JP2004136480A - プロピレン系重合体積層体 - Google Patents

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Eiichi Taguchi
田口 栄一
Satoshi Tsukahara
塚原 訓
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Abstract

【課題】半永久的な帯電防止性を有し且つ熱融着性に優れたプロピレン系重合体積層体を提供する。
【解決手段】プロピレン系重合体(A)層の片面に、ポリオレフィンブロックと親水性ポリマーブロックとを有するブロックポリマー(B)、好ましくは不飽和カルボン酸無水物変性ポリプロピレンブロックとポリエーテル基含有ポリマーブロックとからなるブロックポリマーを含んでなる表面固有抵抗値が1×10〜1×1013Ωの範囲にあるプロピレン系重合体組成物(C)層からなる表面層が積層されてなることを特徴とするプロピレン系重合体積層体に関する。
【選択図】なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、半永久的な帯電防止性を有し且つ熱融着性に優れたプロピレン系重合体積層体及びかかるプロピレン系重合体積層体層を積層してなる積層物に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種飲食品や医薬品、電気、電子部品などの包装材料やそれらの輸送用トレーあるいはコンテナ、また、コンピュター周辺装置の部品、半導体製品の包装材料として、熱可塑性樹脂の軟包装等が広く使用されている。そして、熱可塑性樹脂の包装袋は、帯電しやすい為、内容物の付着、あるいは、外部の埃、塵が付着することで、衛生上の問題及び部品等へ機能破壊が起こり静電気問題が起こりうる。
【0003】
ところで、このような軟包装はフィルム表面の帯電防止性が要求されることがあり、そのため帯電防止剤が配合されている。しかしながら、シール材に帯電防止剤を配合すると、帯電防止剤がシール材の表面にブリードアウトしシール強度が低下したり、フィルム成形時にダイリップに目やに等が析出し頻繁に生産ラインを停止してダイを清掃する必要がある等の問題があり、又、かかる帯電防止剤は通常分子量が低いので、帯電防止性の持続性あるいは低湿度下での帯電防止性の発現性に問題があり、とくに、繰り返し使用されるコンテナ等は、その表面の汚れを水洗いすると帯電防止剤も洗浄されてその効果が低下する問題があった。
【0004】
かかる問題点を解決する方法として、永久帯電防止性を有するブロック共重合体が提案されている(特許文献1)。そしてかかる公報には、永久帯電防止性を有するブロック共重合体を熱可塑性樹脂に添加したり、各種包材用フィルムの帯電防止剤として用いることが記載されている。しかしながら、ブロック共重合体をプロピレン系重合体に添加した組成物から得られるフィルムは基材層等との熱融着性が低下する虞がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−278985号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者等は、半永久的な帯電防止性を有し且つ熱融着性に優れたプロピレン系重合体積層体を開発すべく種々検討した。
【0007】
【課題を解決するための手段】
【発明の概要】
本発明は、プロピレン系重合体(A)層の片面に、ポリオレフィンブロックと親水性ポリマーブロックとを有するブロックポリマー(B)を含んでなる表面固有抵抗値が1×10〜1×1013Ωの範囲にあるプロピレン系重合体組成物(C)層からなる表面層が積層されてなることを特徴とする帯電防止性の持続性及び熱融着性に優れたプロピレン系重合体積層体に関する。
【0008】
本発明の他の態様は、基材層(E)の少なくとも片面に、前記記載のプロピレン系重合体積層体をプロピレン系重合体組成物(C)層を表面層になるように積層してなることを特徴とする積層物に関する。
【0009】
【発明の具体的説明】
プロピレン系重合体(A)
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)は、一般にポリプロピレンの名称で製造・販売されている樹脂で、通常、密度が0.890〜0.930g/cm、MFR(ASTM D1238 荷重2160g、温度230℃)が0.5〜60g/10分、好ましくは0.5〜10g/10分のプロピレンの単独重合体若しくはプロピレンと他の少量のα−オレフィン、例えばエチレン、ブテン、ヘキセン−1等とのランダムあるいはブロック共重合体である。
【0010】
ブロックポリマー(B)
本発明に係わるブロックポリマー(B)は、ポリオレフィンのブロック(b−1)と、親水性ポリマーのブロック(b−2)とが、繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマーであり、好ましくは、温度:20℃、湿度:60%RHでの体積固有抵抗値が1×10〜1×1011Ω・cmの範囲にある。
ポリオレフィンのブロック(b−1)としては、好ましくはカルボニル基(好ましくは、カルボキシル基、以下同じ。)をポリマーの両末端あるいは片末端に有するポリオレフィン、水酸基をポリマーの両末端あるいは片末端に有するポリオレフィン、アミノ基をポリマーの両末端あるいは片末端に有するポリオレフィン等の官能基をポリマーの両末端あるいは片末端に有するポリオレフィンである。このうち、変性のし易さからカルボニル基を有するポリオレフィンが好ましい。
又、基体となるポリオレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ヘプテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチル−ペンテン−1等のα―オレフィンの単独重合体あるいは共重合体が挙げられ、中でもポリプロピレンがプロピレン系重合体(A)との相容性に優れるので好ましい。かかるポリオレフィンの分子量は、通常ゲルパーミエションクロマトグラフィーによる数平均分子量(以下、Mnと略する。)は、通常800〜20,000、好ましくは1,000〜10,000、特に好ましくは1,200〜6,000である。
前記官能基をポリマーの両末端あるいは片末端に有するポリオレフィンの官能基は、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びシトラコン酸等の不飽和カルボン酸あるいはその無水物、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン及びフェニルアラニン等のアミノ酸、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、及び12−アミノドデカン酸等の炭素数2〜12のアミノカルボン酸、カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム及びウンデカノラクタム等の炭素数6〜12のラクタム等で変性あるいは酸素及び/若しくはオゾンにより酸化又はオキソ法によりヒドロホルミル化することにより付与することができる。これら官能基の中でも、無水マレイン酸変性物および無水マレイン酸変性物をカプロラクタム及び12−アミノドデカン酸で二次変性して付与した官能基が好ましい。
親水性ポリマーのブロック(b−2)としては、好ましくは、ポリエーテルジオール、ポリエーテルジアミン、及びこれらの変性物等のポリエーテル、ポリエーテルセグメント形成成分としてポリエーテルジオールのセグメントを有するポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルジオールのセグメントを有するポリエーテルアミドイミド、ポリエーテルジオールのセグメントを有するポリエーテルエステル、ポリエーテルジアミンのセグメントを有するポリエーテルアミド及びポリエーテルジオール又はポリエーテルジアミンのセグメントを有するポリエーテルウレタン等のポリエーテル含有親水性ポリマー、非イオン性分子鎖で隔てられた2〜80個、好ましくは3〜60個のカチオン性基を分子内に有するカチオン性ポリマー、若しくはスルホニル基を有するジカルボン酸と、ジオール又はポリエーテルとを必須構成単位とし、かつ分子内に2〜80個、好ましくは3〜60個のスルホニル基を有するアニオン性ポリマーである。
【0011】
ポリエーテルとしては、具体的には、アルキレングリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール)、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール及び1,12−ドデカンジオール等の脂肪族二価アルコール、クロヘキサンジメタノール等の脂環式二価アルコール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン及びウルシオール等の単環二価フェノールあるいはビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン及びジヒドロキシビフェニル等のビスフェノール等の二価フェノール及びジヒドロキシナフタレン、ビナフトール等の縮合多環二価フェノール等が挙げられる。これらの中でも特に好ましいのは、脂肪族二価アルコール及びビスフェノール、更に好ましくはエチレングリコール及びビスフェノールAである。
本発明に係わるブロックポリマー(B)であるポリオレフィンのブロック(b−1)と、親水性ポリマーのブロック(b−2)とが繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマーは、ポリオレフィンのブロック(b−1)と、親水性ポリマーのブロック(b−2)とを減圧下通常200〜250℃で重合(重縮合)反応を行う方法により製造することができる。また、上記の重合反応には、通常、公知の触媒を使用することができる。触媒としては、三酸化アンチモンなどのアンチモン触媒;モノブチルスズオキサイドなどのスズ触媒;テトラブチルチタネートなどのチタン触媒;テトラブチルジルコネートなどのジルコニウム触媒;酢酸ジルコニル等のジルコニウム有機酸塩、酢酸亜鉛などの有機酸金属塩触媒;及びこれらの2種以上の併用が挙げられる。これらのうち好ましいものは、ジルコニウム触媒及び酢酸金属塩触媒であり、特に好ましいものは酢酸ジルコニルである反応させることにより得られる。かかるブロックポリマー(B)の製造方法は、特開2001−278985号公報に詳しい。
【0012】
プロピレン系重合体組成物(C)
本発明に係わるプロピレン系重合体組成物(C)は、前記プロピレン系重合体(A)とブロックポリマー(B)とからなる組成物であって、温度:20℃、湿度:60%RHでの表面固有抵抗値が1×10〜1×1013Ω、好ましくは1×10〜1×1011Ωの範囲にある。表面固有抵抗値が1×1013Ωを越える組成物では、フィルムにした際の帯電防止効果が不十分である。かかるプロピレン系重合体組成物(C)は、好ましくはプロピレン系重合体(A)が50〜95重量%、更に好ましくは70〜90重量%、ブロックポリマー(B)が5〜50重量%、更に好ましくは10〜30重量%で混合することにより得られる。ブロックポリマー(B)の量が、5重量%未満では、上記範囲の表面固有抵抗値を有する積層フィルムが得られない虞があり、一方、50重量%を越えると積層フィルムを得る際に、プロピレン系重合体(A)層との接着性が劣る虞がある。
【0013】
プロピレン系重合体(D)
本発明に係わるプロピレン系重合体(D)は、一般にポリプロピレンの名称で製造・販売されている樹脂で、通常、密度が0.890〜0.930g/cm、MFR(ASTM D1238 荷重2160g、温度230℃)が0.5〜60g/10分、好ましくは0.5〜10g/10分のプロピレンの単独重合体若しくはプロピレンと他の少量のα−オレフィン、例えばエチレン、ブテン、ヘキセン−1等とのランダムあるいはブロック共重合体である。
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)、ブロックポリマー(B)、プロピレン系重合体組成物(C)及びプロピレン系重合体(D)には、本発明の目的を損なわない範囲で、通常ポリオレフィンに添加される種々公知の添加剤、例えば、酸化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤(滑剤)等を必要に応じて配合することができる。
【0014】
基材層(E)
本発明に係わる基材層(E)は、熱可塑性樹脂からなるシート状またはフィルム状のもの、あるいはその発泡体、紙、アルミニュム箔等からなる。熱可塑性樹脂としては、種々公知の熱可塑性樹脂、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチル・1−ペンテン、ポリブテン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等)、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、アイオノマー、あるいはこれらの混合物等を例示することができる。これらのうちでは、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等がで好ましい。又、かかる熱可塑性樹脂フィルムからなる基材は、無延伸フィルムであっても、延伸フィルムであっても良い。かかる基材層(E)の厚さは用途に応じて種々決定され得るが、通常、0.01〜20mm、好ましくは0.01〜10mmの範囲にある。基材層が発泡体の場合は、発泡倍率は、通常1.1倍〜30倍であるが、特に制限されない。
【0015】
プロピレン系重合体積層体
本発明のプロピレン系重合体積層体は、プロピレン系重合体(A)層及びポリオレフィンブロックと親水性ポリマーブロックとを有するブロックポリマー(B)を含んでなる表面固有抵抗値が1×10〜1×1013Ωの範囲にあるプロピレン系重合体組成物(C)層からなる表面層からなる。この場合、プロピレン系重合体組成物(C)層を2層以上の多層構成にしておいてもよい。又、他の例としては、プロピレン系重合体(A)層、プロピレン系重合体(D)層からなる中間層及びポリオレフィンブロックと親水性ポリマーブロックとを有するブロックポリマー(B)を含んでなる表面固有抵抗値が1×10〜1×1013Ωの範囲にあるプロピレン系重合体組成物(C)層からなる表面層からなる。
本発明のプロピレン系重合体積層体を構成する各層の厚さは、用途に応じて種々決定され得るが、通常、プロピレン系重合体(A)層が18μm〜8mm、好ましくは18μm〜800μm、プロピレン系重合体組成物(C)層からなる表面層が2μm〜2mm、好ましくは2μm〜200μmの範囲にあり、積層体の厚さは、通常、20μmから10mm、好ましくは20μm〜1mmの範囲にある。又、プロピレン系重合体(D)層からなる中間層を含むプロピレン系重合体積層体の場合は、プロピレン系重合体(A)層が2μmから800μm、好ましくは2μm〜200μm、プロピレン系重合体(D)層からなる中間層が16μmから6mm、好ましくは16μmから600μm、プロピレン系重合体組成物(C)層からなる表面層が2μm〜800μm、好ましくは2μm〜200μmの範囲にあり、積層体の厚さは、通常、20μm〜10mm、好ましくは20μm〜1mmの範囲にある。何れにしても、表面層であるプロピレン系重合体組成物(C)層の厚さが2μm未満では、長期の帯電防止効果が十分発揮できない場合がある。
本発明のプロピレン系重合体積層体は、種々公知の方法で製造できる。例えば、二つ以上の押出し機を備えた多層フィルム成形機に、一つの押出し機に表面層を構成するプロピレン系重合体組成物(C)を投入し、他の一つ若しくは二つの押出し機にプロピレン系重合体(A)、必要に応じてプロピレン系重合体(D)を投入してT−ダイ、環状ダイ等を用いて二層以上の積層体にする方法を例示できる。なお、プロピレン系重合体組成物(C)を押出し機に投入する場合は、予めプロピレン系重合体(A)とポリオレフィンブロックと親水性ポリマーブロックとを有するブロックポリマー(B)とを所定の量で混合して押出機等で溶融混練してプロピレン系重合体組成物(C)を得た後、投入してもよいし、直接、プロピレン系重合体(A)とポリオレフィンブロックと親水性ポリマーブロックとを有するブロックポリマー(B)とを所定の量で混合して押出し機に投入してもよい。
【0016】
積層物
本発明の積層物は、前記基材層(E)の少なくとも片面に、前記記載のプロピレン系重合体積層体をプロピレン系重合体組成物(C)層を表面層になるように積層してなる。
本発明の積層物は、種々公知の方法で製造できる。例えば、プロピレン系重合体積層体と基材層とを貼り合わせることにより製造し得る。プロピレン系重合体積層体を基材層に貼り合わせるには、基材層の表面を例えば、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、プライマーコート処理等の表面活性化処理を行っておくことが好ましい。又、プライマーコート処理のプライマー樹脂組成物としては、ポリウレタン系、エポキシ系、ポリアミド系、ポリエステル系、アクリル系、ポリオレフィン系、セルロース系、シリコーン系、アクリルスチレン系、エチレン酢酸ビニル系、酢酸ビニル系、合成ゴム系、等が挙げられ、これらの変性物、共重合系を用いても構わない。
【0017】
【発明の効果】
本発明のプロピレン系重合体積層体は、低湿度でも帯電防止効果を有し、且つ帯電防止効果の持続性に優れているので、家電、OA機器、事務機器、ICトレー、自動車部品等の産業機器、あるいは飲料容器、加工食品、野菜、青果物等の食品等を入れる各種プラスチック容器、トレー、コンテナ等の表面に被覆することにより、帯電防止効果を簡単に付与でき、外部の埃、塵等の付着防止または、内容物が粉体などの場合に内容物の付着防止、部品等への機能破壊防止が可能となる。又、基材等との熱融着性においても安定した強度が得られる。
更に、プロピレン系重合体積層体を得る際にも、従来主に、帯電防止剤が引き起こしていた溶融押出し・製膜加工時の冷却ロール汚れを少なくすることができ、又、この積層体を基材層とラミネート加工する場合にも、加工機のロール汚れを少なくすることができるので、成型加工作業性を向上させることができる。更に、得られる積層体は、帯電防止剤等のフイルム表面への浮きだし(ブリードアウト)が少ないので、基材層に押出しあるいはドライラミネーションしても、ラミネート強度の低下がなく、加工時の帯電防止剤の熱による散逸がなく、より帯電防止性能を低下させずに加工することが可能である。
【0018】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施例に制約されるものではない。
【0019】
実施例及び比較例における特性値は以下の方法で測定した。
(1) 表面固有抵抗率
(経時変化)
得られたプロピレン系重合体積層体から10×10cmの試験片を切出し、20℃、湿度60%RHで、1日、30日及び90日間放置後、20℃、湿度60%RHの雰囲気中で、アドバンテスト社製デジタル超高抵抗/微量電流計(R8340A)とレジスチビティ・チェンバ(R12704)を用いて、表面固有抵抗値を測定した。
(湿度依存性)
得られたプロピレン系重合体積層体から10×10cmの試験片を切出し、30℃、湿度40%RH、60%RH、80%RHの雰囲気のオーブン中で、10日間エ−ジング処理後、オーブンから取出し、20℃、湿度60%RHの雰囲気で6時間放置した後、上記方法で表面固有抵抗値を測定した。
(2)非帯電性
得られたプロピレン系重合体積層体からA4サイズの試験片を切出し、40℃のオーブン中で、1日、30日及び90日間エ−ジング処理後、オーブンから取出し、23℃、相対湿度60%で24時間放置した。処理した試験片を両手で持って頭で10回こすった後、試験片をテ−ブルに置いたたばこの灰に近づけ、灰が試験片に引き寄せられた距離を測定し、評価した。0cmまで近づけても灰の付着しない試験片を◎、0〜1cmまで近づけてほんのわずかに灰が付着した試験片を○、1cmから6cmまで近づけて灰が付着した試験片を△、6cm〜10cmまで近づけて灰が付着した試験片を×とした。
(3)熱融着性:
得られたプロピレン系重合体積層体のA層面又は、C層面と厚さ3mmのポリプロピレン発泡シート(PP発泡シ−ト)面とを重ね合せ、シ−ルバ−5mmのヒートシーラーを使用して、所定の温度で、0.2MPaの圧力で1秒間ヒートシールした放冷した。これから、15mm幅の試験片を切り取りクロスヘッド速度500mm/分でヒートシール部を剥離し、その強度を熱融着強度とした。
【0020】
又、本実施例で使用した原料は次の通りである。
(1) プロピレン・エチレンブロック共重合体(PEB)
プロピレン重合体成分:87重量%とプロピレン・エチレンランダム共重合体成分:13重量%、密度:0.9g/cm MFR:1.6g/10分
(2) ブロックポリマー
無水マレイン酸変性ポリプロピレンブロック・ポリ(エチレングリコール)ブロック共重合体:密度1.0g/cm、融点:135℃、表面固有抵抗値(20℃、湿度60%RH):3×10Ω
【0021】
実施例1
PEB:100重量%(A層)とPEB:100重量%(D層)とPEB:90重量%とブロックポリマー:10重量%をドライブレンドした熱可塑性樹脂組成物(C層)を別々の押出機に供給し、Tダイ法によってA層/D層/C層なる構成のプロピレン系重合体積層体を得た。積層体の総厚は、80μmで、各層の厚みはA層/D層/C層=8:64:8μmであった。
得られたプロピレン系重合体積層体を前記記載の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0022】
実施例2
PEB:100重量%(A層)とPEB:100重量%(D層)とPEB:80重量%とブロックポリマー:20重量%をドライブレンドした熱可塑性樹脂組成物(C層)を別々の押出機に供給し、Tダイ法によってA層/D層/C層なる構成のプロピレン系重合体積層体を得た。積層体の厚さは、80μmで、各層の厚さはA層/D層/C層=8:64:8μmであった。
得られたプロピレン系重合体積層体を前記記載の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0023】
実施例3
PEB:100重量%(A層)とPEB:100重量%(D層)とPEB:70重量%とブロックポリマー:30重量%をドライブレンドした熱可塑性樹脂組成物(C層)を別々の押出機に供給し、Tダイ法によってA層/D層/C層なる構成のプロピレン系重合体積層体を得た。積層体の厚さは、80μmで、各層の厚さはA層/D層/C層=8:64:8μmであった。
得られたプロピレン系重合体積層体を前記記載の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0024】
比較例1
PEB:100重量%(A層)とPEB:100重量%(D層)とPEB:98重量%とブロックポリマー:2重量%をドライブレンドした熱可塑性樹脂組成物(C層)を別々の押出機に供給し、Tダイ法によってA層/D層/C層なる構成のプロピレン系重合体積層体を得た。積層体の厚さは、80μmで、各層の厚さはA層/D層/C層=8:64:8μmであった。
得られたプロピレン系重合体積層体を前記記載の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
Figure 2004136480
【0026】
表1から明らかなように、プロピレン・エチレンブロック共重合体(PEC)とブロックポリマーとの組成物から得られる表面層(C層)で、表面固有抵抗値を2×1012Ω以下にした表面層を積層したプロピレン系重合体積層体(実施例1〜3)は、表面固有抵抗値、非帯電性の持続効果に優れることが分かる。
又、プロピレン系重合体積層体とPP発泡シ−トとを熱融着する際、プロピレン・エチレンブロック共重合体層(A層)と熱融着した場合は、熱融着性に優れるが、プロピレン・エチレンブロック共重合体とブロックポリマーとの組成物から得られる表面層(C層)と熱融着した場合は、熱融着性に劣ることが分かる。

Claims (6)

  1. プロピレン系重合体(A)層の片面に、ポリオレフィンブロックと親水性ポリマーブロックとを有するブロックポリマー(B)を含んでなる表面固有抵抗値が1×10〜1×1013Ωの範囲にあるプロピレン系重合体組成物(C)層からなる表面層が積層されてなることを特徴とするプロピレン系重合体積層体。
  2. プロピレン系重合体組成物(C)層が、ポリオレフィンブロックと親水性ポリマーブロックとを有するブロックポリマー(B)を5〜50重量%含んでなる請求項1記載のプロピレン系重合体積層体。
  3. プロピレン系重合体(A)層とプロピレン系重合体組成物(C)層との間にプロピレン系重合体(D)層を有してなる請求項1記載のプロピレン系重合体積層体。
  4. ポリオレフィンブロックと親水性ポリマーブロックとを有するブロックポリマー(B)が不飽和カルボン酸無水物変性ポリプロピレンブロックとポリエーテル基含有ポリマーブロックとからなるブロックポリマーである請求項1もしくは2に記載のプロピレン系重合体積層体。
  5. 基材層(E)の少なくとも片面に、請求項1記載のプロピレン系重合体積層体をプロピレン系重合体組成物(C)層を表面層になるように積層してなることを特徴とする積層物。
  6. 基材層(E)が発泡体である請求5記載の積層物。
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