以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[実施の形態1]
図1及び図2は、実施の形態1に係る画像形成装置を示すものである。図1はその画像形成装置の全体の概要を示し、図2はその画像形成装置における要部(作像装置など)を拡大して示している。
<画像形成装置の全体の構成>
実施の形態1に係る画像形成装置1は、例えばカラープリンタとして構成されたものである。この画像形成装置1は、現像剤4を構成するトナーで現像されるトナー像を形成する第1及び第2画像形成部の一例としての複数の作像装置10と、各作像装置10で形成されたトナー像をそれぞれ保持して最終的に記録媒体の一例としての記録用紙5に二次転写する二次転写位置T2まで搬送する中間転写装置20と、中間転写装置20の二次転写位置T2に供給すべき所要の記録用紙5を収容して搬送する給紙装置50と、中間転写装置20で二次転写された記録用紙5上のトナー像を定着させる定着装置40等を備えている。なお、図1中、符号1aは、画像形成装置1の装置本体を示すものであり、装置本体1aは、支持構造部材や外装カバー等で形成されている。また、図中の破線は、装置本体1aの内部において記録用紙5が搬送される主な搬送経路を示す。符号5は記録媒体の一例としての記録用紙を示す以外に、記録媒体自体及び記録媒体と同等の他の部材を示す符号としても使用される。
作像装置10は、ホワイト(白色)(W),イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)及び特色(#1)の6色のトナー像をそれぞれ専用に形成する6つの作像装置10W,10Y,10M,10C,10K,10#1で構成されている。これらの6つの作像装置10(W,Y,M,C,K,#1)は、装置本体1aの内部空間において水平方向に沿って1列に並べた状態で配置されている。6つの作像装置10(W,Y,M,C,K,#1)のうち、ホワイト(白色)(W)の作像装置10Wが第1の画像形成部を構成し、ホワイト(白色)(W)の作像装置10W以外の5つの作像装置10(Y,M,C,K,#1)が第2の画像形成部を構成している。この実施の形態では、ホワイト(白色)(W)の作像装置10Wが二次転写ベルト21の移動方向に沿った最も上流側に配置されている。また、この実施の形態では、特色(#1)の作像装置10#1が二次転写ベルト21の移動方向に沿った最も下流側に配置されている。そして、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)及びブラック(K)のフルカラー画像を形成する作像装置10(Y,M,C,K)は、ホワイト(白色)(W)の作像装置10Wと特色(#1)の作像装置10#1の間に位置するよう配置されている。
尚、特色(#1)の作像装置10#1で形成されるトナー像の色としては、特に限定されるものでなく、例えば、金や銀等の金属色や透明、あるいは発泡トナーなど任意のものが挙げられる。また、特色(#1)の作像装置10#1で形成されるトナー像の色としては、ホワイト(白色)(W)であっても良い。この場合には、ホワイト(白色)(W)の作像装置10Wが、中間転写ベルト21の移動方向に沿った最上流側に配置された第1のホワイト(白色)(W)の作像装置10W以外に、最も下流側に配置された第2のホワイト(白色)(W)の作像装置10Wが存在することになる。
各作像装置10(W,Y,M,C,K,#1)は、図1や図2に示されるように、回転する像保持体の一例としての感光体ドラム11を備えており、この感光体ドラム11の周囲に、次のような各装置が主に配置されている。主な装置とは、感光体ドラム11の像形成が可能な周面(像保持面)を所要の電位に帯電させる帯電装置12と、感光体ドラム11の帯電された周面に画像の情報(信号)に基づく光を照射して電位差のある(各色用の)静電潜像を形成する露光手段の一例としての露光装置13と、その静電潜像を対応する色(W,Y,M,C,K,#1)の現像剤4のトナーで現像してトナー像にする現像手段の一例としての現像装置14(W,Y,M,C,K,#1)と、その各トナー像を中間転写装置20に転写する一次転写手段の一例としての一次転写装置15と、一次転写後における感光体ドラム11の像保持面に残留して付着するトナー等の付着物を取り除いて清掃するドラム清掃装置16等である。
この実施の形態では、便宜上、作像装置10(W,Y,M,C,K,#1)の一部として一次転写装置15の構成について説明しているが、一次転写装置15は、画像形成部としての作像装置10(W,Y,M,C,K,#1)とは独立した構成要素である。
感光体ドラム11は、接地処理される円筒状又は円柱状の基材の周面に感光材料からなる光導電性層(感光層)を有する像保持面を形成したものである。この感光体ドラム11は、図示しない回転駆動装置から動力が伝達されて矢印Aで示す方向に回転するように支持されている。
帯電装置12は、感光体ドラム11に接触しない状態で配置されるコロナ放電器等の非接触型の帯電装置で構成される。帯電装置12には帯電用電圧が供給される。帯電用電圧としては、現像装置14が反転現像を行うものである場合、現像装置14から供給されるトナーの帯電極性と同じ極性の電圧又は電流が供給される。なお、帯電装置12としては、感光体ドラム11に接触した状態で配置される帯電ロール等の接触型の帯電装置を用いても良い。
露光装置13は、画像形成装置1に入力される画像の情報に応じて構成されるレーザ光LBを、帯電された後の感光体ドラム11の周面に対して照射して静電潜像を形成するものである。露光装置13には、潜像形成時になると、画像形成装置1に任意の手段で入力される画像の情報(信号)が送信される。なお、露光装置13としては、感光体ドラム11の軸方向に沿って配列された複数の発光素子としてのLEDにより感光体ドラム11に光を照射して静電潜像を形成するLEDプリントヘッドからなるものを用いても良い。
現像装置14(W,Y,M,C,K,#1)はいずれも、図2に示されるように、開口部と現像剤4の収容室が形成された筐体140の内部に、現像剤4を保持して感光体ドラム11と向き合う現像領域まで搬送する現像ロール141と、現像剤4を撹拌しながら現像ロール141を通過させるよう搬送するスクリューオーガー等の撹拌搬送部材142,143と、現像ロール141に保持される現像剤の量(層厚)を規制する層厚規制部材144などを配置して構成されたものである。この現像装置14には、その現像ロール141と感光体ドラム11の間に現像用電圧が図示しない電源装置から供給される。また、現像ロール141や撹搬送拌部材142,143は、図示しない回転駆動装置からの動力が伝達されて所要の方向に回転する。さらに、上記6色の現像剤4(W,Y,M,C,K,#1)としては、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤が使用される。なお、現像装置14(W,Y,M,C,K,#1)は、筐体140の現像剤4のトナー濃度を検知する図示しないトナー濃度検知手段を備えている。
イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色のトナーT(Y,M,C,K)としては、例えば、図3(a)に示されるように、内部に粒状の色材301や低融点の合成樹脂302、あるいはワックスなどを分散させた通常の熱溶融性樹脂303を有し、その外周を通常の熱溶融性樹脂304で被覆し、外周面に帯電性や清掃性などを調整する機能性微粒子からなる外添剤305を添加したものが用いられる。カラートナーT(Y,M,C,K)の数平均粒子径は、例えば、4〜6μm程度に設定される。
一方、白色トナーTWとしては、例えば、図3(b)に示されるように、内部に粒状のTiO2などの白色の金属顔料311や結晶性樹脂312、ワックスなどを分散させた通常の熱溶融性樹脂313、あるいは通常の熱溶融性樹脂314を有し、その外周を通常の熱溶融性樹脂315で被覆し、外周面に帯電や清掃性などを調整する機能性微粒子からなる外添剤316を添加したものが用いられる。白色トナーTWは、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の通常のトナーT(Y,M,C,K)と比較して粒径が大きく設定されている。白色トナーTWの数平均粒子径は、例えば、7〜9μm程度に設定される。また、白色トナーTWは、粒状のTiO2などの白色の金属顔料311を含んでおり、通常のトナーT(Y,M,C,K)と比較して誘電損率が高く、誘電特性が低いため、帯電量に起因したトナー飛散などの画像ディフェクトが発生し易い傾向がある。
また、特色のトナーとしては、金や銀色等の金属色トナーあるいは透明トナーなど任意のトナーが用いられる。
なお、磁性キャリアとしては、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の通常のトナーT(Y,M,C,K)、白色トナーTW及び特色トナーともに同様のものが用いられる。
一次転写装置15は、図1及び図2に示されるように、一次転写位置T1において感光体ドラム11の周面に中間転写ベルト21を介して接触し回転するとともに一次転写用電圧が供給される一次転写ロールを備えた接触型の転写装置である。一次転写用電圧としては、トナーの帯電極性と逆の極性を示す直流の電圧が図示しない電源装置から供給される。
一次転写装置15(W,Y,M,C,K,#1)は、例えば、一次転写位置T1において、各作像装置10(W,Y,M,C,K,#1)毎に中間転写ベルト21に対して図示しない接離手段により個別に接触及び離間可能となるよう構成されている。
ドラム清掃装置16は、図2に示されるように、容器状の本体160の内部に配置されて残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃板161と、残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃ブラシ162と、清掃板161及び清掃ブラシ162で取り除いたトナー等の付着物を回収して図示しない回収システムに送り出すよう搬送するスクリューオーガー等の送出部材163などで構成されている。清掃板161としては、ゴム等の材料からなる板状の部材(例えばブレード)が使用される。
中間転写装置20は、図1に示されるように、各作像装置10(W,Y,M,C,K,#1)の下方の位置に存在するよう配置される。この中間転写装置20は、感光体ドラム11と一次転写装置15(一次転写ロール)の間となる一次転写位置T1を通過しながら矢印Bで示す方向に循環移動する中間転写体の一例としての中間転写ベルト21と、中間転写ベルト21をその内周から所望の状態に保持して循環移動自在に支持する複数のベルト支持ロール22〜27と、ベルト支持ロール26に支持されている中間転写ベルト21の外周面(像保持面)側に配置されて中間転写ベルト21上のトナー像を記録用紙5に二次転写させる二次転写装置30と、二次転写装置30を通過した後に中間転写ベルト21の外周面に残留して付着するトナー、紙粉等の付着物を取り除いて清掃するベルト清掃装置28とで主に構成されている。
中間転写ベルト21としては、例えばポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂にカーボンブラック等の抵抗調整剤などを分散させた材料で製作される無端状のベルトが使用される。また、ベルト支持ロール22は駆動ロールとして構成され、ベルト支持ロール23,25は中間転写ベルト21の走行位置などを保持する従動ロールとして構成され、ベルト支持ロール24は張力付与ロールとして構成され、ベルト支持ロール26は二次転写のバックアップロールとして構成され、ベルト支持ロール27はベルト清掃装置28の支持ロールとして構成されている。
二次転写装置30は、図1に示されるように、中間転写装置20におけるベルト支持ロール26に支持されている中間転写ベルト21の外周面部分である二次転写位置T2において回転する二次転写ベルト装置として構成されている。二次転写装置30は、二次転写ベルト31と、二次転写ベルト31を支持する複数のベルト支持ロール32,33と、二次転写ベルト31を清掃するベルト清掃装置34とを備える。なお、二次転写装置30の構成については、後に詳述する。
定着装置40は、図1に示されるように、表面温度が予め定められた温度に保持されるよう加熱手段(熱源)によって加熱されるロール形態又はベルト形態の加熱用回転体41と、この加熱用回転体41に所要の圧力で接触して回転するロール形態又はベルト形態の加圧用回転体42などを配置して構成されたものである。この定着装置40では、加熱用回転体41と加圧用回転体42が接触する接触部が所要の定着処理(加熱及び加圧)を行う定着処理部となる。
給紙装置50は、図1に示されるように、中間転写装置20の下方の位置に存在するように配置される。この給紙装置50は、所望のサイズ、種類等の記録用紙5を積載した状態で収容する単数(又は複数)の用紙収容体51と、用紙収容体51から記録用紙5を1枚ずつ送り出す送出装置52とで主に構成されている。用紙収容体51は、例えば、装置本体1aの正面(使用者が操作時に向き合う側面)側に引き出すことができるように取り付けられている。
記録媒体5としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙やトレーシングペーパー等の薄紙、あるいは合成樹脂(PETなど)製の透明なフィルム状の媒体からなるOHPシート等(以下、「フィルム媒体」という。)が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録用紙5の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等の坪量が相対的に大きい所謂厚紙なども好適に使用することができる。
これらの記録媒体5のうち、フィルム媒体は、普通紙やトレーシングペーパー等の薄紙、あるいは厚紙に比較して、PET等の合成樹脂からなるため抵抗率が高い。フィルム媒体の表面抵抗は、例えば、1.0×1010〜1.0×1017(Ω)程度である。因みに、フィルム媒体の一例としての紙の表面抵抗は、1.0×1010〜1.0×1012(Ω)程度(湿度50〜60%)である。
用紙収容体51から供給される記録媒体5の種類は、画像形成動作を指示するユーザーインターフェイスによって選択されるか、あるいは用紙収容体51に設けられた図示しない検知手段によって判別される。検知手段は、直接的に記録媒体5の種類を検知するものである必要はなく、用紙収容体51に収容される記録媒体5の種類に応じた信号を後述する制御装置100に出力するものであれば良い。また、給紙搬送路57に記録媒体5の種類を識別する識別手段を設け、制御装置100が当該識別手段からの信号に基づいて記録媒体5の種類を識別するように構成しても良い。
給紙装置50と二次転写装置30との間には、給紙装置50から送り出される記録用紙5を二次転写位置T2まで搬送する単数(又は複数)の用紙搬送ロール対53〜56や図示しない搬送ガイド材で構成される給紙搬送路57が設けられている。給紙搬送路57において二次転写位置T2の直前の位置に配置される用紙搬送ロール対56は、例えば記録用紙5の搬送時期を調整するロール(レジストロール)として構成されている。
また、二次転写装置30と定着装置40との間には、二次転写装置30から送り出される記録用紙5を定着装置40まで搬送する複数(又は単数)の用紙搬送ベルト57,58,59で構成される用紙搬送路60が設けられている。
定着装置40の下流側には、定着装置40によりトナー像が定着された記録用紙5を、装置本体1aの側面に配置された図示しない用紙排出部に排出するための用紙排出ロール(図示せず)を備えた用紙排出搬送路61が設けられている。
図1中、符号100は、画像形成装置1の動作を統括的に制御する制御手段の一例としての制御装置を示している。制御装置100は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、あるいはこれらCPUやROM等を接続するバス、通信インターフェイスなどを備える。
<画像形成装置の基本的な動作>
以下、画像形成装置1による基本的な画像形成動作について説明する。
ここでは、前記6つの作像装置10(W,Y,M,C,K,#1)のうち、4つの作像装置10(Y,M,C,K)を使用して、4色(Y,M,C,K)のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像を形成するときの画像形成動作を説明する。なお、フルカラー画像に白色トナー及び特色トナーからなるトナー像を適宜組み合わせて画像を形成するときの画像形成動作も基本的には同様である。
画像形成装置1は、画像形成動作(プリント)の要求の指令情報を受けると、制御装置100の制御によって、4つの作像装置10(Y,M,C,K)、中間転写装置20、二次転写装置30、定着装置40等が始動する。なお、画像形成動作を実行しない作像装置10では、一次転写装置15が中間転写ベルト21から離間した退避位置に移動されるが、感光体ドラム11は回転駆動される。
そして、各作像装置10(Y,M,C,K)においては、まず各感光体ドラム11が矢印Aで示す方向に回転し、各帯電装置12が各感光体ドラム11の表面を所要の極性(実施の形態1ではマイナス極性)及び電位に帯電させる。続いて、露光装置13が、帯電後の感光体ドラム11の表面に対し、画像形成装置1に入力される画像の情報を各色成分(Y,M,C,K)に変換して得られる画像の信号に基づいて発光される光を照射し、その表面に所要の電位差で構成される各色成分の静電潜像をそれぞれ形成する。
続いて、各現像装置14(Y,M,C,K)が、感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像に対し、所要の極性(マイナス極性)に帯電された対応する色(Y,M,C,K)のトナーをそれぞれ供給して静電的に付着させて現像を行う。この現像により、各感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像は、その対応する色のトナーでそれぞれ現像された4色(Y,M,C,K)のトナー像として顕像化される。
続いて、各作像装置10(Y,M,C,K)の感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が一次転写位置T1まで搬送されると、一次転写装置15が、その各色のトナー像を中間転写装置20の矢印Bで示す方向に回転する中間転写ベルト21に対して順番に重ね合わせるような状態で一次転写させる。
また、一次転写が終了した各作像装置10では、ドラム清掃装置16が付着物を掻き取るように除去して感光体ドラム11の表面を清掃する。これにより、各作像装置10は次の作像動作が可能な状態にされる。
続いて、中間転写装置20では、中間転写ベルト21の回転により一次転写されたトナー像を保持して二次転写位置T2まで搬送する。一方、給紙装置50では、作像動作に合わせて所要の記録用紙5を給紙搬送路57に送り出す。給紙搬送路57では、レジストロールとしての用紙搬送ロール対56が記録用紙5を転写時期に合わせて二次転写位置T2に送り出して供給する。
二次転写位置T2においては、二次転写ロール32が、中間転写ベルト21上のトナー像を記録用紙5に一括して二次転写させる。また、二次転写が終了した後の中間転写装置20では、ベルト清掃装置28が、二次転写後の中間転写ベルト21の表面に残留したトナー等の付着物を取り除いて清掃する。
続いて、トナー像が二次転写された記録用紙5は、中間転写ベルト21と二次転写ベルト31から剥離された後に3連の搬送ベルト57,58,59によって定着装置40まで搬送される。定着装置40では、回転する加熱用回転体41と加圧用回転体42との間の接触部に二次転写後の記録用紙5を導入して通過させることにより、必要な定着処理(加熱及び加圧)をして未定着のトナー像を記録用紙5に定着させる。定着が終了した後の記録用紙5は、用紙排出搬送路61を介して図示しない用紙排出ロールにより、例えば画像形成装置1の側面に設けられた図示しない排出収容部に排出される。
以上の動作により、図4(a)に示されるように、4色のトナーT(Y,M,C,K)からなるトナー像を組み合わせて形成されるフルカラー画像が中間転写ベルト21上に多重に一次転写される。なお、上述したように、フルカラー画像に白色トナー及び特色トナーからなるトナー像を適宜組み合わせた画像も、同様の画像形成動作によって中間転写ベルト21上に多重に一次転写される。
画像形成装置1において、フルカラー画像に白色トナーからなるトナー像を組み合わせた画像を形成する場合には、図4(b)に示されるように、ホワイト(白色)(W)の作像装置10Wで白色トナーTWからなるトナー像が形成された後、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)及びブラック(K)の作像装置10(Y,M,C,K)で形成されたフルカラーのトナーT(Y,M,C,K)からなるトナー像が中間転写ベルト21上に多重に一次転写される。
また、画像形成装置1において、白色トナーのみからなる画像を形成する場合には、図4(c)に示されるように、基本的に、ホワイト(白色)(W)の作像装置10Wで白色トナーからなるトナー像が形成された後、白色トナーからなるトナー像が一次転写された中間転写ベルト21は、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)及び特色(#1)の作像装置10(Y,M,C,K,#1)からトナー像が転写されることなく通過する。
記録用紙5上に白色トナーのみからなる画像を形成する場合、白色トナー像の画像濃度は、4色のトナーT(Y,M,C,K)からなるフルカラーのトナー像に比較して、画質を向上させるため高く設定される。このとき、白色トナーの画像濃度は、図5(a)(b)に示されるように、例えば、単位面積当たりのトナー量(TMA)が、フルカラーのトナーT(Y,M,C,K)からなる最大濃度の画像である1層のトナー量よりも多い、白色のトナーTWによって3層程度のトナー層を形成する8(g/m2)以上であって8〜12(g/m2)程度に設定される。
<二次転写装置の構成>
図6はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置の二次転写装置を示す構成図である。
二次転写装置30は、図6に示されるように、二次転写位置T2を通過しながら矢印Cで示す方向に循環移動する無端状のベルト部材の一例としての二次転写ベルト31と、二次転写ベルト31をその内周から所望の状態に保持して循環移動自在に支持する複数のベルト支持ロール32,33と、二次転写ベルト31の外周面に残留して付着するトナー、紙粉等の付着物を取り除いて清掃するベルト清掃装置34とで主に構成されている。
ベルト支持ロール32は、二次転写ベルト31の駆動部を支持する駆動ロール及び二次転写ロールとして構成され、ベルト支持ロール33は、二次転写ベルト31の巻き掛け部を回転自在に保持する従動ロール及び二次転写ベルト31から記録用紙5を剥離する剥離ロールとして構成されている。ベルト支持ロール33は、その外径がベルト支持ロール32より小さく設定されている。また、二次転写ロール32又は中間転写装置20の支持ロール26には、トナーの帯電極性と逆極性又は同極性を示す直流の電圧が二次転写用電圧として供給される。この実施の形態では、中間転写装置20のベルト支持ロール26にトナーの帯電極性と同極性(マイナス極性)を示す直流の電圧が通電用ロール29を介して二次転写用電圧として供給されるように構成されている。
二次転写ベルト31としては、例えばポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂にカーボンブラック等の抵抗調整剤などを分散させた材料で製作される無端状のベルトが使用される。
駆動ロールとして機能するベルト支持ロール32は、金属製の回転軸321の外周に抵抗率が調整された導電性の弾性体層322を被覆して構成されている。
ベルト清掃装置34は、導電性を有する第1のファーブラシ341と、第1の回収ロール342と、導電性を有する第2のファーブラシ343と、第2の回収ロール344とを備えている。
二次転写位置T2の上流側には、図6に示されるように、レジストロールとして機能する用紙搬送ロール対56が配置されている。用紙搬送ロール対56と二次転写位置T2との間には、用紙搬送ロール対56によって搬送される記録用紙5を二次転写位置へと案内するよう上下に対向するよう配置された搬送ガイド62〜65が設けられている。
ところで、画像形成装置1では、例えば、白色の単独画像などの画像を形成する場合に記録媒体5の隠蔽率や白色度などを増加させて画質を向上させるため、白色単独画像の記録媒体5上におけるトナー量をイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の他色の画像に比較して高く設定される。なお、白色トナーの単独画像に他の色のトナーを重ね合わせる場合にも、記録媒体5上におけるトナー量を他色の画像に比較して高く設定することが有効である。
本発明者等の研究によれば、白色単独画像のトナー量を相対的に高く設定した場合には、記録媒体5が合成樹脂(PETなど)製のフィルム媒体のように普通紙に比較して抵抗率が高い媒体であると、二次転写後に生じる剥離放電によって白色トナーの画像にトナー飛散が発生するおそれがあることが明らかとなった。
更に説明すると、記録媒体5がフィルム媒体のように普通紙に比較して抵抗率(表面抵抗)が高い媒体である場合には、図7に示されるように、記録媒体5が二次転写ベルト31から剥離する際に剥離放電Dが発生する。このとき、記録媒体5の裏面側は、剥離放電Dによってプラス極性の電荷を受ける。すると、記録媒体5の正常なマイナス極性に帯電した帯電部と裏面側にプラス極性の電荷による剥離放電Dを受けてマイナス極性の帯電量が低下した帯電低下部との間に、相対的に電位が高い帯電低下部から相対的に電位が低い帯電部に向かう電界Eが形成され、この電界Eに沿って記録媒体5に対する付着力が弱いトナーTW(主に上層の低帯電トナーや逆(プラス)帯電トナー)など)が飛散するトナー飛散が発生することが判明した。
図8は白色トナーTWのトナー飛散が発生した画像を示すものである。図8は、記録媒体5としてOZK100(厚さ100μmのPET製フィルム)に白色トナーTWのみからなる画像を形成し、紀州黒紙と呼ばれる黒色の色上質紙を下敷きにして写真撮影したものである。
図8から明らかなように、白色トナーTWからなる単独画像のプロセス方向に沿った下流側に白色トナーTWの飛び散りが発生していることが判る。
また、図9は記録媒体5としてのOZK100に白色トナーTWのみからなる互いに等間隔に形成された斜線画像を形成途中に画像形成動作を停止させた画像を、紀州黒紙と呼ばれる黒色の色上質紙を下敷きにして写真撮影したものである。
図9からも明らかなように、白色トナーからなる単独画像のプロセス方向に沿った下流側に白色トナーTWの飛び散りが発生していることが判る。ただし、図9の例では、画像形成動作を停止させた二次転写位置T2からプロセス方向に沿った下流側の所定幅の領域には、白色トナーの飛散が発生していない。この二次転写位置T2からプロセス方向に沿った下流側の所定幅の領域は、二次転写位置T2から二次転写ベルト31に対して記録媒体5が剥離する剥離放電発生部までの距離に相当する。
<画像形成装置の特徴部分の構成>
そこで、この実施の形態1に係る画像形成装置1では、二次転写に伴って生じる剥離放電によって白色トナーの画像が飛散するのを抑制するため、記録媒体5がフィルム媒体である場合、白色の作像装置10Wによって中間転写ベルト21に一次転写された画像が画像を形成しないイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)及び特色(#1)の他の作像装置10(Y,M,C,K, #1)のうち、いずれか1つ以上の作像装置(Y,M,C,K,#1)から空転写を受けるように、中間転写ベルト21上に転写する画像の順序及び作像装置10(Y,M,C,K, #1)の動作を制御する制御手段の一例としての制御装置100を備えている。
すなわち、この実施の形態1に係る画像形成装置1では、図1に示されるように、ホワイト(白色)(W)の作像装置10Wが他の作像装置10(Y,M,C,K,#1)に比較して、中間転写ベルト21の移動方向に沿った最も上流側に位置するように設定されている。
画像形成装置1においては、例えば、各作像装置10(W,Y,M,C,K,#1)が個々にユニット化され、装置本体1aに対して個別に着脱可能に構成される場合がある。この場合には、ホワイト(白色)(W)の作像装置10Wが他の作像装置10(Y,M,C,K,#1)に比較して、中間転写ベルト21の移動方向に沿った最も上流側に位置するように、各作像装置10(W,Y,M,C,K,#1)が装置本体1aに対して装着されるか、ホワイト(白色)(W)の作像装置10Wの中間転写ベルト21の移動方向に沿った下流側に少なくとも1つ以上の作像装置10(Y,M,C,K,#1)が存在するように、各作像装置10(W,Y,M,C,K,#1)が装置本体1aに対して装着される。
また、この実施の形態1では、図10に示されるように、制御装置100は、白色トナーによる単独画像を形成する場合であって、且つ記録媒体5としてフィルム媒体が選択されたと判別すると、ホワイト(白色)(W)の作像装置10Wと特色(#1)の作像装置10#1における一次転写装置15(W,#1)を中間転写ベルト21を介して感光体ドラム11に接触させ、他の作像装置10(Y,M,C,K)における一次転写装置15(Y,M,C,K)を中間転写ベルト21から離間した退避位置に移動させる。その際、制御装置100は、図示しないユーザーインターフェイス等により記録媒体5としてフィルム媒体が選択されるか、用紙収容体51に設けられた図示しない検知手段によって記録媒体5としてフィルム媒体が収容されたことを検知することにより、記録媒体5としてフィルム媒体が選択されたことを判別する。
また、制御装置100は、白色トナーによる単独画像を形成する場合、記録媒体5の隠蔽率や白色度などを増加させて画質を向上させるため、ホワイト(白色)(W)の作像装置10Wにおける画像濃度を通常の値よりも増加させ、白色単独画像の記録媒体5上におけるトナー量をイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の他色の画像に比較して多く設定する。
この白色単独画像のトナー像における単位面積当たりの質量(g/m2)を他のフルカラー画像に比較して増加させる制御としては、例えば、ホワイト(白色)(W)の作像装置10Wのみにおいて、現像装置14の現像バイアス電圧を通常の値に比較して高い値に設定したり、露光装置13による画像領域の露光量を増加させたり、感光体ドラム11の帯電電位を通常の値より高い値に設定する手段などが挙げられる。
制御装置100は、白色単独画像のトナー像における単位面積当たりの質量(g/m2)が8(g/m2)以上である場合にのみ、特色(#1)の作像装置10#1における空転写を実行するように構成されている。
また、制御装置100は、白色(W)の作像装置10Wの現像装置14に設けられた図示しないトナー濃度検知手段によって現像剤4中の白色トナーのトナー濃度を検知する。そして、制御装置100は、白色(W)の現像装置14中の白色トナーのトナー濃度が予め定められた閾値以下である場合には、特色(#1)の作像装置10#1における空転写を受けないように構成しても良い。
さらに、この実施の形態1では、図11に示されるように、画像形成動作時、特色(#1)の作像装置10#1における帯電装置12によって感光体ドラム11の表面を通常の画像形成時と同様にマイナス極性の所要の電位に帯電させる。ただし、特色(#1)の作像装置10#1の感光体ドラム11の表面には、露光装置13によって画像を露光せず、現像装置14による現像工程も実行しない。また、特色(#1)の作像装置10#1の一次転写装置15には、通常の画像形成動作時と同様にプラス極性の一次転写バイアス電圧を印加している。ただし、特色(#1)の作像装置10#1の一次転写装置15には、一次転写バイアス電圧を印加しないように構成しても良い。
なお、一次転写装置15を中間転写ベルト21から離間させた他の作像装置10(Y,M,C,K)では、図10及び図12に示されるように、制御装置100によって、感光体ドラム11を回転駆動させるが、感光体ドラム11に対する帯電、露光、現像工程を実行しないように制御される。
<画像形成装置の特徴部分の動作>
この実施の形態1に係る画像形成装置1では、次のようにして白色の単独画像におけるトナー画像の飛び散りが抑制される。
画像形成装置1は、制御装置100によって白色の単独画像を形成するとともに、記録媒体5がフィルム媒体であると判別されると、白色単独画像のトナー像における単位面積当たりのトナー質量(g/m2)を他のフルカラー画像に比較して増加させるように制御する。
このように、白色単独画像のトナー像における単位面積当たりの質量(g/m2)を他のフルカラー画像に比較して増加させることにより、記録媒体5の隠蔽率や白色度などが増加し画質が向上する。
また、画像形成装置1は、図10に示されるように、画像の形成を行うホワイト(白色)(W)の作像装置10Wと、空転写を行う特色(#1)の作像装置10#1のみ一次転写装置15(W,#1)を中間転写ベルト21を介して感光体ドラム11に接触させ、他のイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)及びブラック(K)の作像装置10(Y,M,C,K)における一次転写装置15(Y,M,C,K)を中間転写ベルト21から離間した退避位置に移動させる。
そして、ホワイト(白色)(W)の作像装置10Wにおいて感光体ドラム11の表面に形成された白色トナーTWからなる画像は、図13に示されるように、一次転写位置T1まで搬送されると、一次転写装置15によって中間転写装置20の矢印Bで示す方向に回転する中間転写ベルト21に対して一次転写される。
この白色トナーTWからなる画像が一次転写された中間転写ベルト21は、図14に示されるように、矢印B方向に沿って移動する間に、フルカラーの作像装置10(Y,M,C,K)をそのまま通過し、特色(#1)の作像装置10#1に到達する。
特色(#1)の作像装置10#1では、図11に示されるように、帯電装置12が感光体ドラム11の表面を所要の極性(実施の形態1ではマイナス極性)及び電位に帯電させる。その後、感光体ドラム11の表面は、露光装置13によって画像露光が施されず静電潜像が形成されることなく、現像装置14をそのまま通過する。続いて、特色(#1)の作像装置10#1の感光体ドラム11は、その表面が帯電装置12によって所要のマイナス極性及び電位に帯電されたままの状態で一次転写位置T1まで搬送される。
すると、特色(#1)の作像装置10#1における感光体ドラム11の表面は、当該感光体ドラム11の表面に特色(#1)のトナー像が形成されることなく、中間転写ベルト21の表面に一次転写された白色のトナーTWからなる画像と接触することで、感光体ドラム11表面のマイナス極性の電荷のみを中間転写ベルト21上に転写された白色のトナーTWからなる画像に転移させる所謂空転写を行う。このとき、特色(#1)の作像装置10#1における一次転写装置15には、例えば、所要のプラス極性の転写電圧が印加される。特色(#1)の作像装置10#1では、中間転写ベルト21の表面に保持された白色のトナーTWからなる画像が、空転写によってマイナス極性の電荷を受けて帯電量が全体的に増加するとともに、逆極性に帯電した白色トナーTWは、正規の帯電極性であるマイナス極性に帯電される。
中間転写装置20は、中間転写ベルト21の回転により一次転写された白色トナーTWのみからなるトナー像を保持して二次転写位置T2まで搬送する。二次転写位置T2においては、二次転写ロール32が、中間転写ベルト21上の白色トナーTWからなるトナー像を記録媒体5としてのフィルム媒体に二次転写させる。二次転写バイアス電圧は、例えば、白色のトナーTWのトナー量が増加している分を考慮して、通常の白色単独画像の転写時よりも高いフルカラーの画像形成時と等しい値に設定される。
その後、白色のトナー像が二次転写された記録媒体5としてのフィルム媒体は、中間転写ベルト21と二次転写ベルト31から剥離される。このとき、記録媒体5がフィルム媒体のように普通紙に比較して抵抗率が高い媒体である場合には、図7に示されるように、記録媒体5が二次転写ベルト31から剥離する際に剥離放電Dが発生する。
しかし、この実施の形態では、図11に示されるように、中間転写ベルト21の白色トナーTWからなる画像が特色(#1)の作像装置10#1からの空転写によってマイナス極性の電荷量が増加するとともに、逆極性に帯電したトナーが正規のマイナス極性に帯電される。そのため、記録媒体5の裏面側は、剥離放電Dによるプラス極性の電荷を受けても、記録媒体5に対する付着力が弱いトナーが存在しないか、仮に存在してもわずかとなるため、白色トナーTWのトナー飛散が防止乃至抑制される。
実験例1
本発明者らは、上述した実施の形態1に係る画像形成装置1の効果を確認するため、図1に示されるような画像形成装置1のベンチモデルを試作し、白色トナーのみからなるトナー画像においてトナー飛散が発生する状態を確認する実験を行った。
図15は、記録媒体5上の単位面積当たりのトナー量を変化させた場合にトナー飛散の発生度合いを測定した結果を示すグラフである。尚、比較例1は、図4(c)に示される従来技術のように、特色(#1)の作像装置10#1において空転写を行わなかった場合を示している。
この図15から明らかなように、本実施の形態を適用することにより、記録媒体5上の単位面積当たりのトナー量を6(g/m2)から8(g/m2)、10(g/m2)、12(g/m2)と増加させた場合であっても、記録媒体5上の単位面積当たりのトナー量が12(g/m2)のときに、トナー飛散のグレードが富士ゼロックス(株)の評価基準でトナー飛び散りが発生するが実使用上問題のないレベルであるグレード2に留めることができることが判った。
これに対して比較例1の場合には、図15から明らかなように、記録媒体5上の単位面積当たりのトナー量を6(g/m2)から8(g/m2)、10(g/m2)、12(g/m2)と増加させると、トナー飛散のグレードが富士ゼロックス(株)の評価基準でトナー飛び散りが軽微に発生するレベルであるグレード1から、トナー飛び散りが発生するが実使用上問題のないレベルであるグレード2、トナー飛び散りが発生し実使用上問題となるレベルであるグレード4以上、更にはトナー飛び散りが顕著に発生して実使用が不可となるレベルであるグレード5までに急激に悪化することが判った。
実験例2
本発明者らは、上述した実施の形態1に係る画像形成装置1の効果を確認するため、図1に示されるような画像形成装置1のベンチモデルを試作し、記録媒体5上に二次転写された白色トナーのみからなるトナー画像におけるトナーの帯電量の分布を確認する実験を行った。
図16は、記録媒体5上に二次転写された白色トナーの帯電量分布を帯電量測定装置により測定した結果を示すグラフである。尚、比較例2及び3として、ホワイト(白色)(W)の作像装置10Wにおける現像装置14内のトナーの帯電量分布を測定した結果と、ホワイト(白色)(W)の作像装置10Wを中間転写ベルト21の移動方向に沿った最下流側に配置した場合における記録媒体5上のトナーの帯電量分布をそれぞれ測定した。
この図16から明らかなように、本実施の形態を適用することにより、記録媒体5上のトナー画像の帯電量分布が、現像装置14内のトナーの帯電量分布に比較して正規の帯電極性であるマイナス極性側に全体的に変位し、且つ帯電量がゼロ近傍の分布がホワイト(白色)(W)の作像装置10Wを最下流側に配置した場合に比較して、現像装置14内のトナーの帯電量分布に略近い状態に遷移していることが判る。
なお、上記実施の形態1では、特色(#1)の作像装置10#1のみにおいて空転写を行わうように構成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)及びブラック(K)の作像装置10(Y,M,C,K)を含む2以上(最大5つ)の作像装置10において空転写を実行するように構成し手も良い。
[実施の形態2]
図17は、実施の形態2に係る画像形成装置を示すものである。
この実施の形態2に係る画像形成装置1は、図17に示されるように、ホワイト(白色)(W),特色(#1),イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)及びブラック(K)のトナー像をそれぞれ専用に形成する6つの作像装置10W,10#1,10Y,10M,10C,10Kで構成されている。ホワイト(白色)(W)の作像装置10Wは、中間転写ベルト21の移動方向に沿った最も上流側に配置されている。ホワイト(白色)(W)の作像装置10Wの下流側には、特色(#1)の作像装置10#1が隣接して配置されている。さらに、特色(#1)の作像装置10#1の下流側には、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)及びブラック(K)のトナー像をそれぞれ専用に形成するフルカラーの作像装置10(Y,M,C,K)が順次配置されている。
この実施の形態2では、図17及び図18に示されるように、白色のトナー像に加えてフルカラーのトナー像を形成する場合、特色(#1)の作像装置10#1によって空転写を行うことにより、ホワイト(白色)(W)の作像装置10Wで中間転写ベルト21上に一次転写された白色トナーの画像を特色(#1)の作像装置10#1でマイナス極性の電荷を付与するように構成されている。
[実施の形態3]
図19は、実施の形態3に係る画像形成装置を示すものである。
この実施の形態3に係る画像形成装置1では、図19に示されるように、白色トナーの単独画像を形成する場合であって、且つ記録媒体5としてフィルム媒体が選択された場合には、白色トナーの画像濃度を低減させるように制御する。
更に説明すると、白色トナーの単独画像を形成する場合には、制御装置100によって、記録媒体5上の単位面積当たりのトナー量を6(g/m2)から10(g/m2)又は12(g/m2)までは増加させずに、記録媒体5上の単位面積当たりのトナー量を6(g/m2)から8(g/m2)程度に増加させることに留めることで、白色トナーの画像濃度を低減させる。
このように、実施の形態3では、白色(W)の作像装置10Wが中間転写ベルト21の移動方向に沿った最も下流側に配置されており、白色(W)の作像装置10Wで形成された白色のトナー画像に対して下流側の作像装置が存在せず、当該下流側の作像装置の空回転による電荷の注入を行うことができない場合に特に有効である。そのため、実施の形態3の画像形成装置1では、白色トナーの単独画像が選択された場合には、敢えて白色トナーの画像濃度を増加させずに、逆に白色トナーの画像濃度を相対的に低い値に抑えることで、図15から明らかなように、二次転写時の剥離放電に伴うトナーの飛び散りを抑制するように構成されている。