JP3775238B2 - 転炉排ガス回収設備及び回収方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、転炉排ガスの回収設備及び回収方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
転炉での酸素吹錬による溶銑の脱炭処理時に発生するガスは、転炉炉口部でのCOガス濃度;約90%、含塵量;約120g/Nm3 、温度;約1500℃の状態にあり、その発生量は300トンクラスの大型転炉では220000Nm3 /hrにも達している。この排ガスの処理方式として、排ガス中のCOガスを空気で完全燃焼させた後に冷却して除塵する完全燃焼方式と、未燃焼のまま冷却して除塵する非燃焼方式との2つに大別され、完全燃焼方式と比較して、排ガス処理設備が比較的小型で済むことや保守が容易であること及び集塵効率が安定していること等の理由から、最近では非燃焼方式が主に採用されている。
【0003】
非燃焼方式の排ガス処理設備のほとんどは所謂「OG式排ガス回収設備」であり、このOG式排ガス回収設備(以下単に「排ガス回収設備」と記す)では、誘引送風機の回転数を一定とし、吸引量と発生ガス量とがほぼ等しくなるように二次集塵機として設置したPAベンチュリーのダンパーの開度を調整し、転炉炉口圧を所定の範囲内に制御している。しかし、従来の排ガス回収設備では、転炉内への酸素の供給流量(以下「送酸速度」と記す)が最大の場合にも排ガス処理が可能であるように設計されており、予備処理された溶銑を用いるレススラグ吹錬や溶銑の脱燐処理と云った低い送酸速度の場合には、発生ガス量が少なく、未燃焼のガスを回収すること及び回収増を図ることは極めて困難である。
【0004】
これは、PAベンチュリーのダンパーが全閉状態になっていても、低送酸速度での低排ガス流量の状態では、誘引送風機の吸引量が発生ガス量よりも大きくなるため、大気が転炉炉口部において排ガス中に混入し、この大気によりCOガスが燃焼してCOガス濃度が低くなり、回収できなくなるからである。そのため、例えば、以下のような問題点が生じている。
【0005】
現在、溶銑の脱炭吹錬の際には転炉内にマンガン鉱石を添加し、このマンガン鉱石を溶銑中の炭素により還元し、合金鉄として添加するマンガン量を減少させている。この場合に、例えば、送酸速度を吹錬終了まで50000Nm3 /hrの一定とした場合と、吹錬の中期以降に50000Nm3/hrから25000N3 /hrに下げた場合とでマンガン歩留まりを比較すると、送酸速度を一定とした場合にはマンガン歩留まりが低下することが知られている。吹錬末期まで高送酸速度を維持した場合には溶鋼中酸素濃度が高くなり、マンガン歩留まりはこの酸素濃度に反比例して低くなるからである。従って、マンガン歩留まりを向上させるためには吹錬末期に送酸速度を下げれば良いが、送酸速度の低下に伴いガス発生量が少なくなり、吹錬末期には発生ガス量の方が吸引量よりも少なくなり、ガス回収が不可能になる。即ち、従来の排ガス回収設備では、マンガン歩留まりの向上とガス回収量の増加とを同時に達成することはできないと云う問題点がある。尚、COガス濃度が低い排ガス即ち酸素濃度の高い排ガスを回収すれば、回収用ガスホルダー等で爆発等の重大事故が生じることになる。
【0006】
又、転炉を用いた溶銑の脱燐処理の際には、脱炭吹錬の場合に比較して送酸速度が低く、従ってガス発生量も少なく、従来の排ガス回収設備では未燃焼のCOガスの回収は本来あきらめざるを得ない。コークスやプラスチック等の炭素源を転炉内に添加して、排ガス中COガス濃度並びに排ガス流量を高めることにより、従来の排ガス回収設備でも未燃焼ガスを回収することが可能となるが、炭素源の供給によって排ガス流量を安定して増加させることは困難であり、炭素源を添加したとしてもガス発生量の変動等を考えると、転炉における溶銑の脱燐処理では従来の排ガス回収設備によるガス回収は実際には不可能と云う問題点がある。
【0007】
このような問題点を解決するために特開昭53−1110号公報が提案されている。同号公報では、炉内発生ガス量を予測し、この予測値に応じてPAベンチュリーのダンパーの単独制御若しくはこのダンパーと誘引送風機のダンパーとの組み合わせ制御を行い、誘引送風機の吸引量を炉内発生ガス量に予め近似させ、排ガス回収率を高めている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭53−1110号公報に開示された方法では、以下の問題点がある。即ち、ガス発生量の少ない条件下でのガス回収中に、異常燃焼等によりガス発生量が急激に多くなった場合には、集塵効率が悪化してしまう。これは誘引送風機の吸引量をダンパーの絞り制御により行った時の特徴であり、誘引送風機の装置上の特性から、図9に示すように、誘引送風機のダンパーを閉めることに起因して高送風側では誘引送風機の発生圧力が低下するためである。尚、図9は、実炉において誘引送風機のダンパーを閉めた場合の特性変化を調査した結果を示す図であり、図9におけるPAはPAベンチュリーのダンパー、D1及びD3は誘引送風機のダンパーであり、数値はダンパー開度を示している。
【0009】
又、炉内発生ガス量を予測する際には、炉内若しくは煙道等に添加・投入される副原料のガス化に伴う増分量を考慮する必要があり、この増分量も含めた発生ガス量の予測は困難であり、その精度は著しく低く、安定してガス回収効率を高めることは極めて難しいと云わざるを得ない。
【0010】
以上説明したように、広範囲に亘るガス発生量に対応して、未燃焼のガスを安定して回収することができる排ガス回収設備は未だ開発されておらず、その開発が切望されていた。
【0011】
ところで、従来の排ガス回収設備では、発生ガス量が少ない領域においてガス回収量を増加させる若しくはガス回収を行うためには、排ガス回収設備を低送酸速度に合わせた仕様に設備改造する必要があり、それに伴い多額の設備費用が必要になる。又、広範囲に亘るガス発生量に対応した排ガス回収設備は従来開発されていないため、高送酸速度域にも又低送酸速度域にも対応させるためには仕様の異なる排ガス回収設備を並列して設置せざるを得ないことになる。
【0012】
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、溶銑の脱炭吹錬から脱燐処理までのように、転炉での広範囲の送酸速度域においても、集塵効率を低下させることなく未燃焼ガスの回収が可能であり、且つ、高送酸速度に対応した従来の排ガス回収設備でも安価な設備改造費で改造可能な転炉排ガス回収設備を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
第1の発明による転炉排ガス回収設備は、開度調節が可能なダンパーを備え、このダンパーの開度を調整しながら転炉から発生するガスを除塵する集塵機と、前記ダンパーの開度を検出する開度検出器と、前記集塵機から排出されるガスを吸引する誘引送風機と、前記開度検出器による検出信号に基づいて前記誘引送風機の回転数を変更する回転数演算手段と、回転数演算手段からの出力信号に基づいて誘引送風機の回転数を制御する送風機駆動制御装置と、を具備した転炉排ガス回収装置であって、前記回転数演算手段は、前記開度検出器で検出されたダンパー開度値が予め設定された全閉領域基準値以下の場合には、現在の誘引送風機の回転数に任意の値を減じた回転数における排ガス中の含塵量を求め、求めた含塵量が環境基準値より小さい値であるときには前記減じた回転数を誘引送風機の新回転数として変更し、前記ダンパー開度値が予め設定された全開領域基準値以上の場合には、現在の誘引送風機の回転数に任意の値を加えた回転数を求め、求めた回転数が予め設定された回転数上限値よりも大きい値であるときには現状の回転数を維持し、求めた回転数が回転数上限値よりも小さい値であるときには前記任意の値を加えた回転数を誘引送風機の新回転数として変更し、この新回転数を前記送風機駆動制御装置に出力することを特徴とする。
第2の発明による転炉排ガス回収設備は、開度調節が可能なダンパーを備え、このダンパーの開度を調整しながら転炉から発生するガスを除塵する集塵機と、前記ダンパーの開度を検出する開度検出器と、前記集塵機から排出されるガスを吸引する誘引送風機と、前記開度検出器による検出信号に基づいて前記誘引送風機の回転数を変更する回転数演算手段と、回転数演算手段からの出力信号に基づいて誘引送風機の回転数を制御する送風機駆動制御装置と、を具備した転炉排ガス回収装置であって、前記回転数演算手段は、前記開度検出器で検出されたダンパー開度値が予め設定された全閉領域基準値以下の場合には、各回転数別のダンパー性能曲線に基づいてダンパー開度値が前記全閉領域基準値になった時点での排ガス流量を予め設定された規定開度で通過させることのできる回転数を求めるとともに、求めた回転数における排ガス中の含塵量を求め、求めた含塵量が環境基準値より小さい値であるときには前記求めた回転数を誘引送風機の新回転数として変更し、前記ダンパー開度値が予め設定された全開領域基準値以上の場合には、各回転数別のダンパー性能曲線に基づいてダンパー開度値が前記全開領域基準値になった時点での排ガス流量を予め設定された規定開度で通過させることのできる回転数を求め、求めた回転数が予め設定された回転数上限値よりも大きい値であるときには現状の回転数を維持し、求めた回転数が回転数上限値よりも小さい値であるときには該回転数を誘引送風機の新回転数として変更し、この新回転数を前記送風機駆動制御装置に出力することを特徴とする。
【0014】
第3の発明による転炉排ガス回収方法は、集塵機に設置されたダンパーの開度を調整して転炉炉口圧を所定の範囲に制御しながら、誘引送風機により転炉から排出されるガスを吸引して回収する転炉排ガス回収方法において、前記開度検出器で検出されたダンパーの開度が予め設定した全閉領域基準値以下の場合には、現在の誘引送風機の回転数に任意の値を減じた回転数における排ガス中の含塵量を求め、求めた含塵量が環境基準値より小さい値であるときには前記減じた回転数を誘引送風機の新回転数として誘引送風機の回転数を変更し、検出されたダンパーの開度が予め設定した全開領域基準値以上の場合には、現在の誘引送風機の回転数に任意の値を加えた回転数を求め、求めた回転数が予め設定された回転数上限値よりも大きい値であるときには現状の回転数を維持し、求めた回転数が回転数上限値よりも小さい値であるときには前記任意の値を加えた回転数を誘引送風機の新回転数として誘引送風機の回転数を変更することを特徴とする。
又、第4の発明による転炉排ガス回収方法は、集塵機に設置されたダンパーの開度を調整して転炉炉口圧を所定の範囲に制御しながら、誘引送風機により転炉から排出されるガスを吸引して回収する転炉排ガス回収方法において、前記開度検出器で検出されたダンパーの開度が予め設定した全閉領域基準値以下の場合には、各回転数別のダンパー性能曲線に基づいてダンパーの開度が前記全閉領域基準値になった時点での排ガス流量を予め設定した規定開度で通過させることのできる回転数を求めるとともに、求めた回転数における排ガス中の含塵量を求め、求めた含塵量が環境基準値より小さい値であるときには前記求めた回転数を誘引送風機の新回転数として誘引送風機の回転数を変更し、検出されたダンパーの開度が予め設定した全開領域基準値以上の場合には、各回転数別のダンパー性能曲線に基づいてダンパー開度値が前記全開領域基準値になった時点での排ガス流量を予め設定した規定開度で通過させることのできる回転数を求め、求めた回転数が予め設定された回転数上限値よりも大きい値であるときには現状の回転数を維持し、求めた回転数が回転数上限値よりも小さい値であるときには該回転数を誘引送風機の新回転数として誘引送風機の回転数を変更することを特徴とする。
【0015】
本発明では、集塵機として設置したPAベンチュリーのダンパー(以下「PAダンパー」と記す)が転炉炉口圧の制御不能となる開度、即ち全開領域基準値或いは全閉領域基準値に達した際には、排ガス中の含塵量を環境基準値以下に維持した状態のまま、PAダンパーの開度が炉口圧の制御可能な範囲になるように、誘引送風機の回転数を変更して誘引送風機による吸引量を調整するので、常にガス発生量と誘引送風機の吸引量とが同等になり、脱炭吹錬の末期や脱燐処理等の低送酸速度域であっても転炉排ガス中への大気の混入が防止され、転炉から発生するCOガス等を未燃焼のまま回収することが可能となる。又、従来の高送酸速度に対応した排ガス回収設備であっても、PAダンパーの開度に応じて誘引送風機の回転数を変更すると云う比較的簡単な設備改造により上記課題を達成することが可能であり、設備改造費を大幅に低減することができる。更に、集塵能力演算手段により誘引送風機の回転数に基づいて集塵機の集塵能力を求め、集塵能力が基準値以下となった場合には、誘引送風機の回転数の下限制限を行うので、集塵効率を低下させることがない。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態を示す図であって、本発明による転炉排ガス回収設備の概略構成図である。
【0017】
図1に示すように、溶銑2を収容した転炉1の内部には上方から上吹きランス3が挿入され、この上吹きランス3から酸素が溶銑2に吹き付けけられて溶銑2の脱炭吹錬や溶銑2の脱燐処理が行われる。溶銑2の脱炭吹錬及び脱燐処理により炉内からCOガスを主体とする排ガスが発生する。
【0018】
転炉1の上方には煙道4が設置され、煙道4の後段には、一次集塵機6、エルボーセパレーター7、二次集塵機8、エルボーセパレーター10、排ガス流量計11、吸引ファンダンパー12、誘引送風機13、誘引送風機14、サイレンサー15、三方弁16の順に設置されており、排ガスの回収流路を構成している。三方弁16以降の排ガス流路は2つに分岐しており、1つは煙突18から大気に放散される流路であり、他の1つは回収弁17を経てガスホルダー19に至り、ガスホルダー19内で回収される流路である。誘引送風機13は電動機26により駆動され、又、誘引送風機14は電動機27により駆動され、これにより転炉1内の発生ガスが吸引され、煙突18から放散されるか若しくはガスホルダー19内に回収される。図1は2基の誘引送風機13,14を直列に設置した例であるが、誘引送風機の設置数は2基に限るものではなく、3基以上としても又1基であっても良い。
【0019】
煙道4の転炉1の炉口との接続側はスカート5と呼ばれており、上下移動が可能な構造となっており、排ガスを回収する場合には、スカート5と転炉1の炉口とは原則的には密着した状態である。スカート5の部位には、転炉炉口圧を測定するための炉口圧検出器20が設置され、炉口圧検出器20の測定結果は炉圧制御演算機21へ入力されている。
【0020】
二次集塵機8として設置したPAベンチュリーにはPAダンパー9が設置されており、PAダンパー9はPAダンパー駆動装置22によりその開度が調整されるようになっている。PAダンパー駆動装置22には炉圧制御演算機21の信号が入力されており、PAダンパー駆動装置22は炉圧制御演算機21の信号によりPAダンパー9の開度を調整するようになっている。
【0021】
即ち、炉圧制御演算機21は、炉口圧検出器20の測定結果に基づき、炉口圧が所定値、例えば−5mmH2 O〜+5mmH2 Oの範囲となるように、PAダンパー9の開度を調整している。この炉口圧の制御方法は、その制御性が高い方法であるならば、いかなる制御方法であっても良い。ここで制御性が高い方法とは、図2に示すように、仮に炉口圧の設定を変更した場合に設定値へ近づく期間(「過渡特性」と云う)が早く、更に、その後の定常状態での偏差(「定常特性」と云う)が小さい制御方法であり、過渡特性が6.0秒以下、定常特性が±4.0mmH2 O以下の方法である。具体的には一般的なPI制御で十分可能である。尚、図2は炉口圧の設定値を変更した際の炉口圧変化の例を示す図である。
【0022】
このようにして炉口圧の制御を行った際に、PAダンパー9の開度が全閉状態となった場合には、発生ガス量が少なく、転炉1の炉口で大気の巻き込みが発生してガスの燃焼(「二次燃焼」と云う)が発生していることが把握でき、一方、PAダンパー9の開度が全開状態となった場合には、発生ガス量が多く、転炉1の炉口から発生ガスが噴き出していることが把握できる。このように、炉内発生ガスの推定を行わなくて、PAダンパー9の開度から炉内発生ガスの挙動を把握することができる。
【0023】
二次集塵機8にはPAダンパー9の開度を検出するための開度検出器23が設置されており、開度検出器23による検出値は回転数演算機24に送信されている。この回転数演算機24は開度検出器23による検出値に基づき、誘引送風機13,14の回転数を変更すべきか否かを判定して、その判定結果を送風機駆動制御装置25に出力する。送風機駆動制御装置25はこの信号に基づき、電動機26,27の回転数即ち誘引送風機13,14の回転数を所定値に制御する。
【0024】
以下に、PAダンパー9の開度状況から、より多くのガスを回収するために行う回転数演算機24の第1の演算方法を図3に基づき説明する。尚、図3は回転数演算機24における第1の処理フローを示す図である。
【0025】
先ず最初に、開度検出器23から送信されるPAダンパー開度値(X)と、予め設定してあるPAダンパー9の全閉領域基準値(A)との比較を行う(ステップ1)。ステップ1の頻度は数秒間隔から数分間隔の範囲の任意の間隔で行えば良い。ここで全閉領域基準値(A)とは、設備の機械的な全閉領域ではなく、PAダンパー9の開度をそれ以下としても、PAダンパー9を通過する風量が実質的に変化しない若しくは変化しにくい領域であり、PAダンパー9の設備仕様によっても変化するが、例えば開度が7%程度以下の領域である。
【0026】
PAダンパー開度値(X)が全閉領域内であれば、下記の(1)式に基づいて誘引送風機13,14の回転数を演算する(ステップ2)。
【0027】
【数1】
Figure 0003775238
【0028】
そして、新回転数における誘引送風機13,14の発生圧力(吸引圧力とも云う)を演算する(ステップ3)。この演算は、図4に示す定格回転数(図4では1000rpmが定格回転数に該当)における誘引送風機性能曲線に基づき実施する。即ち、新回転数における風量(Q)は下記の(2)式により求めることができ、又、新回転数における発生圧力(P)は下記の(3)式により求めることができるので、図5に示すような、各回転数別の誘引送風機性能曲線を得ることができる。ここで、図5に示すように、各回転数別の誘引送風機性能曲線上で風量が同一である点の圧力が、新回転数における発生圧力(P)となる。尚、図4は、PAダンパー9の性能曲線と第1の演算方法に基づくPAダンパー9の動作状況とを併せて示す図である。
【0029】
【数2】
Figure 0003775238
【0030】
【数3】
Figure 0003775238
【0031】
次に、新回転数における排ガス中の含塵量(D)を推定する(ステップ4)。含塵量(D)は、排ガス回収設備の設計時に決定される含塵曲線から求めることができる。含塵曲線の例を図6に示す。これは、一次集塵機6及び二次集塵機8での差圧状態から集塵能力を表す曲線である。一次集塵機6の差圧と二次集塵機8の差圧とを加えた差圧は誘引送風機13,14の発生圧力(P)によるものであるから、誘引送風機13,14の発生圧力(P)から排ガス中の含塵量(D)を求めることができる。即ち、図6において、横軸が発生圧力(P)に等しい点の含塵曲線から含塵量(D)を求めることができる。尚、図6の横軸の集塵機圧力損失は、一次集塵機6の差圧と二次集塵機8の差圧とを加えた差圧である。
【0032】
以上の演算により得た含塵量(D)の予想値と予め設定してある環境基準値(本実施の形態では50mg/Nm3 )とを比較して(ステップ5)、含塵量(D)の予想値が環境基準値より小さい場合には、誘引送風機13,14の回転数が新回転数となるように、回転数演算機24から送風機駆動制御装置25へ信号が送られる。又、含塵量(D)の予想値が環境基準値より大きい場合には、誘引送風機13,14の回転数は現状を維持するように回転数演算機24から送風機駆動制御装置25へ信号が送られる。この場合、PAダンパー9は全閉状態のままであり、転炉1の炉口での大気の巻き込みにより排ガス中の未燃焼ガス濃度が低下するので、ガスホルダー19でのガス回収を行わず、完全燃焼させて煙突18から大気に放散する。通常、排ガス中の未燃焼ガス濃度がおよそ50%以下となったなら、ガス回収をあきらめて大気放散が行われる。
【0033】
一方、ステップ1においてPAダンパー開度値(X)が全閉領域基準値(A)よりも大きい場合には、予め設定されている全開領域基準値(B)とPAダンパー開度値(X)とを比較する(ステップ6)。ここで全開領域基準値(B)とは、設備の機械的な全開領域ではなく、PAダンパー9の開度をそれ以上としても、PAダンパー9を通過する風量が実質的に変化しない若しくは変化しにくい領域であり、PAダンパー9の設備仕様によっても変化するが、例えば開度が30%程度以上の領域である。
【0034】
PAダンパー開度値(X)が全開領域基準値(B)よりも小さい場合には、PAダンパー9の開度は適正範囲内であるので、誘引送風機13,14の回転数は現状を維持するように回転数演算機24から送風機駆動制御装置25へ信号が送られる。PAダンパー開度値(X)が全開領域基準値(B)よりも大きい場合には、下記の(4)式に基づいて誘引送風機13,14の回転数を演算する(ステップ7)。
【0035】
【数4】
Figure 0003775238
【0036】
そして、予め設定してある誘引送風機13,14の回転数上限値(UL)と新回転数とを比較し(ステップ8)、新回転数が回転数上限値(UL)よりも大きければ現状の回転数を維持するように、又、新回転数が回転数上限値(UL)以下であれば新回転数となるように、回転数演算機24から送風機駆動制御装置25へ信号が送られる。
【0037】
以上説明した第1の演算方法によるPAダンパー9の動作状況は次のようになる。即ち、図4に示すように、誘引送風機13,14の回転数が1000rpmの状態で排ガスを回収していた際にガス発生量が減少してくると、誘引送風機13,14の回転数はそのままの状態でPAダンパー9の開度が徐々に低下し、そして、PAダンパー9の開度は全閉領域基準値(A)に到達する。PAダンパー9の開度が全閉領域基準値(A)に到達したならば、誘引送風機13,14の回転数は900rpmに低下し、PAダンパー9の開度は全閉領域を外れる。この場合、吸引ガス流量が誘引送風機13,14の回転数変更の前後で変化しないようにPAダンパー9の開度が決定される。発生ガス量が更に低下して、誘引送風機13,14の回転数が900rpmであってもPAダンパー9の開度が全閉領域基準値(A)に到達すると、誘引送風機13,14の回転数は800rpmに低下する。図4には示していないが、含塵量(D)の予想値が環境基準値を満足する限り、誘引送風機13,14の回転数を700rpm更には600rpmへと低下させても良い。
【0038】
一方、誘引送風機13,14の回転数が800rpmの状態でガス回収を行っていた場合にガス発生量が増加すると、誘引送風機13,14の回転数はそのままの状態でPAダンパー9の開度が徐々に大きくなり、そして、全開領域基準値(B)に到達する。PAダンパー9の開度が全開領域基準値(B)に到達したならば、誘引送風機13,14の回転数は900rpmに増加し、PAダンパー9の開度は全開領域を外れる。この場合、吸引ガス流量が誘引送風機13,14の回転数変更の前後で変化しないようにPAダンパー9の開度が決定される。発生ガス量が更に増加して、誘引送風機13,14の回転数が900rpmであってもPAダンパー9の開度が全開領域基準値(B)に到達すると、誘引送風機13,14の回転数は1000rpmに増加する。この場合には、誘引送風機13,14は1000rpmの回転数で最大送酸速度に対処可能なように設計されており、これ以上の回転数は必要としない。尚、(1)式及び(4)式では10%毎に回転数を変更しているが、この比率は10%に限るものではなく、任意の値とすることができる。
【0039】
次に、より多くのガスを回収するために行う回転数演算機24の第2の演算方法を図7及び図8に基づき説明する。この演算方法は、誘引送風機13,14の回転数を変更する際に、PAダンパー9の開度が、PAダンパー9を通過する排ガス流量を最も制御しやすい開度範囲となるように誘引送風機13,14の回転数を変更する方法である。尚、図7は、回転数演算機24における第2の処理フローを示す図、図8は、PAダンパー9の性能曲線と第2の演算方法に基づくPAダンパー9の動作状況とを併せて示す図である。
【0040】
図7に示すように、開度検出器23から送信されるPAダンパー開度値(X)と、予め設定してあるPAダンパー9の全閉領域基準値(A)との比較を行う(ステップ11)。ステップ11の頻度は数秒間隔から数分間隔の範囲の任意の間隔で行えば良い。PAダンパー開度値(X)が全閉領域内であれば、下記に示す方法により誘引送風機13,14の回転数を演算する(ステップ12)。
【0041】
即ち、PAダンパー9の開度が全閉領域基準値(A)になった時点の排ガス流量を排ガス流量計11の測定値、若しくは、図8に示すPAダンパー性能曲線から把握する。そして、予め求めてある各回転数別のPAダンパー性能曲線に基づき、PAダンパー9の開度が全閉領域基準値(A)になった時点の排ガス流量を規定開度で通過させることができる回転数を求める。ここで、規定開度とは、PAダンパー性能が最も線形化でき、排ガス流量を最も制御しやすい開度であり、通常のPAダンパー9では開度20%程度である。規定開度として或る範囲を設定しても良い。各回転数における誘引送風機13,14の吸引風量は前述した(2)式により求めることができるので、これにより各回転数におけるPAダンパー9の性能曲線を求めることができる。
【0042】
次いで、得られた新回転数における誘引送風機13,14の発生圧力を演算し(ステップ13)、新回転数における排ガス中の含塵量(D)を推定し(ステップ14)、更に、含塵量(D)の予想値と予め設定してある環境基準値とを比較して(ステップ15)、含塵量(D)の予想値が環境基準値より大きい場合には現状の回転数を維持するように、又、含塵量(D)の予想値が環境基準値より小さい場合には誘引送風機13,14の回転数が新回転数となるように、回転数演算機24から送風機駆動制御装置25へ信号が送られる。尚、ステップ13〜ステップ15は前述した第1の演算方法のステップ3〜ステップ5と全く同一であるので、その説明は省略する。
【0043】
一方、ステップ1においてPAダンパー開度値(X)が全閉領域基準値(A)よりも大きい場合には、予め設定されている全開領域基準値(B)とPAダンパー開度値(X)とを比較する(ステップ16)。PAダンパー開度値(X)が全開領域基準値(B)よりも小さい場合には、PAダンパー9の開度は適正範囲内であるので、誘引送風機13,14の回転数は現状を維持するように、回転数演算機24から送風機駆動制御装置25へ信号が送られる。
【0044】
PAダンパー開度値(X)が全開領域基準値(B)よりも大きい場合には、前述したステップ12と同一の方法により誘引送風機13,14の回転数を演算する(ステップ17)。そして、予め設定してある誘引送風機13,14の回転数上限値(UL)と新回転数とを比較し(ステップ18)、新回転数が回転数上限値(UL)よりも大きければ現状の回転数を維持するように、又、新回転数が回転数上限値(UL)以下であれば新回転数となるように、回転数演算機24から送風機駆動制御装置25へ信号が送られる。
【0045】
以上説明した第2の演算方法によるPAダンパー9の動作状況は次のようになる。即ち、図8に示すように、誘引送風機13,14の回転数が1000rpmの状態で排ガスを回収していた際にガス発生量が減少してくると、誘引送風機13,14の回転数はそのままの状態でPAダンパー9の開度が徐々に低下し、そして、PAダンパー9の開度は全閉領域基準値(A)に到達する。PAダンパー9の開度が全閉領域基準値(A)に到達したならば、この時点の排ガス流量(約90000Nm3 /hr)を把握し、規定開度として定めた20%の開度で約90000Nm3 /hrの排ガス流量を通過させる回転数を求める。図8では800rpmの場合がこれに相当する。そこで、誘引送風機13,14の回転数を800rpmに低下して発生ガスを回収する。発生ガス量が更に低下して誘引送風機13,14の回転数が800rpmであってもPAダンパー9の開度が全閉領域基準値(A)になるならば、同様にして回転数を求め、誘引送風機13,14の回転数を更に低下させる。
【0046】
一方、誘引送風機13,14の回転数が800rpmの状態でガス回収を行っていた場合にガス発生量が増加すると、誘引送風機13,14の回転数はそのままの状態でPAダンパー9の開度が徐々に増大し、そして、PAダンパー9の開度は全開領域基準値(B)に到達する。PAダンパー9の開度が全開領域基準値(B)に到達したならば、この時点の排ガス流量(約115000Nm3 /hr)を把握して、20%の開度で約115000Nm3 /hrの排ガス流量を通過させる回転数を求める。図8では920rpmの場合がこれに相当する。そこで、誘引送風機13,14の回転数を920rpmに増加させて発生ガスを回収する。
【0047】
以上、回転数演算機24の2種類の演算方法を説明したが、回転数演算機24の演算方法はこの2種類に限るものではなく、種々の変更が可能である。要は、PAダンパー9の開度がこのPAダンパー9を通過する風量を制御可能な範囲となるように、誘引送風機13,14の回転数を変更すれば良く、従って、PAダンパー9の開度が全閉領域になろうとする場合には回転数を減じ、逆に、PAダンパー9の開度が全開領域になろうとする場合には回転数を増加させれば良い。
【0048】
次に、このようにして構成される本発明による転炉排ガス回収設備を用いて転炉1から発生するガスを回収する方法について説明する。
【0049】
先ず、転炉1内に溶銑2を主原料として装入し、更に必要に応じて、フラックスとしての生石灰、Fe−Mn合金鉄代替のマンガン鉱石、脱燐剤としての鉄鉱石やミルスケール、並びに、炭素源としてのコークスや合成樹脂を副原料として添加して、上吹きランス3から純酸素を溶銑湯面に向かって吹き付け、溶銑2の脱炭吹錬及び脱燐処理を実施する。図1では示していないが、転炉1の炉底から撹拌用ガスを溶銑2中に吹き込んでも良く、又、上吹きランス3に替わって転炉1の炉底から純酸素を吹き込んでも良い。
【0050】
特に、合成樹脂はコークスや黒鉛等の炭素源に比較して硫黄及び燐の含有量が少ないので、その燃焼熱により溶銑2を汚染することなく加熱することができ、この加熱により鉄スクラップやマンガン鉱石の配合比率を高めることが可能となる。又、合成樹脂の燃焼によりCOガスが生成されると共に、CO2 ガスは合成樹脂中の炭素によりCOガスに改質されるので、排ガス中の未燃焼ガスの濃度及び排ガス流量が増加し、未燃焼ガスの回収量を増加させることが可能となる。更に、合成樹脂の廃棄物は、従来その大部分がゴミ埋立地等に投棄されていたが、転炉1内へ供給することにより有効にリサイクル活用される。従って、溶銑2の脱炭吹錬及び脱燐処理共に、その精錬中に転炉1内若しくは煙道4内に合成樹脂、望ましくは合成樹脂の廃棄物を投入・添加することが好ましい。
【0051】
そして、脱炭吹錬の場合には、溶銑2中の炭素濃度に応じた最適な送酸速度で酸素を吹き込み、脱燐処理の場合には、脱燐処理に最適な送酸速度で酸素を吹き込んで精錬する。この精錬により発生するガスは誘引送風機13,14により吸引される。この場合、前述したように、炉口圧は炉圧制御演算機21によるPAダンパー9の開度調整により所定の範囲に制御され、且つ、PAダンパー9の開度が全閉領域若しくは全開領域に達した際には、回転数演算機24により誘引送風機13,14の回転数が変更され、PAダンパー9の開度は流量制御の可能な範囲に復帰される。その結果、転炉1からの発生ガス流量と誘引送風機13,14による吸引流量とがほぼ等しく制御されるので、低送酸速度域であっても転炉1の炉口での大気の巻き込みが抑制され、未燃焼のガス回収量を増加させることができる。
【0052】
本発明の転炉排ガス回収設備を用いて転炉1から発生するガスを回収した場合、脱炭吹錬時には吹錬末期のガス回収増により溶銑トン当たり2Nm3 のガス回収増が可能であり、又、従来ガス回収が不可能であった脱燐処理時には溶銑トン当たり50Nm3 のガス回収が可能であった。更に、この場合、排ガス中の含塵量は全く増加せず、大気汚染やガス回収設備におけるダスト障害は全く発生しなかった。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、ダンパーの開度が炉口圧の制御可能な範囲になるように、誘引送風機の回転数を変更して誘引送風機による吸引量を調整するので、常に転炉からのガス発生量と誘引送風機の吸引量とが同程度になり、脱炭吹錬の末期や脱燐処理等の低送酸速度域であっても転炉排ガス中への大気の混入が防止され、転炉から発生するCOガス等を未燃焼のまま回収することが可能となり、工業上有益な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す図で、本発明による転炉排ガス回収設備の概略構成図である。
【図2】炉口圧の設定値を変更した際の炉口圧変化の例を示す図である。
【図3】図1に示す回転数演算機における第1の処理フローを示す図である。
【図4】PAダンパーの性能曲線と、本発明によるPAダンパーの動作状況とを併せて示す図である。
【図5】各回転数別の誘引送風機性能曲線の例を示す図である。
【図6】含塵曲線の例を示す図である。
【図7】図1に示す回転数演算機における第2の処理フローを示す図である。
【図8】PAダンパーの性能曲線と、本発明によるPAダンパーの動作状況とを併せて示す図である。
【図9】誘引送風機のダンパーを閉めて吸引量を制御した従来技術における誘引送風機の特性変化を調査した結果を示す図である。
【符号の説明】
1 転炉
2 溶銑
3 上吹きランス
4 煙道
6 一次集塵機
8 二次集塵機
9 PAダンパー
13 誘引送風機
14 誘引送風機
16 三方弁
18 煙突
19 ガスホルダー
20 炉口圧検出器
21 炉圧制御演算機
22 PAダンパー駆動装置
23 開度検出器
24 回転数演算機
25 送風機駆動制御装置
26 電動機
27 電動機

Claims (4)

  1. 開度調節が可能なダンパーを備え、このダンパーの開度を調整しながら転炉から発生するガスを除塵する集塵機と、前記ダンパーの開度を検出する開度検出器と、前記集塵機から排出されるガスを吸引する誘引送風機と、前記開度検出器による検出信号に基づいて前記誘引送風機の回転数を変更する回転数演算手段と、回転数演算手段からの出力信号に基づいて誘引送風機の回転数を制御する送風機駆動制御装置と、を具備した転炉排ガス回収装置であって、前記回転数演算手段は、前記開度検出器で検出されたダンパー開度値が予め設定された全閉領域基準値以下の場合には、現在の誘引送風機の回転数に任意の値を減じた回転数における排ガス中の含塵量を求め、求めた含塵量が環境基準値より小さい値であるときには前記減じた回転数を誘引送風機の新回転数として変更し、前記ダンパー開度値が予め設定された全開領域基準値以上の場合には、現在の誘引送風機の回転数に任意の値を加えた回転数を求め、求めた回転数が予め設定された回転数上限値よりも大きい値であるときには現状の回転数を維持し、求めた回転数が回転数上限値よりも小さい値であるときには前記任意の値を加えた回転数を誘引送風機の新回転数として変更し、この新回転数を前記送風機駆動制御装置に出力することを特徴とする転炉排ガス回収設備。
  2. 開度調節が可能なダンパーを備え、このダンパーの開度を調整しながら転炉から発生するガスを除塵する集塵機と、前記ダンパーの開度を検出する開度検出器と、前記集塵機から排出されるガスを吸引する誘引送風機と、前記開度検出器による検出信号に基づいて前記誘引送風機の回転数を変更する回転数演算手段と、回転数演算手段からの出力信号に基づいて誘引送風機の回転数を制御する送風機駆動制御装置と、を具備した転炉排ガス回収装置であって、前記回転数演算手段は、前記開度検出器で検出されたダンパー開度値が予め設定された全閉領域基準値以下の場合には、各回転数別のダンパー性能曲線に基づいてダンパー開度値が前記全閉領域基準値になった時点での排ガス流量を予め設定された規定開度で通過させることのできる回転数を求めるとともに、求めた回転数における排ガス中の含塵量を求め、求めた含塵量が環境基準値より小さい値であるときには前記求めた回転数を誘引送風機の新回転数として変更し、前記ダンパー開度値が予め設定された全開領域基準値以上の場合には、各回転数別のダンパー性能曲線に基づいてダンパー開度値が前記全開領域基準値になった時点での排ガス流量を予め設定された規定開度で通過させることのできる回転数を求め、求めた回転数が予め設定された回転数上限値よりも大きい値であるときには現状の回転数を維持し、求めた回転数が回転数上限値よりも小さい値であるときには該回転数を誘引送風機の新回転数として変更し、この新回転数を前記送風機駆動制御装置に出力することを特徴とする転炉排ガス回収設備。
  3. 集塵機に設置されたダンパーの開度を調整して転炉炉口圧を所定の範囲に制御しながら、誘引送風機により転炉から排出されるガスを吸引して回収する転炉排ガス回収方法において、前記開度検出器で検出されたダンパーの開度が予め設定した全閉領域基準値以下の場合には、現在の誘引送風機の回転数に任意の値を減じた回転数における排ガス中の含塵量を求め、求めた含塵量が環境基準値より小さい値であるときには前記減じた回転数を誘引送風機の新回転数として誘引送風機の回転数を変更し、検出されたダンパーの開度が予め設定した全開領域基準値以上の場合には、現在の誘引送風機の回転数に任意の値を加えた回転数を求め、求めた回転数が予め設定された回転数上限値よりも大きい値であるときには現状の回転数を維持し、求めた回転数が回転数上限値よりも小さい値であるときには前記任意の値を加えた回転数を誘引送風機の新回転数として誘引送風機の回転数を変更することを特徴とする転炉排ガス回収方法。
  4. 集塵機に設置されたダンパーの開度を調整して転炉炉口圧を所定の範囲に制御しながら、誘引送風機により転炉から排出されるガスを吸引して回収する転炉排ガス回収方法において、前記開度検出器で検出されたダンパーの開度が予め設定した全閉領域基準値以下の場合には、各回転数別のダンパー性能曲線に基づいてダンパーの開度が前記全閉領域基準値になった時点での排ガス流量を予め設定した規定開度で通過させることのできる回転数を求めるとともに、求めた回転数における排ガス中の含塵量を求め、求めた含塵量が環境基準値より小さい値であるときには前記求めた回転数を誘引送風機の新回転数として誘引送風機の回転数を変更し、検出されたダンパーの開度が予め設定した全開領域基準値以上の場合には、各回転数別のダンパー性能曲線に基づいてダンパー開度値が前記全開領域基準値になった時点での排ガス流量を予め設定した規定開度で通過させることのできる回転数を求め、求めた回転数が予め設定された回転数上限値よりも大きい値であるときには現状の回転数を維持し、求めた回転数が回転数上限値よりも小さい値であるときには該回転数を誘引送風機の新回転数として誘引送風機の回転数を変更することを特徴とする転炉排ガス回収方法。
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