JP2015145963A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像を転写体に転写する転写部の中で、転写体の周回方向において最も下流側の転写部によって転写された画像の記録媒体に対する転写欠陥を抑制することができる画像形成装置を得る。【解決手段】特別色(V)のトナー画像を形成しない場合に、特別色(V)の一次転写ロール33Vから感光体ドラム21Vに向けて電流が流れるようになっている。この構成により、転写ベルト31の周回方向において、最も下流側に配置されるブラック(K)の一次転写ロール33Vによって転写されるトナー画像のシート部材Pに対する転写欠陥が抑制される(転写効率が低下するのが抑制される)。【選択図】図4

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
特許文献1に記載の画像形成装置では、転写体の周回方向において最も上流側に配置された第3像担持体上に特殊トナーによるトナー像を形成して転写体に転写しない場合であっても、第3転写部材への転写バイアスの印加をおこなう特殊バイアス印加モードが選択できるようになっている。
特開2012−247470号公報
本発明の課題は、画像を転写体に転写する転写部の中で、転写体の周回方向において最も下流側の転写部によって転写された画像の記録媒体に対する転写欠陥を抑制することである。
請求項1に係る画像形成装置は、無端状で、周回しながら画像が転写される転写体と、画像を転写電流によって前記転写体の表面に転写すると共に、前記転写体の周回方向における最も下流側の最下流転写部を含む複数の転写部と、前記転写体に転写された画像を転写電流によって記録媒体に転写する媒体転写部と、を備え、前記最下流転写部を除く少なくとも一つの前記転写部によって画像が前記転写体に転写され、前記最下流転写部で画像が前記転写体に転写されない場合にも、前記最下流転写部に電流が流れることを特徴とする。
請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記最下流転写部で画像が前記転写体に転写されない場合に前記最下流転写部を流れる電流は、前記転写電流に比して小さいことを特徴とする。
請求項3に係る画像形成装置は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、装置内の湿度が予め定められた閾値以上で、かつ、装置内の温度が予め定められた閾値以上の場合に、装置内の湿度が閾値未満又は装置内の温度が閾値未満の場合に比して、前記最下流転写部で画像が前記転写体に転写されない場合の前記最下流転写部を流れる電流が大きいことを特徴とする。
請求項4に係る画像形成装置は、請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置において、前記最下流転写部の隣りに配置される前記転写体に転写される画像の画像情報を入手する入手部を備え、装置内の湿度が予め定められた閾値以上で、装置内の温度が予め定められた閾値以上で、かつ、前記入手部が入手した画像情報に前記転写体の幅方向に延びる線画像が含まれる場合に、装置内の湿度が予め定められた閾値以上で、装置内の温度が予め定められた閾値以上で、かつ、前記入手部が入手した画像情報に線画像が含まれない場合に比して、前記最下流転写部で画像が前記転写体に転写されない場合の前記最下流転写部を流れる電流が大きいことを特徴とする。
請求項1の画像形成装置によれば、最下流転写部で画像が前記転写体に転写されない場合に、電流が最下流転写部を流れない場合に比して、画像を転写体に転写する転写部の中で、転写体の周回方向において最も下流側の転写部によって転写された画像の記録媒体に対する転写欠陥を抑制することができる。
請求項2の画像形成装置によれば、最下流転写部で画像が転写体に転写されない場合に、最下流転写部を流れる電流と、転写電流とが同一の場合に比して、転写体の表面に転写された画像を構成するトナーの帯電極性が変化してしまうのを抑制することができる。
請求項3の画像形成装置によれば、最下流転写部で画像が転写体に転写されない場合に、最下流転写部を流れる電流が常に一定である場合に比して、装置内の湿度及び温度が閾値以上となった場合に、画像を転写体に転写する転写部の中で、転写体の周回方向において最も下流側の転写部によって転写された画像の記録媒体に対する転写欠陥を抑制することができる。
請求項4の画像形成装置によれば、最下流転写部で画像が転写体に転写されない場合に、最下流転写部を流れる電流が常に一定である場合に比して、画像を転写体に転写する転写部の中で、転写体の周回方向において最も下流側の転写部によって転写された画像に含まれる線画像が記録媒体に転写される際に、線の飛びちりを抑制することができる。
(A)(B)本発明の第1実施形態に係る画像形成装置と、比較形態に係る画像形成装置との転写効率をグラフで示した図面である。 (A)(B)本発明の第1実施形態に係る画像形成装置と、比較形態に係る画像形成装置との画像形成部を示した概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に用いられた画像形成ユニットを示した構成図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の画像形成部を示した構成図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置を示した概略構成図である。 本発明の第2実施形態に係る画像形成装置において、特別色の一次転写ロールと感光体ドラムとの間に流す電流がグラフで示された図面である。 本発明の第2実施形態に係る画像形成装置を示した概略構成図である。 本発明の第3実施形態に係る画像形成装置において、特別色の一次転写ロールと感光体ドラムとの間に流す電流がグラフで示された図面である。 (A)(B)(C)本発明の第3実施形態に係る画像形成装置の作用を説明するのに用いた図面であって、シート部材上の線画像を示した図面である。
≪第1実施形態≫
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の一例を図1〜図5に従って説明する。なお、各図に示す矢印Hは鉛直方向であって装置上下方向を示し、矢印Wは、水平方向であって装置幅方向を示す。
<画像形成装置の全体構成>
図5は、画像形成装置10を正面側から見た全体構成を示す概略図である。この図に示される如く、画像形成装置10は、電子写真方式により記録媒体としてのシート部材Pに画像を形成する画像形成部12と、シート部材Pを搬送する媒体搬送装置50と、画像が形成されたシート部材Pに対する後処理等を行う後処理部60と、を含んで構成されている。
さらに、画像形成装置10は、前述の各部及び後述の電源部80の制御を行う制御部70、及び制御部70を含む上記各部に電力を供給する電源部80を含んで構成されている。
また、画像形成部12は、トナー画像を形成するトナー画像形成部20と、トナー画像形成部20で形成されたトナー画像をシート部材Pに転写する転写装置30と、シート部材Pに転写されたトナー画像をシート部材Pに定着する定着装置40と、を含んで構成されている。
媒体搬送装置50は、画像形成部12にシート部材Pを供給する媒体供給部52と、トナー画像が形成されたシート部材Pを排出する媒体排出部54と、を含んで構成されている。また、媒体搬送装置50は、シート部材Pの両面に画像を形成させる際に用いられる媒体戻し部56と、後述する中間搬送部58と、を含んで構成されている。
後処理部60は、画像形成部12でトナー画像が転写されたシート部材Pを冷却する媒体冷却部62と、シート部材Pの湾曲を矯正する矯正装置64と、シート部材Pに形成された画像を検査する画像検査部66と、を含んで構成されている。後処理部60を構成する各部は、媒体搬送装置50の媒体排出部54中に配置されている。
画像形成装置10は、媒体搬送装置50の媒体排出部54を構成する排出媒体受け部541を除き、各部が筐体90内に収容されている。この実施形態における筐体90は、装置幅方向に隣り合う第1筐体91及び第2筐体92より成る2分割構造とされている。これにより、画像形成装置10の搬送単位が装置幅方向に小型化されている。
第1筐体91には、後述する定着装置40を除く画像形成部12の主要部と、媒体供給部52とが収容されている。第2筐体92には、画像形成部12を構成する定着装置40と、排出媒体受け部541を除く媒体排出部54と、媒体冷却部62と、画像検査部66と、媒体戻し部56と、制御部70と、電源部80とが収容されている。第1筐体91と第2筐体92とは、一例として図示しないボルト・ナット等の締結手段によって結合されている。この結合状態で第1筐体91と第2筐体92との間には、画像形成部12の後述する転写ニップNTから定着ニップNFへのシート部材Pの連絡開口部90C1、及び媒体戻し部56から媒体供給部52へのシート部材Pの連絡路90C2が形成されている。
(画像形成部)
画像形成部12は、前述の通りトナー画像形成部20と、転写装置30と、定着装置40と、を含んで構成されている。トナー画像形成部20は、色ごとにトナー画像を形成するように複数備えられている。この実施形態では、特別色(V)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の計5色のトナー画像形成部20が設けられている。図5に示す(V)、(Y)、(M)、(C)、(K)は、上記各色を示している。転写装置30は、5色分のトナー画像が重畳して一次転写された転写ベルト31から、転写ニップNTにおいてシート部材Pに5色分のトナー画像を転写するようになっている(詳細は後述)。
なお、本実施形態では、一例として、特別色(V)は、他の色に比して頻繁に使用されるユーザ特有のコーポレート色である。
〔トナー画像形成部〕
各色のトナー画像形成部20は、用いるトナーを除き基本的に同様に構成されている。したがって、以下、各色の画像形成ユニット14について、特に区別することなく説明する。トナー画像形成部20の画像形成ユニット14は、図3に示されるように、像保持体の一例である感光体ドラム21と、帯電器22と、露光装置23と、現像器の一例である現像装置24と、清掃装置25と、除電装置26とを含んで構成されている。
[感光体ドラム]
感光体ドラム21は、円筒状に形成されて接地され、図示しない駆動手段によって自軸周りに回転駆動されるようになっている。感光体ドラム21の表面には、一例として負の帯電極性を呈する感光層が形成されている。図5に示される如く、各色の感光体ドラム21は、正面視で装置幅方向に沿って直線状に並べて配置されている。
[帯電器]
帯電器22は、図3に示されるように、感光体ドラム21の表面(感光層)を負極性に帯電させるようになっている。この実施形態では、帯電器22は、コロナ放電方式(非接触帯電方式)のスコロトロン帯電器とされている。
[露光装置]
露光装置23は、感光体ドラム21の表面に静電潜像を形成するようになっている。具体的には、制御部70を構成する画像信号処理部71(図5参照)から受け取った画像データに応じて、変調した露光光Lを帯電器22により帯電された感光体ドラム21の表面に照射するようになっている。この露光装置23による露光光Lの照射によって、感光体ドラム21の表面には静電潜像が形成される。
[現像装置]
現像装置24は、トナーとキャリアを含む現像剤Gで感光体ドラム21の表面に形成された静電潜像をトナー画像として現像することで、感光体ドラム21の表面にトナー画像を形成するようになっている。そして、現像装置24は、トナーを保持するトナーカートリッジ27からトナーが供給されるようになっている。
[清掃装置]
清掃装置25は、転写装置30へのトナー画像の転写後に感光体ドラム21の表面に残留したトナーを感光体ドラム21の表面から掻き取るブレード状とされている。
[除電装置]
除電装置26は、転写後の感光体ドラム21に光を照射して除電を行う。これにより、感光体ドラム21の表面の帯電履歴がキャンセルされるようになっている。
〔転写装置〕
転写装置30は、各色の感光体ドラム21のトナー画像を転写体の一例としての転写ベルト31に重畳して一次転写し、該重畳されたトナー画像をシート部材Pに二次転写するようになっている。以下、具体的に説明する。
[転写ベルト]
転写ベルト31は、図4に示されるように、無端状を成し、複数のロール32に巻き掛けられて姿勢が決められている。この実施形態では、転写ベルト31は、正面視で装置幅方向に長い逆鈍角三角形状の姿勢とされている。複数のロール32のうち、図4に示すロール32Dは、図示しないモータの動力により転写ベルト31を矢印A方向に周回させる駆動ロールとして機能する。
また、複数のロール32のうち、図4に示すロール32Tは、転写ベルト31に張力を付与する張力付与ロールとして機能する。複数のロール32のうち、図4に示すロール32Bは、接地され、後述する二次転写ロール34の対向ロールとして機能する。ロール32Bには、前述の通り逆さ鈍角三角形状の姿勢とされた転写ベルト31の鈍角を成す下端側の頂部が巻き掛けられている。この転写ベルト31は、前述した姿勢で装置幅方向に延びる上辺部において、各色の感光体ドラム21に下方から接触している。
[一次転写ロール]
この転写ベルト31の内側には、各感光体ドラム21のトナー画像を転写ベルト31に転写させる一次転写ロール33が配置されている。各一次転写ロール33は、転写ベルト31を挟んで対応する色の感光体ドラム21に対して対向配置されている。また、一次転写ロール33は、トナー極性とは逆極性の転写バイアスが図示せぬ給電部から印加されるようになっている。この転写バイアスの印加により、一次転写ロール33から感光体ドラム21に向けて転写電流が流れることで、感光体ドラム21に形成されたトナー画像が転写ベルト31に転写されるようになっている。
具体的には、夫々の一次転写ロール33に電圧を印加する図示せぬ給電部材が夫々備えられ、この給電部材によって一次転写ロール33に転写バイアスが印加されることで、一次転写ロール33から感光体ドラム21に向けて転写電流が流れるようになっている。この転写電流によって、感光体ドラム21に形成される負極性に帯電したトナーで構成されたトナー画像が、転写ベルト31に転写されるようになっている。
以上説明したように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー画像を転写電流によって転写ベルト31の表面に転写する一次転写ロール33Y、33M、33C、33Kは、転写部の一例とされている。
さらに、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)とは異なる特別色(V)の画像を転写電流によって転写ベルトの表面に転写する一次転写ロール33Vは、最下流転写部、及び転写部の一例とされている。
[二次転写ロール]
また、転写装置30は、転写ベルト31に重畳されたトナー画像をシート部材Pに転写する媒体転写部の一例としての二次転写ロール34を備えている。二次転写ロール34は、ロール32Bとの間に転写ベルト31を挟むように配置され、転写ベルト31との間に転写ニップNTを形成している。この転写ニップNTには、媒体供給部52から適時にシート部材Pが供給されるようになっている。二次転写ロール34は、図示しない給電部によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアスが印加されるようになっている。この転写バイアスの印加により、二次転写ロール34からロール32Bに向けて転写電流が流れることで、転写ニップNTを通過するシート部材Pに、転写ベルト31上のトナー画像が転写されるようになっている。
[清掃装置]
さらに、転写装置30は、二次転写後に転写ベルト31を清掃する清掃装置35を備えている。清掃装置35は、転写ベルト31の周回方向において、二次転写が行われる部分(転写ニップNT)の下流側で、かつ一次転写が行われる部分の上流側に配置されている。清掃装置35は、転写ベルト31の表面に残留したトナーを転写ベルト31の表面から掻き取るブレード351を備えている。
また、清掃装置35の隣りには、転写ベルト31を除電する図示せぬ除電装置が配置されている。
〔定着装置〕
定着装置40は、転写装置30においてトナー画像が転写されたシート部材Pに、該トナー画像を定着させるようになっている。この実施形態では、定着装置40は、複数のロール413に巻き掛けられた定着ベルト411と加圧ロール42とで形成される定着ニップNFにおいてトナー画像を加熱しつつ加圧することで、トナー画像をシート部材Pに定着する構成とされている。なお、ロール413Hは、内部に例えばヒータを備えると共に図示せぬモータから伝達される駆動力により回転する加熱ロールとされている。これにより、定着ベルト411が矢印R方向に周回するようになっている。
また、加圧ロール42も図示せぬモータから伝達される駆動力により、定着ベルト411の周速度と同様の周速度で回転するようになっている。
(媒体搬送装置)
図5に示されるように、媒体搬送装置50は、媒体供給部52と、媒体排出部54と、媒体戻し部56と、中間搬送部58と、を含んで構成されている。
〔媒体供給部〕
媒体供給部52は、シート部材Pが積載して収容される収容器521を備えている。この実施形態では、収容器521は、転写装置30に対して下方で装置幅方向に沿って2つ並べて配置されている。
各収容器521から二次転写位置である転写ニップNTまでには、複数の搬送ロール対522及び図示しないガイド等によって媒体供給経路52Pが形成されている。媒体供給経路52Pは、2箇所の折返部52P1、52P2において装置幅方向に折り返されて上昇しつつ転写ニップNTに至る形状(略「S」字状)を成している。
そして、各収容器521の上側には、収容器521に積載された最上位のシート部材Pを送り出す送出ロール523が配置されている。複数の搬送ロール対522のうち、シート部材Pの搬送方向の最上流側の搬送ロール対522Sは、送出ロール523によって収容器521から重なって送り出されたシート部材Pを一枚ずつに分離する分離ロールとして機能する。また、複数の搬送ロール対522のうち、シート部材Pの搬送方向において転写ニップNTの直上流に位置する搬送ロール対522Rは、転写ベルト31上のトナー画像の移動タイミングとシート部材Pの搬送タイミングを合わせるように動作されるようになっている。
また、媒体供給部52は、予備搬送経路52Prを備えている。予備搬送経路52Prは、第1筐体91の第2筐体92側とは反対側の開口部91Wから発し、媒体供給経路52Pの折返部52P2に合流している。予備搬送経路52Prは、第1筐体91の開口部91W側に隣接して配置されるオプションの記録媒体供給装置(図示省略)から送り出されたシート部材Pを画像形成部12に送り込む際の搬送経路とされている。
〔中間搬送部〕
図4に示されるように、中間搬送部58は、転写装置30の転写ニップNTから定着装置40の定着ニップNFまでの間に配置され、ロールに巻き掛けられた無端状の搬送ベルトを備えたベルト搬送部材581を複数備えている。
ベルト搬送部材581の内側から空気を吸引(負圧吸引)してシート部材Pを搬送ベルトの表面に吸い付けながら搬送ベルトが周回してシート部材Pを搬送するようになっている。
〔媒体排出部〕
図5に示されるように、媒体排出部54は、画像形成部12の定着装置40でトナー画像が定着されたシート部材Pを、第2筐体92における第1筐体91側とは反対側の端部に形成された排出口92Wから筐体90の外部に排出するようになっている。
媒体排出部54は、排出口92Wから排出されたシート部材Pを受ける排出媒体受け部541を備えている。
この媒体排出部54は、定着装置40(定着ニップNF)から排出口92Wまでにシート部材Pを搬送する媒体排出経路54Pを有する。媒体排出経路54Pは、ベルト搬送部材543、複数のロール対542、及び図示しないガイド等によって形成されている。そして、複数のロール対542のうち、シート部材Pの排出方向の最下流に配置されたロール対542Eは、シート部材Pを排出媒体受け部541上に排出する排出ロールとして機能する。
〔媒体戻し部〕
媒体戻し部56は、複数のロール対561を備えている。複数のロール対561は、両面に画像を形成する要求がある場合に、画像検査部66を通過したシート部材Pが送り込まれる反転経路56Pを形成している。反転経路56Pは、分岐パス56P1と、搬送パス56P2と、反転パス56P3とを有する。分岐パス56P1は、媒体排出経路54Pから分岐されている。搬送パス56P2は、分岐パス56P1から受け取ったシート部材Pを媒体供給経路52Pに送り込むようになっている。反転パス56P3は、搬送パス56P2の途中に設けられ、搬送パス56P2を搬送されるシート部材Pの搬送方向を逆向きに折り返すことで(スイッチバック搬送させて)表裏を反転させるようになっている。
(後処理部)
後処理部60を構成する媒体冷却部62、矯正装置64、及び画像検査部66は、媒体排出部54の媒体排出経路54P上において分岐パス56P1の分岐部分に対するシート部材Pの排出方向の上流側に、排出方向の上流側からこの順で配置されている。
〔媒体冷却部〕
媒体冷却部62は、シート部材Pの熱を吸収する吸熱装置621と、シート部材Pを吸熱装置621に押し付ける押付装置622とを備えている。吸熱装置621は、媒体排出経路54Pに対する上側に配置され、押付装置622は、媒体排出経路54Pに対する下側に配置されている。
吸熱装置621は、無端状の吸熱ベルト6211と、吸熱ベルト6211を支持する複数のロール6212と、吸熱ベルト6211内に配置されたヒートシンク6213と、ヒートシンク6213を冷却するためのファン6214とを含んで構成されている。
吸熱ベルト6211は、外周面においてシート部材Pと熱交換可能に接触する。複数のロール6212のうち、ロール6212Dは、吸熱ベルト6211に駆動力を伝達する駆動ロールとして機能する。ヒートシンク6213は、媒体排出経路54Pに沿った定められた範囲で吸熱ベルト6211の内周面に摺動可能に面接触されている。
押付装置622は、無端状の押付ベルト6221と、押付ベルト6221を支持する複数のロール6222とを備えている。押付ベルト6221は、複数のロール6222に巻き掛けられている。押付装置622は、シート部材Pを吸熱ベルト6211(ヒートシンク6213)へ押し付けながら、吸熱ベルト6211とでシート部材Pを搬送するようになっている。
〔矯正装置〕
媒体排出部54における媒体冷却部62の下流側には、矯正装置64が設けられている。矯正装置64は、媒体冷却部62から受け取ったシート部材Pの湾曲(カール)を矯正するようになっている。
〔画像検査部〕
媒体排出部54における矯正装置64の下流側には、画像検査部66の主要部を成すインラインセンサ661が配置されている。インラインセンサ661は、シート部材Pに照射しシート部材Pから反射された光に基づいて、定着されたトナー画像のトナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等の有無や程度を検出するようになっている。
<画像形成装置の画像形成動作(作用)>
次に、画像形成装置10によるシート部材Pへの画像形成工程、及び、その後処理工程の概要を説明する。
図5に示されるように、画像形成指令を受けた制御部70は、トナー画像形成部20、転写装置30、定着装置40を作動させる。これにより、図4に示されるように、各色の画像形成ユニット14の感光体ドラム21、現像装置24の現像ロール242が回転され、転写ベルト31が周回される。また、加圧ロール42が回転されると共に、定着ベルト411が周回される。さらに、これらの動作に同期して、制御部70は、媒体搬送装置50等を作動させる。
これにより、各色の感光体ドラム21は、回転されながら帯電器22によって帯電される。また、制御部70は、画像信号処理部71で画像処理が施される画像データを、各露光装置23に送る。各露光装置23は、画像データに応じて各露光光Lを出射して、帯電した各感光体ドラム21に露光する。すると、各感光体ドラム21の表面に静電潜像が形成される。各感光体ドラム21に形成された静電潜像は、現像装置24から供給される現像剤によって現像される。これにより、各色の感光体ドラム21には、特別色(V)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のうち、対応する色のトナー画像が形成される。
各色の感光体ドラム21に形成された各色のトナー画像は、各色の一次転写ロール33を通じた転写バイアスの印加によって、周回する転写ベルト31に順次転写される。これにより、転写ベルト31には、5色分のトナー画像が重畳された重畳トナー画像が形成される。この重畳トナー画像は、転写ベルト31の周回によって転写ニップNTに搬送される。
この転写ニップNTには、図5に示されるように、媒体供給部52の搬送ロール対522Rによって重畳トナー画像の搬送にタイミングを合わせてシート部材Pが供給される。この転写ニップNTにおいて転写バイアスが印加されることで、転写ベルト31から重畳トナー画像がシート部材Pに転写される。
トナー画像が転写されたシート部材Pは、中間搬送部58によって転写装置30の転写ニップNTから定着装置40の定着ニップNFに向けて搬送される。定着装置40は、定着ニップNFを通過するシート部材Pに熱及び圧力を付与する。これにより、シート部材Pに転写されたトナー画像が定着される。
定着装置40から排出されたシート部材Pは、媒体排出部54によって装置外の排出媒体受け部541に向けて搬送されつつ、後処理部60により処理が施される。定着工程により加熱されたシート部材Pは、先ず媒体冷却部62において冷却される。次いで、シート部材Pは、矯正装置64によって湾曲が矯正される。さらに、シート部材Pに定着されたトナー画像は、画像検査部66によって、トナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等の有無や程度が検出される。そして、シート部材Pは、媒体排出部54に排出される。
一方、シート部材Pの画像が形成されていない非画像面に画像を形成させる場合(両面印刷の場合)、制御部70は、画像検査部66の通過後のシート部材Pの搬送経路を、媒体排出部54の媒体排出経路54Pから媒体戻し部56の分岐パス56P1に切り替える。これによりシート部材Pは、反転経路56Pを経由して表裏反転されて媒体供給経路52Pに送り込まれる。このシート部材Pの裏面には、前述した表面への画像形成工程と同様の工程で画像が形成(定着)される。このシート部材Pは、前述した表面への画像成形後の処理工程と同様の工程を経て、媒体排出部54によって装置外の排出媒体受け部541に排出される。
<要部構成>
次に、特別色(V)の画像形成ユニット14Vが配置される位置、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)(以下単に「普通色」と記載することがある)の各画像形成ユニット14が配置される位置、及び感光体ドラム21に形成されたトナー画像を転写ベルト31に転写する際の制御部70による制御等について説明する。
(画像形成ユニットの配置)
転写ベルト31の周回方向において、特別色(V)の画像形成ユニット14Vは、図4に示されるように、普通色の全ての画像形成ユニット14に対して下流側で、転写ニップNTに対して上流側に配置されている。さらに、普通色の各画像形成ユニット14については、転写ベルト31の周回方向において、画像形成ユニット14Y、14M、14C、14Kの順番に配置されている。
つまり、普通色の画像形成ユニット14の中では、転写ベルト31の周回方向において、ブラック(K)の画像形成ユニット14Kが、最も下流側に配置されている。そして、転写ベルト31の周回方向において、特別色(V)の画像形成ユニット14Vは、ブラック(K)の画像形成ユニット14Kの下流側に配置されている。
同様に、一次転写ロール33についても、転写ベルト31の周回方向において、上流側からイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、特別色(V)の順番に配置されている。
(制御部)
制御部70は、特別色(V)のトナー画像を形成せず、特別色(V)のトナー画像を転写ベルト31に転写しない場合にも、図示せぬ給電部材を制御して、一次転写ロール33Vに電圧(本実施形態では正極の電圧)を印加し、一次転写ロール33Vから感光体ドラム21Vに向かう電流を流すようになっている。
一次転写ロール33Vから感光体ドラム21Vに向かう電流(一次転写ロール33Vを流れる電流)は、普通色で形成されたトナー画像を転写ベルト31に転写する場合に、普通色の各一次転写ロール33から各感光体ドラム21に向かう転写電流に比して小さくされている。本実施形態では、普通色の各一次転写ロール33から各感光体ドラム21に向かう転写電流は、一例として、45〔μA〕とされている。これに対して、特別色(V)のトナー画像を転写ベルト31に転写しない場合に、一次転写ロール33Vから感光体ドラム21Vに向かう電流は、一例として、27〔μA〕とされている。
<要部構成の作用>
特別色(V)を用いず、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)によってトナー画像を形成する場合について説明する。
イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)によってトナー画像を形成する場合に、普通色の各画像形成ユニット14の感光体ドラム21に形成された静電潜像は、現像装置24から供給される現像剤によって現像される。これにより、普通色の各感光体ドラム21には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー画像が夫々形成される(図4参照)。
普通色の各感光体ドラム21に形成された各トナー画像は、各一次転写ロール33から各感光体ドラム21に向かう転写電流によって周回する転写ベルト31に順次転写される。これにより、転写ベルト31には、4色分のトナー画像が重畳された重畳トナー画像が形成される。
この重畳トナー画像は、周回する転写ベルト31によって搬送され、特別色(V)の感光体ドラム21Vと一次転写ロール33Vとの間を通過する。そして、特別色(V)の感光体ドラム21Vと一次転写ロール33Vとの間を通過する際に、一次転写ロール33Vから感光体ドラム21Vに向かう電流が、重畳トナー画像を流れる。
ここで、転写ベルト31上に転写されたイエロー(Y)のトナー画像が、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、及び特別色(V)の感光体ドラム21と一次転写ロール33との間を通過することで、各一次転写ロール33から各感光体ドラム21に向かう電流が、イエロー(Y)のトナー画像に流れる。これにより、イエロー(Y)のトナー画像を構成するトナーの帯電量が、感光体ドラム21と一次転写ロール33との間を通過する前と比して、増加する。
同様に、マゼンタ(M)及びシアン(C)のトナー画像についても、転写ベルト31の周回方向の下流側の感光体ドラム21と一次転写ロール33との間を通過することで、マゼンタ(M)、及びシアン(C)のトナー画像を構成するトナーの帯電量が増加する。
さらに、普通色の中では、転写ベルト31の周回方向において、最も下流側に配置されるブラック(K)の一次転写ロール33Kによって転写ベルト31に転写されるブラック(K)のトナー画像についても、転写ベルト31の周回方向の下流側の特別色(V)の感光体ドラム21Vと一次転写ロール33Vとの間を通過する。これにより、一次転写ロール33Vから感光体ドラム21Vに向かう電流が、ブラック(K)のトナー画像に流れる。そして、ブラック(K)のトナー画像を構成するトナーの帯電量が増加する。
このように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)のトナー画像を構成するトナーの帯電量が夫々増加する。
そして、構成するトナーの帯電量が増加した重畳トナー画像は、転写ベルト31の周回によって転写ニップNTに搬送される。この転写ニップNTにおいて、転写ベルト31上の重畳トナー画像は、二次転写ロール34からロール32Bに向かう転写電流によって搬送されるシート部材Pに転写される。
<本実施形態と比較形態との比較>
次に、本実施形態と、特別色(V)のトナー画像を形成しない際には、特別色(V)の感光体ドラム21Vと一次転写ロール33Vとの間を通過する場合に、転写ベルト31上の普通色で構成されるトナー画像に電流が流れない比較形態とについて説明する。
図2(B)には、比較形態に係る各一次転写ロール33、及び転写ベルト31等が示され、 図2(A)には、本実施形態に係る各一次転写ロール33、及び転写ベルト31等が示されている。
比較形態では、図2(B)に示されるように、特別色(V)を用いず、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)によってトナー画像を形成する場合に、特別色(V)の一次転写ロール33Vが、図示せぬ接離手段によって、転写ベルト31から離間されている。そして、一次転写ロール33Vには、図示せぬ給電部材から電圧が印加されないようになっている。
このため、ブラック(K)の一次転写ロール33Kによって転写ベルト31に転写されるトナー画像には、一次転写ロール33Vから感光体ドラム21Vに向かう電流が流れない。これにより、ブラック(K)のトナー画像を構成するトナーの帯電量が増加しない。そして、ブラック(K)のトナー画像を構成するトナーの帯電量が増加しない状態で、重畳トナー画像は、二次転写ロール34からロール32Bに向かう転写電流によってシート部材Pに転写される。
一方、本実施形態では、図2(A)に示されるように、特別色(V)を用いず、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)によってトナー画像を形成する場合に、特別色(V)の一次転写ロール33Vが転写ベルト31と接触している。そして、前述したように、一次転写ロール33Vから感光体ドラム21Vに向かう電流が流れるため、転写ベルト31上のブラック(K)のトナー画像が特別色(V)の感光体ドラム21Vと一次転写ロール33Vとの間を通過する際に、ブラック(K)のトナー画像を構成するトナーの帯電量が増加する。そして、ブラック(K)のトナー画像を構成するトナーの帯電量が増加した状態で、二次転写ロール34からロール32Bに向かう転写電流によって重畳トナー画像は、シート部材Pに転写される。
ここで、比較形態の構成を用いて各色のトナー画像を転写ベルト31又はシート部材Pへ転写する転写効率と、本実施形態の構成を用いて各色のトナー画像を転写ベルト31又はシート部材Pへ転写する転写効率と、を評価した評価結果について、図1(A)、(B)を用いて説明する。
なお、以下に説明する一次転写効率(%)については、下記式(1)により算出され、総合転写効率については、下記式(2)により算出される。
一次転写効率(%)=100×(転写後(通過後)の転写ベルト上のトナー質量)/(転写前の感光体ドラム上のトナー質量)・・・・・式(1)
総合転写効率(%)=100×(シート部材Pに転写されたトナー質量)/(転写前の感光体ドラム上のトナー質量)・・・・・式(2)
トナー質量については、例えば、トナーを粘着テープ等に付着させ、このトナーが付着した粘着テープの質量を測定することで得られる。
図1(A)には、本実施形態の構成を用いた場合の転写効率がグラフで示され、図1(B)には、比較形態の構成を用いた場合の転写効率がグラフで示されている。各グラブに示す縦軸は、転写効率を示し、各グラフに示す横軸は転写位置を示している。
各グラフの横軸に示す転写位置については、グラフ中の左側から順番に、イエロー(Y)のトナー画像が転写ベルト31に転写される位置、同様にマゼンタ(M)のトナー画像が転写ベルト31に転写される位置、シアン(C)のトナー画像が転写ベルト31に転写される位置、ブラック(K)のトナー画像が転写ベルト31に転写される位置である。また、図1(A)のグラフの横軸において、ブラック(K)の右側のVは、特別色(V)の一次転写ロール33Vが転写ベルト31と接触する位置を示している。
さらに、図1(A)(B)の各グラフの横軸の右端のNTは、転写ベルト31上の重畳トナー画像がシート部材Pに転写される位置である。以下単に、各グラフの横軸については、グラフ中の左側からY位置、M位置、C位置、K位置、(V位置、)NT位置と記載することがある。なお、比較形態の構成では、特別色(V)の一次転写ロール33Vは、転写ベルト31から離間しているため、図1(B)の比較形態の構成を示すグラフの横軸には、V位置が示されていない。
そして、Y位置に示す転写効率については、イエロー(Y)のトナー画像が転写ベルト31に転写される一次転写効率を示す。また、転写ベルト31上のイエロー(Y)のトナー画像が、M位置、C位置、K位置、(V位置)を通過することで、極性が変化してしまったトナー等が夫々の感光体ドラム21に静電吸着されてしまう。これにより、グラフ中の折れ線に示されるように、転写ベルト31上のイエロー(Y)のトナー画像の一次転写効率が、M位置、C位置、K位置、(V位置)を通過することで、低下してしまうことが分かる。
さらに、NT位置に示す転写効率については、イエロー(Y)のトナー画像がシート部材Pに転写される総合転写効率を示す。転写ベルト31上のイエロー(Y)のトナー画像を構成するトナーが、NT位置でシート部材Pに転写されずに一部が転写ベルト31に残存してしまう。これにより、グラフ中の折れ線に示されるように、イエロー(Y)のトナー画像の総合転写効率が、NT位置で低下してしまうことが分かる。
マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー画像についても、グラフ中の折れ線に示されるように、イエロー(Y)のトナー画像と同様に一次転写効率、及び総合転写効率が低下することが分かる。
(比較形態)
比較形態では、図1(B)に示すグラフから分かるように、ブラック(K)のトナー画像の総合転写効率は、他の色のトナー画像の総合転写効率に比して低くなっている。これは、転写ベルト31上に転写されたブラック(K)のトナー画像は、転写ベルト31の周回方向において最も下流側で転写ベルト31に転写されるため、他の普通色の一次転写ロール33から感光体ドラム21へ向かう電流が流れない。これにより、ブラック(K)のトナー画像を構成するトナーの帯電量が増加することがない。このため、ブラック(K)のトナー画像の総合転写効率は、他の普通色のトナー画像の総合転写効率より低くなる。
(本実施形態)
一方、図1(A)(B)に示すグラフから分かるように、本実施形態のブラック(K)のトナー画像の総合転写効率は、比較形態のブラック(K)のトナー画像の総合転写効率より高い。また、本実施形態では、図1(A)に示すグラフから分かるように、ブラック(K)のトナー画像の総合転写効率は、イエロー(Y)のトナー画像、及びマゼンタ(M)のトナー画像の総合転写効率より高い。これは、転写ベルト31上に転写されたブラック(K)のトナー画像には、特別色(V)の一次転写ロール33Vから感光体ドラム21Vへ向かう電流が流れる。これにより、ブラック(K)のトナー画像を構成するトナーの帯電量が増加するためである。
また、本実施形態では、前述したように、特別色(V)の一次転写ロール33Vから感光体ドラム21Vに向かう電流は、普通色の各一次転写ロール33から各感光体ドラム21に向かう転写電流に比して、小さくされている。このため、V位置を通過することで、極性が変化してしまったトナー等が感光体ドラム21Vに静電吸着されるのが抑制される。これにより、転写ベルト31上の普通色のトナー画像の一次転写効率が、V位置を通過することで、低下してしまうことが抑制される。換言すれば、V位置を通過することによる一次転写効率の低下率は、他の位置を通過することによる一次転写効率の低下率より少なくなる。
<要部構成のまとめ>
本実施形態では、特別色(V)のトナー画像を形成しない場合に、特別色(V)の一次転写ロール33Vから感光体ドラム21Vに向けて電流が流れるようになっている。この構成により、以上の評価結果からも分かるように、転写ベルト31の周回方向において、最も下流側に配置されるブラック(K)の一次転写ロール33Vによって転写されるトナー画像のシート部材Pに対する転写欠陥が抑制される(転写効率(総合転写効率)が低下するのが抑制される)。
また、一次転写ロール33Vから感光体ドラム21Vに向かう電流は、普通色で形成されたトナー画像を転写ベルト31に転写する場合に、普通色の各一次転写ロール33から各感光体ドラム21に向かう転写電流に比して小さくされている。このため、一次転写ロール33Vを通過することで、極性が変化してしまったトナー等が感光体ドラム21Vに静電吸着されるのが抑制される。これによっても、転写ベルト31の周回方向において、最も下流側に配置されるブラック(K)の一次転写ロール33Vによって転写されるトナー画像のシート部材Pに対する転写欠陥が抑制される(転写効率(総合転写効率)が低下するのが抑制される)。
≪第2実施形態≫
次に、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の一例について図6、図7に従って説明する。なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
本第2実施形態の画像形成装置100は、図7に示されるように、第1筐体91内(装置内)の湿度を検出する湿度検出部76、及び第1筐体91内の温度を検出する温度検出部78を備えている。
そして、制御部102は、湿度検出部76による検出湿度、及び温度検出部78による検出温度に基づいて、特別色(V)のトナー画像を形成しない場合の一次転写ロール33Vから感光体ドラム21Vに向かう電流を変えるようになっている。
具体的には、制御部102は、検出湿度が予め定められた閾値(例えば85〔%RH〕)以上で、かつ、検出温度が予め定められた閾値(例えば28〔℃〕)以上の場合に、検出湿度が閾値未満又は検出温度が閾値未満の場合に比して、一次転写ロール33Vから感光体ドラム21Vに向かう電流を大きくするようになっている。
図6のグラフには、特別色(V)のトナー画像を形成しない場合の一次転写ロール33Vから感光体ドラム21Vに向かう電流の一例が示されている。このグラフの横軸は、温度及び湿度とされ、縦軸は電流(電流値)とされている。
一例として、検出湿度又は検出温度が閾値未満の場合は、一次転写ロール33Vから感光体ドラム21Vに向かう電流は、27〔μA〕とされ、検出湿度及び検出温度が閾値以上の場合は、一次転写ロール33Vから感光体ドラム21Vに向かう電流は、36〔μA〕とされる。なお、普通色の各一次転写ロール33から各感光体ドラム21に向かう転写電流は、第1実施形態と同様に45〔μA〕とされる。
ここで、トナーは、現像装置24内で、キャリアと擦れることで、負極性に帯電(摩擦帯電)するようになっている。このため、第1筐体91内の湿度及び温度が高い場合は、第1筐体91内の湿度又は温度が低い場合に比して、トナーの帯電量が低くなる。
しかし、前述したように、制御部102は、検出湿度が予め定められた閾値以上で、かつ、検出温度が予め定められた閾値以上の場合に、検出湿度が閾値未満又は検出温度が閾値未満の場合に比して、一次転写ロール33Vから感光体ドラム21Vに向かう電流を大きくする。これにより、検出湿度及び検出温度が閾値以上の場合は、転写ベルト31上に転写されているブラック(K)のトナー画像を構成するトナーの帯電量が、一次転写ロール33Vから感光体ドラム21Vに向かう電流を大きくしない場合と比して、増加する。
このため、転写ベルト31の周回方向において、最も下流側に配置されるブラック(K)の一次転写ロール33Vによって転写ベルト31に転写されたトナー画像のシート部材Pに対する転写欠陥が抑制される(転写効率が低下するのが抑制される)。なお、第2実施形態の他の作用については、第1実施形態と同様である。
≪第3実施形態≫
次に、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置の一例について図8、図9に従って説明する。なお、第2実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略し、第2実施形態と異なる部分を主に説明する。
本第3実施形態の制御部104は、湿度検出部76、及び温度検出部78の検出結果、並びに出力される画像に基づいて、特別色(V)のトナー画像を形成しない場合の一次転写ロール33Vから感光体ドラム21Vに向かう電流を変えるようになっている。
具体的には、湿度検出部76、及び温度検出部78によって検出された検出湿度、及び検出温度が予め定められた閾値以上となった場合に、制御部104(入手部の一例)は、画像信号処理部71で画像処理が施されるブラック(K)の画像データに線画像が含まれるか否かを判別する。
そして、制御部104は、ブラック(K)の画像データに線画像が含まれる場合に、ブラック(K)の画像データに線画像が含まれない場合に比して、一次転写ロール33Vから感光体ドラム21Vに向かう電流を大きくするようになっている。一例として、制御部104は、図8に示すグラフのように、ブラック(K)の画像データに線画像が含まれない場合に電流を36〔μA〕とし、ブラック(K)の画像データに線画像が含まれる場合に電流を40〔μA〕とする。なお、線画像とは、幅(太さ)0.5〜1.5〔mm〕で長さ50〔mm〕以上の線である。
ここで、ブラック(K)の画像データに線画像が含まれる場合に、トナーの帯電量が小さいと、トナーの帯電量が大きい場合に比して、シート部材Pにトナー画像が転写される場合に線画像の一部が飛び散り易くなる(Kライン飛び散り)。
図9(A)、(B)、(C)には、装置内の湿度が85〔%RH〕以上で、かつ、装置内の温度が28〔℃〕以上の場合に、トナーの帯電量を変えて、ブラック(K)の線画像をシート部材Pに転写した画像が示されている。線画像としては、シート幅方向に延びる幅(太さ)0.25〔mm〕の直線が、3.5〔mm〕ピッチで形成されるものを用いた。
図9(A)、(B)、(C)の順は、トナーの帯電量が大きい順番である。つまり、図9(A)は、トナーの帯電量が最も大きい場合の画像で、図9(C)は、トナーの帯電量が最も小さい場合の画像である。
図9(A)、(B)、(C)の線画像に示されるように、トナーの帯電量が大きい程、トナーの帯電量が少ない場合に比して、線画像の一部(線)の飛び散りが抑制されることが分かる。
前述したように、制御部104は、ブラック(K)の画像データに線画像が含まれる場合に、ブラック(K)の画像データに線画像が含まれない場合に比して、一次転写ロール33Vから感光体ドラム21Vに向かう電流を大きくする。これにより、ブラック(K)のトナーの帯電量が増加するので、線画像の一部(線)の飛び散りが抑制される。なお、第3実施形態の他の作用については、第2実施形態と同様である。
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、転写部として、一次転写ロール33Y、33M、33C、33K、33Vが備えられる場合を例にとって説明したが、転写部として、一次転写ロール33Y、33M、33C、33Kだけが備えられてもよい。
この構成においても、最も下流側に配置される転写部(例えばY)で画像が転写ベルト31に転写されない場合にも、下流側に配置される転写部に電流を流すようにする。これにより、最も下流側に配置される転写部の隣りの転写部(例えばM)によって転写ベルト31に転写された画像のシート部材Pに対する転写欠陥が抑制される(転写効率が低下するのが抑制される)。
また、上記実施形態では、特別色(V)が、他の色に比して頻繁に使用されるユーザ特有のコーポレート色であったが、特別色(V)が、画像に金属光沢を付加するための扁平な金属顔料を含むトナーが用いられる銀色等であってもよい。
また、上記実施形態では、普通色の一次転写ロール33の中では、転写ベルト31の周回方向において、ブラック(K)の一次転写ロール33Kが、最も下流側に配置された。しかし、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、又はシアン(C)が、最も下流側に配置されてもよい。この場合には、最も下流側に配置された一次転写ロール33によって形成された画像のシート部材Pに対する転写欠陥が抑制される(転写効率が低下するのが抑制される)。
また、上記第1実施形態では、トナーとキャリアを含む二成分の現像剤Gを例にとって説明したが、一成分の現像剤Gであってもよい。
10 画像形成装置
31 転写ベルト(転写体の一例)
33V 一次転写ロール(最下流転写部の一例)
33Y 一次転写ロール(転写部の一例)
33M 一次転写ロール(転写部の一例)
33C 一次転写ロール(転写部の一例)
33K 一次転写ロール(転写部の一例)
34 二次転写ロール(媒体転写部の一例)
76 湿度検出部
78 温度検出部
100 画像形成装置
104 制御部(入手部の一例)

Claims (4)

  1. 無端状で、周回しながら画像が転写される転写体と、
    画像を転写電流によって前記転写体の表面に転写すると共に、前記転写体の周回方向における最も下流側の最下流転写部を含む複数の転写部と、
    前記転写体に転写された画像を転写電流によって記録媒体に転写する媒体転写部と、を備え、
    前記最下流転写部を除く少なくとも一つの前記転写部によって画像が前記転写体に転写され、前記最下流転写部で画像が前記転写体に転写されない場合にも、前記最下流転写部に電流が流れる画像形成装置。
  2. 前記最下流転写部で画像が前記転写体に転写されない場合に前記最下流転写部を流れる電流は、前記転写電流に比して小さい請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 装置内の湿度が予め定められた閾値以上で、かつ、装置内の温度が予め定められた閾値以上の場合に、装置内の湿度が閾値未満又は装置内の温度が閾値未満の場合に比して、前記最下流転写部で画像が前記転写体に転写されない場合の前記最下流転写部を流れる電流が大きい請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記最下流転写部の隣りに配置される前記転写体に転写される画像の画像情報を入手する入手部を備え、
    装置内の湿度が予め定められた閾値以上で、装置内の温度が予め定められた閾値以上で、かつ、前記入手部が入手した画像情報に前記転写体の幅方向に延びる線画像が含まれる場合に、装置内の湿度が予め定められた閾値以上で、装置内の温度が予め定められた閾値以上で、かつ、前記入手部が入手した画像情報に線画像が含まれない場合に比して、前記最下流転写部で画像が前記転写体に転写されない場合の前記最下流転写部を流れる電流が大きい請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置。
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