JP2020157609A - 立体造形装置用樹脂成形材料および立体造形装置用フィラメント - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリプロピレン樹脂のような汎用樹脂を利用でき、低密度、耐熱性、耐久性、耐衝撃性、成形適性、低収縮性を有する立体造形装置に用いられる立体造形装置用樹脂成形材料を提供する【解決手段】成形材料中に、30〜80質量%含有する熱可塑性樹脂(A)と、1〜45質量%含有する熱可塑性エラストマー(B)と、0.5〜15質量%含有する改質剤(C)と、5〜35質量%含有する粘着性付与樹脂(D)とを含有する(ただし、前記熱可塑性エラストマー(B)が、官能基が付与された官能基付与熱可塑性エラストマーである場合、改質剤(C)は含まなくてもよい。)ことを特徴とする立体造形装置用樹脂成形材料。【選択図】なし

Description

本発明は、立体造形装置用樹脂成形材料に関する。
今日、三次元設計データに基づいて三次元造形物(以下、立体造形物ともいう)を製造する立体造形装置が知られ、このような立体造形装置における立体造形方式として、光造形法、粉末積層法、溶融押出法、スラリー造形法、インクジェット光造形法などが提案され、製品化され、市販されている。
なかでも、溶融押出法(Fused Deposition Modeling法、以下、FDM法ともいう)は、熱で溶融した熱可塑性樹脂(フィラメント)を一層ずつ積層していき、立体物を作製するもので、簡易な方式として一般にも広く普及してきている。
従来、FDM法に用いられるフィラメントに使用される材料としては、加工性や流動性の面から、一般にアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂(以下、ABS樹脂ともいう)やポリ乳酸(以下、PLA樹脂ともいう)などがある。
しかし、ABS樹脂は、非結晶樹脂で、収縮率が比較的小さく、0.4%〜0.9%程度であることや、成形後に表面処理が比較的容易であることから利用されているが、高温で溶融したABS樹脂は、熱変形が大きく、冷えてくると収縮が大きく、造形途中で反りやゆがみが生じやすいという問題がある。一方、PLA樹脂は、ABS樹脂よりも低い温度で溶融するので、熱変形が少なく、造形が比較的容易であることから利用されているが、冷えると弾力がなく強固になるため、研磨などの二次加工が困難であることや耐熱性が低く、吸水性があるため、使用用途や使用環境に制限があるという問題がある。
そこで、市場では、ポリプロピレン樹脂(以下、PP樹脂ともいう)を使用したフィラメントに対するニーズが高まってきている。PP樹脂は、その汎用性の高さ、高強度、吸水性がない、耐薬品性に優れる、耐熱性があるなどの理由から射出成形、押出成形、ブロー成形など多岐にわたる成形方法に利用でき、各種成形品として自動車用部品、家電製品、家庭用品、文具、包装容器など非常に広範囲な分野に使用されているため、立体造形用の樹脂としての開発が熱望されている。しかし、PP樹脂は、収縮率が1%〜2.5%と大きく、造形中に反りやゆがみが生じるため、立体造形装置用フィラメントには不向きとされていた。
特許文献1には、PP樹脂と、改質剤と、エラストマーと、フィラーとを含有する立体造形装置用樹脂成形材料が記載され、耐熱性、耐衝撃性、成形適性、低収縮性を有するものが提案されている。該文献には、無機フィラーが添加されているため、密度が大きいため、例えば、船などの立体造形装置により造形される立体造形物が水に浮かばないといった課題がある。
特開2018−131497号公報
本発明は、ポリプロピレン樹脂のような汎用樹脂を利用でき、低密度、耐熱性、耐久性、耐衝撃性、成形適性、低収縮性を有する立体造形装置に用いられる立体造形装置用樹脂成形材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、熱可塑性樹脂と、熱可塑性エラストマーと、改質剤と、粘着性付与樹脂とを含有することを特徴とする立体造形装置用樹脂成形材料とすることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)成形材料中に、30〜80質量%含有する熱可塑性樹脂(A)と、1〜45質量%含有する熱可塑性エラストマー(B)と、0.5〜15質量%含有する改質剤(C)と、5〜35質量%含有する粘着性付与樹脂(D)とを含有する(ただし、前記熱可塑性エラストマー(B)が、官能基が付与された官能基付与熱可塑性エラストマーである場合、改質剤(C)は含まなくてもよい。)ことを特徴とする立体造形装置用樹脂成形材料、
(2)前記熱可塑性エラストマー(B)が、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、およびこれらの官能基付与物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする(1)に記載の立体造形装置用樹脂成形材料、
(3)前記改質剤(C)が、エポキシ基、グリシジル基、酸無水物基、イソシアネート基、アミノ基、カルボキシル基、およびオキサゾリン基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の反応性基を含む化合物であることを特徴とする(1)または(2)に記載の立体造形装置用樹脂成形材料、
(4)前記粘着性付与樹脂(D)が、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、脂肪族/芳香族共重合系炭化水素樹脂、脂環族/芳香族共重合系炭化水素樹脂、およびこれらの水添物のなかから選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の立体造形装置用樹脂成形材料、
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の立体造形装置用樹脂成形材料から得られることを特徴とする溶融押出法に用いる立体造形装置用フィラメント、
である。
本発明によれば、ポリプロピレン樹脂のような汎用樹脂を利用でき、低密度、耐熱性、耐久性、耐衝撃性、成形適性、低収縮性を有する立体造形装置に用いられる立体造形装置用樹脂成形材料を提供できる。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、本実施形態は、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更、実施の形態が可能である。
本発明の立体造形装置用樹脂成形材料(以下、樹脂成形材料ともいう)は、成形材料中に、30〜80質量%含有する熱可塑性樹脂(A)と、1〜45質量%含有する熱可塑性エラストマー(B)と、0.5〜15質量%含有する改質剤(C)と、5〜35質量%含有する粘着性付与樹脂(D)とを含有する(ただし、前記熱可塑性エラストマー(B)が、官能基が付与された官能基付与熱可塑性エラストマーである場合、改質剤(C)は含まなくてもよい。)ことを特徴とする。
本発明の立体造形装置用樹脂成形材料を構成する熱可塑性樹脂(A)は、立体造形装置用に利用できるものであれば、特に限定されず、例えば、汎用プラスチック、エンジニアリングプラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチック、植物由来の樹脂など、従来から使用されている熱可塑性樹脂が挙げられる。具体的には、汎用プラスチックとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、スチレン−アクリロニトリルコポリマー(AS樹脂)、アクリル樹脂(PMMA)などが挙げられる。
エンジニアリングプラスチックとしては、ナイロンに代表されるポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE、変性PPE、PPO)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、環状ポリオレフィン(COP)などが挙げられる。
スーパーエンジニアリングプラスチックとしては、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、非晶ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、液晶ポリエステル(LCPE)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)などが挙げられる。また、植物由来の樹脂としては、ポリ乳酸(PLA)が挙げられる。これらの樹脂は、単独または2種類以上混合して用いることができる。
なかでも、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン系樹脂が好ましい。ポリエチレンとしては、長鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、側鎖分岐低密度ポリエチレン(HP−LDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)や、ポリエチレンを部分構造として持つコポリマー(例えば、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)など)などが挙げられる。ポリプロピレンとしては、実質的にプロピレンのみを重合したポリマーであればよく、例えばプロピレンのみを重合したホモポリマー(ホモPP)あるいはエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、シクロペンテン、シクロヘキセンおよびノルボルネンなどの炭素数2以上のα−オレフィンコモノマーなどとの共重合体が挙げられ、ランダム共重合体やブロッック共重合体でもよい。また、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
ポリプロピレンのメルトマスフローレート(MFR)は、230℃、2.16Kg荷重(21.18N荷重)で、1〜150g/10分であることが好ましく、3〜120g/10分であることがより好ましい。MFRが1g/10分より小さいと、成形性が低下するおそれがある。また、MFRが150g/10分を超えると、成形体としたときの強度が低下するおそれがある。
本発明の立体造形装置用樹脂成形材料を構成する熱可塑性エラストマー(B)は、耐衝撃性や柔軟性を付与するものであればよい。特に、スチレン系熱可塑性エラストマー(SBC)、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、ポリエステル系エラストマー(TPEE)、ポリアミド系エラストマー(TPA)およびこれらの官能基付与熱可塑性エラストマーのなかから選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましい。なかでも、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーがより好ましい。前記官能基は、酸無水物基、アミノ基、グリシジル基、水酸基などが挙げられ、なかでも酸無水物基、アミノ基、グリシジル基がより好ましい。また、熱可塑性エラストマー(B)を添加することにより軟質な質感を得ることができる。
スチレン系熱可塑性エラストマー(SBC)としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体エラストマー(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体エラストマー(SIS)、スチレン−エチレン−ブチレン共重合体エラストマー(SEB)、スチレン−エチレン−プロピレン共重合体エラストマー(SEP)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体エラストマー(SEBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−エチレン共重合体エラストマー(SEBC)、水添スチレン−ブタジエンエラストマー(HSBR)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体エラストマー(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体エラストマー(SEEPS)、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレン共重合体エラストマー(SBBS)、さらに、無水マレイン酸変性水添スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体エラストマーなどが挙げられる。
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体エラストマー(EPR)、エチレン−ブテン共重合体エラストマー(EBR)、エチレン−ヘキセン共重合体エラストマー(EHR)、エチレン−オクテン共重合体エラストマー(EOR)などのエチレン−α−オレフィン系熱可塑性エラストマー(エチレン−α−オレフィン共重合エラストマー)、エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン−プロピレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−イソプレン共重合体などのエチレン−α−オレフィン−ジエン三元共重合体エラストマーなどが挙げられる。さらに、エチレン−エチレン−ブチレン−エチレン共重合体エラストマー(CEBC)などの水添ポリマー系エラストマーや、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート−メチルアクリレート三元共重合体、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体、エチレン−アクリル酸エステル−グリシジルメタクリレート共重合体などの官能基付与熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
なかでも、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体エラストマー(SEBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−エチレン共重合体エラストマー(SEBC)、水添スチレン−ブタジエンエラストマー(HSBR)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体エラストマー(SEPS)、官能基付与スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体エラストマー、エチレン−グリシジルメタクリレート−メチルアクリレート三元共重合体などがより好ましい。
本発明の立体造形装置用樹脂成形材料を構成する改質剤(C)は、前記熱可塑性樹脂(A)との濡れが良好であればよく、エポキシ基、グリシジル基、酸無水物基、イソシアネート基、アミノ基、カルボキシル基、およびオキサゾリン基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の反応性基を含む化合物であることが好ましい。例えば、前記ポリプロピレン樹脂に不飽和カルボン酸、その酸無水物または誘導体がグラフト重合した酸変性ポリオレフィン系樹脂や、α、β−不飽和カルボン酸のグリシジルエステルとオレフィンとの共重合体やポリオレフィンおよびポリオレフィン共重合体へグラフト共重合したエポキシ基含有ポリオレフィン系共重合体、分子中に有機官能基とアルコキシ基とを有するシラン化合物のようなシランカップリング剤などが挙げられる。前記改質剤を添加することにより、立体造形装置のステージ(プラットフォーム、ベッド、テーブルなどとも呼ばれる。)やプラットフォームシートへの密着性が良くなり、成形体に反りが生じにくくなる。ただし、前記熱可塑性エラストマー(B)が、官能基が付与された官能基付与熱可塑性エラストマーである場合は、改質剤(C)は含まなくてもよいものとする。
不飽和カルボン酸、その酸無水物または誘導体は、1分子内にエチレン性不飽和結合とカルボキシル基および/またはその誘導体基とを併せ持つ化合物である。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプテン−2,3−ジカルボン酸(ナジック酸)、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプテン−2,3−ジカルボン酸(メチルナジック酸)などの不飽和カルボン酸、これらの不飽和カルボン酸の無水物、不飽和カルボン酸ハライド、不飽和カルボン酸アミド、不飽和カルボン酸イミドおよび不飽和カルボン酸のエステルなどの誘導体などが挙げられる。酸無水物および誘導体のより具体的なものとしては、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、無水ナジック酸、塩化マレニル、マレイミド、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエートおよびメタクリル酸メチルなどを挙げることができる。なかでも、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水ナジック酸が好ましい。これらは、単独または2種類以上混合して用いることができる。
酸変性ポリオレフィン系樹脂やエポキシ基含有ポリオレフィン系共重合体を得る方法は公知の方法で行うことが可能である。例えば、ポリプロピレン樹脂、不飽和カルボン酸、その酸無水物または誘導体をトルエンなどの溶剤に加熱溶解し、有機過酸化物を溶解させた溶剤を添加する溶液法や、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機などを使用してポリプロピレン樹脂、不飽和カルボン酸、その酸無水物または誘導体および有機過酸化物を溶融混練することにより、酸変性ポリプロピレン樹脂を容易に得ることができる。例えば、不飽和エポキシ化合物とエチレンをラジカル発生剤の存在下で、適当な溶剤に加熱加圧し、連鎖移動剤の存在下または不存在下にて共重合させる方法によりエポキシ基含有ポリオレフィン系共重合体を容易に得ることができる。
分子中に有機官能基とアルコキシ基とを有するシラン化合物は、例えばアミノシラン、エポキシシラン、ビニルシラン、アリルシラン、メタクリルシラン、アクリルシラン、メルカプトシラン、スチリルシラン、イソシアヌレートシラン、ウレイドシラン、スルフィドシラン、イソシアネートシランなどが挙げられる。
アミノシランとしては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルメチルジメトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリルプロピル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)アミン、1,2−エタンジアミン,N−{3−(トリメトキシシリル)プロピル}−,N−{(エテニルフェニル)メチル}誘導体の塩酸塩、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩などが挙げられる。これらは、単独または2種類以上混合して用いることができる。
エポキシシランとしては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
ビニルシランとしては、例えば、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどが挙げられる。
アリルシランとしては、例えば、アリルトリメトキシシランなどが挙げられる。
メタクリルシランとしては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
アクリルシランとしては、例えば、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
メルカプトシランとしては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
スチリルシランとしては、例えば、スチリルトリメトキシシランなどが挙げられる。
イソシアヌレートシランとしては、例えば、トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
ウレイドシランとしては、例えば、3−ウレイドプロピルトリアルコキシシランなどが挙げられる。
スルフィドシランとしては、例えば、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどが挙げられる。
イソシアネートシランとしては、例えば、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
なかでも、ビニルシラン、メタクリルシランが好ましく、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランがより好ましい。
本発明の立体造形装置用樹脂成形材料を構成する粘着性付与樹脂(D)は、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、脂肪族/芳香族共重合系炭化水素樹脂、脂環族/芳香族共重合系炭化水素樹脂、およびこれらの水添物のなかから選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましい。なかでも、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、脂肪族/芳香族共重合系炭化水素樹脂、脂環族/芳香族共重合系炭化水素樹脂、およびこれらの水添物がより好ましい。前記ロジン系樹脂としては、例えば、ロジン、水素化ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、およびエステル化ロジンなどのロジン誘導体あるいはその水添物または重合物などが挙げられる。前記テルペン系樹脂は、例えば、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテンなどの重合体、テルペン・フェノール樹脂あるいは水添テルペン樹脂などが挙げられる。前記脂肪族系炭化水素樹脂は、例えば、炭素数4〜5(C5留分)のオレフィンやジエンなどを主成分とする重合体である。前記芳香族系炭化水素樹脂は、例えば、ビニルトルエン、アルキルスチレン、イソプロペニルトルエン、インデン、α−メチルスチレンなどの炭素数3〜10の不飽和芳香族炭化水素留分(C9留分)を主成分とする重合体である。脂環族系炭化水素樹脂は、例えば、ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジメチルジシクロペンタジエンなどのジシクロペンタジエン誘導体の1種または2種以上の混合物を主原料として重合して得られる炭化水素樹脂、水素化クマロン・インデン樹脂、水素化C9系石油樹脂、水素化C5系石油樹脂などが挙げられる。脂肪族/芳香族共重合系炭化水素樹脂は、前記C5留分と、前記C9留分とのカチオン重合による共重合体である。
本発明の立体造形装置用樹脂成形材料は、成形材料中に、30〜80質量%含有する熱可塑性樹脂(A)と、1〜45質量%含有する熱可塑性エラストマー(B)と、0.5〜15質量%含有する改質剤(C)と、5〜35質量%含有する粘着性付与樹脂(D)とを含有する(ただし、前記熱可塑性エラストマー(B)が、官能基が付与された官能基付与熱可塑性エラストマーである場合、改質剤(C)は含まなくてもよい。)ことが好ましい。
前記熱可塑性樹脂(A)は、立体造形装置用樹脂成形材料中に、30〜80質量%含有することが好ましく、35〜70質量%がより好ましく、40〜60質量%がさらに好ましい。30質量%より少ないと、成形体の耐熱性が低下するおそれがある。80質量%を超えると、成形収縮率が大きくなり、成形体に反りが生じるおそれがある。
前記熱可塑性エラストマー(B)は、立体造形装置用樹脂成形材料中に、1〜45質量%含有することが好ましく、5〜40質量%がより好ましく、15〜35質量%がさらに好ましい。1質量%より少ないと、樹脂成形材料が脆くなり、成形体の衝撃強度が低下するおそれがある。45質量%を超えると、成形体の耐熱性が低下するおそれがある。
前記改質剤(C)は、立体造形装置用樹脂成形材料中に、0.5〜15質量%含有することが好ましく、1〜10質量%がより好ましく、2〜7質量%がさらに好ましい。0.5質量%より少ないと、立体造形装置のステージへの密着性が悪くなり、成形体に反りが生じるおそれがある。15質量%を超えると、樹脂成形材料の粘度が低下し、成形体の強度が低下するおそれがある。
前記粘着性付与樹脂(D)は、立体造形装置用樹脂成形材料中に、5〜35質量%含有することが好ましく、10〜30質量%がより好ましく、15〜25質量%がさらに好ましい。5質量%より少ないと、成形収縮率が大きくなり、成形体に反りが生じるおそれがある。35質量%を超えると、成形体の耐熱性および衝撃強度が低下するおそれがある。
粘着性付与樹脂(D)の軟化点は、100〜180℃が好ましく、110〜170℃がより好ましく、120〜160℃がさらに好ましい。粘着性付与樹脂(D)の軟化点が100℃より低いと、成形体の耐熱性が低下するおそれがある。180℃を超えると、成形体の衝撃強度が低下するおそれがある。なお、本発明において、粘着性付与樹脂(D)の軟化点とは、JIS K2207に準拠して測定された値とする。
本発明の立体造形装置用樹脂成形材料は、その物性を損なわない限りにおいて、前記成分以外の添加物を加えることができる。添加物としては、例えば、前記以外の熱可塑性樹脂、安定剤、帯電防止剤、老化防止剤(酸化防止剤)、耐候剤、金属不活性剤、紫外線吸収剤、防菌・防黴剤、防臭剤、導電性付与剤、分散剤、軟化剤(可塑剤)、架橋剤、共架橋剤、加硫剤、加硫助剤、発泡剤、発泡助剤、着色剤、難燃剤、制振剤、中和剤、ブロッキング防止剤、流動性改良剤、離型剤、滑剤、有機フィラー、無機フィラー、結晶核剤などを配合することができる。また、ワックス、伸展油、耐衝撃性改良剤(耐衝撃性コア/シェル型粒子、インパクトモディファイアーなど)などが挙げられる。なお、前記添加物は、立体造形装置用樹脂成形材料に添加してもよく、立体造形装置用フィラメントに添加してもよい。
前記以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル系樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのスチレン系樹脂、ナイロン6,6(PA66)、ナイロン12(PA12)、変性ポリアミドなどのポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアセタール(POM)、フッ素樹脂(FR)、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエステルエラストマー(TPCまたはTPEE)、ポリアリレート(PAR)、液晶ポリマー(全芳香族系、半芳香族系)(LCP)、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PESU)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)などが挙げられる。
安定剤は、耐加水分解性を向上させる目的で添加する添加物であり、例えば、エポキシ系安定剤などを用いることができる。エポキシ系安定剤としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートを用いることが好ましい。酸化防止剤としては、例えば、リン系安定剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、エポキシ系安定剤およびイオウ系安定剤などを挙げることができる。
有機フィラーは、例えば、アクリル系架橋物やアクリルースチレン系架橋物などの微粒子、シリコーン樹脂微粒子、ウレタン樹脂微粒子などが挙げられる。
無機フィラーは、例えば、平均粒子径が0.5〜100μmで、かつアスペクト比が10〜200であるタルク、マイカ、ワラストナイトなどが挙げられる。
これらは、密度が大きくならない範囲で添加することができる。
結晶核剤は、1,2−シクロヘキサンジカルボキシル酸カルシウム塩、ジナトリウム=(1R,2R,3S,4S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシラート、ヒドロキシ−ジ(p−tert−ブチル安息香酸)アルミニウム、2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸ナトリウム、ビス[2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸]アルミニウム、1,2,3−トリデオキシ−4,6:5,7−ビス−オルト−[(4−プロピルフェニル)メチレン]ノニトール、シクロヘキサンジカルボン酸ナトリウム塩などが挙げられる。
本発明の立体造形装置用樹脂成形材料は、特に限定されないが、公知の製造方法を用いることができる。例えば、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、改質剤、粘着性付与樹脂および必要に応じてその他の樹脂、添加剤などを予めブレンドした後、樹脂の融点以上において、単軸または二軸押出機を用いて均一に溶融混練する方法が挙げられる。分散に効果がある二軸押出機を用いることが好ましい。混練温度は、通常150〜380℃であることが好ましく、160〜330℃がより好ましく、180〜300℃であることがさらに好ましい。せん断速度は、通常100〜20000s−1であることが好ましく、150〜15000s−1であることがより好ましく、200〜10000s−1であることがさらに好ましい。
本発明の溶融押出法に用いる立体造形装置用フィラメントは、前記立体造形装置用樹脂成形材料から得ることができる。
本発明の立体造形装置用樹脂成形材料から立体造形装置用フィラメントを製造する方法は特に限定されないが、例えば、前述の方法によって得られた立体造形装置用樹脂成形材料を、押出機のダイス孔より溶融ストランドとして押出し、冷却水槽に導いてストランドを得る押出工程、該ストランドを加熱延伸してフィラメントを得る延伸工程、延伸したフィラメントを巻取る巻取工程を有する方法が挙げられる。前記延伸工程は、必要に応じて選択すればよい。
押出温度は、立体造形装置用樹脂成形材料の融点+20〜+70℃で行ない、ダイス孔から押出された溶融ストランドを冷却水槽中にて冷却する。その水温は、フィラメント径にもよるが、20〜80℃の範囲が好ましく、30〜70℃の範囲がより好ましく、40〜60℃の範囲がさらに好ましい。ストランドの硬化により、ストランドの走行乱れの防止、あるいはその乱れが周囲に伝搬し、ストランド形状に悪い影響を与えることを防止する観点から、水温は30℃以上が好ましい。また、ストランドの冷却不足による引き取りローラーでの巻き取り不良の発生の防止のため、水温は80℃以下であることが好ましい。なお、本明細書における立体造形装置用樹脂成形材料の融点とは、JIS K7121に準拠して測定した際、最も高温側に観測される結晶融解ピークにおける融解ピーク温度に相当する。
前記延伸とは、前述の方法によって得られたストランドを、前述の立体造形装置用樹脂成形材料の融点以下の温度で機械的に引伸ばし、引張方向に平行に分子を配向させる操作のことをいう。この操作により引張強さが著しく向上し、強靱性を増す。延伸工程の後、延伸温度以上に再加熱すると元の寸法に収縮しようとする性質が表れるため、寸法安定性や強度を向上させるため、延伸温度よりやや低温で熱処理(熱固定、ヒートセット)を行なうことがある。延伸は、入り口側の引き取りローラーと出口側の引き取りローラーとの速度比(延伸倍率)によって行なう。このときの延伸倍率は、3〜15倍が好ましく、4〜14倍がより好ましく、5〜13倍がさらに好ましい。延伸時の加熱方法は、温水槽、オーブン、熱ロールなどいずれを用いてもよく、制限はないが、より均一に加熱延伸するには温水槽がより好ましい。
巻取りは、ストランド(フィラメント)を巻取り機により紙製、樹脂製または金属製のボビンに巻取り、立体造形装置用フィラメントの巻物を得る。
立体造形装置用フィラメントの形状は、特に限定されない。例えば、その断面形状は、円形、方形、扁平、楕円状、繭状、三つ葉状およびこれに類する形状の非円形形状が例示される。取扱性を考慮すると、円形が好ましい。フィラメント長は限定されず、工業上の製造条件に応じて、あるいは3Dプリンタとしての利用を妨げない範囲で任意の値に設定することができる。また、フィラメント径も特に限定されず、0.5〜3mmであることが好ましく、1〜2mmがより好ましい。一般には、1.75mmのものが多く用いられる。なお、フィラメント径は、立体造形装置用フィラメントの長手方向に対して垂直方向の断面について測定した径のうち、最も長径のものを指す。
以下に実施例および比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の部は質量部を、%は質量%を表す。
(実施例1)
熱可塑性樹脂としてブロックポリプロピレン樹脂(プライムポリプロJ105G、MFR=9、(株)プライムポリマー製)56.7部、熱可塑性エラストマーとしてスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体エラストマー(タフテックH1041、旭化成(株)製)20部、改質剤として無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(ユーメックス1001、三洋化成工業(株)製)3部、粘着性付与樹脂として脂環族飽和炭化水素樹脂(アルコンP−140、荒川化学工業(株)製)20部、フェノール系酸化防止剤(イルガノックス1010、BASFジャパン(株)製)0.1部、りん系酸化防止剤(イルガホス168、BASFジャパン(株)製)0.2部をブレンドし、二軸押出機((株)日本製鋼所製) でペレット化し、立体造形装置用樹脂成形材料1を得た。
同様に、表1の配合に従って、立体造形装置用樹脂成形材料2〜18(実施例2〜9、比較例1〜9)を得た。
Figure 2020157609
使用した材料は次のものである。
ホモポリプロピレン樹脂:プライムポリプロJ105G(MFR=9、(株)プライムポリマー製)
ブロックポリプロピレン樹脂:プライムポリプロJ707G(MFR=30、(株)プライムポリマー製)
エラストマー1:タフテックH1041(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体エラストマー、MFR=5、旭化成(株)製)
エラストマー2:タフテックM1911(無水マレイン酸変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体エラストマー、MFR=4.5、旭化成(株)製)
改質剤1:ユーメックス1001(無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂、三洋化成工業(株)製)
改質剤2:ハイワックス NP0555A(無水マレイン酸変性ポリプロピレンワックス、三井化学(株)製)
粘着性付与樹脂1:アルコンP−140(脂環族飽和炭化水素樹脂(水素化石油樹脂)、軟化点=140℃、荒川化学工業(株)製)
粘着性付与樹脂2:ペンセルD−160(重合ロジンエステル、軟化点=160℃、荒川化学工業(株)
粘着性付与樹脂3:アイマーブP−140(水添脂環族/芳香族共重合系炭化水素樹脂(水素化C5−C9系石油樹脂)、軟化点=140℃、出光興産(株)製)
タルク:JA−13R(浅田製粉(株)製)
フェノール系酸化防止剤:イルガノックス1010(BASFジャパン(株)製)
りん系酸化防止剤:イルガホス168(BASFジャパン(株)製)
実施例1〜9、比較例1〜9の各立体造形装置用樹脂成形材料について、密度、引張強さ、シャルピー衝撃強さ、ビカット軟化温度、接着強度、成形収縮率を評価し、表2に示した。
<密度>
各立体造形装置用樹脂成形材料について、JIS1183に準拠し、水中置換法にて測定した。
密度が小さいほど、軽量で、水に浮きやすい。○:1g/cm未満、×:1g/cm以上、の2段階で評価した。
<引張強さ>
各立体造形装置用樹脂成形材料について、ISO 527−1および527−2に準拠して、以下の条件で測定した。
温度:23℃
試験速度:50mm/min
チャック間距離:115mm
引張強さの値が大きいほど、成形体の耐久性が高い。○:20MPa以上、×:20MPa未満、の2段階で評価した。
<シャルピー衝撃強さ>
各立体造形装置用樹脂成形材料について、ISO 179に準拠し、ノッチ付、ハンマー容量2J、温度23℃の条件で測定した。シャルピー衝撃強さの値が大きいほど、立体造形装置用樹脂成形材料(フィラメント)の作製が容易となり、強靭な成形体を作成できる。○:2KJ/m、×:2KJ/m未満、の2段階で評価した。
<ビカット軟化温度>
各立体造形装置用樹脂成形材料について、ISO 306に準拠して、以下の条件で測定した。
昇温速度:50℃/hr
試験荷重:10N
ビカット軟化温度の値が大きいほど、樹脂成形材料および成形体の耐熱性が高い。○:110℃以上、×:110℃未満、の2段階で評価した。
<接着強度>
各立体造形装置用樹脂成形材料について、20mm(幅)×2mm(厚さ)×160mm(長さ)のプレートを射出成形後、厚み50μmのポリイミドフィルム(カプトン200H/V、東レ・デュポン(株)製)を、以下の条件で熱圧着して、接着強度用試験片とした。
シール温度:200℃
シール圧:2Kg/cm
シール時間:30sec
シール幅:20mm×シール長30mm
接着強度用試験片において、精密万能試験機(オートグラフAG−Xplus(株)島津製作所製)により、剥離速度300mm/minにて、180°剥離試験を行い、その最大荷重を接着強度とした。
接着強度が大きいほど、立体造形装置のステージ(プラットフォーム)への密着性が良くなり、成形体に反りが生じ難くなる。○:1N/20mm以上、×:1N/20mm未満、××:熱圧着できない(接着強度測定不能)、の3段階で評価した。
<成形収縮率>
各立体造形装置用樹脂成形材料について、80mm(幅)×2mm(厚さ)×160mm(長さ)の試験片を射出成形し、成形後48時間放置後に、読取顕微鏡を用いて、射出成形体の立体造形装置用樹脂成形材料の流動方向(MD)と流動方向に対して直角方向(TD)の寸法を測定し、金型寸法を基準に成形収縮率(MD)および成形収縮率(TD)を求めた。MD、TDともに、○:成形収縮率が0.8%未満、×:成形収縮率が0.8%以上、の2段階で評価した。
Figure 2020157609
表2の結果から、実施例1〜9の各立体造形装置用樹脂成形材料は、密度、引張強さ、シャルピー衝撃強さ、ビカット軟化温度、接着強度、成形収縮率について非常に良好であることが確認された。また、熱可塑性エラストマーとして、無水マレイン酸変性SEBS(官能基付与熱可塑性エラストマー)を使用した実施例6は、改質剤を含まなくても非常に良好であることが確認された。熱可塑性(PP)樹脂のみである比較例1は、引張強さ、密度、耐衝撃性、ビカット軟化温度については良好であるが、熱圧着ができなかったため接着強度は測定不能で、かつ、収縮率が非常に大きく、反りやゆがみが出やすい。熱可塑性エラストマーを添加していない比較例2は、衝撃強度が低く、収縮率も大きい。熱可塑性エラストマーの含有量が多い例である比較例3は、ビカット軟化温度が低いため、耐熱性が劣る。粘着性付与樹脂を添加していない比較例4は、収縮率が大きく、反りやゆがみが出やすい。粘着性付与樹脂の含有量が多い例である比較例5は、衝撃強度が低く、耐熱性も劣る。改質剤を添加していない比較例6は、接着強度が低く、立体造形装置のステージ(プラットフォーム)への密着性が劣る。改質剤の含有量が多い例である比較例7は、引張強さおよび衝撃強度が低い。熱可塑性(PP)樹脂の含有量が多い例である比較例8は、収縮率が大きく、反りやゆがみが出やすい。また、特許文献1に類似の比較例9は、引張強さ、耐衝撃性、耐熱性、接着強度、成形収縮率は良好であるが、密度が高く、水に浮かばない。
(実施例10)
立体造形装置用樹脂成形材料1を用い、単軸押出機のダイス孔より溶融フィラメントとして押出(設定温度200℃)し、ダイス前方に設置した冷却水槽(設定温度50℃)中に導き、冷却し、立体造形装置用フィラメント1を得た。さらに、得られた立体造形装置用フィラメント1は、巻き取り機で樹脂製のボビンに巻き取られ、巻物とした。このとき、フィラメント形状は円形で、フィラメント径1.75mmであった。
同様に、立体造形装置用フィラメント2〜18(実施例11〜18、比較例10〜18)を得た。
実施例10〜18、比較例10〜18の各立体造形装置用フィラメントについて、造形性、反りを評価し、表3に示した。なお、各立体造形装置用フィラメントを用いた成形体についても、密度、耐久性、耐熱性、耐衝撃性は、用いた立体造形装置用樹脂成形材料に準ずる性能を呈する。
<造形性>
各立体造形装置用フィラメントについて、溶融押出式三次元プリンタ(Value3D MagiX MF−2500EP:武藤工業(株)製)を用いて、造形を行ない、成形体を作製した。造形の際、ステージ(プラットフォーム)に、厚み50μmのポリイミドフィルム(粘着テープポリイミドフィルムカプトン、Nulink社製)を貼り付け、その上に3Dステージシーラント(ATP−101、東京インキ(株)製)を塗布した。造形条件としては、ノズル温度200℃とした。造形時において、溶融樹脂が細く引き伸ばされた破片の残り状態(糸引き、ともいう)を観察し、外観を評価した。糸引きが多いほど、外観が悪化し、造形性は劣る。○:糸引きがなく、外観が滑らか、×:糸引きがあり、外観が悪い、の2段階で評価した。
<反り>
前記<造形性>の評価において、造形中および造形後に硬化した成形体の反りやゆがみの状態を観察し、評価した。反りやゆがみが大きいほど、硬化収縮が大きく、成形体として利用できない。○:造形中および硬化後の成形体に反りやゆがみがまったくない、△:硬化後の成形体にやや反りやゆがみがある(実用上問題ない)、×:硬化後の成形体に反りやゆがみがある、××:造形中に硬化した箇所から反りやゆがみが認められ、全体硬化後の成形体に反りやゆがみがある、の4段階で評価した。
Figure 2020157609
実施例10〜18の各立体造形装置用フィラメントは、造形性、反りについて非常に良好であることが確認された。PP樹脂のみである比較例10は、糸引きが多いだけでなく、立体造形装置のステージへの密着性が非常に悪く、反りやゆがみがひどく、最後まで成形出来なかった。熱可塑性エラストマーを添加していない比較例11は、糸引きが多く、成形体の反りも大きかった。熱可塑性エラストマー含有量の多い比較例12は、造形性、反りについては良好であるが、耐熱性が劣る。粘着性付与樹脂を添加していない比較例13は、糸引きが多く、反りも大きかった。接着性付与剤含有量の多い比較例14は、造形性、反りについては良好であるが、耐熱性、耐衝撃性が劣る。改質剤を添加していない比較例15は、糸引きは無かったが、ステージへの密着性が非常に悪く、反りが大きかった。改質剤の含有量が多い比較例16は、造形性、反りについては良好であるが、耐久性および耐衝撃性が劣る。PP樹脂の含有量が多い比較例17は、糸引きが多く、反りも大きかった。特許文献1に類似の比較例18は、造形性、反りについては良好であるが、無機フィラーを多量に使用しており、密度が高く、水に浮かばない。
本発明によれば、ポリプロピレン樹脂のような汎用樹脂を利用でき、軟質な質感であり、密度が低いため軽量でありながら、高い耐衝撃性、耐熱性、耐久性が良好な成形適性を有し、造形時の収縮性が低い成形体を得ることができることから、大型の成形体でも軽く、寸法安定性や表面平滑性を有する。このため、自動車分野、電子・電気機器分野、産業機器分野、医療機器分野、雑貨分野、建築分野などの成形体として有効に利用できるものである。
すなわち、本発明は、
(1)成形材料中に、30〜80質量%含有されポリプロピレン(A)と、1〜45質量%含有されスチレン系熱可塑性エラストマー(B)と、0.5〜15質量%含有され無水マレイン酸変性ポリオレフィン系化合物(C)と、5〜35質量%含有されロジン系樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、および脂環族/芳香族共重合系炭化水素樹脂のなかから選ばれる少なくとも1種の樹脂(D)とを含有する(ただし、前記スチレン系熱可塑性エラストマー(B)が、官能基が付与された官能基付与スチレン系熱可塑性エラストマーである場合、無水マレイン酸変性ポリオレフィン系化合物(C)は含まなくてもよい。)ことを特徴とする立体造形装置用樹脂成形材料、
(2)(1)に記載の立体造形装置用樹脂成形材料から得られることを特徴とする溶融押出法に用いる立体造形装置用フィラメント、
である。

Claims (5)

  1. 成形材料中に、30〜80質量%含有する熱可塑性樹脂(A)と、1〜45質量%含有する熱可塑性エラストマー(B)と、0.5〜15質量%含有する改質剤(C)と、5〜35質量%含有する粘着性付与樹脂(D)とを含有する(ただし、前記熱可塑性エラストマー(B)が、官能基が付与された官能基付与熱可塑性エラストマーである場合、改質剤(C)は含まなくてもよい。)ことを特徴とする立体造形装置用樹脂成形材料。
  2. 前記熱可塑性エラストマー(B)が、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、およびこれらの官能基付与物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の立体造形装置用樹脂成形材料。
  3. 前記改質剤(C)が、エポキシ基、グリシジル基、酸無水物基、イソシアネート基、アミノ基、カルボキシル基、およびオキサゾリン基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の反応性基を含む化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の立体造形装置用樹脂成形材料。
  4. 前記粘着性付与樹脂(D)が、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、脂肪族/芳香族共重合系炭化水素樹脂、脂環族/芳香族共重合系炭化水素樹脂、およびこれらの水添物のなかから選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の立体造形装置用樹脂成形材料。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の立体造形装置用樹脂成形材料から得られることを特徴とする溶融押出法に用いる立体造形装置用フィラメント。
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