JP6321126B1 - 乗客コンベア - Google Patents
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Abstract
【課題】1個のセンサで停止状態から低速速度への運転、低速速度から定格速度への通常運転へ切り換えを行うことができる乗客コンベアを提供する【解決手段】エリアセンサ70を欄干36の乗り込み口に設け、エリアセンサ70は、第1検出範囲内に乗客を検出したときに、検出距離を含む検出信号を制御部50に出力し、制御部50は、検出信号が入力すると踏段30を停止状態から低速速度まで加速し、検出信号に含まれる検出距離が設定距離より短くなると、乗客が第2検出範囲内に侵入したとして低速速度から定格速度まで加速する。【選択図】 図2
Description
本発明の実施形態は、乗客コンベアに関するものである。
エスカレータや動く歩道などの乗客コンベアにおいては、乗客が乗っていない場合には踏段を停止させて省エネルギー化を図っている。そして、乗客を検出した場合には、踏段を停止状態から予め定めた低速速度まで上昇させ、その後に定格速度に上昇させて通常運転を行う。
上記のような乗客コンベアにおいて、従来は乗客を検出する2個のセンサを設け、第1のセンサが乗客を検出した場合には停止状態から低速速度で運転させ、第2のセンサが乗客を検出した場合には低速速度から定格速度に上昇させて通常運転を行う。そのため、2個のセンサを取り付ける必要があり、コストが上昇すると共に構造が複雑になるという問題点があった。
そこで本発明の実施形態は、上記問題点に鑑み、1個のセンサで停止状態から低速速度への運転、低速速度から定格速度への通常運転へ切り換えを行うことができる乗客コンベアを提供することを目的とする。
本発明の実施形態は、前後方向に走行する踏段と、前記踏段の左右両側に設けられた欄干と、左右一対の少なくともどちらか一方の前記欄干の乗り込み口に設けられたエリアセンサと、前記欄干の前記乗り込み口に載置された乗降板と、前記踏段を駆動させる駆動装置と、前記駆動装置を用いて前記踏段の走行速度を制御する制御部と、を有し、左右一対の前記エリアセンサの第1検出範囲が、左右一対の前記欄干の間の左右方向と、前記欄干から前記乗降板に向かっての前後方向とから形成される長方形の範囲に設定され、前記エリアセンサは、前記第1検出範囲内に乗客を検出したときに、前記エリアセンサから前記乗客までの検出距離を含む検出信号を前記制御部に出力し、左右一対の前記エリアセンサのそれぞれの第2検出範囲が、当該エリアセンサからの前記検出信号に含まれる検出距離が予め設定した設定距離より短くなるように、前記第1検出範囲内で、かつ、当該エリアセンサを中心とした扇形で設定され、前記制御部は、前記検出信号が入力すると前記踏段を停止状態から定格速度より遅い低速速度まで加速し、前記各エリアセンサの前記第2検出範囲が重なった長方形の合成第2検出範囲内から前記乗客の位置を特定するものであり、左右方向のx軸と前後方向のy軸の2軸からなるxy直交座標系において一方の前記エリアセンサの座標位置が(0,0)、他方の前記エリアセンサの座標位置が(L,0)、左右一対の前記欄干の間の距離をLと設定し、一方の前記エリアセンサから前記乗客までの検出距離をR1、他方の前記エリアセンサから前記乗客までの検出距離をR2とすると、前記乗客の座標位置A(x0、y0)は、
x0=(R1^2−R2^2+L^2)/2L
y0=R1^2−{(R1^2−R2^2+L^2)^2}/4*L^2
となり、前記乗客の座標位置が前記合成第2検出範囲内に侵入すると前記低速速度から前記定格速度まで加速する、乗客コンベアである。
x0=(R1^2−R2^2+L^2)/2L
y0=R1^2−{(R1^2−R2^2+L^2)^2}/4*L^2
となり、前記乗客の座標位置が前記合成第2検出範囲内に侵入すると前記低速速度から前記定格速度まで加速する、乗客コンベアである。
以下、本発明の一実施形態のエスカレータ10を、図面を参照して説明する。
実施形態1のエスカレータ10を、図1〜図2を参照して説明する。
(1)エスカレータ10
エスカレータ10の構造について、図1に基づいて説明する。図1はエスカレータ10を側面から見た説明図である。
エスカレータ10の構造について、図1に基づいて説明する。図1はエスカレータ10を側面から見た説明図である。
エスカレータ10の枠組みであるトラス12が、建屋1の上階と下階に跨がって支持アングル2,3を用いて支持されている。
トラス12の上端部にある上階側の機械室14内部には、踏段30を走行させる駆動装置18、左右一対の駆動スプロケット24,24、左右一対の手摺りベルトスプロケット27,27が設けられている。駆動装置18は、誘導電動機(インダクションモータ)よりなるモータ20と、減速機と、この減速機の出力軸に取り付けられた出力スプロケットと、この出力スプロケットにより駆動する駆動チェーン22と、モータ20の回転を停止させ、かつ、停止状態を保持するディスクブレーキとを有している。この駆動チェーン22により駆動スプロケット24が回転する。左右一対の駆動スプロケット24,24と左右一対の手摺りベルトスプロケット27,27とは、不図示の連結ベルトにより連結されて同期して回転する。また、上階側の機械室14内部には、モータ20やディスクブレーキなどを制御する制御部50が設けられている。
トラス12の下端部にある下階側の機械室16内部には、従動スプロケット26が設けられている。上階側の駆動スプロケット24と下階側の従動スプロケット26との間には、左右一対の無端の踏段チェーン28,28が掛け渡されている。すなわち、左右一対の踏段チェーン28,28には、複数の踏段30の車輪301が等間隔で取り付けられている。踏段30の車輪301はトラス12に固定された不図示の案内レールに沿って走行すると共に、駆動スプロケット24の外周部にある凹部と従動スプロケット26の外周部にある凹部に係合して、踏段30が上下に反転する。また、車輪302はトラス12に固定された案内レール25を走行する。
トラス12の左右両側には、左右一対のスカートガード44,44と左右一対の欄干36,36が立設されている。欄干36の上部に手摺りレール39が設けられ、この手摺りレール39に沿って手摺りベルト38が移動する。欄干36の上階側の正面下部には上階側の正面スカートガード40が設けられ、下階側の正面下部には下階側の正面スカートガード42が設けられ、正面スカートガード40,42から手摺りベルト38の出入口であるインレット部46,48がそれぞれ突出している。スカートガード44は、欄干36の側面下部に設けられ、左右一対のスカートガード44,44の間を踏段30が走行する。上下階のスカートガード44の内側面には、操作盤52,56、スピーカ54,58がそれぞれ設けられている。
手摺りベルト38は、上階側のインレット部46から正面スカートガード40内に侵入し、案内ローラ群64を介して手摺り駆動スプロケット27に掛け渡され、その後、案内ローラ群66を介してスカートガード44内を移動し、下階側のインレット部48から正面スカートガード42外に表れる。そして、手摺りベルト38は、手摺り駆動スプロケット27が主駆動スプロケット24と共に回転することにより踏段30と同期して移動する。また、回転する手摺り駆動スプロケット27に、走行する手摺りベルト38を押圧するための押圧部材68を有する。
上階側の機械室14の天井面にある乗降口には、上階側の乗降板32が水平に設けられ、下階側の機械室16の天井面にある乗降口には、下階側の乗降板34が水平に設けられている。乗降板32の先端には櫛歯状のコム60が設けられ、このコム60から踏段30が進出、又は、進入する。また、乗降板34にも櫛歯状のコム62が設けられている。
(2)エリアセンサ70の検出範囲
エスカレータ10の欄干36の上階側と下階側の乗降口には、エリアセンサ70が設けられている。このエリアセンサ70の検出範囲について図2を参照して説明する。なお、以下の説明では、踏段30が下降し、上階側が乗り込み口になっているとして上階側のエリアセンサ70について説明する。
エスカレータ10の欄干36の上階側と下階側の乗降口には、エリアセンサ70が設けられている。このエリアセンサ70の検出範囲について図2を参照して説明する。なお、以下の説明では、踏段30が下降し、上階側が乗り込み口になっているとして上階側のエリアセンサ70について説明する。
左右一対の欄干36の中の一つの欄干36の下部にあるスカートガード44の乗降口付近の側面には、エリアセンサ70が設けられている。このエリアセンサ70は、光電センサを複数並べて構成されたものであり、二次元(面状)で物体(乗客)を検出できる。
制御部50は、エリアセンサ70を用いて水平に設定された第1検出範囲と第2検出範囲で乗客を検出する。
第1検出範囲は、左右一対の欄干36,36の間の左右方向と、欄干36から乗降板32に向かっての前後方向とから形成される長方形に設定され、かつ、乗降板32上に設定されている範囲であり、エリアセンサ70の性能で決まる範囲である。エリアセンサ70は、第1検出範囲に乗客が侵入すると、侵入した乗客までの距離を検出できるようになる。そして、エリアセンサ70は、乗客が第1検出範囲に侵入すると、制御部50にその乗客までの検出距離を含んだ検出信号を出力する。
第2検出範囲は、図2に示すように、エリアセンサ70が設けられている位置を中心として扇形に拡がる。但し、この第2検出範囲は、第1検出範囲内に設定される。この第2検出範囲は、エリアセンサ70の性能で決まるものでなく制御部50で設定されている範囲である。エリアセンサ70から入力した検出距離が、制御部50で予め設定されている設定距離より短くなると、制御部50は、扇形の第2検出範囲に乗客が侵入したと判断する。
また、踏段30が上昇し、下階側が乗り込み口になっている場合には、下階側のエリアセンサ70について、上階側のエリアセンサ70と同様の検出範囲が設定されている。
(3)エスカレータ10の制御方法
次に、制御部50が、エスカレータ10を制御する方法について説明する。
次に、制御部50が、エスカレータ10を制御する方法について説明する。
制御部50は、乗客が存在する場合には、定格速度(例えば、30m/分)で踏段30を走行させる通常運転を行っている。
次に、制御部50は、上階側のエリアセンサ70によって乗客を所定時間(例えば、5分)検出しない場合には、通常運転から踏段30を停止させる停止状態に移行する。
次に、エリアセンサ70が、第1検出範囲内に乗客を検出した場合には、制御装置50に検出距離を含む検出信号を出力する。
次に、制御部50は、検出信号が入力すると、踏段30を停止状態から低速速度(例えば、10m/分)で走行させる。
次に、制御部50は、エリアセンサ70から出力された検出信号に含まれる検出距離が設定距離(例えば、50cm)より短くなると、第2検出範囲内に乗客が侵入したと判断する。
次に、制御部50は、乗客が第2検出範囲内に侵入したため、エスカレータ10に乗るものとして、低速速度から定格速度に加速し、通常運転を開始する。
また、エリアセンサ70から検出信号が制御部50に入力し、その後に所定時間(例えば、1分)までに第2検出範囲内に乗客が侵入しない場合には、踏段30を再び停止させる。
(4)効果
本実施形態によれば、1個のエリアセンサ70で乗客までの距離を検出し、乗客が第1検出範囲に侵入した場合には停止状態から低速速度に加速し、第2検出範囲に侵入した場合には低速速度から定格速度に加速させる。そのため、従来のように2個のセンサを設ける必要がなく、コストダウンを図ることができ、その構造も簡単となる。
本実施形態によれば、1個のエリアセンサ70で乗客までの距離を検出し、乗客が第1検出範囲に侵入した場合には停止状態から低速速度に加速し、第2検出範囲に侵入した場合には低速速度から定格速度に加速させる。そのため、従来のように2個のセンサを設ける必要がなく、コストダウンを図ることができ、その構造も簡単となる。
次に、実施形態2のエスカレータ10について図3を参照して説明する。
従来、第1のセンサと第2のセンサの2種類を設ける場合であっても、第1のセンサを左右一対の欄干36のそれぞれに設け、第2のセンサを左右一対の欄干36のそれぞれに設け、合計4個を設ける場合がある。
本実施形態ではこのような左右一対のセンサを設ける場合であっても、1種類のセンサで停止状態から低速速度への運転、低速速度から定格速度への加速を行い通常運転を行うことができる実施形態について説明する。
本実施形態と実施形態1との異なる点は、エリアセンサ70が、図3に示すように、左右一対の欄干36,36のスカートガード44の側面にそれぞれ相対向するように設けられている点にある。
本実施形態の左右一対のエリアセンサ70,70の第1検出範囲は、実施形態1と同様に左右一対の欄干36,36の間の左右方向と、欄干36から乗降板32に向かっての前後方向とから形成される長方形の範囲である。
しかし、第2検出範囲は、実施形態1のような扇形でなく、左右一対のエリアセンサ70,70の扇形の検出範囲が重なった合成第2検出範囲となり、その範囲は扇形でなく、図3に示すように2個の扇形の重なる範囲中の長方形の範囲である。
合成第2検出範囲には、左右方向のx軸と前後方向のy軸の2軸からなるxy直交座標系が設定されている。この直交座業系における、左側のエリアセンサ70の座標位置(0,0)、右側のエリアセンサ70の座標位置(L,0)が予め設定されている。但し、Lは、左右一対の欄干36,36の間の距離である。そして、左側のエリアセンサ70から乗客までの検出距離をR1、右側のエリアセンサ70から乗客までの検出距離をR2とする。そして、乗客の座標位置をA(x0、y0)とすると、
R1^2=x0^2+y0^2 ・・・(1)
R2^2=(l−x0)^2+y0^2 ・・・(2)
(1)式と(2)式をx0について解くと
x0=(R1^2−R2^2+L^2)/2L ・・・(3)
y0=R1^2−{(R1^2−R2^2+L^2)^2}/4*L^2
・・・(4)
となる。制御部50は、左右一対のエリアセンサ70,70が検出した乗客の検出距離R1、R2から乗客の座標位置A(x0、y0)を(3)式と(4)式を用いて特定する。通常、乗客は前後方向(y軸)に沿って移動するため、踏段30に乗るまでの乗客の位置を、精度をよく特定でき、制御部50は、予め設定した座標範囲内に乗客が侵入すると低速速度から定格速度への加速を行い通常運転を行う。
R1^2=x0^2+y0^2 ・・・(1)
R2^2=(l−x0)^2+y0^2 ・・・(2)
(1)式と(2)式をx0について解くと
x0=(R1^2−R2^2+L^2)/2L ・・・(3)
y0=R1^2−{(R1^2−R2^2+L^2)^2}/4*L^2
・・・(4)
となる。制御部50は、左右一対のエリアセンサ70,70が検出した乗客の検出距離R1、R2から乗客の座標位置A(x0、y0)を(3)式と(4)式を用いて特定する。通常、乗客は前後方向(y軸)に沿って移動するため、踏段30に乗るまでの乗客の位置を、精度をよく特定でき、制御部50は、予め設定した座標範囲内に乗客が侵入すると低速速度から定格速度への加速を行い通常運転を行う。
上記実施形態では、エスカレータ10に適用して説明したが、これに代えて動く歩道に適用してもよい。
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10・・・エスカレータ、30・・・踏段、32・・・乗降板、44・・・スカートガード、50・・・制御部、70・・・エリアセンサ
Claims (5)
- 前後方向に走行する踏段と、
前記踏段の左右両側に設けられた欄干と、
左右一対の前記欄干の乗り込み口に設けられた左右一対のエリアセンサと、
前記欄干の前記乗り込み口に載置された乗降板と、
前記踏段を駆動させる駆動装置と、
前記駆動装置を用いて前記踏段の走行速度を制御する制御部と、
を有し、
左右一対の前記エリアセンサの第1検出範囲が、左右一対の前記欄干の間の左右方向と、前記欄干から前記乗降板に向かっての前後方向とから形成される長方形の範囲に設定され、
前記エリアセンサは、前記第1検出範囲内に乗客を検出したときに、前記エリアセンサから前記乗客までの検出距離を含む検出信号を前記制御部に出力し、
左右一対の前記エリアセンサのそれぞれの第2検出範囲が、当該エリアセンサからの前記検出信号に含まれる検出距離が予め設定した設定距離より短くなるように、前記第1検出範囲内で、かつ、当該エリアセンサを中心とした扇形で設定され、
前記制御部は、
前記検出信号が入力すると前記踏段を停止状態から定格速度より遅い低速速度まで加速し、
前記各エリアセンサの前記第2検出範囲が重なった長方形の合成第2検出範囲内から前記乗客の位置を特定するものであり、左右方向のx軸と前後方向のy軸の2軸からなるxy直交座標系において一方の前記エリアセンサの座標位置が(0,0)、他方の前記エリアセンサの座標位置が(L,0)、左右一対の前記欄干の間の距離をLと設定し、一方の前記エリアセンサから前記乗客までの検出距離をR1、他方の前記エリアセンサから前記乗客までの検出距離をR2とすると、前記乗客の座標位置A(x0、y0)は、
x0=(R1^2−R2^2+L^2)/2L
y0=R1^2−{(R1^2−R2^2+L^2)^2}/4*L^2
となり、前記乗客の座標位置が前記合成第2検出範囲内に侵入すると前記低速速度から前記定格速度まで加速する、
乗客コンベア。 - (旧請求項5)
左右一対の前記エリアセンサが、前記欄干の下部にあるスカートガードの両側面に設けられている、
請求項1に記載の乗客コンベア。 - (旧請求項8)
前記第1検出範囲は、前記乗降板上に設定されている、
請求項1に記載の乗客コンベア。 - (旧請求項9)
前記エリアセンサの前記第1検出範囲及び前記第2検出範囲は、水平に設定されている、
請求項1に記載の乗客コンベア。 - (旧請求項10)
前記乗客コンベアは、エスカレータ、又は、動く歩道である、
請求項1に記載の乗客コンベア。
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