JP2016044049A - シート搬送装置、画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シートの後端が第1搬送手段を抜けた時点で第3搬送手段の周速度を、シートの後端が第1搬送手段を抜ける前の第3搬送手段の周速度よりも速く且つ中間に位置する第2搬送手段の周速度よりも遅くなるように制御した場合に比較して、シートに生じる撓み量の変動を抑制する。
【解決手段】画像形成装置は、周速度V1で回転する定着装置40と、周速度V1よりも速い周速度V2で回転するカール矯正装置と、第1周速度V1よりも遅い周速度V3で回転して搬送する用紙搬送ロール63とを有している。そして、用紙の後端が定着装置40を抜けた時点で、用紙搬送ロール63の周速度を、周速度V3よりも速く且つカール矯正装置の周速度V2に応じた速度に切り替えることで、カール矯正装置の周速度V2に起因した用紙の撓み量の変動を抑制することができる。
【選択図】図4

Description

この発明は、シート搬送装置、画像形成装置に関する。
従来、画像形成装置としては、未定着トナー像を記録媒体上に定着する定着装置の下流側に、記録媒体を湾曲させる湾曲部を有する搬送路を備え、搬送路の湾曲部の上流側及び下流側に搬送手段をそれぞれ配置したものがある。かかる画像形成装置において、記録媒体の搬送に関する技術としては、例えば、特許文献1等に開示されたものが既に提案されている。
特許文献1は、記録媒体を挟んで第1周速度で回転して搬送すると共に画像を定着する定着手段と、定着手段の下流側に配置され記録媒体を挟んで第2周速度で回転して搬送する第1搬送手段と、第1搬送手段の下流側に配置され記録媒体を挟んで第3周速度で回転して搬送する第2搬送手段とを記録媒体の搬送方向に沿って配置するとともに、記録媒体の上流側端部が定着手段を抜ける抜出時点を検知する検知手段を設け、検知手段で検知された抜出時点で第2搬送手段の周速度を、第3周速度よりも速く且つ第2周速度よりも遅くなるよう制御する構成を開示している。
特開2012−101878号公報
この発明が解決しようとする課題は、シートの後端が第1搬送手段を抜けた時点で第3搬送手段の周速度を、シートの後端が第1搬送手段を抜ける前の第3搬送手段の周速度よりも速く且つ中間に位置する第2搬送手段の周速度よりも遅くなるように制御した場合に比較して、シートに生じる撓み量の変動を抑制する。
請求項1に記載された発明は、シートを挟んで第1周速度で回転して搬送する第1搬送手段と、
前記シートの搬送方向で前記第1搬送手段の下流側に設けられ、シートを挟んで前記第1周速度以上の第2周速度で回転して搬送する第2搬送手段と、
前記第2搬送手段の下流側に設けられ、前記シートを挟んで前記第1周速度よりも遅い第3周速度で回転して搬送する第3搬送手段と、
前記第1及び第2の搬送手段を駆動する同一の駆動手段と、
前記シートの後端が前記第1搬送手段を抜けた時点で、前記第3搬送手段の周速度を、前記第3周速度よりも速く且つ前記第2搬送手段の周速度に応じた速度に切り替える切替手段と、
を備えたシート搬送装置である。
請求項2に記載された発明は、前記駆動手段の駆動速度を検出する速度検出手段を更に備え、
前記切替手段は、前記第2搬送手段の周速度を、前記速度検出手段からの速度検出信号から取得することを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置である。
請求項3に記載された発明は、前記第2搬送手段は、前記シートの湾曲を矯正する湾曲矯正手段からなり、
前記切替手段は、前記第3搬送手段の周速度を、前記第2搬送手段の周速度に前記シートの湾曲矯正に伴う速度変動を示す第1の補正係数を乗算した速度に切り替えることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート搬送装置である。
請求項4に記載された発明は、前記切替手段は、前記第3搬送手段の周速度を、前記第2搬送手段の周速度に前記シートの搬送方向に沿った長さに応じた第2の補正係数を乗算した速度に切り替えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のシート搬送装置である。
請求項5に記載された発明は、記録媒体を挟んで第1周速度で回転して搬送するとともに画像を定着する定着手段と、
前記記録媒体の搬送方向で前記定着手段の下流側に設けられ、記録媒体を挟んで前記第1周速度以上の第2周速度で回転して搬送する第2搬送手段と、
前記第2搬送手段の下流側に設けられ、前記シートを挟んで前記第1周速度よりも遅い第3周速度で回転して搬送する第3搬送手段と、
前記定着手段及び第2の搬送手段を駆動する同一の駆動手段と、
前記記録媒体の後端が前記定着手段を抜けた時点で、前記第3搬送手段の周速度を、前記第3周速度よりも速く且つ前記第2搬送手段の周速度に応じた速度に切り替える切替手段と、
を備えた画像形成装置である。
請求項1に記載された発明によれば、シートの後端が第1搬送手段を抜けた時点で第3搬送手段の周速度を、シートの後端が第1搬送手段を抜ける前の第3搬送手段の周速度よりも速く且つ中間に位置する第2搬送手段の周速度よりも遅くなるように制御した場合に比較して、シートに生じる撓み量の変動を抑制することができる。
請求項2に記載された発明によれば、駆動手段の駆動速度を検出する速度検出手段を備えない場合に比較して、切替手段による第2搬送手段の周速度の切り替えを容易に行うことができる。
請求項3に記載された発明によれば、第3搬送手段の周速度を、第2搬送手段の周速度にシートの湾曲矯正に伴う速度変動を示す第1の補正係数を乗算した速度に切り替えない場合に比較して、シートの湾曲矯正に伴う速度変動に起因した当該シートに生じる撓み量の変動を抑制することができる。
請求項4に記載された発明によれば、第3搬送手段の周速度を、第2搬送手段の周速度にシートの搬送方向に沿った長さに応じた第2の補正係数を乗算した速度に切り替えない場合に比較して、シートの長さに起因した当該シートに生じる撓み量の変動を抑制することができる。
請求項5に記載された発明によれば、記録媒体の後端が定着手段を抜けた時点で第3搬送手段の周速度を、記録媒体の後端が定着手段を抜ける前の第3搬送手段の周速度よりも速く且つ中間に位置する第2搬送手段の周速度よりも遅くなるように制御した場合に比較して、記録媒体に生じる撓み量の変動を抑制することができる。
この発明の実施の形態1に係るシート搬送装置を適用した画像形成装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態1に係る画像形成装置の画像形成部を示す構成図である。 定着装置を示す断面構成図である。 この発明の実施の形態1に係るシート搬送装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態1に係るシート搬送装置を適用した画像形成装置の動作を示す構成図である。 この発明の実施の形態1に係るシート搬送装置を適用した画像形成装置の動作を示す構成図である。
以下、この発明を実施するための実施の形態(単に「実施の形態」という)について添付の図面を参照しながら説明する。
図1及び図2は、実施の形態1に係るシート搬送装置を適用した画像形成装置を示すものである。図1はその画像形成装置の全体の概要を示し、図2はその画像形成装置における要部(作像装置など)を拡大して示している。
<画像形成装置の全体の構成>
実施の形態1に係る画像形成装置1は、例えばカラープリンタとして構成されたものである。この画像形成装置1は、現像剤4を構成するトナーで現像されるトナー像を形成する複数の作像装置10と、各作像装置10で形成されたトナー像をそれぞれ保持して最終的にシート(記録媒体)の一例としての記録用紙5に二次転写する二次転写位置T2まで搬送する中間転写装置20と、中間転写装置20の二次転写位置T2に供給すべき所要の記録用紙5を収容して搬送する給紙装置50と、中間転写装置20で二次転写された記録用紙5上のトナー像を定着させる定着装置40等を備えている。
画像形成装置1は、第1の筐体1aと、第2の筐体1bとを備え、この第1及び第2の筐体1a,1bは支持構造部材、外装カバー等で形成されている。また、図中の二点鎖線は、第1及び第2の筐体1a,1bの内部において記録用紙5が搬送される主な搬送経路を示す。
作像装置10は、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー像と特別色S1,S2の2種類のトナー像とをそれぞれ専用に形成する6つの作像装置10Y,10M,10C,10K,10S1,10S2で構成されている。これらの6つの作像装置10(Y,M,C,K,S1,S2)は、第1の筐体1aの内部空間において1列に並べた状態となるよう配置されている。上記特別色(S1,S2)の現像剤4(S1,S2)としては、例えば、上記4色では表現が困難又は不可能であった色材等で構成されるものが使用され、具体的には、上記4色以外の色のトナー、上記4色のトナーと同一の色であって彩度が異なるトナー、光沢を向上させる透明トナー、点字用の発泡性トナー、蛍光色トナー等である。また、各作像装置10(S1,S2,Y,M,C,K)は、扱う現像剤4の種類が異なる点を除けば、以下に示すようにほぼ共通した構成のものである。
各作像装置10(S1,S2,Y,M,C,K)は、図1や図2に示されるように、回転する像保持体の一例としての感光体ドラム11を備えており、この感光体ドラム11の周囲に、次のような各装置が主に配置されている。主な装置とは、感光体ドラム11の像形成が可能な周面(像保持面)を所要の電位に帯電させる帯電装置12と、感光体ドラム11の帯電された周面に画像の情報(信号)に基づく光LBを照射して電位差のある(各色用の)静電潜像を形成する静電潜像形成手段としての露光装置13と、その静電潜像を対応する色(S1,S2,Y,M,C,K)の現像剤4のトナーで現像してトナー像にする現像手段の一例としての現像装置14(S1,S2,Y,M,C,K)と、その各トナー像を中間転写装置20に転写する一次転写装置15と、一次転写後における感光体ドラム11の像保持面に残留して付着するトナー等の付着物を取り除いて清掃するドラム清掃装置16と、感光体ドラム11の清掃後における像保持面を除電する除電器17等である。
感光体ドラム11は、接地処理される円筒状又は円柱状の基材の周面に感光材料からなる光導電性層(感光層)を有する像保持面を形成したものである。この感光体ドラム11は、図示しない回転駆動装置から動力が伝達されて矢印Aで示す方向に回転するように支持されている。
帯電装置12は、感光体ドラム11に接触しない状態で配置されるコロナ放電器等の非接触型の帯電装置で構成される。
露光装置13は、画像形成装置1に入力される画像の情報に応じて構成される光(矢付実線)LBを、帯電された後の感光体ドラム11の周面に対して照射して静電潜像を形成するものである。露光装置13には、潜像形成時になると画像形成装置1に任意の手段で入力される画像の情報(信号)が送信される。
現像装置14(S1,S2,Y,M,C,K)はいずれも、図2に示されるように、開口部と現像剤4の収容室が形成された筐体140の内部に、現像剤4を保持して感光体ドラム11と向き合う現像領域まで搬送する現像ロール141と、現像剤4を撹拌しながら現像ロール141を通過させるよう搬送する図示しないスクリューオーガー等の撹拌搬送部材と、現像ロール141に保持される現像剤の量(層厚)を規制する層厚規制部材などを配置して構成されたものである。この現像装置14には、その現像ロール141と感光体ドラム11の間に現像用電圧が図示しない電源装置から供給される。また、現像ロール141や撹搬送拌部材は、図示しない回転駆動装置からの動力が伝達されて所要の方向に回転する。さらに、上記4色の現像剤4(Y,M,C,K)と前記2つの特別色の現像剤4(S1,S2)としては、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤が使用される。なお、図1中、符号142は、現像装置14(S1,S2,Y,M,C,K)に供給する対応する色のトナーを少なくとも含む現像剤を収容したトナーカートリッジをそれぞれ示している。
一次転写装置15は、一次転写位置T1において感光体ドラム11の周面に中間転写ベルト21を介して接触し回転するとともに一次転写用電圧が供給される一次転写ロールを備えた接触型の転写装置である。一次転写用電圧としては、トナーの帯電極性と逆の極性を示す直流の電圧が図示しない電源装置から供給される。
ドラム清掃装置16は、図2に示されるように、図示しない容器状の本体の内部に配置されて残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃板161と、清掃板161で取り除いたトナー等の付着物を回収して図示しない回収システムに送り出すよう搬送する図示しないスクリューオーガー等の送出部材などで構成されている。清掃板161としては、ゴム等の材料からなる板状の部材(例えばブレード)が使用される。
除電装置17は、感光体ドラム11の表面に露光を施すことで、感光体ドラム11の表面に残留した電荷を除去するLEDや発光ランプ等で構成されている。
中間転写装置20は、図1に示されるように、各作像装置10(S1,S2,Y,M,C,K)の下方の位置に存在するように配置される。この中間転写装置20は、感光体ドラム11と一次転写装置15(一次転写ロール)の間となる一次転写位置T1を通過しながら矢印Bで示す方向に循環移動する中間転写ベルト21と、中間転写ベルト21をその内周から所望の状態に保持して循環移動自在に支持する複数のベルト支持ロール22〜28と、ベルト支持ロール26に支持されている中間転写ベルト21の外周面(像保持面)側に配置されて中間転写ベルト21上のトナー像を記録用紙5に二次転写させる二次転写装置30と、二次転写装置30を通過した後に中間転写ベルト21の外周面に残留して付着するトナー、紙粉等の付着物を取り除いて清掃するベルト清掃装置29とで主に構成されている。
中間転写ベルト21としては、例えばポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂にカーボンブラック等の抵抗調整剤などを分散させた材料で製作される無端状のベルトが使用される。また、ベルト支持ロール22は駆動ロールとして構成され、ベルト支持ロール23,25,27,28は中間転写ベルト21の走行位置などを保持する従動ロールとして構成され、ベルト支持ロール24は張力付与ロールとして構成され、ベルト支持ロール26は二次転写のバックアップロールとして構成されている。
二次転写装置30は、図1に示されるように、中間転写装置20におけるベルト支持ロール26に支持されている中間転写ベルト21の外周面部分である二次転写位置T2において回転する二次転写ロールとして構成されている。また、二次転写ロール30又は中間転写装置20の支持ロール26には、トナーの帯電極性と逆極性又は同極性を示す直流の電圧が二次転写用電圧として供給される。
定着手段の一例としての定着装置40は、図1及び図3に示されるように、筐体41の内部に配置されて矢印で示す方向に循環移動するとともに表面温度が予め定められた温度に加熱される定着ベルト42と、定着ベルト42を支持する複数の支持ロール43,44と、定着ベルト42の内周側に固定した状態で配置される押圧部材としての固定パッド45と、固定パッド45に掛け回された定着ベルト42に所要の圧力で接触した状態で回転駆動される加圧ロール46などを配置して構成されたものである。複数の支持ロール43,44のうち、支持ロール44は、内部に加熱源441を有する内部加熱ロールである。また、加圧ロール46は、円柱状又は円筒状の芯金461の外周に耐熱性を有する発泡弾性体等からなる弾性体層462を所要の厚さに被覆した弾性ロールから構成されている。この定着装置40では、定着ベルト42と加圧ロール46が接触する接触部(ニップ部)Nが所要の定着処理(加熱及び加圧)を行う定着処理部になる。
加圧ロール46は、駆動手段の一例としてのDCモータ等からなる第1駆動モータ47により図示しない駆動力伝達手段の一例としてのギアを回転して回転駆動される。定着ベルト42は、加圧ロール46の回転に伴い従動して循環移動する。第1駆動モータ47は、例えば、加圧ロール46を単一の周速度V1で回転駆動する。また、第1駆動モータ47は、定着性を向上させるため、第1周速度V1と第1周速度V1よりも遅い他の周速度等の複数の速度に切り替えて加圧ロール46を駆動するものであっても良い。
定着装置40は、支持ロール43の軸方向に沿った一端部に、定着ベルト42の移動速度である当該定着装置40の第1周速度V1を検出する速度検出手段の一例としてのロータリーエンコーダ48を備えている。第1駆動モータ47は、ロータリーエンコーダ48からの速度検出信号に基づいて速度制御回路49により加圧ロール46を所要の第1周速度V1で回転駆動するよう制御される。
給紙装置50は、図1に示されるように、中間転写装置20及び二次転写装置30の下方の位置に存在するように配置される。この給紙装置50は、所望のサイズ、種類等の記録用紙5を積載した状態で収容する複数(又は単数)の用紙収容体51,51と、用紙収容体51から記録用紙5を1枚ずつ送り出す送出装置52とで主に構成されている。用紙収容体51は、例えば、第1の筐体1aの正面(使用者が操作時に向き合う側面)側に引き出すことができるように取り付けられている。
給紙装置50と二次転写装置30との間には、給紙装置50から送り出される記録用紙5を二次転写位置T2まで搬送する複数の用紙搬送ロール対53,54や図示しない搬送ガイド材で構成される給紙搬送路55,56が設けられている。給紙搬送路56において二次転写位置T2の直前の位置に配置される用紙搬送ロール対54は、例えば記録用紙5の搬送時期を調整するロール(レジストロール)として構成されている。給紙搬送路56の中間位置には、第1の筐体1aに隣接して配置される図示しない大容量の給紙装置等から供給される記録用紙5を受け入れて搬送する給紙搬送路57が合流している。また、二次転写位置T2と定着装置40との間には、二次転写ロール30から送り出される二次転写後の記録用紙5を定着装置40まで搬送するため、図示例では4連の搬送ベルト58a〜58dが第2の筐体1bの内部に渡り設けられている。
定着装置40の下流側には、記録用紙5を複数のロールやベルト等によって挟んだ状態で搬送することにより、記録用紙5の湾曲(以下、「カール」という)を矯正するカール矯正装置70が設けられている。
また、カール矯正装置70の下流側には、定着装置40によりトナー像が定着された記録用紙5を、第2の筐体1bの外部に配置された用紙排出部59に排出するための用紙排出ロール62を備えた用紙排出搬送路61が設けられている。
図1中、符号101は、画像形成装置の動作を制御する制御回路、102は画像処理を施す画像処理装置、103はユーザーが画像形成装置1を操作するためのユーザーインターフェイスをそれぞれ示している。
<画像形成装置の基本的な動作>
以下、画像形成装置1による基本的な画像形成動作について説明する。
ここでは、最初に、前記4つの作像装置10(Y,M,C,K)を使用して、4色(Y,M,C,K)のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像を形成するときの画像形成動作を説明する。
画像形成装置1は、画像形成動作(プリント)の要求の指令情報を受けると、4つの作像装置10(Y,M,C,K)、中間転写装置20、二次転写装置30、定着装置40等が始動する。
そして、各作像装置10(Y,M,C,K)においては、まず各感光体ドラム11が矢印Aで示す方向に回転し、各帯電装置12が各感光体ドラム11の表面を所要の極性(実施の形態1ではマイナス極性)及び電位に帯電させる。続いて、露光装置13が、帯電後の感光体ドラム11の表面に対し、画像形成装置1に入力される画像の情報を各色成分(Y,M,C,K)に変換して得られる画像の信号に基づいて発光される光LBを照射し、その表面に所要の電位差で構成される各色成分の静電潜像をそれぞれ形成する。
続いて、各現像装置14(Y,M,C,K)が、感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像に対し、所要の極性(マイナス極性)に帯電された対応する色(Y,M,C,K)のトナーをそれぞれ供給して静電的に付着させて現像を行う。この現像により、各感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像は、その対応する色のトナーでそれぞれ現像された4色(Y,M,C,K)のトナー像として顕像化される。
続いて、各作像装置10(Y,M,C,K)の感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が一次転写位置T1まで搬送されると、一次転写装置15が、その各色のトナー像を中間転写装置20の矢印Bで示す方向に回転する中間転写ベルト21に対して順番に重ね合わせるような状態で一次転写させる。
また、一次転写が終了した各作像装置10では、ドラム清掃装置16が付着物を掻き取るように除去して感光体ドラム11の表面を清掃し、最後に、除電器17が清掃後の感光体ドラム11の表面を除電する。これにより、各作像装置10は次の作像動作が可能な状態にされる。
続いて、中間転写装置20では、中間転写ベルト21の回転により一次転写されたトナー像を保持して二次転写位置T2まで搬送する。一方、給紙装置50では、作像動作に合わせて所要の記録用紙5を給紙搬送路55,56に送り出す。給紙搬送路56では、レジストロールとしての用紙搬送ロール対54が記録用紙5を転写時期に合わせて二次転写位置T2に送り出して供給する。
二次転写位置T2においては、二次転写ロール30が、中間転写ベルト21上のトナー像を記録用紙5に一括して二次転写させる。また、二次転写が終了した後の中間転写装置20では、ベルト清掃装置29が、二次転写後の中間転写ベルト21の表面に残留したトナー等の付着物を取り除いて清掃する。
続いて、トナー像が二次転写された記録用紙5は、中間転写ベルト21と二次転写ロール30から剥離された後に搬送ベルト58a〜58dにより定着装置40まで搬送される。定着装置40では、回転する定着ベルト41と加圧ロール46との間の接触部Nに二次転写後の記録用紙5を導入して通過させることにより、必要な定着処理(加熱及び加圧)をして未定着のトナー像を記録用紙5に定着させる。定着が終了した後の記録用紙5は、カール矯正装置70によりカールが矯正された後、用紙排出路62を介して用紙排出ロール63により、例えば画像形成装置1の外部に排出された排出収容部61に排出される。
以上の動作により、4色のトナー像を組み合わせて形成されるフルカラー画像が形成された記録用紙5が出力される。
次に、画像形成装置1において、例えば上記した通常の画像形成を行う際に、前記特別色(S1,S2)の現像剤4で構成される特別色トナー像を併せて形成するときの動作について説明する。
この場合は、まず、作像装置10(S1,S2)において前述した作像装置10の場合と同様の作像動作が行われ、これにより作像装置10(S1,S2)における各感光体ドラム11に特別色トナー像がそれぞれ形成される。続いて、作像装置10(S1,S2)で形成される特別色トナー像は、前述した4色のトナー像に関する画像形成動作の場合と同様に、中間転写ベルト21に一次転写された後に、二次転写装置30により中間転写ベルト21から記録用紙5に(他の色のトナー像と併せて)二次転写される。最後に、特別色トナー像と他の色のトナー像が二次転写された記録用紙5は、定着装置40において定着処理がなされた後、カール矯正装置70を経て第2の筐体1bの外部に排出される。
以上の動作により、前述した4色のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像の全面又は一部に対して2つの特別色トナー像が重なり合って存在するように形成された記録用紙5が出力される。
なお、画像形成装置1としては、各作像装置10で形成されたトナー像を中間転写装置20の中間転写ベルト21を介さずに搬送装置により搬送される記録用紙5上に直接転写するよう構成したものであっても良い。
<シート搬送装置の構成>
図1及び図4はこの発明の実施の形態1に係るシート搬送装置の一例としての用紙搬送装置を示す構成図である。図1は用紙搬送装置の概要を画像形成装置とともに示し、図4は用紙搬送装置における要部を拡大して示している。
この実施の形態に係る用紙搬送装置60は、第2の筐体1bの内部に存在するように配置されている。用紙搬送装置60は、記録用紙5を挟んで第1周速度V1で回転して搬送するとともに、画像を記録用紙5上に定着する第1搬送手段の一例としての定着装置40と、記録用紙5の搬送方向に沿って定着装置40の下流側に設けられ、記録用紙5を挟んで第1周速度V1以上の第2周速度V2で回転して搬送する第2搬送手段の一例としてのカール矯正装置70と、カール矯正装置70の下流側に設けられ、記録用紙5を挟んで第1周速度V1よりも遅い第3周速度V3で回転して搬送する第3搬送手段の一例としての用紙搬送ロール63と、経路の途中に記録用紙5が湾曲した状態で搬送される湾曲部64aを有し、記録用紙5の搬送方向に沿ったカール矯正装置70の下流側に配置される反転用搬送路64とを備えている。用紙搬送ロール63は、反転用搬送路64の湾曲部64aに配置されている。ここで、周速度とは、制御上の回転速度を意味する。
また、用紙搬送装置60は、排出用搬送路61と、排出用搬送路61の上流側の端部から下方に向けて湾曲した形状に分岐した上記の反転用搬送路64に加えて、反転用搬送路64に一旦導入された記録用紙5の搬送方向を反転することにより表裏を反転して排出用搬送路62の用紙排出ロール63へ搬送して排出収容部59に排出する反転通路65と、反転用搬送路64に一旦導入された記録用紙5の搬送方向を反転することにより表裏を反転して給紙搬送路56へ搬送する両面用搬送路69とを備えている。反転通路65は、記録用紙5を排出用搬送ロール62へと搬送する搬送ロール66を有している。
反転用搬送路64は、図4に示されるように、その湾曲した上端部に用紙搬送ロール63を有しているとともに、湾曲部64aの下方に位置するように連続して形成された直線部64bには、記録用紙5の搬送方向を正方向(下方)及び逆方向(上方)に反転可能な反転ロール67を有している。また、反転用搬送路64の直線部64bの上端からは、複数の両面用搬送ロール68を備えた両面用搬送路69が分岐されている。両面用搬送路69の先端は、第1の筐体1aの内部に設けられた給紙搬送路56に接続されている。
排出用搬送路61と反転用搬送路64との分岐部には、記録用紙5の搬送方向を切り替える第1の切替部材81が設けられている。また、反転用搬送路64の直線部64bと両面用搬送路69との分岐部には、記録用紙5の搬送方向を切り替える第2の切替部材82が設けられている。さらに、反転用搬送路64の湾曲部64aと反転通路65との分岐部には、通常、反転用搬送路64の直線部64bから搬送される記録用紙5を反転通路65へと導き、反転用搬送路64の湾曲部64aから反転用搬送路64の直線部64bへと記録用紙5が搬送される際に退避位置へと変位して記録用紙5を通過させる第3の切替部材83が配置されている。
定着装置40は、上述したように、第1駆動モータ47により加圧ロール46が第1周速度V1で回転して定着ベルト42との間に記録用紙5を挟んで搬送するよう駆動される。定着装置40のニップ部Nの入口側には、記録用紙5の搬送方向に沿った上流側の端部(後端)を検出する用紙検出手段としての第1用紙センサ84が配置されている。また、定着装置40のニップ部Nの出口側には、記録用紙5の搬送方向に沿った下流側の端部(先端)を検出する用紙検出手段としての第2用紙センサ85が配置されている。
第1及び第2用紙センサ84,85は、記録用紙5の後端が定着装置40のニップ部Nを通過したタイミングを検出する際に使用される。第1用紙センサ84を用いる場合には、記録用紙5の後端が第1用紙センサ84を通過したタイミングを当該第1用紙センサ84から出力される用紙検知信号により検出することで、L1/V1時間だけ経過した後に、記録用紙5の後端が定着装置40のニップ部Nを通過したと判定される。ここで、L1は、第1用紙センサ84から定着装置40のニップ部Nまでの距離、V1は定着装置40の記録用紙5の搬送速度(周速度)である。
一方、第2用紙センサ85を用いる場合には、記録用紙5の先端が第2用紙センサ85を通過したタイミングを当該第2用紙センサ85から出力される用紙検知信号により検出することで、(用紙長−L2)/V1時間だけ経過した後に、記録用紙5の後端が定着装置40のニップ部Nを通過したと判定される。ここで、L2は、定着装置40のニップ部Nから第2用紙センサ85からでの距離、V1は定着装置40の記録用紙5の搬送速度(周速度)である。
なお、記録用紙5の後端が定着装置40のニップ部Nを通過したタイミングは、第1及び第2用紙センサ84,85に限らず、更に上流側に配置された図示しない用紙センサや、レジストロール54が記録用紙5の搬送を開始するタイミングなどに基づいて検出しても良い。
カール矯正装置70は、図4に示されるように、記録用紙5の搬送方向に沿って上流側に配置された第1の矯正用ロール対71と、下流側に配置された第2の矯正用ロール対72とを備える。第1の矯正用ロール対71は、記録用紙5の搬送方向と交差する方向であって記録用紙5の上面(片面画像形成時の表面)側に接触するよう配置される第1上部ロール73と、第1上部ロール73に圧接した状態で記録用紙5の下面(裏面)側に接触するよう配置される第1下部ロール74とを有する。第1上部ロール73は、例えば、金属等の剛性を有する材料から円柱状又は円筒状に形成したものである。一方、第1下部ロール74は、例えば、金属製の芯金の外周に発泡弾性体(スポンジ)等からなる弾性体層を被覆して円柱状又は円筒状に形成したものである。第1下部ロール74の外径は、第1上部ロール73の外径より大きく設定されている。また、第1上部ロール73には、当該第1上部ロール73が撓み変形するのを防止するベアリング75が第1下部ロール74と対向する位置に回転自在に接触して配置されている。
そして、第1の矯正用ロール対71は、記録用紙5を第1上部ロール73と第1下部ロール74とにより挟んで搬送する際に、当該記録用紙5を下向きに凸形状となるよう湾曲させることにより、記録用紙5に生じた上向きに凸形状を呈するカールを矯正する。
また、第2の矯正用ロール対72は、記録用紙5の搬送方向と交差する方向であって記録用紙5の上面(表面)側に接触するよう配置される第2上部ロール76と、第2上部ロール76に圧接した状態で記録用紙5の下面(裏面)側に接触するよう配置される第2下部ロール77とを有している。第1上部ロール76は、例えば、金属製の芯金の外周に発泡弾性体(スポンジ)等からなる弾性体層を被覆して円柱状又は円筒状に形成したものである。一方、第2下部ロール77は、例えば、金属等の剛性を有する材料から円柱状又は円筒状に形成したものである。第2上部ロール76の外径は、第2下部ロール77の外径より大きく設定されている。また、第2下部ロール77には、当該第2下部ロール77が撓み変形するのを防止するベアリング78が第2上部ロール76と対向する位置に回転自在に接触して配置されている。
そして、第2の矯正用ロール対72は、記録用紙5を第2上部ロール76と第2下部ロール77とにより挟んで搬送する際に、当該記録用紙5を上向きに凸形状となるよう湾曲させることにより、記録用紙5に生じた下向きに凸形状を呈するカールを矯正する。
カール矯正装置70の第1及び第2の矯正用ロール対71,72は、図4に示されるように、定着装置40と同一の駆動源としての第1駆動モータ47により、図示しない駆動力伝達手段としてのギア及びトルク制限手段の一例としてのトルクリミッタ79を介して回転駆動される。カール矯正装置70は、その第1及び第2の矯正用ロール対71,72の周速度が、定着装置40の第1周速度V1以上の第2周速度(V1≦V2)となるよう駆動力伝達手段としてのギアの歯数等により設定されている。
この実施の形態では、カール矯正装置70の第2周速度V2が、定着装置40の第1周速度V1よりも速く設定されている。但し、第1駆動モータ47とカール矯正装置70との間には、トルクリミッタ79が介在されている。カール矯正装置70の第2周速度V2が定着装置40の第1周速度V1を超える状態では、定着装置40の記録用紙5のニップ力がカール矯正装置70のニップ力より大きいため、定着装置40とカール矯正装置70の双方に跨る記録用紙5がカール矯正装置70の周速度V3を規制し、トルクリミッタ79が作動して、カール矯正装置70の第2周速度V2は定着装置40の第1周速度V1と実質的に等しい速度となる。
カール矯正装置70の下流側には、反転用搬送路64の湾曲部64aに沿って記録用紙5を搬送する用紙搬送ロール63が設けられている。用紙搬送ロール63は、例えば、ステッピングモータ等からなる第2駆動モータ86によって回転駆動される。用紙搬送ロール63の周速度は、記録用紙5の後端が定着装置40のニップ部Nを通過するまでの間、定着装置40の第1周速度V1よりも遅い第3周速度V3に設定されている。
また、反転用搬送路64の直線部64bに配置された反転ロール67は、ステッピングモータ等からなる第3駆動モータ87によって正転方向及び逆転方向に第4周速度V4で回転駆動される。
さらに、排出用搬送路61に配置された排出用搬送ロール62は、ステッピングモータ等からなる第4駆動モータ88により排出方向に沿って回転駆動される。なお、図4中、符号89は排出用搬送ロール62の上流側に配置された用紙検出センサを示している。
<用紙搬送装置の動作>
この実施の形態に係る用紙搬送装置では、次のようにして記録用紙の搬送速度が切り替えされる。
用紙搬送装置60は、図1及び図4に示されるように、記録用紙5の先端が定着装置40に到達する以前に、定着装置40を起動して第1駆動モータ47により加圧ロール46を第1周速度V1で回転駆動するとともに、定着ベルト42を内部加熱ロール44により所要の定着温度に加熱する。
定着装置40には、中間転写ベルト21からトナー像が二次転写された記録用紙5が搬送ベルト58a〜58dにより搬送される。定着装置40は、回転する定着ベルト41と加圧ロール46との間のニップ部Nに二次転写後の記録用紙5を導入して通過させることにより、必要な定着処理(加熱及び加圧)をして未定着のトナー像を記録用紙5に定着させる。このとき、定着装置40は、第1周速度V1で記録用紙5を搬送するが、温度変化に伴う加圧ロール46の外径変動により、当該加圧ロール46及び定着ベルト42による記録用紙5の搬送速度に変動が生じる。そのため、定着装置40は、定着ベルト42の移動速度(周速度)を支持ロール43の軸方向に沿った端部に設けられたロータリーエコーダ48により検出し、当該ロータリーエコーダ48により検出された速度信号をフィードバックすることで、速度制御回路49により第1駆動モータ47の駆動速度が第1周速度V1と等しくなるよう制御する。
定着が終了した後の記録用紙5は、カール矯正装置70へと搬送される。カール矯正装置70は、第1及び第2の矯正用ロール対71,72により記録用紙5を挟んだ状態で第2周速度V2で搬送することにより、記録用紙5に生じたカールを矯正する。このとき、カール矯正装置70の第2周速度V2は、定着装置40の第1周速度V1よりも速く設定されているが、記録用紙5が定着装置40とカール矯正装置70との間に跨っている状態では、カール矯正装置70の第2周速度V2がトルクリミッタ79により制限され、定着装置40の第1周速度V1と等しい速度で記録用紙5を搬送する。
次に、記録用紙5の両面に画像を形成する場合、又は片面に画像が形成された記録用紙5の表裏を反転して排出する場合には、カール矯正装置70を通過した記録用紙5の搬送経路を第1切替部材81により排出用搬送路61から反転用搬送路64へと切り替える。記録用紙5は、反転用搬送路64に設けられた用紙搬送ロール63により挟まれ反転用搬送路64の湾曲部64aに沿って搬送される。
このとき、用紙搬送ロール63は、定着装置40の第1周速度V1よりも遅い第3周速度V3で記録用紙5を搬送するよう設定されている。その結果、用紙搬送ロール63により搬送される記録用紙5は、定着装置40と用紙搬送ロール63との速度に基づき、カール矯正装置70と用紙搬送ロール63との間で湾曲した状態で反転用搬送路64の湾曲部64aに沿って搬送される。
その後、記録用紙5の後端が定着装置40のニップ部Nを通過したことが第1又は第2の用紙センサ84,85からの用紙検出信号に基づいて検出されると、用紙搬送ロール63の周速度は、第3周速度V3よりも速く且つカール矯正装置70の周速度に応じた速度に切り替えられる。
カール矯正装置70は、定着装置40と同一の第1駆動モータ47により駆動され、カール矯正装置70の周速度は、第2周速度V2に設定されている。しかし、記録用紙5の後端が定着装置40のニップ部Nを通過すると、第1駆動モータ47の負荷が変動するとともに、定着装置40の加圧ロール46の温度変化に伴う外径の変動等に起因して、カール矯正装置70の周速度は、必ずしも設定された第2周速度V2と等しい速度とはならずに変動する。
そこで、この実施の形態では、記録用紙5の後端が定着装置40のニップ部Nを通過すると、用紙搬送ロール63の周速度を、第3周速度V3よりも速く且つカール矯正装置70の周速度に比例した速度V3’に切り替える。
即ち、用紙搬送ロール63の周速度は、次の式に基づいて、切替手段としての機能を有する画像形成装置1の制御回路101により、第3周速度V3よりも速く且つカール矯正装置70の周速度V2に比例した速度に切り替えられる。
V3’=a・b・V2
ここで、aはカール矯正装置70による記録用紙5のカール矯正に伴う速度変動を示すペネトレーションパラメータと呼ばれる第1の補正係数、bは記録用紙5の搬送方向に沿った長さに応じた第2の補正係数、V2はカール矯正装置70の周速度である。カール矯正装置70の周速度V2の情報(データ)は、例えば、定着装置40の速度制御回路48から第1駆動モータ47に出力される速度制御信号から得られる。
ペネトレーションパラメータと呼ばれる第1の補正係数aは、記録用紙5の坪量、普通紙やコート紙等の紙質、記録用紙5上に形成される画像密度、環境湿度等に基づいて決定される。記録用紙5の坪量が大きい場合には、カール矯正装置70の第1及び第2の矯正用ロール71,72の変形量が増加し、記録用紙5の搬送速度が増加するする傾向にある。そのため、坪量が大きい記録用紙5に対しては、坪量が小さい記録用紙5に比較して第1の補正係数aが大きく設定され、用紙搬送ロール63の周速度が増速される。また、記録用紙5の紙質がコート紙である場合には、カール矯正装置70の第1及び第2の矯正用ロール71,72が記録用紙5を挟んで搬送する際に滑りやすく、記録用紙5の搬送速度が減少する傾向にある。そのため、記録用紙5の紙質がコート紙であると判定された場合には、普通紙からなる記録用紙5に比較して第1の補正係数aが小さく設定され、用紙搬送ロール63の周速度が減速される。同様に、記録用紙5上に形成される画像密度が高い場合には、カール矯正装置70の第1及び第2の矯正用ロール71,72が記録用紙5を挟んで搬送する際に滑りやすく、記録用紙5の搬送速度が減少する傾向にある。そのため、記録用紙5の画像密度が相対的に高いと判定された場合には、画像密度が相対的に低い記録用紙5に比較して第1の補正係数aが小さく設定され、用紙搬送ロール63の周速度が減速される。
一方、記録用紙5の搬送方向に沿った長さに応じた第2の補正係数bは、長さが相対的に長い記録用紙5であると、カール矯正装置70と用紙搬送ロール63との速度差に応じて、カール矯正装置70の周速度が用紙搬送ロール63の周速度よりも速い場合には、カール矯正装置70と用紙搬送ロール63との間で記録用紙5に形成される湾曲量が次第に増加し、記録用紙5の表面が反転用搬送路64に設けられた図示しないガイド部材に接触して、画像が損傷を受けたり、記録用紙5の搬送不良(ジャム)が発生する虞れがある。
また、記録用紙5の搬送方向に沿った長さが相対的に長い場合には、カール矯正装置70と用紙搬送ロール63との間で記録用紙5の湾曲量が十分形成されずに、記録用紙5の裏面がガイド部材に接触して、記録用紙5そのものや画像が損傷を受ける虞れがある。
第2の補正係数bは、記録用紙5の長さLに応じて変更される補正係数である。記録用紙5の長さLに応じて補正係数を変更するための長さの閾値をL1、L2(L1<L2)とすると、第2の補正係数b(b1,b2,b3)は、例えば、
b1(L≦L1)<b2(L1<L≦L2)<b3(L2<L)
なる関係を満たすように設定される。このように、記録用紙5の長さLに応じて第2の補正係数bを記録用紙5の長さLが長い程、大きな値となるように設定することにより、定着装置40を記録用紙5の後端が抜けたタイミングにおける用紙のループ量に応じて用紙搬送ロール63の周速度を変更することで、長さLが相対的に短い記録用紙5が用紙搬送ロール63によって相対的に速い速度で搬送されて、記録用紙5のループ量が過少となって記録用紙5が反転用搬送路64の湾曲部64aの内側に配置されるガイド部材に接触したり、長さLが相対的に長い記録用紙5が用紙搬送ロール63によって相対的に遅い速度で搬送されて、記録用紙5のループ量が過大となって記録用紙5が反転用搬送路64の湾曲部64aの外側に配置されるガイド部材に接触したりすることを回避乃至抑制することができる。
この実施の形態では、図5及び図6に示されるように、記録用紙5の後端が定着装置40のニップ部Nを通過した際に、用紙搬送ロール63の周速度を、第3周速度V3よりも速く且つカール矯正装置70の周速度に比例した速度に切り替えることにより、記録用紙5のペネトレーションパラメータや長さにかかわらず、カール矯正装置70と用紙搬送ロール63との間で記録用紙5の湾曲量を適正に維持することが可能となり、記録用紙5のガイド部材への接触やジャム等が発生するのを抑制することが可能となる。
なお、用紙搬送ロール63の周速度は、カール矯正装置70の周速度に比例して切り替えられるものであり、搬送方向に沿った長さが相対的に短い記録用紙5などにおいては、用紙搬送ロール63の周速度がカール矯正装置70の周速度よりも速い速度に切り替えられる場合も生じる。
1…画像形成装置、40…定着装置、60…用紙搬送装置、63…用紙搬送ロール、70…カール矯正装置、101…制御回路

Claims (5)

  1. シートを挟んで第1周速度で回転して搬送する第1搬送手段と、
    前記シートの搬送方向で前記第1搬送手段の下流側に設けられ、シートを挟んで前記第1周速度以上の第2周速度で回転して搬送する第2搬送手段と、
    前記第2搬送手段の下流側に設けられ、前記シートを挟んで前記第1周速度よりも遅い第3周速度で回転して搬送する第3搬送手段と、
    前記第1及び第2の搬送手段を駆動する同一の駆動手段と、
    前記シートの後端が前記第1搬送手段を抜けた時点で、前記第3搬送手段の周速度を、前記第3周速度よりも速く且つ前記第2搬送手段の周速度に応じた速度に切り替える切替手段と、
    を備えたシート搬送装置。
  2. 前記駆動手段の駆動速度を検出する速度検出手段を更に備え、
    前記切替手段は、前記第2搬送手段の周速度を、前記速度検出手段からの速度検出信号から取得することを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
  3. 前記第2搬送手段は、前記シートの湾曲を矯正する湾曲矯正手段からなり、
    前記切替手段は、前記第3搬送手段の周速度を、前記第2搬送手段の周速度に前記シートの湾曲矯正に伴う速度変動を示す第1の補正係数を乗算した速度に切り替えることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート搬送装置。
  4. 前記切替手段は、前記第3搬送手段の周速度を、前記第2搬送手段の周速度に前記シートの搬送方向に沿った長さに応じた第2の補正係数を乗算した速度に切り替えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のシート搬送装置。
  5. 記録媒体を挟んで第1周速度で回転して搬送するとともに画像を定着する定着手段と、
    前記記録媒体の搬送方向で前記定着手段の下流側に設けられ、記録媒体を挟んで前記第1周速度以上の第2周速度で回転して搬送する第2搬送手段と、
    前記第2搬送手段の下流側に設けられ、前記シートを挟んで前記第1周速度よりも遅い第3周速度で回転して搬送する第3搬送手段と、
    前記定着手段及び第2の搬送手段を駆動する同一の駆動手段と、
    前記記録媒体の後端が前記定着手段を抜けた時点で、前記第3搬送手段の周速度を、前記第3周速度よりも速く且つ前記第2搬送手段の周速度に応じた速度に切り替える切替手段と、
    を備えた画像形成装置。
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