JP5075855B2 - 帯電防止フィルム - Google Patents
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(1)少なくとも層(A)と層(B)とを有する2以上の層から構成される積層フィルムであって、層(A)が40〜90重量%のポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体を構成成分とするポリマー型帯電防止剤(X)および10〜60重量%のポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体を構成成分とするポリマー型帯電防止剤(Y)を含む樹脂組成物からなり、層(B)が80〜100重量%のポリプロピレン系樹脂および20〜0重量%の前記ポリマー型帯電防止剤(X)及び/又は前記ポリマー型帯電防止剤(Y)を含む樹脂組成物からなり、前記ポリマー型帯電防止剤(X)はイオン種としてリチウムを含有し、前記ポリマー型帯電防止剤(Y)はイオン種としてリチウム以外の金属を含有する、積層フィルム、
(2)層(A)、層(B)及び層(A)をこの順で有する(1)に記載の積層フィルム、
(3)層(B)に含まれるポリプロピレン系樹脂のMFRが1〜20g/10分(230℃、2.16kgf)である(1)又は(2)に記載の積層フィルム、
(4)ポリマー型帯電防止剤(Y)のイオン種がナトリウムである(1)〜(3)のいずれか一に記載の積層フィルム、
(5)層(A)の厚みが積層フィルム全体の厚みの10%以上30%以下である(1)〜(4)のいずれか一に記載の積層フィルム、及び
(6)表面抵抗値が1.0×106〜1.0×108Ω/m2である(1)〜(5)のいずれか一に記載の積層フィルム、を提供するものである。
本発明における積層フィルムは、少なくとも層(A)と層(B)を有しており、全体として2以上の層から構成される。具体的には、層(A)と層(B)のみから構成される2層フィルム、層(A)/層(B)/層(C)から構成される3層フィルムなどがあげられる。なお、層(C)は、帯電防止剤を含有していてもいなくてもいずれでもよく、積層フィルムの用途に応じ適宜選択すればよい。また層(C)は層(A)または層(B)と同一組成であっても、異なる組成であってもよい。層(C)としては、例えば、40〜90重量%のポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体を構成成分とするポリマー型帯電防止剤(X)および10〜60重量%のポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体を構成成分とするポリマー型帯電防止剤(Y)を含む樹脂組成物からなる層または80〜100重量%のポリプロピレン系樹脂および20〜0重量%の前記ポリマー型帯電防止剤(X)及び/又は前記ポリマー型帯電防止剤(Y)を含む樹脂組成物からなる層があげられる。更に、本発明における積層フィルムは、層(A)と層(B)との間、層(B)と層(C)との間等、各層の間に他の層(例えば、接着層等)を有するように3以上の層から構成されていてもよい。
本発明の積層フィルムにおいては、層(A)が40〜90重量%のポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体を構成成分とするポリマー型帯電防止剤(X)および10〜60重量%のポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体を構成成分とするポリマー型帯電防止剤(Y)を含む樹脂組成物からなり、層(B)が80〜100重量%のポリプロピレン系樹脂および20〜0重量%の前記ポリマー型帯電防止剤(X)及び/又は前記ポリマー型帯電防止剤(Y)を含む樹脂組成物からなる。ここで、本発明の積層フィルムの層(B)に用いられるポリプロピレン系樹脂のMFR(230℃、2.16kgfで測定)は、フィルムの製膜性の観点から、好ましくは1〜20g/10分、更に好ましくは5〜12g/10分である。
本発明の層(A)及び層(B)に使用されるポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体を構成成分とするポリマー型帯電防止剤は、ポリオレフィン(a)のブロックと、体積固有抵抗値が105〜1011Ω・cmの親水性ポリマー(b)のブロックとが、繰り返し交互に結合した構造を有することを特徴とするポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体(例えば、特許文献3参照。)を構成成分とし、帯電防止性能を有し、溶融加工可能なものをいう。
本発明では、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の帯電防止剤や他のポリマー型帯電防止剤を併用しても良い。
本発明の積層フィルムにおいては、層(A)を構成する樹脂組成物中のポリマー型帯電防止剤(X)とポリマー型帯電防止剤(Y)の各々の含有量は40〜90重量%/10〜60重量%である。ポリマー型帯電防止剤(X)の含有量が40重量%より少ないと、十分な表面固有抵抗を得ることができず、90重量%を超えると製膜性が劣り実用的なフィルムを得ることが困難となる。
また、本発明の積層フィルムにおいては、層(B)を構成する樹脂組成物中のポリプロピレン系樹脂とポリマー型帯電防止剤(ポリマー型帯電防止剤(X)及び/又はポリマー型帯電防止剤(Y))の各々の含有量が80〜100重量%/20〜0重量%である。層(B)におけるポリプロピレン系樹脂の含有量が80重量%より少ないと、製膜性が劣り実用的なフィルムを得ることが困難となる。
また、本発明では、必要に応じて、ポリプロピレン系樹脂に配合される公知の酸化防止剤、中和剤、滑剤、アンチブロッキング剤、可塑剤、安定剤、染顔料、結晶核剤、紫外線吸収剤、充填剤、剛性を付与する無機フィラー、及び柔軟性を付与するエラストマー等を、本発明の効果を阻害しない範囲において用いてよく、ポリオレフィン系樹脂以外の他の材料、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリブタジエン、ポリイソプレン、AS、ABS、EPR、EPDM、SEBS、NBRなどを添加することも可能である。この中でも、透明性を向上するために、結晶核剤を添加することが好ましい。本発明においては、これら他の添加剤を、層(A)、層(B)を構成する樹脂組成物の何れにも添加することができる。
本発明で用いるポリプロピレン系樹脂およびポリマー型帯電防止剤、並びに必要に応じて用いる熱可塑性樹脂(又はポリオレフィン系樹脂)およびその他添加剤を配合する方法としては、特に制限されるものではなく、ポリプロピレン系樹脂にポリマー型帯電防止剤を均一に分散させることができる公知の方法が挙げられる。例えば、ポリプロピレン系樹脂をペレット状態のままスーパーミキサー、ヘンシェルミキサーなどでドライブレンドし、後述する成形機のホッパーに直接供給する方法や、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー等で混合し、その混合物を、押出機で一度溶融混練する方法が挙げられる。また、層(A)を構成する樹脂組成物の成分を混合する場合も同様の方法で行うことができる。
本発明の積層フィルムの加工法としては、公知の成形方法を利用できる。例えば、Tダイによる押出成形、インフレーションフィルム成形、カレンダー成形などが挙げられ、連続的に多層フィルムを製造する方法としては、一般的な方法として、押出成形法が挙げられるが、特に本発明で用いるポリオレフィン系樹脂は、樹脂の粘度、得られるフィルム厚みの点から押出し成形法が適している。以下、押出成形法による多層シートの製造方法に関して詳細に述べる。
尚、以下の実施例及び比較例で使用した材料、評価した特性の測定方法等は、次の通りである。
帯電防止剤(X):三光化学 サンコノールTBX−310(MFR36g/10分)
帯電防止剤(Y):三洋化成 ペレスタットVH230(MFR30g/10分)
ポリプロピレン(PP)(A):日本ポリプロ製 ノバテックFX3A(融点138℃、MFR8.5g/10分)
ダイアインスツルメンツ社製ハイレスタUP高抵抗率計(MCP−HT450)を用いた。印加電圧10V、電極:2重リング法(URSプローブ)。
電圧印加後、10秒後の値を測定値として採用した。尚、OR(オーバーレンジ)は、10の13乗より高い値を持つため、測定不可であることを示す。
フィルム成形時の厚み精度、フィルム外観を確認し、良好なものは○、ひどく劣るもの、フィルム化できないものは×で示した。×は実用に供することができない。
JIS K 7161に従い、フィルムから採取した試験片(JIS K 6732 図3)を23℃、60%RHの雰囲気下、引張試験機にて、引張速度:300mm/分で引張破断強度(MPa)を測定した。引張破断強度が30MPa以下のものは、実使用上適さない。
各々表1に記載されている配合により、ペレット状態でドライブレンドし、3台の東芝機械製単軸押出機(外層(層(A))用:35φmm、L/D=25、中間層(層(B))用:50φmm、L/D=32)のホッパーに、ブレンドした原料を投入し、外層用、中間層用押出機温度をC1:190℃、C2:200℃、C3:200℃、C4:200℃、C5:200℃のように設定し、セレクターを通し、フィードブロック部(温度設定200℃)にて、外層/中間層/外層の2種3層構成に合流させ、550mm幅Tダイ(温度設定200℃ リップ開度0.3mm)から押出した。厚み構成は、20μm/60μm/20μmになるよう各押出機回転数を設定した。押出された溶融樹脂は、冷却ロールを備えた巻き取り機(冷却ロール700mm幅×φ350mm、ロール温度30℃)にて冷却固化、巻取りし、0.1mmの実施例1〜3および比較例2〜4の多層フィルムを各々得た。
Claims (6)
- 少なくとも層(A)と層(B)とを有する2以上の層から構成される積層フィルムであって、層(A)が40〜90重量%のポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体を構成成分とするポリマー型帯電防止剤(X)および10〜60重量%のポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体を構成成分とするポリマー型帯電防止剤(Y)を含む樹脂組成物からなり、層(B)が80〜100重量%のポリプロピレン系樹脂および20〜0重量%の前記ポリマー型帯電防止剤(X)及び/又は前記ポリマー型帯電防止剤(Y)を含む樹脂組成物からなり、前記ポリマー型帯電防止剤(X)はイオン種としてリチウムを含有し、前記ポリマー型帯電防止剤(Y)はイオン種としてリチウム以外の金属を含有する、積層フィルム。
- 層(A)、層(B)及び層(A)をこの順で有する請求項1に記載の積層フィルム。
- 層(B)に含まれるポリプロピレン系樹脂のMFRが1〜20g/10分(230℃、2.16kgf)である請求項1又は2に記載の積層フィルム。
- ポリマー型帯電防止剤(Y)のイオン種がナトリウムである請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層フィルム。
- 層(A)の厚みが積層フィルム全体の厚みの10%以上30%以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層フィルム。
- 表面抵抗値が1.0×106〜1.0×108Ω/m2である請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層フィルム。
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