、定着させる。排紙フラッパ309は、揺動軸を中心に揺動可能に構成され、シートの搬送方向を規定する。排紙フラッパ309が図中の時計回りの方向に揺動しているときには、シートは真直ぐに搬送され、排紙ローラ310によって機外へ排出される。制御部205は、上述した一連のシーケンスによって、片面印刷を実行するように印刷装置100を制御する。
一方、シートの両面に画像を形成する場合には、排紙フラッパ309が図中の反時計回りの方向に揺動し、シートは下方向に進路を変更され両面搬送部へと送り込まれる。両面搬送部は、反転フラッパ311、反転ローラ312、反転ガイド313、及び両面トレイ314を備える。反転フラッパ311は、揺動軸を中心に揺動し、シートの搬送方向を規定する。
制御部205は、両面印刷ジョブを処理する場合、プリンタ部203でシートの第1面に画像が形成されたシートを、反転フラッパ311を図中の反時計回りの方向に揺動し、反転ローラ312を介して反転ガイド313へ送り込むように制御する。そして、制御部205は、シート後端が反転ローラ312に狭持された状態で反転ローラ312を一旦停止させ、引き続き反転フラッパ311を図中の時計回りの方向に揺動させる。且つ、反転ローラ312を逆方向に回転させる。これにより、制御部205は、シートをスイッチバックして搬送させ、シートの後端と先端が入れ替わった状態で両面トレイ314へと導くように制御する。
両面トレイ314では、シートが一旦積載され、その後、再給紙ローラ315によって再びレジストローラ316へと送り込まれる。このとき、シートは、1面目とは反対の面が感光ドラムと対向する側になって送られる。そして、上述したプロセスと同様にして、シートの第2面に対して2面目の画像が形成される。その結果、シートの両面に画像が形成され、定着器308、排紙ローラ310を介して印刷装置100内部から機外へとシートが排出される。制御部205は、以上のような一連のシーケンスによって、両面印刷を実行するように印刷装置100を制御する。
印刷装置100は、印刷処理に要するシート(用紙)を収納する給紙部を有する。給紙部には、給紙カセット317,318(例えば、それぞれ500枚のシートを収容可能)、給紙デッキ319(例えば、5000枚のシートを収納可能)、手差しトレイ320等がある。給紙カセット317,318、給紙デッキ319には、サイズや材質の異なる各種シートを給紙部毎に区別してセットすることができる。手差しトレイ320には、OHPシート等の特殊なシートを含む各種シートをセットすることができる。給紙カセット317,318、給紙デッキ319、及び手差しトレイ320には、それぞれに給紙ローラが設けられており、給紙ローラによってシートが1枚単位で連続的に給送される。
次に、図3に示すシート処理装置200について説明する。
制御部205は、印刷装置100に接続されたシート処理装置200にて実行可能な各種シート処理の候補から、オペレータが所望する種類のシート処理の実行要求を、操作部204を介して印刷実行要求と共に受け付ける。そして、操作部204を介してオペレータから受け付けたジョブの印刷実行要求を応じて、制御部205は、そのジョブに要する印刷処理をプリンタ部203で実行させる。そして、制御部205は、この印刷処理がなされたシートを、オペレータが所望するシート処理を実行可能なシート処理装置までシート搬送路を介して搬送させ、当該シート処理装置でシート処理を実行させる。
例えば、印刷システム1000が図3に示すシステム構成を有する場合、オペレータから印刷実行要求を受け付けたジョブが、大容量スタッカ200−3aによる大量積載処理を行うように指示されたジョブであるとする。このジョブを「スタッカジョブ」と呼ぶ。このスタッカジョブを図3に示す印刷システム1000にて処理する場合、制御部205は、印刷装置100で印刷されたシートを、図3のA点を通過させて、大容量スタッカ200−3a内部へ搬送させる。その後、制御部205は、スタッカジョブの積載処理を大容量スタッカ200−3aに実行させる。そして、制御部205は、大容量スタッカ200−3aで積載処理がなされた印刷物を、他の装置(例えば、後段の装置)へ搬送せずに、大容量スタッカ200−3a内部の排紙先Xに保持させる。
オペレータは、排紙先Xに保持されたスタッカジョブの印刷物を、排紙先Xから直接取り出すことができる。これにより、図3のシート搬送方向、最下流の排紙先Zまでシートを搬送して、排紙先Zからスタッカジョブの印刷物を取り出すといった、一連の装置の動作やオペレータの操作が不要になる。
また、印刷システム1000において、オペレータから印刷実行要求を受け付けたジョブが、糊付け製本機200−3bによるシート処理(例えば、くるみ製本処理、天糊製本処理の何れかの糊付け製本処理)を行うように指示されたジョブであるとする。このジョブを「糊付け製本ジョブ」と呼ぶ。この糊付け製本ジョブを印刷システム1000にて処理する場合、制御部205は、印刷装置100で印刷されたシートを、図3のA点及びB点を介して糊付け製本機200−3b内部へ搬送させる。その後、制御部205は、糊付け製本ジョブの糊付け製本処理を糊付け製本機200−3bに実行させる。そして、制御部205は、糊付け製本機200−3bで糊付け製本処理がなされた印刷物を、他の装置(例えば、印刷装置より後段にある装置)へ搬送せずに、糊付け製本機200−3b内部の排紙先Yに保持させる。
更に、印刷システム1000において、オペレータから印刷実行要求を受け付けたジョブが、中綴じ製本機200−3cによるシート処理を行うように指示されたジョブであるとする。中綴じ製本機200−3cによるシート処理には、例えば、中綴じ製本処理、パンチ処理、断裁処理、シフト排紙処理、及び折り処理等がある。本実施の形態では、中綴じ製本機200−3cによるシート処理を行うように指示されたジョブを「中綴じ製本ジョブ」と呼ぶ。
この中綴じ製本ジョブを印刷システム1000が処理する場合、制御部205は、印刷装置100で印刷されたシートをA点、B点及びC点を通過させて中綴じ製本機200−3cに搬送させる。その後、制御部205は、中綴じ製本ジョブのシート処理を中綴じ製本機200−3cに実行させる。そして、制御部205は、この中綴じ製本機200−3cによるシート処理がなされた印刷物を、中綴じ製本機200−3cの排紙先Zに保持させる。
なお、排紙先Zには複数の排紙先候補がある。これは、中綴じ製本機200−3cが複数種類のシート処理を実行することができ、シート処理毎に排紙先を分ける際に用いられるものである。
次に、印刷装置100に接続可能なシート処理装置200の一例として中綴じ製本機200−3cの内部構造を図4を用いて説明する。
図4は、中綴じ製本機200−3cの内部構造の概略を示す縦断面図である。
中綴じ製本機200−3cは、印刷装置100からのシートに対してステイプル処理、断裁処理、パンチ処理、折り処理、シフト排紙処理、及び中綴じ製本処理等を選択的に実行する各種ユニットを備える。また、この中綴じ製本機200−3cは、後述するスクエアバック処理を実行可能に構成されている。なお、中綴じ製本機200−3cは、後段の装置へのシート搬送機能の役目を果たすストレートパスを持たない。このため、印刷装置100に複数台のシート処理装置を接続する場合には、図3に示すように、中綴じ製本機200−3cが最後尾に接続される。
フィニッシャ34は、装置外部にサンプルトレイ21、スタックトレイ22を有し、装置内部にスクエアバック形成部23を有する。フィニッシャ34の前段には、Z折り機24が接続されている。制御部205は、Z折りを行うように指示するジョブを実行する場合、印刷装置100で印刷されたシートに対してZ折り機24によりZ字状に折り処理を実行させる。そして、制御部205は、折り処理されたシートを中綴じ製本機内を通過させて、スタックトレイ22及びサンプルトレイ21等の排出トレイに排紙するように制御する。
また、制御部205は、中綴じ製本機200−3cにてステイプルするように指示を受けた場合、印刷装置100で印刷されたシートを、中綴じ製本機内の処理トレイ25に順次スタックさせる。そして、一束分のシートが処理トレイ25にスタックされると、制御部205は、ステープラ26にてステイプルを行わせる。その後、制御部205は、このステイプルされたシート束を処理トレイ25からスタックトレイ22へ排出させる。
また、制御部205は、中綴じ製本機200−3cにてパンチ処理設定を行うように指示を受けた場合、印刷装置100で印刷されたシートに対してパンチャ27によるパンチ処理を実行させる。そして、制御部205は、パンチ処理されたシートを中綴じ製本機内を通過させて、スタックトレイ22及びサンプルトレイ21等の排出トレイに排紙するように制御する。
また、制御部205は、中綴じ製本機200−3cで中綴じ製本処理を行うように指示するジョブを実行する場合、サドルステッチャ部28により1セット分の複数枚のシートから成るシート束の中央部分(後に二つ折りされる折り位置)に二箇所綴じを行わせる。その後、制御部205は、このシート束の中央部分をローラに噛ませることにより、シートの中央部分を基準とした二つ折りを行わせる。これにより、パンフレットのようなブックレットが作成できる。本実施の形態では、サドルステッチャ部28により実行される、シート束に対する二箇所綴じ及び二つ折りの2つの工程からなる一連のシート処理を中綴じ製本処理と呼ぶ。サドルステッチャ部28で中綴じ製本処理が施されたシート束は、スクエアバック形成部23に搬送される。
制御部205が、中綴じ製本処理を行うように指示されたジョブであって、中綴じ製本処理が行われたシート束の背の部分に角処理(スクエアバック)を施すように指示されたジョブを処理する場合について説明する。制御部205は、印刷装置100で印刷された印刷物の中綴じ製本処理がサドルステッチャ部28により行われた後に、スクエアバック形成部23で中綴じ製本処理されたシート束の背の部分に角を持たせる処理を実行するよう、印刷システム1000を制御する。その後、この印刷物は、排紙口へ搬送される。
中綴じ製本処理を行うように指示されたジョブに対して、断裁処理を行うように指示を受け付けた場合には、制御部205は、中綴じ製本処理されたシート束を排紙口からトリマ29へ搬送させる。その後、制御部205は、トリマ29に搬送されたシート束をカッタ部30によって断裁させ、このシート束をブックレットホールド部31に保持させる。図4に示す中綴じ製本機200−3cでも、中綴じ製本処理されたシート束の三方断裁(シート束の背部分以外の3つの端部を断裁する処理)が実行できるように構成されている。なお、中綴じ製本機200−3cがトリマ29を持たない場合には、サドルステッチャ部28で製本されたシート束を排紙口から取り出すことができる。
中綴じ製本機200−3cは、インサータ33上のインサートトレイ32にセットされたシート(例えば、予め印刷済みのカバーシート)を印刷装置100から搬送されるシートに添付することもできるように構成されている。
次に、スクエアバック形成部23にて実行されるスクエアバック処理について図5を用いて説明する。このスクエアバック形成部23は、上述のサドルステッチャ部28により中綴じ製本処理が行われた印刷物の背の部分を押し潰すことで当該背の部分を平坦化する(平坦面を形成する)加工手段として機能する。本実施形態では、この機能を利用することで、背の部分が平坦化された中綴じ製本印刷物を印刷システム1000により作成可能に構成されている。なお、この平坦面を形成することを「扁平化する(扁平面を形成する)」及び/又は「フラットにする」という表現で置き換えてもよく、これらは同義である。
図5は、スクエアバック処理の概略を示す模式図であり、(a)は中綴じ直後のシート束、(b)はスクエアバック形成部によるスクエアバック処理時のシート束、(c)はスクエアバック処理されたシート束を示す。
図5(a)に示す冊子2101は、印刷装置100により印刷された複数枚のシートからなる1セット分のシート束に相当する。この冊子2101を構成する複数枚のシートは、順次、印刷装置100にて印刷された後、中綴じ製本機200−3cのサドルステッチャ部28へ供給される。そして、1セット分のシート束に必要な全てのシートがサドルステッチャ部28に揃った時点で、このシート束に対して上述の中綴じ製本処理が行われる。そして、この中綴じ製本処理が行われたシート束(即ち、冊子2101)は、そのままサドルステッチャ部28からスクエアバック形成部23へ搬送される。
図5(a)に示す折り部2102は、冊子2101の背の部分(サドルステッチャ部28で二箇所綴じされた箇所であって、二つ折りされた箇所)に相当する。
スクエアバック形成部23は、図5(b)に示すように、冊子平坦化部材2103と冊子平坦化部材2104を有する。これらの部材は、移動可能な部材であって、冊子2101に対するスクエアバック処理を施すに際して、冊子2101に対して接するように所定の待機位置から移動可能に構成される。また、これらの部材は、スクエアバック処理が済み次第、冊子2101の搬送を妨げない位置(即ち、待機位置)に戻るように構成されている。
上述したように、サドルステッチャ部28で中綴じ製本処理が施されたシート束(冊子2101)は、図5(a)に示すように、折り部2102を先頭にしてスクエアバック形成部23へ搬送される。そして、図5(b)に示すように、冊子2101は、冊子平坦化部材2103により両面から挟まれる。次に、冊子2101は、冊子平坦化部材2104によって折り部2102が押し潰されて平坦化される。このように、冊子2101は、冊子平坦化部材2103,2104による処理を経て、図5(c)に示すように、折り部先端に平坦面2105が形成される。
サドルステッチャ部28で中綴じ製本処理されたシート束の膨らみを抑えるように、冊子平坦化部材2103,2104を用いてシート束の背の部分を平らにする(平坦面を形成する)一連のシート処理を、本実施形態ではスクエアバック処理と呼ぶ。また、このスクエアバック処理は角処理又はスクエアホールド処理とも呼ばれる。
スクエアバック処理が済んだ冊子2101は、シート搬送方向下流側に位置する中綴じ製本機内のカッタ部30を介して、ブックレットホールド部31へ出力される。
中綴じ製本処理を要する中綴じ製本ジョブでも、上述のように、スクエアバック処理を要する中綴じ製本ジョブと、スクエアバック処理が不要な中綴じ製本ジョブの2種類に大別される。どちらの中綴じ製本ジョブの印刷物であっても、同じ搬送経路を介して、ブックレットホールド部31へ出力することができる。
例えば、スクエアバック処理が不要な中綴じ製本ジョブの印刷物であっても、スクエアバック形成部23を介してブックレットホールド部31へ出力される。この際、制御部205は、スクエアバック形成部23によるスクエアバック処理の実行を禁止するように、冊子平坦化部材2103,2104の作動をロックする。そして、これらの部材を待機位置に待機させたままの状態で、中綴じ製本ジョブの印刷物をそのまま通過させる。
次に、操作部204の構成を図6を用いて説明する。
図6は、操作部204の外観構成を示す図である。
操作部204は、タッチパネル部401と、キー入力部402とを備える。タッチパネル部401は、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示部)とその上に貼られた透明電極とから成り、オペレータから指示を受け付けるための各種設定画面を表示する。タッチパネル部401は、各種画面を表示する機能とオペレータからの指示を受け付ける指示入力機能とを兼ね備える。キー入力部402は、電源キー501やスタートキー503、ストップキー502やユーザモードキー505、テンキー506を備える。スタートキー503は、コピージョブや送信ジョブの処理を印刷装置100に開始させる場合に用いられる。テンキー506は、印刷部数等の数値入力の設定を行う場合に用いられる。
制御部205は、タッチパネル部401に表示される各種画面を介して受け付けた指示やキー入力部402を介して受け付けた指示に基いた各種処理を行うように印刷システム1000を制御する。
図7は、印刷装置100により印刷されたシートに対して実行すべきシート処理の種類をオペレータに選択させるための設定画面の一例を示す図である。
制御部205は、タッチパネル部401に表示される画面上の図6に示すシート処理設定キー609がオペレータにより押されると、図7に示す設定画面700をタッチパネル部401に表示させる。この図7に示す設定画面700は、印刷システム1000に含まれるシート処理装置200を用いて実行可能なシート処理の種類をオペレータが選択できるように構成された設定画面である。制御部205は、図7に示す設定画面700を介して、処理対象となるジョブにて実行すべきシート処理の設定をオペレータから受け付け、その設定に従ってシート処理をシート処理装置200で実行させる。
次に、中綴じ製本処理とその際に実行する中綴じ製本用の印刷処理について、例として、8ページの中綴じ製本ジョブを処理する場合について説明する。
図8は、中綴じ製本処理とその際に実行する中綴じ製本用の印刷処理の流れを示す図であり、(a)は8ページ分の画像データ、(b)は画像データの画像位置、(c)は画像が形成されたシートの搬送方向、(d)はシート束の中綴じ動作を示す。
設定画面700上で中綴じ製本モードが設定されると、図8(a)に示すように、8ページ分の画像データR1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8に対しての画像形成順序及び画像位置が決定される。これにより、図8(b)に示すように、1ページ目(シートP1)の第1面(表面)の左半分には画像データR4の画像、右半分には画像データR5の画像が形成される。シートP1の第2面(裏面)の左半分には画像データR6の画像、右半分には画像データR3の画像が形成される。
両面に画像が形成されたシートP1は、図8(c)に示すように、画像データR6の画像及び画像データR3が形成されている第2面を上向き、且つ画像データR6の画像を先頭にして、図8(c)中の矢印方向に搬送される。その後、上述した処理に続いて2ページ目の処理が行われる。図8(b)に示すように、2ページ目(シートP2)の第1面(表面)には、その左半分に画像データR2の画像、右半分に画像データR7の画像が形成される。
画像が形成されたシートP1,P2は、図8(d)に示すように、シート束に対してサドルステッチャ部28の突き出し部材が突き出される。これにより、シート束が折りローラに向けて押し出される。折りローラ側に押し出されたシート束は、折りローラにより中央部(画像面の画像境界部分)で折り畳まれ、スクエアバック形成部23に排出される。
このようにして、折り畳まれたシート束は、図9(a)及び図9(b)に示すような印刷物として形成される。図9(a)は、スクエアバック無しで中綴じ製本処理された印刷物を開いた状態を示す図であり、図9(b)は閉じた状態での折り面及びサドルステッチを示した図である。図9(b)の断裁面は、トリマ29によってシート束を断裁する場合の断裁位置を示している。
本実施形態の印刷システム1000は、プリンタ部203と、プリンタ部203により印刷処理が行われたシート束の中綴じ製本処理が実行可能な図4のサドルステッチャ部28を有する。また、このサドルステッチャ部28により中綴じ製本処理が行われたシート束の背の部分に平坦面を形成するスクエアバック処理を実行可能な図4のスクエアバック形成部23をも有する。更に、このサドルステッチャ部28により中綴じ製本処理が行われたシートの端部を断裁する断裁処理を実行な図4のカッタ部30をも有する。これらのユニットは、それぞれ、印刷手段、中綴じ製本手段、加工手段、断裁手段として機能する。
そして、本実施形態の印刷システム1000は、これらのユニットを用いて、該スクエアバック処理と断裁処理が行われた中綴じ製本印刷物を作成可能に構成されている。この印刷物は、背の部分に平坦面が形成され且つ該背の部分の反対側の端部(小口部)が断裁された中綴じ製本印刷物である。本実施形態では、この中綴じ製本印刷物を作成するためのジョブを第1タイプのジョブとし、この第1タイプのジョブに要する処理を印刷システム1000で実行できるように制御部205が制御する。
また、本実施形態の印刷システム1000は、上述のサドルステッチャ部28とカッタ部30を用いて、スクエアバック処理が施されておらず且つ断裁処理が施された中綴じ製本印刷物を作成可能に構成されている。この中綴じ製本印刷物は、背の部分に平坦面が形成されておらず且つ該背の部分の反対側の端部が断裁された中綴じ製本印刷物である。本実施形態では、この中綴じ製本印刷物を作成するためのジョブを第2タイプのジョブとし、このジョブに要する処理を印刷システム1000で実行できるように制御部205が制御する。
本実施の形態では、制御部205が制御手段として機能する。例えば、制御部205は、印刷システム1000により処理すべきジョブがスクエアバック処理を要するか否かに基づいて、当該ジョブのシート束の端部における断裁位置、及び/又は、当該ジョブのシートに対する画像の印刷位置を調整できるように制御する。本実施形態の印刷システム1000は、この制御に対応する構成として、本第1の実施形態及び後述する第2の実施形態にて説明する各種構成を備える。
また、印刷システム1000により処理すべきジョブがスクエアバック処理を要さない第2タイプのジョブである場合、制御部205は、当該ジョブのシート束の端部を所定の断裁量で図4のカッタ部30により断裁することを許可する。
一方、印刷システム1000により処理すべきジョブがスクエアバック処理を要する第1タイプのジョブである場合、制御部205は、該ジョブのシート束の端部が当該所定の断裁量で該カッタ部30により断裁されないように制御する。本実施形態の印刷システム1000は、この制御に対応する構成として、第1の実施形態にて説明する各種構成を備える。
なお、本実施の形態にて、上述した所定の断裁量は、第1タイプのジョブ(スクエアバック有り中綴じ製本ジョブに相当)のためには許容せずに第2タイプのジョブ(スクエアバック無しの中綴じ製本ジョブに相当)のために許容するオペレータからの設定値である。本実施形態の印刷システム1000は、この所定の断裁量の具体的数値として、10.0mm以上で且つ20.0mm未満の範囲内の値が適用されるように構成されている。そして、制御部205が、印刷装置100内部の所定のメモリに予め登録されている図25の管理テーブル2400に記述されている〔ルール1−1〕、〔ルール1−2〕に基づいて機能することによって、上記制御が実行されるように構成されている。
また、印刷システム1000により処理すべきジョブがスクエアバック処理を要さない第2タイプのジョブである場合に、制御部205は、該ジョブのシート束の端部を第1の断裁量で図4のカッタ部30により断裁可能にする。
一方、印刷システム1000で処理すべきジョブがスクエアバック処理を要する第1タイプのジョブである場合、制御部205は以下の制御を行う。すなわち、制御部205は、該ジョブのシート束の端部を第1の断裁量で断裁すること無しに該第1の断裁量よりも大きい値の第2の断裁量でカッタ部30により断裁可能に制御する。本実施形態の印刷システム1000は、この制御に対応する構成として、第1の実施形態にて説明する各種構成を備える。
なお、本実施の形態にて、上述した第1の断裁量は、第1タイプのジョブのためには許容せずに第2タイプのジョブのために許容するオペレータからの設定値である。本実施形態の印刷システム1000は、この第1の断裁量の具体的数値として、10.0mm以上で且つ20.0mm未満の範囲内の値が適用されるように構成されている。
一方、第2の断裁量は、第1タイプのジョブと第2タイプのジョブのどちらのためにも許容するオペレータからの設定値である。本実施形態の印刷システム1000は、この第2の断裁量の具体的数値として、20.0mm以上で且つ30.0mm以下の範囲内の値が適用されるように構成されている。そして、制御部205が、図25の管理テーブル2400に記述されている〔ルール1−1〕、〔ルール1−2〕に基づいて機能することによって、上記制御が実行されるように構成されている。
また、印刷システム1000により処理すべきジョブがスクエアバック処理を要さない第2タイプのジョブであるとする。この場合、制御部205は、中綴じ製本印刷物の外側のシートと内側のシートの画像位置のずれを補正するための所定の補正量(クリープ補正量)に基づいて該ジョブのシートに対する印刷処理をプリンタ部203により実行することを許可する。
一方、印刷システム1000により処理すべきジョブがスクエアバック処理を要する第1タイプのジョブである場合、制御部205は、該所定の補正量に基づいて該ジョブのシートに対する印刷処理がプリンタ部203により実行されないように制御する。本実施形態の印刷システム1000は、この制御に対応する構成として、以下の第2の実施形態にて説明する各種構成を備える。
なお、上述した所定のクリープ補正量は、第1タイプのジョブ(スクエアバック有り中綴じ製本ジョブに相当)のためには許容せずに第2タイプのジョブ(スクエアバック無しの中綴じ製本ジョブに相当)のために許容するオペレータからの設定値である。本実施形態の印刷システム1000は、この所定のクリープ補正量の具体的数値として、0.10mm以上で且つ0.20mm未満の範囲内の値が適用されるように構成されている。そして、制御部205が、図25の管理テーブル2400に記述されている〔ルール2−1〕、〔ルール2−2〕に基づいて機能することによって、上記制御が実行されるように構成されている。
また、印刷システム1000により処理すべきジョブがスクエアバック処理を要さない第2タイプのジョブであるとする。この場合、制御部205は、中綴じ製本印刷物の外側のシートと内側のシートの画像位置のずれを補正するための第1のクリープ補正量に基づいて該ジョブのシートに対する印刷処理をプリンタ部203により実行可能にする。
一方、印刷システム1000により処理すべきジョブがスクエアバック処理を要する第1タイプのジョブであるとする。制御部205は、第1のクリープ補正量に基づいて該ジョブのシートに対する印刷処理を行うこと無しに該第1のクリープ補正量よりも大きい値の第2のクリープ補正量に基づいて該ジョブのシートに対する印刷処理をプリンタ部203で実行可能に制御する。本実施形態の印刷システム1000は、この制御に対応する構成として、第2の実施形態にて説明する各種構成を備える。
なお、本実施の形態にて、上述した第1のクリープ補正量は、第1タイプのジョブのためには許容せずに第2タイプのジョブのために許容するオペレータからの設定値である。本実施形態の印刷システム1000は、この第1のクリープ補正量の具体的数値として、0.10mm以上で且つ0.20mm未満の範囲内の値が適用されるように構成されている。
一方、上述した第2のクリープ補正量は、第1タイプのジョブと第2タイプのジョブのどちらのためにも許容するオペレータからの設定値である。本実施形態の印刷システム1000は、この第2のクリープ補正量の具体的数値として、0.20mm以上で且つ10.00mm以下の範囲内の値が適用されるように構成されている。そして、制御部205が、図25の管理テーブル2400に記述されている〔ルール2−1〕、〔ルール2−2〕に基づいて機能することによって、上記制御が実行されるように構成されている。
また、印刷システム1000により処理すべきジョブがスクエアバック処理を要さない第2タイプのジョブであるとする。この場合、制御部205は、前述の所定のクリープ補正量に基づいて該ジョブのシートに対する印刷処理をプリンタ部203により実行すること、及び、該ジョブのシート束の端部を前述の所定の断裁量でカッタ部30により断裁することを共に許可する。
一方、印刷システム1000により処理すべきジョブがスクエアバック処理を要する第1タイプのジョブであるとする。この場合、該所定の補正量に基づいて該ジョブのシートに対する印刷処理がプリンタ部203により実行されないように制御し、且つ、該ジョブのシート束の端部が該所定の断裁量でカッタ部により断裁されないように制御する。本実施形態の印刷システム1000は、この制御に対応する構成として、本第1の実施形態及び後述する第2の実施形態にて説明する各種構成を備える。また、本実施の形態では、制御部205が、図25の管理テーブル2400に記述されている〔ルール1−1〕〜〔ルール2−2〕の4つのルールに基づいて機能することによって、上記制御が実行されるように構成されている。
また、印刷システム1000により処理すべきジョブがスクエアバック処理を要さない第2タイプのジョブであるとする。この場合、制御部205は、上述の第1のクリープ補正量に基づいて該ジョブのシートに対する印刷処理をプリンタ部203により実行可能にし、且つ、該ジョブのシート束の端部を上述の第1の断裁量でカッタ部30により断裁可能に制御する。
一方、印刷システム1000により処理すべきジョブがスクエアバック処理を要する第1タイプのジョブであるとする。この場合、制御部205は、該第1のクリープ補正量に基づいて該ジョブのシートに対する印刷処理を行うこと無しに上述の第2のクリープ補正量に基づいて該ジョブのシートに対する印刷処理をプリンタ部203により実行可能に制御する。尚且つ、この場合、制御部205は、該ジョブのシート束の端部を上述の第1の断裁量で断裁すること無しに上述の第2の断裁量でカッタ部30により断裁可能に制御する。本実施形態の印刷システム1000は、この制御に対応する構成として、本第1の実施形態及び後述する第2の実施形態にて説明する各種構成を備える。また、本実施形態では、制御部205が、図25の管理テーブル2400に記述されている〔ルール1−1〕〜〔ルール2−2〕の4つのルールに基づいて機能することによって、上記制御が実行されるように構成されている。
また、本実施形態における制御部205は、第2タイプのジョブために上述の所定の断裁量をユーザインタフェース(以下、単に「UI」という。)を介してオペレータにより設定可能に制御する。その一方で、制御部205は、第1タイプのジョブために該所定の断裁量が該UIを介してオペレータにより設定されないように制御する。本実施形態の印刷システム1000は、この制御に対応する構成として、以下の第1の実施形態にて説明する各種構成を備える。そして、本実施形態では、制御部205が、図25の管理テーブル2400に記述されている〔ルール1−1〕、〔ルール1−2〕に基づいて機能することによって、上記制御が実行されるように構成されている。
また、本実施形態における制御部205は、第2タイプのジョブために上述の所定の補正量を、UIを介してオペレータにより設定可能に制御する。その一方で、制御部205は、第1タイプのジョブために該所定の補正量が該UIを介してオペレータにより設定されないように制御する。本実施形態の印刷システム1000は、この制御に対応する構成として、後述する第2の実施形態にて説明する各種構成を備える。そして、制御部205が、図25の管理テーブル2400に記述されている〔ルール2−1〕、〔ルール2−2〕に基づいて機能することによって、上記制御が実行されるように構成されている。
さらに、処理すべきジョブがスクエアバック処理を要する第1タイプのジョブであるとする。この場合、本実施形態における制御部205は、該ジョブのシート束の端部が上述の所定の断裁量で断裁されないように制御する、及び/又は、上述の所定の補正量に基づいて該ジョブのシートに対する印刷処理が実行されないように制御する。この所定の断裁量と所定の補正量は、上述したように、第2タイプのジョブにて許容される値であって第1タイプのジョブには許容されないように制御部205により調整される値である。
また、上記制御の一例として、制御部205は、警告メッセージをUIに報知させてもよい。また、上記制御の他の例として、制御部205は、UIを介して該第1タイプのジョブの設定をオペレータにより変更可能に制御してもよい。また、上記制御の他の例として、制御部205は該第1タイプのジョブの処理をキャンセルしてもよい。なお、本実施形態において、該ジョブの処理をキャンセルするとは、該ジョブにて要するスクエアバック処理を禁止することを含む。また、該ジョブにて要する中綴じ製本処理を禁止することも含まれる。尚且つ、そのジョブにて要する印刷処理を禁止することも含まれる。更に、その印刷をキャンセルしたジョブのデータをHDD209から消去することも含まれる。
このように、処理すべきジョブが、断裁量及び/又はクリープ補正量が不適正なジョブである場合、制御部205は、該ジョブのために設定されたスクエアバック処理と中綴じ製本処理を禁止(キャンセル)するのみならず印刷処理をも禁止(キャンセル)する。このように構成することで、顧客からの依頼に対して印刷物を商品として納品することでビジネスを行うPOD環境の作業現場によりマッチした環境が構築できる。そして、依頼に則さないような印刷物は作成しないようにし、出力自体を行わないようにすることで、時間やコストを無駄に消費せず、高い生産性で複数のジョブを顧客が望む出力形態で出力可能にした印刷環境が提供できる。
図25の管理テーブル2400は、中綴じ製本ジョブを、スクエアバック処理を要さない中綴じ製本ジョブ(第2タイプのジョブ)と、中綴じ製本ジョブをスクエアバック処理を要す中綴じ製本ジョブ(第1タイプのジョブ)の2種類に大別される。そして、管理テーブル2400は、それらに関するルールを定義したデータが記述された管理データである。具体的には、これらの各タイプ毎に、断裁量に関するルール(第1タイプの制約条件)と、クリープ補正量に関するルール(第2タイプの制約条件)の2種類の制約条件が定義されたデータが記述されている。この管理テーブル2400は、制御部205により利用されるものであり、この利用方法に関しては前述の説明及び後述する説明の通りなのでここでは省略する。
なお、この管理テーブル2400に記述された具体的な数値等は例示的なものであり、これに限定されるものではない。本実施形態の印刷システム1000のように、スクエアバック有りの中綴じ製本ジョブにて許容する断裁量の下限値はスクエアバック無しの中綴じ製本ジョブにて許容する断裁量の下限値よりも値が小さいというルールは維持できる構成が望ましい。また、印刷システム1000のように、スクエアバック有りの中綴じ製本ジョブにて許容するクリープ補正量の下限値はスクエアバック無しの中綴じ製本ジョブにて許容するクリープ補正量の下限値よりも値が小さいというルールは維持できる構成が望ましい。そして、これらのルールに従ってシステムを制御する構成が望ましい。
まず、スクエアバック処理を行った場合と行わなかった場合の違いに関して図10を用いて説明する。
図10(a)は1セット分のシートの枚数が少ない中綴じ製本印刷物の外観図であり、図10(b)は1セット分のシートの枚数が多い中綴じ製本印刷物の外観図である。なお、図示の中綴じ製本印刷物はスクエアバック処理が施されていない印刷物である。図10(a)と図10(b)を比較しても分るように、シートの枚数が多い場合は、中綴じ製本されたシート束の背の部分から反対側のシート(用紙)の先端(小口部)に向かって円弧上に用紙が膨らんだ状態になる。
これに対して、図10(c)はスクエアバック処理が施されていない中綴じ製本印刷物の断面図であり、図10(d)はスクエアバック処理が施された中綴じ製本印刷物の断面図である。図10(c)と図10(d)を比較しても分るように、スクエアバック処理が施されていない印刷物は点線で囲まれた部分が盛り上がった状態になるが、スクエアバック処理が施されたものは点線で囲まれた部分が盛り上がらず、背の部分が平らになる。このように、処理対象となる中綴じ製本印刷物の用紙枚数如何により、スクエアバック処理を施した場合の方が印刷物の外観(体裁)や積載性が良くなるというメリットがある。本実施形態の印刷システム1000は、このようなスクエアバック無しの中綴じ製本印刷物とスクエアバック有りの中綴じ製本印刷物の両方を作成できるように構成されている。
次に、1セット分の中綴じ製本印刷物に含まれる外側の用紙と内側の用紙のずれに関して図11(a)〜図11(d)を用いて説明する。
図11(a)及び図11(c)はスクエアバック無しの中綴じ製本印刷物の断面図であり、図11(b)及び図11(d)はスクエアバック有りの中綴じ製本印刷物の断面図である。図示のように、小口部において、用紙の1枚当りの厚さに応じて、中綴じ製本印刷物に含まれる外側の用紙と内側の用紙の位置にずれが生じているのが分かる。なお、小口部とは、当該中綴じ製本印刷物の背の部分と反対側の部分、即ち、図4のカッタ部30により断裁対象となる部分である。
図11(a)及び図11(c)において、スクエアバック無しの場合、小口部の用紙のずれは、紙の厚さにほぼ比例して、外側の用紙に対して内側の用紙が飛び出るようになる。一方、図11(b)及び図11(d)において、スクエアバック有りの場合は、小口部における外側と内側の用紙のずれは、スクエアバック無しの場合と比較して約2倍のズレ量が生じる。つまり、スクエアバック無しの場合に用紙1枚あたりのズレ量をD1すると、スクエアバック有りの場合には用紙1枚あたりのズレ量D2はD2=D1×2となる。
このことから分かるように、1セット分の中綴じ製本印刷物に含まれる一番外側の用紙(表紙となる用紙)の位置に合わせて印刷物の小口部を断裁する場合、スクエアバック有りは、スクエアバック無しに比べて、より多くの量を断裁する必要がある。仮に、スクエアバック有り/無しで同じ断裁量で断裁した場合、スクエアバック有りの印刷物は外側の用紙が断裁されないといった問題が生じる可能性がある。そこで、本第1の実施形態では、このようなスクエアバック処理を実行したり、しなかったりすることが原因で断裁の体裁に難のある中綴じ製本印刷物が不用意に作成されてしまうといったトラブルを抑制できるように制御部205が制御する。この仕組みとして以下に説明する構成を印刷システム1000は具備している。
まず、スクエアバック無しの場合とスクエアバック有りの場合での断裁量の設定画面の例を、図12、図13、及び図14を用いて説明する。なお、本実施の形態では、制御部205が、以下に例示する各種のトリガーに応答して、以下に説明する各種画面を操作部204のタッチパネル部401に表示させるよう制御している。
図12は、オペレータによる中綴じ製本モードキー705の押下に応答して制御部205がタッチパネル部401に表示させる中綴じ製本ジョブの設定画面の一例を示す図である。
本実施形態の印刷システム1000は、図12に示す設定画面1200を介して、中綴じ製本するか否かの設定や分割製本設定、断裁設定、中綴じ位置の調整などの設定をオペレータが行うことができるように構成されている。この設定画面1200には、処理対象となる中綴じ製本ジョブのためにスクエアバック処理を実行させるか否かをオペレータが指示するための「スクエアバックを行う」ボタン1201が表示されるように構成されている。そして、制御部205は、これらのボタンの操作に応答すると共に、図25の管理テーブル2400の情報をもとに、タッチパネル部401に表示させるべき画面の表示内容を制御する。
例えば、図12の設定画面1200でオペレータにより「中とじする」ボタン1204が押下され、且つ「スクエアバックを行う」ボタン1201が押下されること無しに(スクエアバック処理の実行指示無しに)、「断裁する」ボタン1202が押下されたとする。この場合、制御部205は、このオペレータによる操作と管理テーブル2400に記述されたルールに基づいて、図13の設定画面1300をタッチパネル部401に表示させるよう制御する。この図13の設定画面1300を介して、スクエアバック無しの中綴じ製本ジョブのために実行させる断裁処理における断裁量をオペレータが設定可能にしている。
そして、制御部205は、図13の設定画面1300を表示させる場合、スクエアバック無しの中綴じ製本ジョブのために設定可能な断裁量の最小値(下限値)に該当する「10.0mm」がデフォルトで表示されるように制御する。なお、この図13の設定画面1300で表示される断裁量の最小値は、管理テーブル2400に記述された情報をそのまま利用する固定的な値でもよい。また、この断裁量の最小値は、処理対象の中綴じ製本ジョブにて要する用紙の枚数及び用紙の種類によって制御部205が計算した結果を利用する動的な値でもよい。なお、「クリープ(ずれ)補正」ボタン1203については後述する。
一方、図12の設定画面1200にて、オペレータにより「中綴じする」ボタン1204が押下され、且つ「スクエアバックを行う」ボタン1201が押下された上で(スクエアバック処理の実行指示有りで)、「断裁する」ボタン1202が押下されたとする。この場合、制御部205は、このオペレータによる操作と管理テーブル2400に記述されたルールに基づいて、図14の設定画面1400をタッチパネル部401に表示させるよう制御する。この図14の設定画面1400を介して、スクエアバック有りの中綴じ製本ジョブのために実行させる断裁処理における断裁量をオペレータが設定可能にしている。
そして、制御部205は、図14の設定画面1400を表示させる場合、スクエアバック有りの中綴じ製本ジョブのために設定可能な断裁量の最小値(下限値)に該当する「20.0mm」がデフォルトで表示されるように制御する。これは、上述の通り、スクエアバックを行う場合は、スクエアバックを行わない場合と比較して、内側と外側の用紙位置のズレ量が約2倍になるため、デフォルトの断裁量(断裁量の最小値)も2倍の値で表示されている。これにより、外側の用紙が断裁されないなどのオペレータが意図しない印刷物の出力を防ぐことが可能となる。
図15は、図12及び図13に示す画面上で設定された断裁量に応じて表示される警告画面の一例を示す図である。
上述のように、中綴じ製本された印刷物の外側と内側の用紙位置のズレ量は、用紙の枚数と用紙の種類(厚さ)に応じて変化する。このため、断裁量の設定画面で設定された断裁量では外側の用紙が断裁されない場合が生じる。また、断裁可能な断裁量の最大値が設定されたときでも、外側の用紙が断裁されない場合が、用紙の種類とサイズの組み合わせによって生じる可能性がある。そのため、図13及び図14に示す画面上で「OK」ボタンが押下されたときに、設定された断裁量の値と、中綴じ製本として設定されている用紙の枚数及び用紙の種類による内側と外側のズレ量とを比較する。そして、断裁量の設定値よりもズレ量の方が大きい場合は、図15に示す警告画面1500が表示される。この場合、オペレータは、断裁量の設定値(断裁位置)を変更するか、若しくは、印刷に使用している用紙(例えば表紙)のサイズを変更するか、若しくはそのまま設定を変更せずに印刷処理を続行するかを選択可能となっている。
「断裁位置変更」ボタン1501が選択された場合は、図13又は図14に示す設定画面が表示され、断裁位置の設定変更が可能となる。「表紙の用紙サイズ変更」ボタン1502が選択された場合は、不図示の用紙サイズ設定画面が表示され、表紙の用紙サイズを設定変更することが可能となる。「続行」ボタン1503が選択された場合は、図12の中綴じ製本の設定画面1200に切り替わり、「OK」ボタンが押下されることによって中綴じ製本の設定が完了する。
次に、中綴じ製本処理を含む印刷処理の流れを図16を用いて説明する。
図16は、中綴じ製本処理を含む印刷処理のフローチャートである。本処理は、制御部205が所定のプログラムをメモリから読み出して実行することにより実現される処理である。
まず、制御部205は、処理対象となるジョブが中綴じ製本ジョブかどうかを中綴じ製本モードキー705の押下状況等に基づいて判断する(S1601)。中綴じ製本ジョブでない場合は、通常の印刷処理が行われる(S1609)。一方、中綴じ製本ジョブの場合は、制御部205は、図7及び図12に示した設定画面700,1200をタッチパネル部401に表示させ、中綴じ製本ジョブの処理条件の設定を受け付ける(S1602)。設定が完了したとき、即ち図12に示す「OK」ボタンが押下された時点で、設定内容がHDD209に記憶される(S1603)。
次に、制御部205は、HDD209に記憶された設定内容に基づいて、処理対象となるジョブに対する製本レイアウト(面付け)処理を実行する(S1604)。その後、この製本レイアウトされた画像データは、印刷装置100によって印刷される(S1605)。そして、シート処理装置200により中綴じ製本処理(二箇所綴じ、二つ折り)が実行される(S1606)。処理対象となるジョブにスクエアバック処理が設定されている場合は、シート処理装置200内のスクエアバック形成部23によりスクエアバック処理が実行される(S1607)。更に、断裁処理が設定されている場合はカッタ部30により断裁処理が実行されて(S1608)、ブックレットホールド部31に排紙される。なお、後述するクリープ補正量に基づいた印刷処理は、S1604にてメモリを用いて行われる製本レイアウト処理によって実現される。
次に、図16のS1602の中綴じ製本ジョブの処理条件の設定における断裁量の設定方法を図17を用いて説明する。
図17は、断裁量設定の処理を示すフローチャートである。
制御部205は、図12の中綴じ製本の設定画面1200上で「断裁する」ボタン1202が選択された場合(S1701でYES)、「スクエアバックを行う」が設定されているかどうかを判断する(S1702)。スクエアバックを行うように設定されている場合は、図14の設定画面1400が表示され、スクエアバックをする場合の断裁量のデフォルト値が表示されて(S1703)、オペレータは任意の断裁量を設定する(S1704)。
一方、スクエアバックをしない設定の場合は、図13の設定画面1300が表示され、スクエアバックをしない場合の断裁量のデフォルト値が表示されて(S1706)、オペレータは任意の断裁量を設定する(S1707)。スクエアバックをする場合又はしない場合のどちらであっても、「OK」ボタンが押下されることによって(S1705、S1708)、断裁量の設定画面1300,1400から図12の中綴じ製本の設定画面1200に切り替わる。一方、「設定取消」ボタンが選択された場合は、オペレータが設定した断裁量の設定値は保持されずに中綴じ製本の設定画面1200に切り替わる。
次に、制御部205は、設定された断裁量とズレ量を比較する(S1709)。そして、断裁量よりもズレ量の方が大きい場合は、図15に示す警告画面1500が表示される(S1710)。一方、断裁量がズレ量以上である場合は、図12の中綴じ製本の設定画面1200へ切り替わる。ここで、断裁量とズレ量を比較する際に使用されるズレ量は、スクエアバックをする/しないの設定、用紙の枚数及び用紙の種類に基づいて計算される。
図15の警告画面1500上では、「断裁位置変更」ボタン1501が選択されたのか(S1711)、「表紙の用紙サイズ変更」ボタン1502が選択されたのか(S1712)、「続行」ボタン1503が選択されたのか(S1713)によって処理が変わる。「断裁位置変更」ボタン1501が選択された場合は、図12又は図13の断裁量の設定画面1200,1300に切り替わる。「表紙の用紙サイズ変更」ボタン1502が選択された場合は、中綴じ製本の設定画面1200の表示が終了し、不図示の用紙サイズ設定画面が表示される。「続行」ボタン1503が選択された場合は、図12の中綴じ製本の設定画面1200に切り替わり、中綴じ製本の設定が完了する。
以上のように、制御部205は、中綴じ製本処理が設定されたジョブを処理する際に、オペレータが設定した断裁量の設定値が有効かどうかを判断する。そして、無効な場合は警告画面を表示してオペレータに注意を促すと同時に、設定を変更させるように制御することによって、意図しない無駄な印刷物が印刷されることを防止することが可能となる。特に、ジョブの印刷に要するシートの枚数やそのシートのタイプ(用紙の種類)、スクエアバック処理をする/しないの設定によって、中綴じ製本ジョブの印刷物を断裁する。その結果、その印刷物の外側の部分(表紙側の部分)が断裁されずにその印刷物の中身(本身)の部分だけが断裁された無駄な出力物を印刷することを防ぐことが可能となる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明に好適な第2の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。なお、ここでは、上述の第1の実施形態で述べていない構成について主に説明し、これ以外の構成については上述の構成の通りなので、その説明は省略する。本第2の実施形態では、スクエアバック処理を実行したりしなかったりすることが原因で印刷結果(画像の印字位置)の体裁に難のある中綴じ製本印刷物が不用意に作成されてしまうといったトラブルを抑制できるように制御部205が制御する。この仕組みとして以下に説明する構成を印刷システム1000は具備している。
図18(a)及び図18(b)は、2枚の用紙で構成される1束分の中綴じ製本印刷物を作成するに際し、8ページ分の画像データ(原稿データ)をこの2枚の用紙の表裏に製本レイアウトした印刷結果を示す図である。
図18(b)の上側に示す印刷結果は、最終的には中綴じ製本印刷物における外側に位置することとなる用紙(本例では表紙となる用紙)の表面に対して、原稿データの1ページ目の画像と8ページ目の画像を印刷した結果である。つまり、図8(d)の用紙P2の一方の面の印刷結果に相当する。この印刷結果に示すように、中綴じ製本印刷する場合、この用紙P2の表面(図8(b)では、2ページ目第2面に相当)に対してW1という間隔でもって1ページ目の画像と8ページ目の画像をレイアウトできる。
そして、図18(a)の上側に示す印刷結果は、最終的には中綴じ製本印刷物における外側に位置することとなる当該用紙P2の裏面に対して、原稿データ2ページ目の画像と7ページ目の画像を印刷した結果である。つまり、図8(d)の用紙P2の他方の面の印刷結果に相当する。この印刷結果に示すように、中綴じ製本印刷する場合、この用紙P2の裏面(図8(b)では、2ページ目第1面に相当)に対しては、先程と同様にW1という間隔で2ページ目の画像と7ページ目の画像をレイアウトできる。
これに対して、図18(b)の下側に示す印刷結果は、最終的には中綴じ製本印刷物における内側に位置することとなる用紙(本例では本文となる用紙)の表面に対して、原稿データの3ページ目の画像と6ページ目の画像を印刷した結果である。つまり、図8(d)の用紙P1の一方の面の印刷結果に相当する。この印刷結果に示すように、中綴じ製本印刷する場合、この用紙P1の表面(図8(b)では、1ページ目第2面に相当)に対しては、前述のW1よりも小さい値に相当するW2という間隔でもって、3ページ目の画像と6ページ目の画像をレイアウトできる。
そして、図18(a)の下側に示す印刷結果は、最終的には中綴じ製本印刷物における内側に位置することとなる当該用紙P1の裏面に対して、原稿データの4ページ目の画像と5ページ目の画像を印刷した結果を示す。つまり、図8(d)の用紙P1の他方の面の印刷結果に相当する。この印刷結果に示すように、中綴じ製本印刷する場合、この用紙P1の裏面(図8(b)では、1ページ目第1面に相当)に対しては、先程と同様にW2という間隔で4ページ目の画像と5ページ目の画像をレイアウトできる。
図11(a)〜図11(d)で説明したように、中綴じ製本処理された印刷物では、外側の用紙と内側のシート(用紙)に紙の厚さに応じたずれが生じる。それにより、8ページ分の全ての画像データをシート上の同じ位置に印刷した場合、紙の厚さに応じたずれにより画像の位置も内側のページと外側のページで、ずれが生じてしまう。中綴じ製本印刷物を断裁処理した際に内側のページの画像の位置と外側のページの画像の位置を同じ位置にするためには、図18(a)、図18(b)に示すように、外側の用紙になるにつれて画像の位置を用紙の中心軸から用紙の外側に向かって移動させる必要がある。
図18(a)、図18(b)で前述したように、中綴じ製本処理されると最終的には外側に位置することとなる用紙の表裏に対して1ページ目、8ページ目、2ページ目、7ページ目の4ページ分の画像をレイアウトするとする。このレイアウトの際に、本形態では、この用紙の各面における各画像の配置間隔がW1となるようにこれら各画像の印刷配置位置を調整することができる。尚且つ、中綴じ製本処理されると最終的には内側に位置することとなる用紙の表裏に対して3ページ目、6ページ目、4ページ目、5ページ目の4ページ分の画像をレイアウトするとする。このレイアウトの際に、本形態では、この用紙の各面における各画像の配置間隔がW1よりも小さい値のW2となるようにこれら各画像の印刷配置位置を調整することができる。本形態の印刷装置100は、このように中綴じ製本印刷されるべき各画像の配置位置の大小関係がW1>W2となるように製本レイアウト処理することができ、これを実現する機能として後述するクリープ補正量の調整機能を具備している。これにより、図18(a)及び図18(b)に示すように、中綴じ製本処理後に外側の用紙となる用紙になるにつれて、画像の印刷位置を用紙の中心軸から用紙の外側に向かって移動させた出力結果を得ることができる。
図19は、1、8、2、7ページの画像が印刷された前述の用紙P2と、3、6、4、5ページの画像が印刷された前述の用紙P1のこれら2枚の用紙を1セットの中綴じ製本印刷物となるように、この2枚からなるシート束を二つ折りにした場合の説明図である。そして、この二つ折りされた中綴じ製本印刷物の小口部分を断裁すると、どのような印刷体裁になるか説明するものである。なお、本来、これらの用紙は、二つ折りされるまえに中綴じされるので、まとまった状態になっているものであるが、説明をわかりやすくするために、図19ではこれらをばらして示している。クリープ補正量の調整機能を利用することで、中綴じ製本印刷物の小口を断裁した場合でも、図19に示すように、断裁後の用紙の端部からの印刷画像位置を外側の用紙でも内側の用紙でも全て均一にすることができる。
次に、用紙の中心軸からの画像の位置調整量(クリープ補正量の調整)について、図20、図21、及び図22を用いて説明する。
図20は、図12の中綴じ製本ジョブの設定画面1200において、「クリープ(ずれ)補正」ボタン1203が押下されたときに表示されるクリープ補正量の調整画面の一例を示す図である。
クリープ補正量の調整画面2000において、クリープ補正量の調整には自動と手動の設定が可能である。図20には、「自動」ボタン2001が押下され、自動が選択されている場合を示す。自動が選択された場合は、印刷に使用される用紙の種類(用紙の厚さ)に応じてクリープ補正量が自動的に設定される。一方、「手動」ボタン2002が押下されると、手動が選択される。「補正量の調整」ボタン2003が押下されると、用紙の種類毎のクリープ補正量を調整することが可能となっている。
図21及び図22は、図20における「手動」ボタン2002が押下されたときに表示されるクリープ補正量の設定画面の一例を示す図であり、図21はスクエアバックの設定無しの場合、図22はスクエアバックの設定有りの場合である。図示の画面上では、1セット分の中綴じ製本印刷物に含まれる一番外側の用紙(表紙となる用紙)と一番内側の用紙(2つ折りされた後の1番内側の用紙)とのズレ量を入力することができる。制御部205は、この入力されるズレ量と、1セット分の印刷に必要な用紙の合計枚数とを基に、用紙1枚あたりの画像の印刷位置の補正量(ずらし量)を算出する。そして、算出結果に基づいて各面に対する画像の印刷を行うよう制御する。これにより、中綴じ製本される複数の用紙のより内側の用紙ほど、画像の印刷位置が用紙の中央部分に位置するように印刷される。
制御部205は、図21のように、スクエアバックの設定無しの場合のクループ補正量のデフォルト値として「0.10mm」が表示されるように制御している。この値は、スクエアバックの設定有りの場合には許容されない値であり、スクエアバックの設定無しの場合についてのみ許容されるクループ補正量の候補値であり、その中でも下限値に相当する。一方、図22では、スクエアバックの設定有りの場合のクループ補正量のデフォルト値として「0.20mm」が表示されるように制御部205は表示画面の制御を行う。この値は、スクエアバックの設定有りの場合に許容されるクループ補正量の候補値であって、その中でも下限値である。なお、この値はスクエアバックの設定無しの場合でも許容される。スクエアバック有りと無しの場合における内外の用紙のずれを図11(a)〜図11(d)で説明したように、スクエアバック有りの場合のズレ量はスクエアバック無しに比べて約2倍のズレ量が発生する。そこで、図21のように、制御部205は、スクエアバックの設定無しの場合においてオペレータから受付けを許可するクレープ補正量の設定値の許容範囲を0.10mm〜10.00mmとなるようユーザインタフェースを制御する。その一方で、図22のように、制御部205は、スクエアバックの設定有りの場合においてオペレータから受付けを許可するクレープ補正量の設定値の許容範囲を0.20mm〜10.00mmとなるようユーザインタフェースを制御する。このように、制御部205は、スクエアバックの設定有りの場合にてオペレータから受付けを許可するクリープ補正量の設定値の許容範囲をスクエアバックの設定無しの場合よりも制限するよう制御している。
図23は、図21及び図22の設定画面上で設定されたクリープ補正量に応じて表示させる警告画面の一例を示す図である。
上述のように、中綴じ製本された印刷物の外側と内側の用紙位置のズレ量は、用紙の枚数と用紙の種類(厚さ)に応じて変化する。このため、図21又は図22のクリープ補正量の設定画面2100,2200で設定されたクリープ補正量では画像が用紙の外側となり、画像の端部が印刷されない場合がある。また、設定可能なクリープ補正量の最大値が設定されたときでも、用紙の種類とサイズの組み合わせによって、外側と内側の用紙で位置が合わない場合が生じる。そのため、図21及び図22に示す画面上で「OK」ボタンが押下されたときに、設定されたクリープ補正量の値と、中綴じ製本として設定されている用紙の枚数及び用紙の種類による内側と外側のズレ量とを比較する。そして、制御部205は、クリープ補正量の設定値よりもズレ量の方が大きい場合は、図23に示す警告画面2300をタッチパネル部401に表示させる。この場合、オペレータは、クリープ補正量の設定値を変更するか、若しくは、印刷に使用している用紙(例えば表紙)の種類を変更するか、若しくはそのまま設定を変更せずに印刷処理を続行するかを選択可能となっている。
「クリープ補正量変更」ボタン2301が選択された場合は、図21又は図22のクリープ補正量設定画面2100,2200が表示され、設定変更が可能となる。また、「表紙の用紙種類変更」ボタン2302が選択された場合は、不図示の用紙サイズ設定画面が表示され、表紙の用紙種類を設定変更することが可能となる。「続行」ボタン2303が選択された場合は、図12の中綴じ製本の設定画面1200に切り替わり、「OK」ボタンが押下されることによって中綴じ製本の設定が完了する。
次に、中綴じ製本ジョブの処理条件の設定の処理におけるクリープ補正量を設定する際の処理の流れを図24を用いて説明する。ここで、中綴じ製本ジョブの処理条件の設定処理は上述した図16のS1602の処理であって、S1602以外の処理は本実施の形態と同じである。
図24は、クリープ補正量設定の処理を示すフローチャートである。
制御部205は、中綴じ製本の設定画面1200上で「クリープ(ずれ)補正」ボタンが選択された場合(S2301でYES)、クリープ補正量調整画面2000上で「自動」ボタン又は「手動」ボタンのどちらが選択されているかを判断する(S2302)。自動が選択されている場合は、中綴じ製本ジョブで設定されている用紙の種類及び印刷に要する用紙の枚数に応じてクリープ補正量が自動で設定される。また、自動が選択されている場合は、図20に示す「補正量の調整」ボタン2003が選択されているかどうかを判断し(S2315)、選択されている場合は用紙の種類毎に補正量を調整することが可能である(S2316)。
一方、制御部205は、S2302で手動が選択されていると判断した場合は、スクエアバックが設定されているかどうかを判断する(S2303)。そして、スクエアバックが設定されている場合は、図22に示すスクエアバックをする場合のクリープ補正量のデフォルト値が表示され(S2304)、オペレータは任意のクリープ補正量を設定する(S2305)。
一方、スクエアバックをしない設定の場合は、図21に示すスクエアバックをしない場合のクリープ補正量のデフォルト値が表示され(S2307)、オペレータは任意のクリープ補正量を設定する(S2308)。スクエアバックをする場合又はしない場合のどちらであっても、「OK」ボタンが押下されることによって(S2306、S2309)、クリープ補正量の設定画面2100,2200から図12の中綴じ製本の設定画面1200に切り替わる。一方、「設定取消」ボタンが選択された場合は、オペレータが設定したクリープ補正量の設定値は保持されずに中綴じ製本の設定画面1200に切り替わる。
次に、制御部205は、設定されたクリープ補正量とズレ量を比較する(S2310)。そして、クリープ補正量よりもズレ量の方が大きい場合は、図23に示す警告画面2300が表示される(S2311)。一方、クリープ補正量がズレ量以上である場合は、図12に示す中綴じ製本の設定画面へ切り替わる。ここで、クリープ補正量とズレ量を比較する際に使用されるズレ量は、スクエアバックをする/しないの設定、用紙の枚数及び用紙の種類に基づいて計算される。
図23の警告画面2300上では、「クリープ補正量変更」ボタン2301が選択されたのか(S2312)、「用紙種類の変更」ボタン2302が選択されたのか(S2313)、「続行」ボタン2303が選択されたのか(S2314)によって処理が変わる。「クリープ補正量変更」ボタン2301が選択された場合は、図21又は図22のクリープ補正量設定画面2100,2200に切り替わる。「用紙種類変更」ボタン2302が選択された場合は、中綴じ製本の設定画面1200の表示が終了し、不図示の用紙サイズ設定画面が表示される。「続行」ボタン2303が選択された場合は、図12の中綴じ製本の設定画面1200に切り替わり、中綴じ製本の設定が完了する。
以上のように、制御部205は、中綴じ製本処理が設定されたジョブを処理する際に、オペレータが設定したクリープ補正量の設定値が有効かどうかを判断する。そして、無効な場合は警告画面を表示してオペレータに注意を促すと同時に、設定を変更させるように制御することによって、意図しない無駄な印刷物が印刷されることを防止することが可能となる。特に、ジョブの処理に要するシートの枚数やそのシートのタイプ(用紙の種類)、スクエアバック処理をする/しないの設定によって、中綴じ製本ジョブの印刷物のクリープ補正量を設定する。その結果、その印刷物の外側と内側の用紙の画像位置がずれているといった無駄な出力物を印刷することを防ぐことが可能となる。
次に、上述の構成の変形例を説明する。
図17では、オペレータから受け付けた設定値をもとにS1709にて断裁量とズレ量を比較し、その結果に基づき、該オペレータが設定した断裁量で中綴じ製本印刷物に対して断裁することを許可するか否かを決定する構成例を説明した。図24でも同様に、オペレータから受け付けた設定値をもとにS2310にて補正量とズレ量を比較した結果に基づき、オペレータが設定したクリープ補正量に基づいた印刷処理を許可する否を決定する構成例を説明した。しかし、このような構成以外でもよい。
例えば、スクエアバック無しの中綴じ製本ジョブの断裁設定を図13の設定画面1300を介してオペレータから制御部205が受け付ける。この場合、設定画面1300でオペレータに設定を許可する断裁量(断裁許容値)を10.0mm以上で且つ30.0mm以下の範囲内の値とし、この範囲外の断裁量はオペレータが設定できないように制御部205が制御する。この制御は図25の〔ルール1−1〕に基づいて制御部205により実行される。一方、スクエアバック有りの中綴じ製本ジョブの断裁設定を図14の設定画面1400を介してオペレータから制御部205が受け付ける。この場合、設定画面1400でオペレータに設定を許可する断裁量を20.0mm以上で且つ30.0mm以下の範囲内の値とし、この範囲外の断裁量はオペレータが設定できないように制御部205が制御する。この制御は図25の〔ルール1−2〕に基づいて制御部205により実行される。これらの制御により、制御部205は、中綴じ製本ジョブの印刷物の端部を許容範囲内の断裁量でカッタ部30により断裁することを許可し、許容範囲外の断裁量で該ジョブの印刷物の端部を断裁することを禁止する。
また、スクエアバック無しの中綴じ製本ジョブのクリープ補正の設定を図21の画面2100を介してオペレータから制御部205が受け付ける。この場合、画面2100でオペレータに設定を許可するクリープ補正量(補正許容値)を0.10mm以上で且つ10.0mm以下の範囲内の値とし、この範囲外のクリープ補正量はオペレータが設定できないように制御部205が制御する。この制御は図25の〔ルール2−1〕に基づいて制御部205により実行される。一方、スクエアバック有りの中綴じ製本ジョブのクリープ補正の設定を図22の画面2200を介してオペレータから制御部205が受け付ける。この場合、画面2200でオペレータに設定を許可する補正量を0.20mm以上で且つ10.0mm以下の範囲内の値とし、この範囲外のクリープ補正量はオペレータが設定できないように制御部205が制御する。この制御は図25の〔ルール2−2〕に基づいて制御部205により実行される。これらの制御により、制御部205は、中綴じ製本ジョブにてクリープ補正量に基づいた画像形成を許可し、許容しないクリープ補正量に基づいた画像形成を禁止する。
このように、図25の管理テーブル2400に記述されたルールに従って、不適正な設定がオペレータにより行われないように予め操作制限をかけたり、タッチパネルキーの無効表示等の排他制御を行うことで、前述の機能を実現する構成でもよい。これにより、図17や図24の一連の処理を行うこと無しに上記第1、第2の実施形態の構成と同等の構成が実現でき、処理に要する時間を短縮でき、生産性を向上させることが可能となる。
上述の第1の実施形態にて説明した各種の処理は制御部205による制御により実現される。また、上述の第2の実施形態にて説明した各種の処理も制御部205による制御により実現される。例えば、スクエアバック処理の実行可否に連動させる上述の中綴じ製本ジョブに適用される断裁量に関する制御とクリープ補正量に関する制御は、いずれも制御部205により実行される。図16のS1601〜S1608の一連の処理を印刷システム1000にて一貫して実行するよう制御し、図25の管理テーブル2400の4つのルールに従った制御を行うことで、第1、第2の実施形態で説明した各種制御が制御部205により実行される。
このように、本実施形態の印刷システムは、第1の実施形態の制御(以下、「第1の制御」とよぶ)と第2の実施形態の制御(以下、「第2の制御」とよぶ)の両方が実行できるように構成されている。しかし、これ以外の構成でもよく、種々の変形や応用が適用できる。例えば、第1の制御と第2の制御のうちの何れか一方のみを実行できるように印刷装置及び/又は印刷システムを構成してもよい。また、第1、第2の実施形態で述べた各種の処理及び/又は制御を、1つの手段によって実行する構成でもよいし、複数の手段に分担しそれらの手段が協働することで、それらの処理及び/又は制御を実行する構成でもよい。また、上述のシート処理装置を印刷装置のオプション装置として利用する構成でも印刷装置に標準装備される構成でもよい。また、上述の制御部205が行う制御に相当する制御を行うための手段を、シート処理装置或いは印刷装置とネットワーク経由でデータ通信可能なホストコンピュータや携帯端末等の外部の情報処理装置に内蔵させる。これにより、その装置単独でも、本実施形態の印刷システム1000に相当するシステムとして機能させることができる。また、上述の構成では、スクエアバック処理に係る複数の判断や制御を行う手段として制御部205が機能する構成を例示したが、これに限定されるものでもない。例えば、上述した本実施形態の構成において制御部205により実行される対象となる複数の判断及び/又は制御のうちの何れかの判断及び/又は制御を別のユニットが行う構成でもよい。これにより、例えば、1つのCPUで装置及び/又はシステムが制御される構成でも、複数のCPUが協働することで装置及び/又はシステムが制御される構成にも本発明は適用される。このように、各種の変形、応用が可能である。
また、上記実施の形態では、中綴じとして、ステイプル針を2個使った二箇所綴じを例示したがこれ以外でもよい。例えば、二つ折りされるシートの折り目個所にステイプル針を3個使って三箇所綴じしたりする構成でもよい。また、二つ折りされるシートの折り目個所を糸で縫いつけるといったステイプル針以外の綴じ部材を利用した中綴じ製本処理を行う構成でもよい。このように種々の変形や応用が適用可能に上記実施形態の印刷システム1000は構成されている。
このように、印刷システム1000は、上述の各実施形態にて説明した構成を具備する。これにより、スクエアバック処理に対処できるように印刷システムを構築した結果、断裁の体裁及び/又は印刷の体裁に難のある中綴じ製本印刷物が不用意に作成されてしまうといったトラブルの発生を抑えることができる。
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによって達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、次のものを用いることができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等である。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
更に、前述した実施形態の機能が以下の処理によって実現される場合も本発明に含まれる。即ち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う場合である。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現する場合も含まれる。この場合、上記プログラムは、該プログラムを記憶した記憶媒体から直接、又はインターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続された不図示の他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることにより供給される。
上記実施の形態では、複合装置の印刷方式を電子写真方式とした場合を例に挙げたが、本発明は、電子写真方式に限定されるものではない。インクジェット方式、熱転写方式、感熱方式、静電方式、放電破壊方式など各種印刷方式に適用することができる。
上記プログラムの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード、OS(オペレーティングシステム)に供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。