JP4743481B2 - チタン含有ペロブスカイト型化合物およびその製造方法 - Google Patents

チタン含有ペロブスカイト型化合物およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、チタン含有ペロブスカイト型化合物、特に誘電材料、圧電材料、焦電材料、積層セラミックコンデンサ、基板内コンデンサ、フィルムコンデンサ、薄膜材料等の電子材料等に用いられるチタン含有ペロブスカイト型化合物およびその製造方法に関する。
チタン酸バリウム等のチタン含有ペロブスカイト型化合物は、誘電性、圧電性、焦電性などの優れた電気的特性を示すため、誘電材料、圧電材料、焦電材料などの機能材料として広く用いられている。例えば、積層セラミックコンデンサ、基板内コンデンサを始めとする様々なキャパシタ材料、誘電体フィルタ、誘電体アンテナ、誘電体共振器、誘電体デュプレクサ、キャパシタ、フェイズシフタ、積層圧電アクチュエータなどが挙げられる。
チタン含有ペロブスカイト型化合物は、溶剤と混合して、スラリーもしくはペースト化し、成形・焼結化、シート化、樹脂との複合化などを経て、薄膜形状物、磁器などの電子材料として用いられている。近年、電子部品の小型化、軽量化、高性能化、信号の高周波数化が進んでいることから、粒径が小さく、誘電率などの電気的特性に優れた微粒子状チタン含有ペロブスカイト型化合物等の開発が望まれている。
しかしながら、チタン含有ペロブスカイト型化合物において、高誘電性を維持したまま粒径を小さくすることは非常に難しい。例えば、チタン酸バリウムの場合には、正方晶化率が高いチタン酸バリウムは、誘電率が高いなどの電気特性に優れ強誘電性を示すが、十分に粒径を小さくすることができず、また、粒径の小さいチタン酸バリウムは、正方晶化率を高くできず、常誘電性を示し、十分に誘電率を高くできなかった。
例えば、チタン酸バリウム粒子を製造する方法としては、酸化物や炭酸塩を原料とし、それらの粉末をボールミル等で混合した後、約800℃以上の高温で反応させて製造する固相法、まず蓚酸複合塩を調製し、これを熱分解してチタン酸バリウム粒子を得る蓚酸法、原料を水溶媒中で高温高圧として反応させて前駆体を得る水熱合成法、金属アルコキシドを原料とし、それらを加水分解して前駆体を得るアルコキシド法などがある。また、チタン化合物の加水分解生成物と水溶性バリウムを強アルカリ中で反応する方法(例えば、特許第1841875号公報(特許文献1))、酸化チタンゾルとバリウム化合物を強アルカリ水溶液中で反応させる方法(例えば、国際公開第00/35811号パンフレット(EP1148030)(特許文献2))、酸化チタンゾルとバリウム化合物を密閉容器中で反応させる方法(例えば、特開平7-291607号公報(特許文献3))、塩基性化合物の存在するアルカリ溶液中で、酸化チタンゾルとバリウム化合物を反応させた後、塩基性化合物を気体として除去し、焼成する方法(例えば、国際公開第03/004416号パンフレット(EP1415955)(特許文献4))などがある。また、バリウムをその結晶水に相当する量の水分に溶解してなる高濃度の塩基性溶液に、高比表面積の酸化チタン微粉末を添加して比較的低温で複合酸化物粉末を得た後、900℃以上で焼成(仮焼)して正方晶化する方法も提案されている(特開2003-252623公報(特許文献5))。
しかしながら、固相法は製造コストが低く、欠陥がない電気的特性に優れたチタン酸バリウムが得られるものの、生成したチタン酸バリウム粒子は粒径が大きく、小型の薄膜形状物等の電子材料には適さない。
蓚酸塩法は固相法よりも小さな粒子が得られるものの、蓚酸に由来する炭酸基が残り、内部に取り込まれた水に起因して水酸基が残留するため、電気的特性が低下する。
水熱合成法とアルコキシド法では、微細なチタン酸バリウム粒子が得られるが、粒子内部に取り込まれた水に起因する水酸基の残留が多い。加熱処理を行うことで水酸基を除去することは可能であるが、その際に粒子内部に空孔が生成する。そのため、電気的特性に優れたチタン酸バリウムが得られにくい。またアルコキシド法では炭酸基が残留する。また、水熱法は、高温高圧条件下で行うための専用設備が必要となり、コストが高くなるという問題がある。
特許第1841875号公報(特許文献1)および国際公開第00/35811号パンフレット(EP1148030)(特許文献2)の方法は、水洗工程が必要であるが、この工程でバリウムの溶解とそれにより生じる水酸基の取り込みが起こる。加熱処理を行うことで水酸基を除去することは可能であるが、その際に粒子内部に空孔が生成するため、電気的特性に優れたチタン酸バリウムが得られにくい。特開平7-291607号公報(特許文献3)の方法は、密閉容器中で粉砕メディアを撹拌させながら加熱して反応させるため、専用設備が必要となり、コストが高くなるという問題がある。
また、バリウムをその結晶水に相当する量の水分に溶解した高濃度の塩基水溶液を用いる特開2003-252623公報(特許文献5)の方法は、高粘度スラリーでの反応であり、反応速度の点から250m2/g以上の比表面積の大きなTiO2粉末を用いる必要があり、さらに、スラリー反応後の複合酸化物は立方晶であり、強誘電性を示す正方晶とするには900℃以上での焼成が必要であり、この焼成により粒径は大きく(具体的には6倍程度以上に)増大する。
特許第1841875号公報 国際公開第00/35811号パンフレット 特開平7−291607号公報 国際公開第03/004416号パンフレット 特開2003−252623公報
本発明の課題は、電子機器の小型化を可能とする小型のコンデンサに必要な薄膜の誘電体磁器、誘電体フィルム、誘電体塗膜などの薄膜形成物を成形可能な、粒径が小さく、不要な不純物が少なく、電気的特性の優れたチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法およびこの方法によるチタン含有ペロブスカイト型化合物並びにそれを用いた電子部品を提供することである。
本発明者らは、前述の課題を鋭意検討した結果、塩基性化合物の存在するアルカリ性溶液中で、チタン原料の少なくとも一つとして気相法で製造された酸化チタンを用い、これとアルカリ土類金属化合物を反応させ、反応後、塩基性化合物を気体とともに除去することにより、原料酸化チタンの一次粒径とほぼ同等な一次粒径を有し、かつ強誘電性を示す電気的特性に優れたチタン含有ペロブスカイト型化合物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、好ましい態様として以下のペロブスカイト型化合物の製造方法、この方法により製造されるペロブスカイト型化合物及びこれを用いてなる電子材料等を提供する。
1. アルカリ性溶液中で、気相法で製造された酸化チタンをアルカリ土類金属化合物及びPb化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種と反応させる工程を有することを特徴とするチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
2. 次式(1)
(式中、ρは粒子の密度であり、SはBET法で求めた粒子の比表面積である。)により球に換算して求めたチタン含有ペロブスカイト型化合物の一次粒径(D1)が、原料酸化チタンの一次粒径の50〜200%である前記1に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
3. BET比表面積3〜200m2/gを有する超微粒子酸化チタンを使用する前記1または2に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
4. 四塩化チタンを酸化性ガスで高温酸化して製造された酸化チタンを使用する前記1乃至3のいずれか1項に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
5. 500℃以上に予熱された四塩化チタン含有ガス及び酸化性ガスをそれぞれ流速10m/秒以上の導入速度で反応管に導入することにより製造された酸化チタンを使用する前記4に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
6. 前記反応管内において600℃を超える高温条件下に1秒以下の時間、四塩化チタン含有ガス及び酸化性ガスを滞留させ反応させて製造された酸化チタンを使用する前記5に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
7. 前記反応管内におけるガスの平均流速を5m/秒以上として製造された酸化チタンを使用する前記6に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
8. 予熱した四塩化チタン含有ガス及び酸化性ガスを、反応管内で乱気流を生じるように反応管内に導入することにより製造された酸化チタンを使用する前記4乃至7のいずれかに記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
9. 四塩化チタン含有ガス及び酸化性ガスを、内管の内径が50mm以下である同軸平行流ノズルにより反応管内に供給して製造された酸化チタンを使用する前記4乃至8のいずれかに記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
10. 前記四塩化チタン含有ガスが、四塩化チタンを10〜100%含有する前記4乃至9のいずれかに記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
11. 前記四塩化チタン含有ガス及び酸化性ガスを予熱する温度が800℃以上である前記4乃至10のいずれかに記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
12. 90%累積重量粒度分布径D90が2.2μm以下である酸化チタンを使用する前記1乃至11のいずれかに記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
13. 下記(2)のロジン・ラムラー式
(式中、Dは粒径を表し、Rは粒径(D)より大きな粒子の数の全粒子数に対する百分率であり、nは分布定数であり、bは粒度特性数の逆数である。)による分布定数nが1.7以上である酸化チタンを使用する前記1乃至12のいずれか1項に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
14. アナターゼ型酸化チタンを含む酸化チタンを使用する前記1乃至13のいずれかに記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
15. 塩基性化合物の存在するアルカリ性溶液を使用する請求項1に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
16. 塩基性化合物が、アンモニア、有機アミン、及びアンモニウム塩の水酸化物から選択される前記15に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
17. 前記1乃至16のいずれかの方法により製造されたチタン含有ペロブスカイト型化合物。
18. 強誘電性である前記17記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物。
19. 前記18に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物を含む誘電材料。
20. 前記18に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物を含むペースト。
21. 前記18に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物を含むスラリー。
22. 前記18に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物を含む薄膜状形成物。
23. 前記18に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物を含む誘電体磁器。
24. 前記18に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物を含む焦電体磁器。
25. 前記18に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物を含む圧電体磁器。
26. 前記23に記載の誘電体磁器を含むコンデンサ。
27. 前記22乃至26のいずれか1項に記載の薄膜状形成物、磁器およびコンデンサからなる群から選ばれる少なくとも一種を含む電子機器。
28. 前記22乃至26のいずれか1項に記載の薄膜状形成物または磁器を一種または二種以上含むセンサー。
29. 前記18に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物を用いた誘電体フィルム。
30. 前記28に記載の誘電体フィルムを用いたコンデンサ。
31. 前記18に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物を用いた強誘電体メモリ。
32. 前記18に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物を用いた基板内コンデンサ。
本発明によるチタン含有ペロブスカイト型化合物は、湿式合成法により得られる粒子であり、その一次粒径は酸化チタンの一次粒径とほぼ同等であり強誘電性を示す。この粒子は粒径が小さく、分散性に優れ、耐熱性が高く、電気的特性に優れたものである。
本発明の実施態様の一つであるチタン含有ペロブスカイト型化合物から得られる誘電体磁器等の誘電材料を用いることにより積層セラミックコンデンサ、基板内コンデンサ、フィルムコンデンサ、圧電材料等の小型の電子部品が得られ、さらにこれらを電子機器に用いることにより、電子機器の小型化、軽量化が可能となる。
以下、本発明の実施態様の一つであるチタン含有ペロブスカイト型化合物及びその製造方法を詳しく説明する。
(I)チタン含有ペロブスカイト型化合物
本発明のチタン含有ペロブスカイト型化合物は、一般式ABO3で表されるペロブスカイト型化合物であり、Aサイトを主としてアルカリ土類金属またはPbが占めると共に、BサイトをTiが占めた化合物をいう。例えば、AサイトをBa、BサイトをTiが占めた純粋なチタン酸バリウムでは130℃付近で正方晶から立方晶に相転移するが、本発明のチタン含有ペロブスカイト型化合物は、同様な相転移による強誘電性が確認される限りにおいて、Aサイトの一部が、他の金属元素で置換されていてもよい。
一般に相転移温度はシフターと呼ばれるCa,Mg,Sr,Pb,Si,Fe,Zr,La,Sb,Beを添加することにより任意に制御することが可能である。また原料や製造途中で混入する不純物によってもチタン含有ペロブスカイト型化合物の相転移温度が変化することが知られている。従って、本発明におけるチタン含有ペロブスカイト型化合物が前記Aサイトに含み得る金属は、主としてアルカリ土類金属あるいはPbであるが、Ca,Mg,Sr,Pb,Si,Fe,Zr,La,Sb,Beまたは原料や製造途中で混入する不純物(例えば、アルカリ金属元素等)で置換されていてもよい。
これらの金属の含有量は、以下に述べる製造方法において強誘電性が発現する限りにおいて限定されないが、例えば、純粋なチタン酸バリウムでは正方晶で強誘電性が発現し、立方晶では強誘電性を発現しないことが知られており、この純粋なチタン酸バリウムと同様な挙動を示すものが好ましい。なお、チタン酸バリウムの場合の強誘電性は、示差走査熱量計を用いて、室温から昇温したときに130℃付近で吸熱を示すピークと、加熱した温度から降温したときに130℃付近に発熱を示すピークとして検出される。また、その130℃付近のピークの面積は、強誘電性の大きさとして検出することができる。
従って、本発明の実施態様の一つであるチタン含有ペロブスカイト型化合物は湿式合成法により得られ、好ましくは該粒子が強誘電性を示すという特徴を有する。また、本発明の実施態様の一つであるチタン含有ペロブスカイト型化合物は微粉末状であり、原料の酸化チタンの一次粒径とほぼ同等の微細な粒子であるという特徴を有する。具体的には、得られたチタン含有ペロブスカイト型化合物の一次粒径が、下記式
(式中、ρは粒子の密度であり、SはBET法で求めた粒子の比表面積である。)により球に換算して求めた比表面積球相当径において、原料酸化チタン一次粒径の50〜200%、好ましくは60〜135%、さらに好ましくは70〜120%であることを特徴とする。原料と製品とで一次粒径がほぼ同等であるため、材料設計が容易であり、また、チタン含有ペロブスカイト型化合物中への水酸基等の官能基の取り込みが実質的にない。さらに、本発明のチタン含有ペロブスカイト型化合物は耐熱性が高く、分散性が優れているという特徴を有する。
チタン含有ペロブスカイト型化合物の耐熱性は、熱機械分析装置を用いてチタン酸バリウムをバインダーで混練・加圧成形して得られた錠剤を、20℃/分の昇温速度で測定したときの室温から1100℃の収縮率を測定することにより検知することができる。
ここでいう分散性とは、チタン含有ペロブスカイト型化合物粒子を用いて電子部品を得る過程で、適当な溶剤中に分散する性質をいう。また、チタン含有ペロブスカイト型化合物は分散時に湿式、乾式などの適当な方法で解砕させてもよい。
このように、本発明のチタン含有ペロブスカイト型化合物は、粒径が小さく分散性に優れ、かつ、誘電率などの電気的特性に優れたものである。この粒子から得られる誘電体磁器、誘電体フィルム、誘電体塗膜などの薄膜形成物の誘電材料に用いることにより基板内コンデンサ、積層セラミックコンデンサ等の小型の電子部品が得られ、さらにこれらを電子機器に用いることにより、電子機器の小型化、軽量化が可能となる。
(II)チタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法
本発明の実施態様の一つである製造方法は、塩基性化合物の存在するアルカリ性溶液中で、気相法酸化チタンとアルカリ土類金属化合物を反応させる工程を含み、強誘電性を示すチタン含有ペロブスカイト型化合物を得ることを特徴とする、強誘電性を示すチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法である。本発明の方法によれば、焼成工程を含まない場合においても、強誘電性を示すチタン含有ペロブスカイト型化合物を製造することが可能である。
本発明で用いられる気相法で製造された酸化チタンの一次粒径は、特に制限はないが、7〜500nm、好ましくは10〜200nm、さらに好ましくは15〜100nmである。ここで、一次粒径は、上記式(1)で表わされる比表面積球相当径として求めた値である。
本発明で用いられる気相法で製造された酸化チタン(以下、気相法酸化チタンと略することがある。)は、特に制限はないが、アナターゼ型結晶やブルッカイト型結晶を含有するものが好ましい。アナターゼ型結晶を含有するものであればアナターゼ型の酸化チタン単独、またはルチル型の酸化チタンを含んでもよい。ルチル型の酸化チタンを含む場合、酸化チタン中のアナターゼの割合は特に制限はないが、通常、1〜100質量%であり、好ましくは20〜100質量%、より好ましくは50〜100質量%である。これは、アナターゼ型の酸化チタンのほうが、ルチル型よりもアルカリ土類金属化合物と反応しやすいためである。
気相法酸化チタンの製造方法は、特に制限されるものではないが、例えば四塩化チタンを酸素または水蒸気のような酸化性ガスを用いて、約1000℃の反応条件下で酸化させると微粒子酸化チタンが得られる。好ましい反応形態として、国際公開第01/16027号パンフレット(EP1231186)による方法などを例示することができる。
以下、本発明における原料となる酸化チタンの製造方法について、さらに具体的に説明する。
気相法における粒子の成長機構には大別して2種類あり、一つは、CVD(化学的気相成長)であり、もう一つは粒子の衝突(合体)や焼結による成長である。本発明の目的とするような超微粒子状の酸化チタンを得るためには、いずれの成長時間も短くしなければならない。すなわち、前者の成長においては、予熱温度を高めておいて化学的反応性(反応速度)を高めること等により成長を抑えることができる。後者の成長においては、CVDが完結した後、速やかに冷却、希釈等を行い、高温滞留時間を極力小さくすることにより、焼結等による成長を抑えることができる。
四塩化チタンを含有するガスを酸化性ガスで高温酸化することによって酸化チタンを製造する気相法において、四塩化チタンを含有するガスおよび酸化性ガスをそれぞれ500℃以上に予熱しておくことによって、CVDの成長を抑えることができ、BET比表面積が3〜200m2/gの微粒子酸化チタンを得ることができる。
原料となる四塩化チタンを含有するガスは、ガス中の四塩化チタン濃度が10〜100%であることが好ましく、さらに好ましくは20〜100%である。四塩化チタン濃度が10%以上のガスを原料として用いると、均一核の発生が多くなり、また反応性が高くなるので、CVD支配により成長した粒子が形成されにくくなり、粒度分布の狭い粒子が得られる。
また、四塩化チタンを含有するガス中の四塩化チタンを希釈するガスは四塩化チタンと反応せず、かつ酸化されないものを選択すべきである。具体的には、好ましい希釈ガスとして、窒素、アルゴン等が挙げられる。
四塩化チタンを含有するガスと酸化性ガスの予熱温度は500℃以上であることが必要であり、好ましくは800℃以上である。
予熱温度が500℃より低いと、均一核の発生が少なく、かつ反応性が低いため粒度分布のブロードな粒子となってしまう。
四塩化チタンを含有するガスと酸化性ガスを反応管に導入する際の流速(導入速度)は10m/秒以上であることが好ましい。導入時流速を大きくすることによって、両者のガスの混合が促進される。反応管へのガスの導入温度が500℃以上であれば、混合と同時に反応は完結するので均一核の発生が増進され、かつ、CVD支配による成長した粒子が形成されるゾーンを短くすることができる。
反応管に導入されたガスが十分に混合されるように、原料ガスを反応管へ導入することが好ましい。ガスが十分に混合されれば、反応管内におけるガスの流体状態については特に制限はないが、好ましくは、例えば、乱流が生じる流体状態である。また、渦巻き流が存在していてもよい。
なお、原料ガスを反応管に導入する導入ノズルとしては、同軸平行流、斜交流、十字流等を与えるノズルが採用されるが、これらに限定されない。一般に同軸平行流ノズルは、斜交流や十字流を与えるノズルに比べて混合の程度は劣るが、構造が簡単なので設計上好ましく用いられる。
例えば、同軸平行流ノズルの場合は、内管に四塩化チタンを含有するガスを導入する。ただし、ガスの混合の観点から内管径は50mm以下であることが好ましい。
反応管内に導入されたガスの反応管内における流速(管内流速)はガスの混合を完全に行うためには大きいことが好ましく、特に、平均流速で5m/秒以上であることが好ましい。反応管内のガスの流速が5m/秒以上であれば、反応管内における混合を十分に行うことができ、CVD支配による成長した粒子の発生が少なく、粒度分布のブロードな粒子が生成することがない。
この反応は発熱反応であり、反応管内における反応温度は製造された微粒子酸化チタンの焼結温度より高温である。反応装置からの放熱はあるものの、反応後、急冷しないかぎり製造された微粒子の焼結が進行し、成長した粒子になってしまう。10m2/g未満の超微粒子酸化チタンを得る場合には、反応管内の600℃を超える高温滞留時間は1.0秒以下とし、その後急冷することが好ましい。反応後の粒子を急冷する手段としては、反応後の混合物に多量の冷却空気や窒素等のガスを導入したり、水を噴霧したりすること等が採用される。
前記の方法によって得られる酸化チタンは合成時の熱履歴が高いため、微粒子であって、かつ結晶性が高く一次粒子粒子内部に空孔や水酸基が存在しない。微粒子であるため反応性が高く、アルカリ土類金属化合物との湿式反応だけで容易にチタン含有ペロブスカイト型化合物粒子が得られる。また結晶性が高いために、300℃を越える加熱をしなくても強誘電性を示すチタン含有ペロブスカイト型化合物粒子が合成できると推察される。これに対し、湿式法で製造した酸化チタンは微粒子であっても良好な結果を示さない(この点は後述する。)。
上記のようにして製造された酸化チタンを、以下、「気相法酸化チタン」と称することがある。
本発明で用いる粒度分布は、レーザー回折式粒度分布測定法を採用して測定した粒度分布である。粒度分布の測定手順について以下に説明する。
酸化チタン0.05gに純水50ml及び10%ヘキサメタリン酸ソーダ水溶液100μlを加えたスラリーに、3分間超音波照射(46KHz、65W)する。このスラリーをレーザー回折式粒度分布測定装置((株)島津製作所SALD-2000J)にかけて、粒度分布を測定する。このようにして測定された粒度分布における90%累積重量粒度分布径D90の値が小さければ、親水性溶媒に対して良好な分散性を示していると判断される。
このような方法で製造された微粒子酸化チタンは粒度の均一性に優れている。粒度の均一性については、ロジン・ラムラー(Rosin-Rammler)式を用い、その分布定数(n)で規定することができる。以下に、ロジン・ラムラー式について簡単に説明するが、その詳細についてはセラミック工学ハンドブック((社)日本セラミック協会編 第1版)第596〜598頁に記載されている。
ロジン・ラムラー式は下記式(2)で表される。
式中、Dは粒径を表し、RはD(粒径)より大きな粒子の数の全粒子数に対する百分率であり、nは分布定数である。
ここで、b=1/Denとおくと、(2)式は
のように書き換えられる。ただし、Denは粒度特性数、nは分布定数と呼ばれる定数である。
式(2)または式(3)から下記式(4)が得られる。
式中、Cは定数を表す。上記式(3)から、x軸にlogD、y軸にlog{log(100/R)}の目盛をつけたロジン・ラムラー(RR)線図にそれらの関係をプロットするとほぼ直線となる。その直線の勾配(n)は粒度の均一性の度合いを表し、nの数値が大きいほど粒度の均一性に優れていると判断される。
本発明に用いる原料となる微粒子酸化チタンは、90%累積重量粒度分布径D90が2.2μm以下であることが好ましく、ロジン・ラムラー式による分布定数nが1.7以上であることが好ましい。
また、本発明に用いる原料となる微粒子酸化チタンは、アナターゼ型結晶やブルッカイト型結晶を主相とするものが好ましい。
また、本発明に用いる原料となる微粒子酸化チタンは、一次粒子が3次元的に結合したネッキング構造を有するものでもよい。
本発明の製造方法で用いられるアルカリ土類金属化合物は、水溶性であることが好ましく、通常、水酸化物、硝酸塩、酢酸塩、塩化物等である。また、これらは1種類単独で用いてもよく、2種以上の化合物を任意の比率で混合して用いてもよい。電気的特性の観点からは水酸化物が最も好ましい。
例えば、チタン含有ペロブスカイト型化合物としてチタン酸バリウムを製造する場合においては、上述した気相法酸化チタンとバリウム化合物を反応させる方法で製造することができる。
反応の条件としては、塩基性化合物の存在するアルカリ性溶液中で反応させることが望ましい。溶液のpHは、好ましくは11以上であり、より好ましくは13以上であり、特に好ましくは14以上である。pHを14以上とすることで、より粒径の小さなチタン酸バリウム粒子を製造することができる。反応溶液は、例えば、有機塩基化合物を添加してpH11以上のアルカリ性を保つのが望ましい。pHが11より低いと気相法酸化チタンとバリウム化合物の反応率が低下するため誘電率の高いチタン酸バリウムが得られにくい。
本発明に用いられる塩基化合物としては、特に制限はないが、大気圧下または減圧下で、蒸発、昇華、及び/または熱分解により気体となる物質が好ましい。例えば、アンモニア、水に対する溶解性の高いカーボン数の低い有機アミン、アンモニウム塩の水酸化物などの有機塩基が挙げられる。
中でも、アンモニウム塩の水酸化物は、水に溶解すると乖離度が高く強い塩基として作用し、反応時に揮発することなく好適である。
アンモニウム塩の水酸化物としては、工業的には、安価に入手できるコリン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)などが知られている。特に、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドは、電子工業用に使用されており、不純物として金属イオン等が少ないものが入手できるだけでなく、135〜140℃で熱分解し気体として除去できるので好適である。
これら塩基化合物は、特に制限はなく、1種類単独で用いてもよく、2種類以上の化合物を任意の比率で混合して用いても支障はない。
さらに、反応溶液中の炭酸基(炭酸種としてCO2、H2CO3、HCO3 -、及びCO3 2-を含む)の濃度を制御することにより、誘電率の大きいチタン酸バリウムを安定に製造することができる。
反応溶液中の炭酸基の濃度(CO2換算値。以下、特に断りの無い限り同様である。)は、好ましくは500質量ppm以下であり、より好ましくは1〜200質量ppmであり、特に好ましくは1〜100質量ppmである。炭酸基の濃度がこの範囲外では強誘電性を示すチタン酸バリウムが得られないことがある。
また、反応溶液においては、酸化チタン粒子の濃度が、0.1〜5mol/Lであり、バリウム化合物の濃度が、0.1〜5mol/Lであることが好ましい。
反応は、加熱、撹拌して行うのが最も工業的である。このように調製されたアルカリ溶液を、撹拌しながら常圧において、通常、40℃〜溶液の沸点温度、好ましくは80℃〜溶液の沸点温度に加熱保持し、反応させる。反応時間は通常、1時間以上であり、好ましくは4時間以上である。また、専用設備を必要とするが、100℃〜溶液の臨界温度までの高温高圧条件下の反応は、反応温度を高めチタン酸バリウムの結晶性を高めるためには好ましい。
ここで、電気透析、イオン交換、水洗、溶剤洗浄、浸透膜などを用いて反応終了後のスラリー中の塩基性化合物、不純物イオンを除去する工程を設けてもよい。
反応終了後のスラリーを、固液分離・乾燥することにより本発明のチタン酸バリウム粒子を得ることができる。固液分離としては、例えば、沈降、濃縮、ろ過等の工程が含まれる。沈降、濃縮、ろ過工程では、沈降速度を変えるため、あるいはろ過速度を変えるために凝集剤や分散剤を用いても良い。
液成分を蒸発させる乾燥は、例えば、減圧乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥で行われる。本発明では、減圧または大気下で、水酸化テトラメチルアンモニウム、コリン等の塩基性化合物等を、蒸発、昇華、及び/または熱分解により気体として除去するのが望ましい。この除去は、通常室温〜300℃で行われる。乾燥雰囲気は特に制限はなく、通常、大気中で行われる。また、乾燥後に、粉砕或いは解砕して、チタン酸バリウムの粉体を得る工程を設けてもよい。
さらに、チタン酸バリウム粒子の結晶性を向上するため焼成してもよい。焼成は、通常、大気圧下または減圧下で、300〜1200℃で行われる。焼成雰囲気は特に制限はないが、通常、大気中で行われる。焼成後、粉砕あるいは混合を行った後、再び焼成する工程を繰り返すと結晶性が一層向上するので望ましい。
酸化チタンゾルを用いた従来の湿式方法で合成したチタン含有ペロブスカイト型化合物は常誘電性である。しかし、一次粒径が15〜200nmの本発明のチタン含有ペロブスカイト型化合物では強誘電性である。
その理由は定かではないが、本発明のチタン含有ペロブスカイト型化合物は、酸化チタンゾルを用いた従来の湿式方法で合成したチタン含有ペロブスカイト型化合物よりも結晶性が高いためではないかと思われる。さらに、15nmより小さい粒径では粒径が小さく結晶成長がしにくく、200nmより大きい粒径では反応率が低く結晶性が低いためではないかと考えられる。すなわち、本発明のチタン含有ペロブスカイト型化合物は、15〜200nmで強誘電性を示す電気的特性に優れたものである。
酸化チタンゾルは、通常一次粒径が5〜50nmのものを例示することができる。それに対して気相法酸化チタンは、通常一次粒径が7〜500nmのものを例示することができる。また、気相法酸化チタンは、酸化チタンゾルに比べ、アルカリ土類金属化合物との反応系において凝集しにくいため、チタン含有ペロブスカイト型化合物の一次粒径は、気相法酸化チタンの一次粒径をほぼ維持した50〜200%になると考えられる。気相法酸化チタンがアルカリ土類金属化合物との反応系内で凝集しにくいのは、3次元的なネッキング構造を有することもその一因と推察される。
また、本発明の実施態様の一つであるチタン含有ペロブスカイト型化合物は、酸化チタンゾルを用いた従来の湿式方法で合成したチタン含有ペロブスカイト型化合物よりも分散性に優れ、耐熱性がある。その理由は定かではないが、本発明の実施態様の一つであるチタン含有ペロブスカイト型化合物は、凝集しにくく、表面状態が酸化チタンゾルを用いた従来の湿式方法で合成したチタン含有ペロブスカイト型化合物とは異なるためと考えられる。
本発明の実施態様の一つであるチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法では、酸化チタンゾルを用いた従来の湿式方法で合成したチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法よりも、製造設備を簡素化できる。酸化チタンゾルを用いた従来の湿式方法で合成したチタン含有ペロブスカイト型化合物では、300〜1200℃の焼成工程を必要としたが、本発明のチタン含有ペロブスカイト型化合物では、焼成工程を必要としない。さらに、酸化チタンゾルを用いる場合には、反応液中で酸化チタンゾルが凝集してしまうため、分散性に優れたチタン含有ペロブスカイト型化合物とするために、酸化チタンゾルを、例えば、滴下法などにより少量ずつ投入する。気相法酸化チタンの反応液中での凝集性は、酸化チタンゾルよりも非常に小さいため酸化チタンをアルカリ土類金属化合物と同時に投入することができる。
また、酸化チタンゾルには水が含まれているため、反応液中のアルカリ性を低下させるが、気相法酸化チタンは、アルカリ性を低下させないため、同等量の塩基化合物の投入で、結晶性の高いチタン含有ペロブスカイト型化合物が製造できる。
(III)チタン含有ペロブスカイト型化合物の用途
このようにして製造されるチタン含有ペロブスカイト型化合物は、誘電体磁器、焦電体磁器、圧電体磁器、薄膜状形成物に成形される。
これらの磁器、薄膜状形成物は、コンデンサの材料、センサーなどに用いられる。
このような磁器、薄膜状形成物を用いた物品としては、特に制限されないが、発電機、自動車・電車などの車両、工作機械、テレビ・パソコン・冷蔵庫などの家電製品、大型コンピュータ・携帯電話などの電子機器などを例示することができる。
また、本発明のチタン含有ペロブスカイト型化合物は、水または溶剤でスラリー化あるいはペースト化して用いることも可能である。チタン含有ペロブスカイト型化合物以外の充填剤、添加剤、バインダー、その他の材料等と混合してもよい。
本発明のチタン含有ペロブスカイト型化合物微粒子は、粒子に焼結助剤等の各種添加剤を加えてディスク状に成形したもの、あるいは該粒子を含むスラリー、ペースト等に各種添加剤を加えて薄膜状に成形したもの等を適当な条件で焼成して使用することも可能である。
電子機器の性能向上のため、温度特性や寿命特性が良い磁器コンデンサが求められているが、そのための誘電層の材料としていわゆるコア・シェル構造を有するセラミック粒子を含む誘電体磁器組成物が提案されており、希土類元素とチタン含有ペロブスカイト型化合物の反応性を制御するために、耐熱性の高いチタン含有ペロブスカイト型化合物が必要である。本発明におけるチタン含有ペロブスカイト型化合物は、耐熱性が高いため、コア・シェル構造を有するセラミック粒子を含む誘電体磁器組成物として適している。また、本発明におけるチタン含有ペロブスカイト型化合物は、焼成すると高い正方晶化率を示す。即ち、本発明の実施態様の一つであるチタン含有ペロブスカイト型化合物は、例えば積層セラミックコンデンサの誘電体材料として好適である。
図1には、コンデンサの一例である積層セラミックコンデンサの断面模式図を示す。
この積層セラミックコンデンサ(1)は、誘電体層(2)と内部電極(3,4)が順次積層されてなる積層体(5)と、この積層体(5)の側面に取り付けられた外部電極(6,7)とから構成されている。内部電極(3,4)はその側端部がそれぞれ積層体(5)の側面に露出しており、両端部の一方が外部電極(6,7)にそれぞれ接続されている。
誘電体層(2)は、ペロブスカイト型チタン含有複合酸化物の粉末がバインダー等により固化成形されてなるものである。また、内部電極(3,4)は例えばNi、Pd、Ag等から構成される。また外部電極(6,7)は例えば、Ag,Cu,Ni等の焼結体にNiメッキを施したもので構成される。
図1に示すコンデンサ(1)は、例えば、図2に示すように、携帯電話機(10)の回路基板(11)に実装されて用いられる。
次に、上記の積層セラミックコンデンサの製造方法の一例について説明する。
まず、ペロブスカイト型チタン含有複合酸化物粉末と、バインダーと、分散剤と、水とを混合してスラリーを製造する。スラリーは予め真空脱気しておくことが好ましい。
次にこのスラリーをドクターブレード法などで基板に薄く塗布した後、加熱して水を蒸発させることにより、ペロブスカイト型チタン含有複合酸化物粉末を主成分とする誘電体層を形成する。
次に、得られた誘電体層にNi、Pd、Ag等の金属ペーストを塗布し、更に別の誘電体層を積層し、更に、内部電極となる金属ペーストを塗布する。この工程を繰り返し行うことにより、誘電体層と内部電極とが順次積層されてなる積層体が得られる。また積層体をプレスして誘電体層と内部電極とを密着させることが望ましい。
次に、積層体をコンデンサのサイズにカットしてから1000〜1350℃で焼成する。次に焼成後の積層体の側面に外部電極ペーストを塗布し、このペーストを600〜850℃で焼成する。最後に、外部電極の表面にNiメッキを施す。
このようにして、図1に示すような積層セラミックコンデンサ(1)が得られる。
上記の積層セラミックコンデンサ(1)は、本発明の好ましい実施態様であるペロブスカイト型チタン含有複合酸化物を誘電体として用いているので、コンデンサの静電容量を高めることができる。また上記のコンデンサ(1)は、本発明の好ましい実施態様であるペロブスカイト型チタン含有複合酸化物を誘電体として用いているので、誘電体層を薄くすることができ、これによりコンデンサ自体を小型にできる。また誘電体層が薄くなることで、コンデンサの静電容量をより高めることができる。
このような小型の積層セラミックコンデンサは、電子機器類、特に携帯電話機をはじめとする携帯型機器の部品として好適に用いることができる。
本発明のチタン含有ペロブスカイト型化合物を含む充填材を熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂から選択される少なくとも一種以上に分散させることにより高誘電率のフィルムを得ることができる。チタン含有ペロブスカイト型化合物以外の充填剤を含ませる場合には、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化タンタル、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウムなどからなる群より一種以上を選択して使用することが可能である。使用する熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂は特に制限されないが、熱硬化性樹脂としては例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビストリアジン樹脂等を用いることができる。熱可塑性樹脂としては例えばポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド等を用いることができる。
本発明のチタン含有ペロブスカイト型化合物を含む充填材を熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂から選択される少なくとも一種以上に均一に分散させるために、予め充填材を溶剤または上記樹脂組成物と溶剤の混合物に分散させスラリーを得るのが望ましい。
充填材を溶剤または上記樹脂組成物と溶剤の混合物に分散させスラリーを得るには、湿式解砕法を採用することが望ましい。
溶剤としては特に制限されるものではなく、例えば、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、メチルセルソルブを単独で或いは二種以上を混合して用いることができる。
充填材を溶剤または上記樹脂組成物と溶剤の混合物に分散させたスラリーを得るためにカップリング剤を配合することが望ましい。カップリング剤としては特に制限されるものではなく、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤が挙げられる。カップリング剤の親水基が、チタン含有ペロブスカイト型化合物を含む充填材表面の活性水素と反応し表面が被覆されるため、溶剤への分散性が良好になる。カップリング剤の疎水基は、その選択により樹脂への相溶性を高めることができる。例えば、樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合には、モノアミノ、ジアミノ、カチオニックスチリル、エポキシ、メルカプト、アニリノ、ウレイドなどのいずれかを官能基の一つに有するシランカップリング剤や、ホスファイト、アミノ、ジアミノ、エポキシ、メルカプトなどのいずれかを官能基の一つに有するチタネート系カップリング剤が好適である。樹脂としてポリイミド樹脂を用いる場合には、モノアミノ、ジアミノ、アニリノなどのいずれかを官能基の一つに有するシランカップリング剤や、モノアミノ、ジアミノなどのいずれかを官能基の一つに有するチタネート系カップリング剤が好適である。これらは一種を単独で、あるいは二種以上を混合して用いることができる。
配合量は、チタン含有ペロブスカイト型化合物を含む充填材表面を被覆する量より少ないと効果が少なく、多いと未反応のまま残り悪影響を与える。従って、チタン含有ペロブスカイト型化合物を含む充填材の粒径、カップリング剤の種類により異なるが、チタン含有ペロブスカイト型化合物を含む充填材の0.05〜20質量%を配合するのが好ましい。カップリング剤の親水基とチタン含有ペロブスカイト型化合物を含む充填材表面の活性水素との反応を完結させるため、スラリーにした後、加熱処理する工程を設けることが望ましい。加熱温度と時間は、特に制限はないが、100〜150℃で1〜3時間が好ましい。また、溶剤の沸点が100℃以下のときは、加熱温度は沸点以下とし反応温度をそれに応じて長くするとよい。
本発明の実施態様の一つであるチタン含有ペロブスカイト型化合物を含む充填剤を用いて電子部品を得る場合に、本発明のチタン含有ペロブスカイト型化合物を含む充填剤の充填率を高めることで、電気的特性を高めさらに高性能な電子部品にすることができる。例えば、fuller指数を求めて本発明の実施態様の一つであるチタン含有ペロブスカイト型化合物を含む多成分粒子を空隙率が最小なるように粒度配合する。ここでいう多成分粒子としては、本発明の一次粒径の異なるチタン含有ペロブスカイト型化合物、本発明の粒径の異なるチタン含有ペロブスカイト型化合物を焼成したもの、その他アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化タンタル、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウムなどからなる群より一種以上を選択して使用することが可能である。
以下、本発明を実施例および比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[強誘電性測定方法]
強誘電性は以下のいずれかの方法により評価可能であり、必ずしも両方の判定基準を満たす必要はない。例えば示差走査熱量計を使用する場合、示差走査熱量計の試料容器に300℃の温度で1時間以上乾燥させた試料を約20mg量りとり、−30〜200℃まで1〜20℃/分の一定速度で昇温する。強誘電性があれば昇温過程で立方晶に転移することに要する熱量に相当する吸熱ピークが現れる。このピークの有無を強誘電性の有無の判定基準とする。
強誘電性は、チタン酸バリウムが正方晶化されている割合をXRD測定することでも評価できる。立方晶と正方晶の区別は、正方晶の一重線(111)面と二重線(200,002)面の位置(それぞれ2θ=39°,46°近傍)にある2つのピークの半値幅を比較し、二重線の半値幅と一重線の半値幅の比を求める。比が1であれば立方晶、二重線の半値幅が一重線より大きくなると強誘電性は大きくなる。二重線と一重線の半値幅の比が2であれば、チタン酸バリウムは最大の強誘電性を有する。
なお、示差走査熱量計を使用する方法の場合、熱量計の感度が低いと、吸熱ピークが検出しづらい。そのような場合にはXRD法で判断することが好ましい。
実施例1:
ガス状四塩化チタン4.7Nm3/時間(Nは標準状態を意味する。以下同じ。)と窒素16Nm3/時間とを混合してなる四塩化チタンを含有するガスを1100℃に、空気20Nm3/時間と水蒸気25Nm3/時間とを混合してなる酸化性ガスを1000℃にそれぞれ予熱し、同軸平行流ノズルを用いて、それぞれ流速92m/秒、97m/秒で反応管に導入した。同軸平行流ノズルの内管径は20mmとし、内管に四塩化チタンを含有するガスを導入した。
反応管の内径は100mmであり、反応温度1250℃における管内流速は計算値で13m/秒であった。反応管内における高温滞留時間が0.2秒となるように、反応後冷却空気を反応管に導入し、その後、テフロン(登録商標)製バグフィルターを用いて超微粒子粉末を捕集した。
得られた微粒子酸化チタンは、BET比表面積が102m2/gであった。また、アナターゼ型結晶を92%、ルチル型結晶を8%含有していた。また、得られた微粒子酸化チタンについて、レーザー回折式粒度分布測定法により測定した粒度分布における90%累積重量粒度分布径D90は2.0μmであり、ロジン・ラムラー式におけるn値は1.9であった。なお、n値はレーザー回折において得られた3点データ、D10、D50、D90をそれぞれRR線図においてR=90%、50%、10%としてプロットし、それら3点の近似直線から求めた。
得られた気相法酸化チタンの比表面積をBET法により測定した。(1)式で求めた一次粒径は、15nmであった。
還流冷却管付き反応器に、窒素気流下で、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド20質量%水溶液(セイケム昭和(株)製、炭酸基濃度60ppm以下)456gと水酸化バリウム8水和物126g(日本ソルベイ(株)製)と前記気相法酸化チタン32gを投入しpH14とした水溶液を撹拌しながら煮沸した。煮沸を4時間維持して反応を行った。50℃まで放冷後、ろ過を行った。
ろ過残渣を、300℃で5時間乾燥して粒子粉体を得た。反応に用いた酸化チタン量と水酸化バリウム量から算出される理論収量に対する実収量の割合は99%であった。
乾燥した粉末を、乳鉢で解砕した。この粉体を理学電機(株)製X線回折装置(RAD−B ローターフレックス)を用いてX線のピークを調べた結果、得られた粉体はぺロブスカイト型のBaTiO3であることがわかった。
得られた粒子の比表面積をBET法により測定した。(1)式で求めた一次粒径は、25nmであり、酸化チタンの一次粒径とほぼ同等であった。
示差走査熱量計で強誘電性を確認したところ約130℃にピーク面積8mJ/mgの吸熱ピークが確認された。該粒子は強誘電性であることがわかった。
XRDで二重線と一重線の半値幅の比を測定したところ、1.2であった。該粒子は強誘電性であることがわかった。
得られた該粒子900mgと30質量%のポリビニルアルコールを含むバインダー0.1mlを混練し、加圧成形して、直径10mm、みかけ比重3.2の錠剤を作成した。この錠剤の厚さ方向の室温から1100℃における熱収縮率を、理学電気(株)製熱機械分析装置TMA8310を用い20℃/分の速度で昇温し調べた結果、10%であることがわかった。
得られた該微粒子5gを磁製皿に入れ、電気炉中で20℃/分で昇温し、950℃で2時間保持(焼成)後、自然冷却させた。この粉体の比表面積をBET法により測定した。(1)式で求めた一次粒径は、26nmであった。また、X線回折強度からリートベルト解析で求めたc/a比は、1.0091であった。
乾燥して得られた該粒子17gを、メチルエチルケトン40g中で3mmφのジルコニアボールでペイントシェーカーにて30分湿式解砕した。島津遠心式沈降装置粒度分布測定装置(SA−CP4L型)を用い、粒度分布を測定した。
このように測定した粒度分布から10%累積重量分布径D10、50%累積重量分布D50、90%累積重量分布D90を求めた。該粒子のD10は0.03μm、D50は0.09μm、D90は0.50μmであった。
上記で得たチタン含有ペロブスカイト型化合物を用いて製造した誘電体磁器、誘電体フィルム、誘電体塗膜などの薄膜形状物、ならびにコンデンサ、圧電材料は優れた特性を有するものであった。
実施例2:
ガス状四塩化チタン9.4Nm3/時間と窒素6Nm3/時間とを混合してなる四塩化チタンを含有するガスを1000℃に、酸素10Nm3/時間と水蒸気30Nm3/時間とを混合してなる酸化性ガスを1000℃にそれぞれ予熱し、同軸平行流ノズルを用いて、それぞれ流速63m/秒、73m/秒で反応管に導入した。同軸平行流ノズルの内管径は20mmとし、内管に四塩化チタンを含有するガスを導入した。
反応管の内径は100mmであり、反応温度1310℃における管内流速は計算値で13m/秒であった。反応管内における高温滞留時間が0.2秒となるように、反応後冷却空気を反応管に導入し、その後、テフロン(登録商標)製バグフィルターを用いて微粒子粉末を捕集した。
得られた超微粒子酸化チタンは、BET比表面積が26m2/g、一次粒径60nmであった。また、アナターゼ型結晶を80%、ルチル型結晶を20%含有していた。また、得られた微粒子酸化チタンについてレーザー回折式粒度分布測定法により測定した粒度分布における90%累積重量粒度分布径D90は、0.8μmであり、ロジン・ラムラー式におけるn値は2.6であった。
気相法酸化チタンとして、上記一次粒径60nmの酸化チタンを用いた以外は、実施例1と同様の操作でチタン酸バリウムを合成した。
理論収量に対する実収量の割合は99%であった。
得られた粉体は、一次粒径61nmのぺロブスカイト型のBaTiO3であることがわかった。粒子のSEM写真を図3に示す。
示差走査熱量計で強誘電性を確認したところ約130℃にピーク面積47mJ/mgの吸熱ピークが確認され、この粒子は強誘電性であることがわかった。
XRDで二重線と一重線の半値幅の比を測定したところ、1.4であった。該粒子は強誘電性であることがわかった。
実施例1と同様の操作で作成した見かけ比重3.2の錠剤の室温から1100℃における熱収縮率は1%であった。
実施例1と同様の操作により1020℃まで昇温し2時間保持した焼成粉末の一次粒径は0.28μm、c/a比は、1.0089であった。
実施例1と同様の操作によりペイントシェーカーで湿式解砕した。該粒子のD10は0.06μm、D50は0.24μm、D90は0.52μmであった。
上記で得られたチタン酸バリウムを用いて製造した誘電体磁器、誘電体フィルム、誘電体塗膜などの薄膜形状物、ならびにコンデンサ、圧電材料は優れた特性を有するものであった。
実施例3:
濃度100%のガス状四塩化チタン11.8Nm3/時間を含有するガスを1000℃に、8Nm3/時間の酸素および20Nm3/時間の水蒸気の混合ガスを1000℃にそれぞれ予熱して、同軸平行流ノズルを用いて、それぞれ流速49m/秒、60m/秒で反応管に導入した。同軸平行流ノズルの内管径は20mmとし、内管に四塩化チタンを含有するガスを導入した。
反応管の内径は100mmであり、反応温度1320℃における管内流速は計算値で10m/秒であった。反応管内の高温滞留時間が0.3秒以下となるように、反応後冷却空気を反応管に導入し、その後、テフロン(登録商標)製バグフィルターを用いて生成した微粒子粉末を捕集した。
得られた微粒子酸化チタンは、BET比表面積が16m2/g、一次粒径は90nmであった。また、アナターゼ型結晶を80%、ルチル型結晶を20%含有していた。また、得られた微粒子酸化チタンについてレーザー回折式粒度分布測定法により測定した粒度分布における90%累積重量粒度分布径D90は、0.8μmであり、ロジン・ラムラー式におけるn値は2.8であった。
気相法酸化チタンとして、上記一次粒径90nmの酸化チタンを用いた以外は、実施例1と同様の操作でチタン酸バリウムを合成した。理論収量に対する実収量の割合は99%であった。
得られた粉体は、一次粒径75nmのぺロブスカイト型のBaTiO3であることがわかった。
示差走査熱量計で強誘電性を確認したところ約130℃にピーク面積69mJ/mgの吸熱ピークが確認され、この粒子は強誘電性であることがわかった。
XRDで二重線と一重線の半値幅の比を測定したところ、1.9であった。該粒子は強誘電性であることがわかった。
実施例1と同様の操作で作成した見かけ比重3.3の錠剤の室温から1100℃における熱収縮率は、0.5%であった。
実施例1と同様の操作により室温から1100℃まで昇温し2時間保持した焼成粉末の一次粒径は0.25μm、c/a比は、1.0089であった。
実施例1と同様の操作によりペイントシェーカーで湿式解砕した。該粒子のD10は0.08μm、D50は0.33μm、D90は0.54μmであった。
上記で得られたチタン酸バリウムより製造した誘電体磁器、誘電体フィルム、誘電体塗膜などの薄膜形状物、ならびにコンデンサ、圧電材料は優れた特性を有するものであった。
実施例4:
濃度100%のガス状四塩化チタン11.8Nm3/時間を含有するガスを900℃に、5Nm3/時間の酸素および25Nm3/時間の水蒸気の混合ガスを900℃にそれぞれ予熱して、同軸平行流ノズルを用いて、それぞれ流速45m/秒、52m/秒で反応管に導入した。同軸平行流ノズルの内管径は20mmとし、内管に四塩化チタンを含有するガスを導入した。
反応管の内径は100mmであり、反応温度1050℃における管内流速は計算値で9m/秒であった。反応管内の高温滞留時間が2.5秒なるように、反応後冷却空気を反応管に導入し、その後、テフロン(登録商標)製バグフィルターを用いて製造された微粒子粉末を捕集した。
得られた微粒子酸化チタンは、BET比表面積が10m2/g、一次粒径は150nmであった。また、アナターゼ型結晶を90%、ルチル型結晶を10%含有していた。また、得られた微粒子酸化チタンについてレーザー回折式粒度分布測定法により測定した粒度分布における90%累積重量粒度分布径D90は、0.9μmであり、ロジン・ラムラー式におけるn値は2.6であった。
気相法酸化チタンとして、上記一次粒径150nmの酸化チタンを用いた以外は、実施例1と同様の操作でチタン酸バリウムを合成した。理論収量に対する実収量の割合は99%であった。
得られた粉体は、一次粒径170nmのぺロブスカイト型のBaTiO3であることがわかった。
示差走査熱量計で強誘電性を確認したところ約130℃にピーク面積144mJ/mgの吸熱ピークが確認され、該粒子は強誘電性であることがわかった。
XRDで二重線と一重線の半値幅の比を測定したところ、2.0であった。該粒子は強誘電性であることがわかった。
実施例1と同様の操作で作成した見かけ比重3.2の錠剤の室温から1100℃における熱収縮率は、0.2%であった。
実施例1と同様の操作により1200℃まで昇温し2時間保持した焼成粉末の一次粒径は0.23μm、c/a比は、1.0087であった。
実施例1と同様の操作によりペイントシェーカーで湿式解砕した。該粒子のD10は0.17μm、D50は0.40μm、D90は0.58μmであった。
上記で得られたチタン酸バリウムより製造した誘電体磁器、誘電体フィルム、誘電体塗膜などの薄膜形状物、ならびにコンデンサ、圧電材料は優れた特性を有するものであった。
実施例5:
気相法酸化チタンとして上記一次粒径60nmの酸化チタンを用い、水酸化バリウム8水和物126gの代わりに水酸化バリウム8水和物120gと水酸化カルシウム1.5gを用いた以外は、実施例1と同様の操作でチタン酸バリウムカルシウムを合成した。
理論収量に対する実収量の割合は99%であった。
得られた粉体は、一次粒径60nmのぺロブスカイト型のBa0.95Ca0.05TiO3であることがわかった。
示差走査熱量計で強誘電性を確認したところ約130℃にピーク面積50mJ/mgの吸熱ピークが確認された。該粒子は強誘電性であることがわかった。
XRDで二重線と一重線の半値幅の比を測定したところ、1.4であった。該粒子は強誘電性であることがわかった。
実施例1と同様の操作で作成した見かけ比重3.2の錠剤の室温から1100℃における熱収縮率は、1%であった。
実施例1と同様の操作により1050℃まで昇温し2時間保持した焼成粉末の一次粒径は0.21μm、c/a比は、1.0099であった。
実施例1と同様の操作によりペイントシェーカーで湿式解砕した。該粒子のD10は0.07μm、D50は0.21μm、D90は0.54μmであった。
当該チタン酸バリウムより得られた誘電体磁器、誘電体フィルム、誘電体塗膜などの薄膜形状物、ならびにコンデンサ、圧電材料は優れた特性を有するものであった。
比較例1:
四塩化チタン(純度99.9%)に水を加え、四塩化チタン濃度が0.25モル/リットル(酸化チタン換算2質量%)となるように溶液を調整した。この時、水溶液の液温が50℃以上に上昇しないように氷冷など適当な冷却装置を設けた。次に、この水溶液1リットルを還流冷却器付きの反応槽に装入し、沸点付近(104℃)まで加熱し、60分間保持して加水分解した。得られたゾルを冷却後、反応で生成した残留塩素を電気透析により取り除いた。得られた微粒子酸化チタンは、BET比表面積が120m2/g、一次粒径は12nmであった。また、ブルッカイト型結晶を80%、アナターゼ型結晶を20%含有していた。
酸化チタンとして、上記酸化チタンを用いた以外は、実施例1と同様の操作でチタン酸バリウムを合成した。理論収量に対する実収量の割合は99%であった。
得られた粉体は、一次粒径24nmのぺロブスカイト型のBaTiO3であることがわかった。
示差走査熱量計で強誘電性を確認したところ相転移に伴う吸熱ピークは検知されず、該粒子が強誘電性であることは確認されなかった。
XRDで二重線と一重線の半値幅の比を測定したところ、1.0であった。
実施例1と同様の操作で作成した見かけ比重3.2の錠剤の室温から1100℃における熱収縮率は18%であった。
実施例1と同様の操作により900℃まで昇温し2時間保持した焼成粉末の一次粒径は0.16μm、c/a比は、1.0088であった。
実施例1と同様の操作によりペイントシェーカーで湿式解砕した。該粒子のD10は0.40μm、D50は1.60μm、D90は3.3μmであった。
原料として、酸化チタンゾルを用いたものは強誘電性を示さず、耐熱性が悪く分散性が悪かった。
比較例2:
ガス状四塩化チタン10Nm3/時間と窒素8Nm3/時間とを混合してなる四塩化チタンを含有するガスを1100℃に、5Nm3/時間の酸素および24Nm3/時間の水蒸気の混合ガスを1100℃にそれぞれ予熱して、同軸平行流ノズルを用いて、それぞれ流速80m/秒、56m/秒で反応管に導入した。同軸平行流ノズルの内管径は20mmとし、内管に四塩化チタンを含有するガスを導入した。
反応管の内径は100mmであり、反応温度1280℃における管内流速は計算値で12m/秒であった。反応管内の高温滞留時間が1.5秒となるように、反応後冷却空気を反応管に導入し、その後、テフロン(登録商標)製バグフィルターを用いて製造された微粒子粉末を捕集した。
得られた微粒子酸化チタンは、BET比表面積が16m2/g、一次粒径は90nmであった。また、アナターゼ型結晶を10%、ルチル型結晶を90%含有していた。また、得られた微粒子酸化チタンについてレーザー回折式粒度分布測定法により測定した粒度分布における90%累積重量粒度分布径D90は、0.8μmであり、ロジン・ラムラー式におけるn値は2.8であった。
気相法酸化チタンとして、上記酸化チタンを用いた以外は、実施例1と同様の操作でチタン酸バリウムを合成した。理論収量に対する実収量の割合は99%であった。
得られた粉体は、一次粒径80nmのぺロブスカイト型のBaTiO3であることがわかった。
示差走査熱量計で強誘電性を確認したところ相転移に伴う吸熱ピークは検知されず、該粒子が強誘電性であることは確認されなかった。
XRDで二重線と一重線の半値幅の比を測定したところ、1.0であった。
実施例1と同様の操作で作成した見かけ比重3.3の錠剤の室温から1100℃における熱収縮率は、0.5%であった。
実施例1と同様の操作により室温から1100℃まで昇温し2時間保持した焼成粉末の一次粒径は0.23μm、c/a比は、1.0065であった。
実施例1と同様の操作によりペイントシェーカーで湿式解砕した。該粒子のD10は0.09μm、D50は0.35μm、D90は0.55μmであった。
ルチル化率が90%の気相法酸化チタンを用いると、反応率が悪く、強誘電性を示さなかった。
本発明の好ましい実施態様である積層セラミックコンデンサの一例を示す断面模式図である。 図1の積層セラミックコンデンサを備えた携帯電話機の内部構造の一例を示す分解図である。 本発明の実施例2で得たチタン酸バリウムのSEM(走査電子顕微鏡)写真である。
符号の説明
1 積層セラミックコンデンサ
2 誘電体層
3,4 内部電極
5 積層体
6,7 外部電極
10 携帯電話機
11 回路基板

Claims (16)

  1. 相法で製造され、アナターゼ型結晶またはブルッカイト型結晶を含有する酸化チタンと水溶性アルカリ土類金属化合物とを、アルカリ性溶液中で、40℃〜溶液の沸点温度または100℃〜溶液の臨界温度、pH11以上の条件で反応させることにより強誘電性を示すチタン含有ペロブスカイト型化合物を製造する方法。
  2. 次式(1)
    (式中、ρは粒子の密度であり、SはBET法で求めた粒子の比表面積である。)により球に換算して求めたチタン含有ペロブスカイト型化合物の一次粒径(D1)が、原料酸化チタンの一次粒径の50〜200%である請求項1に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
  3. BET比表面積3〜200m2/gを有する超微粒子酸化チタンを使用する請求項1に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
  4. 四塩化チタンを酸化性ガスで高温酸化して製造された酸化チタンを使用する請求項1に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
  5. 500℃以上に予熱された四塩化チタン含有ガス及び酸化性ガスをそれぞれ流速10m/秒以上の導入速度で反応管に導入することにより製造された酸化チタンを使用する請求項4に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
  6. 前記反応管内において600℃を超える高温条件下に1秒以下の時間、四塩化チタン含有ガス及び酸化性ガスを滞留させ反応させて製造された酸化チタンを使用する請求項5に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
  7. 前記反応管内におけるガスの平均流速を5m/秒以上として製造された酸化チタンを使用する請求項6に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
  8. 予熱した四塩化チタン含有ガス及び酸化性ガスを、反応管内で乱気流を生じるように反応管内に導入することにより製造された酸化チタンを使用する請求項1に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
  9. 四塩化チタン含有ガス及び酸化性ガスを、内管の内径が50mm以下である同軸平行流ノズルにより反応管内に供給して製造された酸化チタンを使用する請求項8に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
  10. 前記四塩化チタン含有ガスが、四塩化チタンを10〜100%含有する請求項4乃至9のいずれかに記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
  11. 前記四塩化チタン含有ガス及び酸化性ガスを予熱する温度が800℃以上である請求項5に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
  12. 90%累積重量粒度分布径D90が2.2μm以下である酸化チタンを使用する請求項1に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
  13. 下記(2)のロジン・ラムラー式
    (式中、Dは粒径を表し、Rは粒径(D)より大きな粒子の数の全粒子数に対する百分率であり、nは分布定数であり、bは粒度特性数の逆数である。)による分布定数nが1.7以上である酸化チタンを使用する請求項1に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
  14. アナターゼ型酸化チタンを含む酸化チタンを使用する請求項1に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
  15. 塩基性化合物の存在するアルカリ性溶液を使用する請求項1に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
  16. 塩基性化合物が、アンモニア、有機アミン、及びアンモニウム塩の水酸化物から選択される請求項15に記載のチタン含有ペロブスカイト型化合物の製造方法。
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