JP6702113B2 - 運転支援方法及び運転支援装置 - Google Patents
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Description
本発明は、自動制動制御の制動開始タイミングが遅いと感じた運転者による手動のブレーキ操作を抑制することを目的とする。
ここで、減速要因とは車両の制動動作の契機となる要因であり、例えば、障害物、先行車、信号機、停止線、規制速度の変化地点、道路形状、交通状況などを含む。減速要因には、車両を停止させる契機となる停止要因が含まれる。
車両の走行状態を検出するセンサには、車速センサ31と、加速度センサ32と、ヨーレートセンサ33が含まれる。
運転者により行われた運転操作を検出するセンサには、アクセル開度センサ34と、ブレーキスイッチ35と、ブレーキ操作量センサ36が含まれる。
加速度センサ32は、車両の前後方向の加速度及び車幅方向の加速度を検出し、これらの加速度の情報をコントローラ10へ出力する。
ヨーレートセンサ33は、車両のヨーレート(車体が旋回する方向への回転角の変化速度)を検出し、検出したヨーレートの情報をコントローラ10へ出力する。
ブレーキスイッチ35は、運転者による車両のブレーキ操作の作動状態を検出し、作動状態の情報をコントローラ10へ出力する。例えばブレーキスイッチ35は、運転者がブレーキペダルを踏み込むとオン状態信号を出力し、運転者がブレーキペダルを開放するとオフ状態信号を出力する。
走行状態センサ群30からコントローラ10に出力される車速の情報、加速度の情報、ヨーレートの情報、アクセル開度の情報、ブレーキ操作の作動状態の情報、及びブレーキ操作量の情報を、総称して「走行状態情報」と表記することがある。
運動準備電位は運転者が実際に行動する前に発生するため、運動準備電位を検出することによりコントローラ10は運転者のブレーキ操作を予測できる。したがって、運転者によるブレーキ操作の意図の検出は、例えばブレーキ操作を予測することであってもよい。
コントローラ10は、筋電センサ50から受信した筋電位の変化の情報に基づき、運転者によるブレーキ操作の意図が検出されたか否かをしてよい。筋電位の変化は四肢が動作を開始する前に観測できるので、コントローラ10は運転者のブレーキ操作を予測できる。
以下、脳波センサ40を用いて運転者の行動意図を検出する例を説明するが、同様に筋電センサ50を用いてもよい。
プロセッサ11は、例えばCPU(Central Processing Unit)、やMPU(Micro-Processing Unit)であってよい。
記憶装置12は、半導体記憶装置、磁気記憶装置及び光学記憶装置のいずれかを備えてよい。記憶装置12は、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含んでよい。
ブレーキ制御アクチュエータ60は、コントローラ10からの制御信号に応じて車両を制動するブレーキ装置61の動作を制御する。
自動制動制御においてコントローラ10は、周囲状況センサ群20から受信した周囲状況情報と、走行状態センサ群30から受信した走行状態情報とに基づいて、自動制動制御における車両の制動動作の条件を設定する。コントローラ10は、制動動作の条件として例えば、目標速度、減速目標位置、第1制動開始タイミング、及び減速度指令値を決定する。
例えば、減速要因が障害物や停止線等の停止要因である場合、コントローラ10は目標速度0を設定する。コントローラ10は、周囲状況センサ群20が検出した停止要因と車両との距離等に基づいて、車両が停止要因の手前で停止するように減速目標位置を決定する。例えば、減速目標位置は、停止要因に対して所定の余裕距離だけ車両側へ離間した位置であってよい。
例えば、減速要因が先行車である場合、コントローラ10は、先行車の速度を目標速度として設定してよい。すなわち、車両と先行車との相対速度0を目標速度として設定してよい。コントローラ10は、周囲状況センサ群20が検出した車両と先行車の距離と、距離の微分により得られる相対速度に基づいて、車両が減速目標位置まで走行する間に相対速度が0になり且つ所定の車間距離となるように減速目標位置を決定する。
図2Aを参照する。ここでは、車両が速度V0で走行中に前方に停止要因を検出し、車両が停止すべき減速目標位置を車両前方の位置Xtに設定した場合を想定する。
第1制動開始タイミングは、例えば設定した減速目標位置から所定の減速所要距離Drだけ車両側へ離間した位置X1に設定される。
図2Bに示すように、減速度指令値は、第1制動開始タイミングX1における制動動作の開始に伴って0から立ち上がり、減速目標位置Xtにおける減速動作の終了に伴って0に戻る。
許容最大減速度Dmaxは、自動制動制御において第1制動開始タイミングX1の決定に使用される減速制御パラメータであり、適宜設定して記憶装置12に予め格納されていてもよい。
例えば、コントローラ10は、第1制動開始タイミングX1でブレーキ装置61による制動動作を開始する。コントローラ10は更に、減速目標位置Xtで車両が目標速度に達成するように算出した減速度指令値をブレーキ制御アクチュエータ60に出力し、減速度指令値に応じた制動力をブレーキ装置61に発生させる。
なお、自動制動制御が開始した後に運転者のブレーキ操作が検出された場合にも、コントローラ10は、自動制動制御を禁止してよい。
減速要因が検出されてから第1制動開始タイミングX1までに運転者によるブレーキ操作の意図が検出された場合、コントローラ10は、第1制動開始タイミングX1より早い第2制動開始タイミングで自動制動制御による制動動作を開始する。
例えばコントローラ10は、ブレーキ操作の意図を検出した直後に制動動作を開始してよい。すなわち、ブレーキ操作の意図を検出したタイミングから所定の処理遅延が経過したタイミングを第2制動開始タイミングX3としてよい。
このように制動動作の開始を早めることにより、運転者による実際のブレーキ操作の前に自動制動制御による制動動作を開始することが可能になるので、運転者によるブレーキ操作を抑制することができる。
コントローラ10は、減速目標位置Xtが変わらないように(すなわち、減速目標位置Xtまで自動制動制御による制動動作が続いて減速目標位置Xtにて目標速度を達成するように)、減速度を低減して減速を緩やかにする。
すなわち、第1制動開始タイミングX1から車両が減速目標位置Xtに至るまでの時間における減速度指令値の平均よりも、第2制動開始タイミングX3から車両が減速目標位置Xtに至るまでの時間における減速度指令値の平均を小さくする。
これにより、第1制動開始タイミングX1から車両が減速目標位置Xtに至るまでの時間に亘る減速度指令値の積分値と、第2制動開始タイミングX3から車両が減速目標位置Xtに至るまでの時間に亘る減速度指令値の積分値とが等しくなるように減速度指令値を再計算する。
次に、第1実施形態に係る運転支援方法の一例について説明する。
図4を参照する。
ステップS1においてコントローラ10は、減速要因の有無を判断するために周囲状況センサ群20から周囲状況情報を取得する。
ステップS2においてコントローラ10は、減速要因が存在するか否かを判定する。減速要因が存在しない場合(ステップS2:N)に処理は終了する。減速要因が存在する場合(ステップS2:Y)に処理はステップS3へ進む。
ステップS4においてコントローラ10は、運転者のブレーキ操作を検出したかを判定する。運転者のブレーキ操作を検出しない場合(ステップS4:N)に処理はステップS5へ進む。運転者のブレーキ操作を検出した場合(ステップS4:Y)に処理はステップS10へ進む。
ステップS6においてコントローラ10は、運転者のブレーキ操作の意図を検出したか否かを判定する。
運転者のブレーキ操作の意図が検出された場合(ステップS6:Y)に処理はステップS7へ進む。運転者のブレーキ操作の意図が検出されない場合(ステップS6:N)に処理はステップS9へ進む。
その後に処理はステップS8へ進む。
運転者のブレーキ操作の意図が検出されない場合(ステップS6:N)、ステップS9においてコントローラ10は、第1制動開始タイミングX1が到来したか否かを判定する。第1制動開始タイミングX1がまだ到来しない場合(ステップS9:N)に処理はステップS4へ戻る。第1制動開始タイミングX1が到来した場合(ステップS9:Y)に処理はステップS8へ進む。
運転者のブレーキ操作を検出した場合(ステップS4:Y)、ステップS10においてコントローラ10は、自動制動制御を禁止して、手動によるブレーキ操作に従ってブレーキ装置61を制御する。その後に処理は終了する。
(1)コントローラ10は、車両の制動の契機となる減速要因を検出したか否かを判定し、減速要因が検出された場合に、自動制動制御による車両の制動動作を開始する第1制動開始タイミングX1を決定する。
また、コントローラ10は、車両の運転者のブレーキ操作の意図が検出されたか否かを判定する。減速要因を検出してから第1制動開始タイミングX1までに運転者のブレーキ操作の意図が検出された場合に、コントローラ10は、第1制動開始タイミングX1よりも前の第2制動開始タイミングX3で自動制動制御による制動動作を開始する。
このように、自動制動制御の制動開始タイミングが遅いと運転者が感じたときに制動動作の開始を早めることで、運転者による実際のブレーキ操作の前に自動制動制御による制動動作が開始することを可能にする。このため、運転者によるブレーキ操作を抑制することができる。
これにより、第1制動開始タイミングX1よりも前の第2制動開始タイミングX3で制動動作を開始しても、減速目標位置Xtが手前に移動するのを防ぐことができる。
(4)コントローラ10は、運転者のブレーキ操作が検出されたか否かを判定し、運転者のブレーキ操作が検出された場合に車両の自動制動制御を禁止する。自動制動制御による制動動作が開始していても、自動制動制御による制動動作を中止する。
これにより、運転者のブレーキ操作を優先することができる。この場合でも、運転者がブレーキ操作の前に制動を開始することで、早めのブレーキングにより全体の減速が緩やかになりブレーキショックを減らすことができる。
続いて、第2実施形態の運転支援装置1を説明する。第2実施形態では、運転者のブレーキ操作の意図に応じて制動動作を開始した第2制動開始タイミングX3に基づいて、自動制動制御にて制動動作を開始する第1制動開始タイミングX1を学習する。
これにより、自動制動制御の制動開始タイミングを遅いと感じる運転者の違和感を低減し、運転者の嗜好に合わせた自動制動制御が可能になる。
コントローラ10は、運転者のブレーキ操作の意図の検出により第2制動開始タイミングX3で制動動作を開始した場合、第2制動開始タイミングX3に応じて第1制動開始タイミングX1を決定するパラメータを変更する。
例えばコントローラ10は、上記の減速制御パラメータ、すなわち減速所要距離Dr又は許容最大減速度Dmaxを第2制動開始タイミングX3に応じて変更してよい。
図4を参照する。ステップS20及びS21の処理は、図4を参照して説明したステップS1及びS2の処理と同様である。減速要因が存在する場合(ステップS21:Y)に処理はステップS22へ進む。
ステップS22においてコントローラ10は、記憶装置12に格納された減速制御パラメータを読み込む。
ステップS23においてコントローラ10は、減速制御パラメータと、周囲状況情報と、走行状態情報とに基づいて、減速目標位置Xtと第1制動開始タイミングX1を決定する。コントローラ10は、減速度指令値を算出する。
ステップS28においてコントローラ10は、減速制御パラメータを更新する。その後に処理はステップS29へ進む。
ステップS29〜S31の処理は、図4を参照して説明したステップS8〜S10の処理と同様である。
運転者のブレーキ操作の意図の検出により第2制動開始タイミングで制動動作を開始した場合、コントローラ10は、第1制動開始タイミングX1を決定するパラメータを、第2制動開始タイミングX3に応じて変更する。
これにより、第1制動開始タイミングX1を遅いと感じる運転者の違和感を低減し、運転者の嗜好に合わせた自動制動制御が可能になる。
Claims (6)
- 車両の制動の契機となる減速要因を検出したか否かを判定し、
前記減速要因が検出された場合に、自動制動制御による前記車両の制動動作を開始する第1制動開始タイミングを決定し、
前記車両の運転者のブレーキ操作の意図が検出されたか否かを判定し、
前記減速要因を検出してから前記第1制動開始タイミングまでに前記運転者のブレーキ操作の意図が検出された場合に、前記第1制動開始タイミングよりも前の第2制動開始タイミングで自動制動制御による制動動作を開始する、
ことを特徴とする運転支援方法。 - 自動制動制御による制動動作を完了する減速目標位置を決定し、
前記車両が前記減速目標位置で目標速度まで減速するように前記第1制動開始タイミングを決定し、
前記運転者のブレーキ操作の意図の検出により前記第2制動開始タイミングで制動動作を開始した場合、前記第1制動開始タイミングで制動動作を開始する場合よりも緩やかに減速することで、前記減速目標位置まで自動制動制御による制動動作を続けることを特徴とする請求項1に記載の運転支援方法。 - 前記運転者の運動準備電位又は筋電位を検出することより、前記運転者のブレーキ操作の意図を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の運転支援方法。
- 前記運転者のブレーキ操作の意図の検出により前記第2制動開始タイミングで制動動作を開始した場合、前記第1制動開始タイミングを決定するパラメータを前記第2制動開始タイミングに応じて変更する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の運転支援方法。
- 前記運転者のブレーキ操作が検出されたか否かを判定し、
前記運転者のブレーキ操作が検出された場合に、前記車両の自動制動制御を禁止することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の運転支援方法。 - 車両の制動の契機となる減速要因を検出する第1センサと、
前記車両の運転者のブレーキ操作の意図を検出する第2センサと、
前記車両を制動するブレーキと、
前記減速要因が検出された場合に、自動制動制御による前記車両の制動動作を開始する第1制動開始タイミングを決定し、前記運転者のブレーキ操作の意図が検出されたか否かを判定し、前記減速要因を検出してから前記第1制動開始タイミングまでに前記運転者のブレーキ操作の意図が検出された場合に、前記第1制動開始タイミングよりも前の第2制動開始タイミングで自動制動制御による制動動作を開始するコントローラと、
を備えることを特徴とする運転支援装置。
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