JP6922494B2 - 運転支援方法及び運転支援装置 - Google Patents
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Description
本発明は、運転者が感じるリスク感を低減することを目的とする。
図1を参照する。運転支援装置1は、周囲環境センサ群10と、車両挙動センサ群20と、第1生体センサ31と、第2生体センサ32と、コントローラ40と、車両制御アクチュエータ群50を備える。
周囲環境センサ群10は、運転支援装置1を搭載する車両(以下、「自車両」と表記する)に設けられ、自車両の周囲の周囲環境を検出する。
カメラ11及びレーダ12は、自車両周囲に存在する物体、自車両と物体との相対位置、自車両と物体との距離等の自車両の周囲環境を検出する。カメラ11及びレーダ12は、検出した周囲環境の情報である周囲環境情報をコントローラ40へ出力する。
車速センサ21は、自車両の車輪速を検出し、車輪速に基づいて自車両の速度を算出する。車速センサ21は、算出した車速の情報をコントローラ40へ出力する。
加速度センサ22は、自車両の前後方向の加速度及び車幅方向の加速度を検出し、これらの加速度の情報をコントローラ40へ出力する。
操舵角センサ24は、操舵操作子であるステアリングホイールの現在の回転角度(操舵操作量)である現在操舵角を検出する。操舵角センサ24は、検出した操舵角の情報をコントローラ40へ出力する。
転舵角センサ25は、操向輪の転舵角を検出し、検出した転舵角の情報をコントローラ40へ出力する。
車両挙動センサ群20からコントローラ40に出力される車速の情報、加速度の情報、ヨーレートの情報、操舵角の情報、及び転舵角の情報を、総称して「車両挙動情報」と表記することがある。
第1生体センサ31は、例えば、ステアリングホイール内やシート内等に内蔵され、運転者の心拍数を検出する心拍センサや、ステアリングホイール内等に内蔵され、運転者の発汗量を検出する発汗センサや、車載カメラにより撮影して得た撮像画像を画像認識処理して、運転者の瞳孔の動きを検出する瞳孔センサであってよい。第1生体センサ31は、検出した運転者の心拍数や、発汗量、瞳孔の動きを示す第1生体信号をコントローラ40へ出力する。
なお、第2生体センサ32は、脳活動を示す第2生体信号として、運転者の皮膚表面の筋電位に発生する変化、脳血流、心拍数、呼吸数、発汗量やカメラで撮像した運転者の顔画像を検出してコントローラ40へ出力してもよい。
プロセッサ41は、例えばCPU(Central Processing Unit)、やMPU(Micro-Processing Unit)であってよい。
なお、汎用の半導体集積回路中に設定される機能的な論理回路でコントローラ40を実現してもよい。例えば、コントローラ40はフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)等のプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD:Programmable Logic Device)等を有していてもよい。
記憶装置42には、脳活動データベース43(図1において「脳活動DB」と表記する)が格納される。脳活動データベース43には、例えば事象関連電位発生時に現れる脳波変化が記憶される。事象関連電位は人間が違和感を覚えると発生する脳波の電位である。
運転動作には、例えば図2に示すような、自動操舵制御と速度制御によって自車両が前方の障害物を回避する運転動作が含まれてよい。図2では、自車両70が前方の障害物である前方車両71を追い越して回避する運転動作を行う。自車両70が前方車両71を追い越す時点の車幅方向距離はDxであり通過速度はVである。
さらに運転動作には、例えば図4に示すような、自車両70から遠ざかる前方車両71との車間距離を速度制御によって調整する運転動作が含まれてもよい。
コントローラ40は、決定した運転動作に基づいて車両制御アクチュエータ群50を駆動して、自車両の動作(例えば操舵や速度)を自動的に制御する。
ステアリングアクチュエータ51は、自車両のステアリングの操舵方向及び操舵量を制御する。アクセル開度アクチュエータ52は、自車両のアクセル開度を制御する。ブレーキ制御アクチュエータ53は、自車両のブレーキ装置の制動動作を制御する。
また、コントローラ40は、自動運転制御又は運転支援制御の際に、第2生体センサ32からの第2生体信号に基づいて運転者が感じる違和感を検出する。すなわち運転者が違和感を感じているか否かを判定する。
運転者がリスク感を感じていると判定した場合、コントローラ40は、自動運転制御又は運転支援制御の際に、周囲環境情報とリスク感に基づいて自車両の動作を制御する。周囲環境情報とリスク感に加えて車両挙動情報に基づいて自車両の動作を制御してもよい。
例えば自車両が前方の障害物を回避する運転動作の場合(図2)には、自車両が障害物を追い越す時点の自車両と障害物との間の安全距離(=車幅方向距離Dx/通過速度V)やリスクポテンシャルや、安全距離を算出するための自車両と障害物との間の車幅方向距離や通過速度が「リスク感を感じさせる要因となる走行状態」となり得る。
例えば自車両が接近する前方の対象物との距離を調整する運転動作の場合(図3)には、減速開始タイミングや、減速量、車間時間、衝突時間が「リスク感を感じさせる要因となる走行状態」となり得る。
コントローラ40は、運転者のリスク感が検出された場合に、リスク感を感じさせる要因となる走行状態にもたせる安全マージンが増大するように自車両の動作を制御する。これにより、コントローラ40は、運転者の個人差に合わせて運転者が感じるリスク感を低減できる。
自動運転制御又は運転支援制御においてコントローラ40は、所定のパラメータによって定義された条件を満たすように運転動作を決定している。
例えば自車両が前方の障害物を回避する運転動作の場合(図2)、安全距離やリスクポテンシャルの目標値をパラメータとして設定し、設定された目標値を達成するように運転動作を決定する。このようなパラメータを「動作制御パラメータ」と表記する。
例えば自車両が前方の障害物を回避する運転動作の場合(図2)には、動作制御パラメータとして設定された安全距離やリスクポテンシャルの目標値を調整することにより、障害物を追い越す時点の車幅方向距離Dxと通過速度Vが調整され、走行状態の安全マージンが増大するように運転動作を決定できる。
コントローラ40がこれらの動作制御パラメータを調整することにより、減速開始タイミングや減速量が調整され、走行状態の安全マージンが増大するように運転動作を決定できる。
減速開始車間時間及び減速開始衝突時間は、減速を開始する車間時間及び衝突時間であり次式で求められる。
減速開始車間時間=(停止位置までの距離/自車速)
減速開始衝突時間=(車間距離−設定車間距離)/(自車速−前方車両の車速)
コントローラ40がこれらの動作制御パラメータを調整することにより、加速開始タイミングや加速量が調整され、走行状態の安全マージンが増大するように運転動作を決定できる。
このように、走行状態の安全マージンを調整する動作制御パラメータは、運転動作の種類別に定義してよい。
ここで、運転者のリスク感が検出されず且つ違和感が検出された場合には、走行状態の安全マージンが大きすぎて運転者が違和感を検出されていると考えられる。
また、運転者の違和感が検出されているが運転者のリスク感が検出されていない場合には、走行状態の安全マージンが大きすぎると考えられる。このように、違和感は、リスク感までは至らないが運転支援装置1による運転支援(すなわち自動運転制御又は運転支援制御)や運転支援による自車両の運転に運転者が不自然さを感じる感覚を含んでよい。
また、リスク感も違和感も検出されていない場合には走行状態の安全マージンが適切だと考えられる。
そこで、コントローラ40は、運転者のリスク感が検出されず且つ違和感が検出された場合に、走行状態の安全マージンが減るように自車両の動作を制御する。
例えばリスク感検出部61は、第1生体センサが検出した心拍数や発汗量の上昇の時間変化率が所定の閾値以上である場合に運転者がリスク感を感じていると判定する。心拍数や発汗量の上昇の時間変化率が所定の閾値未満である場合に運転者がリスク感を感じていないと判定する。
例えばリスク感検出部61は、運転者の瞳孔の動きの速さが閾値以上である場合に運転者がリスク感を感じていると判定する。瞳孔の動きの速さが閾値未満である場合に運転者がリスク感を感じていないと判定する。
例えば違和感検出部62は、第2生体信号として運転者の脳波のデータを受信する。違和感検出部62は、受信した脳波のデータに対して周波数解析を行い、脳活動データベース43に記憶された事象関連電位発生時に現れる脳波変化とを比較し、事象関連電位が発生しているか否かを判定する。違和感検出部62は、事象関連電位を検出することにより運転者の違和感を検出する。ここでは周波数解析に基づくが、周波数解析に限らずパターン解析でもよく、すなわち信号解析できるものであればよい。
また違和感検出部62は、脳波のデータだけでなく、運転者の皮膚表面の筋電位に発生する変化、脳血流、心拍数、呼吸数、発汗量やカメラで撮像した運転者の顔画像に基づいて運転者の違和感を検出してもよい。
例えばパラメータ設定部63は、運転者のリスク感が検出された場合に、走行状態の安全マージンが増大するように動作制御パラメータを調整する。
また例えばパラメータ設定部63は、運転者のリスク感が検出されず且つ違和感が検出された場合に、走行状態の安全マージンが減るように動作制御パラメータを調整する。
例えばパラメータ設定部63は、減速開始車間時間や減速開始衝突時間を増加させたり、減速度の許容上限閾値を減少させて、減速開始タイミングが早くなったり減速量が小さくなるように調整する。
次に、実施形態のコントローラ40による動作制御パラメータの調整方法を説明する。
図6を参照する。自車両が前方の障害物を回避する運転動作の場合(図2)、ステップS1において運転動作決定部64は、自車両が前方の障害物を回避する運転動作を開始する。このとき運転動作決定部64は、以前に設定された安全距離の目標値を動作制御パラメータとして使用して、自車両が前方の障害物を回避する走行経路と通過速度を決定する。
ステップS3においてパラメータ設定部63は、動作制御パラメータとして設定される安全距離の目標値を伸ばす。その後に処理は終了する。
ステップS5においてパラメータ設定部63は、動作制御パラメータとして設定される安全距離の目標値を縮める。その後に処理は終了する。
ステップS13において運転動作決定部64は、直ちに自車両の減速を開始する。これにより運転者のリスク感を軽減する。
一方でステップS15において違和感検出部62は、運転者の違和感が検出されたか否かを判定する。運転者の違和感が検出された場合(ステップS15:Y)に処理はステップS16へ進む。運転者の違和感が検出されていない場合(ステップS15:N)に、動作制御パラメータを変更せずに処理は終了する。
ステップS16においてパラメータ設定部63は、減速開始タイミングを遅らせるように動作制御パラメータを調整する。その後に処理は終了する。
ステップS22においてパラメータ設定部63は、加速開始タイミングを遅らせるように及び/又は加速量を減らすように動作制御パラメータを調整する。その後に処理は終了する。
ステップS24においてパラメータ設定部63は、加速開始タイミングを早めるように及び/又は加速量を増やすように動作制御パラメータを調整する。その後に処理は終了する。
例えばパラメータ設定部63は、データベースに記憶された動作制御パラメータのうちリスク感の検出頻度が最も少ない動作制御パラメータを、運転動作に使用する動作制御パラメータとして設定してよい。
例えばパラメータ設定部63は、データベースに記憶された動作制御パラメータのうちリスク感及び違和感の検出頻度が閾値以下の動作制御パラメータを、運転動作に使用する動作制御パラメータとして設定してよい。
(1)運転動作決定部64は、自車両に設けた周囲環境センサ群10の検出信号に基づいて自車両の周囲の周囲環境を認識する。リスク感検出部61は、第1生体センサ31により検出した運転者の第1生体信号に基づいて運転者が感じるリスク感を検出する。パラメータ設定部63と運転動作決定部64は、認識した周囲環境と検出したリスク感とに基づいて自車両の動作を制御する。
これにより、運転者のリスク感が検出されるシーンにおいて、運転者のリスク感を低減できる。
これにより、運転者のリスク感が低減されるように自車両を制御できる。
これにより、運転者のリスク感及び違和感が検出されるシーンにおいて、運転者のリスク感及び違和感を低減できる。
リスク感の検出のみに依拠すると走行状態の安全マージンが増大する方向にしか制御できず、違和感の検出のみに依拠すると、安全マージンが過小で違和感を感じているのか安全マージンが過大で違和感を感じているか判断できない。リスク感及び違和感の両方を用いることで安全マージンが過大であることにより違和感を感じていることを判断でき、違和感を低減した車両制御を実現できる。
(6)自車両が前方の障害物を回避する運転動作において運転者のリスク感が検出された場合に、パラメータ設定部63と運転動作決定部64は、自車両の走行状態の安全マージンが増大するように、障害物との車幅方向距離及び通過速度の少なくとも一方を調整する動作制御パラメータを調整する。
これにより、自車両が前方の障害物を回避する運転動作で運転者のリスク感を低減できる。
これにより、自車両が前方の障害物を回避する運転動作で運転者のリスク感と違和感を低減できる。
これにより、自車両が接近する前方の対象物との距離を調整する運転動作で運転者のリスク感を低減できる。
これにより、自車両が接近する前方の対象物との距離を調整する運転動作で運転者のリスク感と違和感を低減できる。
これにより、自車両から遠ざかる前方車両との車間距離を調整する運転動作で運転者のリスク感を低減できる。
これにより、自車両から遠ざかる前方車両との車間距離を調整する運転動作で運転者のリスク感と違和感を低減できる。
これにより、過去の履歴をもとに運転者のリスク感を低減できる。
これにより、過去の履歴をもとに運転者のリスク感と違和感を低減できる。
脳活動解析を用いることで、運転者の負担なしに高精度に違和感を検出できる。
これらのセンサにより得られる第1生体信号を用いることで、運転者の負担なしに高精度にリスク感を検出できる。
Claims (10)
- 自車両に設けた周囲環境センサの検出信号に基づいて前記自車両の周囲の周囲環境を認識し、
第1生体センサにより検出した運転者の第1生体信号に基づいて前記運転者が感じるリスク感を検出し、
第2生体センサにより検出した前記運転者の第2生体信号に基づいて前記運転者が感じる違和感を検出し、
認識した前記周囲環境、並びに検出した前記リスク感及び前記違和感に基づいて、前記運転者のリスク感が検出されず且つ前記運転者の違和感が検出された場合に、前記自車両の走行状態の安全マージンが減るように前記自車両の動作を制御することを特徴とする運転支援方法。 - 前記自車両が前方の障害物を回避する運転動作において前記運転者のリスク感が検出されず且つ前記運転者の違和感が検出された場合に、前記自車両の走行状態の安全マージンが減るように、前記障害物との車幅方向距離及び通過速度の少なくとも一方を調整するためのパラメータを調整することを特徴とする請求項1に記載の運転支援方法。
- 前記自車両が接近する前方の対象物との距離を調整する運転動作において前記運転者のリスク感が検出されず且つ前記運転者の違和感が検出された場合に、前記自車両の走行状態の安全マージンが減るように、前記自車両の減速タイミング及び減速量の少なくとも一方を調整するためのパラメータを調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の運転支援方法。
- 前記自車両から遠ざかる前方車両との車間距離を調整する運転動作において前記運転者のリスク感が検出されず且つ前記運転者の違和感が検出された場合に、前記自車両の走行状態の安全マージンが減るように、前記自車両の加速タイミング及び加速量の少なくとも一方を調整するためのパラメータを調整することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の運転支援方法。
- 過去の運転動作で使用された前記パラメータと、前記パラメータが使用されたときの前記リスク感及び前記違和感の有無と、を記憶したデータベースに基づいて、前記パラメータを調整することを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載の運転支援方法。
- 自車両に設けた周囲環境センサの検出信号に基づいて前記自車両の周囲の周囲環境を認識し、
第1生体センサにより検出した運転者の第1生体信号に基づいて前記運転者が感じるリスク感を検出し、
前記自車両が前方の障害物を回避する運転動作において前記運転者のリスク感が検出された場合に、前記自車両の走行状態の安全マージンが増大するように、前記自車両が前記障害物を追い越す時点の前記障害物との車幅方向距離及び通過速度の少なくとも一方を調整するパラメータを調整し、
前記調整されたパラメータに基づいて前記自車両の動作を制御することを特徴とする運転支援方法。 - 前記第2生体センサは、前記運転者の脳活動を検出するセンサであり、前記第2生体センサが検出した脳活動を解析して前記運転者が感じる違和感を検出することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の運転支援方法。
- 前記第1生体センサは、前記運転者の心拍、発汗、及び瞳孔の少なくとも1つを検出するセンサであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の運転支援方法。
- 自車両に設けられ前記自車両の周囲の周囲環境を認識する周囲環境センサと、
運転者が感じるリスク感を検出するための前記運転者の第1生体信号を検出する第1生体センサと、
前記運転者が感じる違和感を検出するための前記運転者の第2生体信号を検出する第2生体センサと、
前記第1生体センサにより検出した前記運転者の第1生体信号に基づいて前記運転者が感じるリスク感を検出し、前記第2生体センサにより検出した前記運転者の第2生体信号に基づいて前記運転者が感じる違和感を検出し、前記周囲環境センサが認識した前記周囲環境、並びに検出した前記リスク感及び前記違和感に基づいて、前記運転者のリスク感が検出されず且つ前記運転者の違和感が検出された場合に、前記自車両の走行状態の安全マージンが減るように前記自車両の動作を制御するコントローラと、
を備えることを特徴とする運転支援装置。 - 自車両に設けられ前記自車両の周囲の周囲環境を認識する周囲環境センサと、
運転者が感じるリスク感を検出するための前記運転者の生体信号を検出する生体センサと、
前記生体センサにより検出した前記運転者の生体信号に基づいて前記運転者が感じるリスク感を検出し、前記自車両が前方の障害物を回避する運転動作において前記運転者のリスク感が検出された場合に、前記自車両の走行状態の安全マージンが増大するように、前記自車両が前記障害物を追い越す時点の前記障害物との車幅方向距離及び通過速度の少なくとも一方を調整するパラメータを調整し、前記調整されたパラメータに基づいて前記自車両の動作を制御するコントローラと、
を備えることを特徴とする運転支援装置。
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