JP2015166577A - 車両用制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自車両の走行環境が渋滞の発生する可能性が高い環境である場合に、ドライバのアクセルペダル操作を踏み込み方向へ適切に誘導することができる車両用制御装置を提供する。【解決手段】ドライバによるアクセルペダル操作に応じてエンジン出力を制御する車両用制御装置8は、自車両の走行環境が渋滞の発生する可能性が高い環境であるか否かを判定する渋滞判定部8aと、渋滞判定部8aによって走行環境が渋滞の発生する可能性が高い環境であると判定された場合に、ドライバのアクセルペダル操作を踏み込み方向へと誘導すべく、ドライバによる現在のアクセルペダル操作量に対してアクセルペダル12を踏み込み方向に所定期間だけ強制的に変位させる制御を行うアクセルペダル踏み込み誘導制御部8cと、を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、車両用制御装置に係わり、特に、アクセルペダルを変位させる制御を行う車両用制御装置に関する。
従来から、アクセルペダルを制御することにより、ドライバに対する運転支援を行う技術が知られている。例えば、特許文献1には、最適な燃費を実現すべく、アクセルペダルの操作反力を低下させることにより、ドライバのアクセルペダル操作を踏み込み方向へ誘導する技術が開示されている。また、特許文献2には、ドライバによる加速を防止すべく、アクセルペダルを振動させることにより、ドライバに対して注意喚起を行う技術が開示されている。
特開2010−264831号公報 特開平06−249956号公報
ところで、車速の低下が原因で渋滞が発生する状況がある。例えば、高速道路等のサグ部(すり鉢状の地形を通過する、下り坂から上り坂へと変化する道路)では、ドライバが上り坂に気付かずに、上り坂に応じたアクセルペダル操作が遅れた結果、車速が低下することにより、渋滞が発生することが知られている。そのような車速の低下が原因で渋滞が発生するような状況において、ドライバのアクセルペダル操作を事前に踏み込み方向へ誘導し、車速が低下しないようにすれば、渋滞解消のために有用であると考えられる。
なお、上述したような状況においてアクセルペダル操作を踏み込み方向へ誘導することについては、上述した特許文献1及び2のいずれにも開示されていない。ここで、特許文献1には、アクセルペダルの操作反力を低下させることにより、ドライバのアクセルペダル操作を踏み込み方向へ誘導する技術が開示されているが、そのようにアクセルペダルの操作反力を単純に低減すると、操作感覚が急に変化するために、ドライバによってはアクセルペダルを踏み込み過ぎてしまうことがある。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、自車両の走行環境が渋滞の発生する可能性が高い環境である場合に、ドライバのアクセルペダル操作を踏み込み方向へ適切に誘導することができる車両用制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、ドライバによるアクセルペダル操作に応じてエンジン出力を制御する車両用制御装置であって、自車両の走行環境が渋滞の発生する可能性が高い環境であるか否かを判定する渋滞判定手段と、渋滞判定手段によって走行環境が渋滞の発生する可能性が高い環境であると判定された場合に、ドライバのアクセルペダル操作を踏み込み方向へと誘導すべく、ドライバによる現在のアクセルペダル操作量に対してアクセルペダルを踏み込み方向に所定期間だけ強制的に変位させる制御を行うアクセルペダル踏み込み誘導制御手段と、を有することを特徴とする。
このように構成された本発明においては、自車両の走行環境が渋滞の発生する可能性が高い環境である場合に、ドライバによる現在のアクセルペダル操作量に対してアクセルペダルを踏み込み方向に所定期間だけ強制的に変位させる制御を行う。これにより、アクセルペダルがドライバの足から離れる方向に移動するため、ドライバは、足をアクセルペダルの上に置いた状態を維持しようと足を移動させることにより、結果的に、ドライバの足の位置がアクセルペダルの踏み込み方向へと移動する傾向にある。したがって、本発明によれば、渋滞の発生する可能性が高い走行環境において、ドライバのアクセルペダル操作を踏み込み方向へと適切に誘導することができ、車速の低下などに起因する渋滞の発生を抑制することが可能となる。
また、本発明においては、アクセルペダルを踏み込み方向に強制的に変位させるが、所定期間のみアクセルペダルを変位させるので、つまりアクセルペダルを踏み込み方向に変位させた状態を維持し続けないので、ドライバの意思とは関わらずにアクセルペダルを変位させる期間を制限して、ドライバに与える違和感を抑制することができる。
本発明において、好ましくは、アクセルペダル踏み込み誘導制御手段によってアクセルペダルを踏み込み方向に変位させる制御が行われた場合において、ドライバによってアクセルペダルが踏み込まれた場合に、エンジン出力を上昇させるエンジン制御手段を更に有する。
このように構成された本発明においては、アクセルペダルの制御中にドライバによってアクセルペダルが踏み込まれた場合に、エンジン出力を上昇させるので、アクセルペダル操作の誘導によるドライバのアクセルペダルの踏み込みに応じて、エンジン出力を適切に上昇させることができる。その結果、渋滞の発生を抑制することが可能な車速に設定させることが可能となる。
他方で、本発明においては、アクセルペダルの制御中にドライバによってアクセルペダルが踏み込まれていない場合には、エンジン出力を上昇させない。そのため、アクセルペダルを踏み込んでいないにも関わらずにエンジン出力が上昇する(つまり車速が上昇する)というドライバの違和感の発生を抑制することができると共に、ドライバによる運転の主導性を確保することができる。
本発明において、好ましくは、渋滞判定手段は、自車両の走行路の勾配が所定量以上変化する場合に、走行環境が渋滞の発生する可能性が高い環境であると判定する。
このように構成された本発明においては、自車両の走行路の勾配が所定量以上変化するような環境で、ドライバのアクセルペダル操作を踏み込み方向へ適切に誘導することができるので、そのような環境で発生し得る渋滞を解消することが可能となる。
本発明において、好ましくは、自車両周辺の走行リスクを判定する走行リスク判定手段を更に有し、アクセルペダル踏み込み誘導制御手段は、走行リスク判定手段によって走行リスクが高いと判定された場合には、アクセルペダルを踏み込み方向に変位させる制御を行わない。
このように構成された本発明においては、自車両周辺の走行リスクが高い場合にはアクセルペダルの制御を行わないので、アクセルペダルを踏み込むべきではない状況での、踏み込み方向へのアクセルペダル操作の誘導を適切に禁止することができる。よって、踏み込み方向へのアクセルペダル操作の誘導に関する安全性を確保することができる。
本発明において、好ましくは、走行リスク判定手段は、自車両とその前方の障害物との距離を取得し、その距離が所定値未満である場合に、走行リスクが高いと判定する。
このように構成された本発明においては、自車両とその前方の障害物との距離が所定値未満である場合に、踏み込み方向へのアクセルペダル操作の誘導を適切に禁止することができる。
本発明において、好ましくは、走行リスク判定手段は、自車両の前方の障害物に対する自車両の相対速度を取得し、その相対速度が所定値以上である場合に、走行リスクが高いと判定する。
このように構成された本発明においては、自車両前方の障害物に対する自車両の相対速度が所定値以上である場合に、踏み込み方向へのアクセルペダル操作の誘導を適切に禁止することができる。
本発明において、好ましくは、アクセルペダル踏み込み誘導制御手段は、アクセルペダルを踏み込み方向に変位させる制御を行った場合において、ドライバによって実際にアクセルペダルが踏み込まれた場合に、その踏み込まれたアクセルペダル操作量に対してアクセルペダルを更に踏み込み方向に所定期間だけ強制的に変位させる制御を行う。
このように構成された本発明においては、アクセルペダル踏み込み誘導制御手段による誘導によって、ドライバが実際にアクセルペダルを踏み込んだ場合に、アクセルペダルを更に踏み込み方向に変位させるので、渋滞の発生を抑制できるような車速に応じたアクセル開度にまで、ドライバによる踏み込み方向へのアクセルペダル操作を適切に誘導することができる。
本発明において、好ましくは、アクセルペダル踏み込み誘導制御手段は、アクセルペダルを踏み込み方向に変位させる制御と、アクセルペダルを踏み戻し方向に変位させる制御と、を交互に切り替えて実行する。
このように構成された本発明においては、アクセルペダルを踏み込み方向に変位させる制御と、アクセルペダルを踏み戻し方向に変位させる制御とを交互に切り替えて実行して、アクセルペダルを踏み込み方向に変位させる制御を複数回行うので、ドライバに与える違和感を抑制しつつ、踏み込み方向へのアクセルペダル操作の誘導をある程度長い期間にわたって適切に行うことができる。
本発明の車両用制御装置によれば、ドライバに違和感を与えることなく、ドライバのアクセルペダル操作を踏み込み方向へ適切に誘導することができ、車速の低下などに起因する渋滞の発生を抑制することが可能となる。
本発明の実施形態による車両用制御装置が搭載された車両の電気的構成を示すブロック図である。 サグ部で発生する渋滞を説明するための図を示す。 本発明の実施形態によるアクセルペダル踏み込み誘導制御の具体例を示すタイムチャートである。 本発明の実施形態による制御処理を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による車両用制御装置を説明する。
まず、図1を参照して、本発明の実施形態による車両用制御装置の構成を説明する。図1は、本発明の実施形態による車両用制御装置が搭載された車両の電気的構成を示すブロック図である。なお、図1には、本実施形態に関連する構成要素のみを図示している。
図1に示すように、車両20は、車両20に搭載されたナビゲーション装置(不図示)から種々のナビ情報を取得するナビ情報取得部1と、車両20の周囲を撮影するカメラ2と、車両20の走行路の勾配を検出する勾配センサ3と、ミリメートル波帯の電波を用いて車両20の周囲の状況を検知可能なミリ波レーダー4と、車両20の速度を検出する車速センサ5と、車車間通信及び/又は路車間通信を行うことが可能な外部通信機6と、アクセルペダル12の開度(アクセルペダル開度)を検出するアクセル開度センサ7と、車両用制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)8と、アクセルペダル12の位置を変化させるようにアクセルペダル12を駆動するアクセルペダルアクチュエータ10と、車両20の推進力を発生するエンジン11と、車両20を加速するためにドライバによって操作されるアクセルペダル12と、を有する。
ECU8は、機能的には、車両20(以下では車両20のことを適宜「自車両」と表記する。)の走行環境が渋滞の発生する可能性が高い環境であるか否かを判定する渋滞判定部8aと、自車両周辺の走行リスクを判定する走行リスク判定部8bと、アクセルペダルアクチュエータ10を介して、アクセルペダル12を変位させる制御を行うアクセルペダル踏み込み誘導制御部8cと、エンジン出力を変化させる制御を行うエンジン制御部8dと、を有する。なお、ECU8は、本発明における車両用制御装置の一例に相当する。
また、ECU8は、CPU、CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのROMやRAMの如き内部メモリを備えるコンピュータにより構成される。図1中の矢印に示すように、ECU8は、主に、ナビ情報取得部1、カメラ2、勾配センサ3、ミリ波レーダー4、車速センサ5、外部通信機6及びアクセル開度センサ7のうちの少なくとも一以上から供給された信号に基づいて、アクセルペダルアクチュエータ10及びエンジン11を制御する。この場合、ECU8は、アクセルペダルアクチュエータ10に制御信号を供給することにより、アクセルペダル12を変位させる制御を行い、また、エンジン11に制御信号を供給することにより、エンジン出力を変化させる制御を行う。
次に、図2を参照して、本実施形態による制御の適用対象となる状況の一例を説明する。図2は、高速道路等のサグ部で発生する渋滞を説明するための図を示す。サグ部は、すり鉢状の地形を通過する、下り坂から上り坂へと変化する道路に相当する。このようなサグ部においては、上り坂を登り始めた車両V1のドライバが上り坂に気付かないために、上り坂に応じたアクセルペダル操作が遅れることにより、車両V1の車速が低下する。これにより、車両V1後方の車両V2のドライバが、車両V1との車間距離を確保するためにブレーキをかけたことにより、車両V2の車速が低下する。その結果、車両V2後方の車両で次々とブレーキがかけられ、車速が低下した車両が連なっていくことにより、渋滞が発生する。
本実施形態では、図2に示したサグ部など、車速の低下が原因で渋滞が発生するような状況において、ドライバのアクセルペダル操作を事前に踏み込み方向へ誘導するための制御を行う。具体的には、本実施形態では、ECU8の渋滞判定部8aが、自車両の走行環境が渋滞の発生する可能性が高い環境であるか否かを判定し、走行環境が渋滞の発生する可能性が高い環境であると判定した場合に、ECU8のアクセルペダル踏み込み誘導制御部8cが、ドライバによる現在のアクセルペダル操作量に対してアクセルペダル12を踏み込み方向に所定期間だけ強制的に変位させる制御を行う。このようなアクセルペダル12の制御により、アクセルペダル12がドライバの足から離れる方向に移動するため、ドライバは、足をアクセルペダル12の上に置いた状態を維持しようと足を移動させることにより、結果的に、ドライバの足の位置がアクセルペダル12の踏み込み方向へと移動する傾向にある。そのため、ドライバのアクセルペダル操作を踏み込み方向へと誘導することができる。
ここで、渋滞の発生する可能性が高い環境とは、典型的には、車速の低下が原因で渋滞が発生するような環境である。例えば、道路勾配が所定量以上変化する場所や、信号付近の場所や、トンネルの出入口付近などである。道路勾配が所定量以上変化する場所は、言い換えると道路の傾斜角が所定角度以上変化する場所であり、サグ部などの下り坂から上り坂へと変化する場所だけでなく、平坦な道路から上り勾配を有する道路へと変化する場所や、緩やかな上り勾配を有する道路から急な上り勾配を有する道路へと変化する場所なども含むものとする。
また、本実施形態では、ECU8のエンジン制御部8dは、上述したようなアクセルペダル12を変位させる制御が行われた場合において、ドライバによってアクセルペダル12が踏み込まれた場合に、エンジン出力を上昇させる。これに対して、エンジン制御部8dは、ドライバによってアクセルペダル12が踏み込まれていない場合には、エンジン出力を上昇させない。
より詳しくは、本実施形態では、アクセルペダル踏み込み誘導制御部8cは、アクセルペダル12を踏み込み方向に変位させる制御と、アクセルペダル12を踏み戻し方向に変位させる制御とを、一定周期で交互に切り替える制御を実行する。また、エンジン制御部8dは、アクセルペダル12を踏み戻し方向に変位させる制御が行われている際に、ドライバによってアクセルペダル12が踏み込まれている場合(つまり、アクセルペダル12を踏み戻し方向に変位させる制御が行われているにも関わらず、実際のアクセルペダル12の位置が踏み戻し方向に戻らない場合)、より具体的には当該制御に対応するアクセルペダル開度よりも実際のアクセルペダル開度(以下では適宜「実アクセルペダル開度」と呼ぶ。)が大きい場合に、その実アクセルペダル開度に応じてエンジン出力を上昇させる。この場合には、アクセルペダル踏み込み誘導制御部8cは、アクセルペダル12の踏み込み方向への変位と踏み戻し方向への変位とを交互に切り替える制御を、以降も続けて実行すると決定する。
これに対して、エンジン制御部8dは、アクセルペダル12を踏み戻し方向に変位させる制御が行われている際に、ドライバによってアクセルペダル12が踏み込まれていない場合(つまり、アクセルペダル12を踏み戻し方向に変位させる制御に応じて、実際のアクセルペダル12の位置が踏み戻し方向に戻った場合)、より具体的には当該制御に対応するアクセルペダル開度と実アクセルペダル開度とがほとんど同じである場合には、その実アクセルペダル開度に従ってエンジン出力を維持させる、即ちエンジン出力を上昇させない。この場合には、アクセルペダル踏み込み誘導制御部8cは、アクセルペダル12の踏み込み方向への変位と踏み戻し方向への変位とを交互に切り替える制御を停止する。詳しくは、所定時間経過後に当該制御を停止する。
なお、以下では、上述したような、本実施形態においてアクセルペダル踏み込み誘導制御部8cがアクセルペダル12に対して行う制御を適宜「アクセルペダル踏み込み誘導制御」と呼ぶ。
更に、本実施形態では、渋滞判定部8aが、自車両の走行環境が渋滞の発生する可能性が高い環境であるか否かを判定するのに加えて、走行リスク判定部8bが、自車両周辺の走行リスクを判定する。アクセルペダル踏み込み誘導制御部8cは、渋滞判定部8aによって走行環境が渋滞の発生する可能性が高い環境と判定され、且つ、走行リスク判定部8bによって走行リスクが低いと判定された場合にのみ、上述したアクセルペダル踏み込み誘導制御を行う。これに対して、アクセルペダル踏み込み誘導制御部8cは、渋滞判定部8aによって走行環境が渋滞の発生する可能性が高い環境であると判定された場合であっても、走行リスク判定部8bによって走行リスクが高いと判定された場合には、アクセルペダル踏み込み誘導制御を行わない、つまりアクセルペダル踏み込み誘導制御の実行を禁止する。
なお、自車両周辺の走行リスクは、典型的には、自車両と自車両前方の障害物(他車両や人や落下物など)との接触リスクに相当する。
次に、図3を参照して、本実施形態によるアクセルペダル踏み込み誘導制御について具体的に説明する。図3は、本実施形態によるアクセルペダル踏み込み誘導制御の具体例を示すタイムチャートである。図3の上側のグラフG1、G2、G3は、アクセルペダル開度の時間変化を示しており、図3の下側のグラフG4は、エンジン出力の時間変化を示している。
具体的には、図3の上側においては、実線のグラフG1は、ECU8のアクセルペダル踏み込み誘導制御部8cがアクセルペダルアクチュエータ10を介してアクセルペダル12を制御するための制御信号に対応するアクセルペダル開度(以下では適宜「制御アクセルペダル開度」と呼ぶ。)を示しており、破線のグラフG2は、実アクセルペダル開度、つまりアクセル開度センサ7によって検出されたアクセルペダル開度を示しており、グラフG3は、ドライバの足裏の位置に対応するアクセルペダル開度(足裏の位置をアクセルペダル開度によって表したもの)を示している。
まず、時刻t1において、渋滞判定部8aによって自車両の走行環境が渋滞の発生する可能性が高い環境であると判定され、且つ、走行リスク判定部8bによって自車両周辺の走行リスクが低いと判定されたために、アクセルペダル踏み込み誘導制御部8cが、アクセルペダル踏み込み誘導制御を開始する。具体的には、アクセルペダル踏み込み誘導制御部8cは、時刻t1から、グラフG1に示すように、アクセルペダル12の踏み込み方向への変位と踏み戻し方向への変位とを一定周期で交互に切り替えるアクセルペダル踏み込み誘導制御を開始する。
このようなアクセルペダル踏み込み誘導制御により、グラフG2に示すように、実アクセルペダル開度が変化する。この場合、グラフG3に示すように、アクセルペダル12を踏み込み方向に変位させている際には、ドライバの足裏からアクセルペダル12が離れ、アクセルペダル12を踏み戻し方向に変位させている際には、ドライバの足裏にアクセルペダル12が接触する。そのため、ドライバの足裏へのアクセルペダル12の接触と非接触とが周期的に繰り返される。
アクセルペダル踏み込み誘導制御部8cは、例えば、アクセルペダル12が振動しているとドライバが感じないような周期(つまりアクセルペダル12が振動しているとドライバが感じるような周期よりも長い周期)で、アクセルペダル12の踏み込み方向への変位と踏み戻し方向への変位とを切り替える。こうするのは、本実施形態では、アクセルペダル踏み込み誘導制御によって、ドライバに対して注意喚起しているわけではないからである。なお、アクセルペダル12を踏み込み方向に変位させる所定期間は、上述したような周期の半分の長さになる。
また、アクセルペダル踏み込み誘導制御部8cは、例えば、ドライバに違和感を与えずに、踏み込み方向へのアクセルペダル操作の誘導を適切に行うことができる量にて、アクセルペダル12を踏み込み方向へ変位させる。1つの例では、アクセルペダル踏み込み誘導制御部8cは、アクセルペダル12を1mm程度変位させる。
更に、アクセルペダル踏み込み誘導制御部8cは、時刻t1から長くても所定時間が経過するまでの間は(所定時間が経過するまでにドライバがアクセルペダル12を踏み込んだ場合には、時刻t1からアクセルペダル12が踏み込まれるまでの間)、アクセルペダル12を踏み込み方向に変位させた際のアクセル開度が一定になるように制御すると共に、アクセルペダル12を踏み戻し方向に変位させた際のアクセル開度が一定になるように制御する。
図3に示す例では、時刻t2でドライバがアクセルペダル12を踏み込むため、アクセルペダル踏み込み誘導制御部8cは、時刻t1から時刻t2までの間は、アクセルペダル12を踏み込み方向に変位させた際のアクセル開度、及びアクセルペダル12を踏み戻し方向に変位させた際のアクセル開度のそれぞれが一定になるように制御する。
更に、エンジン制御部8dは、アクセルペダル12を踏み戻し方向に変位させる制御が行われている際の実アクセルペダル開度に応じてエンジン出力を制御し、アクセルペダル12を踏み込み方向に変位させている際の実アクセルペダル開度についてはエンジン出力の制御に用いないものとする。例えば、エンジン制御部8dは、アクセルペダル12を踏み戻し方向に変位させる制御が行われている際には、実アクセルペダル開度に応じてスロットル開度を制御し、アクセルペダル12を踏み込み方向に変位させている際には、実アクセルペダル開度に応じてスロットル開度を制御しない。こうするのは、アクセルペダル12を踏み込み方向に変位させている際の実アクセルペダル開度は、ドライバのアクセルペダル操作によるものではないので、ドライバの意に反してエンジン出力を変化させないためである。
ここで、アクセルペダル12を踏み込み方向に変位させる制御を行っている際のエンジン出力については、例えば、当該制御の直前にアクセルペダル12を踏み戻し方向に変位させる制御を行った際の実アクセルペダル開度の変化率に基づいて制御すればよい。つまり、アクセルペダル12を踏み込み方向に変位させる制御を行っている際にも、その前にアクセルペダル12を踏み戻し方向に変位させる制御を行った際と同様に実アクセルペダル開度が変化したものと想定して、エンジン出力を制御すればよい。
図3に示す例では、時刻t1から時刻t2までの間においては、アクセルペダル12を踏み戻し方向に変位させる制御を行っている際の実アクセルペダル開度がほとんど変化していないため、エンジン制御部8dは、グラフG4に示すように、エンジン出力を維持する。
次に、時刻t2において、グラフG3に示すように、ドライバがアクセルペダル12を踏み込み始めたため、グラフG1及びG2に示すように、実アクセルペダル開度が、ドライバによるアクセルペダル12の踏み込みに応じた開度となり、制御アクセルペダル開度から乖離する。そして、時刻t3において、実アクセルペダル開度と制御アクセルペダル開度との差(矢印A1参照)が所定値以上となる。その際に、アクセルペダル踏み込み誘導制御部8cは、ドライバによりアクセルペダル12が踏み込まれたと判定し、この後もアクセルペダル踏み込み誘導制御を行うことを決定する。
次に、時刻t4において、アクセルペダル踏み込み誘導制御部8cは、グラフG1に示すように、アクセルペダル12を踏み込み方向に変位させる制御を行う。この場合、アクセルペダル踏み込み誘導制御部8cは、グラフG1に付した矢印A2に示すように、前回にアクセルペダル12を踏み込み方向に変位させる制御を行った際の制御アクセルペダル開度から、一定量だけ踏み込み方向に制御アクセルペダル開度をオフセットさせる(なお、この後にアクセルペダル12を踏み戻し方向に変位させる際にも、一定量だけ踏み込み方向に制御アクセルペダル開度をオフセットさせるものとする)。こうすることにより、ドライバのアクセルペダル操作を更なる踏み込み方向へと誘導している。
その結果、グラフG3に示すように、ドライバがアクセルペダル12を更に踏み込んでいく。そのため、時刻t5からアクセルペダル12を踏み戻し方向に変位させる制御を行っている際にも、実アクセルペダル開度と制御アクセルペダル開度との差(矢印A3参照)が所定値以上となり、アクセルペダル踏み込み誘導制御部8cは、ドライバによってアクセルペダル12が踏み込まれたと判定し、この後もアクセルペダル踏み込み誘導制御を行うことを決定する。そして、アクセルペダル踏み込み誘導制御部8cは、時刻t6以降も、上述したアクセルペダル踏み込み誘導制御を同様に実行する。
以上述べたアクセルペダル踏み込み誘導制御の結果、実アクセルペダル開度が徐々に大きくなっていくため、エンジン制御部8dは、グラフG4に示すように、アクセルペダル12を踏み戻し方向に変位させる制御が行われている際の実アクセルペダル開度に応じてエンジン出力を徐々に上昇させる制御を行う。上述したように、エンジン制御部8dは、アクセルペダル12を踏み込み方向に変位させる制御が行われている際のエンジン出力については、その際の実アクセルペダル開度を用いずに、例えば、当該制御の直前にアクセルペダル12を踏み戻し方向に変位させる制御が行われた際の実アクセルペダル開度の変化率などに基づいて変化させる。
このようにエンジン出力が上昇していくことにより、時刻t7において、エンジン出力が目標値Trgに達する。その際に、アクセルペダル踏み込み誘導制御部8cは、アクセルペダル踏み込み誘導制御を終了する。なお、エンジン出力の目標値Trgは、例えば、渋滞を発生させないために自車両が設定されるべき車速に応じたエンジン出力である。他の例では、エンジン出力の目標値Trgの代わりに、当該目標値Trgに対応する実アクセルペダル開度の目標値を用いて、実アクセルペダル開度が当該目標値に達した際にアクセルペダル踏み込み誘導制御を終了してもよい。
次に、図4を参照して、本実施形態による制御処理について説明する。図4は、本実施形態による制御処理を示すフローチャートである。この制御処理は、ECU8によって所定の周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS1において、ECU8は、以降の処理で必要な各種データを取得する。具体的には、ECU8は、ナビ情報取得部1、カメラ2、勾配センサ3、ミリ波レーダー4、車速センサ5、外部通信機6及びアクセル開度センサ7のうちの少なくとも一以上から出力された信号を取得する。
次に、ステップS2に進み、ECU8(具体的には渋滞判定部8a)は、自車両の走行環境が渋滞の発生する可能性が高い環境であるか否かを判定する。典型的には、渋滞判定部8aは、車速の低下が原因で渋滞が発生するような環境であるか否かを判定する。
1つの例では、渋滞判定部8aは、勾配が所定量以上変化するような走行路(言い換えると傾斜角が所定角度以上変化する走行路)を、渋滞の発生する可能性が高い環境として扱い、ステップS2において、自車両の走行路の勾配が所定量以上変化するか否かを判定する。ここで、勾配が所定量以上変化する走行路とは、サグ部などの下り坂から上り坂へと変化する場所や、平坦な道路から上り勾配を有する道路へと変化する場所や、緩やかな上り勾配を有する道路から急な上り勾配を有する道路へと変化する場所において、それらの勾配変化量が所定量以上となる走行路を指す。この場合、渋滞判定部8aは、ナビ情報取得部1によって取得された、自車両の現在位置前方の勾配情報(ナビゲーション装置が地図データとして記憶している情報である)を用いて、自車両の前方における走行路の勾配が所定量以上変化するか否かを判定する。若しくは、渋滞判定部8aは、ナビ情報取得部1によって取得された、自車両の現在位置前方の高度情報(ナビゲーション装置が地図データとして記憶している情報である)から、自車両の前方における走行路の勾配を求め、その勾配に基づいて、自車両の前方における走行路の勾配が所定量以上変化するか否かを判定する。或いは、渋滞判定部8aは、勾配センサ3によって検出された勾配に基づいて、自車両の走行路の勾配が所定量以上変化したか否かを判定する。なお、上述した勾配の判定において用いられる所定量は、例えば、走行路の勾配変化に起因する車速低下により渋滞が発生するような勾配変化量に設定される。
他の例では、渋滞判定部8aは、信号手前の場所を、渋滞の発生する可能性が高い環境として扱い、ステップS2において、自車両が信号手前に位置するか否かを判定する。この場合、渋滞判定部8aは、ナビ情報取得部1によって取得された自車両の現在位置前方の地図データ(具体的には信号の位置情報)に基づいて、自車両が信号手前に位置するか否かを判定する。なお、信号手前の場所を、渋滞の発生する可能性が高い環境として扱うのは、例えば、信号が赤から青に切り替わった後における自車両の車速が前方車両の車速よりも遅いと(つまり前方車両の発進から遅れて自車両が発進すると)、自車両後方で渋滞が発生する場合があるからである。
更に他の例では、渋滞判定部8aは、トンネルの出入口付近を、渋滞の発生する可能性が高い環境として扱い、ステップS2において、自車両がトンネルの出入口付近に位置するか否かを判定する。この場合、渋滞判定部8aは、ナビ情報取得部1によって取得された自車両の現在位置前方の地図データ(具体的にはトンネルの出入口の位置情報)に基づいて、自車両がトンネルの出入口付近に位置するか否かを判定する。なお、トンネルの出入口付近を、渋滞の発生する可能性が高い環境として扱うのは、トンネルの出入口付近では周囲の急激な明るさの変化などに起因して車速が低下することにより、渋滞が発生する場合があるからである。
なお、上述した3つの例を組み合わせて、自車両の走行環境が渋滞の発生する可能性が高い環境であるか否かを判定してもよい。具体的には、ステップS2において、(1)自車両の走行路の勾配が所定量以上変化するか否か、(2)自車両が信号手前に位置するか否か、及び、(3)自車両がトンネルの出入口付近に位置するか否か、の3つの判定を行うことにより、自車両の走行環境が渋滞の発生する可能性が高い環境であるか否かを判定してもよい。
ステップS2の判定の結果、自車両の走行環境が渋滞の発生する可能性が高い環境ではない場合には、ECU8は、以降の処理を行わず、ステップS1に戻る。この場合には、本実施形態によるアクセルペダル踏み込み誘導制御の実行条件が成立していないからである。
一方、自車両の走行環境が渋滞の発生する可能性が高い環境である場合には、ステップS3に進み、ECU8(具体的には走行リスク判定部8b)は、自車両周辺の走行リスクが高いか否かを判定する。典型的には、走行リスク判定部8bは、自車両と自車両前方の障害物(他車両や人や落下物など)との接触リスクが高いか否かを判定する。
1つの例では、走行リスク判定部8bは、自車両とその前方の障害物との距離が所定値未満である場合を、走行リスクが高い場合として扱い、ステップS3において、自車両とその前方の障害物との距離が所定値未満であるか否かを判定する。この場合、走行リスク判定部8bは、ミリ波レーダー4から供給された信号などに基づいて、自車両とその前方の障害物との距離を取得する。なお、上述した走行リスクの判定において用いられる自車両とその前方の障害物との距離は、例えば、アクセルペダル12を踏み込んで自車両が加速した場合に、自車両が前方の車両と接触する可能性があるような距離に設定される。
他の例では、走行リスク判定部8bは、自車両前方の障害物(車両など)に対する自車両の相対速度が所定値以上である場合を、走行リスクが高い場合として扱い、ステップS3において、自車両前方の障害物に対する自車両の相対速度が所定値以上であるか否かを判定する。この場合、走行リスク判定部8bは、ミリ波レーダー4から供給された信号などに基づいて、自車両前方の障害物に対する自車両の相対速度を取得する。なお、上述した走行リスクの判定において用いられる相対速度は、例えば、アクセルペダル12を踏み込んで自車両が加速した場合に、自車両が前方の車両と接触する可能性があるような相対速度に設定される。
更に他の例では、走行リスク判定部8bは、自車両の前方に走行を妨げ得る物体が存在する場合を、走行リスクが高い場合として扱い、ステップS3において、自車両の前方に走行を妨げ得る物体が存在するか否かを判定する。例えば、走行リスク判定部8bは、自車両前方の走行路を車両や人が横切ろうとしている場合や、片側2車線において、自車両前方の走行車線に、隣の車線を走行する車両が割り込もうとしている場合に、自車両の前方に走行を妨げ得る物体が存在すると判定する。走行リスク判定部8bは、カメラ2が撮影した自車両前方を示す画像や、外部通信機6が車車間通信により取得した情報(他車両の車速やアクセル操作やウィンカー操作など)などに基づいて、自車両の前方に走行を妨げ得る物体が存在するか否かを判定する。
なお、上述した3つの例を組み合わせて、自車両周辺の走行リスクが高いか否かを判定してもよい。具体的には、ステップS3において、(1)自車両とその前方の障害物との距離が所定値未満であるか否か、(2)自車両前方の障害物に対する自車両の相対速度が所定値以上であるか否か、及び、(3)自車両の前方に走行を妨げ得る物体が存在するか否か、の3つの判定を行うことにより、自車両周辺の走行リスクが高いか否かを判定してもよい。
また、上述した例では、ミリ波レーダー4を利用して、障害物との距離や相対速度を取得していたが、ミリ波レーダー4の代わりにレーザーレーダーを利用して、障害物との距離や相対速度を取得してもよい。
ステップS3の判定の結果、自車両周辺の走行リスクが高い場合には、ECU8は、以降の処理を行わず、ステップS1に戻る。この場合には、本実施形態によるアクセルペダル踏み込み誘導制御の実行条件が成立していないからである。
一方、自車両周辺の走行リスクが低い場合には、ステップS4に進み、ECU8(具体的にはアクセルペダル踏み込み誘導制御部8c)は、本実施形態によるアクセルペダル踏み込み誘導制御を実行する。具体的には、アクセルペダル踏み込み誘導制御部8cは、アクセルペダル12の踏み込み方向への変位と踏み戻し方向への変位とを一定周期で交互に切り替えるアクセルペダル踏み込み誘導制御を行う。この場合、アクセルペダル踏み込み誘導制御部8cは、アクセルペダル踏み込み誘導制御に応じた制御信号をアクセルペダルアクチュエータ10に供給することにより、アクセルペダル12を変位させる制御を行う。
次に、ステップS5に進み、ECU8は、アクセルペダル踏み込み誘導制御中にドライバによってアクセルペダル12が踏み込まれたか否かを判定する。具体的には、ECU8は、アクセルペダル12を踏み戻し方向に変位させる制御が行われている際に、アクセル開度センサ7によって検出されたアクセルペダル開度(実アクセルペダル開度)と、アクセルペダル踏み込み誘導制御部8cによってアクセルペダルアクチュエータ10を介してアクセルペダル12に供給された制御信号に対応するアクセルペダル開度(制御アクセルペダル開度)との差が、所定値以上であるか否かを判定する。
ステップS5において、実アクセルペダル開度と制御アクセルペダル開度との差が所定値以上である場合、ECU8は、ドライバによってアクセルペダル12が踏み込まれたと判定する。この場合、ステップS6に進み、ECU8(具体的にはエンジン制御部8d)は、エンジン出力を上昇させる。具体的には、エンジン制御部8dは、アクセルペダル12を踏み戻し方向に変位させる制御を行っている際の実アクセルペダル開度に応じてエンジン出力を上昇させる(アクセルペダル12を踏み込み方向に変位させている際の実アクセルペダル開度についてはエンジン出力の制御に用いない)。
次に、ステップS7に進み、ECU8は、エンジン出力が目標値に達したか否かを判定する。この場合、ECU8は、渋滞を発生させないために自車両が設定されるべき車速に基づいて、エンジン出力の目標値を設定する。例えば、ECU8は、自車両の車速や、車間距離や、法定速度や、走行路の全体的な車両の流れに対応する車速などに基づいて、渋滞を発生させないために自車両が設定されるべき車速を求めて、エンジン出力の目標値を設定する。
ステップS7の判定の結果、エンジン出力が目標値に達していない場合には、ステップS4に戻る。この場合には、ECU8は、エンジン出力が目標値に達するまで、ステップS4以降の処理を繰り返し行う。これに対して、エンジン出力が目標値に達した場合には、ステップS1に戻る。つまり、ECU8は、本実施形態による制御処理を終了する。
一方で、ステップS5において、実アクセルペダル開度と制御アクセルペダル開度との差が所定値未満である場合、ECU8は、ドライバによってアクセルペダル12が踏み込まれていないと判定する。この場合、ステップS8に進み、エンジン制御部8dは、エンジン出力を維持する、つまりエンジン出力を上昇させない。
次に、ステップS9に進み、ECU8は、アクセルペダル踏み込み誘導制御を開始してから所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過していない場合には、ステップS4に戻る。この場合には、アクセルペダル踏み込み誘導制御部8cは、アクセルペダル踏み込み誘導制御を継続する。具体的には、アクセルペダル踏み込み誘導制御部8cは、所定時間が経過するまで、アクセルペダル踏み込み誘導制御を継続する。これに対して、所定時間が経過している場合には、ステップS1に戻る。つまり、ECU8は、タイムアウト処理として、アクセルペダル踏み込み誘導制御を停止する。
なお、上述のように、ドライバによってアクセルペダル12が踏み込まれていないにも関わらず、アクセルペダル踏み込み誘導制御を所定時間継続しているのは、当該制御によるアクセルペダル操作の誘導をドライバに気付かせるための時間をある程度確保するためである。
次に、上述した本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態では、自車両の走行環境が渋滞の発生する可能性が高い環境である場合に、アクセルペダル踏み込み誘導制御部8cが、アクセルペダル12を踏み込み方向に所定期間だけ変位させるアクセルペダル踏み込み誘導制御を行うので、そのような環境において、ドライバに違和感を与えることなく、ドライバのアクセルペダル操作を踏み込み方向へ適切に誘導することができる。これにより、車速の低下に起因する渋滞の発生を抑制することが可能となる。
また、本実施形態では、エンジン制御部8dは、アクセルペダル踏み込み誘導制御中にドライバによってアクセルペダル12が踏み込まれた場合に、エンジン出力を上昇させるので、アクセルペダル操作の誘導によるドライバのアクセルペダル12の踏み込みに応じて、エンジン出力を適切に上昇させることができる。その結果、渋滞の発生を抑制することが可能な車速に設定することが可能となる。
他方で、エンジン制御部8dは、アクセルペダル踏み込み誘導制御中にドライバによってアクセルペダル12が踏み込まれていない場合には、エンジン出力を上昇させないので、アクセルペダル12を踏み込んでいないにも関わらずにエンジン出力が上昇する(つまり車速が上昇する)というドライバの違和感の発生を抑制することができると共に、ドライバによる運転の主導性を確保することができる。
また、本実施形態では、アクセルペダル踏み込み誘導制御部8cは、自車両周辺の走行リスクが高い場合にはアクセルペダル踏み込み誘導制御を行わないので、アクセルペダル12を踏み込むべきではない状況での、踏み込み方向へのアクセルペダル操作の誘導を適切に禁止することができる。よって、踏み込み方向へのアクセルペダル操作の誘導に関する安全性を確保することができる。
ここで、本実施形態と、上述した特許文献1に記載の技術とを比較する。アクセルペダル操作を踏み込み方向へ誘導する場合に、特許文献1に記載の技術のようにアクセルペダルの操作反力を単純に低減すると、操作感覚が急に変化するために、ドライバによってはアクセルペダルを踏み込み過ぎてしまうことがある。そのため、車速が急激に変化してしまい、安全性が確保されない場合があり、また、燃費も悪化してしまう場合がある。
これに対して、本実施形態では、アクセルペダル12の踏み込み方向への変位と踏み戻し方向への変位とを周期的に交互に切り替えながら、アクセルペダル12を踏み込み方向に徐々にオフセットさせていくので、急な操作感覚の変化が生じない。そのため、ドライバによるアクセルペダル12の踏み込み過ぎを抑制することができる。したがって、車速が急激に変化しないため、安全性を確保することができ、また、燃費の悪化も抑制することができる。
1 ナビ情報取得部
2 カメラ
3 勾配センサ
4 ミリ波レーダー
5 車速センサ
6 外部通信機
7 アクセル開度センサ
8 ECU
8a 渋滞判定部
8b 走行リスク判定部
8c アクセルペダル踏み込み誘導制御部
8d エンジン制御部
10 アクセルペダルアクチュエータ
11 エンジン
12 アクセルペダル
20 車両

Claims (8)

  1. ドライバによるアクセルペダル操作に応じてエンジン出力を制御する車両用制御装置であって、
    自車両の走行環境が渋滞の発生する可能性が高い環境であるか否かを判定する渋滞判定手段と、
    上記渋滞判定手段によって上記走行環境が渋滞の発生する可能性が高い環境であると判定された場合に、ドライバのアクセルペダル操作を踏み込み方向へと誘導すべく、ドライバによる現在のアクセルペダル操作量に対してアクセルペダルを踏み込み方向に所定期間だけ強制的に変位させる制御を行うアクセルペダル踏み込み誘導制御手段と、
    を有することを特徴とする車両用制御装置。
  2. 上記アクセルペダル踏み込み誘導制御手段によってアクセルペダルを踏み込み方向に変位させる制御が行われた場合において、ドライバによって上記アクセルペダルが踏み込まれた場合に、上記エンジン出力を上昇させるエンジン制御手段を更に有する請求項1に車両用制御装置。
  3. 上記渋滞判定手段は、上記自車両の走行路の勾配が所定量以上変化する場合に、上記走行環境が渋滞の発生する可能性が高い環境であると判定する請求項1又は2に記載の車両用制御装置。
  4. 上記自車両周辺の走行リスクを判定する走行リスク判定手段を更に有し、
    上記アクセルペダル踏み込み誘導制御手段は、上記走行リスク判定手段によって上記走行リスクが高いと判定された場合には、上記アクセルペダルを踏み込み方向に変位させる制御を行わない請求項1乃至3の何れか1項に記載の車両用制御装置。
  5. 上記走行リスク判定手段は、上記自車両とその前方の障害物との距離を取得し、その距離が所定値未満である場合に、上記走行リスクが高いと判定する請求項4に記載の車両用制御装置。
  6. 上記走行リスク判定手段は、上記自車両の前方の障害物に対する自車両の相対速度を取得し、その相対速度が所定値以上である場合に、上記走行リスクが高いと判定する請求項4又は5に記載の車両用制御装置。
  7. 上記アクセルペダル踏み込み誘導制御手段は、上記アクセルペダルを踏み込み方向に変位させる制御を行った場合において、ドライバによってアクセルペダルが実際に踏み込まれた場合に、その踏み込まれたアクセルペダル操作量に対してアクセルペダルを更に踏み込み方向に所定期間だけ強制的に変位させる制御を行う請求項1乃至6の何れか1項に記載の車両用制御装置。
  8. 上記アクセルペダル踏み込み誘導制御手段は、上記アクセルペダルを踏み込み方向に変位させる制御と、上記アクセルペダルを踏み戻し方向に変位させる制御と、を交互に切り替えて実行する請求項1乃至7の何れか1項に記載の車両用制御装置。
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