JP5132049B2 - 誘電体粉末の製造方法 - Google Patents

誘電体粉末の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5132049B2
JP5132049B2 JP2005278434A JP2005278434A JP5132049B2 JP 5132049 B2 JP5132049 B2 JP 5132049B2 JP 2005278434 A JP2005278434 A JP 2005278434A JP 2005278434 A JP2005278434 A JP 2005278434A JP 5132049 B2 JP5132049 B2 JP 5132049B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dielectric
particles
raw material
reaction
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005278434A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007084409A (ja
Inventor
晃 渡邊
向群 厳
正佳 河原
武久 福井
清 野城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hosokawa Micron Corp
Original Assignee
Hosokawa Micron Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hosokawa Micron Corp filed Critical Hosokawa Micron Corp
Priority to JP2005278434A priority Critical patent/JP5132049B2/ja
Publication of JP2007084409A publication Critical patent/JP2007084409A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5132049B2 publication Critical patent/JP5132049B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)

Description

本発明は、誘電体粉末の製造方法、当該誘電体粉末の製造方法に用いる製造装置、並びに、当該誘電体粉末の製造方法で作製した誘電体粒子に関する。
上記誘電体粒子は例えば圧電体材料や強誘電体材料として利用されるが、かかる誘電体粒子の製造には、従来から、固相法、噴霧熱分解法、水熱合成法、液相法、気相法などの各種の方法が用いられている。
上記方法のうち、固相法では、原料粉末をボールミル等により十分混合した後、高温条件で加熱・焼成(固相反応)したものをボールミルや乳鉢等を使用した乾式法により微粉砕して誘電体(圧電体)粒子を生成する(特許文献1、2参照)。
液相法は、共沈法、晶析法、ゾルゲル法などの液相反応を利用して誘電体粒子を生成するものであり、噴霧熱分解法は、原料溶液を噴霧して液滴化したのち、バーナの燃焼等によって加熱し溶媒の蒸発及び熱分解により誘電体粒子を生成するものであり、水熱合成法は、高温高圧下での合成反応を利用するものである。
また、気相法は気相反応を利用して誘電体粒子を生成するものであり、例えば液体原料から加熱により蒸発気化させた誘電体原料の蒸気成分を電気炉等の反応器内に導いて熱分解させて、強誘電体粒子を生成する方法がある(特許文献3参照)。
なお、強誘電体メモリーは薄膜として作製されるが、従来、その製造には、ゾルゲル法、スパッタ法、MOCVD法、MOD法、レーザーアブレーション法、電子ビーム法、イオンビーム法などが用いられている。
特開2003−81675号公報 特開2004−77304号公報 特開2004−168641号公報
従来の誘電体粉末の製造方法のうち、固相反応を利用する固相法や、バーナ等による噴霧燃焼を利用する噴霧熱分解法では、ナノメーターレベルの微細な構造の誘電体粒子を作製することは困難であるが、水熱合成法や液相法では、微細な構造の誘電体粒子を作製することは可能である。ただし、固相法、噴霧熱分解法、水熱合成法、液相法のいずれの方法においても、固相反応や液相反応等のための原料の調合工程や粒子作製工程が複雑になる不利がある。
一方、気相法では、微細な構造の誘電体粒子を作製することは可能であるが、原料を気化器や反応器等の各部に導く必要があるため、粒子作製工程が複雑化する不利がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、誘電体を構成する金属成分を含むナノメーターレベルの微細な構造の誘電体粒子を簡素な構成により製造することができる誘電体粉末の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る誘電体粉末の製造方法の第一特徴構成は、誘電体を構成する金属の化合物と、炭化水素とを含有した有機溶媒の原料気体流と、当該原料気体流を覆う酸素含有ガス流とを高温雰囲気の反応空間に流入させ、前記原料気体流中の炭化水素を前記酸素含有ガス流で燃焼させて発生した熱により前記原料気体流の外周部で熱反応によって前記金属の酸化物微粒子を形成するとともに、当該酸化物微粒子を前記酸素含有ガス流で冷却して誘電体粒子を作製する点にある。
すなわち、誘電体を構成する金属の化合物と、炭化水素とを含有した有機溶媒の原料気体流と当該原料気体流を覆う酸素含有ガス流とを高温雰囲気の反応空間に流入させ、前記原料気体流中の炭化水素を前記酸素含有ガス流で燃焼させて発生した熱により原料気体流の外周部で原料気体流が熱反応を起こして誘電体を構成する金属成分からなる酸化物微粒子の核が生成するが、生成した核粒子は酸素含有ガス流と共に移動するときに酸素含有ガス流によって速やかに冷却されるため、生成粒子同士の合体・凝集や蒸気の粒子表面への凝縮・反応等が十分に抑制され、その結果、誘電体の金属成分からなる小粒子径の誘電体粒子が得られる。
さらに、上記誘電体の金属成分を含有する原料気体流を酸素含有ガス流で覆った状態で高温雰囲気の反応空間に流入させるという簡素な構成であり、多くの工程(プロセス)を経ることなく、誘電体の金属成分からなる小粒子径の誘電体粒子を容易に作製することができる。
従って、炭化水素を含む原料気体流を酸素含有ガス流によって燃焼させることにより発生した熱を利用して原料気体流の熱反応を効率良く行わせることができるとともに、誘電体を構成する金属成分をナノメーターレベルの微細な構造で含む誘電体粒子を簡素な構成により製造することができる誘電体粉末の製造方法が提供される。
同第二特徴構成は、前記誘電体が圧電体である点にある。
本製造方法であれば、ナノメーターレベルの微細な構造で含む圧電体粒子を簡素な構成により製造することができる圧電体粉末の製造方法が提供される。
同第三特徴構成は、前記誘電体が強誘電体である点にある。
すなわち、原料気体流中の誘電体の金属成分から強誘電体粒子が作製される。
従って、当該強誘電体粒子を原料として、圧電体や不揮発性記憶材料などに用いる強誘電体材料を作製することができる。
同第四特徴構成は、前記誘電体がビスマス系酸化物である点にある。
本製造方法であれば、ナノメーターレベルの微細な構造で含むビスマス系酸化物誘電体粒子を簡素な構成により製造することができるビスマス系酸化物誘電体粉末の製造方法が提供される。
同第五特徴構成は、前記化学反応が一定圧力下で行われる点にある。
化学反応が一定圧力下で行われることで、酸素含有ガス流を安定させることができ、生成される誘電体粒子の大きさ(粒度)を安定させることができる。
本発明に係る誘電体粉末の製造方法及び製造装置、並びに、当該方法で製造される誘電体粒子の実施形態について、以下図面に基づいて説明する。
図1に本発明の誘電体粉末の製造に用いる粒子製造システムの主要部の構成を示す。粒子製造システムは、微粒子製造装置としての反応器10と、反応器10で生成した微粒子を冷却して回収する回収器20等で構成される。尚、図示しないが、反応器10から出た微粒子は冷却塔を通過して冷却された後、回収器20に備えたバグフィルタ、サイクロン、電気集塵機、スクラバなどの回収機器によって回収される。
また、上記反応器10内の圧力は、回収器20よりも下流側に設けた排気装置によって減圧または加圧状態にされている。ここで、図示しないが、排気装置として、具体的には排気通路に排気用ファンやダンパを設けるとともに、反応器10の内圧が一定圧に維持される(例えば、−10kPa程度に減圧する)ように、反応器10の内圧を測る圧力センサの計測情報に基づいて、上記排気用ファンを駆動するファンモータの回転数をインバータ制御し、あるいは、上記ダンパの開度を変更調整している。このように反応器10の内圧を一定圧に維持することで、後述の反応気体流GRの流速を安定させ、生成される誘電体粒子の大きさ(粒度)が安定する効果が得られる。また、反応器10の内圧を一定圧に維持するためには反応器10以降の配管や冷却塔・回収器などの機器類に圧力センサを設置し、この圧力センサの計測情報に基づいて、上記ファンモータの回転数制御やダンパの開度調整を行うようにしてもよい。
上記反応器10は、粒子出口が先細状に形成された円筒状の容器1あるいは先細状でない円筒に短管をつけた容器(図示せず)を備え、容器1の上部には、容器1の内部に高温雰囲気の反応空間HKを作り出す熱源としてのプラズマ発生装置2が設置されている。プラズマ発生装置2には、放電用のアルゴンガスが供給管7によって供給されている。因みに、本プラズマ発生装置2におけるアルゴンガスの供給量は50リットル/min程度であり、プラズマ出力は7kW程度である。なお、プラズマ発生装置2に供給するガスは、アルゴンガス単独ではなく、アルゴンガスに例えば20%程度ヘリウムガス、水素ガス又は窒素ガスを加えた混合ガスでもよい。つまり、ガスの種類により熱伝導率が異なるので、プラズマ発生装置2に供給するガスの組成を変更することで、プラズマの温度をコントロールすることができる。
容器1の入口側横壁には、容器1内に噴射方向を向けた1個のノズルユニット3が設置されている。ノズルユニット3は、図2及び図3に示すように、誘電体を構成する金属を含有する原料液を噴出する液体ノズル4と、液体ノズル4の周囲に位置して、反応気体流GRを形成する気体(具体的には酸素ガス)を液体ノズル4の軸芯方向に沿って噴出する気体ノズル5とを備えている。ここで、誘電体を構成する金属を含有する上記原料液として、後述のように、当該金属成分の金属アルコキシド、金属錯体、有機金属化合物等の金属含有有機溶媒溶液が使用される。尚、気体ノズル5には供給管5aから酸素ガスが供給され、液体ノズル4には供給管4aから原料液が供給される(図1参照)。因みに、上記気体ノズル5からの酸素ガス供給量は0.3m/min程度であり、液体ノズル4からの原料液の供給能力は100g/min程度である。
なお、容器1に対する上記プラズマ発生装置2とノズルユニット3の配置は、図1に示す配置に限るものではなく、任意に設定することができる。例えば、図1において、プラズマ発生装置2とノズルユニット3を入れ替えて、容器1の入口側横壁にプラズマ発生装置2を設置し、容器1の上部にノズルユニット3を設置する配置でもよい。
上記気体ノズル5は、液体ノズル4の軸芯方向視において液体ノズル4に対して同心状に形成されている。具体的には、液体ノズル4が円形に形成され、気体ノズル5が、円形の液体ノズル4を中心にした円環に形成されている。なお、図2に各ノズル4,5の構造を模式的に示すが、(イ)は気液外部混合型を示し、(ロ)は気液内部混合型を示す。
ノズルユニット3の構造は、例えば円筒形等の単一の部材内に液体ノズル4及び気体ノズル5用の流路を形成した構造(図2)に限られず、例えば、1本の液体ノズルを中心に配置し、その液体ノズルの周囲に液体ノズルとは別体の複数の気体ノズルを対称に配置したノズルユニットでもよい。
さらに、図示はしないが、本発明の微粒子製造装置は、製造する誘電体粒子の大きさに応じて前記反応空間HKを冷却する冷却手段を備えている。具体的には、容器1の外周部に水冷用のジャケットを配置して容器外部から冷却する間接冷却手段、冷却用のガス(酸素ガス等)や液体(水等)を容器1の内部に吹き込む直接冷却手段などを用いることができる。
次に、本発明に係る誘電体粉末の製造方法は、図3に模式的に示すように、誘電体を構成する金属を含有する原料気体流ETと、当該原料気体流ETを覆う反応気体流GRとを高温雰囲気の反応空間HKに流入させ、原料気体流ETの外周部で熱反応によって微粒子を形成するとともに、当該微粒子を反応気体流GRで冷却して誘電体粒子を作製するものである。そして、上記熱反応は原料気体流ETと反応気体流GRとの化学反応による。具体的には、原料気体流ETが炭化水素を含み、反応気体流GRを酸素含有ガスで構成し、原料気体流ET中の炭化水素を酸素含有ガスで燃焼させて熱を発生させるとともに、原料気体流ET中の金属成分を酸化させて金属酸化物を形成した誘電体粒子を生成している。
本実施形態では、誘電体粒子の原料物質(誘電体を構成する金属)を含む液滴流ETを反応気体流GRの内部に位置させた状態で高温雰囲気の反応空間HK内に噴出し、気化させて前記原料気体流ETを作っている。すなわち、噴出された液滴流ETが反応空間HK内を進むと、温度上昇に伴って蒸発気化して原料気体流ETに変化する。したがって、ETで表わした流れ部分のうち左側の基部側は液滴流の領域であり、右側の先端側では原料気体流の領域となる。図3中、3は上記液滴流(原料気体流)ET及び反応気体流GRを形成する前記ノズルユニットであり、このノズルユニット3によって、反応気体流GRの円錐の広がり角度θgが液滴流(原料気体流)ETの円錐の広がり角度θeよりも大きくなるように形成している。
次に、本発明の誘電体粒子の生成機構について説明する。
(1)誘電体粒子は原料気体流ETの外周部(具体的には、原料気体流ETに接する反応気体流GRの界面付近)に発生する反応領域(燃焼部ゾーン)HRで生成される。
(2)反応領域HR内の生成粒子は反応気体流GRの移動速度と同等の速度で移動する。
(3)ノズルユニット3からの反応気体の噴射量を少なくして反応気体流GRの移動速度を下げると、反応空間HKからの熱伝播による高温エリアが広がって反応領域HRがノズルユニット3側に近づく(図3(ハ)の状態)。その結果、生成粒子が反応領域HR内に留まる滞留時間(高温雰囲気に保持される時間)が長くなって高温下での熱反応の進行が速くなり、また反応気体流GRの速度低下により冷却作用も弱くなるため、生成粒子同士の合体等が促進されて粒子径が大きくなる。
(4)逆に、ノズルユニット3からの反応気体の噴射量を多くして反応気体流GRの移動速度を上げると、反応空間HKからの熱伝播による高温エリアの広がりが抑制されて反応領域HRがノズル3側から遠くなる(図3(ロ)の状態)。その結果、生成粒子が反応領域HR内に留まる滞留時間(高温雰囲気に保持される時間)が短くなって高温下での熱反応がそれ程進行せず、また反応気体流GRの速度増大により冷却作用も強くなるため、粒子同士の合体等が抑制されて粒子径が小さくなる。
従って、原料気体流(実際は液滴流)ETの流量に対する反応気体流GRの流量の比(以下、気液比と呼ぶ)を変更設定することで、誘電体粒子の大きさを調整できる。
すなわち、気液比が大きい場合は、反応気体流GRの流量が増加し且つ気体層の厚さが厚くなり、生成粒子の熱を吸収する周囲の気体量が増加する。これによって、生成粒子に対する冷却効果が高まって前記反応領域HRが短くなり、生成粒子の反応領域HR内での滞留時間が短くなる場合に対応するので、製造される誘電体粒子の径が小さくなる。
一方、気液比が小さい場合は、反応気体流GRの流量が減少し且つ気体層の厚さが薄くなり、生成粒子の熱を吸収する周囲の気体量が減少する。これによって、生成粒子に対する冷却効果が低下して前記反応領域HRが長くなり、生成粒子の反応領域HR内での滞留時間が長くなる場合に対応するので、製造される誘電体粒子の径が大きくなる。
次に、本発明に係る誘電体粉末(粒子)の製品について以下列挙して説明する。
PZT:PbZrTi1−x又はPb(Zr,Ti)O、SBT:SrBiTa、BLT:(Bi,La)Ti12、BIT:BiTi12、Bi(Ti,Si)12、CBTi144:CaBiTi15、BaTiO、PZTN:Pb(Zr,Ti,Nb)O、SBTN:SrBi(Ta,Nb)、BNdT:(Bi,Nd)Ti12、(Bi,La)(Ti,A)12(但し、A=V,W,Nb,Taのいずれか)、PbTiO、(Pb,La)(Zr,Ti)O、LiNbO、SrBiTa、BiTiTaO、BaBiTa、(Ba,Pb)(Nd,La,Bi)Ti12
BT−BKT:(1−x)BaTiO−xBi0.50.5TiO、BKT:Bi0.50.5TiO、BNT:Bi0.5Na0.5TiO、K0.5Na0.5NbO、(K,Na,Li)NbO、KNbO、(K,Na,Li)(Nb,Ta,Sb)O
Bi0.5Na0.5TiO−DTiO(但し、D=(Bi0.50.5),Sr,Ba,Ca,(Ba,Sr),(Sr,Ca)から選択される)、Bi0.5Na0.5TiO−MNbO(但し、M=K,Naから選択される)、Bi0.5Na0.5TiO−DTiO−MNbO(但し、D,Mは上記()内と同じ)、
Bi0.5Na0.5TiO−(1/2)Bi・Sc−KNbO
Bi0.5Na0.5TiO−BaTiO−BiFeO
(Bi0.5Na0.5)Bi4Ti15、(Bi,Na)0.95Ca0.05BiTi15、BiTiNbO−(Bi,Na)3NbO、(Sr,Ca)BiTi18
LaGaSiO14、LaGa5.5Nb0.514
Bi0.5Na0.5TiO−BaTiO−SrTiO
Bi0.5Na0.5TiO−BiFeO
Bi0.5Na0.5TiO−LaFeO
Bi0.5Na0.5TiO−NaSbO
Bi0.50.5TiO−BaTiO
Bi0.50.5TiO−BiFeO
Bi0.50.5TiO−Bi0.5Na0.5TiO−BiFeO
Bi0.50.5TiO−BaTiO−BiFeO
なお、本発明に係る誘電体粉末製品は、上記列挙した組成の誘電体粉末に限らず、これ以外の組成を組み合わせたものを含む。
次に、本発明に係る誘電体微粒子の原料物質について説明する。
誘電体を構成する各金属の有機金属化合物(金属錯体など)を溶剤に希釈した状態で原料液として使用する。以下、有機金属化合物名を例示する。
Li: ナフテン酸リチウム
Ba : 2−エチルヘキサン酸バリウム
Ca : 2−エチルヘキサン酸カルシウム
Si: オクタメチルシクロテトラシロキサン、又は、ポリジメチルシロキサン
Sr: 2−エチルヘキサン酸ストロンチウム
V : ナフテン酸バナジウム、又は、2−エチルヘキサン酸バナジウム
Zr: 2−エチルヘキサン酸ジルコニウム
W : メタタングステン酸アンモニウム
Nd: 2−エチルヘキサン酸ネオジム
Sb: 2−エチルヘキサン酸アンチモン
Bi: 2−エチルヘキサン酸ビスマス
Fe: 2−エチルヘキサン酸第2鉄
Ga: 2−エチルヘキサン酸ガリウム
K : 2−エチルヘキサン酸カリウム
La: 2−エチルヘキサン酸ランタン
Na: 2−エチルヘキサン酸ナトリウム
Nb: 2-エチルヘキサン酸ニオブ、ニオブブトキシド、ニオブエトキシド
Sc: 2−エチルヘキサン酸スカンジウム
Ta: 2−エチルヘキサン酸タンタル
Ti: テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、テトライソプロピルチタネート、
ジ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン
Pb: 2−エチルヘキサン酸鉛
なお、本発明に係る誘電体微粒子の原料物質は、上記列挙した材料に限らず、これ以外の材料のものを含む。
希釈溶剤としては、下記のものが使用できる。
1)ミネラルスピリット、2)ミネラルシンナー、3)ペトロリウムスピリット、4)ホワイトスピリット、5)ミネラルターペン、6)灯油(ケロシン)、7)n−ヘキサン、8)ヘキサン酸、9)2−エチルヘキサン酸、10)シクロヘキサン、11)イソヘプタン、12)エタノール、13)メタノール、14)1−プロパノール、15)酢酸、16)1−ペンタノール、17)吉草酸、18)トルエン、19)イソプロピルアルコール、20)n−プロピルアルコール、21)イソブチルアルコール、22)n−ブチルアルコール、23)ベンゼン、24)キシレン
なお、本発明に係る誘電体微粒子の原料に用いる希釈溶剤は、上記列挙したものに限らず、これ以外のものを含む。
〔別実施形態〕
上記実施形態では、反応気体流GRを形成する気体として酸素ガスを用いて、熱反応として化学反応(酸化反応)を起こさせて、燃焼により熱を発生させるとともに金属酸化物からなる誘電体粒子を生成したが、酸素ガスの代わりに窒素ガスを用いて窒化反応を起こさせて窒化物からなる誘電体粒子を生成することも可能である。また、熱反応として、化学反応以外の反応を用いてもよい。
上記実施形態では、誘電体を構成する金属を含有する原料液を液体ノズル4から噴出して液滴流ETを生成した後、この液滴流ETを蒸発気化させて原料気体流ETを形成するようにしたが、誘電体を構成する金属を含有する状態に予め調製した原料気体を気体ノズルから噴出して原料気体流ETを形成するようにしてもよい。
次に、実施例として、誘電体の中で、強誘電体に分類される(Bi3.25La0.75Ti12)(実施例1)と、圧電体に分類される(Bi0.5Na0.5TiO及びBi0.5Na0.515TiO)(実施例2)の2種類の材料を例に説明する。
原料として、2−エチルヘキサン酸ビスマス、2−エチルヘキサン酸ランタン、テトラ(2-エチルヘキシル)チタネート及びミネラルスピリットを所定組成比になるように調合し、混合したものを原料液に用い、図1に示す粒子製造システムによって、Bi3.25La0.75Ti12からなる強誘電体粒子を作製した。
作製したBi3.25La0.75Ti12粒子のTEM写真を図4に示す。図4より、粒子径は、30〜400nmの範囲に分布していることが読み取れる。またその作製粒子を650℃で2時間加熱処理した後のTEM写真を図5に示すが、加熱処理により各粒子が繋がって大きな粒子になっていることが分かる。
図6に、作製粒子及び大気雰囲気中650℃で2時間加熱処理したもののX線回折パターンのグラフを示す。図6より、本材料の強誘電体粒子では、加熱処理しなくても、結晶状態が明確に現れているが、加熱処理により更に結晶状態が明確になることが判る。また表1に、加熱処理前後のBET比表面積(m/g)とBET換算径(nm)を示す。尚、本材料の真密度を7.43g/cmとして、BET換算径を(1)式より算出した。
原料として、2−エチルヘキサン酸ビスマス、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、テトラ(2-エチルヘキシル)チタネート及びミネラルスピリットを各組成比になるように調合し、混合したものを原料液に用い、図1に示す粒子製造システムによって、Bi0.5Na0.5TiOと、Bi0.5Na0.515TiOからなる圧電体粒子を夫々作製した。
作製した上記Bi0.5Na0.5TiOと、Bi0.5Na0.515TiOのSEM写真を図7に示す。図7より、いずれの組成においても粒子径は、50〜800nmの範囲に分布していることが読み取れる。
図8に、上記Bi0.5Na0.5TiOと、Bi0.5Na0.515TiO作製粒子のX線回折パターンのグラフを示す。図8より、本材料の圧電体粒子では、結晶状態が明確に現れていることが判る。また、表2に、作製粒子のBET比表面積(m/g)とBET換算径(nm)を示す。尚、本材料の真密度を5.93g/cmとして、BET換算径を前記(1)式より算出した。
本発明に係る誘電体粒子は、下記に例示するような各種用途の圧電体用材料や、強誘電体を用いた不揮発性メモリー等への適用が可能である。
(圧電体材料の具体的な用途例)加速度センサ、超音波センサ、圧電トランス、圧電アクチュエータ、超音波モータ、圧電フォン、レゾネータ、高周波フィルタ、発振子、振動ピックアップ
本発明に係る誘電体微粒子製造装置の全体構成を示す断面図 ノズル部の構造を模式的に示す断面図と正面図 本発明に係る誘電体微粒子の生成過程を模式的に説明する図 実施例1の強誘電体微粒子の作製品の透過電子顕微鏡写真 実施例1の強誘電体微粒子の加熱処理品の透過電子顕微鏡写真 実施例1の強誘電体微粒子の加熱処理前後のX線回折パターンを示す図 実施例2の圧電体微粒子の電子顕微鏡写真 実施例2の圧電体微粒子のX線回折パターンを示す図
符号の説明
1 容器
2 プラズマ発生装置
3 ノズルユニット
4 液体ノズル
4a 供給管
5 気体ノズル
5a 供給管
7 供給管
10 反応器(微粒子製造装置)
20 回収器
ET 原料気体流(液滴流)
GR 反応気体流
HK 反応空間
HR 反応領域

Claims (5)

  1. 誘電体を構成する金属の化合物と、炭化水素とを含有した有機溶媒の原料気体流と、当該原料気体流を覆う酸素含有ガス流とを高温雰囲気の反応空間に流入させ、前記原料気体流中の炭化水素を前記酸素含有ガス流で燃焼させて発生した熱により前記原料気体流の外周部で熱反応によって前記金属の酸化物微粒子を形成するとともに、当該酸化物微粒子を前記酸素含有ガス流で冷却して誘電体粒子を作製する誘電体粉末の製造方法。
  2. 前記誘電体が圧電体である請求項1に記載の誘電体粉末の製造方法。
  3. 前記誘電体が強誘電体である請求項1または請求項2に記載の誘電体粉末の製造方法。
  4. 前記誘電体がビスマス系酸化物である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の誘電体粉末の製造方法。
  5. 前記化学反応が一定圧力下で行われる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の誘電体粉末の製造方法。
JP2005278434A 2005-09-26 2005-09-26 誘電体粉末の製造方法 Expired - Fee Related JP5132049B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005278434A JP5132049B2 (ja) 2005-09-26 2005-09-26 誘電体粉末の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005278434A JP5132049B2 (ja) 2005-09-26 2005-09-26 誘電体粉末の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007084409A JP2007084409A (ja) 2007-04-05
JP5132049B2 true JP5132049B2 (ja) 2013-01-30

Family

ID=37971789

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005278434A Expired - Fee Related JP5132049B2 (ja) 2005-09-26 2005-09-26 誘電体粉末の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5132049B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008208195A (ja) * 2007-02-26 2008-09-11 Hosokawa Funtai Gijutsu Kenkyusho:Kk 真空紫外線励起発光素子用蛍光体
JP5926920B2 (ja) * 2011-10-19 2016-05-25 一般財団法人ファインセラミックスセンター 粒子捕集装置及び噴霧熱分解装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0640726A (ja) * 1991-02-25 1994-02-15 Sumitomo Sitix Corp 金属酸化物微粉末の製造方法
JPH0597510A (ja) * 1991-10-02 1993-04-20 Murata Mfg Co Ltd 誘電体磁器組成物及びその原料粉末の製造方法
JP4462828B2 (ja) * 2003-01-20 2010-05-12 弌倫 木島 チタン含有酸化物超微粒子の製造方法、及びチタン含有酸化物微粒子
JP4657621B2 (ja) * 2003-06-10 2011-03-23 昭和電工株式会社 ペロブスカイト型チタン含有複合酸化物粒子、その製造方法及び用途
JP4556398B2 (ja) * 2003-09-02 2010-10-06 堺化学工業株式会社 組成物の製造方法
JP4420690B2 (ja) * 2004-02-04 2010-02-24 ホソカワミクロン株式会社 微粒子製造方法及び微粒子製造装置
JP2005255468A (ja) * 2004-03-11 2005-09-22 Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd 常誘電性あるいは強誘電性のBi系誘電体薄膜形成用塗布液、およびBi系誘電体薄膜

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007084409A (ja) 2007-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5833892A (en) Formation of TiO2 pigment by spray calcination
CN1495867A (zh) 铋钛硅氧化物,铋钛硅氧化物薄膜,以及薄膜制备方法
Yuh et al. Sol-gel based synthesis of complex oxide nanofibers
KR101509878B1 (ko) 기상 공정에 의해 합성된 적층 세라믹 커패시터용 금속-세라믹 코어-쉘 구조의 복합체 분말 및 이의 제조방법
EP2417063A2 (en) Process
JP4743481B2 (ja) チタン含有ペロブスカイト型化合物およびその製造方法
JP5248054B2 (ja) 球状アルミナ粒子の製造方法
JP2007023379A (ja) 成膜方法及び構造物
JP2008303111A (ja) 金属酸化物微粒子粉末、金属酸化物微粒子の製造方法および製造システム
JP5132049B2 (ja) 誘電体粉末の製造方法
Branković et al. Barium strontium titanate powders prepared by spray pyrolysis
Nimmo et al. Formation of lead zirconate titanate powders by spray pyrolysis
Tzeng et al. Template‐free synthesis of hollow porous strontium titanate particles
Jodhani et al. Flame spray pyrolysis processing to produce metastable phases of metal oxides
JP2007165782A (ja) 磁性体の製造方法及び製造装置、並びに磁性体粒子及びその前駆体
KR20040047154A (ko) 구형 니켈 미세분말의 제조방법
Bezzi et al. PZT prepared by spray drying: From powder synthesis to electromechanical properties
TWI471266B (zh) 碳化物微粒子之製造方法
Choi et al. Characteristics of BaO–B2O3–SiO2 nano glass powders prepared by flame spray pyrolysis as the sintering agent of BaTiO3 ceramics
Polotai et al. The XRD and IR study of the barium titanate nano-powder obtained via oxalate route
Suresh et al. Mixed hydroxide precursors for La2Ti2O7 and Nd2Ti2O7 by homogeneous precipitation
JP2004315344A (ja) 単結晶セラミックス粒子の製造方法
Jung et al. Morphologies and crystal structures of nano-sized Ba1− xSrxTiO3 primary particles prepared by flame spray pyrolysis
Ferri et al. Aerosol Spray Synthesis of Powder Perovskite‐Type Oxides
KR20080062631A (ko) 화염 분무 열분해에 의한 나노 크기의 티타네이트계 분말의제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080819

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20090722

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120705

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120711

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121102

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121106

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151116

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees