JP2015151227A - 乗客コンベア - Google Patents
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Abstract
【課題】円滑に乗客コンベアに乗降することができない乗客を検出して、当該乗客が安全に乗客コンベアの踏段に乗りこむことを可能とする。
【解決手段】
乗降板14の幅方向一方側及び他方側を通って踏段11に乗り込む乗客の有無を検出する一方側第1検出手段25L及び他方側第1検出手段25Rと、踏段11の幅方向一方側及び他方側に乗り込んだ乗客の有無を検出する一方側第2検出手段26L及び他方側第2検出手段26Rを備える。踏段11の移動速度を変更する制御装置4は、一方側第1検出手段25L及び他方側第1検出手段25Rのいずれか一方が所定の時間にわたり乗客を検出していて、かつ、乗客を所定の時間にわたって検出した第1検出手段25と同じ側の踏段11に乗り込んだ乗客の有無を検出する第2検出手段26が乗客を検出していない場合に、踏段11の移動速度を通常の速度よりも遅くする。
【選択図】 図3
【解決手段】
乗降板14の幅方向一方側及び他方側を通って踏段11に乗り込む乗客の有無を検出する一方側第1検出手段25L及び他方側第1検出手段25Rと、踏段11の幅方向一方側及び他方側に乗り込んだ乗客の有無を検出する一方側第2検出手段26L及び他方側第2検出手段26Rを備える。踏段11の移動速度を変更する制御装置4は、一方側第1検出手段25L及び他方側第1検出手段25Rのいずれか一方が所定の時間にわたり乗客を検出していて、かつ、乗客を所定の時間にわたって検出した第1検出手段25と同じ側の踏段11に乗り込んだ乗客の有無を検出する第2検出手段26が乗客を検出していない場合に、踏段11の移動速度を通常の速度よりも遅くする。
【選択図】 図3
Description
本発明の実施形態は、乗客コンベアに関する。
乗客コンベアは、無端状に連結されて循環移動する複数の踏段を備え、踏段上の乗客を一方の乗降口から他方の乗降口まで搬送する。従来の一般的な乗客コンベアでは、踏段の移動速度を原則として毎分30mとする一定の速度で運転されている。近年では、例えば駅舎に設置されている乗客コンベアにおいて、朝夕の通勤ラッシュ時に増大する乗客の輸送能力を高めるために、ラッシュ時の時間帯の運転速度を通常の運転速度よりも高めて、例えば毎分40mとして運転している乗客コンベアも見受けられる。
このように運転速度が高い乗客コンベアは、輸送能力が高くなるため混雑が緩和されるとともに、より早く目的の階床に到着するため、例えば働き盛りの者にとっては好ましい乗客コンベアであると言える。一方で、このような運転速度が高い乗客コンベアは、例えば幼い子供や高齢者等にとっては、乗降口で踏段に乗り込むタイミングを計るのが難しく感じられることがあり、乗降口に設けられている乗降板から踏段に乗り込むのを躊躇したり、乗り込む際に体のバランスを崩して転倒したりするおそれがある。
上述した幼い子供や高齢者等は、運転速度が一般的な毎分30mである乗客コンベアでさえも、バランスを崩して転倒することがないわけではないことを鑑みると、幼い子供や高齢者等が乗客コンベアを利用するときには、運転速度を遅くすることが望まれる。
そのため、幼い子供や高齢者が体のバランスを崩して転倒する事故を防止するための乗客コンベアとして、特許文献1〜特許文献3に開示された乗客コンベアが知られている。
特許文献1には、乗客コンベアの乗降口の付近に運転速度を変更することができる操作盤を設置し、乗客が操作盤を操作することにより、乗客コンベアに乗り込む前に運転速度を通常の運転速度よりも遅く変更することで、スムーズに安全に乗客コンベアに乗ることができる乗客コンベアが開示されている。
特許文献2には、乗客コンベアの乗降口近傍に乗客コンベアに乗り込もうとする乗客の歩行速度を検出する乗客歩行速度検出装置を設け、検出された歩行速度に合わせて乗客コンベアの運転速度を調整し、幼い子供や高齢者などの円滑に乗客コンベアに乗降することができない者がスムーズに安全に乗客コンベアに乗降することができる乗客コンベアが開示されている。
特許文献3には、乗降口に設けられた乗降板上で検出する第一の検出手段と踏段に乗り込んだ乗客の有無を乗降板に近接する踏段上で検出する第二の検出手段を備え、第一の検出手段が所定の時間にわたり乗客を検出していて、かつ、第二の検出手段が乗客を検出していない場合に、踏段の移動速度を通常の速度よりも遅くする乗客コンベアが開示されている。
しかしながら、上記特許文献1に開示されている発明では、操作盤を通じて乗客自身に運転速度の変更を行わせることになるため、仮に誤った操作がされてしまうと、乗客コンベアの故障や思わぬ事故を発生させてしまう可能性が生じる。また、乗客コンベアの乗降口近傍に乗客が操作可能な前記操作盤及び操作盤設置用ポール等を設置する必要があり、乗客コンベアの設置費用の増大は避けられない。
特許文献2に開示されている発明では、乗客の歩行速度を予め検出し、その速度との関係で乗客コンベアの運転速度を調整するとしても、乗客が踏段に乗り込む時に、検出した歩行速度と同じ速度で乗り込むとは限らない。例えば、乗客が乗客コンベアの踏段に乗り込むタイミングを計るために乗降板の上で立ち止まった場合は、踏段に乗り込む時の歩行速度と予め検出された歩行速度との間に齟齬が生じ、具体的には、予め検出された歩行速度よりも遅い速度で踏段に乗り込むことになる。このように、結局踏段に乗り込む時の歩行速度が乗客コンベアの運転速度とは合わないで、乗客が乗り込むときにバランスを崩して転倒する可能性は残っていた。また、乗客歩行速度検出装置は乗客コンベアの乗降口から少し離れたところに設置されるため、乗客コンベアとは別に設置工事を行わなければならず、設置にあたり費用、設置場所等様々な問題が出る。
特許文献3に開示されている発明では、幅方向に二人横に並んで乗り込むことが可能な乗客コンベアであると、片側に乗客コンベアに乗り込めず乗降板上に佇む利用者がいたとしても、もう片側から乗降板上に佇む利用者の横を通って別の利用者がひっきりなしに乗客コンベアに乗り込む場合に、乗降板上に佇む利用者を検出することができない問題がある。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであり、乗客コンベアに乗り込むことを躊躇している者の横を通って別の利用者が乗り込む場合であっても、円滑に乗客コンベアに乗降することができない乗客を検出して、当該乗客が安全に乗客コンベアの踏段に乗りこむことを可能とする乗客コンベアを提供することを目的とする。
実施形態の乗客コンベアは、踏段に乗り込む乗客の有無を乗降口に設けられた乗降板上で検出する第一の検出手段と、踏段に乗り込んだ乗客の有無を踏段上で検出する第二の検出手段と、前記第一の検出手段と前記第二の検出手段とからの情報に基づいて前記乗降板上における乗客の状況を判断する判断手段と、前記判断手段の判断結果に基づいて駆動装置により駆動される前記踏段の移動速度を変更する制御装置と、を備え、前記第一の検出手段は、幅方向一方側を通って踏段に乗り込む乗客の有無を検出する一方側第一の検出手段と、幅方向他方側を通って踏段に乗り込む乗客の有無を検出する他方第一の検出手段とを備え、前記第二の検出手段は、踏段の幅方向一方側に乗り込んだ乗客の有無を検出する一方側第二の検出手段と、踏段の幅方向他方側に乗り込んだ乗客の有無を検出する他方側第二の検出手段とを備え、前記制御装置は、前記一方側第一の検出手段及び前記他方側第一の検出手段のいずれか一方が所定の時間にわたり乗客を検出していて、かつ、乗客を所定の時間にわたって検出した第一の検出手段と同じ側の踏段に乗り込んだ乗客の有無を検出する第二の検出手段が乗客を検出していない場合に、踏段の移動速度を通常の速度よりも遅くする制御を行うものである。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態の乗客コンベアの一例を示す概略構成図である。図1に示すように、乗客コンベア1の主枠2は支持金具2a、2bを介して設置施設に取り付けられ、上階と下階とを掛け渡すように設けられている。この主枠2の上階側端部に設けられた機械室内には、駆動装置3及びこの駆動装置3を制御する乗客コンベア制御装置4が設けられている。この駆動装置3は、電動機5及びこの電動機5と連結する減速装置6や図示しない伝達機構を備え、減速装置6から駆動チェーン7を介して駆動スプロケット8に電動機5の駆動力を伝達することによって駆動スプロケット8が駆動される。主枠2の下階側端部の機械室内には、従動スプロケット9が設けられている。これら駆動スプロケット8と従動スプロケット9との間には、無端状の踏段チェーン10が巻き掛けられており、この踏段チェーン10に多数の踏段11が等間隔で連結されている。
各踏段11は、その前後方向に前輪12及び後輪13を備えている。これら多数の踏段11は、各々の前輪12及び後輪13が主枠2内に設けられた図示しない往路ガイドレール、帰路ガイドレール及び反転ガイドレールからなるガイドレールに案内されることにより、踏段チェーン10の移動に連動して循環走行するようになっている。なお、電動機5の回転方向を切り替えることにより踏段11は一方の乗降口と他方の乗降口との間を上昇移動又は下降移動する。
主枠2上の乗降口に相当する位置には乗降板14a、14bが設けられている。また、主枠2の幅方向両側には欄干15が立設されている。この欄干15の上部には踏段11と同期して走行する手すりベルト16が設けられている。さらに、この欄干15の下部には、踏段11の側面と近接した位置にスカートガード17が設けられている。
図2は、駆動装置3を示したブロック図である。
上述の乗客コンベア制御装置4、減速装置6の他、電動機5を回転させるための主回路として、乗客コンベア1の運転速度を変更するための電力変換器、例えばインバータ装置20を備えている。また、乗客コンベア1を下降運転した場合に発生するエネルギーを電源に回生する電源回生ユニット21を有している。更に、電源22側には高周波対策のためにノイズフィルタ23、リアクトル24を有している。
乗客コンベア制御装置4には、第1検出装置25及び第2検出装置26が接続されている。第1検出装置25は、乗客コンベア1の乗降板14a、14bの上にいる乗客であって、踏段11に乗り込もうとする乗客の有無を検出するためのものである。
また、第2検出装置26は、前記乗降板14a、14bから踏段11に乗り込んだ乗客の有無を検出するために設けられたものである。
これらの検出装置25,26から送られてきた検出信号は、乗客コンベア制御装置4内に設けられている判断手段4aに入力され、この判断手段4aにより乗降板14a、14b上にいる乗客の状況が判断され、この判断結果に基づいて、乗客コンベア制御装置4が接続しているインバータ装置20に対して乗客コンベア運転速度信号を出して運転速度を変更している。また、乗客コンベア制御装置4は、電源回生ユニット21に対しても信号を出して電源回生ユニット21の回生動作を制御している。
次に、乗客コンベア制御装置4内の判断装置4aが第1検出装置25及び第2検出装置26からの情報に基づいて乗降板上の乗客の状況を判断し、その判断結果に基づいて乗客コンベア制御装置4が電動機5を制御する具体的制御の内容を、図3ないし図6に基づいて説明する。
まず、図3、図4を用いて,第1検出装置25及び第2検出装置26について説明する。図3は乗客コンベア1の上階側の乗降口付近を表わした平面図、図4は、図3に示した乗客コンベア1の正面図である。なお、図3で矢印に示すように、乗客は、図面右側から左側に向けて乗客コンベア1に進入するものとする。また、図4では、理解を容易にするために乗客コンベア1の外装及び手前側の欄干よりも奥行き側を示しており、複数の踏段11を連結する踏段チェーン10については記載を省略している。
図3において、踏段11が繰り出される部分には、踏段11の上面の溝とかみ合って足等をすくい上げるコム部18が設けられている。このコム部18に接続して床面上に乗降板14aが設けられている。乗降板14aの下部に設けられた上階側機械室には、乗客コンベア制御装置4や電動機5等が納められている。
また、本実施形態においては、乗降板14a上であって、前記コム部18から欄干15の先端部近傍にわたる領域に第1検出装置25が設けられている。この第1検出装置25は、検出範囲が乗客コンベア1の幅方向に二分割されており、乗降板14aの幅方向中央より一方側(例えば、左側)を通って踏段11に乗り込む乗客の有無を検出する一方側第1検出装置25Lと、降板14aの幅方向中央より一方側(例えば、右側)を通って踏段11に乗り込む乗客の有無を検出する他方側第1検出装置25Rとから構成されている。
第1検出装置25を構成する一方側第1検出装置25L及び他方側第1検出装置25Rとしては、乗客の自重による変位又は圧力変化により乗客の有無を検出するものを用いることができ、例えば、自動ドア等に使用されているマットスイッチや圧電センサを好適に使用することができる。これらのマットスイッチや圧電センサは、乗降板14aの上に載せるだけで使用することができるため、簡便でありコストもあまりかからない。コム部18に噛み合う踏段11に近接した位置に乗降板14aの幅方向一方側と他方側にそれぞれ別個に検出装置を設けることで、乗降板14aの幅方向一方側を通って踏段11に乗り込む乗客と、乗降板14aの幅方向他方側を通って踏段11に乗り込む乗客とを別個に検出することができる。
なお、本実施形態では、第1検出装置25として、マットスイッチまたは圧電センサを用いた場合について説明するが、図6及び図7に示すように、左右のスカートガード17のインレット部31近傍に反射型の光電センサであってもよい。
左右の欄干15の下部に設けられている一対のスカートガード17には、第2検出装置26が等間隔に複数個配設されている。この第2検出装置26は、第1検出装置25と同様、検出範囲が乗客コンベア1の幅方向に二分割されており、踏段11の幅方向一方側に乗り込んだ乗客の有無を検出する一方側第2検出装置26Lと、踏段11の幅方向他方側に乗り込んだ乗客の有無を検出する他方側第2検出装置26Rとを備える。
第2検出装置26を構成する一方側第2検出装置26L及び他方側第2検出装置26Rとしては、例えば、受光素子と投光素子とを備える反射型の光電センサを好適に使用することができ、例えば、左右のスカートガード17にそれぞれ反射型の光電センサを設けることで、踏段11の幅方向一方側に乗り込んだ乗客と、踏段11の幅方向他方側に乗り込んだ乗客とを別個に検出することができる。なお、本実施形態では、左右一方のスカートガード17に4個の一方側第2検出装置26L1、26L2、26L3、26L4を設け、他方のスカートガード17に4個の他方側第2検出装置26R1、26R2、26R3、26R4を設けている。左右それぞれに複数の第2検出装置26を設けることで乗客の有無のみならず、乗降板14aから踏段11に乗り込む乗客の一連の状況をより確実に把握することができる。更に、左右のスカートガード17にそれぞれ複数個の第2検出装置を配設する場合において、各第2検出装置26の間隔は、例えば、隣接する各踏段11の前輪と前輪との間隔にと同じにすることで、各踏段11上における乗客の有無を判断することができる。
次に、本実施形態における乗客コンベア1の制御について制御装置4が電動機5を制御する流れを示す図5に基づいて説明する。
まず、ステップS1において、乗客コンベア制御装置4からインバータ装置20に対して、通常の一定速度(規定速度)、例えば、毎分30mの速度で運転するように乗客コンベア運転速度信号を出力する。この信号に基づいてインバータ装置20は、当該信号に応じた周波数、電圧を電動機5に供給し、電動機5は乗客コンベア1の踏段11を毎分30mの速さで駆動する。
次いで、ステップS2において、判断装置4aは、一方側第1検出装置25L又は他方側第1検出装置25Rから検出信号が送られているか否かに基づいて乗降板14a上の幅方向一方側又は他方側に乗客が所定時間(例えば、3秒間)継続して存在しているか否か判断する。乗客が所定時間継続して存在していると判断装置4aが判断すると(ステップS2のYes)ステップS3へ進み、所定時間継続して存在していなと判断装置4aが判断すると(ステップS2のNO)、ステップS1に戻って乗客コンベア1はそのまま毎分30mの一定速度で運転される。
次いで、ステップS3において、判断装置4aは、ステップS2で乗客を検出した第1検出装置25と同じ側の第2検出装置26から検出信号が送られているか否かに基づいて、乗降板14aを通って踏段11に乗り込んだ乗客が存在するか否か判断する。踏段11に乗り込んだ乗客が存在すると判断装置4aが判断すると(ステップS3のYes)ステップS4へ進み、踏段11に乗り込んだ乗客が存在しない、あるいは、少なくとも乗降板14aに近接する最初の2段の踏段11には乗客が存在しないと判断装置4aが判断すると(ステップS3のNO)、ステップS7に進む。
ステップS4では、乗客が乗降板14a上に存在し、しかも乗降板14aに続く踏段11上にも乗客が存在しているという状態、つまり、乗客が踏段11に乗り込もうとしても既に踏段11上には乗客がいるため、つかえて踏段11に乗り込むことができずに乗降板14a上にあふれていると判断できる。本実施形態では、左右4対の第二の検出装置26を設けており、各第二の検出装置26全てにおいて乗客の存在を検出した場合は、乗降板14a及び踏段11に乗り込んで最初の4段全てに乗客がいるような混雑ぶりであるという状況だと判断できる。
そこで、ステップS4では、乗客コンベア制御装置4がインバータ装置20へ乗客コンベア1の運転速度を、例えば、毎分40mとする運転速度変更信号を送信し、踏段11の移動速度を規定速度よりも高速に変更する。これにより乗降板14a上にあふれた乗客を速やかに乗客コンベア1に搭乗させることができる
そして、踏段11の移動速度を高速に変更した後、ステップS5において、一方側第1検出装置25L及び他方側第1検出装置25Rから検出信号が送られているか否かに基づいて、乗降板14a上の幅方向一方側及び他方側に乗客が存在するか否か判断する。乗降板14a上の幅方向一方側及び他方側の少なくとも一方に乗客が存在する、つまり、乗降板14aに乗客が存在すると判断装置4aが判断すると(ステップS5のYes)、ステップS4に戻って毎分40mで運転されている運転速度をこのまま維持する。また、乗降板14a上の幅方向一方側及び他方側にいずれも乗客が存在しない、つまり、乗降板14aに乗客が一人も存在しないと判断装置4aが判断すると(ステップS5のNo)、ステップS6に進んで、乗客コンベア制御装置4はインバータ装置20へ乗客コンベア1の運転速度を毎分30mに戻す運転速度変更信号を送し、踏段11の移動速度を規定速度に変更する。
そして、踏段11の移動速度を高速に変更した後、ステップS5において、一方側第1検出装置25L及び他方側第1検出装置25Rから検出信号が送られているか否かに基づいて、乗降板14a上の幅方向一方側及び他方側に乗客が存在するか否か判断する。乗降板14a上の幅方向一方側及び他方側の少なくとも一方に乗客が存在する、つまり、乗降板14aに乗客が存在すると判断装置4aが判断すると(ステップS5のYes)、ステップS4に戻って毎分40mで運転されている運転速度をこのまま維持する。また、乗降板14a上の幅方向一方側及び他方側にいずれも乗客が存在しない、つまり、乗降板14aに乗客が一人も存在しないと判断装置4aが判断すると(ステップS5のNo)、ステップS6に進んで、乗客コンベア制御装置4はインバータ装置20へ乗客コンベア1の運転速度を毎分30mに戻す運転速度変更信号を送し、踏段11の移動速度を規定速度に変更する。
一方、ステップS7では、乗降板14a上の幅方向一方側及び他方側のいずれか片側に乗客が存在しているが、同じ側の踏段11上に乗客が存在しない、あるいは、少なくとも乗降板14aに近接する最初の2段の同じ側の踏段11には乗客が存在しない状態、つまり、踏段11に乗り込もうとしている乗客が乗降板14a上の片側に存在するが、乗客コンベア1の運転速度とのタイミングが合わず、踏段11の片側は空いているにもかかわらず、乗降板14aに続く踏段11に乗り込めずにいるという状況であると判断できる。
そこで、ステップS7では、乗客コンベア制御装置4がインバータ装置20へ乗客コンベア1の運転速度を、例えば、毎分20mとする運転速度変更信号を送信し、踏段11の移動速度を規定速度よりも低速に変更する。これにより乗降板14a上にあふれた乗客を速やかに乗客コンベア1に搭乗させることができる。これにより乗降板14a上で踏段11に乗り込むことを躊躇していた乗客も乗り込むタイミングを掴みやすくなる。なお、ここでは毎分20mとの運転速度と仮定しているが、規定速度よりも遅い速度であれば、特にここで示している運転速度に限られるものではない。
そして、踏段11の移動速度を低速に変更した後、ステップS8において、判断装置4aは、ステップS2で乗客を検出した第1検出装置25と同じ側の第1検出装置25から所定時間(例えば、3秒間)継続して検出信号が送られているか否か、つまり、乗降板14a上で踏段11に乗り込むことを躊躇していた乗客が、踏段11の移動速度を低速化した後、踏段11に乗り込んだか否か判断する。第1検出装置25から所定時間継続して検出信号が送られており、踏段の移動速度を低速化しても、まだ乗客が乗降板12a上に佇んでおり踏段11に乗り込むことを躊躇していると判断装置4aが判断すると(ステップS8のYes)、ステップS9に進んで、乗客コンベア制御装置4がインバータ装置20へ乗客コンベア1の運転速度を、例えば、毎分10mとする運転速度変更信号を送信し、踏段11の移動速度を更に低速に変更する。また、第1検出装置25から所定時間継続して検出信号が送信されず、躊躇していた乗客が踏段11に乗り込んだと判断装置4aが判断すると(ステップS8のNo)、ステップS10に進んで、乗客コンベア制御装置4はインバータ装置20へ乗客コンベア1の運転速度を毎分30mに戻す運転速度変更信号を送し、踏段11の移動速度を規定速度に変更する。これにより乗降板14a上で踏段11に乗り込むことを躊躇していた乗客は乗り込むタイミングをいっそう容易に掴みやすくなる。
なお、本実施形態では、乗客コンベア1に乗り込めない乗客がいる場合に、通常の運転速度から2段階に分けて運転速度を遅くするとしたが、この態様に限られず、判断装置4aにおける判断基準を調整することで運転速度を自在に変化させることができる。
以上のような本実施形態の乗客コンベア1であると、乗客コンベアに乗り込むことを躊躇している者の横を通って別の利用者が乗り込む場合であっても、円滑に乗客コンベアに乗降することができない乗客を検出して、踏段11の移動速度を低速化することができ、当該乗客を安全に踏段11に搭乗させることができる。
なお、本実施形態において、踏段11の移動速度を変更する際に踏段11に搭乗する乗客に対して音声により踏段11の移動速度が変更されることを注意喚起する放送を実施してもよい。これにより、踏段11の移動速度が変更されることが事前に乗客に伝わるので、速度変更に伴う事故を未然に防ぐことができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
4…乗客コンベア制御装置、4a…判断装置(判断手段)、5…電動機、6…減速装置、20…インバータ装置、21…電源回生ユニット、22…電源、23…ノイズフィルタ、24…リアクトル、25…第1検出装置、25L…一方側第1検出装置、25R…他方側第1検出装置、26…第2検出装置、26L…一方側第2検出装置、26R…他方側第2検出装置
Claims (2)
- 踏段に乗り込む乗客の有無を乗降口に設けられた乗降板上で検出する第1検出手段と、踏段に乗り込んだ乗客の有無を踏段上で検出する第2検出手段と、前記第1検出手段と前記第2検出手段とからの情報に基づいて前記乗降板上における乗客の状況を判断する判断手段と、前記判断手段の判断結果に基づいて駆動装置により駆動される前記踏段の移動速度を変更する制御装置と、を備え、
前記第1検出手段は、幅方向一方側を通って踏段に乗り込む乗客の有無を検出する一方側第1検出手段と、幅方向他方側を通って踏段に乗り込む乗客の有無を検出する他方側第1検出手段とを備え、
前記第2検出手段は、踏段の幅方向一方側に乗り込んだ乗客の有無を検出する一方側第2検出手段と、踏段の幅方向他方側に乗り込んだ乗客の有無を検出する他方側第2検出手段とを備え、
前記制御装置は、前記一方側第1検出手段及び前記他方側第1検出手段のいずれか一方が所定の時間にわたり乗客を検出していて、かつ、乗客を所定の時間にわたって検出した第1検出手段と同じ側の踏段に乗り込んだ乗客の有無を検出する第2検出手段が乗客を検出していない場合に、踏段の移動速度を通常の速度よりも遅くする制御を行うことを特徴とする乗客コンベア。 - 前記制御装置は、踏段の移動速度を通常の速度よりも遅くする制御を行った後、更に乗客を所定の時間にわたって検出した第1検出手段と同じ側の前記第1検出手段が所定の時間にわたり乗客を検出していて、かつ、同じ側の前記第2検出手段が乗客を検出していない場合に、踏段の移動速度を更に遅くする制御を行うことを特徴とする請求項1記載の乗客コンベア。
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