JP2015163585A - 結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩の製造方法および結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩 - Google Patents

結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩の製造方法および結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩 Download PDF

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Abstract

【課題】平均粒子径が小さく、粒子径分布が均一な結晶性チタン酸塩の製造方法および該方法で得られた結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩に関する。【解決手段】 下記の工程(a)〜(d)からなることを特徴とする結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩の製造方法;(a)液中の水分の含有量が5を超えて8重量%以下である、アルカリ土類金属水酸化物のアルキルセロソルブ溶液を調製する工程、(b)アルカリ土類金属とTiの原子比(アルカリ土類金属/Ti比)が1〜1.1の範囲となるようにチタンアルコキシドを混合する工程、(c)チタンアルコキシドのモル数の当量以上となる水分存在下で、加水分解する工程、(d)温度50〜120℃で熟成する工程。【選択図】なし

Description

本発明は、結晶性チタン酸アルカリ土類塩の製造方法および結晶性チタン酸アルカリ土類塩に関する。さらに詳しくは、電子部品用誘電体材料、高屈折率で透明性に優れた光学材料等に好適に用いることができる平均粒子径が小さく、粒子径分布が均一な結晶性チタン酸アルカリ土類塩の製造方法および該方法で得られた結晶性チタン酸アルカリ土類塩に関する。
高誘電体材料としてチタン酸バリウム等の結晶性チタン酸塩が知られており、セラミックコンデンサ等の電子部品に多く使用されている。近年、積層コンデンサーの小型化、あるいは大容量化のため誘電体層の薄層化が求められている。
従来、チタン酸バリウムの製造方法としては、炭酸バリウム粉末と酸化チタン粉末を混合し1000℃付近の高温で加熱処理する固相法でのチタン酸バリウムの製造方法が知られている。(特許文献1:特開2002−25552号公報)
また、バリウム塩とチタン塩とを混合し、水熱処理したのち、焼成するチタン酸バリウム粉末の合成法も知られている。(特許文献2:特開2002−211926号公報)
さらに、硝酸バリウム塩と、二酸化チタンとを酸性領域で分散処理する前駆体ゾル調製工程と、このゾルを還流しゲル粉末を得るゾルーゲル法によるチタン酸バリウム粉末の製造方法が知られている。(特許文献3:特開平5−116943号公報)
さらにまた、チタン酸バリウムを構成する金属アルコキシドを溶解させた前駆体溶液をゲル化させて得られる被膜形成用塗布液も開示されている。この方法によれば、メタノールと2−メトキシエタノールの混合溶液(体積比で6:4)に室温で溶解させて、0.5mol/L以上の高濃度の前駆体溶液を作製し、その前駆体溶液を低温で加水分解し、次いで0〜60℃で1〜480時間エージング処理してチタン酸バリウム(BaTiO3)の単相のゲルを生成させ、これを、超音波を用いて微粉砕しながら均一に分散させチタン酸バリウムの製造方法が提案されている。(特許文献4:特開2002−275390号公報)
また、バリウムおよびチタンアルコキシド濃度が0.5mol/L以上の前駆体を準備する前駆体調製工程と、極性有機溶媒の濃度が15mol%以上である水と極性溶媒の混合溶媒を前記前駆体に混合溶液中水換算量でチタンアルコキシド中チタン換算量に対して4倍以上(モル比)滴下する加水分解工程と、加水分解後に10℃以上にまで昇温保持するエージング工程からなるチタン酸バリウム粉末の製造方法が記載されている。(特許文献5:特開2005−306691号公報)
一方、本願出願人は、マイクロミキシングチップによりバリウムアルコキシドとチタンアルコキシドとを混合し、ついで加水分解するチタン酸バリウムの製造方法を開示している。(特許文献6:特開2009−172581号公報)
さらに、特許文献7:特開2002−060219号公報には、水酸化バリウム水溶液とチタンアルコキシドのアルコール溶液との混合溶液を60〜100℃で反応させて平均粒子径が0.019〜0.056μmの微粒チタン酸バリウム粉末の製造方法が開示されている。また、平均粒子径が0.019〜0.025μmのカルシウム変性微粒チタン酸バリウム粉末の製造方法が開示されている。また、これらの微粒チタン酸バリウム粉末、カルシウム変性微粒チタン酸バリウム粉末は850〜1000℃で熱処理しても異常粒成長しないことが開示されている。
特開2002−255552号公報 特開2002−211926号公報 特開平5−116943号公報 特開2002−275390号公報 特開2005−306691号公報 特開2009−172581号公報 特開2002−060219号公報
上記特許文献1の方法では得られるチタン酸バリウム粉末の粒子径が数μmと大きくなり、誘電体層の薄層化には不向きであり、また小さい粒子径の粉末を得ることが困難であった。そのため、これを機械的に粉砕すると粒子径分布が不均一となり、これを用いた誘電体層の強度が不充分となる場合があり、さらに粉砕工程で不純物が混入して電気特性が低下する問題があった。また、特許文献2に開示の方法でも、特許文献1に比して低温で合成可能であるが、水熱処理を必要とし、得られるチタン酸バリウム粉末の粒子径が大きく小さい粒子径の粉末を得ることが困難であった。
特許文献3〜5の方法では、比較的微粒のチタン酸バリウムが得られるが、原料がいずれも高価なアルコキシドを使用するもので、経済性に問題があった。
特許文献6の方法は、粒子径は小さいものの結晶度が必ずしも高くなく、しかも原料がいずれもアルコキシドであるために高価で、用途によっては経済性が問題となる場合があった。また、特許文献7の方法では、比較的微粒のチタン酸バリウム粉末が得られ、水酸化バリイウムを用いるために安価であるもののさらに粒子径の小さい極微粒チタン酸バリウム粉末を得ることが困難で、しかも、生産毎の平均粒子径、粒子径分布が変動し、誘電体層の薄層化には限界があった。
本発明者等は鋭意検討した結果、バリウム水酸化物がメチルセロソルブに容易に溶解することを見出し、このバリウム水酸化物のアルキルセロソルブ溶液を用いると粒子径が小さく均一なチタン酸バリウム結晶が得られることを見出して本発明を完成するに至った。
特に、バリウム水酸化物のアルキルセロソルブ溶解溶液中の水分を除去すると得られるチタン酸バリウム粒子がより微粒子となるとともに再現性が向上することを見出して本発明を完成するに至った。
[1]下記の工程(a)〜(d)からなることを特徴とする結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩の製造方法;
(a)液中の水分の含有量が5を超えて8重量%以下である、アルカリ土類金属水酸化物のアルキルセロソルブ溶液を調製する工程、
(b)アルカリ土類金属とTiの原子比(アルカリ土類金属/Ti比)が1〜1.1の範囲となるようにチタンアルコキシドを混合する工程、(c)チタンアルコキシドのモル数の当量以上となる水分存在下で、加水分解する工程、
(d)温度50〜120℃で熟成する工程。
[2]前記工程(c)において、水分として、水とアルコールの混合液を混合することを特徴とする[1]に記載の結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩の製造方法。
[3]前記アルカリ土類金属が、BaまたはBaとCaであることを特徴とする[1]または[2]に記載の結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩の製造方法。
[4]前記チタンアルコキシドが下記式(1)で表されるチタン化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩の製造方法。Ti(OR)4・・・・・(1)(但し、Rは炭素数1〜4の炭化水素基、またはこれらの1つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換された置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
[5]得られた結晶性チタン酸塩がペロブスカイト構造を有することを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩の製造方法。
[6]前記工程(d)についで下記工程(f)を行うことを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩の製造方法;(f)溶媒置換する工程。
[7]前記工程(d)ないし前記工程(f)のいずれかの工程についで下記工程(g)を行うことを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩の製造方法;(g)乾燥し、ついで500〜1000℃で加熱処理する工程。
[8]結晶子径(C1)が8〜18nmの範囲にあり、平均粒子径(D1)が10〜40nmの範囲にあり、結晶子径(C1)と平均粒子径(D1)との比(C1)/(D1)が0.3〜0.6の範囲にあることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩の製造方法。
[9]加熱処理後の結晶子径(C2)が25〜100nmの範囲にあることを特徴とする[7]に記載の結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩の製造方法。
[10][8]8に記載の方法で得られた結晶子径(C1)が8〜18nmの範囲にあり、平均粒子径(D1)が10〜40nmの範囲にあり、結晶子径(C1)と平均粒子径(D1)との比(C1)/(D1)が0.3〜0.6の範囲にある結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩(1)と、
[9]に記載の方法で得られた結晶子径(C2)が25〜100nmの範囲にあり、平均粒子径(D2)が40〜150nmの範囲にある結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩(2)との 混合結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩であって、結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩(1)の混合割合が5〜50重量%の範囲にあることを特徴とする結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩。
[11]前記結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩がペロブスカイト構造を有するアルカリ土類金属のチタン酸塩であることを特徴とする[10]に記載の結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩。
[12]前記アルカリ土類金属がBaまたはBaとCaであることを特徴とする[11]に記載の結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩。
本発明では、アルカリ土類金属水酸化物のアルキルセロソルブ溶液を用いているので、粒子径が小さく均一なチタン酸塩結晶が得られ、かかるチタン酸塩結晶は、電子部品用誘電体材料、高屈折率で透明性に優れた光学材料等に好適に用いることができる。
まず、本発明に係る結晶性チタン酸アルカリ土類塩の製造方法について説明する。
[結晶性チタン酸塩の製造方法]
(a)アルカリ土類金属水酸化物溶液調製工程
(b)チタンアルコキシド混合工程、
(c)加水分解工程、
(d)熟成工程。
溶液調製工程(a)
まず、アルカリ土類金属水酸化物をアルキルセロソルブに溶解して溶液を調製する。
本発明に用いるアルカリ土類金属水酸化物としては、ベリリウム水酸化物、マグネシウム水酸化物、カルシウム水酸化物、ストロンチウム水酸化物、バリウム水酸化物が挙げられる。本発明ではペロブスカイト構造を有するチタン酸塩を構成するアルカリ土類金属の水酸化物が使用される。
なかでも、マグネシウム水酸化物、カルシウム水酸化物、ストロンチウム水酸化物、バリウム水酸化物が好ましく、特にバリウム水酸化物は強誘電性に基づく高い誘電率や圧電定数を有する結晶性チタン酸塩が得られるので好適に用いることができる。
また、バリウム水酸化物と他の水酸化物を混合して用いることもできる。特にバリウム水酸化物とカルシウム水酸化物とを混合して用いると、コンデンサーとした場合に、キュリー点での急激な誘電率の変化を抑制する特性を有する結晶性チタン酸塩が得られる。
チタン酸バリウムは特に強誘電性に基づく高い誘電率や圧電定数を有する結晶性チタン酸塩が得られる。また、チタン酸バリウム・カルシウムは、コンデンサーとした場合に、キュリー点での急激な誘電率の変化を抑制するなど特性を有する結晶性チタン酸塩が得られる。チタン酸バリウム・カルシウムを調製する場合、水酸化物中のカルシウム/バリウム原子比は概ね0.01〜0.2の範囲にあることが好ましい。
アルカリ土類金属水酸化物は水酸基を有している以外は付着水の含有量が少ないことが好ましい。付着水が多いと後述するアルキルセロソルブ溶液中の水分含有量がおおくなり、そのまま用いると粒子径の大きな結晶性チタン酸塩が生成する傾向がある。
また、アルカリ土類金属水酸化物は不純物として、Na等のアルカリ金属を含まないことが好ましい。例えばNa等のアルカリ金属が含まれていると、得られる結晶性チタン酸塩を用いた誘電体層の積層チップコンデンサに加工した後に、マイグレーションを引き起こし、誘電体素子の絶縁性を悪化させる問題がある。
アルキルセロソルブとしては、メチルセロソルブ(2−メトキシエタノール、メチセロ、エチレングリコールモノメチルエーテル、メチルグリコール等ということがある)、エチルセロソルブ、n、Isoプロピルセロソルブ、n、isoブチルセロソルブ等の炭素数4以下の炭化水素基を有するアルキルセロソルブが好ましい。特にメチルセロソルブはアルカリ土類金属水酸化物の溶解性が高く、また、沸点が低いので薄膜コンデンサーを作成する際により低温で乾燥が容易にできるので好適に用いることができる。
上記したアルカリ土類金属水酸化物とアルキルセロソルブとを混合して溶解する。
溶液中のアルカリ土類金属水酸化物濃度量は、アルカリ土類金属水酸化物の種類、最終的な結晶性チタン酸塩の粒子径、アルキルセロソルブの種類等によっても異なるが、得られる溶液中に未溶解のアルカリ土類金属水酸化物が残存しなければ特に制限はないが、得られる溶液中のアルカリ土類金属水酸化物の濃度がアルカリ土類金属酸化物として1〜20重量%、さらには2〜15重量%となるように混合することが好ましい。
混合物は、通常、室温(10〜30℃付近)で撹拌、あるいは超音波照射等することによって溶液となるが、必要に応じて加温下で溶解させることもできる。
アルカリ土類金属水酸化物・アルキルセロソルブ溶液は、アルカリ土類金属水酸化物の水酸基に由来する水分、付着水分あるいはアルキルセロソルブに不純物として含まれる水分を含んでいる。
本発明では、アルキルセロソルブ溶液中の水分含有量が8重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは2重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下となるように調整する。
アルキルセロソルブ溶液中の水分の含有量がこの範囲を超えて大きいと、理由は明らかではないが、得られる結晶性チタン酸塩の平均粒子径が大きく25nmを越えるようになり、例えば積層コンデンサーの小型化、あるいは大容量化のため誘電体層の薄層化が困難になる場合があり、しかも平均粒子径が生産毎に変動したり、粒子径分布が不均一になる傾向がある。
アルキルセロソルブ溶液中の水分を低減する方法としては、前記した水分含有量の少ないアルキルセロソルブおよび付着水の少ないアルカリ土類金属水酸化物を使用する他、溶液を蒸留法、減圧蒸留法等従来公知の方法を採用することができる。また、シリカゲル、ゼオライト等の乾燥剤、特に水を選択的に吸着することができるゼオライトは好適に採用することができる。
チタンアルコキシド混合工程(b)
ついで、チタンアルコキシドを前記調整した溶液に混合する。
チタンアルコキシドとしては、下記式(1)で表されるチタンアルコキシドが挙げられる。
Ti(OR)4・・・・・・・(1)
(但し、Rは炭素数1〜4の炭化水素基、またはこれらの1つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換された置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
具体的には、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラnプロポキシド、チタンテトラisoプロポキシド、チタンテトラnブトキシド、チタンテトラisoブトキシド等が挙げられる。
チタンアルコキシドの混合量は、アルカリ土類金属(AE)とTiの原子比AE/Tiが、1〜1.1、好ましくは1〜1.05となるようにチタンアルコキシドを混合する。前記範囲にあれば、結晶性の高いペロブスカイト構造を有する結晶性チタン酸塩が得られる。
加水分解工程(c)
ついで、チタンアルコキシドのモル数の当量以上となる水分存在下に、てチタンアルコキシドを加水分解する。
水分は、前記チタンアルコキシドを完全に加水分解分解できる量であればよく、チタンアルコキシドのモル数の当量以上となる量で、添加される。
具体的にはチタンアルコキシドのモル数(MT)と水のモル数(MH2O)とのモル比(MH2O)/(MT)が4〜25、さらには6〜18の範囲にあることが好ましい。
前記モル比(MH2O)/(MT)が前記下限の場合は、当量以下となるので、チタンアルコキシドの加水分解が不充分となり、Ti/AE原子比の小さい結晶性チタン酸塩となり、誘電率が不充分となる場合がある。前記モル比(MH2O)/(MT)が大きすぎても、理由は明らかではないが、得られる結晶性チタン酸塩の平均粒子径が大きくなり、例えば積層コンデンサーの小型化、あるいは大容量化のため誘電体層の薄層化が困難になる場合があり、しかも平均粒子径が生産毎に変動したり、粒子径分布が不均一になる傾向がある。
水分としては水をそのまま添加してもよいが、加水分解速度が速すぎたり、加水分解物の濃度が高くなりすぎてしまうので、通常、アルコールと水の混合溶媒を混合することが好ましい。
アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、isoまたはnプロピルアルコール、isoまたはnブチルアルコール等の脂肪族アルコール、2−メトキシアルコール等およびこれらの混合物が挙げられる。
アルコールの混合量は、アルコール/水の体積比が概ね0.5〜2となる範囲が好ましい。
アルコール/水の体積比が少ないと、実質的に水を添加した場合と変わるところがなく、アルコールを混合する効果が不充分で、加水分解速度が速すぎたり、加水分解後のアルカリ土類金属加水酸化物・チタンアルコキシド加水分解物の濃度が高くなりすぎたりするので、後述する工程(d)を経て得られる結晶性チタン酸塩粒子の粒子径が大きくなりすぎる場合がある。
アルコール/水の体積比が前記範囲を越えて大きくしても、さらに加水分解速度を抑制したり、工程(d)を経て得られる結晶性チタン酸塩粒子の粒子径が小さくなることもない。
アルコール/水の体積比が前記範囲にあれば後述する結晶子径および平均粒子径を有するチタン酸塩を得ることができる。
水(水とアルコールの混合溶媒)の混合方法としては特に制限されないが、水(水とアルコールの混合溶媒)を攪拌しながら、チタンアルコキシドを混合したアルカリ土類金属水酸化物・アルキルセロソルブ溶液を混合する方法、チタンアルコキシドを混合したアルカリ土類金属水酸化物・アルキルセロソルブ溶液を撹拌しながらこれに、水(水とアルコールの混合溶媒)を混合する方法、水(水とアルコールの混合溶媒)とチタンアルコキシドを混合したアルカリ土類金属水酸化物・アルキルセロソルブ溶液を、例えばマイクロリアクター、ラインミキサー、ホモミキサー、ベンチュリーミキサー等で混合する方法等が挙げられる。
なかでも、本願出願人による特開2009−172581号公報に開示した微量反応用装置(マイクロリアクター)は好適に用いることができる。
加水分解時の温度は、0〜50℃、さらには10〜40℃の範囲にあることが好ましいが、通常、室温で実施される。
加水分解時の温度が低すぎると、チタンアルコキシドの加水分解が不十分となり、Ti/AE原子比の小さい結晶性チタン酸塩となり、誘電率が不充分となる場合がある。
加水分解時の温度が高いと、加水分解速度が速くなりすぎるためか、得られる結晶性チタン酸塩の平均粒子径が大きくなりすぎる場合がある。
なお、加水分解によって生成した加水分解物(水和物ゲルと言うことがある)は、次工程(d)の前に洗浄することもできる。
熟成工程(d)
ついで、水和物ゲルを、温度50〜120℃、好ましくは60〜100℃で熟成する。熟成は、撹拌することなく静置して行うことが好ましい。
このような熟成を行うことで、粒子径分布が均一、且つ、結晶子径のバラつきの少ないチタン酸塩を得ることができる。
熟成温度が低い場合は、前記水和物ゲルの濃度によっても異なるが、粒子径分布が不均一、且つ、結晶性、結晶子径が不充分となる場合がある。
熟成温度が高くてもと、理由は明らかではないが(分散媒の沸点より高くなるためか)、必ずしも屈折率、誘電率がさらに向上することもなく、また、結晶化を伴う粒子成長が促進され、得られる結晶性チタン酸塩の平均粒子径が25nmを越える場合があり、例えば、積層コンデンサーの小型化、あるいは大容量化のため誘電体層の薄層化等には不向きとなる場合がある。
熟成時間は、前記水和物ゲルの濃度、熟成温度によっても異なるが概ね2〜200時間、さらには5〜100時間の範囲にあることが好ましい。
このようにして本発明に係る結晶性チタン酸塩を得ることができるが、本発明では必要に応じて、前記工程(d)についで、必要に応じて工程(e)〜(g)を行ってもよい。
高分散工程(e)
得られた水和物ゲルは高分散化処理を行ってもよい。高分散化とは凝集した水和物ゲルを非凝集水和物ゲルにすることを意味するが、高分散させることによって、後述する(C1)/(D1)が所定範囲にある(小さくない)、凝集度合いの低い結晶性チタン酸塩を得ることができる。
高分散させる方法としては、結晶性チタン酸塩粒子の結晶性を低下させることなく高分散できれば特に制限はなく従来公知の方法を採用することができる。
例えば、単に撹拌してもよく、撹拌しながら超音波を照射する等の方法を採用することもできる。
溶媒置換工程(f)
また水和物ゲルの溶媒を置換してもよい。水和物ゲルの分散楳には、水、アルコール、アルキルセロソルブ等が混在している。溶媒置換によって、誘電体層あるいは高屈折率膜等を形成するための結晶性チタン酸塩分散液に使用する溶媒以外の成分を除去することが好ましい。溶媒置換後の結晶性酸化チタン塩を使用することによって、緻密な膜、あるいは誘電体層が得られる。
溶媒としては、用途、用法によっても異なるが、エーテル類、ケトン類、エステル類、アルコール類、これらの混合物等有機溶媒が好適に用いられる。
具体的には、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールイソプルピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プルピレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブチルメチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ジプロピルケトン、メチルペンチルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル等のケトン類、
酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル、酢酸ブチルなどのエステル類、
メタノール、エタノール、プロパノール、2-プロパノール(IPA)、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、イソプロピルグリコールなどのアルコール類、
トルエン、キシレン等を使用することもできる。
溶媒置換方法は、溶媒の種類、沸点等によって異なるが、ロータリーエバポレーター法、蒸留法、減圧蒸留法等が挙げられる。
こうして得られる結晶性チタン酸塩は、必要に応じて、固液分離させたのち、乾燥させて、粉末として取り出される。
得られる結晶性チタン酸塩は、結晶子径(C1)が8〜18nm、さらには10〜15nmの範囲にあることが好ましい。結晶子径(C1)が前記範囲の下限未満の場合は、誘電体層を形成した場合に誘電率が不充分となる場合がある。結晶子径(C1)が大きすぎると、誘電体層に空隙を生じる場合があり、このため電気的特性測定時に導通する場合があり、積層コンデンサーの小型化や大容量化のため誘電体層の薄層化等には不向きである。
本発明で、結晶子径の測定方法は、X線回折測定装置で、2θ=31.5度付近の(110)面のピークの半価幅を測定し、下記Scherrer の式により計算して求めた。
D=Kλ/βcosθ
D:結晶子径(オングストローム)、K:Scherrer定数、λ:X線波長(1.7889オングストローム、β:半価幅(rad)、θ:反射角。
また、結晶性チタン酸塩の平均粒子径(D1)が10〜40nm、さらには12〜25nmの範囲にあることが好ましい。
平均粒子径(D1)が前記下限をよりも小さいものは、誘電体層を形成した場合に誘電率が不充分となる場合がある。
平均粒子径(D1)が前記範囲を超えて大きいものと、本発明によらずとも他の従来公知の方法で得ることができ、誘電体層を形成しても、薄膜に空隙が存在し、充分緻密にならない場合があり、このため、誘電体層の強度が不充分となる場合や、電気的特性測定時に導通する場合や、比誘電率が低くなる場合がある。
本発明で、平均粒子径(D1)は動的光散乱法(大塚電子製:PAR-3)によって測定することができる。
このような結晶子径(C1)と平均粒子径(D1)の調整は、調整は、(1)アルカリ土類金属水酸化物のアルキルセロソルブ溶液中の水分量、(2)アルカリ土類金属水酸化物のアルキルセロソルブ溶液の濃度、(3)(MH2O)/(MT)、(4)加水分解時のアルコール/水の体積比、(5)熟成、(6)分散処理、(7)焼成、これらの組み合わせによって調整することができる。
このような結晶子径(C1)と平均粒子径(D1)との比(C1)/(D1)は0.3〜0.6、さらには0.4〜0.6の範囲にあることが好ましい。
前記比(C1)/(D1)が小さいと、結晶性チタン酸塩の凝集度合いが高いことを示し、誘電体層を形成しても充分緻密にならない場合があり、このため、誘電体層の誘電率や強度が不充分となる場合がある。前記比(C1)/(D1)が前記上限を越えるものは得ることが困難である。
乾燥方法としては、分散媒を除去できれば特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。
焼成工程(g)
乾燥後、本発明では、得られた結晶性チタン酸塩を焼成(加熱処理)してもよい。
焼成することによって、粒成長し、結晶性、結晶子径、粒子径が大きく、粒子径分布の均一な結晶性チタン酸塩を得ることができる。また焼成することによって、誘電率、屈折率をさらに高くすることができる。 焼成温度は500〜1000℃、さらには600〜950℃の範囲にあることが好ましい。
焼成温度が低いと、実質的に乾燥とかわらず、結晶成長が不充分となることがある。焼成温度が高すぎても、誘電率、屈折率がさらに高くなることもない。
焼成して得られる結晶性チタン酸塩は結晶子径(C2)が25〜100nm、さらには30〜80nmの範囲にあることが好ましい。 結晶子径(C2)が大きすぎると、誘電体層を形成しても、薄膜に空隙が存在し、充分緻密にならない場合があり、このため、誘電体層の強度が不充分となる場合や、電気的特性測定時に導通する場合や、比誘電率が不充分となる場合がある。
このような結晶子径の調整は、焼成温度に加え、前記した結晶子径(C1)と同様に、(1)〜(6)を組み合わせることによって行うことができる。
また焼成後の結晶性チタン酸塩は平均粒子径(D2)が40〜150nm、さらには60〜130nmの範囲にあることが好ましい。
平均粒子径(D2)が大きくしすぎても、誘電体層を形成しても、薄膜に空隙が存在し、充分緻密にならない場合があり、このため、誘電体層の強度が不充分となる場合や、電気的特性測定時に導通する場合や、比誘電率が低くなる場合がある。
なお、前記焼成した後の平均粒子径(D2)の範囲が大きすぎる場合、あるいは粒子径分布が不均一で、上限を越える粒子が多く存在する場合は、必要に応じて常法により塊砕し、平均粒子径(D2)が所定の範囲となるようにしてもよい。
つぎに、本発明に係る結晶性チタン酸塩について説明する。
[結晶性チタン酸塩]
本発明に係る結晶性チタン酸塩(A)は、結晶子径(C1)が8〜18nm、好ましくは10〜15nmの範囲にあり、平均粒子径(D1)が10〜40nm、好ましくは12〜25nmの範囲にあり、結晶子径(C1)と平均粒子径(D1)との比(C1)/(D1)が0.3〜0.6、好ましくは0.4〜0.6の範囲にある。このような結晶性チタン酸塩は、上記製造方法によって製造される。
また本発明に係る結晶性チタン酸塩の他の態様(結晶性チタン酸塩(B))は、結晶子径(C2)が25〜100nm、好ましくは、30〜80nmの範囲にあることを特徴としている。結晶性チタン酸塩(B)は平均粒子径(D2)が40〜150nm、さらには60〜130nmの範囲にあることが好ましい。このような結晶性チタン酸塩は、上記製造方法のうち、とくに焼成工程を経て得ることができる。
このような、粒子径の大きな結晶性チタン酸塩(B)は、前記結晶性チタン酸塩(A)と混合して用いると、緻密で強度に優れた薄層の誘電体層を形成することができる。
この時の混合比率は、双方の平均粒子径によっても異なるが、全結晶性チタン酸塩中に粒子径の大きな結晶性チタン酸塩(B)が概ね5〜50重量%、さらには10〜40重量%の範囲にあることが好ましい。
前記結晶性チタン酸塩はペロブスカイト構造を有するアルカリ土類金属のチタン酸塩であることが好ましく、アルカリ土類金属がMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。ペロブスカイト構造を有するアルカリ土類金属のチタン酸塩であると、強誘電性に基づく高い誘電率や圧電定数を有する結晶性チタン酸塩が得られるので好適に用いることができる。
前記アルカリ土類金属としては、Ba、またはBaとCaであることが好ましい。
チタン酸バリウムは特に強誘電性に基づく高い誘電率や圧電定数を有する結晶性チタン酸塩が得られる。また、チタン酸バリウム・カルシウムは、コンデンサーとした場合に、キュリー点での急激な誘電率の変化を抑制するなど特性を有する結晶性チタン酸塩が得られる。この時、チタン酸バリウム・カルシウムのカルシウム/バリウム原子比は概ね0.01〜0.2の範囲にあることが好ましい。
[実施例]
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
結晶性チタン酸塩(1)の調製
工程(a)
水酸化バリウム8水和物(和光純薬工業(株))50gと2-メトキシエタノール(メチルセロソルブ)315gとをビーカーに入れ、超音波を照射しながら30℃で20分間溶解操作をした。ついで、平板濾過器で濾過し、少量の未溶解水酸化バリウムを除去して、水酸化バリウム・2-メトキシエタノール溶液(1-1)を調製した。この時、水分含有量が6.2重量%であった。
ついで、溶液を1Lナス型フラスコに入れ、ロータリーエバポレーター用い、温度70℃、減圧度0.015MPaで1時間、水分除去操作を行って水酸化バリウム・2-メトキシエタノール溶液(1-2)を調製した。
水酸化バリウム・2-メトキシエタノール溶液(1-2)のBa濃度は6.4重量%、水分含有量は0.5重量%であった。
工程(b)
窒素ガス雰囲気下、グローブボックス中にて、水酸化バリウム・2-メトキシエタノール溶液(1-2)170gに、Ba/Ti原子比が1となるようにテトライソプロポキシチタン(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10)24.6gを混合した。
工程(c)
ついで、Tiのモル数(MT)と水のモル数(MH2O)とのモル比(MH2O)/(MT)が16となるように水24.9ml、メタノール24.9mlの混合液を、撹拌下、25℃、2時間で添加してテトライソプロポキシチタンの加水分解を行った。
工程(d)
生成した水和物ゲルを80℃に昇温し、撹拌することなく、48時間熟成し、結晶性チタン酸塩(1)分散液を得た。
得られた結晶性チタン酸塩(1)分散液を200℃で2時間乾燥して粉末化し、X線回折により結晶形と結晶子径を測定し、平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
誘電体層(1)の形成
結晶性チタン酸塩(1)分散液をメチルセロソルブにて溶媒置換し、固形分濃度4重量%の結晶性チタン酸塩(1) メチルセロソルブ分散液を調製した。
ついで、結晶性チタン酸塩(1) メチルセロソルブ分散液を基板(Ti/SiO2/Si)上にスピンコート法により、回転数3200rpmで30秒間塗布し、150℃で5分間乾燥して誘電体層を形成した。これを繰り返し膜厚500nmの誘電体層(1)を形成した。なお、最後の乾燥は200℃で20分間乾燥した。
得られた誘電体層(1)について誘電率、屈折率を以下のようにして測定し、結果を表2に示す。
誘電率
水銀プローブ法(Solid State Measurements 製:SSM495、周波数1MHz)を用いて測定した。(電荷=誘電率×電極面積・膜厚)
屈折率
エリプソメーター(ULVAC社製:EMS−1)により測定した。
[実施例2]
結晶性チタン酸塩(2)の調製
実施例1において、Ba/Ti原子比が1.05となるようにテトライソプロポキシチタン(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10)23.5gを混合し、ついで、Tiのモル数(MT)と水のモル数(MH2O)とのモル比(MH2O)/(MT)が16となるように水23.8ml、メタノール22.3mlの混合液を添加した以外は同様にして結晶性チタン酸塩(2)分散液を調製した。
以下、実施例1と同様にして結晶性チタン酸塩(2)の結晶形と結晶子径、平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
誘電体層(2)の形成
実施例1において、結晶性チタン酸塩(2)分散液を用いた以外は同様にして誘電体層(2)を形成した。得られた誘電体層(2)について誘電率、屈折率を測定し、結果を表2に示す。
[実施例3]
結晶性チタン酸塩(3)の調製
実施例1において、水和物ゲルを60℃に昇温し、撹拌することなく、48時間熟成した以外は同様にして結晶性チタン酸塩(3)分散液を調製した。
以下、実施例1と同様にして結晶性チタン酸塩(3)の結晶形と結晶子径、平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
誘電体層(3)の形成
実施例1において、結晶性チタン酸塩(3)分散液を用いた以外は同様にして誘電体層(3)を形成した。得られた誘電体層(3)について誘電率、屈折率を測定し、結果を表2に示す。
[実施例4]
結晶性チタン酸塩(4)の調製
実施例1において、水和物ゲルを90℃に昇温し、撹拌することなく、48時間熟成した以外は同様にして結晶性チタン酸塩(4)分散液を調製した。
以下、実施例1と同様にして結晶性チタン酸塩(4)の結晶形と結晶子径、平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
誘電体層(4)の形成
実施例1において、結晶性チタン酸塩(4)分散液を用いた以外は同様にして誘電体層(4)を形成した。
得られた誘電体層(4)について誘電率、屈折率を測定し、結果を表2に示す。
[実施例5]
結晶性チタン酸塩(5)の調製
工程(a)
水酸化バリウム8水和物(和光純薬工業(株))48.9gと、水酸化カルシウム(和光純薬工業(株))0.2gと、2-メトキシエタノール315gとをビーカーに入れ、超音波を照射しながら40℃で20分間溶解操作をした。ついで、平板濾過器で濾過し、少量の未溶解水酸化バリウム、水酸化カルシウムを除去して、水酸化バリウム・水酸化カルシウム・2-メトキシエタノール溶液(1-1)を調製した。この時、水分含有量が1重量%であった。
溶液を1Lナス型フラスコに入れ、ロータリーエバポレーター用い、温度70℃、減圧度0.015MPaで2時間水分除去操作を行って水酸化バリウム・水酸化カルシウム・2-メトキシエタノール溶液(1-2)を調製した。
水酸化バリウム・水酸化カルシウム・2-メトキシエタノール溶液(1-2)のBa+Ca濃度は6.3重量%、水分含有量は0.5重量%であった。
工程(b)
窒素雰囲気中のグローブボックス中にて、水酸化バリウム・水酸化カルシウム・2-メトキシエタノール溶液(1-2)170gに、テトライソプロポキシチタン(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10)22.1gを混合した。
工程(c)
Tiのモル数(MT)と水のモル数(MH2O)とのモル比(MH2O)/(MT)が16となるように水22.3ml、メタノール22.3mlの混合液を、撹拌下、25℃、2時間で添加してテトライソプロポキシチタンの加水分解を行った。
工程(d)
ついで、生成した水和物ゲルを80℃に昇温し、撹拌することなく、48時間熟成して、結晶性チタン酸塩(5)分散液を得た。
以下、実施例1と同様にして結晶性チタン酸塩(5)の結晶形と結晶子径、平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
誘電体層(5)の形成
実施例1において、結晶性チタン酸塩(5)分散液を用いた以外は同様にして誘電体層(5)を形成した。
得られた誘電体層(5)について誘電率、屈折率を測定し、結果を表2に示す。
[実施例6]
結晶性チタン酸塩(6)の調製
実施例1において、テトライソプロポキシチタン(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10)22.1gの代わりにテトライソブトキシチタン(高純度化学社製)29.5gを混合した以外は同様にして結晶性チタン酸塩(6)分散液を調製した。
以下、実施例1と同様にして結晶性チタン酸塩(6)の結晶形と結晶子径、平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
誘電体層(6)の形成
実施例1において、結晶性チタン酸塩(6)分散液を用いた以外は同様にして誘電体層(6)を形成した。得られた誘電体層(6)について誘電率、屈折率を測定し、結果を表2に示す。
[実施例7]
結晶性チタン酸塩(7)の調製
実施例1において、2-メトキシエタノール315gの代わりにエチルセロソルブを315gビーカーに入れ、超音波を照射しながら40℃で20分間溶解操作をした以外は同様にして結晶性チタン酸塩(7)分散液を調製した。
以下、実施例1と同様にして結晶性チタン酸塩(7)の結晶形と結晶子径、平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
誘電体層(7)の形成
結晶性チタン酸塩(7)分散液をエチルセロソルブに溶媒置換し、固形分濃度4重量%の結晶性チタン酸塩(7) エチルセロソルブ分散液を調製した。
ついで、結晶性チタン酸塩(7) エチルセロソルブ分散液を用いた以外は実施例1と同様にして誘電体層(7)を形成した。得られた結晶性チタン酸塩(7)分散液を用いた以外は同様にして誘電体層(7)を形成した。得られた誘電体層(7)について誘電率、屈折率を測定し、結果を表2に示す。
[実施例8]
結晶性チタン酸塩(8)の調製
実施例1と同様にして調製した結晶性チタン酸塩(1)分散液を200℃で2時間乾燥し、ついで800℃で3時間焼して結晶性チタン酸塩(8)を得た。
結晶性チタン酸塩(8)を固形分濃度4重量%となるようにメチルセロソルブに分散させ、ナノマイザーにより塊砕処理をして結晶性チタン酸塩(8) メチルセロソルブ分散液を調製した。
得られた結晶性チタン酸塩(8) メチルセロソルブ分散液を200℃で2時間乾燥して粉末化し、X線回折により結晶形と結晶子径を測定し、平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
誘電体層(8)の形成
実施例1において、結晶性チタン酸塩(8) メチルセロソルブ分散液を用いた以外は同様にして誘電体層(8)を形成した。得られた誘電体層(8)について誘電率、屈折率を測定し、結果を表2に示す。
[実施例9]
結晶性チタン酸塩(9)の調製
工程(a)
実施例1において、ロータリーエバポレーター用い、温度70℃、減圧度0.015MPaで5時間、水分除去操作を行って水酸化バリウム・2-メトキシエタノール溶液(1-2)を調製した。この時、水分含有量が0.2重量%であった。
水酸化バリウム・2-メトキシエタノール溶液(1-2)のBaO濃度は7.0重量%、水分含有量は0.2重量%であった。
以下、実施例1と同様にして結晶性チタン酸塩(9)分散液を調製し、ついで、実施例1と同様にして結晶性チタン酸塩(9)の結晶形と結晶子径、平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
誘電体層(9)の形成
実施例1において、結晶性チタン酸塩(9) メチルセロソルブ分散液を用いた以外は同様にして誘電体層(9)を形成した。得られた誘電体層(9)について誘電率、屈折率を測定し、結果を表2に示す。
[実施例10]
結晶性チタン酸塩(10)の調製
工程(a)
実施例1において、ロータリーエバポレーター用い、温度70℃、減圧度0.015MPaで1時間、水分除去操作を行って水酸化バリウム・2-メトキシエタノール溶液(1-2)を調製した。
水酸化バリウム・2-メトキシエタノール溶液(1-2)のBaO濃度は7.0重量%、水分含有量は2.0重量%であった。
以下、実施例1と同様にして結晶性チタン酸塩(10)分散液を調製し、ついで、実施例1と同様にして結晶性チタン酸塩(10)の結晶形と結晶子径、平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
誘電体層(10)の形成
実施例1において、結晶性チタン酸塩(10) メチルセロソルブ分散液を用いた以外は同様にして誘電体層(10)を形成した。得られた誘電体層(10)について誘電率、屈折率を測定し、結果を表2に示す。
[実施例11]
結晶性チタン酸塩(11)の調製
工程(a)
水酸化バリウム8水和物(和光純薬工業(株))50gと2-メトキシエタノール315gとをビーカーに入れ、超音波を照射しながら40℃で20分間溶解操作をした。ついで、平板濾過器で濾過し、少量の未溶解水酸化バリウムを除去して、水酸化バリウム・2-メトキシエタノール溶液(1-1)を調製した。この時、Ba濃度は6.0重量%、水分含有量が6.2重量%であった。
以下、水分除去することなく実施例1と同様にして結晶性チタン酸塩(11)分散液を調製し、ついで、実施例1と同様にして結晶性チタン酸塩(11)の結晶形と結晶子径、平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
誘電体層(11)の形成
実施例1において、結晶性チタン酸塩(11) メチルセロソルブ分散液を用いた以外は同様にして誘電体層(11)を形成した。
得られた誘電体層(11)について誘電率、屈折率を測定し、結果を表2に示す。
[比較例1]
結晶性チタン酸塩(R1)の調製
水酸化バリウム8水和物(和光純薬工業(株))50gと水315gとをビーカーに入れ、超音波を照射しながら30℃で20分間溶解操作をした。ついで、平板濾過器で濾過し、少量の未溶解水酸化バリウムを除去して、水酸化バリウム・水溶液(1-1)を調製した。この時、Ba濃度は6.4重量%であった。
工程(b)
水酸化バリウム・水溶液(1-1)170gに、Ba/Ti原子比が1となるようにテトライソプロポキシチタン(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10)24.6gを、25℃、1時間で混合してテトライソプロポキシチタンの加水分解を行った。
ついで、生成した水和物ゲルを80℃に昇温し、撹拌することなく、48時間熟成し、結晶性チタン酸塩(R1)分散液を調製した。
得られた結晶性チタン酸塩(R1)分散液を200℃で2時間乾燥して粉末化し、X線回折により結晶形と結晶子径を測定し、平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
ついで、結晶性チタン酸塩(R1)分散液をメチルセロソルブにて溶媒置換し、固形分濃度4重量%の結晶性チタン酸塩(R1) メチルセロソルブ分散液を調製した。
誘電体層(R1)の形成
実施例1において、結晶性チタン酸塩(R1) メチルセロソルブ分散液を用いた以外は同様にして誘電体層(R1)を形成した。得られた誘電体層(R1)について誘電率、屈折率を測定し、結果を表2に示す。
[比較例2]
結晶性チタン酸塩(R2)の調製
工程(b)
実施例1と同様にして調製した水酸化バリウム・2-メトキシエタノール溶液(1-2)153gに、Ba/Ti原子比が0.8となるようにテトライソプロポキシチタン(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10)24.6gを混合した。
工程(c)
Tiのモル数(MT)と水のモル数(MH2O)とのモル比(MH2O)/(MT)が16となるように水24.9ml、メタノール24.9mlの混合液を、撹拌下、25℃、2時間で添加してテトライソプロポキシチタンの加水分解を行った。
工程(d)
ついで、生成した水和物ゲルを80℃に昇温し、撹拌することなく、48時間熟成し、結晶性チタン酸塩(R2)分散液を得た。
得られた結晶性チタン酸塩(R2)分散液を200℃で2時間乾燥して粉末化し、X線回折により結晶形と結晶子径を測定し、平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
ついで、結晶性チタン酸塩(R2)分散液をメチルセロソルブにて溶媒置換し、固形分濃度4重量%の結晶性チタン酸塩(R2) メチルセロソルブ分散液を調製した。
誘電体層(R2)の形成
実施例1において、結晶性チタン酸塩(R2) メチルセロソルブ分散液を用いた以外は同様にして誘電体層(R2)を形成した。
得られた誘電体層(R2)について誘電率、屈折率を測定し、結果を表2に示す。
[比較例3]
結晶性チタン酸塩(R3)の調製
工程(b)
実施例1と同様にして調製した水酸化バリウム・2-メトキシエタノール溶液(1-2)204gに、Ba/Ti原子比が1.2となるようにテトライソプロポキシチタン(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10)24.6gを混合した。
工程(c)
Tiのモル数(MT)と水のモル数(MH2O)とのモル比(MH2O)/(MT)が16となるように水24.9ml、メタノール24.9mlの混合液を、撹拌下、25℃、2時間で添加してテトライソプロポキシチタンの加水分解を行った。
工程(d)
生成した水和物ゲルを80℃に昇温し、撹拌することなく、48時間熟成し、結晶性チタン酸塩(R3)分散液を得た。
得られた結晶性チタン酸塩(R3)分散液を200℃で2時間乾燥して粉末化し、X線回折により結晶形と結晶子径を測定し、平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
結晶性チタン酸塩(R3)分散液をメチルセロソルブにて溶媒置換し、固形分濃度4重量%の結晶性チタン酸塩(R3) メチルセロソルブ分散液を調製した。
誘電体層(R3)の形成
実施例1において、結晶性チタン酸塩(R3) メチルセロソルブ分散液を用いた以外は同様にして誘電体層(R3)を形成した。得られた誘電体層(R3)について誘電率、屈折率を測定し、結果を表2に示す。
[比較例4]
結晶性チタン酸塩(R4)の調製
実施例1において、工程(d)の熟成温度を40℃とした以外は同様にして結晶性チタン酸塩(R4)分散液を得た。得られた結晶性チタン酸塩(R4)分散液を200℃で2時間乾燥して粉末化し、X線回折により結晶形と結晶子径を測定し、平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
結晶性チタン酸塩(R4)分散液をメチルセロソルブにて溶媒置換し、固形分濃度4重量%の結晶性チタン酸塩(R4) メチルセロソルブ分散液を調製した。
誘電体層(R4)の形成
実施例1において、結晶性チタン酸塩(R4) メチルセロソルブ分散液を用いた以外は同様にして誘電体層(R4)を形成した。得られた誘電体層(R4)について誘電率、屈折率を測定し、結果を表2に示す。
[比較例5]
結晶性チタン酸塩(R5)の調製
実施例1において、工程(d)の熟成温度を150℃とした以外は同様にして結晶性チタン酸塩(R5)分散液を得た。得られた結晶性チタン酸塩(R5)分散液を200℃で2時間乾燥して粉末化し、X線回折により結晶形と結晶子径を測定し、平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
結晶性チタン酸塩(R5)分散液をメチルセロソルブにて溶媒置換し、固形分濃度4重量%の結晶性チタン酸塩(R5) メチルセロソルブ分散液を調製した。
誘電体層(R5)の形成
実施例1において、結晶性チタン酸塩(R5) メチルセロソルブ分散液を用いた以外は同様にして誘電体層(R5)を形成した。得られた誘電体層(R5)について誘電率、屈折率を測定し、結果を表2に示す。
[比較例6]
結晶性チタン酸塩(R6)の調製
水酸化バリウム8水和物(和光純薬工業(株))50gを90℃に加温した水395gに添加して撹拌し、水酸化バリウム水溶液を調製した。別途、テトライソプロポキシチタン(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10)50.5gをイソプロピルアルコール1.8Lに溶解してテトライソプロポキシチタン・イソプロピルアルコール溶液を調製した。
ついで、水酸化バリウム水溶液とテトライソプロポキシチタン・イソプロピルアルコール溶液を混合し、80℃で1時間熟成を行って、結晶性チタン酸塩(R6)分散液を得た。
得られた結晶性チタン酸塩(R6)分散液を200℃で2時間乾燥して粉末化し、X線回折により結晶形と結晶子径を測定し、平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
ついで、結晶性チタン酸塩(R6)分散液をメチルセロソルブにて溶媒置換し、固形分濃度4重量%の結晶性チタン酸塩(R6) メチルセロソルブ分散液を調製した。
誘電体層(R6)の形成
実施例1において、結晶性チタン酸塩(R6) メチルセロソルブ分散液を用いた以外は同様にして誘電体層(R6)を形成した。
得られた誘電体層(R6)について誘電率、屈折率を測定し、結果を表2に示す。
[比較例7]
結晶性チタン酸塩(R7)の調製
水酸化バリウム8水和物(和光純薬工業(株))50gを、90℃に加温した水395gに添加して撹拌し、水酸化バリウム水溶液を調製した。別途、テトライソプロポキシチタン(マツモトファインケミカル(株)製:オルガチックスTA−10)49.8gをイソプロピルアルコール0.14Lに溶解してテトライソプロポキシチタン・イソプロピルアルコール溶液を調製した。
ついで、水酸化バリウム水溶液とテトライソプロポキシチタン・イソプロピルアルコール溶液を混合し、80℃で1時間熟成を行って、結晶性チタン酸塩(R7)分散液を得た。
得られた結晶性チタン酸塩(R7)分散液を200℃で2時間乾燥して粉末化し、X線回折により結晶形と結晶子径を測定し、平均粒子径を測定し、結果を表1に示す。
結晶性チタン酸塩(R7)分散液をメチルセロソルブにて溶媒置換し、固形分濃度4重量%の結晶性チタン酸塩(R7) メチルセロソルブ分散液を調製した。
誘電体層(R7)の形成
実施例1において、結晶性チタン酸塩(R7) メチルセロソルブ分散液を用いた以外は同様にして誘電体層(R7)を形成した。得られた誘電体層(R7)について誘電率、屈折率を測定し、結果を表2に示す。
[比較例8]
結晶性チタン酸塩(R5)の調製
実施例1において、工程(d)を実施しなかった以外は同様にして結晶性チタン酸塩(R5)分散液を得た。
得られた結晶性チタン酸塩(R5)分散液を200℃で2時間乾燥して粉末化し、X線回折により結晶形と結晶子径(1)を測定し、平均粒子径(1)を測定し、結果を表に示す。
ついで、結晶性チタン酸塩(R5)分散液をメチルセロソルブにて溶媒置換し、固形分濃度4重量%の結晶性チタン酸塩(R5) メチルセロソルブ分散液を調製した。
誘電体層(R5)の形成
実施例1において、結晶性チタン酸塩(R5) メチルセロソルブ分散液を用いた以外は同様にして誘電体層(R5)を形成した。
得られた誘電体層(R5)について誘電率、屈折率を測定し、結果を表に示す。

[実施例12]
結晶性チタン酸塩(12)の調製
実施例1と同様にして調製し、乾燥した結晶性チタン酸塩(1)25gと、実施例8と同様にして調製し、乾燥した結晶性チタン酸塩(8)75gとを混合して結晶性チタン酸塩(12)を調製した。
結晶性チタン酸塩(12)を固形分濃度4重量%となるようにメチルセロソルブに分散させて結晶性チタン酸塩(8) メチルセロソルブ分散液を調製した。
誘電体層(12)の形成
実施例1において、結晶性チタン酸塩(12) メチルセロソルブ分散液を用いた以外は同様にして誘電体層(12)を形成した。得られた誘電体層(12)について誘電率、屈折率を測定し、結果を表2に示す。
[実施例13]
結晶性チタン酸塩(13)の調製
実施例1と同様にして調製し、乾燥した結晶性チタン酸塩(1)10gと、実施例8と同様にして調製し、乾燥した結晶性チタン酸塩(8)90gとを混合して結晶性チタン酸塩(13)を調製した。結晶性チタン酸塩(13)を固形分濃度4重量%となるようにメチルセロソルブに分散させて結晶性チタン酸塩(13) メチルセロソルブ分散液を調製した。
誘電体層(13)の形成
実施例1において、結晶性チタン酸塩(13) メチルセロソルブ分散液を用いた以外は同様にして誘電体層(13)を形成した。得られた誘電体層(13)について誘電率、屈折率を測定し、結果を表2に示す。
[実施例14]
結晶性チタン酸塩(14)の調製
実施例1と同様にして調製し、乾燥した結晶性チタン酸塩(1)40gと、実施例8と同様にして調製し、乾燥した結晶性チタン酸塩(8)60gとを混合して結晶性チタン酸塩(14)を調製した。結晶性チタン酸塩(14)を固形分濃度4重量%となるようにメチルセロソルブに分散させて結晶性チタン酸塩(14) メチルセロソルブ分散液を調製した。
誘電体層(14)の形成
実施例1において、結晶性チタン酸塩(14) メチルセロソルブ分散液を用いた以外は同様にして誘電体層(14)を形成した。得られた誘電体層(14)について誘電率、屈折率を測定し、結果を表2に示す。

Claims (12)

  1. 下記の工程(a)〜(d)からなることを特徴とする結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩の製造方法;
    (a)液中の水分の含有量が5を超えて8重量%以下である、アルカリ土類金属水酸化物のアルキルセロソルブ溶液を調製する工程、
    (b)アルカリ土類金属とTiの原子比(アルカリ土類金属/Ti比)が1〜1.1の範囲となるようにチタンアルコキシドを混合する工程、
    (c)チタンアルコキシドのモル数の当量以上となる水分存在下で、加水分解する工程、
    (d)温度50〜120℃で熟成する工程。
  2. 前記工程(c)において、水分として、水とアルコールの混合液を混合することを特徴とする請求項1に記載の結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩の製造方法。
  3. 前記アルカリ土類金属が、BaまたはBaとCaであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩の製造方法。
  4. 前記チタンアルコキシドが下記式(1)で表されるチタン化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩の製造方法。
    Ti(OR)4・・・・・(1)
    (但し、Rは炭素数1〜4の炭化水素基、またはこれらの1つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換された置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  5. 得られた結晶性チタン酸塩がペロブスカイト構造を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩の製造方法。
  6. 前記工程(d)についで下記工程(f)を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩の製造方法;(f)溶媒置換する工程。
  7. 前記工程(d)ないし前記工程(f)のいずれかの工程についで下記工程(g)を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩の製造方法;(g)乾燥し、ついで500〜1000℃で加熱処理する工程。
  8. 結晶子径(C1)が8〜18nmの範囲にあり、平均粒子径(D1)が10〜40nmの範囲にあり、結晶子径(C1)と平均粒子径(D1)との比(C1)/(D1)が0.3〜0.6の範囲にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩の製造方法。
  9. 加熱処理後の結晶子径(C2)が25〜100nmの範囲にあることを特徴とする請求項7に記載の結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩の製造方法。
  10. 請求項8に記載の方法で得られた結晶子径(C1)が8〜18nmの範囲にあり、平均粒子径(D1)が10〜40nmの範囲にあり、結晶子径(C1)と平均粒子径(D1)との比(C1)/(D1)が0.3〜0.6の範囲にある結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩(1)と、
    請求項9に記載の方法で得られた結晶子径(C2)が25〜100nmの範囲にあり、平均粒子径(D2)が40〜150nmの範囲にある結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩(2)との 混合結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩であって、結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩(1)の混合割合が5〜50重量%の範囲にあることを特徴とする結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩。
  11. 前記結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩がペロブスカイト構造を有するアルカリ土類金属のチタン酸塩であることを特徴とする請求項10に記載の結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩。
  12. 前記アルカリ土類金属がBaまたはBaとCaであることを特徴とする請求項11に記載の結晶性チタン酸アルカリ土類金属塩。
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