JP6427465B2 - 立方体形状を有するチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法、及び、立方体形状のチタン酸ストロンチウム微粒子、立方体形状の金属ドープチタン酸ストロンチウム微粒子、及びその製造方法 - Google Patents

立方体形状を有するチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法、及び、立方体形状のチタン酸ストロンチウム微粒子、立方体形状の金属ドープチタン酸ストロンチウム微粒子、及びその製造方法 Download PDF

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今日の多種多様な電子機器に広く用いられている電子部品の一つに、セラミックス誘電体と金属電極を多層化することで小型化且つ大容量化を図った積層セラミックコンデンサ(通称、MLCC(Multi-Layer Ceramic Capacitor)と呼ばれる)と言う電子部品があるが、本発明は、その電極層近傍におけるオーミック特性を向上させるために誘電体セラミックスの導電性を向上させた層を構成するのに好適な形状制御されたチタン酸ストロンチウム微粒子及びロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子及びその製造方法に関する。
同時に本発明は、近年、可視光による水の水素または酸素への分解を行うことで環境エネルギー材料として脚光を浴びつつある光触媒材料を構成するのに好適な、原料としての形状制御されたチタン酸ストロンチウム微粒子及びロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子及びその製造方法にも関する。
チタン酸ストロンチウム(SrTiO)は、誘電特性、熱電特性、光触媒能、高屈折率性、フォトクロミック特性など、機能性材料として様々な用途への展開が期待される複合酸化物材料である。近年の電子機器の超小型化に伴う、より電圧ロスの少ない優れた高容量コンデンサが注目されたり、一方で、エネルギー問題、環境問題の観点から,高性能な光触媒能が注目されている。チタン酸ストロンチウムは、金属ドープによってバンドギャップが制御出来る視点から、セラミックキャパシタ等の電極界面層の形成材料として期待が高まっている他、光照射下での高い安定性や光還元力の強さから、太陽光を利用した水素製造を可能にする光触媒材料用母体材料として期待が高まっている。
セラミックキャパシタ用電極界面でのオーミック形成層に関しては、金属電極の仕事関数(φM)が、半導体セラミックスの仕事関数(φS)より小さい場合は、非整流性接触、すなわちオーミック接触となる。電極と半導体セラミックのフェルミ面の相対的な位置の問題であるが、半導体セラミックにバンド構造を変調させる元素をドープさせ、この材料を電極層と半導体セラミックス層の中間層として利用することで、オーミック性を賦与できることが期待される。
また、光触媒材料へ向けた母触媒材料としては、太陽光の多くの割合を占める可視光に対して活性を有することが好ましい。可視光活性を有する高効率な水素生成を可能なチタン酸ストロンチウム光触媒として、Pt,Rh,Cu等の金属を助触媒として担持させてなるチタン酸ストロンチウムや、更に太陽光の可視光域の有効利用を目的として、RhやIr等をドープすることで、バンド構造を変調させたチタン酸ストロンチウム等が期待されている。
様々な機能性材料において、特にペロブスカイト型酸化物微粒子(ナノ粒子)材料は、特有の優れた特性や機能を発現しうることから、製品の高精度化及び小型化、軽量化を実現できるものとして期待されており、特に液相を経由して合成された粒子が、その粒子径サイズ、組成の点で非常に高い均一性を有していることから、液相プロセスによる微粒子合成技術、及びナノ粒子化技術が検討されている。
ペロブスカイト型酸化物微粒子は、一般式でABOと標記され、Aサイトには、Ca,Sr,Ba,Pb等の+2価元素が、BサイトにはTi,Zr,Sn等の+4価元素が入ることが知られている。
この中で、水溶液中でSrTiO系ペロブスカイト型微粒子を直接合成しうる技術に関する特許として、特許文献1が知られている。この特許は大気圧下での液相合成ではあるものの、立方体形状の微粒子は得られてはいない。特に、SrTiO微粒子を直接水溶液中で合成する製造方法を記した特許文献1には、最適合成条件として、
水溶液のpH値は13.5以上、温度は90℃以上の大気圧下での沸点近傍、
反応時間は2時間程度、投入時の[Sr]/[Ti]モル比は1が好適としている一方、得られた微粒子の形態に関しては、
「SrTiO3微粒子の粒子サイズは、100〜200Åで均一なものであった。」との記載だけで、形状に関しては一切記載がない。
その後の技術の発展により、チタン酸ストロンチウム微粒子の形状制御については、特許文献2、特許文献3、特許文献4、さらに、非特許文献1、非特許文献2、及び、非特許文献3に記されている。
特許文献2には、水酸化ストロンチウムとチタンペルオキソ乳酸アンモニウム等の水溶性チタン化合物とを、オレイン酸等の両親媒性化合物及びヒドラジン等の金属元素非含有塩基性化合物存在下で、200℃、強アルカリ条件で水熱合成することにより、結晶形状が制御されたチタン酸ストロンチウムナノ粒子を凝集させることなく製造可能であることが記載されている。
また、特許文献3には、立方体形状チタン酸ストロンチウムナノ結晶を基板上に整列させる方法、及び、ナノ結晶からなる膜を作製する方法が開示されており、特許文献3の明細書中の段落[0015]に、チタン酸ストロンチウムのナノ結晶の合成において、オレイン酸等の有機カルボン酸の分子が{100}面に付着した状態で結晶成長が進行するため、{111}面の結晶成長が有機カルボン酸分子に邪魔されずに進んで8個全ての{111}面の成長が進んで頂点を形成し、全体として立方体形状になりやすいことなど粒子形状制御メカニズムの考察も併記されている。
また、特許文献4では、同じペロブスカイト型であるBaTiOやSrTiOに対して、水熱合成条件で150℃、120時間まで行われており、SrTiOに関しては立方体形状の粒子の生成が電子顕微鏡観察を通じて報告されている。しかしながら、大気圧下での合成事例ではない上、金属元素をドープした系の記載はなされていない。
また、非特許文献1及び非特許文献2においては、高アルカリ液中で240℃で24時間の水熱合成を行うことで立方体形状のSrTiO微粒子が得られることに加え、ラマン散乱での評価を行ったり、原子層デポジション(ALD)法によって、そのサイコロ状SrTiO微粒子表面にPtを付ける技術を紹介している。Ptは明らかに光触媒用の助触媒としての意味がある。しかし両報告では、金属ドープに関しては一切触れられていない。
一方、非特許文献3には、水酸化ストロンチウムと二酸化チタンを窒素雰囲気にてエタノール中で混合させた後、170℃で3日間の水熱合成後に800℃から1000℃の温度範囲でアニール処理を実施することにより立方体形状の可視光応答性Rhドープチタン酸ストロンチウム微粒子の作製が報告されている。ドープ量は1%であり、どの程度ドープが可能なのかという視点での議論はなされていない。さらに、結晶格子定数などの記載はなく、光学的な吸収スペクトルからドープされたものと判断している。ここで重要な点は、電子顕微鏡写真(SEM写真)で、水熱合成直後のノンドープのSrTiO微粒子の形態を立方体形状と説明している一方で、SEM写真の明示をしないまま文章中でのみ、「水熱合成1%RhドープのSrTiOの粒子形状は、ドープによってノンドープの立方体形状に影響を与えているということはない」と説明している。このようにこの文献においては、水熱合成直後の微粒子の形態や結晶性の記載が殆どなされておらず、水熱合成後に直ちに800℃から1000℃での高温熱処理を施しており、最終的な材料の評価をその時点で評価しているため、水熱合成だけでどの程度のドープ状況を実現しているのか不明瞭と言える。また、この非特許文献3では、Rh以外にもRu,Ir,Pt,Pdのドープに関しても報告されていることを付記する。
ここまでの状況を次頁の表1に示す。
RhドープされたSrTiO微粒子であり、その形状が立方体形状であり、かつその合成法が、高温高圧を必要としない大気圧下での液相合成によるものは、従来の公開文献には存在していない。
また一方で、ノンドープの純粋なSrTiOの立方体形状の微粒子の大気圧下液相合成の製法に関する報告事例も、これまでの公開文献には存在しない。
さてここで、Rhドープを記した上記非特許文献3の研究目的の根拠となっているのが、チタン酸ストロンチウムへのRhやイリジウム(Ir)などの金属元素ドープによる光触媒能の高効率化である。具体的には、特許文献5に記載されている高光触媒能を有するRhドープあるいはIrドープチタン酸ストロンチウム微粒子がある。この特許文献5は、RhドープSrTiO3光触媒材料の発明であり、3%Rhドープの範囲の中で、1%Rhドープ時が最も高効率であることを示している。この中で試料の作製法は典型的なセラミック固相反応法であり、1000℃で1時間仮焼後、1150℃で10時間焼成を行っている。水熱合成などの液相合成については特許文献5では一切触れられていない。
単相として合成出来ているRhのドープ量は、7%未満である。(4%はX線回折で単相と証明されている。)なお、このRh7%未満の単相データは、固相反応法によるものであり、液相法や水熱合成法による知見ではない。こういった状況を俯瞰すれば、大気圧下での液相合成法や水熱合成法によるRhドープのSrTiO微粒子を単相で得たと思われる報告例は、これまでの文献には存在しない。
また本発明者が立方体形状という粒子形態を重要視している背景には、粒子の配向制御や配列化への便宜だけでなく、光触媒としての活性面の有効活用という思想がある。ここに非特許文献4より、SrTiO光触媒材料の活性面は、{100}面であることが示されており、こういった形態制御が微粒子合成時になされれば、今後の光触媒技術に大きな進捗が期待されると我々は判断している。
特公平3−39016号公報 特開2011−68500号公報) 特許第5618087号広報 特許第5216186号公報 特許4076793号公報
F. A. Rabuffetti et al., Chem. Mater., 20 (2008) 5628-5635. S. T. Christensen et al., Small, 5 (2009) 750-757. S. W. Bae et al, Applied Physics Lett. 2008, 92, 104107. Jennifer L. Giocondi et al., Topics in Catalysis, 44 (2007) 529-533.
高均質な微粒子が得られ、かつ、立方体形状などの特定の形状制御の可能性のある液相で、直接結晶性チタン酸ストロンチウム(SrTiO)微粒子を合成するという視点で、これまでの先行技術を俯瞰すると、特許文献2、特許文献3、特許文献4、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3のいずれもが、高温高圧を必要とする水熱合成の条件で微粒子を合成している。これらの特許文献は、いずれも得られた微粒子の形態が立方体形状であることを明示しているが、いずれにしても高温高圧下での化学反応であり、しかも比較的長時間を有するなど、生産性や大量合成への設備投資の観点で、産業化するには大きな壁がある。またRhドープに関する記載はこれらの特許文献、非特許文献の中では、非特許文献3だけであるが、上述したように、水熱処理後直ちに高温アニール処理を施しているため、水熱処理後の微粒子の性状については、不明確なことが多い。
一方、大気圧下におけるチタン酸ストロンチウム微粒子の液相製造方法として、特許文献1が報告されているが、特定の結晶面を有する立方体形状に形状制御する方法については記載も示唆もされていない。また、Rhなどの金属元素のドープに関しても記載が一切ない。
このような状況を鑑みると、大気圧下での液相合成プロセスにおいて、立方体形状のチタン酸ストロンチウム(SrTiO)微粒子が合成されたという先行報告はないということに結論される。当然ながら、金属ドープをされた立方体形状のSrTiO微粒子を大気圧下の液相プロセスで合成された過去の先行事例もこれまでに報告された文献には存在しない。
ところで、Rhドープを行った水熱合成の事例が、唯一、非特許文献3に記されているが、ドープしたRh濃度は1%程度であり、合成プロセスとしては、初段プロセスで水熱合成を行った後、第二段プロセスで熱処理を施していることもあり、水熱処理だけで、どの程度のRhドープSrTiO3微粒子が合成できたのか、この論文だけから推量するのは容易ではない。いずれにしても、高温高圧下での水熱反応を用いている点で、大気圧下での合成ではなく、低コスト化での製造には不向きである。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、特定の結晶面を有する立方体形状に形状制御されたチタン酸ストロンチウム微粒子、あるいはRhドープチタン酸ストロンチウム微粒子を大気圧下にて、生産性良く製造することを目的とするものである。
本発明の立方体形状を有するチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法は、
アルカリ性水溶液中にストロンチウム原料とチタン原料とが添加されてなる反応液を調製する反応液調製工程と、
反応液を大気圧下において80℃以上に加熱して反応液を反応させる反応工程とを有する。
本明細書において、「チタン酸ストロンチウム微粒子」とは、特に明記しない限り、ノンドープチタン酸ストロンチウム微粒子と金属ドープチタン酸ストロンチウム微粒子を含むものとする。
本明細書において、「反応液を反応させる」とは、反応液中に含まれる単数又は複数の成分を反応させることを意味する。
また、本明細書中、用語「微粒子」とは、その平均粒子径が1μm未満のサイズのものを意味するものとし、好ましくはナノ粒子である。ナノ粒子は、一般的にはその平均粒子径が200nm以下のサイズのものを指していてよいが, 好ましくは200nm以下のサイズのものが挙げられる。ある場合には、ナノ粒子は、その平均粒子径が100nm以下のサイズのもの、また別の場合にはその平均粒子径が50nm以下のサイズのものであってよい。また好適な場合には、ナノ粒子は、その平均粒子径が20nm以下のサイズのもの、また別の場合にはその平均粒子径が10nm以下のサイズのものあるいは5nm以下のサイズのものであってよい。また好適な場合には、ナノ粒子の粒子サイズは均一なものが好ましいが、一定の割合でその粒子サイズの異なるものの混合しているものが好ましい場合もある。
平均粒子径の測定は当該分野で知られた方法により行うことができ、例えば、透過型電子顕微鏡観察法(TEM: Transmission Electron Microscopy)、吸着法、光散乱法、X線小角散乱法(SAXS:Small Angle X-ray Scattering)などにより測定できる。TEMでは電子顕微鏡で観察するが、粒子径分布が広い場合には、視野内に入った粒子が全粒子を代表しているか否かに注意を払う必要がある。吸着法は、N2吸着などによりBET表面積(Brunauer,Emmett,Teller の3名が単分子層吸着説であるLangmuir理論を多分子層に拡張した理論に基づく材料の表面積値)を評価するものである。
本発明のチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法において、チタン原料としては、チタン酸化物を含むことが好ましく、二酸化チタンを含むことがより好ましく、二酸化チタンの主成分がアナターゼ型二酸化チタンであることが更に好ましい。ここで主成分とは、含量70質量%以上の成分を意味する。
ストロンチウム原料としては、ストロンチウムの酢酸塩、硝酸塩、塩化物、炭酸塩、硫化物、及び水酸化物のうち少なくとも1種を含むことが好ましい。
本明細書において、「チタン酸化物」とは、化学量論組成であるTiO、及び、TiO(1.5≦x≦2)で表される化学量論組成の二酸化チタン、及び、酸素欠損を伴うマグネリ相の酸化物群を意味する。また、チタン酸化物は、水溶液中では、Ti(OH)4やTiO・nHO(0<n<2)などの水酸化物、及び、水和物となっている場合がある。
反応工程において反応液を反応させる温度は、大気圧下で90℃以上沸点以下であることが好ましく、出来れば沸点近傍であることがより好ましい。「沸点」とは、当然のことながら反応させる反応液の沸点を意味する。
また、反応工程において反応液のpHは13.5以上であることが好ましい。
反応液調製工程において、アルカリ水溶液中にストロンチウム(Sr)とチタン(Ti)以外に、Rh(ロジウム)を含むことにより、Rhドープされたチタン酸ストロンチウム微粒子を製造することができる。さらにそのRhの一部を、V(バナジウム)、Cr(クロム)、Mn(マンガン)、Fe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Zn(亜鉛)、Ga(ガリウム)、Nb(ニオブ)、Mo(モリブデン)、Ru(ルテニウム)、Pd(パラジウム)、In(インジウム)、Sb(アンチモン)、Ta(タンタル)、W(タングステン)、Re(レニウム)、Ir(イリジウム)、Pt(白金/プラチナ)、Bi(ビスマス)又は(La(ランタン)のうち少なくとも1種以上の金属原料で置換することも可能であり、これらの金属がドープされたチタン酸ストロンチウム微粒子を製造することができる。ドープされる金属としては少なくともRhが存在していることが好ましい。また、金属原料は水溶性原料であることが好ましい。
反応液中のストロンチウム原料に対するドープする金属原料の総モル比は、0.15以下であることが好ましい。ストロンチウム原料に対する金属原料の総モル比は、それぞれの金属元素の総和のモル濃度との比を意味するものとする。例えば、水酸化ストロンチウムに対する塩化ロジウムのモル比は、反応液中のストロンチウムモル濃度[Sr]に対するロジウムモル濃度[Rh]の比である[Rh]/[Sr]と表記する。ロジウムの一部を一種の金属元素Mで置換した場合には、[Rh]+[M]/[Sr]を意味する。
本発明の立方体形状のチタン酸ストロンチウム微粒子は、上記本発明のチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法により製造されてなる。
また、本発明の立方体形状のロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子は、
一般式Sr(Ti1−x(Rh1−y,M)Oで表され、
0<x≦0.07、且つ、0≦y<1であり、MはV、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Nb、Mo、Ru、Pd、In、Sb、Ta、W、Re、Ir、Pt、Bi、及び、Laからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素である。
本明細書において、「立方体形状を有する(立方体形状の)チタン酸ストロンチウム微粒子及びロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子」とは、頂点の一部が面取りされた形状のチタン酸ストロンチウム微粒子及びロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子も含む。本発明のチタン酸ストロンチウム微粒子及びロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子は、実質的に立方体形状であり、透過型電子顕微鏡(TEM)像において、孤立した1粒子について、面積が最小となるような長方形で外接し、その長方形の面積S、粒子像の面積Scubeとした時、0.8<Scube/Sを満足する粒子とする。チタン酸ストロンチウム微粒子及びロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子は、常温にて立方晶が安定な結晶構造であるので、理想的な微粒子の形状は立方体であるが、立方晶のチタン酸ストロンチウム微粒子及びロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子の形状とみなされる範囲内の六面体形状の微粒子を実質的に立方体形状であるとする。
かかるチタン酸ストロンチウム微粒子及びロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子は、粒子表面に露出されている結晶面の85%以上が{100}面であることが好ましい。また、立方体形状の粒子の1辺の長さが、10nm以上500nm以下であることが好ましい。
本発明の立方体形状のロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子は、格子定数値が、0.3915nm以上0.3930nm以下の範囲であることが好ましい。また、光学バンドギャップが3.21eV以上3.54eV以下の範囲であることが好ましい。
本発明の立方体形状のロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子は、一辺の長さの平均値が、30nm以上80nm以下である立方体形状を有することが好ましい。
本明細書において、一辺の長さの平均値(平均粒子径)とは、倍率10万倍のTEM写真から、立方体形状を有する任意の10個の微粒子を選択し、各微粒子の一辺の長さ(粒子径)を測定した平均値である。
本発明のチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法は、アルカリ性水溶液中にストロンチウム原料とチタン原料とが添加されてなる反応液を調製する反応液調製工程と、調整した反応液を大気圧下において80℃以上に加熱して反応液を反応させる反応工程とを有する。かかる構成によれば、チタン酸ストロンチウム結晶の<111>結晶方位を優先的に成長させて、表面が{100}面を有する立方体形状に形状制御されたチタン酸ストロンチウム微粒子またはRhドープチタン酸ストロンチウム微粒子を、大気圧下にて、生産性良く製造することができる。
本発明のチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法のフロー図。 出発原料としての二酸化チタン相と得られるチタン酸ストロンチウム微粒子の形状(透過型電子顕微鏡写真,TEM写真)及びX線回折パターンとの関係を示す図。 製造過程の各段階において得られた微粒子のX線回折パターンを経時的に示した図(実施例3)。 合成の反応時間による微粒子の形態変化を示したTEM写真(実施例3)。 Rhドープ量とX線回折パターンの関係を示した図(実施例4)。 実施例4においてRhドープ量と格子定数の関係を示した図。 Rhドープ量と微粒子形態との関係を示すTEM写真(低倍率)(実施例4)。 Rhドープ量と微粒子形態との関係を示すTEM写真(高倍率)(実施例4)。 ナノビーム制限視野電子線回折パターンを示す図(実施例4)。 実施例4の各サンプルの拡散反射スペクトルを測定した結果を示す図。 Rhドープ量と光学バンドギャップとの関係を示す図。 Rh4価由来の電子スピン共鳴信号(ESR信号)を示す図(実施例4)。 Rh4価由来のESR信号を示す図(固相法)。 Rhドープチタン酸ストロンチウム微粒子の熱重量−質量分析結果を示す図(実施例3)。 立方体形状状Rhドープチタン酸ストロンチウム微粒子の合成可能領域を示す図。
「チタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法」
図面を参照して、本発明にかかる一実施形態のチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法について説明する。図1は本実施形態のチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法のフロー図を示したものである。
既に述べたように、特定の結晶面を有する立方体形状に形状制御されたチタン酸ストロンチウム微粒子の製造については、いくつか報告があるが、いずれも高圧下での水熱合成法によるものであり、大気圧下での製造については全く検討されていない。
このことは、二酸化セリウム(CeO)や二酸化チタン(TiO)のような単純酸化物においても、反応場を超臨界条件とする、すなわち、高温高圧条件とすることにより形状制御性が増す傾向があるために、結晶構造が、複雑なチタン酸ストロンチウム微粒子の形状制御条件は、単純酸化物より厳しい条件が求められると考えられるためである。
本発明者らは、チタン酸ストロンチウム微粒子の形状制御のメカニズムについて鋭意検討を行った。超臨界条件において形状制御された単純酸化物微粒子の事例が見られるのは、反応液中の水が臨界点を超えると物質の溶解度が急激に低下し、結晶核の生成及びその成長が急速に進むため、すなわち、生成される粒子の数が増えたためであり、大気圧下での低温合成で形状制御を達成させるためには、別の仕掛けあるいは工夫が必要であると考えた。実際に、チタン酸ストロンチウム微粒子の製造において、反応場を水熱条件から超臨界条件に変更しただけでは、かえって形状制御性が悪化したケースも確認された。
そこで本発明者らは、形状制御に重要な条件として、反応液中におけるチタン源とストロンチウム源の状態に着目して検討を行った。
本発明者らは、水溶液中のTiの電位―pH図に着目し、従来の水熱合成において用いられるチタン原料が、水溶液中において、pH条件等により二酸化チタン水和物(TiO・HO)や、Ti水酸化物(Ti(OH))又はHTiO イオン状態など、結合状態が変化することが、チタン酸ストロンチウム微粒子の形状制御に影響を及ぼしていると考えた。
従来の方法において、pH13.5以上に匹敵する水素イオン濃度条件とした場合に、形状制御性が良好となっていることから、強アルカリ条件の反応液中において安定な、Ti水酸化物(Ti(OH))又はHTiO イオンを、反応液中に安定して形成すること、すなわち、反応液の調製において、水中に加えられるチタン原料として、チタン酸化物を用いることにより、大気圧下であっても形状制御されたチタン酸ストロンチウム微粒子を製造可能となることを見出した。
すなわち、本発明のチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法は、
アルカリ性水溶液中にストロンチウム原料とチタン原料、特にチタン酸化物原料とが添加されてなる反応液を調製する反応液調製工程と、
調整した反応液を大気圧下において80℃以上に加熱して反応液を反応させる反応工程とを有するものである。
反応液調製工程では、アルカリ性水溶液中にストロンチウム(Sr)原料とチタン(Ti)原料とが添加されてなる反応液を調製する。かかる反応液が調製することができれば、Sr原料、Ti原料、及び水溶液をアルカリ性にするための化合物(以下、塩基性化合物とする)の混合順序は特に限定されないが、Sr含有水溶液とTi含有水溶液をそれぞれ調製した後に、これらを混合した後に、塩基性化合物の水溶液を加えることが好ましい。なお、反応液調製工程において、工程終了後に調製された水溶液が反応液であるが、本明細書において、反応液調製工程の説明において、調製途中の混合液を、便宜上反応液として記載してあることもある。
これらの水溶液を混合する方法については特に制限されないが、混合過程に於いて析出物を生じることを極力抑制する観点で、反応液の調製中は、よく攪拌を行うことが好ましい。また、攪拌は、次工程の反応工程を実施する直前まで実施することがより好ましい。
Ti原料は、Ti酸化物であれば特に制限されないが、二酸化チタンが好ましい。二酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型が主としてあるが、ペロブスカイト型の骨格に比較的近い骨格を有することから、アナターゼ型であることが好ましい。従って、Ti原料としては、アナターゼ型の二酸化チタンを主成分として含むことが最も好ましい。Ti原料としては、チタン酸化物を水中に溶解させたTi含有水溶液を用いることが好ましい。
Ti酸化物の濃度は、得たい濃度に応じて任意に選択することが出来るが、均一性良く、また生産性良く、形状制御されたチタン酸ストロンチウム微粒子を得る観点から、1mmol/L以上500mmol/L以下であることが好ましい。
Sr原料としては、特に制限されないが、水溶性のSr化合物が好ましい。具体的には、Srの水酸化物、酸化物、塩化物,フッ化物,ヨウ化物等のハロゲン化物、硝酸塩,炭酸塩,硫酸塩等の無機酸塩、酢酸塩,シュウ酸塩,乳酸塩等の有機酸塩等が挙げられ、酢酸塩、硝酸塩、塩化物、硫化物、及び水酸化物のうち少なくとも1種を含むことが好ましい。Sr原料としては、上記Sr化合物を水中に溶解させたSr含有水溶液を用いることが好ましい。
反応液のpHは、アルカリ性であれば特に制限されないが、pH13以上の強アルカリ条件であることが好ましい。pHの調整は、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等の電離度0.8以上の塩基性化合物を反応液中に添加することにより実施することができる。かかる塩基性化合物を用いた場合、反応液中の塩基性化合物の濃度は、1mol/L以上であることが好ましい。塩基性化合物は水溶液(アルカリ性水溶液)にして、調製中の反応液中に滴下することが好ましい。
反応液調製工程において、反応液中に、アルカリ水溶液中に、Rh(ロジウム),あるいは、そのRhの一部を、V(バナジウム)、Cr(クロム)、Mn(マンガン)、Fe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Zn(亜鉛)、Ga(ガリウム)、Nb(ニオブ)、Mo(モリブデン)、Ru(ルテニウム)、Pd(パラジウム)、In(インジウム)、Sb(アンチモン)、Ta(タンタル)、W(タングステン)、Re(レニウム)、Ir(イリジウム)、Pt(白金/プラチナ)、Bi(ビスマス)又はLa(ランタン)のうち少なくとも1種以上の金属原料で置換された金属原料を含むことにより、これらの金属がドープされたチタン酸ストロンチウム微粒子を製造することができる。アルカリ水溶液中に混合する観点から、金属原料は水溶性原料であることが好ましい。水溶性金属原料としては、上記金属の塩化物、酸化物、硝酸塩等が挙げられる。
上記例示した金属元素の中で、Rh元素、あるいはRh元素の一部を他元素で置換したものを添加することにより、得られる酸化物粒子の可視光応答能を大幅に増大させることができる。また、バンドギャップを調製制御することが出来るため、電極とのポテンシャル障壁を変えられることで、キャパシタ特性を向上させられる。好ましいロジウム原料としては、塩化ロジウム(III)、酸化ロジウム(III)、酸化ロジウム(IV)、硝酸ロジウム(III)等が挙げられる。
金属原料の添加量は、高い光触媒能を得る観点から、ペロブスカイト構造を取りうる範囲内で多い方が好ましい。かかる観点から、反応液中のSr原料に対する金属原料の総モル比は、0.001以上0.15以下であることが好ましい。Sr原料に対する金属原料の総モル比は、([Rh]+[M])/[Sr]なる比を意味するものとする。金属原料は、ストロンチウム原料に対して、少量であることから、予め金属原料の水溶液を準備しておくことが好ましい。
なお、金属原料を添加する場合には、アルカリ性水溶液の添加は、金属原料の添加後であってもかまわない。
<反応工程>
反応工程では、上記反応液調製工程にて調製した反応液を、大気圧下、80℃以上にて反応させる。反応液を反応させる温度は、80℃以上沸点以下であればよく、90℃以上であることが好ましい。
反応工程で使用する合成反応槽としては、大気圧を維持できるものであれば特に制限されず、丸底フラスコが好ましい。
反応液の加熱方法は特に限定されず、アルミブロック加熱、ホットプレート加熱、電気炉加熱、赤外線加熱、マイクロ波加熱等から選択することができる。加熱装置の温度は、熱伝導の観点から水の常圧における沸点100℃より高いことが好ましい。昇温速度は、生産性の観点から1℃/min〜100℃/minであることが好ましいが、合成反応の主要因子というわけではないので、この昇温速度は限定的なものではない。
反応工程中、反応液は攪拌することが好ましい。撹拌速度は、溶質が均一に分散すれば良く、100rpm〜1000rpm程度が好ましい。
反応時間は、充分に反応が進行する範囲内で短い方が好ましいが、2時間以上12時間以下であることが好ましい。ここで12時間以下というのは、コストを意識しての見解である。
反応終了後、反応液は、溶媒中のアルカリ成分等を除去するために脱塩工程を行うことが好ましい。脱塩工程としては特に制限されないが、溶媒と合成された微粒子を遠心分離等により分離する方法が好適である。好ましい遠心分離条件としては、5000〜20000rpm、5分〜15分、3℃〜30℃が挙げられる。遠心分離操作は2回以上繰り返すことが好ましく、遠心分離操作間には、上澄みを廃棄した後に、20mL〜100mLの純水を加えて再び合成された微粒子の懸濁液とする工程を含むことが好ましい。
一方で、反応後、反応液に対して、デカンテーションを数回行い、液全体のpHを中性にした後、シンプルにろ過を行うことで、微粒子を回収することも十分可能である。
脱塩後に得られたチタン酸ストロンチウム微粒子は、以下の乾燥工程を行うことが好ましい。乾燥工程は、分離された微粒子の水分を完全に蒸発させられれば特に制限されないが、100℃〜120℃で1時間〜3時間乾燥させることが好ましい。乾燥工程において、加熱処理の方法は特に限定されず、ホットプレート加熱、電気炉加熱、赤外線加熱、マイクロ波加熱等から選択することができる。又、乾燥における雰囲気に特に制限はしないが、製造コスト等の観点から大気圧下、大気中で行うことが好ましい。
後記実施例に示されるように、上記の方法により得られたチタン酸ストロンチウム微粒子は、表面が{100}面を有するように形状制御され、立方体形状を有している。チタン酸ストロンチウム微粒子は常温にて立方晶が安定な結晶構造であることから、立方体形状を有するチタン酸ストロンチウム微粒子の表面は、{100}面となっている。
後記実施例の図13は、形状制御されたロジウム含有チタン酸ストロンチウムの製造可否について、縦軸を反応温度、横軸を反応液中の[Rh]/[Sr]値としてマッピングしたものである。図13には、本発明のチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法では、従来の方法に比して、格段に低い100℃以下の温度にて、立方体若しくは直方体形状を有するチタン酸ストロンチウム微粒子、及びロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子を製造することができることが示されている。
本発明のチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法は、アルカリ性水溶液中にSr原料とTi原料とが添加されてなる反応液を調製する反応液調製工程と、調整した反応液を大気圧下において80℃以上に加熱して反応液を反応させる反応工程とを有する。かかる構成によれば、チタン酸ストロンチウム結晶の<111>結晶方位を優先的に成長させて、表面が{100}面を有するように形状制御されたチタン酸ストロンチウム微粒子を、大気圧下にて、生産性良く製造することができる。本発明のチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法は、大気圧下で合成できることから、フロー方式で大量合成することが容易となる。
「立方体形状のチタン酸ストロンチウム微粒子、立方体形状のロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子」
本発明の立方体形状のチタン酸ストロンチウム微粒子は、上記本発明の立方体形状を有するチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法により製造されてなり、立方体形状を有している。
また、本発明の立方体形状のロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子は、
一般式Sr(Ti1−x(Rh1−y,M)Oで表され、
0<x≦0.07、且つ、0≦y<1であり、MはV、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Nb、Mo、Ru、Pd、In、Sb、Ta、W、Re、Ir、Pt、Bi、及び、Laからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素である。
上記一般式において、yが0であるRh単独ドープチタン酸ストロンチウム微粒子であることが好ましい。
かかるチタン酸ストロンチウム微粒子及びロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子は、この立方体若しくは直方体の表面に露出されている結晶面の85%以上が{100}面であることが好ましい。また、立方体の1辺の長さの平均値が、10nm以上500nm以下であることが好ましく、30nm以上80nm以下であることがより好ましい。
上記本発明の立方体形状を有するチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法により得られた微粒子の用途には特に限定はないが、Rh元素、あるいはRh元素の一部を、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Nb、Mo、Ru、Pd、In、Sb、Ta、W、Re、Ir、Pt、Bi又はLaのうち少なくとも1種の金属原料で置換された他の金属元素で置換したものをドープすることにより、得られる酸化物粒子の可視光応答能を大幅に増大させることができると共に、バンドギャップを調製制御することが出来るため、電極とのポテンシャル障壁を変えられることで、キャパシタ特性を向上させることも可能となる。立方体形状に形状制御されている微粒子は、表面積や面方位の寄与が大きい触媒として好適であるため、水素・酸素生成光触媒システムに好適な、非常に触媒性能の高い光触媒用原料やキャパシタ用原料として好ましく用いることができる。
水素生成光触媒システム及び酸素生成光触媒システム(以下、水素・酸素光触媒システムと略記することがある。)は、太陽光の照射により水素と酸素を生成する光触媒であり、光触媒は、表面積や面方位の寄与が大きいことが知られている。上記本発明の立方体形状のロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法によれば、例えば、図9に示したように、Rhドープによるバンドギャップの制御が明瞭にできるため、太陽光の可視域の光を有効に利用できることが初めて示されている。同時に電極近傍の接触抵抗の制御性も改善させられる可能性が非常に高い。
一方で、非特許文献4より光触媒の活性面と考えられている{100}面が露出された、50nm程度の均一な立方体形状の微粒子を製造することができるため、光触媒用途に好適である。
水素・酸素生成光触媒システムに用いる際の態様としては特に制限されないが、例えば、金属ドープチタン酸ストロンチウム微粒子を基板に塗布してなる水素製造用薄膜の態様が挙げられる。
光触媒の用途では、金属ドープチタン酸ストロンチウム微粒子は、微粒子の表面に、助触媒と備えた態様とすることが好ましい。金属助触媒を担持したチタン酸ストロンチウム微粒子は、光照射によってチタン酸ストロンチウム内で励起された電子が、表面の金属助触媒の存在により表面に速やかに移動するため、正孔との再結合の抑制と高効率な還元反応を可能にするため、効率良く水素を生成することができる。
助触媒を付加する場合、その付加方法は特に制限されないが、光電着法、含浸法、無電解メッキ等を用いる手法が挙げられる。より高い光触媒を得る観点、および、助触媒付加と同時に光触媒能評価を行える観点から、光電着法を用いる手法が好ましい。
光電着の光源としては、酸化物粒子の吸収波長よりも高いエネルギーに分布を持つ、キセノンランプ、水銀ランプあるいは太陽光が挙げられるが、大面積に均一に、安価な設備で照射を行う観点からキセノンランプが好ましい。光電着工程において、反応槽の表面には波長420nm以上の可視光を照度で照射することが好ましい。
光電着工程における雰囲気に制限はなく、大気圧下であっても、任意のガス中であってもよいが、同時に光触媒能を評価する場合には、アルゴン雰囲気下で行うことが好ましい。
光電着工程における反応液の最高到達温度は、溶媒の蒸発を抑えるために、40℃以下であることが好ましく、より好ましくは10℃〜25℃が好ましい。
金属助触媒としては、白金、銀、金、ロジウム、クロム等のいずれかが好ましく、高い光触媒活性を示す白金、ロジウムのいずれかがより好ましい。例えば、白金原料としては、溶媒中で還元反応によりチタン酸ストロンチウム微粒子に付着させる観点から、ヘキサクロロ白金酸六水和物、テトラクロロ白金酸六水和物のいずれかを用いることが好ましい。白金の濃度としては、チタン酸ストロンチウム重量に対して、0.1重量%〜20.0重量%であることが好ましい。
担持された金属助触媒と、母触媒であるチタン酸ストロンチウムとの間(界面)に電子のトラップを生じると、助触媒はその効果を充分に発揮することが難しい。電子トラップを生じにくくするためには、チタン酸ストロンチウム微粒子は、できるだけ担持金属と格子整合性の良い結晶面を有することが好ましい。上記のようにして形状制御された、立方晶チタン酸ストロンチウムの格子定数は0.392nm程度である。かかる格子定数と担持金属である、Pt,Ir,Pd,Rh,Ru,Cu,Ni,Coの格子定数とは不整合率が12%以下であり、Ir,Pdは5%以下,Ptは0.5%以下であることから,表面の{100}面率の高い立方体形状のチタン酸ストロンチウム微粒子とすることにより、担持金属との界面の電子トラップの少ない高効率な光触媒を実現しうる。
従って、本発明の立方体形状のロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子は、格子定数値が、0.3915nm以上0.3930nm以下の範囲であることが好ましい。
本発明により得られるロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子は、水素・酸素生成光触媒システム以外の用途にも用いることができる。例えば、助触媒としてルテニウム錯体などの有機物を用いることで、二酸化炭素から有機物を生成する人工光合成装置に組み込むことが可能である。さらに、酸素生成光触媒と組み合わせることで、水の完全分解が可能となり、水素・酸素を同時に製造する光触媒装置に適している。酸素生成光触媒としては、酸化タングステン、バナジン酸ビスマス等と好適に組み合わせることが可能である。
更に、立方体形状のチタン酸ストロンチウム微粒子は、光触媒用途以外においても、立方体形状は立方晶粒子本来の形状であること、また、配列させやすいこと、緻密膜を形成しやすいこと、等様々な利点を有している。
「設計変更」
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。
以下に実施例を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示すフローのとおり、テフロン(登録商標)製三口フラスコに入れた純水160mLに水酸化ナトリウム(NaOH)1molを溶解させて水酸化ナトリウム水溶液を調製し、硝酸ストロンチウム(II)無水物(和光純薬製、98%)2.04mmol、及び、酸化チタン(TiO(P25))(Degussa、99.5%)2.04mmolを40mLの純水中に添加して得られたSr,Ti含有水溶液を、水酸化ナトリウム水溶液に混合して混合溶液を得た。この混合溶液に、塩化ロジウム三水和物(RhCl・3HO)(和光純薬製、95%)を、反応液中のRhモル濃度がSrモル濃度の1.0%([Rh]/[Sr]=0.01)となるように添加した後、超音波を数分間照射することにより懸濁状態の反応液を得た。反応液のpHは14.3であった。
上記三口フラスコを、スターラー付きアルミブロック恒温槽(Synflex社、BBS-108RB)に設置し、500rpmの撹拌速度で撹拌しながら加熱して沸騰させ、沸騰後6時間還流して反応液を反応させた。加熱時の恒温槽の設定温度を150℃とした。沸騰時の反応液の温度は100℃であった。
脱塩工程は、まず、反応物を40mLずつ5本の遠心管に分けて、それぞれ遠心分離による洗浄工程を実施した後、遠心管の上澄みを廃棄した後純水20mLを加えて得られた懸濁液を超音波処理し、再度上記洗浄工程を実施することにより行った。洗浄工程における遠心分離条件は、10,000rpmにて10分間とした。
脱塩後、沈殿物の入った遠心管に、それぞれ純水30mLを加えて沈殿物が分散されてなる懸濁液を得、得られた懸濁液をシャーレに移し、シャーレをホットプレート上に置いて100℃にて1時間乾燥させて、脱塩処理が施された沈殿物を得た。
(実施例2)
チタン原料をルチル型にした以外は、実施例1と同様にして、ロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子を作製した。
実施例1と実施例2で得られたロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子のTEM写真とXRDパターンを計測した結果を図2に示す。図2において、実施例1の結果についてはアナターゼ型、実施例2の結果についてはルチル型として示してある。チタン原料をルチル型にした場合には、立方体形状の粒子は少なく、また、ペロブスカイト相以外の異相が多く見られた。
(実施例3)
本実施例では、実施例1と同様の製造条件において、生成物の時系列変化を確認するために、加熱前、沸騰直後、そして沸騰後1時間おきにフラスコ内の反応液をそれぞれ4mLずつサンプリングし、それぞれの反応液に対して、溶媒中のアルカリ成分等を除去する脱塩工程及び乾燥工程を実施して、それぞれのサンプル内の沈殿物を回収し、各沈殿物のXRD測定(図3)、及び、TEM写真の撮影(図4)を行った。図3、及び図4から、沸騰後少なくとも1時間で、立方体形状のペロブスカイト構造のロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子が得られることが確認された。
実施例3によるロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子について、熱重量−質量同時分析(熱重量−質量同時分析装置(リガク社製、TG8121を使用)を行った結果を図12に示す。250℃付近で重量減少とともに、分子量18に対応する物質の脱離が見られたことから、ロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子は、水を含んだ状態にあること推定される。内部水和水の含有によって、一般的に知られているSrTiOの格子定数値(0.3905nm)よりも若干増加したものと推定される。
(実施例4)
塩化ロジウム(RhCl)の添加量を、反応液中において、[Rh]/[Sr]=0(実施例4−1)、0.02(実施例4−2)、0.03(実施例4−3)、0.05(実施例4−4)、0.10(実施例4−5)、0.15(実施例4−6)となるようにした以外は実施例1と同様にして、ロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子を作製した。これらのXRDスペクトル及びTEM像を撮影した結果を、図5および図7A,Bに示す。まず図5のX線回折パターンより、ロジウムドープ濃度5%までは単相ペロブスカイト構造が得られ、ロジウムドープ濃度10%以上で異相が生じることが確認された。また図7A,BのTEM写真から、いずれのドープ濃度においても、立方体形状を有するロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子が得られることが確認された。さらに、XRDパターンのピーク位置から、格子定数を算出した結果を図6に示す。ロジウムドープ濃度に比例して除々にその格子定数は増加し、およそ7%で極大を示し、その後漸減していた。これらのことを総合して判断すると、ロジウムドープ濃度7%程度まではロジウムが格子にきちんと入り込んで、固溶していると判断できる。
さらに、制限視野電子線回折パターンを測定した結果を図7Cに示す。これらの結果より、本合成法によるロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子の露出面が(100)面であることが確認された。
ロジウムドープ量を増加させるに伴って、合成生成物の色調が黄色に変化していくことが確認された。そこで、拡散反射スペクトルを測定したところ、ロジウムドープ量の増加に伴って、350nm〜500nmの吸収が増大していた(図8)。これらの拡散反射スペクトルから、光学バンドギャップを算出したところ、ノンドープでは3.54eVであり、ロジウムドープ量の増加に伴って、バンドギャップが狭小化し、ロジウムドープ量15%では3.21eVとなることが確認された(図9)。これらの結果は、ロジウムドープ量の増加に伴って、きちんとTiサイトをRhが置換固溶していることを裏づける実験的証拠である。また、バンド幅が明らかに狭小化していることで、太陽光の可視部分の波長を効率よく光吸収できることを物語っている。
(組成分析)
実施例4におけるRh濃度が3モル%のRhドープチタン酸ストロンチウム微粒子と、固相法により製造したRh濃度が1モル%のRhドープチタン酸ストロンチウム微粒子について、誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma,ICP)その結果を表2に示す。固相法では、炭酸ストロンチウム(SrCO)とニ酸化チタン(TiO)および、酸化ロジウム(Rh)を混合し、900℃1時間で仮焼成を施した後、粉砕し、1000℃10時間で本焼成を行ない粉砕することでRhドープチタン酸ストロンチウム微粒子を得た。
表2に示されるように、合成して得られた微粒子中のロジウム濃度は、仕込み組成とほぼ同程度であることが確認された。
(ロジウム電子状態評価)
本合成法にて作製されたロジウムドープチタン酸ストロンチウムに含有されるロジウムの電子状態を調べるために、電子スピン共鳴(Electoron Spin Resonance,ESR)によるRh価数計測(Bruker Biospin社製 EMX型ESR装置を使用)を行った結果を図10に示す。また、固相法により製造したサンプルについて、Rh4価由来のESR信号を測定した結果を図11に示す。本合成法にて合成したロジウムドープチタン酸ストロンチウムは、ロジウム4価由来のピーク信号が検出されなかった。ロジウムは、3価あるいは4価で安定であることが知られており、ロジウムの3価はESRに対して不活性である。これらの結果から、ロジウムは3価で存在していることが示唆された。ロジウムの3価が光触媒能の向上に寄与していると考えられており、本合成法によるロジウムドープチタン酸ストロンチウムは、光触媒に好適な原材料であると期待される。
(実施例5)
次に、pHの影響を検証するために、pH14.3(実施例5−1)、pH13.5(実施例5−2)、pH12(実施例5−3)とし、Rh濃度を [Rh]/[Sr]=0とした以外は実施例1と同様にしてチタン酸ストロンチウム微粒子を作製した。
(実施例6)
pH及び反応温度の影響を検証するために、pH12とし、反応温度90℃(実施例6−1)あるいは80℃(実施例6−2)、Rh濃度を [Rh]/[Sr]=0とした以外は実施例1と同様にしてチタン酸ストロンチウム微粒子を作製した。
(実施例7)
形状制御されたロジウム含有チタン酸ストロンチウムの製造可否の条件を検証するために、反応温度を90℃とした以外は実施例1と同様にして作製した。
(比較例1)
形状制御されたロジウム含有チタン酸ストロンチウムの製造可否の条件を検証するために、反応温度を77℃とした以外は実施例1と同様にして作製した。
(反応条件と立方体形状の評価)
表3に、上記実施例及び比較例で得られたチタン酸ストロンチウム微粒子またはロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子について、反応温度とpH条件、[Rh]/[Sr]値、及び立方体形状の評価結果を示してある。表3において、立方体形状の評価はExcellent,Good,Passable,Badの4段階にて記載してある。評価は、電子顕微鏡(TEM)写真において、孤立した1粒子像を、面積が最小となるような長方形で外接し、その長方形の面積S、粒子像の面積ScubeからScube/Sの値を求めることにより行い、0.9<Scube/SをExcellent,0.85<Scube/S≦0.9をGood,0.8<Scube/S≦0.85をPassable,Scube/S≦0.8をBadとした。
形状制御されたロジウム含有チタン酸ストロンチウムの製造可否について、縦軸を反応温度、横軸を反応液中の[Rh]/[Sr]値として、図13にマッピングした。図13において、各プロットの記号は後記実施例における粒子形状の評価に対応しており、◎のプロットはExcellent評価の微粒子、○のプロットはGood評価の微粒子、△のプロットはPassable評価の微粒子、×のプロットはBad評価の微粒子を示している。
本発明の酸化物微粒子の製造方法は、大気圧下、低温で均一な粒子系分布を持つ立方体状の酸化物微粒子を提供可能であるため、種々の金属酸化物粒子を用いるデバイスに利用可能である。例えば、水素生成光触媒システム及び酸素生成光触媒システムの光触媒用原料に好ましく用いることができる。同時に、セラミック多層コンデンサ等の電子部品用の電極構成用材料(オーミック形成層等)の原料として、好ましく用いることができる。

Claims (14)

  1. アルカリ性水溶液中にストロンチウム原料とチタン原料とが添加されてなる反応液を調製する反応液調製工程と、
    該反応液を大気圧下において80℃以上に加熱して前記反応液を反応させる反応工程とを有し、
    前記反応液調製工程において、pHが12以上である前記アルカリ水溶液中に、Rh原料が添加されてなる,あるいは、Rh原料と、V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Nb,Mo,Ru,Pd,In,Sb,Ta,W,Re,Ir,Pt,Bi,又はLaのうち少なくとも1種の金属原料とが添加されてなる前記反応液を調製する立方体形状を有するチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
  2. 前記チタン原料がチタン酸化物を含む請求項1記載の立方体形状を有するチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
  3. 前記チタン酸化物が二酸化チタンである請求項2記載の立方体形状を有するチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
  4. 前記二酸化チタンの主成分がアナターゼ型二酸化チタンである請求項3記載の立方体形状を有するチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
  5. 前記ストロンチウム原料が、ストロンチウムの酢酸塩、硝酸塩、炭酸塩、塩化物、硫化物、及び水酸化物のうち少なくとも1種を含む請求項1〜4いずれか項記載の立方体形状を有するチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
  6. 前記反応工程において前記反応液を反応させる温度が90℃以上沸点以下である請求項1〜5いずれか一項記載の立方体形状を有するチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
  7. 前記反応工程において前記反応液のpHが13.5以上である請求項1〜6いずれか項記載の立方体形状を有するチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
  8. 前記反応液中のRh原料及び前記金属原料が水溶性原料である請求項1〜7いずれか一項記載の立方体形状を有するチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
  9. 前記反応液中の前記ストロンチウム原料のモル量に対する前記Rh原料と前記金属原料の総モル比が0.15以下である請求項1〜8いずれか一項記載の立方体形状を有するチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
  10. 前記反応液調製工程において、前記アルカリ水溶液中に、Rh原料が添加されてなる請求項いずれか項記載の立方体形状を有するチタン酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
  11. 一般式Sr(Ti1−x(Rh1−y,M)Oで表され、
    .05≦x≦0.07、且つ、y=0あり、MはV,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Nb,Mo,Ru,Pd,In,Sb,Ta,W,Re,Ir,Pt,Bi,及びLaからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素である立方体形状のロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子。
  12. 格子定数値が、0.3915nm以上0.3930nm以下の範囲である請求項1記載の立方体形状のロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子。
  13. 光学バンドギャップが3.21eVから3.54eVまでの範囲にある、請求項1記載の立方体形状のロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子。
  14. 一辺の長さの平均値が、30nm〜80nmである請求項1〜請求項1いずれか一項記載の立方体形状のロジウムドープチタン酸ストロンチウム微粒子。
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