JP2015161021A - 転炉脱炭処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】転炉でのIDFサージングや集塵効率の悪化を招くことなく、安定して低N鋼の製造を可能とする転炉脱炭処理方法を提供する。
【解決手段】排気経路に、一次集塵ダンパー、二次集塵ダンパーおよび誘引通風機を備える転炉OG設備を用いて脱炭を行う際に、吹錬中の排ガス流量および溶鋼の化学組成から転炉内でのCOガスおよびCOガスの発生量を連続的に算出し、吹錬末期のCOガスおよびCOガスの合計発生量の低下に応じて誘引通風機の回転数、一次集塵ダンパー開度および二次集塵ダンパー開度を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、製鋼における転炉脱炭処理方法に関し、特に、転炉で低N鋼を製造するための転炉脱炭処理方法に関する。
品質要求レベルの高まりにより、製鋼プロセスでの低N鋼製造レベルアップが求められており、転炉吹錬にて低N化することが有効である。
図1には転炉OG(Oxygen Converter Gas Recovery System)設備の模式図を示す。転炉は図中1で示す炉体、図中2で示す上吹きランス、図中3で示す上下可能なスカート部、図中4で示す炉内圧力検出器、図中5,6で示す集塵と炉内圧力調整用のダンパー部が2箇所、図中7で示すサクションダンパー、図中8で示すIDF(Induced Draft Fan:誘引通風機)、図中9で示す排ガス組成分析器から成る。
転炉吹錬は上吹きランスからの酸素供給により鋼中[C]をCOガスとして除去することを目的として行う。吹錬はスカート部および二次ダンパー部を操作することで排ガス流量と炉内圧力を目標の値とし、発生するCOガスを効率的に回収するように行われる。吹錬では脱C反応に伴ってダストが発生するため、集塵用ダンパー前後の差圧を確保してダストを除去する必要がある。またダクト内の圧力は所定の範囲内とする必要があり、排ガス流量が低下してダクト内の圧力が所定の値以下に低下するとIDFがサージングと呼ばれる不正振動を起こすため、防止策として集塵用ダンパーの開度に下限を設ける一方、集塵用ダンパー前後の差圧を確保するために炉口とスカートの間隔を広げて大気を侵入させ、排ガス流量の減少し過ぎを補う必要がある。
転炉吹錬中のN挙動について、脱Nメカニズムについては、転炉吹錬での上吹きランスからの酸素供給によりCO気泡が生成し、生成した気泡に鋼中[N]が吸収されて系外に除去されることで脱Nされる、とされている。一方で吸Nメカニズムについては、炉口から侵入した大気が上吹きランスからの酸素と共に鋼中に侵入することで吸Nされる、とされている。
上記メカニズムにより、転炉吹錬中の鋼中[N]挙動は一般に以下のようになる。転炉吹錬前の鋼中[N]は一般に50〜100ppm程度と高い。転炉吹錬で鋼中[C]量が4.7〜0.30%程度の脱C最盛期では、CO気泡生成による脱N反応が、侵入した大気による吸N反応に打ち勝つため、脱Nが除々に進行し、鋼中[C]が0.30%の時点では鋼中[N]は10ppm程度まで低下する。しかし更に吹錬を続けると、鋼中[C]量の低下により脱C反応が停滞し、CO気泡生成が減少するため、脱N反応が生じにくくなり、加えてCOガス発生量低下によるIDFサージングを防ぐために炉口とスカートの間隔を広げて大気を侵入させるため、吸N反応が促進され、結果として吸N反応が脱N反応に打ち勝って除々に吸Nが起こり、鋼中[C]量が0.03%となった時点での鋼中[N]は20〜30ppmとなってしまう。
吹錬末期のガス発生量低下を抑制する方法としては、ガス発生物質投入法が知られており、例えば特許文献1にはガス発生物質投入法に関する技術が開示されている。またIDFサージングを防止する方法としては、排ガス流量制御法が知られており、例えば特許文献2,3には排ガス流量制御法に関する技術が報告されている。さらに吹錬末期の吸Nを抑制する方法としては、酸化鉄投入法が知られている。例えば特許文献4には酸化鉄投入法に関する技術が開示されている。
特開昭61−157609号公報 特開昭54−51907号公報 特開2003−183719号公報 特開平4−124210号公報
特許文献1に開示されている技術では、吹錬末期のCOガス生成量が減少したタイミングにガス発生物質を投入することでガス発生量を増加させ、IDFサージングを防ぐことで炉口とスカートの間隔を広げる操作を最小限とすることにより大気侵入を抑制し、吸Nを抑制している。しかしこの技術を用いても吹錬末期のCOガス生成量減少分に相当するだけのガス発生量増加は困難であり、吹錬末期の吸Nを完全に無くすことは出来なかった。特許文献2に開示されている技術では、COガス発生量を予測し、二次ダンパー、サクションダンパー、IDF回転数の1つ以上を先行制御することでIDFサージングを防ぎつつ大気侵入を抑制している。また特許文献3に開示されている技術では、COガス発生量を予測し、IDF回転数を先行制御することでIDFサージングを防ぎつつ大気侵入を抑制し、更に集塵能力が基準値以下となった場合にはIDF回転数を下限制御することで、集塵能力低下を防止している。しかし特許文献2,3の技術を用いても吹錬最末期のCOガス生成量減少分に対応することは出来ず、特許文献2に開示されている技術では集塵能力が低下するため、特許文献2の第2図にある通り、大気侵入量が増加してしまう。また特許文献3に開示されている技術では、IDF回転数の下限制御を行うため、吹錬最末期は大気侵入量を増加させざるを得ない。特許文献4に開示されている技術では、吹錬末期のCOガス生成量が減少したタイミングに酸化鉄を投入することで界面活性元素である[O]による層を形成し、吸Nを抑制している。しかしこの技術を用いる場合、酸化鉄の還元反応による熱ロスが生じるため溶鋼温度が十分高い状態でしか実施出来ない上、吹錬による溶鋼撹拌で[O]が還元されるため、吹錬末期の吸Nを完全に無くすことは出来なかった。
そこで本発明は、吹錬末期の吸Nを抑制し、安定して低N鋼製造が可能な、転炉の精錬方法を提供することを課題とする。
吹錬末期の吸Nを無くすためには、転炉内でのCOガスおよびCOガスの合計発生量低下時に、炉口とスカート間隔を広げずともIDFサージングが発生しないようにして炉口からの大気侵入を抑制しつつ、集塵後のダスト濃度が増加しないようにすれば良い。
集塵効率について、ベンチュリー式の洗浄集塵機の集塵効率はスロート部のガス流速に比例することが知られており、以下の式で表わされることが知られている。
Figure 2015161021
η:集塵効率(%)
A:ダスト径,密度,ガス粘度などによって変化する係数
offgas:排ガス流量(m/hr)
S:スロート部断面積(m
ν:スロート部のガス流速(m/hr)
よって集塵後のダスト濃度Wafter(体積%)は集塵前のダスト濃度Wbefore(体積%)を用いて以下の式で表わされる。
Figure 2015161021
(b)式を展開することで、集塵ダンパーのスロート部断面積は以下の式で表わされる。
Figure 2015161021
以上から、集塵後のダスト濃度を一定とするための集塵ダンパー開度は、排ガス流量100%、集塵前ダスト濃度100%の時の集塵ダンパー開度を100%とし、集塵後ダスト濃度1%とし、A=0.99とすると、排ガス流量と集塵前ダスト濃度に応じて表1の通りとなる。
Figure 2015161021
次に本発明者らは、転炉吹錬中のダスト発生量について調査し、以下を知見した。すなわち鋼中[C]量が0.30%以下となるとダスト発生量は除々に低下し、吹錬最末期でのダスト発生量は吹錬最盛期でのダスト発生量の1/10程度となる。これは、鋼中[C]量が低下して脱C反応速度が1/10程度に低下することでダスト発生量が1/10程度に低下するためと考えられる。
以上より、例えば、吹錬最末期に排ガス流量が10%、ダスト発生量が10%に変化した場合、集塵後ダスト濃度を悪化させないためには、集塵ダンパー開度を11%に低下させれば良いことが分かる。
ここで二次集塵ダンパー開度は一般に20%程度で吹錬するように設計されており、全閉としても開度はその11%には低下しない。したがって、吹錬最末期に排ガス流量が10%程度に低下した場合にも除塵を十分に行うためには、二次集塵ダンパーだけではなく、従来では制御していなかった一次集塵ダンパー開度も制御する必要がある。一次集塵ダンパーは転炉OG設備の上流側に位置していて、少し制御を加えるだけで二次集塵ダンパーと組み合わせて適正な集塵対応が可能な範囲を拡張することができる。
これまでは現在のような低N鋼の要求がなく、吹錬末期にCOガス発生量が低下した場合には炉口とスカートの間隔を広げて大気侵入させて排ガス流量の減少し過ぎを補っていたため、一次集塵ダンパーの開度を固定したままでも、二次集塵ダンパーの制御だけ、あるいは二次集塵ダンパーとIDF回転数の制御だけで十分な集塵対応ができていた。
吹錬最末期に転炉内で生成するガスは、COだけでなくCOもあることから、吹錬最末期の集塵ダンパー部を通過する排ガス流量の低下をそれらのCOおよびCOガス流量の低下として考えておけばよい。
以上のことから本発明者らは、一次集塵ダンパーおよび二次集塵ダンパーを有する転炉OG設備を用いて脱炭を行う際に、吹錬末期の吸Nを無くすために有効な方法として、以下の方法に想到した。すなわち、吹錬末期にCOガスおよびCOガスの合計発生量が低下したタイミングでIDF回転数を低下させることで、炉口とスカートの間隔を広げずともIDFサージング回避を可能とし、炉口からの大気侵入量増加を防止しつつ、(a)式の考え方に従って一次集塵ダンパー開度と二次集塵ダンパー開度の両方を調整する。より正確には、(c)式に従って一次集塵ダンパー開度と二次集塵ダンパー開度の両方を調整することが好ましい。このようにして、従来の対応可能だった範囲を超える排ガス流量減少時にも、集塵後のダスト濃度増加を防止しつつ、吹錬最末期の吸Nを解決できる。
本発明は、以上の知見に基づいてなされたもので、その要旨は下記の通りである。本発明について以下に説明する。
本発明は、排気経路に、一次集塵ダンパー、二次集塵ダンパーおよび誘引通風機を備える転炉OG設備を用いて脱炭を行う転炉脱炭処理方法であって、吹錬中の排ガス流量および化学組成から転炉内でのCOガスおよびCOガスの発生量を連続的に算出し、吹錬末期のCOガスおよびCOガスの合計発生量に応じて誘引通風機回転数、一次集塵ダンパー開度および二次集塵ダンパー開度の全てを制御することを特徴とする、転炉脱炭処理方法である。
COガスおよびCOガスの合計発生量は、排ガス流量および化学組成の測定値から物質バランスに基づいて連続的に算出することができる。その算出値の減少に比例してベンチュリー式の洗浄集塵機のスロート部断面積を減少させることにより、誘引通風機の回転数減少と併せて、炉口とスカートとの間隔を広げずに集塵効率を適正に保つことができる。基本的には、集塵効率を一定に保つことを目指して、吹錬末期のCOガスおよびCOガスの合計発生量の減少に比例して、(a)式の考え方に従って集塵ダンパーのスロート部断面積を減少させることにより、一次集塵ダンパー開度および二次集塵ダンパー開度をそれぞれ制御する。誘引通風機の回転数減少も、吹錬末期のCOガスおよびCOガスの合計発生量の減少に比例して排風量を減少させるように制御すればよい。
但し、本発明の好ましい態様は以下のとおりである。
吹錬末期のCOガスおよびCOガスの合計発生量の減少に比例して、誘引通風機の回転数をその合計発生量の減少に見合う排風量に減少させると共に、(c)式で得られる集塵ダンパーのスロート部断面積を減少させることにより、一次集塵ダンパー開度および二次集塵ダンパー開度をそれぞれ制御する。
Figure 2015161021
ここで、Sは前記一次および二次の各集塵ダンパーのスロート部断面積(m)、Aはダスト径,密度,ガス粘度などによって変化する係数、Qoffgasは排ガス流量(m/hr)、Wafterは前記一次および二次の各集塵ダンパー出側のダスト濃度(体積%)、Wbeforeは前記一次および二次の各集塵ダンパー入側のダスト濃度(体積%)である。
ここに、吹錬末期は鋼中[C]量が低下してCOガス発生量が低下する時期のことであり、一般には鋼中[C]量が0.30%以下の時期である。またこの方法では、集塵効率の低下やIDFサージングを回避するため、転炉内のCOガスおよびCOガスの発生量を連続的に測定・監視してIDF回転数、一次集塵ダンパー開度および二次集塵ダンパー開度の全てを制御することが必要である。IDF回転数の低下について、COガスおよびCOガスの合計発生量の減少に比例させて自動的に低下させても良いし、手動で低下させても良い。また連続的に低下させても良いし、段階的に低下させても良い。指示に対する追従性が悪い場合には、IDF前に備えられたサクションダンパーの開度を調整して排風能力を調整しても良い。また、本発明において、転炉は上吹き転炉であっても良く、上底吹き転炉であっても良い。
本発明では、吹錬末期のCOガスおよびCOガスの合計発生量低下に応じてIDF回転数、一次集塵ダンパー開度および二次集塵ダンパー開度の全てを制御することで、炉口とスカートの間隔を広げずともIDFサージング回避と集塵効率悪化回避が可能となり、炉口からの大気侵入量増加を防止することで吹錬末期の吸Nを解決できる。本発明によれば、吹錬末期の吸Nを防止できるので、製鋼において低N鋼を安定製造することが可能な、転炉の精錬方法を提供することが出来る。
図1は、転炉のOG設備を説明する模式図である。 図2は、転炉吹錬経過率に伴うCOガス生成量の変化を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明において、流量(送酸速度も含む)は、特に断らない限り、標準状態における流量である。
本発明は、図1に示すように、排気経路に、一次集塵ダンパー5、二次集塵ダンパー6および誘引通風機(以下、「IDF」という。)8を少なくとも備える転炉OG設備を用いて脱炭を行う際に適用される。これらは、転炉側を上流側とした時に、上流側から下流側にかけて順に配置されている。
一次集塵ダンパー5は転炉OG設備の上流側に位置しており、その開度を少し調整することで下流側の二次集塵ダンパーの開度調整と組み合わせて操業条件の大幅な変動に対応することができるようになる。
近年の低N鋼の要求により、従来では達成しえない極低N鋼を製造することが望まれている。本発明では、吹錬末期の低排ガス発生量に対応するため、一次集塵ダンパー5の開度、二次集塵ダンパー6の開度およびIDF8の回転数のすべてを調整する。本発明では、従来では固定値のままとしていた一次集塵ダンパー5の開度を新たに制御することにより、従来のように炉体1の炉口とスカート部3との間隔を広げずに、吹錬末期の排ガス発生量の低下による集塵能力の低下およびIDFサージングの抑制が可能になり、吸Nを抑制することができる。
二次集塵ダンパー6は、転炉内圧力の制御やダストを除塵する役割を担っている。通常転炉OG設備は、二次集塵ダンパー6の開度が20%程度を中心とするように設計されている。従来の脱炭吹錬では、吹錬末期のCOガスおよびCOガスの合計発生量の低下に合わせて集塵効率を維持できるように集塵ダンパーの開度を低下させると、IDFにサージングが発生してしまう。そこで、そのサージング等を抑制するために、転炉1の炉口とスカート部3との隙間を広げて大気を侵入させ、排ガス流量の低下を補っていた。したがって、大気中のNが溶鋼中に溶け込み低Nを実現することができなかった。また、二次集塵ダンパーとサクションダンパーを制御しても、一次集塵ダンパーを制御していないために集塵能力が低下してしまう難点があった。そこで、前述のように、二次集塵ダンパー6の開度よりもさらに低い開度が要求される場合には、一次集塵ダンパー5の開度を更に調整し、IDFの回転数低下とも組み合わせることによって、ようやく集塵効率低下とサージング発生の問題を同時に解決し、もって溶鋼中N量の低減を図ることが可能となった。
なお、(b)式の考え方によれば、(d)式が得られ、一次集塵と二次集塵とを組み合わせて除塵後のダスト濃度を維持する場合には、(e)式が一定となるようにQoffgasの減少すなわちCOガスおよびCOガスの合計発生量の減少に比例して、SおよびSを減少させればよい。SやSは、それぞれ一次集塵ダンパー開度、二次集塵ダンパー開度を表す。
Figure 2015161021
本発明が適用される転炉には、排ガスダクト内の排ガス流量を測定する排ガス流量計、排ガス中のCO濃度、CO濃度、及びO濃度を分析する分析計が必要であり、またこれらの情報を採取してCOガス発生量を逐次算出して表示するための計算機やディスプレイがあることが望ましい。
さらに、排ガス中のダスト濃度測定器を排ガス集塵用ダンパーの前後に備えていることが、一層望ましい。
本発明では、吹錬末期のCOガスおよびCOガスの合計発生量低下に応じてIDF回転数、一次集塵ダンパー開度および二次集塵ダンパー開度の全てを制御する。IDFの制御方式はインバーター形式でもトルクコンバーター形式でもセルビウス形式でも、その他の形式でも良い。回転数の低下について、COガスおよびCOガスの合計発生量低下に比例して自動的に低下させても良いし、手動で低下させても良い。また連続的に低下させても段階的に低下させても良い。指示に対する追従性が悪い場合にはIDF前に備えられたダンパーの開度を調整して排風能力を調整しても良い。集塵ダンパーの制御についても、COガスおよびCOガスの合計発生量低下に比例して自動的に低下させても良いし、手動で低下させても良い。また連続的に低下させても段階的に低下させても良い。また、本発明において、転炉は上吹き転炉であっても良く、上底吹き転炉であっても良い。
本発明において、集塵ダンパーおよびIDF回転数の制御を自動で行う場合の一例を記載する。不図示の演算装置は、転炉の排ガス発生量および化学組成の検出結果から、COガスおよびCOガスの合計発生量を算出する。演算装置は、この算出結果を不図示の集塵ダンパー制御装置およびIDF回転数制御装置に送信する。各制御装置は、受信した算出結果に基づいて、予め記憶部に格納されているCOガスおよびCOガスの合計発生量と集塵ダンパー開度およびIDF回転数との関係式から、集塵ダンパー開度およびIDF回転数を決定する。
ここで、集塵ダンパー開度については、前記したように(a)式の考え方に従ってWafterが一定になるように、COガスおよびCOガスの合計発生量の減少に比例してSを減少させればよい。より正確には、排ガス中のダスト濃度を測定して、前述の(c)式で説明したように、スロート部断面積とCOガスおよびCOガスの合計発生量との比例関係に基づき制御すればよい。
一次集塵ダンパーの開度および二次集塵ダンパーの開度の調整は、吹錬末期(例えば吹錬経過率85%以降の時期)において、二次集塵ダンパー開度が炉内圧力制御に好適な範囲となるよう(一般には15〜35%程度)、一次集塵ダンパー開度を調整することによって行われる。IDF回転数についても、COガスおよびCOガスの合計発生量が分かっているので、その減少に合わせて、排風量を減少させるように制御すればよい。
ここで、COガス発生量およびCOガス発生量、並びに大気侵入量は以下の式より算出することが出来る。以下の式において、hCO、hCO2、hO2は排ガス成分(体積%)であり、Qoffgasは排ガス流量(m/hr)であり、iは吹錬中の任意の排ガス分析時間(タイミング)であり、i_delayは排ガス分析遅れ時間(−)である。またVN2 、VCO2 は底吹き撹拌ガス流量(m/hr)である。
まず、排ガス中のCO流量VCO(m/hr)、排ガス中のCO流量VCO2(m/hr)、排ガス中のO流量VO2(m/hr)、排ガス中のN流量VN2(m/hr)は、それぞれ下記式(1)〜(4)で表わされる。
Figure 2015161021
炉内で発生したCO流量VCO (m/hr)、CO流量VCO2 (m/hr)は、下記式(5)〜(7)で表わされる。VROGAIは、炉外から排ガス中に侵入した酸素流量(m/hr)である。
Figure 2015161021
大気侵入量(m/hr)は、下記式(8)で表わされる。
Figure 2015161021
本発明において、COガス発生量およびCOガス発生量の測定・演算周期やIDF回転数を低下させるタイミングおよび低下比率、集塵ダンパーの制御タイミングや制御量は特に限定されない。しかしCOガス発生量およびCOガス発生量の測定・演算周期について、COおよびCOガス発生量の低下速度は一般に早く、それに対応するために10秒以下の周期で測定・演算することが望ましい。またIDF回転数を低下させるタイミングおよび低下比率については、図2に示すように、事前にCOガス発生量およびCOガス発生量とその時の排ガス流量、サージングを回避できる最低限のIDF回転数を調査して定める必要があり、自動的にIDF回転数を制御することが望ましい。
さらに、一般にIDF回転数はそれを低下する際の応答性が遅いことから、IDF前に備えられたダンパー開度の調整と合せることで排風能力を制御することが望ましい。
さらに、集塵ダンパーの制御については事前に排ガス流量と集塵ダンパー開度の関係を定めておき、自動的に制御することが望ましい。
本発明に係る転炉吹錬の条件を、調査条件A(従来例:吹錬中にIDF回転数・一次集塵ダンパー開度を変更しない)、調査条件B(発明例:吹錬末期にCOガス発生量およびCOガス発生量に応じてIDF回転数・一次集塵・二次ダンパー開度を変更する)、調査条件C(比較例1:吹錬末期にCOガスおよびCOガス発生量に関係なく、事前に決めたタイミングでIDF回転数・一次・二次集塵ダンパー開度を変更する)、調査条件D(比較例2:吹錬末期にCOガス発生量およびCOガス発生量に応じてIDF回転数のみを変更し、一次集塵ダンパー開度は変更しない)に大別して比較し、本発明に係る発明特定案件の効果を確認した。
この調査において共通する事項を、先にまとめて説明する。
250t上底吹き転炉に処理前成分:炭素濃度=3.5〜4.8%、珪素濃度=0.01〜0.70%、マンガン濃度=0.07〜0.39%、リン濃度=0.013〜0.163%、窒素濃度=53〜96ppm、および温度=1290〜1420℃の溶銑を装入し、精錬剤として主に生石灰を投入し、標準状態で50,000m/hrの酸素を上吹きしながら標準状態で1,200m/hrの二酸化炭素を底吹きする吹錬を行った。二次集塵ダンパーの開度は15〜35%の範囲とした。
調査条件AではIDF回転数は吹錬を通して1500rpmとし、一次集塵ダンパー開度は75%とした。調査条件B、C、Dでは各々表2〜4の通りにIDF回転数・一次・二次集塵ダンパー開度を制御した。
Figure 2015161021
Figure 2015161021
Figure 2015161021
表5に、脱炭処理条件及び脱炭処理結果を示す。なお、表5における溶鋼の成分濃度を示す「%」は質量%であり、「ppm」は質量ppmである。表5において、例1〜例5は調査条件A(従来例:吹錬中にIDF回転数・一次集塵ダンパー開度を変更しない)、例6〜例10は調査条件B(発明例:吹錬末期にCOガス発生量およびCOガス発生量に応じてIDF回転数・一次・二次集塵ダンパー開度を変更する)及び、例11〜例15は、調査条件C(比較例1:吹錬末期にCOガス発生量およびCOガス発生量に関係なく、事前に決めたタイミングでIDF回転数・一次・二次集塵ダンパー開度を変更する)、例16は調査条件D(比較例2:吹錬末期にCOガス発生量およびCOガス発生量に応じてIDF回転数のみを変更し、一次集塵ダンパー開度は変更しない)に係る処理例である。
Figure 2015161021
調査条件Aの例1および例3〜5では吹錬末期にCOガスおよびCOガスの合計発生量が低下したため、炉口とスカートの間隔を大きくすることで大気を侵入させてIDFサージングを防止した処理である。IDFサージングや集塵状況の悪化は無いものの、大気侵入量が増加し、それに伴って処理後[N]が増加してしまうことが分かる。例2は大気侵入量を低減するために吹錬末期に二次集塵ダンパー開度を最小開度である15%まで絞り、炉口とスカートの間隔を小さくして処理した例である。大気侵入量が小さいため処理後[N]が低位となっているが、IDFサージングが発生した。
調査条件Bの例6〜10では吹錬末期のCOガスおよびCOガスの合計発生量低下に伴いIDF回転数・一次・二次集塵ダンパーを制御し、炉口とスカートの間隔を小さく保った処理である。IDFサージングや集塵状況の悪化はなく、大気侵入量を低減したことで処理後[N]が低位となることが分かる。
調査条件Cの例11〜13はCOガス発生量およびCOガスの合計に対してIDF回転数が高すぎる例である。例11ではサージング防止のために炉口とスカートの間隔を大きくしたため、大気侵入量が増加し、処理後[N]が高位となっている。例12および例13では炉口とスカートの間隔を小さくした例であり、IDFサージングが発生した。例15はCOガス発生量に対する集塵効率が不足となった例であり、集塵状況が悪化することが分かる。
調査条件Dの例16はCOガス発生量およびCOガスの合計に対する集塵ダンパー開度が不足となった例であり、IDFサージングの問題無く処理後[N]低位であるが、集塵状況が悪化することが分かる。
以上より、本発明(例6〜10)によれば、転炉吹錬における吹錬末期において、COガスおよびCOガスの合計発生量に応じてIDF回転数を低下させることで、IDFサージングや集塵状況の悪化を招くことなく、安定して低N鋼製造が可能となった。

Claims (2)

  1. 排気経路に、一次集塵ダンパー、二次集塵ダンパーおよび誘引通風機を備える転炉OG設備を用いて脱炭を行う転炉脱炭処理方法であって、吹錬中の排ガス流量および化学組成から転炉内でのCOガスおよびCOガスの発生量を連続的に算出し、吹錬末期のCOガスおよびCOガスの合計発生量の低下に応じて前記誘引通風機回転数、前記一次集塵ダンパー開度および前記二次集塵ダンパー開度の全てを制御することを特徴とする、転炉脱炭処理方法。
  2. 吹錬末期のCOガスおよびCOガスの合計発生量の減少に比例して、(1)式で得られる集塵ダンパーのスロート部断面積を減少させることにより、前記一次集塵ダンパー開度および前記二次集塵ダンパー開度をそれぞれ制御することを特徴とする、請求項1に記載の転炉脱炭処理方法。
    Figure 2015161021
    ここで、Sは前記一次および二次の各集塵ダンパーのスロート部断面積(m)、Aはダスト径,密度,ガス粘度などによって変化する係数、Qoffgasは排ガス流量(m/hr)、Wafterは前記一次および二次の各集塵ダンパー出側のダスト濃度(体積%)、Wbeforeは前記一次および二次の各集塵ダンパー入側のダスト濃度(体積%)である。
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