JP2015151493A - ウェルダー加工用フィルム - Google Patents
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Abstract
PVC原料を使用することなく、高周波ウェルダー加工性が良好であり、かつ耐熱性と寸法安定性に優れたウェルダー加工用フィルムを提供すること。
【解決手段】
ポリプロピレン系樹脂(A)とスチレン系熱可塑性エラストマー(B)を含有するフィルムであって、前記ポリプロピレン系樹脂(A)は、プロピレンと、エチレン及び/または炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体であり、かつ前記フィルムの融解熱量は、40J/g以下であることを特徴とするウェルダー加工用フィルム。
【選択図】なし
Description
[1]ポリプロピレン系樹脂(A)とスチレン系熱可塑性エラストマー(B)を含有するフィルムであって、前記ポリプロピレン系樹脂(A)は、プロピレンと、エチレン及び/または炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体であり、かつ前記フィルムの融解熱量は、40J/g以下であることを特徴とするウェルダー加工用フィルム。
[2]前記ポリプロピレン系樹脂(A)とスチレン系熱可塑性エラストマー(B)の質量比が、(A):(B)=30〜90:70〜10であることを特徴とする[1]に記載のウェルダー加工用フィルム。
[3]難燃剤を含有することを特徴とする[1]または[2]に記載のウェルダー加工用フィルム。
[4]前記難燃剤は、NOR型ヒンダードアミン誘導体であることを特徴とする[3]に記載のウェルダー加工用フィルム。
[5]厚みが50〜300μmであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載のウェルダー加工用フィルム。
を、提供するものである。
ポリプロピレン系樹脂のプロピレンと、エチレン及び/または炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体とし、かつフィルムの融解熱量を40J/g以下とすることで、フィルムの耐熱性と寸法安定性を持った高周波ウェルダー加工が可能なフィルムを得ることができる。理論に拘束されることを意図するものではないが、融解熱量が大きい樹脂においては、ウェルダー加工時に必要な高周波電圧のエネルギーを大きくする必要があるが、高周波電圧のエネルギーを大きくすると、樹脂の溶融度合を調整することが難しくなるため、ウェルダー加工した際、フィルム溶着部の外観を良好とすることが難しくなる。融解熱量を40J/g以下とすることで、より低い高周波電圧のエネルギーで樹脂を発熱させることができるため、フィルムを溶着させるためのエネルギーを低くすることができる。一方、低いエネルギーでフィルムの溶着が可能となるため、ウェルダー加工後の外観を良好に保つことができる。
本発明のポリプロピレン系樹脂は、プロピレンと、エチレン及び/または他のα−オレフィンとの共重合体を使用することが好ましい。前記プロピレンの共重合体としてはプロピレンと、エチレン及び/または他のα−オレフィンとのランダム共重合体(ランダムポリプロピレン)、またはブロック共重合体(ブロックポリプロピレン)、ゴム成分を含むブロック共重合体あるいはグラフト共重合体等が挙げられる。前記プロピレンと共重合可能な他のα−オレフィンとしては、炭素原子数が4〜12のものが好ましく、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、1−デセン等が挙げられ、その1種または2種以上の混合物が用いられる。通常、α−オレフィンの混合割合はプロピレンに対して1〜10重量%程度である。
なかでも、ランダム共重合体(ランダムポリプロピレン)を好ましく使用することができる。
このようなポリプロピレン系樹脂としては、たとえば、日本ポリプロ社製のノバテックPP、プライムポリマー社製のプライムポリプロ等があげられる。
本発明に使用するスチレン系熱可塑性エラストマーは、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、スチレン−イソプレン・ブタジエン−スチレン共重合体(SIBS)、スチレン−エチレン・ブテン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)、及び部分水添スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBBS)からなる群から選ばれる一種のスチレン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
このようなスチレン系熱可塑性エラストマーとしては、三菱化学者製のラバロン、旭化成ケミカルズ社製のタフテック、クラレ社製のハイブラー、セプトン等があげられる。
本発明に使用する難燃材は、有機系難燃剤の臭素化合物系、リン化合物系、塩素化合物系や無機系難燃剤のアンチモン化合物系、金属水酸化物系など公知の難燃剤が適宜用いられる。
本発明においては、非無機系難燃剤を使用することが好ましい。非無機系の難燃剤としては、NOR型ヒンダードアミン誘導体、臭素化合物系、リン化合物系などがあげられ、なかでもNOR型ヒンダードアミン誘導体が特に好ましい。NOR型ヒンダードアミン誘導体を使用することにより透明性に優れたフィルムとすることができる。
NOR型ヒンダードアミン誘導体の難燃剤としては、BASF社製のFlamestabNOR116があげられる。
なお、ヘイズの測定は、JIS K7105に準じて行った。
本発明で使用することができる帯電防止剤は、特に限定されないが、フィルム表面へブリードアウトしにくいものが好ましいことから、重合体型帯電防止剤が好ましく、具体的には、ポリエーテルエステル系重合体型帯電防止剤、エチレンオキシド−エピクロルヒドリン系重合体型帯電防止剤等のノニオン系重合体型帯電防止剤、ポリスチレンスルホン酸系重合体型帯電防止剤等のアニオン系重合体型帯電防止剤、ポリアクリルエステル系重合体型帯電防止剤等のカチオン系重合体型帯電防止剤、ポリエーテル−ポリプロピレン系ブロックコポリマー型帯電防止剤等のポリオレフィンと親水性ポリマーのブロックポリマーからなる帯電防止剤などが挙げられる。
多層とする場合は、各層に要求される性能を付与させるため、上述する各添加剤等を適宜、含有させることができる。
ポリプロピレン系樹脂(A−1):ノバテックFX3B(日本ポリプロ社製:ランダムポリプロピレン)
ポリプロピレン系樹脂(A−2):ノバテックFY6HA(日本ポリプロ社製:ホモポリプロピレン)
スチレン系熱可塑性エラストマー(B):タフテックH1221(旭化成ケミカルズ社製:SEBS)
難燃剤(C):FlamestabNOR116(BASF社製:NOR型ヒンダードアミン誘導体)
帯電防止剤(D):ペレクトロンPVL(三洋化成工業社製)
ポリプロピレン系樹脂(A−1)を40質量部、スチレン系熱可塑性エラストマー(B)を60質量部、難燃剤(C)を1質量部、帯電防止剤(D)を25質量部の比率でドライブレンドし、得られた樹脂混合物を東芝機械製単軸押出機(50mmφ、L/D=32)に供給し、シリンダー温度を200℃に設定し、フィードブロック温度を200℃に設定し、Tダイ成形方法を使用し、Tダイ幅を550mm、設定温度を200℃とし、押出した。
押出された溶融樹脂は冷却ロールを供えた巻取り機にて冷却固化し、0.15mmのフィルムを作製した。
ポリプロピレン系樹脂(A−1)を60質量部、スチレン系熱可塑性エラストマー(B)を40質量部とした以外は、実施例1と同様の方法で0.15mmのフィルムを作製した。
ポリプロピレン系樹脂(A−1)を70質量部、スチレン系熱可塑性エラストマー(B)を30質量部とした以外は、実施例1と同様の方法で0.15mmのフィルムを作製した。
ポリプロピレン系樹脂(A−1)を80質量部、スチレン系熱可塑性エラストマー(B)を20質量部とした以外は、実施例1と同様の方法で0.15mmのフィルムを作製した。
ポリプロピレン系樹脂(A−1)を70質量部、スチレン系熱可塑性エラストマー(B)を30質量部、難燃剤(C)を0質量部とした以外は、実施例1と同様の方法で0.15mmのフィルムを作製した。
ポリプロピレン系樹脂(A−1)を100質量部とした以外は、実施例1と同様の方法で0.15mmのフィルムを作製した。
ポリプロピレン系樹脂(A−2)を70質量部、スチレン系熱可塑性エラストマー(B)を30質量部とした以外は、実施例1と同様の方法で0.15mmのフィルムを作製した。
<融解熱量>
メトラー・トレド社製の示差走査熱量計(商品名:DSC823e)を用いて、JIS K7122に準じて、得られたフィルム片を室温から230℃まで10℃/分で加熱溶融した時に測定されたサーモグラムから結晶融解熱量(J/g)を求めた。
その結果を表1に示す。
日本高周波社製ウェルダー加工機(品名:NKC−3000S)を使用し、融着幅を5mm、融着長さを60mmの条件で、4.7Aで5秒間融着加工した後、融着した部分の剥離を確認した。
その結果を表1に示す。
なお、評価は以下の基準で実施した。
○:剥離なし
×:剥離あり
東京電色社製ヘイズメーター(品名:TC−IIIDP)を使用し、JIS K7105に準じて、得られたフィルムから試験片を採取し、ヘイズを測定した。
なお、ヘイズが20以下を透明性「有」、20より大きい場合を透明性「無」とした。
消防法防炎物品規格に準拠し、45°ミクロバーナー法にて評価を行った。評価は、消防法に定められる評価基準(残炎時間3秒以下、残じん時間5秒以下、炭化面積30cm2以下)に従い、全てを満足するものを「○」、それ以外は「×」とした。
Claims (5)
- ポリプロピレン系樹脂(A)とスチレン系熱可塑性エラストマー(B)を含有するフィルムであって、前記ポリプロピレン系樹脂(A)は、プロピレンと、エチレン及び/または炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体であり、かつ前記フィルムの融解熱量は、40J/g以下であることを特徴とするウェルダー加工用フィルム。
- 前記ポリプロピレン系樹脂(A)とスチレン系熱可塑性エラストマー(B)の質量比が、(A):(B)=30〜90:70〜10であることを特徴とする請求項1に記載のウェルダー加工用フィルム。
- 難燃剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のウェルダー加工用フィルム。
- 前記難燃剤は、NOR型ヒンダードアミン誘導体であることを特徴とする請求項3に記載のウェルダー加工用フィルム。
- 厚みが50〜300μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のウェルダー加工用フィルム。
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