JP4657621B2 - ペロブスカイト型チタン含有複合酸化物粒子、その製造方法及び用途 - Google Patents

ペロブスカイト型チタン含有複合酸化物粒子、その製造方法及び用途 Download PDF

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Description

本発明は、誘電材料、圧電材料、焦電材料、積層セラミックコンデンサ、薄膜材料等の電子材料等に用いられるペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子及びその製造方法に関する。
詳しくは、固溶比が任意の値に制御され、粒径が小さく粒径分布の狭い、分散性に優れた、結晶性が高く、不純物の少ないペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子及びその製造方法に関する。
一般式ABO3で表されるペロブスカイト型結晶構造のチタン含有複合酸化物は、誘電性、圧電性、焦電性などの優れた電気特性を示すため、電子材料として広く用いられている。
ここで、(A1XA2(1-X)YTiO3±δで表されるペロブスカイト型構造のチタン含有複合酸化物は、AサイトをA1原子とA2原子が、Bサイトをチタンが占めたペロブスカイト型結晶構造を有している。この場合、A1原子とA2原子の固溶比により異なる電気特性を示すことから、固溶比が任意の値に制御されたペロブスカイト型構造のチタン含有複合酸化物が、種々の電子材料として用いられている。例えば、高誘電性を利用して、積層セラミックコンデンサを始めとするさまざまなキャパシタ材料、誘電体フィルタ、誘電体アンテナ、誘電体共振器、誘電体デュプレクサ、キャパシタ、フェイズシフタ、圧電性を利用した積層圧電アクチュエーターなどがあげられる。
ペロブスカイト構造のチタン含有複合酸化物微粒子を電子材料にする方法は、特に限定されないが、該微粒子を溶剤と混合しスラリー、ペースト化した後、成形・焼結、シート化などの方法で、薄膜形状物、磁器などとする方法がある。近年の電子部品の小型化、軽量化、高性能化に対応するため、結晶性が高く、粒径が小さく粒径分布の狭い、ペロブスカイト型構造のチタン含有複合酸化物微粒子の開発が望まれている。
さらに、一般式(A1XA2(1-X)YTiO3±δで示されるペロブスカイト型構造のチタン含有複合酸化物微粒子においては、A1原子とA2原子の固溶比、A1原子とA2原子の合計とチタンの比率により電気特性が変化するために、該比率を精密に制御することが望まれている。
また、全ての不純物は、電気特性に悪影響を与えるため、不純物を除去した高純度のペロブスカイト型構造のチタン含有複合酸化物微粒子が望まれている。
ペロブスカイト型構造のチタン含有複合酸化物微粒子の製造方法としては、フラックス法がある。しかしこの方法では、製造コストが非常に高いばかりでなく、微粒子にするには粉砕するしかなく、そのため、粒径分布が広く、分散性のよくない微粒子になる。
その他、電子材料に用いられるチタン含有複合酸化物粒子を製造する方法としては、酸化物や炭酸塩を原料とし、それらの粉末をボールミル等で混合した後、約800℃以上の高温で反応させて製造する固相法や、まず蓚酸複合塩を調製し、これを熱分解してチタン含有複合酸化物粒子を得る蓚酸法、原料を水溶媒中で高温高圧として反応させて前駆体を得る水熱合成法、金属アルコシドを原料とし、それらを加水分解して前駆体を得るアルコシキド法などがある。
また、チタン化合物の加水分解生成物と水溶性バリウムとを強アルカリ中で反応する方法(特公平3−39014号公報;特許文献1)、酸化チタンゾルとバリウム化合物を強アルカリ水溶液中で反応させる方法(国際公開第00/35811号パンフレット;特許文献2、国際公開第03/004416号パンフレット;特許文献3)などが一般に知られており、これらの合成法の改良が盛んに行われている。
しかし固相法は製造コストが低いものの、生成するチタン含有複合酸化物粒子は粒径が大きくなってしまう。粉砕を行うと、粒径は小さくなるが粒度分布が広くなり、成形密度が向上しない。さらに粉砕によって結晶構造に歪が生じ、小型化、高性能化に適したペロブスカイト型チタン含有複合酸化物粒子にならないという欠点がある。
蓚酸塩法は固相法よりも小さな粒子が得られるものの、蓚酸に由来する炭酸基が残る。また、内部に取り込まれた水に起因する水酸基の残留が多い。そのため、電気的特性が低下する。そのため、電気特性に優れたチタン含有複合酸化物粒子にならない。
水熱合成法は、微粒のチタン含有複合酸化物が得られるが、内部に取り込まれた水に起因する水酸基が残留するため欠陥が多く、電気的特性に優れたチタン含有複合酸化物が得られにくい。また、高温高圧条件下で行うため、専用設備が必要となり、コストが高くなるという問題がある。
アルコキシド法では、水熱合成法よりも微粒のチタン含有複合酸化物が得られるが、内部に取り込まれた水に起因する水酸基が残留するため欠陥が多く、電気的特性に優れたチタン含有複合酸化物が得られにくい。またアルコキシド法は炭酸基が残留するという欠点がある。
特公平3−39014号公報は、アルカリとして水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムを用いているため、反応後それらのアルカリを除去する工程が必要である。その工程でバリウムの溶解と水酸基の取り込みが起こるため結晶性の高いチタン含有複合酸化物が得られにくい。
また、上記各手法において、固溶させるA1原子とA2原子を任意の比率にコントロールしたペロブスカイト型構造のチタン含有複合酸化物微粒子を製造するのは、原料化合物の反応性が異なるために難しい。例えば、バリウムとストロンチウムを任意の比率で固溶させたチタン酸バリウム・ストロンチウム複合物微粒子を製造するのは、原料のバリウム化合物とチタン化合物の反応性と、原料のストロンチウム化合物とチタン化合物の反応性が異なるため、原料が残存したり、チタン酸バリウムとチタン酸ストロンチウムの混合物が混在しやすくなるという課題がある。
例えば、特開平2−188427号公報(特許文献4)、特開平4−16513号公報(特許文献5)、特開昭60−155532号公報(特許文献6)及び特開平6−9219号公報(特許文献7)に、チタン酸バリウム・ストロンチウム複合物微粒子の製造方法が開示されている。
特許文献1に記載の方法は、バリウムとストロンチウムの比率を任意にコントロールした炭酸塩を用いた固相法によるため、該比率の炭酸塩を製造する工程が必要なばかりか、解砕を必要とするため粒度分布が広くなる欠点を有する。
特許文献2の方法は、高価なチタンアルコキサイドを必要とするばかりでなく、内部に取り込まれた水に起因する水酸基が残留するため結晶構造の欠陥が多く、電気的特性に優れたチタン含有複合酸化物が得られにくい。
特許文献3及び特許文献4の方法では、チタン化合物の副生成物及びアルカリ金属水酸化物を生成反応後除去する工程が必要である。その工程でバリウム、ストロンチウムの溶解と水酸基の取り込みが起こるため、バリウムとストロンチウムを任意の比率にコントロールするのが難しく、結晶性の高いチタン含有複合酸化物が得られにくい。
また、いずれの方法も、さらに結晶性の高い、粒径が小さく粒径分布の狭いチタン酸バリウム・ストロンチウム複合物微粒子を提供するという点での改良が必要である。
国際公開第00/35811号パンフレット、国際公開第03/004416号パンフレットに記載された製造方法を用いれば、粒径が小さく粒径分布の狭い、分散性に優れたチタン酸バリウムなどのペロブスカイト型チタン含有酸化物粒子が得られる。しかしながら、さらに不純物が少なく、固溶原子比率を任意にコントロールしたペロブスカイト型チタン含有複合酸化物粒子を製造することが望まれていた。
特公平3−39014号公報 国際公開第00/35811号パンフレット 国際公開第03/004416号パンフレット 特開平2−188427号公報 特開平4−16513号公報 特開昭60−155532号公報 特開平6−9219号公報
本発明の課題は、粒径が小さく粒径分布の狭い、分散性に優れ、結晶性が高く、電気特性に優れた、特に不純物が少なく、Aサイトの原子を任意の比に固溶させたペロブスカイト型チタン含有複合酸化物粒子及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前述の課題を鋭意検討した結果、不活性ガス雰囲気下で金属水酸化物(A1(OH)2、A2(OH)2)を塩基性化合物の存在するpHが約13以上のアルカリ性溶液に溶解させてから酸化チタンゾルを投入して反応させ、反応後の液中のA1原子とA2原子との合計量が投入量の1000分の1以下になるまで反応させ、反応後、塩基性化合物を室温〜焼成温度の温度範囲で、大気圧下または減圧下で、不純物を蒸発、昇華、及び/または熱分解により気体として除去することにより、粒径が小さく粒径分布の狭い、分散性に優れた、結晶性が高く、電気特性に優れた、特に不純物が少ない、A1とA2とを任意の比に固溶させたペロブスカイト型チタン含有複合酸化物粒子が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の発明を含むものである。
[1]比表面積が1〜100m2/g、一次粒子の平均粒径をD1、二次粒子の平均粒径をD2としたときのD2/D1値が1〜10、一般式(A1XA2(1-X)YTiO3±δ(0≦X≦1,0.98≦Y≦1.02,0≦δ≦0.05;A1及びA2は互いに異なり、各々Ca,Sr,Ba,Pb及びMgから選択される原子である。)で表されるペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子。
[2]0.2≦X≦0.8,0.99≦Y≦1.01,0≦δ≦0.03であり、単結晶である前記1に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子。
[3]A1=Ba、A2=Srである前記1または2に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子。
[4]A1=Ba、A2=Caである前記1または2に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子。
[5]アルカリ金属不純物量が0〜100ppm、塩素不純物量が0〜600ppmである前記1乃至4のいずれか1項に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子。
[6]900〜1000℃の温度で0.1〜3時間焼成した場合に、比表面積の減少率が90%以下である前記1乃至5のいずれか1項に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子。
[7]900〜1200℃の温度で0.1〜3時間焼成した場合にサイコロ状の形状となる前記1乃至6のいずれか1項に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子。
[8]炭酸塩が3質量%以下含有されている前記1乃至7のいずれか1項に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子。
[9]ペロブスカイト型チタン含有複合酸化物粒子1.5gを純水45mlに浸漬したときの単位表面積あたりのA1原子とA2原子の合計抽出量が0〜2μmol/m2である前記1乃至8のいずれか1項に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子。
[10]塩基性化合物の存在するpHが10以上のアルカリ性溶液中で、任意の割合のA1(OH)2及びA2(OH)2(A1及びA2は、各々Ca,Sr,Ba,Pb及びMgから選択される原子を表わす。)と、その合計のモル数に対して0.98〜1.02モル倍量の酸化チタンとを、溶液中のA1イオンとA2イオンの合計濃度が投入量の1000分の1以下になるまで反応させ、その後、塩基性化合物を室温〜焼成温度の温度範囲で、大気圧下または減圧下で、蒸発、昇華、及び/または熱分解により気化させて除去することを特徴とするペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子の製造方法。
[11]A2(OH)2に対するA1(OH)2のモル比率が0.2〜0.8である前記10に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子の製造方法。
[12]反応液中の炭酸基の濃度を、CO2換算で0〜500ppmに制御する前記10または前記11に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子の製造方法。
[13]酸化チタンがブルーカイト型結晶を含有するものである前記10乃至12のいずれか1項に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子の製造方法。
[14]酸化チタンがチタン化合物を酸性溶液中で加水分解してなる酸化チタンゾルである前記10乃至13のいずれか1項に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子の製造方法。
[15]塩基性化合物が、大気圧下または減圧下で、蒸発、昇華、及び/または熱分解により気化する物質である前記10乃至14のいずれか1項に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子の製造方法。
[16]塩基性化合物が、有機塩基である前記10乃至15のいずれか1項に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子の製造方法。
[17]塩基性化合物が、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドである前記10乃至16のいずれか1項に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子の製造方法。
[18]前記1乃至9のいずれか1項に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子を含む誘電材料。
[19]前記1乃至9のいずれか1項に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子を含むペースト。
[20]前記1乃至9のいずれか1項に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子を含むスラリー。
[21]前記1乃至9のいずれか1項に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子を含む薄膜状形成物。
[22]前記1乃至9のいずれか1項に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子を含む誘電体磁器。
[23]前記1乃至9のいずれか1項に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子を含む焦電体磁器。
[24]前記1乃至9のいずれか1項に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子を含む圧電体磁器。
[25]前記22に記載の誘電体磁器を含むコンデンサ。
[26]前記21乃至25のいずれかに記載の薄膜状形成物、磁器及びコンデンサからなる群から選ばれる少なくとも一種を含む電子機器。
[27]前記21乃至24のいずれかに記載の薄膜状形成物または磁器を一種または二種以上含むセンサー。
[28]前記1乃至9のいずれか1項に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子を用いた誘電体フィルム。
[29]前記28に記載の誘電体フィルムを用いたコンデンサ。
本発明のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物粒子は、粒径が小さく、粒径分布が狭く、分散性に優れたものである。特に、不純物が少なく、結晶性が高い、任意の比率で金属原子が固溶したペロブスカイト型チタン含有複合酸化物及びその製造方法が提供されるという格別な効果を有している。
このようなペロブスカイト型チタン含有複合酸化物粒子及び該粒子を含むスラリー、ペーストは、優れた電気的特性を発揮できるものであり、性能に優れた磁器、薄膜、誘電体フィルム等の誘電材料、圧電材料、焦電材料等が得られる。さらに、これらを電子機器に用いることにより、電子機器の小型化、軽量化が可能となる。上記誘電体フィルムは誘電特性が優れているために、薄膜化しても優れた特性を発揮できるので、基板内コンデンサなどに応用可能である。当該コンデンサを携帯電話やデジタルカメラなどの電子機器に採用すれば、機器の小型化、軽量化、高性能化に極めて有効である。
本発明のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物粒子は、比表面積が1〜100m2/g、一次粒子の平均粒径をD1、二次粒子の平均粒径をD2としたときのD2/D1値が1〜10、一般式(A1XA2(1-X)YTiO3±δ(0≦X≦1,0.98≦Y≦1.02,0≦δ≦0.05;A1及びA2は互いに異なり、各々Ca,Sr,Ba,Pb及びMgから選択される原子であり、好ましくは各々Ca,Sr及びBaから選択される原子である。)で表されるペロブスカイト型構造のチタン含有複合酸化物粒子であり、粒径が小さく粒径分布の狭い、分散性に優れた、結晶性が高く、電気特性に優れた、特に不純物が少ない、A1原子とA2原子を任意の比に固溶させることができるという特徴を有する。
ここでいう複合酸化物とは、単なる混合物ではなく、一定の比率で原子が固溶した固溶体をいう。結晶構造は、X線回折測定により知ることができる。ペロブスカイト型チタン含有複合酸化物粒子中のA1原子とA2原子の比率は、X線回折図のピーク位置から求めることができる。
粒子中のA1原子とA2原子の比率(固溶比)Xは、好ましくは0.2〜0.8、より好ましくは0.3〜0.7である。固溶比Xは所望の電気特性に達するように調整することが好ましい。例えば、室温での誘電率は、チタン酸バリウムが約1600、チタン酸ストロンチウムが約260の値を示す。バリウムとストロンチウムの固溶比を調整することで、室温での誘電率を所望の値に調整したチタン酸バリウム・ストロンチウム粒子を得る。
また、A1原子とA2原子のモル数合計とチタンのモル数の比率(Y)は、好ましくは0.99〜1.01であり、より好ましくは0.995〜1.005であり、所望の電気特性に達するように調整する。比率Yは、1に近いほど欠陥がなく結晶性が高くなり好ましい。
酸素の割合(3±δ)におけるδ値は、好ましくは0〜0.05、より好ましくは0〜0.03であり、所望の電気特性に達するように調整する。δは0に近いほど欠陥がなく結晶性が高くなり好ましい。
本発明のペロブスカイト型構造のチタン含有複合酸化物微粒子の電気特性を改善するために、別の化合物を添加して使用しても何ら支障はない。
本発明の複合酸化物微粒子は、比表面積が1〜100m2/g、好ましくは、5〜70m2/g、より好ましくは10〜50m2/gの範囲にある。比表面積は、BET法により測定される。一般に、電子材料の小型化のためには、比表面積が1m2/g以上の粒子とする必要があるが、比表面積が100m2/gを超えると凝集しやすくなる上、該粉体の取り扱いが難しくなる。
本発明の複合物酸化物微粒子は、微粒子でかつ粒径分布が狭く、凝集の少ない分散性に優れた粒子である。ここで、一次粒子の平均粒径D1は、BET法で求めた比表面積を、粒子を球形に換算して下記式(1)により求めることができる。
(式中、ρは粒子の比重、Sは粒子の比表面積)
また、凝集した粒子の二次粒子径は、複合酸化物微粒子を溶媒中に分散し、粒度分布計にて測定する。一般に、粒度分布計は、測定する粒度分布範囲に適したものが選定される。本発明の複合酸化物微粒子の二次粒子径は、遠心沈降法、マイクロトラック法、エレクトロゾーン法(コールターカウンター)、光散乱法などで測定できるが、感度が良いことから、光散乱法で測定することが好ましい。この方法により、質量基準で二次粒子の粒度分布を測定し、平均粒径(もしくは最小から50%の粒径)D2を求める。ここで求まる粒径は球形換算径である。
一次粒子の平均粒径D1に対する二次粒子の平均粒径D2の比(D2/D1値)は、測定した粒子がともに球形であれば、理論上は1が最小になる。D2/D1値が大きくなればなるほど、一次粒子が凝集し、分散性が低下していることを示している。本発明の複合酸化物微粒子のD2/D1値は、1〜10であり、好ましくは1〜9、より好ましくは1〜8である。
本発明の複合酸化物微粒子は単結晶である。単結晶であることは、透過型電子顕微鏡の観察により知ることができる。
さらに、本発明の複合酸化物微粒子は不純物が少ないという特徴を有しており、アルカリ金属の含有量は0〜100ppmであり、好ましくは0〜80ppm、より好ましくは0〜60ppmである。塩素不純物量は0〜600ppmであり、好ましくは0〜400ppm、より好ましくは0〜200ppmである。
また、本発明の複合酸化物微粒子は、焼成工程において粒成長しづらく、比表面積が低下しにくいという特徴がある。理由は定かではないが、比表面積が100m2/gを超えるような超微粒子が少ないためと考えられる。
例えば、本発明の複合酸化物微粒子を900〜1000℃の温度で0.1〜3時間、好ましくは1〜3時間焼成した場合に、比表面積の減少率は90%以下であり、好ましくは80%以下、より好ましくは60%以下である。比表面積の減少率は、乾燥した粉末の比表面積をS1、900〜1000℃の温度で0.1〜3時間、好ましくは1〜3時間焼成した場合の比表面積をS2とすると、下記式(2)により求めることができる。
本発明の複合酸化物微粒子の形状は、走査型電子顕微鏡による拡大観察によって知ることができる。本発明の複合酸化物微粒子の形状は概ね球状である場合が多いが、組成比によってサイコロ状となる。例えばBaとSrを固溶させた場合、Aサイトにおけるバリウムの組成比Xが好ましくは0〜0.8、特に好ましくは0.35〜0.65において、900〜1200℃の温度で焼成した場合に、サイコロ状の形状となる。理由は定かではないが、サイコロ状になるのは、結晶性が高いためと思われる。ストロンチウムは、バリウムもよりも原子半径が小さいので焼成により再配列しやすく、ストロンチウムの組成比(1−X)が0.2〜1(Xが0〜0.8)において、サイコロ状になると思われる。
ここで、サイコロ状とは立方体に近い形状をいう。本発明の場合、Xの値が0〜0.8において、50%以上(好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上)の微粒子がサイコロ状となる。
本発明の複合酸化物微粒子に含まれる炭酸塩の合計は少ないほど好ましく、3質量%以下、好ましくは2質量%以下、より好ましくは0〜1質量%である。微粒子に含まれる炭酸塩(炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸鉛等)の量は、赤外吸収スペクトルを測定し知ることができる。例えば、チタン酸バリウム・ストロンチウム複合物微粒子の場合、880cm-1付近の標準炭酸バリウムと炭酸ストロンチウムのピーク強度と本発明のチタン酸バリウム・ストロンチウムのピーク強度を比較して求めることができる。
本発明の複合酸化物微粒子を純水に浸漬したときの、微粒子の単位面積あたりのA1イオンとA2イオンの合計の抽出量は、0〜2μmol/m2であり、好ましくは、0〜1μmol/m2、より好ましくは、0〜0.5μmol/m2である。理由は定かではないが、本発明の複合酸化物微粒子は、結晶性が高く、イオン性のA1原子及びA2原子が少ないため、純水への溶出量が少ないと推察される。
ここでいうイオン抽出量は、本発明微粒子の単位面積あたりに換算した各イオンの合計量として、下記式(3)により求める。
a:抽出試験後の抽出されたイオンの純水中の濃度(ppm)
L:抽出試験に用いた純水量L(g)
G:抽出試験に用いたペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子の重量(g)
S:ペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子の比表面積(m2/g)
各イオンの合計抽出量は、窒素グローブボックス中でイオン交換水に本発明微粒子を投入し密栓をして十分に撹拌し、その後上澄みを分取して、純水に抽出されたイオン量をICP発光、原子吸光法などにより測定して求める。撹拌時間は、撹拌条件により異なるため特に限定されない。撹拌時間は、時間を追って純水に抽出された各イオン量を測定し、飽和に達した値により決定する。
次に、本発明のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子の製造方法を、チタン酸バリウム・ストロンチウムを製造する場合を例にとり説明するが、本発明はチタン酸バリウム・ストロンチウムに限定されるものではない。
不活性ガス雰囲気下で、水酸化バリウムと水酸化ストロンチウムを塩基性化合物の存在するpHが約10以上、好ましくは約13以上のアルカリ性溶液に溶解させる。続いて酸化チタンゾルを投入し、反応後の液中のバリウムとストロンチウムの合計量が投入量の1000分の1以下になるまで反応させる。
反応後、塩基性化合物を室温〜焼成温度の温度範囲で、大気圧下または減圧下で、蒸発、昇華、及び/または熱分解により気体として除去し、チタン酸バリウム・ストロンチウム複合物微粒子を製造する。
本発明の複合酸化物微粒子の製造は、塩基性化合物の存在するアルカリ性溶液を必要とする。理由は定かではないが、アルカリ性が高いほど各イオン(この場合はバリウムイオン、ストロンチウムイオン)が酸化チタンと反応しやすくなるためと思われる。溶液のpHは10以上、好ましくは13以上、特に好ましくは14以上である。塩基性化合物の投入量の上限は、その塩基性化合物の水に対する飽和溶解度となる。
本発明のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子の製造方法では、水酸化物を任意の割合で用いることで、それに応じたペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子を製造する。チタン酸バリウム・ストロンチウム複合物微粒子の場合には、水酸化バリウムと水酸化ストロンチウムを、任意の割合で用いることにより、それに応じた割合でチタン酸バリウム・ストロンチウム複合物を製造する。また、バリウムとストロンチウムの合計とチタンの比率が所定比になるように、酸化チタンゾルを配合する。水酸化バリウムと水酸化ストロンチウムの割合に特に制限はない。
例えば、水酸化バリウム:水酸化ストロンチウム:酸化チタン=5モル:5モル:10モル投入することにより、Ba0.5Sr0.5TiO3複合体複合物が製造でき、水酸化バリウム:水酸化ストロンチウム:酸化チタン=6モル:4モル:10モル投入することにより、Ba0.6Sr0.4TiO3複合物微粒子が製造できる。
そして、反応後の液中の各イオンの合計濃度が投入量の1000分の1以下になるまで反応させる。好ましくは2000分の1以下、より好ましくは5000分の1以下、特に好ましくは10000分の1以下まで反応させる。このことにより、ペロブスカイト型チタン含有複合酸化物への反応率を高め、未反応の水酸化物、酸化チタンのなどの原料を低減し、高純度化し、結晶性を高める。反応後の合計濃度の減少率は、下記式(4)より求めることができる。
ここで、反応後の液中の各イオン量は、固体分を除去し、反応液中の各イオン量をICP発光法や原子吸光法などで定量して求めることができる。
反応後、塩基性化合物を室温〜焼成温度の温度範囲で、大気圧下または減圧下で、不純物を蒸発、昇華、及び/または熱分解により気体として除去することで、本発明のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物粒子表面からの各イオンの溶出を抑制し、結晶性を高める。
反応は、加熱、撹拌して行うのが最も工業的である。反応液中の炭酸基(炭酸種として、CO2、H2CO3、HCO3 -、及びCO3 2-を含む)は、水酸化バリウムや水酸化ストロンチウムと反応して安定な炭酸バリウムと炭酸ストロンチウムを生成する。炭酸バリウムや炭酸ストロンチウムは、酸化チタンと反応せずに、ペロブスカイト型チタン含有複合酸化物粒子中に、不純物として残存してしまう。したがって、反応溶液中の炭酸基の濃度(CO2換算値。以下、特に断りのない限り同様である。)を制御することにより、純度の高いペロブスカイト型チタン含有複合酸化物粒子を安定に製造する
反応溶液中のCO2換算濃度は、0〜500質量ppmであり、好ましくは0〜200質量ppmであり、より好ましくは0〜100質量ppmである。反応液中の炭酸基の濃度を減少するために、塩基性化合物を溶解する前の水を製造直前に加熱処理して脱炭酸するのが好ましい。また、反応溶液は、アルカリ性のため、空気中のCO2を吸収しやすい。そのため、反応液が空気と接触しないように、密封もしくは不活性ガスなどを吹き込みながら、反応を行うのが好ましい。
結晶性を高めるには、反応温度をできるだけ高くするのが望ましい。反応温度を高くするには、100℃〜溶液の臨界温度までの水熱反応が可能であるが、このためには、オートクレーブの安全に配慮した設備を必要とする。従って、常圧で100℃以上に煮沸し、温度を保持して行うのが好ましい。また、機械的に撹拌すると、原料同士が混合され好適である。反応時間は、通常、2時間以上であり、好ましくは3時間以上であり、より好ましくは4時間以上である。
電気特性に悪影響を与える不純物としては、微量な金属イオンや陰イオンなどの成分も含まれる。微量な金属イオンや陰イオンなどの不純物イオンを除去するためには、反応終了後のスラリーを電気透析、イオン交換、水洗、酸洗、浸透膜などで処理するなど種々の方法がある。しかしながら、これらの方法では、不純物イオンと同時にペロブスカイト型チタン含有複合酸化物粒子に含まれるバリウム等も同時にイオン化してスラリー中に一部溶解する場合があるため、所望の比率でバリウム及びストロンチウムを固溶させるのが難しくなるだけでなく、結晶に欠陥が生じたりして、結晶性が低下する場合がある。また、反応液がアルカリ性のため、これらの処理中に空気中の二酸化炭素が混入しやすい。そのため、本発明のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子に含まれる炭酸塩が多くなる場合がある。
したがって、不純物の少ない原料の選定、反応、焼成における不純物の混入防止を行うことが好ましい。それに加えて、室温〜焼成温度の温度範囲で、大気圧下または減圧下で、不純物を蒸発、昇華、及び/または熱分解により気体として除去するのが好ましい。
焼成は、一般にチタン含有複合酸化物の結晶性を向上させるために行われるが、一方では、不純物を、蒸発、昇華、及び/または熱分解により気体として除去することができる。この方法により除去できる不純物としては、カーボン数の低い有機アミン、アンモニア塩の水酸化物などの有機塩基、及び原料中に含まれる不純物としての微量の有機物、炭酸塩などが挙げられる。通常、焼成は350〜1200℃で行われる。焼成雰囲気は特に制限はなく、通常、大気中もしくは減圧中で行われる。
尚、スラリーの固液分離を行ってから焼成を行うのが、焼成での熱エネルギーの低減や結晶性の向上の観点から好ましい。固液分離には、粒子の沈降、濃縮、ろ過、及び/または乾燥、解砕の工程が含まれる。沈降、濃縮、ろ過により液中に溶解する不純物が除去できる。沈降速度、あるいはろ過速度を変えるために、凝集剤や分散剤を用いてもよい。該凝集剤あるいは分散剤は、蒸発、昇華、及び/または熱分解により気体として除去可能なものが好ましい。
乾燥工程は、水分を蒸発する工程であるが、塩基性化合物あるいは不純物の種類によっては、一部もしくは全量の不純物を、蒸発、昇華、及び/または熱分解によって除去可能である。乾燥には、減圧乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥等の方法が用いられる。乾燥は通常、室温〜350℃で、1〜24時間行われる。乾燥の雰囲気は特に制限はないが、通常大気中または不活性ガス中または減圧中で行われる。その後、適当な方法で解砕してもよい
本発明に用いられるバリウム塩、ストロンチウム塩等は、水酸化物を使用することが好ましい。水酸化物であれば、無水塩でも水和物でもよく、特に限定されない。
一般に、ペロブスカイト型構造のチタン含有複合酸化物の合成においては、反応、固液分離、乾燥、焼成等の各工程で、一般式(A1XA2(1-X)YTiO3±δにおける酸素の比率(3+δ)が変化するため、結晶構造に欠陥を生じて電気特性が低下しやすい。しかしながら、本発明においては上記に記載した製造方法を採用することで、δの値を非常に小さくすることが可能となる。
本発明に用いられる酸化チタンゾルとしては、特に制限はないが、ブルーカイト型結晶結晶を含有する酸化チタンゾルが望ましい。もしくは、チタン塩を酸性溶液中で加水分解して得られた酸化チタンゾルが望ましい。
ブルーカイト型結晶を含有するものであればブルーカイト型の酸化チタン単独、またはルチル型やアナターゼ型の酸化チタンを含んでもよい。ルチル型やアナターゼ型の酸化チタンを含む場合、酸化チタン中のブルーカイト型酸化チタンの割合は特に制限はないが、通常、1〜100質量%であり、好ましくは10〜100質量%、より好ましくは50〜100質量%である。これは、溶媒中において酸化チタン粒子が分散性に優れたものとするためには、不定形よりも結晶性であることが単粒化しやすいことから好ましく、特にブルーカイト型酸化チタンが分散性に優れているためである。この理由は明らかではないが、pH2におけるゼータ電位が、ブルーカイト型がルチル型、アナターゼ型よりも高いことと関係していると考えられる。
ブルーカイト型結晶を含有する酸化チタン粒子の製造方法は、アナターゼ型酸化チタン粒子を熱処理してブルーカイト型結晶を含む酸化チタン粒子を得る製造方法や、四塩化チタン、三塩化チタン、チタンアルコキシド、硫酸チタン等のチタン化合物の溶液を中和し、または加水分解することによって、酸化チタン粒子が分散した酸化チタンゾルとして得る液相での製造方法等がある。
本発明の微粒子の製造原料にブルーカイト型結晶を含有する酸化チタン粒子を用いる場合は、酸化チタン粒子としてチタン塩を酸性溶液中で加水分解してなる酸化チタンゾルを用いることが好ましい。このような酸化チタンゾルは、粒子の粒径が小さく分散性に優れている。酸化チタンゾルの製造方法としては、例えば75〜100℃の熱水に四塩化チタンを加え、75℃以上であって溶液の沸点以下の温度で、塩素イオン濃度をコントロールしながら四塩化チタンを加水分解することにより、ブルーカイト型結晶を含有する酸化チタン粒子をゾルとして得る方法(特開平11−43327号公報)や、75〜100℃の熱水に四塩化チタンを加え、硝酸イオン、燐酸イオンのいずれか一方または双方の存在下に、75℃以上であって溶液の沸点以下の温度で、塩素イオン、硝酸イオン及び燐酸イオンの合計の濃度をコントロールしながら四塩化チタンを加水分解することにより、ブルーカイト型結晶を含有する酸化チタン粒子をゾルとして得る方法(国際公開第99/58451号パンフレット)が好ましい。
こうして得られたブルーカイト型結晶を含有する酸化チタン粒子の大きさは、1次粒子径が通常1〜100nmであり、好ましくは3〜50nmであり、より好ましくは5〜20nmである。100nmを越えると、これを原料として製造したチタン含有複合酸化物粒子の粒径が大きくなり、誘電材斜、圧電材料等の機能材料には適さない場合がある。1nm未満では、酸化チタン粒子を製造する工程での取り扱いが困難な場合がある。
チタン塩を酸性溶液中で加水分解して得られた酸化チタンゾルを用いる場合は、酸化チタンの結晶型に制限はなく、ブルーカイト型に限定されるものではない。
四塩化チタンや硫酸チタン等のチタン塩を酸性溶液中で加水分解すると、中性やアルカリ性の溶液中で行うよりも反応速度が抑制されるので粒径が単粒化し、分散性に潰れた酸化チタンゾルが得られる。また、塩素イオン、硫酸イオン等の陰イオンが、生成した酸化チタン粒子の内部に取り込まれにくいので、チタン含有複合酸化物粒子を製造した際にその粒子への陰イオンの混入を低減することができる。
一方、中性やアルカリ性の溶液中で加水分解すると、反応速度が大きくなり、初期に多くの核発生が起こることが多い。そのため、粒径は小さいが分散性が悪い酸化チタンゾルとなり、粒子が鬘状に凝集してしまう場合もある。このような酸化チタンゾルを原料として、チタン含有複合酸化物粒子を製造した場合、得られた粒子は粒径が小さくても、分散性が悪いものとなる場合がある。また、陰イオンが酸化チタン粒子の内部に混入しやすくなり、その後の工程でこれらの陰イオンを除去することが難しくなる場合がある。
チタン塩を酸性溶液中で加水分解し酸化チタンゾルを得る方法は、溶液が酸性に保持される方法であれは特に制限はないが、四塩化チタンを原料とし、還流冷却器を取り付けた反応器内で加水分解し、その際発生する塩素の逸出を抑制し、溶液を酸性に保持する方法(特開平11−43327号公報)が好ましい。
また、チタン塩の酸性溶液中の濃度は、0.01〜5mol/Lであることが好ましい。これは、濃度が5mol/Lを越えると、加水分解の反応速度が大きくなり、粒径が大きく分散性の悪い酸化チタンゾルが得られる場合があるためであり、0.01mol/L未満では、得られる酸化チタン濃度が少なくなり生産性が悪くなる場合があるためである。
酸化チタンゾルの投入方法としては、特に制限はないが、酸化チタンゾルの凝集を抑制し分散性に優れたチタン酸バリウム・ストロンチウムを得るには、塩基性化合物の存在するアルカリ性溶液に少なくとも飽和溶解度以上のバリウム・ストロンチウム塩投入し加熱、撹拌した反応液に、少量ずつ投入するのがよい。酸化チタンゾルを少量ずつ投入する方法としては、ポンプ等を用いて滴下する方法や液中に注入する方法などがあげられる。
本発明に用いられる塩基化合物は、特に制限はないが、大気圧下または減圧下で、蒸発、昇華、及び/または熱分解により気体となる物質が好ましい。例えば、アンモニア、水に対する溶解性の高いカーボン数の低い有機アミン、アンモニウム塩の水酸化物などの有機塩基があげられる。
中でも、アンモニウム塩の水酸化物は、水に溶解すると乖離度が高く強い塩基として作用し、反応時に揮発することなく好適である。一方、アンモニアや水に対する溶解性の高いカーボン数の低い有機アミンは、塩基として弱く、低沸点のため使いにくい場合がある。
アンモニウム塩の水酸化物としては、工業的には、コリン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)などが知られており、安価に入手できる。特に、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドは、電子工業用に使用されており、不純物として金属イオン等が少ないものが入手できるだけでなく、135℃から140℃で熱分解し気体として除去できるので好適である。
安価な水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機化合物を用いても本発明のチタン酸バリウム・ストロンチウム複合物微粒子は製造できる。
これら塩基化合物は、特に制限はなく、これらは1種類単独で用いてもよく、2種類以上の化合物を任意の比率で混合して用いても支障はない。
このようにして製造されるペロブスカイト型チタン含有複合酸化物粒子は、粒径が小さく粒径分布の狭い、分散性に優れた、結晶性が高く、電気特性に優れた、特に不純物が少ない、A1原子とA2原子を任意の比に固溶させたものであり、誘電体磁器、焦電体磁器、圧電体磁器、薄膜状形成物に成形される。
これらの磁器、薄膜状形成物は、コンデンサの材料、センサーなどに用いられる。
また、本発明のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物粒子は、単品、あるいは添加剤、その他の材料等と混合して、水、既存の無機系バインダー、既存の有機系バインダーからなる一種以上の溶剤でスラリー化あるいはペースト化して用いることも可能である。
本発明のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子の電気特性は、粒子に焼結助剤等の各種添加剤を加えてディスク状に成形したもの、あるいは該粒子を含むスラリー、ぺースト等に各種添加剤を加えて薄膜状に成形したもの等を、適当な条件で焼成した後、インピーダンスアナライザー等を使用して評価可能である。
本発明のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子を含む充填材を、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種以上に分散させることにより高誘電率のフィルムを得ることが出来る。
本発明のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子以外の充填材を含ませる場合には、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化タンタルなどからなる群より1種以上を選択して使用することが可能である。
熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂は特に制限されず、通常使用されている樹脂を使用することが可能であるが、熱硬化性樹脂としては例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ビストリアジン樹脂等が好適である。熱可塑性樹脂としては例えばポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド等が好適である。
本発明のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子を含む充填材を熱硬化性樹脂または/及び熱可塑性樹脂の少なくとも一種以上に均一に分散させるために、予め充填材を溶剤または上記樹脂組成物と溶剤の混合物に分散させスラリーを得るのが望ましい。
充填材を溶剤または上記樹脂組成物と溶剤の混合物に分散させスラリーを得る方法は特に限定されないが、湿式解砕の工程を含むのが望ましい。
溶剤としては特に制限されず、通常使用される溶剤であれば何でも使用可能であるが、例えば、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、メチルセルソルブ、を単独で或いは二種以上を混合して用いることが出来る。
充填材を溶剤または上記樹脂組成物と溶剤の混合物に分散させたスラリーを得るためにカップリング剤で処理することが望ましい。カップリング剤としては特に制限される物ではなく、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤があげられる。カップリング剤の親水基が、本発明のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子を含む充填材表面の活性水素と反応し表面に被覆されるため、溶剤への分散性が良好になる。カップリング剤の疎水基は、その選択により樹脂への相溶性を高めることができる。例えば、樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合には、モノアミノ、ジアミノ、カチオニックスチリル、エポキシ、メルカプト、アニリノ、ウレイドなどのいずれかを官能基の一つに有するシランカップリング剤や、ホスファイト、アミノ、ジアミノ、エポキシ、メルカプトなどのいずれかを官能基の一つに有するチタネート系カップリング剤が好適である。樹脂としてポリイミド樹脂を用いる場合には、モノアミノ、ジアミノ、アニリノなどのいずれかを官能基の一つに有するシランカップリング剤や、モノアミノ、ジアミノなどのいずれかを官能基の一つに有するチタネート系カップリング剤が好適である。これらのうち一種を単独で用いたり、二種以上を混合して用いたりすることができる。
カップリング材の配合量は、特に限定されず、本発明のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子の一部または全部が被覆されていれば良いが、多いと未反応のまま残り悪影響を与える場合があり、少なすぎるとカップリング効果が低くなる場合もある。したがって、本発明のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子を含む充填材の粒径及び比表面積、カップリング剤の種類によって、充填材が均一に分散できる配合量を選択することが好ましいが、本発明のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子を含む充填材の0.05〜20重量%程度の配合量が望ましい。
カップリング剤の親水基と本発明のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子を含む充填材表面の活性水素との反応を完結させるため、スラリーにしてから加熱処理する工程を含むのが望ましい。加熱温度と時間に特に制限はないが、100〜150℃で1時間から3時間加熱処理することが好ましい。また、溶剤の沸点が100℃以下のときは、加熱温度は溶剤の沸点以下とし、加熱時間をそれに応じて長くするとよい。
以下、本発明を実施例及び比較例をあげて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1:
四塩化チタン(住友チタニウム(株)製:純度99.9%)濃度が0.25mol/Lの水溶液を還流冷却器つきの反応器に投入し、塩素イオンの逸出を抑制し、酸性に保ちながら沸点付近まで加熱した。その温度で60分間保持して四塩化チタンを加水分解し、酸化チタンゾル得た。得られた酸化チタンゾルを110℃で乾燥し理学電機(株)製X線回折装置(RAD−B ローターフレックス)で結晶型を調べた結果ブルーカイト型酸化チタンであることがわかった。
還流冷却管付き反応器に、窒素気流下で、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド20質量%水溶液(セイケム昭和(株)製、炭酸基濃度60ppm以下)456gと水酸化バリウム8水和物75.7gと水酸化ストロンチウム8水和物42.5gを投入しpH14とした水溶液を撹拌しながら煮沸した。前記ゾルを電気透析装置により塩素イオンを500ppmになるまで除去した後沈降濃縮して得た酸化チタン濃度15質量%のゾル213gを、反応器に毎分7gの速度で滴下した。
そのまま撹拌しながら煮沸を4時間維持した。撹拌しながら加熱を停止し50℃まで放冷した後、減圧ろ過した。ろ液1gに濃硝酸1mlと純水を加え50mlとしICP発光法で測定したところ、ろ液中のバリウムイオン量は2ppm、ストロンチウムイオンは1ppmであった。(3)式より算出した反応後の液中のバリウムイオンとストロンチウムイオンの合計濃度が、投入量の1000分の1以下になるまで反応した。
得られたケーキを、300℃で5時間乾燥して、乾燥粉末を得た。反応に用いた酸化チタン量と水酸化バリウム量から算出される理論収量に対する実収量の割合は99.9%であった。
乾燥した粉末を、乳鉢で解砕した。この粉体を理学電機(株)製X線回折装置(RAD−B ローターフレックス)を用いて評価した。X線回折強度からリートベルト解析を実施したところ、得られた粉体はぺロブスカイト型のバリウムとストロンチウムが固溶したBa0.6Sr0.4TiO3複合物微粒子であることが判明した。そのときのX線回析スペクトルを図1に示す。
BET法にて粒子の比表面積を測定したところ、粒子の比表面積は49m2/gであった。さらに、粒子形状を走査型電子顕微鏡で拡大観際したところ、球状であることがわかった(図2)。
式(1)より算出された一次粒子の平均粒径D1は、0.022μmであった。また、この粉体を純水中に分散させて大塚電子(製)光散乱型粒度分布測定装置(ELS−8000)で測定した平均粒子径D2は0.17μmであり、D2/D1=7.7であることがわかった。
この乾燥粉体約6mgとKBr約900mgを粉砕、混合し、約800mgを錠剤型にプレスした。また、同様に炭酸バリウム標準を錠剤型にプレスした。赤外吸収スペクトルを、Bio―Rad社製FTS6000で測定した。880cm-1付近の標準炭酸カバリウムと炭酸ストロンチウムのピーク強度と本発明のチタン酸バリウム・ストロンチウムのピーク強度を比較した。この粉体に含まれる炭酸バリウムと炭酸ストロンチウムの合計量は、0.5質量%であった。
乾燥粉体を溶解し、ICP発光法でカリウム(K)イオン量を測定したところ、20ppmのKイオンが含まれていた。また、陰イオンクロマトグラフィーで塩素(Cl)イオン量を測定したところ100ppmのClイオンが含まれていた。
窒素グローブボックス中でイオン交換水45mlに、この乾燥粉体1.5gと撹拌子を投入して密栓をし、スターラーにて24時間以上十分に撹拌した。その後上澄みを分取し、メンブランフィルターでろ過した。ろ液1mlに濃硝酸0.5mlと純水を加えて25mlに定容し、ICP発光法で、バリウムイオンとストロンチウムイオンを定量した。式(3)から算出した抽出量は、0.22μmol/m2であった。
この乾燥した粉末を、株式会社デンケン電気炉(KDFP−90)に入れ、毎分20℃で昇温、950℃2時間保持、その後自然冷却した。得られた粉末の比表面積は21m2/gで、式(2)より算出した比表面積の減少率は57%であった。走査型電子顕微鏡で拡大観際した粒子形状はサイコロ状であった(図3)。そのときのX線回析スペクトルを図4に示す。
さらに、得られた試料を用い透過型電子顕微鏡(日立製作所,H−9000UHR)で観察した(図5)。電子線回析像より単結晶であることがわかった(図6)。
実施例2:
水酸化バリウム8水和物を50.5gと水酸化ストロンチウム8水和物を63.8gとした以外は実施例1と同様の操作でチタン酸バリウム・ストロンチウム複合物微粒子を製造した。
反応後の液中のバリウムイオンとストロンチウムイオンの合計濃度が、投入量の1000分の1以下になるまで反応させた。理論収量に対する実収量の割合は99.9%であり、比表面積は48m2/gで、ぺロブスカイト型のバリウムとストロンチウムが固溶したBa0.4Sr0.6TiO3複合体であり、形状は球状であった。そのときのX線回析スペクトルを図7に示す。
D1=0.023μm、D2=0.17μmであり、D2/D1=7.4であった。また、この粉体に含まれる炭酸バリウムと炭酸ストロンチウムの合計量は、0.4質量%であった。
乾燥粉体を溶解し、ICP発光法でKイオン量を測定したところ、10ppmのKイオンが含まれていた。また、陰イオンクロマトグラフィーでClイオン量を測定したところ80ppmのClイオンが含まれていた。
式(3)により算出したバリウムイオンとストロンチウムイオンの合計の抽出量は、0.32μmol/m2であった。
950℃2時間保持後の比表面積は23m2/gで、式(2)により算出した比表面積の減少率は52%であった。形状は、サイコロ状をしており、単結晶であった。
実施例3:
水酸化バリウム8水和物を0g、水酸化ストロンチウム8水和物を106.3gをとした以外は実施例1と同様の操作でチタン酸ストロンチウム微粒子を製造した。
反応後の液中のストロンチウムイオンの濃度が、投入量の1000分の1以下になるまで反応させた。理論収量に対する実収量の割合は99.9%であり、比表面積は46m2/gで、ぺロブスカイト型のSrTiO3であり、形状は球状であった。そのときのX線回析スペクトルを図8に示す。
D1=0.025μm、D2=0.16μmであり、D2/D1=6.4であった。また、この粉体に含まれる炭酸ストロンチウム量は、0.6質量%であった。
乾燥粉体を溶解し、ICP発光法でKイオン量を測定したところ、25ppmのKイオンが含まれていた。また、陰イオンクロマトグラフィーでClイオン量を測定したところ92ppmのClイオンが含まれていた。
式(3)により算出したイオン抽出量は、0.36μmol/m2であった。
950℃2時間保持後の比表面積は15m2/gで、式(2)により算出した比表面積の減少率は67%であった。形状は、サイコロ状をしており、単結晶であった。
実施例4:
水酸化バリウム8水和物を126.2g、水酸化ストロンチウム8水和物を0gとした以外は実施例1と同様の操作でチタン酸バリウム微粒子を製造した。
反応後の液中のバリウムイオン濃度が、投入量の1000分の1以下になるまで反応させた。理論収量に対する実収量の割合は99.9%であり、比表面積は39m2/gで、ぺロブスカイト型のBaTiO3であり、形状は球状であった。
D1=0.024μm、D2=0.16μmであり、D2/D1=6.4であった。また、この粉体に含まれる炭酸バリウム量は、0.5質量%であった。
乾燥粉体を溶解し、ICP発光法でKイオン量を測定したところ、18ppmのKイオンが含まれていた。また、陰イオンクロマトグラフィーでClイオン量を測定したところ100ppmのClイオンが含まれていた。
式(3)により算出されたイオン抽出量は、0.36μmol/m2であった。
950℃2時間保持後の比表面積は4m2/gで、式(2)により算出した比表面積の減少率は90%であった。形状は、球状をしており、単結晶であった。
実施例5:
水酸化バリウム8水和物を1.3gと水酸化ストロンチウム8水和物を105.2gとした以外は実施例1と同様の操作でチタン酸バリウム・ストロンチウム複合物微粒子を製造した。
反応後の液中のバリウムイオンとストロンチウムイオンの合計濃度が、投入量の1000分の1以下になるまで反応させた。理論収量に対する実収量の割合は99.9%であり、比表面積は46m2/gで、ぺロブスカイト型のバリウムとストロンチウムが固溶したBa0.01Sr0.99TiO3複合体であり、形状は球状であった。
D1=0.025μm、D2=0.16μmであり、D2/D1=6.4であった。また、この粉体に含まれる炭酸バリウムと炭酸ストロンチウムの合計量は、0.6質量%であった。
乾燥粉体を溶解し、ICP発光法でKイオン量を測定したところ、16ppmのKイオンが含まれていた。また、陰イオンクロマトグラフィーでClイオン量を測定したところ80ppmのClイオンが含まれていた。
式(3)により算出されたイオンの抽出量は、0.36μmol/m2であった。
950℃2時間保持後の比表面積は16m2/gで、比表面積の減少率は65%であった。形状は、サイコロ状をしており、単結晶であった。
実施例6:
水酸化バリウム8水和物を124.9gと水酸化ストロンチウム8水和物1.1gをした以外は実施例1と同様の操作でチタン酸バリウム・ストロンチウム複合物微粒子を製造した。
反応後の液中のバリウムイオンとストロンチウムイオンの合計濃度が、投入量の1000分の1以下になるまで反応させた。理論収量に対する実収量の割合は99.9%であり、比表面積は、43m2/gで、ぺロブスカイト型のBa0.99Sr0.01TiO3であり、形状は球状であった。
D1=0.024μm、D2=0.17μmであり、D2/D1=7.1であった。また、この粉体に含まれる炭酸バリウムと炭酸ストロンチウムの合計量は、0.4質量%であった。
乾燥粉体を溶解し、ICP発光法でKイオン量を測定したところ、21ppmのKイオンが含まれていた。また、陰イオンクロマトグラフィーでClイオン量を測定したところ95ppmのClイオンが含まれていた。
式(3)により算出されたイオンの合計抽出量は、0.42μmol/m2であった。
950℃2時間保持後の比表面積は5m2/gで、比表面積の減少率は88%であった。形状は、球状をしており、単結晶であった。
実施例7:
実施例1で合成したブルーカイト型酸化チタンゾルの代わりに市販のアナターゼ型酸化チタンゾル(石原産業製STS−02)を用いた以外は実施例1と同様の操作でチタン酸バリウム・ストロンチウム複合物微粒子を製造した。
反応後の液中のバリウムイオンとストロンチウムイオンの合計濃度が、投入量の1000分の1以下になるまで反応した。理論収量に対する実収量の割合は99.9%であり、比表面積は57m2/gで、ぺロブスカイト型のバリウムとストロンチウムが固溶したBa0.6Sr0.4TiO3複合体であり、形状は球状であった。
D1=0.018μm、D2=0.17μmであり、D2/D1=9.4であった。また、この粉体に含まれる炭酸バリウムと炭酸ストロンチウムの合計量は、0.5質量%であった。
乾燥粉体を溶解し、ICP発光法でKイオン量を測定したところ、20ppmのKイオンが含まれていた。また、陰イオンクロマトグラフィーでClイオン量を測定したところ60ppmのClイオンが含まれていた。
式(3)により算出したイオンの合計抽出量は、0.53μmol/m2であった。
950℃2時間保持後の比表面積は30m2/gで、比表面積の減少率は47%であった。形状は、サイコロ状をしており、単結晶であった。
実施例8:
水酸化バリウム8水和物を77.2gと水酸化ストロンチウム8水和物を43.5gとした以外は実施例1と同様の操作でチタン酸バリウム・ストロンチウム複合酸化物微粒子を製造した。
反応後の液中のバリウムイオンとストロンチウムイオンの合計濃度が、投入量の1000分の1以下になるまで反応した。理論収量に対する実収量の割合は99.9%であり、比表面積は46m2/gで、ぺロブスカイト型のバリウムとストロンチウムが固溶したBa0.6Sr0.4TiO3複合体であり、形状は球状であった。
D1が0.023μm、D2が0.17μmであり、D2/D1=7.4であった。
また、この粉体に含まれる炭酸バリウムと炭酸ストロンチウムの合計量は、0.5質量%であった。
乾燥粉体を溶解し、ICP発光法でKイオン量を測定したところ、10ppmのKイオンが含まれていた。また、陰イオンクロマトグラフィーでClイオン量を測定したところ100ppmのClイオンが含まれていた。
式(3)により算出したバリウムイオンとストロンチウムイオンの合計の抽出量は、0.60μmol/m2であった。
950℃2時間保持後の比表面積は24m2/gで、式(2)により算出した比表面積の減少率は48%であった。形状は、サイコロ状をしており、単結晶であった。
実施例9:
水酸化バリウム8水和物を74.2gと水酸化ストロンチウム8水和物を41.7gとした以外は実施例1と同様の操作でチタン酸バリウム・ストロンチウム複合酸化物微粒子を製造した。
反応後の液中のバリウムイオンとストロンチウムイオンの合計濃度が、投入量の1000分の1以下になるまで反応した。理論収量に対する実収量の割合は99.9%であり、比表面積は49m2/gで、ぺロブスカイト型のバリウムとストロンチウムが固溶したBa0.6Sr0.4TiO3複合体であり、形状は球状であった。
D1が0.022μm、D2が0.18μmであり、D2/D1=8.2であった。
また、この粉体に含まれる炭酸バリウムと炭酸ストロンチウムの合計量は、0.4質量%であった。
乾燥粉体を溶解し、ICP発光法でKイオン量を測定したところ、20ppmのKイオンが含まれていた。また、陰イオンクロマトグラフィーでClイオン量を測定したところ110ppmのClイオンが含まれていた。
式(3)により算出したバリウムイオンとストロンチウムイオンの合計の抽出量は、0.70μmol/m2であった。
950℃2時間保持後の比表面積は21m2/gで、式(2)により算出した比表面積の減少率は57%であった。形状は、サイコロ状をしており、単結晶であった。
実施例10:
水酸化バリウム8水和物を119.9g、水酸化ストロンチウム8水和物の代わりに水酸化カルシウム1.5gを用いた以外は実施例1と同様の操作でチタン酸バリウム・カルシウム複合酸化物微粒子を製造した。
反応後の液中のバリウムイオンとカルシウムイオンの合計濃度が、投入量の1000分の1以下になるまで反応させた。理論収量に対する実収量の割合は99.8%であり、比表面積は38m2/gで、ぺロブスカイト型のBa0.95Ca0.05TiO3複合体であり、粒子形状を走査型電子顕微鏡で拡大観際したところ、球状であった(図9)。そのときのX線回析スペクトルを図10に示す。
D1=0.027μm、D2=0.21μmであり、D2/D1=7.8であった。また、この粉体に含まれる炭酸バリウム量と炭酸カルシウム量の合計は、0.4質量%であった。
乾燥粉体を溶解し、ICP発光法でKイオン量を測定したところ、12ppmのKイオンが含まれていた。また、陰イオンクロマトグラフィーでClイオン量を測定したところ70ppmのClイオンが含まれていた。
式(3)により算出されたイオン抽出量は、0.21μmol/m2であった。
950℃2時間保持後の比表面積は7m2/gで、式(2)により算出した比表面積の減少率は82%であった。走査型電子顕微鏡で拡大観際した粒子形状は球状であり(図11)、単結晶であった。そのときのX線回折スペクトルを図12に示す。
比較例1:
水酸化バリウム8水和物の代わりに塩化バリウム2水和物58.6gと水酸化ストロンチウム8水和物の代わりに塩化ストロンチウム6水和物42.7gを用いた以外は実施例1と同様の操作でチタン酸バリウム・ストロンチウム複合物微粒子を製造した。
反応後の液中のバリウムイオンとストロンチウムイオンの合計濃度が、投入量の1000分の1以下になるまで反応させた。理論収量に対する実収量の割合は99.9%であり、比表面積は48m2/gで、ぺロブスカイト型のバリウムとストロンチウムが固溶したBa0.6Sr0.4TiO3複合体であり、形状は球状であった。
D1=0.022μm、D2=0.17μmであり、D2/D1=7.7であった。また、この粉体に含まれる炭酸バリウムと炭酸ストロンチウムの合計量は、0.5質量%であった。式(3)より算出されたイオンの合計抽出量は、0.46μmol/m2であった。
950℃2時間保持後の比表面積は25m2/gで、比表面積の減少率は48%であった。形状は、サイコロ状をしており、単結晶であった。しかしながら、乾燥粉末を溶解し、陰イオンクロマトグラフィーでClイオンを測定したところ、粉末1gあたり14000ppmのClイオンが含まれており、この方法で製造されたチタン酸バリウム・ストロンチウム複合物微粒子は、電子材料用には適さないことがわかった。
比較例2:
比較例1において、合成後、水洗、ろ過を繰り返し10回繰り返した。乾燥粉末1gあたりのClイオン量は500μgに低下した。10回目のろ液中のバリウム量は20ppm、ストロンチウム量は15ppmであった。乾燥粉末を溶解して測定したところ、バリウムとストロンチウムの合計とチタンの比は、0.94であった。
比較例3:
TMAHの代わりに20%KOHを用いた以外は実施例1と同様の操作でチタン酸バリウム・ストロンチウム複合物微粒子を製造した。
反応後の液中のバリウムイオンとストロンチウムイオンの合計濃度が、投入量の1000分の1以下になるまで反応させた。理論収量に対する実収量の割合は99.9%であり、粒子の比表面積は48m2/gであった。X線回折により評価したところ、ぺロブスカイト型のバリウムとストロンチウムが固溶したBa0.6Sr0.4TiO3複合体であることがわかった。電子顕微鏡で拡大観察したところ、形状は球状であった。
D1=0.022μm、D2=0.16μmであり、D2/D1=7.3であった。また、この粉体に含まれる炭酸バリウムと炭酸ストロンチウムの合計量は、0.5質量%であった。式(3)により算出したイオンの合計抽出量は、0.46μmol/m2であった。
950℃2時間保持後の比表面積は25m2/gで、比表面積の減少率は48%であった。形状は、サイコロ状をしており、単結晶であった。しかしながら、乾燥粉末を溶解し、ICP発光法でKイオンを測定したところ、粉末1gあたり5000ppmのKイオンが含まれており、この方法で製造されたチタン酸バリウム・ストロンチウム複合物微粒子は、電子材料用には適さないことがわかった。
比較例4:
比較例3において、合成後、水洗、ろ過を繰り返し10回繰り返した。乾燥粉末1gあたりのKイオン量は300ppmに低下した。10回目のろ液中のバリウム量は18ppm、ストロンチウム量は12ppmであった。乾燥粉末を溶解して測定したところ、バリウムイオンとストロンチウムイオンの合計とチタンの比は、0.96であった。
比較例5:
TMAHを添加しないかわりに純水368gを用いた以外は実施例1と同様の操作でチタン酸バリウム・ストロンチウム合成複合物微粒子を製造した。
反応後の液中のバリウムイオンとストロンチウムイオンの合計濃度が、投入量の2%になるまで反応させた。理論収量に対する実収量の割合は98%であった。ろ液中の水を蒸発させて、300℃5時間乾燥して、粉体を得た。この粉体をX線回折により調べたところ、原料である水酸化バリウムと水酸化ストロンチウムが含まれることがわかった。式(3)により算出したイオンの合計抽出量は、30μmol/m2であった。
比較例6:
撹拌しながら煮沸を4時間維持するところを12時間とした以外は、比較例5と同様の操作でチタン酸バリウム・ストロンチウム複合物微粒子を製造した。
反応後の液中のバリウムイオンとストロンチウムイオンの合計濃度は、投入量の1.7%まで反応させた。理論収量に対する実収量の割合は98.3%であった。ろ液中の水を蒸発させて、300℃5時間乾燥して、粉体を得た。この粉体をX線回折により調べたところ、原料である水酸化バリウムと水酸化ストロンチウムが含まれることがわかった。式(3)で算出したバリウムイオンとストロンチウムイオンの合計抽出量は、26μmol/m2であった。
比較例7:
撹拌しながら煮沸を4時間維持するところを1時間とした以外は、実施例1と同様の操作でチタン酸バリウム・ストロンチウム複合物微粒子を製造した。
反応後の液中のバリウムイオンとストロンチウムイオンの合計濃度が、投入量の0.4%になるまで反応させた。理論収量に対する実収量の割合は99.6%であった。ろ液中の水を蒸発させて、300℃5時間乾燥して、粉体を得た。この粉体をX線回折により調べたところ、原料である水酸化バリウムと水酸化ストロンチウムが含まれることがわかった。式(3)により算出したイオンの合計抽出量は、5μmol/m2であった。
比較例8:
テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド20質量%水溶液(セイケム昭和製、炭酸根の濃度60ppm以下)を大気中に放置して炭酸基の濃度を6000ppmにした以外は、実施例1と同様の操作でチタン酸バリウム・ストロンチウムを製造した。
反応後の液中のバリウムイオンとストロンチウムイオンの合計濃度が、投入量の1000分の1以下まで反応させた。理論収量に対する実収量の割合は99.9質量%であった。実施例1と同様にして調べたところ、得られた粉体には、この粉体に含まれる炭酸バリウムと炭酸ストロンチウムの合計量は、6質量%であった。式(3)により算出したイオンの合計の抽出量は、7μmol/m2であった。
比較例9:
水酸化バリウム8水和物を79.5gと水酸化ストロンチウム8水和物を44.6gとした以外は実施例1と同様の操作でチタン酸バリウム・ストロンチウム複合酸化物微粒子を製造した。
反応後の液中のバリウムイオンとストロンチウムイオンの合計濃度が、投入量の1000分の1以下になるまで反応した。理論収量に対する実収量の割合は99.9%であり、比表面積は46m2/gで、ぺロブスカイト型のバリウムとストロンチウムが固溶したBa0.6Sr0.4TiO3複合体であったが、X線回折ピークには、不明のものがほんのわずか含まれていた。形状は球状であった。
D1が0.023μm、D2が0.20μmであり、D2/D1=8.7であった。
また、この粉体に含まれる炭酸バリウムと炭酸ストロンチウムの合計量は、0.5質量%であった。
乾燥粉体を溶解し、ICP発光法でKイオン量を測定したところ、20ppmのKイオンが含まれていた。また、陰イオンクロマトグラフィーでClイオン量を測定したところ120ppmのClイオンが含まれていた。
式(3)により算出したバリウムイオンとストロンチウムイオンの合計の抽出量は、3.3μmol/m2であった。
比較例10:
水酸化バリウム8水和物を71.9gと水酸化ストロンチウム8水和物を40.4gとした以外は実施例1と同様の操作でチタン酸バリウム・ストロンチウム複合酸化物微粒子を製造した。
反応後の液中のバリウムイオンとストロンチウムイオンの合計濃度が、投入量の1000分の1以下になるまで反応した。理論収量に対する実収量の割合は99.9%であり、比表面積は51m2/gで、ぺロブスカイト型のバリウムとストロンチウムが固溶したBa0.6Sr0.4TiO3複合体であり、形状は球状であった。
D1が0.021μm、D2が0.19μmであり、D2/D1=9.0であった。
また、この粉体に含まれる炭酸バリウムと炭酸ストロンチウムの合計量は、0.4質量%であった。
乾燥粉体を溶解し、ICP発光法でKイオン量を測定したところ、30ppmのKイオンが含まれていた。また、陰イオンクロマトグラフィーでClイオン量を測定したところ100ppmのClイオンが含まれていた。
式(3)により算出したバリウムイオンとストロンチウムイオンの合計の抽出量は、3.9μmol/m2であった。
実施例1で製造した焼成前のBa0.6Sr0.4TiO3粉末のX線回折スペクトル図。 実施例1で製造した焼成前のBa0.6Sr0.4TiO3粉末の走査型電子顕微鏡写真。 実施例1で製造した焼成後のBa0.6Sr0.4TiO3粉末の走査型電子顕微鏡写真。 実施例1で製造した焼成後のBa0.6Sr0.4TiO3粉末のX線回折スペクトル図。 実施例1で製造した焼成後のBa0.6Sr0.4TiO3粉末の透過型電子顕微鏡写真。 実施例1で製造した焼成後のBa0.6Sr0.4TiO3粉末の電子線回析像。 実施例2で製造したBa0.4Sr0.6TiO3粉末のX線回折スペクトル図。 実施例3で製造したSrTiO3粉末のX線回折スペクトル図。 実施例10で製造した焼成前のBa0.95Ca0.05TiO3粉末の走査型電子顕微鏡写真。 実施例10で製造した焼成前のBa0.95Ca0.05TiO3粉末のX線回折スペクトル図。 実施例10で製造した焼成後のBa0.95Ca0.05TiO3粉末の走査型電子顕微鏡写真。 実施例10で製造した焼成後のBa0.95Ca0.05TiO3粉末のX線回折スペクトル図。

Claims (8)

  1. 塩基性有機化合物の存在するpHが10以上のアルカリ性溶液中で、Ba(OH)2及びSr(OH)2(Ba(OH)2及びSr(OH)2の合計に対するBa(OH)2のモル比率が0〜0.8である。)と、その合計のモル数に対して0.98〜1.02モル倍量の酸化チタンとを、溶液中のBaイオンとSrイオンの合計濃度が投入量の1000分の1以下になるまで反応させ、その後、塩基性有機化合物を室温〜焼成温度の温度範囲で、大気圧下または減圧下で、蒸発、昇華、及び/または熱分解により気化させて除去することを特徴とするペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子の製造方法。
  2. Ba(OH)2及びSr(OH)2の合計に対するBa(OH)2のモル比率が0.2〜0.8である請求項に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子の製造方法。
  3. 反応液中の炭酸基の濃度を、CO2換算で0〜500ppmに制御する請求項または請求項に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子の製造方法。
  4. 酸化チタンがブルーカイト型結晶を含有するものである請求項乃至のいずれか1項に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子の製造方法。
  5. 酸化チタンがチタン化合物を酸性溶液中で加水分解してなる酸化チタンゾルである請求項乃至のいずれか1項に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子の製造方法。
  6. 塩基性有機化合物が、大気圧下または減圧下で、蒸発、昇華、及び/または熱分解により気化する物質である請求項乃至のいずれか1項に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子の製造方法。
  7. 塩基性有機化合物が、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドである請求項乃至のいずれか1項に記載のペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子の製造方法。
  8. 塩基性有機化合物の存在するpHが10以上のアルカリ性溶液中で、Ba(OH)2及びSr(OH)2(Ba(OH)2及びSr(OH)2の合計に対するBa(OH)2のモル比率が0〜0.8である。)と、その合計のモル数に対して0.98〜1.02モル倍量の酸化チタンとを、溶液中のBaイオンとSrイオンの合計濃度が投入量の1000分の1以下になるまで反応させ、その後、塩基性有機化合物を室温〜焼成温度の温度範囲で、大気圧下または減圧下で、蒸発、昇華、及び/または熱分解により気化させて除去し、次いで900〜1200℃の温度で0.1〜3時間焼成することを特徴とするサイコロ状の形状を有するペロブスカイト型チタン含有複合酸化物微粒子の製造方法。
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