JP2015137173A - エレベータの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】建物が揺れた場合に共振によるロープ振れを防いで運転サービスを継続する。【解決手段】エレベータの制御装置22において、建物の揺れを検出する建物揺れ検出部31と、建物の揺れ量が所定値以上の場合に、建物の揺れによってロープが大きく振れる共振階での乗客の乗降動作を乗車または降車だけに規制して乗りかごの運転を制御する運転制御部32とを備える。【選択図】 図2

Description

本発明の実施形態は、地震や強風等による建物の揺れを検出してエレベータの運転を切り替えるエレベータの制御装置に関する。
建物が高層化されると、建物の固有振動数が低下するため、地震発生時や強風時に共振現象が起こりやすくなる。ここで、建物の固有振動数と昇降路内に設けられたエレベータのロープ(主ロープ、ガバナロープ等)の固有振動数が一致すると、ロープが共振により大きく振れてしまい、昇降路内の機器や昇降路壁に接触し、いわゆる「閉じ込め事故」が発生する危険がある。
このような事故を防止するため、近年のエレベータでは、「管制運転装置」と呼ばれる安全装置を備えている。これは、建物が揺れた場合に、その建物揺れに伴うロープ振れを検出し、その振れ量が予め設定された閾値以上の場合に乗りかごを退避階(非共振階)へ移動させ、運転サービスを休止する技術である。
特開2008−285334号公報 特開2008−74536号公報 特開2007−131360号公報
「昇降機技術基準の解説 2009年度版 分冊 昇降機耐震設計・施工指針 2009年度版」,監修 国土交通省住宅局建築指導課,編集 財団法人日本建築設備・昇降機センター、社団法人日本エレベータ協会,2009年,p.147〜166
高層の建物には、展望用エレベータが設置されていることがある。展望用エレベータは、建物のロビー階と展望階との間を往復運転して、ロビー階にいる乗客を展望階に運び、展望階にいる乗客をロビー階に運ぶサービスを行う。
ところが、高層の建物では、地震や強風等によって建物が少し揺れただけで、ロープが振れる傾向がある。この場合、ロビー階と展望階が共振階であると、乗りかごが停止している間にロープ振れが増大し、上述した管制運転によりエレベータの運転が止まってしまうことがある。
本発明が解決しようとする課題は、建物が揺れた場合に共振によるロープ振れを防いで運転サービスを継続することのできるエレベータの制御装置を提供することである。
本実施形態に係るエレベータの制御装置は、建物の昇降路内に設置されたロープを介して昇降動作する乗りかごを備えたエレベータの制御装置において、上記建物の揺れを検出する建物揺れ検出手段と、この建物揺れ検出手段によって検出された上記建物の揺れ量が所定値以上の場合に、上記建物の揺れによって上記ロープが大きく振れる共振階での乗客の乗降動作を乗車または降車だけに規制して上記乗りかごの運転を制御する運転制御手段とを具備する。
図1は第1の実施形態に係るエレベータの構成を示す図である。 図2は同実施形態におけるエレベータの制御装置の機能構成を示すブロック図である。 図3は同実施形態におけるエレベータの乗場の構成を示す図である。 図4は同実施形態におけるエレベータの乗りかご側のメインロープの振れ(最大変位)とかご位置との関係を示す図である。 図5は同実施形態におけるエレベータのカウンタウェイト側のメインロープの振れ(最大変位)とかご位置との関係を示す図である。 図6は同実施形態におけるエレベータの乗りかご側のコンペンロープの振れ(最大変位)とかご位置との関係を示す図である。 図7は同実施形態におけるエレベータのカウンタウェイト側のコンペンロープの振れ(最大変位)とかご位置との関係を示す図である。 図8は同実施形態における展望用エレベータの一例を示す図である。 図9は同実施形態における片道運転モード(第1の片道運転)を説明するための図である。 図10は同実施形態における片道運転モード(第2の片道運転)を説明するための図である。 図11は同実施形態におけるエレベータの制御装置の処理動作を示すフローチャートである。 図12は同実施形態における片道運転モードの動作を示すフローチャートである。 図13は第2の実施形態における片道運転モードを説明するための図である。 図14は第2の実施形態における片道運転モードの動作を示すフローチャートである。 図15は第3の実施形態における展望用エレベータの一例を示す図である。 図16は同実施形態における往復運転モードを説明するための図である。 図17は同実施形態における片道運転モード(第1の片道運転)を説明するための図である。 図18は同実施形態における片道運転モード(第2の片道運転)を説明するための図である。 図19は同実施形態における片道運転モードの動作を示すフローチャートである。 図20は第4の実施形態における群管理システムの構成を示すブロック図である。 図21は同実施形態における展望用エレベータの一例を示す図である。 図22は同実施形態における片道運転モード(第1の片道運転と第2の片道運転)を説明するための図である。 図23は同実施形態における片道運転モードの動作を示すフローチャートである。 図24は第5の実施形態における展望用エレベータの一例を示す図である。 図25は同実施形態における片道運転モード(第1の片道運転と第2の片道運転)を説明するための図である。 図26は同実施形態における片道運転モードの動作を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係るエレベータの構成を示す図である。今、ある建物10の中に1台のエレベータ11が設置されている場合を想定する。また、本実施形態において、このエレベータ11は展望用エレベータとして用いられ、建物10の下層階にあるロビー階と上層階にある展望階を往復運転する。
図1に示すように、建物10の最上部の機械室10aに、エレベータ11の駆動源である巻上機12が設置されている。なお、マシンルームレスタイプのエレベータでは、昇降路10b内の上部に巻上機12が設置される。
この巻上機12にメインロープ13が巻回されている。メインロープ13の一端側には乗りかご14、他端側にはカウンタウェイト15が取り付けられている。また、昇降路10bの最下部にはコンペンシーブ16が配設されている。このコンペンシーブ16を介してコンペンロープ17の端部がそれぞれ乗りかご14とカウンタウェイト15の下部に取り付けられている。
また、乗りかご14の上部にはかご制御装置18が設けられており、乗りかご14が各階の乗場21a,21b,21c…のいずれかに着床した時にかごドア19を開閉制御する。なお、かご制御装置18は、テールコードと呼ばれる伝送ケーブル20で後述する制御装置22と接続されている。
乗りかご14の下部には荷重センサ24が設けられており、乗りかご14の荷重を検出することで乗客の人数を推定することができる。荷重センサ24で検出された荷重信号はかご制御装置18を介して後述する制御装置22へ伝送される。
一方、建物10の機械室10aあるいはマシンルームレスタイプでは昇降路10b内に、エレベータ11を運転制御するための制御装置22が設置されている。
制御装置22は、CPU、ROM、RAM等を搭載したコンピュータからなる。制御装置22は、巻上機12の駆動制御など、エレベータ11の運転制御に関わる一連の処理を実行する。また、この制御装置22は、地震や強風等によって建物10が揺れた場合に、その建物10の揺れの大きさに応じて運転モードを切り替える機能などを備える。
なお、「ロープ振れ」とは、建物10が揺れることで、ロープが水平方向に振れることである。また、ここで言う「ロープ」とは、乗りかご14の昇降動作に関連したロープのことであり、図1の例ではメインロープ13の他にコンペンロープ17も含む。
ここで、建物10の上部付近には、地震や強風等による建物10の揺れを検出するための加速度センサ23が設置されている。この加速度センサ23は、建物の水平方向(x方向とy方向)の加速度を検出可能な2軸加速度センサからなり、その検出信号を制御装置22に出力する。
図2は第1の実施形態におけるエレベータの制御装置22の機能構成を示すブロック図である。
制御装置22は、建物揺れ検出部31、運転制御部32、記憶部33、通知部34を備える。建物揺れ検出部31は、加速度センサ23から出力される加速度信号に基づいて建物10の揺れ量を検出する。
運転制御部32は、乗りかご14の運転を制御し、管制運転時には乗りかご14を最寄階に停止させ、さらにロープ振れの少ない階(非共振階)への退避運転などを行う。本実施形態において、この運転制御部32には、建物10の揺れ量に基づいて往復運転モードと片道運転モードを切り替える運転モード切り替え部32aが設けられている。
「往復運転モード」とは、下層階と上層階との間の往復運転によって乗客の運転サービスを行うモードである。「片道運転モード」とは、下層階から上層階、あるいは、上層階から下層階への片道運転によって乗客の運転サービスを行うモードである。この片道運転モードに切り替えられた場合に、運転制御部32は、建物10の揺れによってロープが大きく振れる共振階での乗客の乗降動作を乗車または降車だけに規制して乗りかご14の運転を制御する。
記憶部33には、乗りかご14の運転に必要な各種情報が記憶されている。また、この記憶部33には、建物10の揺れが生じたときにロープが大きく振れる共振階に関する情報(共振階がどの階に相当するのかを示す情報など)が記憶されている。
通知部34は、乗客の乗降動作を乗車または降車だけに規制するための通知を行う。通知方法としては、具体的にはメッセージ表示あるいは音声アナウンスである。なお、メッセージ表示と音声アナウンスの両方を用いて通知しても良い。
乗りかご14内には、各階に対応した行先階釦41の他、戸開釦42a、戸閉釦42b、スピーカ43、表示器44などが設けられている。行先階釦41の操作によって乗客の行先階が指定されると、その指定された行先階がかご呼びとして制御装置22に送られる。制御装置22では、かご呼びを受信すると、乗りかご14を乗客が指定した階に移動させる。
戸開釦42aは乗客が戸開を指示するための操作ボタン、戸閉釦42bは乗客が戸閉を指示するための操作ボタンである。スピーカ43は、運転制御部32の通知部34から出力される乗客の乗降動作に関するメッセージを音声出力する。表示器44は、運転制御部32の通知部34から出力される乗客の乗降動作に関するメッセージを表示する。
また、図3に示すように、各階の乗場21(21a,21b,21c…)には、乗場ドア51、乗場呼び釦52、スピーカ53、表示器54が設けられている。乗場ドア51は、乗りかご14が着床したときにかごドア19に係合して開閉する。
乗場呼び釦52は、行先方向を示す乗場呼びを登録するためのボタンであり、上方向ボタンと下方向ボタンを有する。なお、最下階には、乗場呼び釦52として上方向ボタンのみが設けられる。最上階には、乗場呼び釦52として下方向ボタンのみが設けられる。この乗場呼び釦52の操作によって乗場呼びが登録されると、その乗場呼びが制御装置22に送られる。制御装置22では、乗場呼びを受信すると、乗りかご14を乗場呼びが登録された階に移動させる。
スピーカ53は、運転制御部32の通知部34から出力される乗客の乗降動作に関するメッセージを音声出力する。表示器44は、運転制御部32の通知部34から出力される乗客の乗降動作に関するメッセージを表示する。
ここで、ロープ振れとかご位置との関係について説明する。
「ロープ」とは、メインロープ13とコンペンロープ17のことである。詳しくは、メインロープ13については、乗りかご14側に取り付けられたメインロープ13aとカウンタウェイト15側に取り付けられたメインロープ13bに分けられる。コンペンロープ17については、乗りかご14側に取り付けられたコンペンロープ17aとカウンタウェイト15側に取り付けられたコンペンロープ17bに分けられる。
これらのロープ13a,13b,17a,17bの長さは、乗りかご14の位置によって変化する。例えばメインロープ13に着目すると、乗りかご14が最下階にいる場合には、乗りかご14側のメインロープ13aが最も長くなり、逆にカウンタウェイト15側のメインロープ13bが最も短くなる。
図4乃至図7にロープ13a,13b,17a,17bの振れとかご位置との関係を解析した結果の一例を示す。
図4は乗りかご14側のメインロープ13aの振れ(最大変位)とかご位置との関係を示す図である。図5はカウンタウェイト15側のメインロープ13bの振れ(最大変位)とかご位置との関係を示す図である。
乗りかご14側のメインロープ13aは、乗りかご14が最下階付近で最も大きく振れる特性を有する。一方、カウンタウェイト15側のメインロープ13bは、乗りかご14が最上階付近で最も大きく振れる特性を有する。
図6は乗りかご14側のコンペンロープ17aの振れ(最大変位)とかご位置との関係を示す図である。図7はカウンタウェイト15側のコンペンロープ17bの振れ(最大変位)とかご位置との関係を示す図である。
乗りかご14側のコンペンロープ17aは、乗りかご14が中央階から少し上方側の階で最も大きく振れる特性を有する。一方、カウンタウェイト15側のコンペンロープ17bは、乗りかご14が中央階から少し下方側の階で最も大きく振れる特性を有する。
なお、図4乃至図7は建物10がある一定の揺れ量とした場合の一例を示すものであり、建物10の揺れ量が大きくなるに従い、ロープ13a,13b,17a,17bの振れ量も比例して大きくなる。また、ロープの振れとかご位置の関係は建物10の特性とエレベータ11の特性によって異なり、建物10の揺れ量からロープ13a,13b,17a,17bの振れ量を求める具体的な方法については公知であるため、その詳しい説明は省略するものとする。
制御装置22の記憶部33には、予め建物10の揺れとかご位置との関係からロープ13a,13b,17a,17bのいずれかが大きく振れる階床が「共振階」として登録されているものとする。
図8は展望用エレベータの一例を示す図である。この例では、建物10の下層階の1階がロビー階、上層階の20階が展望階である。乗りかご14は、ロビー階で乗客を乗せて展望階に向かい、展望階で乗客を全員降ろしてから、今度は乗客を乗せてロビー階に向かう往復運転を繰り返す(往復運転モード)。
ここで、下層階の1階と上層階の20階の少なくとも一方が共振階であると、建物10が揺れたときに、その共振階でロープ振れが増大して乗りかご14の運転サービスが停止する可能性がある。そこで、第1の実施形態では、建物10が所定値以上に揺れた場合に往復運転モードから片道運転モードに切り替え、乗りかご14が共振階に停止している時間を短縮してロープ振れの増大を防ぐようにしている。
具体的には、図9および図10に示すように、ロビー階で乗客を乗せて展望階に向かわせる第1の片道運転(上方向専用運転)と、展望階で乗客を乗せてロビー階に向かわせる第2の片道運転(下方向専用運転)に分ける。第1の片道運転では、ロビー階で乗客の乗車のみを行い、展望階で乗客の降車のみを行う。第2の片道運転では、展望階で乗客の乗車のみを行い、ロビー階で乗客の降車のみを行う。これにより、共振階であるロビー階と展望階で乗客の乗車と降車の両方を行うことを避けることができる。
以下に、第1の実施形態の動作を詳しく説明する。
図11は第1の実施形態におけるエレベータの制御装置22の処理動作を示すフローチャートである。
地震や強風等により建物10が揺れると、機械室10aに設置された加速度センサ23から建物10の揺れ量に対応した加速度信号が制御装置22に出力される。制御装置22に設けられた建物揺れ検出部31は、加速度センサ23から出力される加速度信号に基づいて建物10の揺れ量を検出する(ステップA11)。
運転制御部32は、建物揺れ検出部31によって検出された建物10の揺れ量が所定値以上であるか否かを判断する(ステップA12)。なお、上記所定値は、建物揺れとロープ振れとの関係から予め設定されている。
建物10の揺れ量が所定値未満であった場合(ステップA12のNo)、運転制御部32は、往復運転モードを実行する(ステップA13)。図8で説明したように、往復運転モードでは、乗りかご14がロビー階で乗客を乗せて展望階に向かい、展望階で乗客を全員降ろしてから、今度は乗客を乗せてロビー階に向かうことになる。
一方、建物10の揺れ量が所定値以上であった場合(ステップA12のYes)、運転制御部32は、往復運転モードから片道運転モードに切り替える(ステップA14)。図9および図10で説明したように、片道運転モードでは、乗りかご14がロビー階で乗客を乗せて展望階に向かう第1の片道運転と、展望階で乗客を乗せてロビー階に向かう第2の片道運転が行われる。なお、この片道運転モードの動作については、後に図12を参照して詳しく説明する。
エレベータの運転が終了するまで(ステップA15のNo)、上記ステップA11からの処理が繰り返される。片道運転中に建物10の揺れが収まり、所定値未満になれば、往復運転モードに切り替えられる。
図12は第1の実施形態における片道運転モードの動作を示すフローチャートである。なお、フローチャート中の「下層の共振階」と「上層の共振階」とは、図8の展望用エレベータにおけるロビー階(1階)と展望階(20階)のことである。ロビー階と展望階が共振階であることは、予め記憶部33に記憶されている。
往復運転モードから片道運転モードに切り替えられると、まず、以下のような第1の片道運転が実行される。
すなわち、運転制御部32は、乗りかご14が下層の共振階つまりロビー階に着床したことを確認すると(ステップB11のYes)、乗りかご14を戸開して乗客を乗せる(ステップB12)。
このとき、運転制御部32は、通知部34を通じて乗りかご14内の乗客に対し降車禁止を通知する(ステップB13)。具体的には、「片道運転中のため、降りないで下さい」といったようなメッセージを乗りかご14内のスピーカ43から音声出力するか、あるいは、表示器44に表示して乗客の降車を規制する。
乗りかご14に乗客が乗車すると、運転制御部32は、乗りかご14を展望階に向けて上方向(UP方向)に運転する(ステップB14)。そして、運転制御部32は、乗りかご14が上層の共振階つまり展望階に着床したことを確認すると(ステップB15のYes)、乗りかご14を戸開して乗客を降ろす(ステップB16)。
このとき、運転制御部32は、通知部34を通じて乗場21の乗客に対し乗車禁止を通知する(ステップB17)。具体的には、「片道運転中のため、乗らないで下さい」といったようなメッセージを乗場21のスピーカ53から音声出力するか、あるいは、表示器54に表示して乗客の乗車を規制する。
乗りかご14から乗客が降車すると、運転制御部32は、乗りかご14をロビー階に向けて下方向(DN方向)に運転する(ステップB18)。ここで、乗りかご14が下層の共振階つまりロビー階に着床したときに(ステップB19のYes)、運転制御部32は、第1の片道運転の開始から所定時間(例えば10分)が経過したか否かを判断する(ステップB20)。第1の片道運転の開始から所定時間が経過していなければ(ステップB20のNo)、運転制御部32は、ロビー階で乗客を乗せて第1の片道運転を繰り返す(ステップB12)。この状態が図9である。
第1の片道運転の開始から所定時間が経過していた場合には(ステップB20のYes)、運転制御部32は、乗りかご14を展望階に向けて上方向(UP方向)に運転した後(ステップB14)、以下のような第2の片道運転を実行する。第2の片道運転では、展望階で乗車のみ、ロビー階で降車のみとなる。
すなわち、運転制御部32は、乗りかご14が上層の共振階つまり展望階に着床したことを確認すると(ステップB22のYes)、乗りかご14を戸開して乗客を乗せる(ステップB23)。
このとき、運転制御部32は、通知部34を通じて乗りかご14内の乗客に対し降車禁止を通知する(ステップB24)。具体的には、「片道運転中のため、降りないで下さい」といったようなメッセージを乗りかご14内のスピーカ43から音声出力するか、あるいは、表示器44に表示して乗客の降車を規制する。
乗りかご14に乗客が乗車すると、運転制御部32は、乗りかご14をロビー階に向けて下方向(DN方向)に運転する(ステップB25)。そして、運転制御部32は、乗りかご14が下層の共振階つまりロビー階に着床したことを確認すると(ステップB26のYes)、乗りかご14を戸開して乗客を降ろす(ステップB27)。
このとき、運転制御部32は、通知部34を通じて乗場21の乗客に対し乗車禁止を通知する(ステップB28)。具体的には、「片道運転中のため、乗らないで下さい」といったようなメッセージを乗場21のスピーカ53から音声出力するか、あるいは、表示器54に表示して乗客の乗車を規制する。
乗りかご14から乗客が降車すると、運転制御部32は、乗りかご14を展望階に向けて上方向(UP方向)に運転する(ステップB29)。ここで、乗りかご14が上層の共振階つまり展望階に着床したときに(ステップB23のYes)、運転制御部32は、第2の片道運転の開始から所定時間(例えば10分)が経過したか否かを判断する(ステップB31)。第2の片道運転の開始から所定時間が経過していなければ(ステップB31のNo)、運転制御部32は、展望階で乗客を乗せて第2の片道運転を繰り返す(ステップB23)。この状態が図10である。
第2の片道運転の開始から所定時間が経過していた場合には(ステップB31のYes)、運転制御部32は、乗りかご14をロビー階に向けて下方向(DN方向)に運転した後(ステップB32)、再び第1の片道運転を実行する。
このように、建物10が所定値以上に揺れた場合に片道運転モードに切り替えることで、共振階での停止時間を短縮でき、ロープ振れの増大を防いで運転サービスを継続することができる。
なお、図12の例では、所定の時間間隔で第1の片道運転と第2の片道運転を切り替えるようにしたが、ロビー階または展望階の混雑状況に応じて第1の片道運転と第2の片道運転を切り替えることでも良い。混雑状況は、例えば各階の乗場に設置した監視カメラの映像を解析することで判断できる。運転制御部32は、この解析結果に基づいてロビー階で所定人数以上の待ちが検出された場合には第1の片道運転を行い、展望階で所定人数以上の待ちが検出された場合には第2の片道運転を行う。
また、片道運転中は乗車禁止または降車禁止を通知することに加え、ロビー階と展望階の乗場に乗車用と降車用の柵などを設けておくことが好ましい。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
図8に示したように、建物10の下層階の1階がロビー階、上層階の20階が展望階であり、それぞれ共振階である。ここで、ロビー階と展望階の近くにそれぞれ非共振階があるものとする。図8の例では、6階と15階が非共振階である。
「非共振階」とは、建物10が揺れに伴うロープ振れが少ない階のことである。例えば、乗りかご14側のメインロープ13aであれば、乗りかご14が最下階付近で最も大きく振れる特性を有する。したがって、メインロープ13aに関しては最下階付近が共振階となる。カウンタウェイト15側のメインロープ13bは、乗りかご14が最上階付近で最も大きく振れる特性を有する。したがって、メインロープ13bに関しては最上階付近が共振階となる。
乗りかご14側に取り付けられたコンペンロープ17aとカウンタウェイト15側に取り付けられたコンペンロープ17bについても同様であり、それぞれに乗りかご14の位置によって大きく振れる共振階がある。
非共振階は、これらのロープ13a,13b,17a,17bの振れ特性を総合的に解析した結果から得られる。一般的には、建物10の中央付近がロープ13a,13b,17a,17bの振れが少ないので、その中央付近の階が非共振階であり、乗りかご14が停滞していても安全な退避階の1つとして設定される。
第2の実施形態では、このような非共振階を利用して、第1の片道運転と第2の片道運転を交互に行う。この様子を図13に示す。
図13は第2の実施形態における片道運転モードを説明するための図である。
往復運転モードから片道運転モードに切り替えると、まず、ロビー階で乗客を乗せて展望階に向かう第1の片道運転(上方向専用運転)を行う。ここで、展望階で乗客全員を降ろした後、一度下方向に運転し、展望階に近い非共振階(15階)で方向反転して展望階に戻る。展望階に戻ると、そこで乗客を乗せてロビー階に向かう第2の片道運転(下方向専用運転)を行う。
また、ロビー階で乗客全員を降ろした後、一度上方向に運転し、ロビー階に近い非共振階(6階)で方向反転してロビー階に戻る。ロビー階に戻ると、そこで乗客を乗せて再び展望階に向かう第1の片道運転を行う。
以下に、第2の実施形態の動作を詳しく説明する。
図14は第2の実施形態における片道運転モードの動作を示すフローチャートである。なお、フローチャート中の「下層の共振階」と「上層の共振階」とは、図8の展望用エレベータにおけるロビー階と展望階のことである。ロビー階と展望階が共振階であることは、予め記憶部33に記憶されている。また、非共振階に関する情報も予め記憶部33に記憶されているものとする。
往復運転モードから片道運転モードに切り替えられると、まず、以下のような第1の片道運転が実行される。
すなわち、運転制御部32は、乗りかご14が下層の共振階つまりロビー階に着床したことを確認すると(ステップC11のYes)、乗りかご14を戸開して乗客を乗せる(ステップC12)。
このとき、運転制御部32は、通知部34を通じて乗りかご14内の乗客に対し降車禁止を通知する(ステップC13)。具体的には、「片道運転中のため、降りないで下さい」といったようなメッセージを乗りかご14内のスピーカ43から音声出力するか、あるいは、表示器44に表示して乗客の降車を規制する。
乗りかご14に乗客が乗車すると、運転制御部32は、乗りかご14を展望階に向けて上方向(UP方向)に運転する(ステップC14)。そして、運転制御部32は、乗りかご14が上層の共振階つまり展望階に着床したことを確認すると(ステップC15のYes)、乗りかご14を戸開して乗客を降ろす(ステップC16)。
このとき、運転制御部32は、通知部34を通じて乗場21の乗客に対し乗車禁止を通知する(ステップC17)。具体的には、「片道運転中のため、乗らないで下さい」といったようなメッセージを乗場21のスピーカ53から音声出力するか、あるいは、表示器54に表示して乗客の乗車を規制する。
ここで、乗りかご14から乗客が降車すると、運転制御部32は、乗りかご14を下方向(DN方向)に運転し(ステップC18)、展望階に近い非共振階まで来たときに(ステップC19のYes)、方向反転して展望階に戻る(ステップC20)。この状態が図13の左側部分である。
乗りかご14が展望階に戻ると、運転制御部32は、以下のような第2の片道運転を実行する。第2の片道運転では、展望階で乗車のみ、ロビー階で降車のみとなる。
すなわち、運転制御部32は、乗りかご14が上層の共振階つまり展望階に着床したことを確認すると(ステップC21のYes)、乗りかご14を戸開して乗客を乗せる(ステップC22)。
このとき、運転制御部32は、通知部34を通じて乗りかご14内の乗客に対し降車禁止を通知する(ステップC23)。具体的には、「片道運転中のため、降りないで下さい」といったようなメッセージを乗りかご14内のスピーカ43から音声出力するか、あるいは、表示器44に表示して乗客の降車を規制する。
乗りかご14に乗客が乗車すると、運転制御部32は、乗りかご14をロビー階に向けて下方向(DN方向)に運転する(ステップC24)。そして、運転制御部32は、乗りかご14が下層の共振階つまりロビー階に着床したことを確認すると(ステップC25のYes)、乗りかご14を戸開して乗客を降ろす(ステップC26)。
このとき、運転制御部32は、通知部34を通じて乗場21の乗客に対し乗車禁止を通知する(ステップC27)。具体的には、「片道運転中のため、乗らないで下さい」といったようなメッセージを乗場21のスピーカ53から音声出力するか、あるいは、表示器54に表示して乗客の乗車を規制する。
ここで、乗りかご14から乗客が降車すると、運転制御部32は、乗りかご14を上方向(UP方向)に運転し(ステップC28)、ロビー階に近い非共振階まで来たときに(ステップC29のYes)、方向反転してロビー階に戻る(ステップC30)。乗りかご14がロビー階に戻ると、再び第1の片道運転が実行される。この状態が図13の右側部分である。
このように、第1の片道運転後に非共振階で方向反転して第2の片道運転を行い、第2の片道運転後に非共振階で方向反転して第1の片道運転を行うことでも、共振階での停止時間を短縮でき、ロープ振れの増大を防いで運転サービスを継続することができる。
なお、図14の例では、非共振階で直ぐに方向反転して展望階またはロビー階に戻るようしたが、非共振階で建物揺れが収まるのを待ってから方向反転し、展望階またはロビー階に戻るようにしても良い。このようすれば、建物揺れが収まった状態で展望階またはロビー階に戻れるので、そこから通常の往復運転を再開することができる。
また、必ずしも非共振階で方向反転する必要はなく、非共振階の近く(階床間)で方向反転することでも良い。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
上記第1および第2の実施形態では、同一フロアで乗客の乗車と降車を行う場合を想定して説明した。第3の実施形態では、乗客の乗車と降車を別フロアで行う場合を想定している。
図15は第3の実施形態における展望用エレベータの一例を示す図である。建物10の仕様により、乗客が乗車する階と乗客が降車する階に分けられている。この例では、建物10の下層階の1階が乗車専用階(ロビー階)、2階が降車専用階であり、上層階の20階が降車専用階(展望階)、19階が乗車専用階である。
図16に示すように、乗りかご14は、1階の乗車専用階(ロビー階)で乗客を乗せて20階の降車専用階(展望階)に向かう。そして、20階で乗客を全員降ろしてから、今度は19階の乗車専用階で乗客を乗せて2階の到着階に向かい、2階で乗客を降ろした後、1階の乗車専用階に戻るといった運転を繰り返す(往復運転モード)。
ここで、下層階の1階と2階、上層階の20階と19階のいずれかが共振階であると、建物10が揺れたときに、その共振階でロープ振れが増大して乗りかご14a,乗りかご14bの運転サービスが停止する可能性がある。そこで、第5の実施形態では、建物10が所定値以上に揺れた場合に各号機の運転モードを往復運転モードから片道運転モードに切り替え、乗りかご14a,14bが共振階に停止している時間を短縮してロープ振れの増大を防ぐようにしている。
具体的には、図17および図18に示すように、ロビー階である1階で乗客を乗せて展望階である20階に向かわせる第1の片道運転(上方向専用運転)と、展望階の1つ下の19階で乗客を乗せてロビー階の1つ上の2階に向かわせる第2の片道運転(下方向専用運転)に分ける。第1の片道運転では、ロビー階で乗客の乗車のみを行い、展望階で乗客の降車のみを行う。第2の片道運転では、展望階の下の階で乗客の乗車のみを行い、ロビー階の上の階で乗客の降車のみを行う。これにより、共振階であるロビー階と展望階、ロビー階の上の階と展望階の下の階で乗客の乗車と降車の両方を行うことを避けることができる。
以下に、第3の実施形態の動作を詳しく説明する。
図19は第3の実施形態における片道運転モードの動作を示すフローチャートである。なお、フローチャート中の「下層の乗車専用階(下層階側の乗車専用階)」と「上層の降車専用階(上層階側の降車専用階)」とは、図15の展望用エレベータにおけるロビー階(1階)と展望階(20階)のことである。また、「上層の乗車専用階(上層階側の乗車専用階)」と「下層の降車専用階(下層階側の降車専用階)」とは、展望階の1つの下の階(19階)とロビー階の1つ上の階(2階)のことである。これらの階が共振階であることは、予め記憶部33に記憶されている。
往復運転モードから片道運転モードに切り替えられると、まず、以下のような第1の片道運転が実行される。
すなわち、運転制御部32は、乗りかご14が下層の乗車専用階つまりロビー階に着床したことを確認すると(ステップD11のYes)、乗りかご14を戸開して乗客を乗せる(ステップD12)。
このとき、運転制御部32は、通知部34を通じて乗りかご14内の乗客に対し降車禁止を通知する(ステップD13)。具体的には、「片道運転中のため、降りないで下さい」といったようなメッセージを乗りかご14内のスピーカ43から音声出力するか、あるいは、表示器44に表示して乗客の降車を規制する。
乗りかご14に乗客が乗車すると、運転制御部32は、乗りかご14を展望階に向けて上方向(UP方向)に運転する(ステップD14)。そして、運転制御部32は、乗りかご14が上層の降車専用階つまり展望階に着床したことを確認すると(ステップD15のYes)、乗りかご14を戸開して乗客を降ろす(ステップD16)。
このとき、運転制御部32は、通知部34を通じて乗場21の乗客に対し乗車禁止を通知する(ステップD17)。具体的には、「片道運転中のため、乗らないで下さい」といったようなメッセージを乗場21のスピーカ53から音声出力するか、あるいは、表示器54に表示して乗客の乗車を規制する。
乗りかご14から乗客が降車すると、運転制御部32は、乗りかご14をロビー階に向けて下方向(DN方向)に運転する(ステップD18)。ここで、乗りかご14が下層の乗車専用階つまりロビー階に着床したときに(ステップD19のYes)、運転制御部32は、第1の片道運転の開始から所定時間(例えば10分)が経過したか否かを判断する(ステップD20)。第1の片道運転の開始から所定時間が経過していなければ(ステップD20のNo)、運転制御部32は、ロビー階で乗客を乗せて第1の片道運転を繰り返す(ステップD12)。この状態が図17である。
第1の片道運転の開始から所定時間が経過していた場合には(ステップD20のYes)、運転制御部32は、乗りかご14を展望階の1つ下の階に向けて上方向(UP方向)に運転した後(ステップD14)、以下のような第2の片道運転を実行する。第2の片道運転では、展望階の1つ下の階で乗車のみ、ロビー階の1つ上の階で降車のみとなる。
すなわち、運転制御部32は、乗りかご14が上層の乗車専用階つまり展望階の1つ下の階に着床したことを確認すると(ステップD22のYes)、乗りかご14を戸開して乗客を乗せる(ステップD23)。
このとき、運転制御部32は、通知部34を通じて乗りかご14内の乗客に対し降車禁止を通知する(ステップD24)。具体的には、「片道運転中のため、降りないで下さい」といったようなメッセージを乗りかご14内のスピーカ43から音声出力するか、あるいは、表示器44に表示して乗客の降車を規制する。
乗りかご14に乗客が乗車すると、運転制御部32は、乗りかご14をロビー階の1つ上の階に向けて下方向(DN方向)に運転する(ステップD25)。そして、運転制御部32は、乗りかご14が下層の乗車専用階つまりロビー階の1つ上の階に着床したことを確認すると(ステップD26のYes)、乗りかご14を戸開して乗客を降ろす(ステップD27)。
このとき、運転制御部32は、通知部34を通じて乗場21の乗客に対し乗車禁止を通知する(ステップD28)。具体的には、「片道運転中のため、乗らないで下さい」といったようなメッセージを乗場21のスピーカ53から音声出力するか、あるいは、表示器54に表示して乗客の乗車を規制する。
乗りかご14から乗客が降車すると、運転制御部32は、乗りかご14を展望階の1つ下の階に向けて上方向(UP方向)に運転する(ステップD29)。ここで、乗りかご14が上層の乗車専用階つまり展望階の1つ下の階に着床したときに(ステップD20のYes)、運転制御部32は、第2の片道運転の開始から所定時間(例えば10分)が経過したか否かを判断する(ステップD31)。第2の片道運転の開始から所定時間が経過していなければ(ステップD31のNo)、運転制御部32は、展望階の1つ下の階で乗客を乗せて第2の片道運転を繰り返す(ステップD23)。この状態が図18である。
第2の片道運転の開始から所定時間が経過していた場合には(ステップD31のYes)、運転制御部32は、乗りかご14をロビー階に向けて下方向(DN方向)に運転した後(ステップD32)、再び第1の片道運転を実行する。
このように、乗客の乗車と降車を別フロアで行う建物構造において、所定の時間間隔で第1の片道運転と第2の片道運転を切り替えることで、共振階での停止時間を短縮でき、ロープ振れの増大を防いで運転サービスを継続することができる。
なお、図19の例では、所定の時間間隔で第1の片道運転と第2の片道運転を切り替えるようにしたが、下層の乗車専用階(ロビー階)または上層の乗車専用階(展望階の1つ下の階)の混雑状況に応じて第1の片道運転と第2の片道運転を切り替えることでも良い。混雑状況は、例えば各階の乗場に設置した監視カメラの映像を解析することで判断できる。運転制御部32は、この解析結果に基づいて下層の乗車専用階(ロビー階)で所定人数以上の待ちが検出された場合には第1の片道運転を行い、上層の乗車専用階(展望階の1つ下の階)で所定人数以上の待ちが検出された場合には第2の片道運転を行う。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。
上記第1乃至第3の実施形態では、1台の乗りかごを有するシングルエレベータが対象であった。これに対し、第4の実施形態では、複数台の乗りかごを有する群管理システムを対象としている。
図20は第4の実施形態における群管理システムの構成を示すブロック図である。
建物10に複数台のエレベータが並設されている。なお、以下では、各エレベータのことを「号機」と呼ぶ。図1の例では、A,Bの2台の号機が群管理された構成が示されているが、群管理の対象は2台に限らず、何台でも良い。
群管理制御装置100は、乗場呼びやかご呼びに応答して各号機の運転を制御する。「乗場呼び」とは、各階の乗場に設置された乗場呼び釦の操作により登録される呼びの信号のことである。この乗場呼びには、登録階と行先方向(上方向/下方向)の情報を含む。「かご呼び」とは、乗りかご内に設けられた行先階釦の操作により登録される呼びの信号のことである。このかご呼びには、行先階の情報を含む。
この群管理制御装置100には、建物揺れ検出部101、運転制御部102、記憶部103、通知部104を備える。建物揺れ検出部31は、加速度センサ23から出力される加速度信号に基づいて建物10の揺れ量を検出する。
運転制御部102は、各号機の乗りかご14a,14bの運転を制御する。本実施形態において、この運転制御部102には、建物10の揺れ量に基づいて各号機の運転モードを切り替える運転モード切り替え部102aが設けられている。
記憶部103には、各号機の乗りかご14a,14bの運転に必要な各種情報が記憶されている。また、この記憶部103には、建物10の揺れが生じたときにロープが大きく振れる共振階に関する情報(共振階がどの階に相当するのかを示す情報など)が記憶されている。
通知部104は、乗客の乗降動作を乗車または降車だけに規制するための通知を行う。通知方法としては、具体的にはメッセージ表示あるいは音声アナウンスである。なお、メッセージ表示と音声アナウンスの両方を用いて通知しても良い。
号機制御装置105aは、A号機の乗りかご14aの運転を制御する。号機制御装置105bは、B号機の乗りかご14bの運転を制御する。乗りかご14aの下部には荷重センサ24aが設けられており、乗りかご14aの荷重を検出することで乗客の人数を推定することができる。同様に、乗りかご14bの下部には荷重センサ24bが設けられており、乗りかご14bの荷重を検出することで乗客の人数を推定することができる。
なお、乗りかご14a,14bには、図2に示した乗りかご14と同様に各階に対応した行先階釦41の他、戸開釦42a、戸閉釦42b、スピーカ43、表示器44などが設けられているものとする。また、図3に示すように、各階の乗場21(21a,21b,21c…)には、乗場ドア51、乗場呼び釦52、スピーカ53、表示器54が設けられているものとする。
図21は第4の実施形態における展望用エレベータの一例を示す図である。建物10内にA号機の乗りかご14a、B号機の乗りかご14bが設けられている。また、建物10の下層階の1階がロビー階、上層階の20階が展望階である。
通常は、A号機の乗りかご14aとB号機の乗りかご14bは、それぞれにロビー階で乗客を乗せて展望階に向かい、展望階で乗客を全員降ろしてから、今度は乗客を乗せてロビー階に向かう往復運転を繰り返す(往復運転モード)。
ここで、下層階の1階と上層階の20階の少なくとも一方が共振階であると、建物10が揺れたときに、その共振階でロープ振れが増大して乗りかご14a,14bの運転サービスが停止する可能性がある。そこで、第4の実施形態では、建物10が所定値以上に揺れた場合に各号機の運転モードを往復運転モードから片道運転モードに切り替え、乗りかご14a,14bが共振階に停止している時間を短縮してロープ振れの増大を防ぐようにしている。
具体的には、図22に示すように、第1の片道運転(上方向専用運転)を行う乗りかご14aと、第2の片道運転(下方向専用運転)を行う乗りかご14bに分ける。第1の片道運転では、ロビー階で乗客の乗車のみを行い、展望階で乗客の降車のみを行う。第2の片道運転では、展望階で乗客の乗車のみを行い、ロビー階で乗客の降車のみを行う。これにより、共振階であるロビー階と展望階で乗客の乗車と降車の両方を行うことを避けることができる。
以下に、第4の実施形態の動作を詳しく説明する。
図23は第4の実施形態における片道運転モードの動作を示すフローチャートである。なお、フローチャート中の「下層の共振階」と「上層の共振階」とは、図21の展望用エレベータにおけるロビー階と展望階のことである。ロビー階と展望階が共振階であることは、予め記憶部103に記憶されている。
往復運転モードから片道運転モードに切り替えられると、群管理制御装置100に設けられた運転制御部102は、A号機とB号機を2つのグループに分け、一方のグループでは第1の片道運転、他方のグループでは第2の片道運転を行うように制御する。以下では、A号機が第1の片道運転、B号機が第2の片道運転を行う場合を想定して説明する。
まず、運転制御部102は、A号機の乗りかご14aが下層の共振階つまりロビー階に着床したことを確認すると(ステップE11→ステップE12のYes、)、乗りかご14を戸開して乗客を乗せる(ステップE13)。
このとき、運転制御部102は、通知部34を通じて乗りかご14a内の乗客に対し降車禁止を通知する(ステップE14)。具体的には、「片道運転中のため、降りないで下さい」といったようなメッセージを乗りかご14a内のスピーカ43から音声出力するか、あるいは、表示器44に表示して乗客の降車を規制する。
乗りかご14aに乗客が乗車すると、運転制御部102は、乗りかご14aを展望階に向けて上方向(UP方向)に運転する(ステップE15)。そして、運転制御部102は、乗りかご14aが上層の共振階つまり展望階に着床したことを確認すると(ステップE16のYes)、乗りかご14を戸開して乗客を降ろす(ステップE17)。
このとき、運転制御部102は、通知部34を通じて乗場21の乗客に対し乗車禁止を通知する(ステップE18)。具体的には、「片道運転中のため、乗らないで下さい」といったようなメッセージを乗場21のスピーカ53から音声出力するか、あるいは、表示器54に表示して乗客の乗車を規制する。
乗りかご14aから乗客が降車すると、運転制御部102は、乗りかご14aをロビー階に向けて下方向(DN方向)に運転し(ステップE19)、第1の片道運転を繰り返す(ステップE12)。この状態が図22のA号機の動きである。
一方、運転制御部102は、B号機の乗りかご14bが上層の共振階つまり展望階に着床したことを確認すると(ステップE11→ステップE20のYes)、乗りかご14bを戸開して乗客を乗せる(ステップE21)。
このとき、運転制御部102は、通知部34を通じて乗りかご14b内の乗客に対し降車禁止を通知する(ステップE22)。具体的には、「片道運転中のため、降りないで下さい」といったようなメッセージを乗りかご14b内のスピーカ43から音声出力するか、あるいは、表示器44に表示して乗客の降車を規制する。
乗りかご14bに乗客が乗車すると、運転制御部102は、乗りかご14bをロビー階に向けて下方向(DN方向)に運転する(ステップE23)。そして、運転制御部102は、乗りかご14bが下層の共振階つまりロビー階に着床したことを確認すると(ステップE24のYes)、乗りかご14bを戸開して乗客を降ろす(ステップE25)。
このとき、運転制御部102は、通知部34を通じて乗場21の乗客に対し乗車禁止を通知する(ステップE26)。具体的には、「片道運転中のため、乗らないで下さい」といったようなメッセージを乗場21のスピーカ53から音声出力するか、あるいは、表示器54に表示して乗客の乗車を規制する。
乗りかご14bから乗客が降車すると、運転制御部102は、乗りかご14bを展望階に向けて上方向(UP方向)に運転してステップE27)、第2の片道運転を繰り返す。この状態が図22のB号機の動きである。
このように、複数台の乗りかごを有する場合には、第1の片道運転を行う乗りかごと第2の片道運転を行う乗りかごに分けて運転することで、共振階での停止時間を短縮でき、ロープ振れの増大を防いで運転サービスを継続することができる。
なお、3台以上の乗りかごを有する群管理システムでも同様である。この場合、各乗りかごを少なくとも2つのグループに分け、一方のグループでは第1の片道運転を行い、他方のグループでは第2の片道運転を行うことになる。
また、ロビー階または展望階の混雑状況に応じて第1の片道運転を行う乗りかごの台数と第2の片道運転を行う乗りかごの台数を適宜変更することでも良い。
また、各号機が片道運転中のときは乗車禁止または降車禁止を通知することに加え、ロビー階と展望階の乗場に乗車用と降車用の柵などを設けておくことが好ましい。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。
第5の実施形態では、上記第3の実施形態と同様に乗客の乗車と降車を別フロアで行う建物構造において、複数台の乗りかごを有する場合を想定している。
図24は第5の実施形態における展望用エレベータの一例を示す図である。建物10内にA号機の乗りかご14a、B号機の乗りかご14bが設けられている。また、建物10の仕様により、乗客が乗車する階と乗客が降車する階に分けられている。この例では、建物10の下層階の1階が乗車専用階(ロビー階)、2階が降車専用階であり、上層階の20階が降車専用階(展望階)、19階が乗車専用階である。
A号機の乗りかご14a、B号機の乗りかご14bは、それぞれに1階の乗車専用階(ロビー階)で乗客を乗せて20階の降車専用階(展望階)に向かう。そして、20階で乗客を全員降ろしてから、今度は19階の乗車専用階で乗客を乗せて2階の到着階に向かい、2階で乗客を降ろした後、1階の乗車専用階に戻るといった運転を繰り返す(往復運転モード)。
ここで、下層階の1階と2階、上層階の20階と19階のいずれかが共振階であると、建物10が揺れたときに、その共振階でロープ振れが増大して乗りかご14の運転サービスが停止する可能性がある。そこで、第3の実施形態では、建物10が所定値以上に揺れた場合に往復運転モードから片道運転モードに切り替え、乗りかご14が共振階に停止している時間を短縮してロープ振れの増大を防ぐようにしている。
具体的には、図25に示すように、第1の片道運転(上方向専用運転)を行う乗りかご14aと、第2の片道運転(下方向専用運転)を行う乗りかご14bに分ける。第1の片道運転では、ロビー階で乗客の乗車のみを行い、展望階で乗客の降車のみを行う。第2の片道運転では、展望階の下の階で乗客の乗車のみを行い、ロビー階の上の階で乗客の降車のみを行う。これにより、共振階であるロビー階と展望階、ロビー階の上の階と展望階の下の階で乗客の乗車と降車の両方を行うことを避けることができる。
以下に、第5の実施形態の動作を詳しく説明する。
図26は第5の実施形態における片道運転モードの動作を示すフローチャートである。なお、フローチャート中の「下層の乗車専用階(下層の乗車専用階)」と「上層の降車専用階(上層の降車専用階)」とは、図24の展望用エレベータにおけるロビー階(1階)と展望階(20階)のことである。また、「上層の乗車専用階(上層の乗車専用階)」と「下層の降車専用階(下層の降車専用階)」とは、展望階の1つの下の階(19階)とロビー階の1つ上の階(2階)のことである。これらの階が共振階であることは、予め記憶部103に記憶されている。
往復運転モードから片道運転モードに切り替えられると、群管理制御装置100に設けられた運転制御部102は、A号機とB号機を2つのグループに分け、一方のグループでは第1の片道運転、他方のグループでは第2の片道運転を行うように制御する。以下では、A号機が第1の片道運転、B号機が第2の片道運転を行う場合を想定して説明する。
まず、運転制御部102は、A号機の乗りかご14aが下層の乗車専用階つまりロビー階に着床したことを確認すると(ステップF11→ステップF12のYes)、乗りかご14aを戸開して乗客を乗せる(ステップF13)。
このとき、運転制御部102は、通知部34を通じて乗りかご14a内の乗客に対し降車禁止を通知する(ステップF14)。具体的には、「片道運転中のため、降りないで下さい」といったようなメッセージを乗りかご14a内のスピーカ43から音声出力するか、あるいは、表示器44に表示して乗客の降車を規制する。
乗りかご14aに乗客が乗車すると、運転制御部102は、乗りかご14aを展望階に向けて上方向(UP方向)に運転する(ステップF15)。そして、運転制御部102は、乗りかご14aが上層の降車専用階つまり展望階に着床したことを確認すると(ステップF16のYes)、乗りかご14aを戸開して乗客を降ろす(ステップF17)。
このとき、運転制御部102は、通知部34を通じて乗場21の乗客に対し乗車禁止を通知する(ステップF18)。具体的には、「片道運転中のため、乗らないで下さい」といったようなメッセージを乗場21のスピーカ53から音声出力するか、あるいは、表示器54に表示して乗客の乗車を規制する。
乗りかご14aから乗客が降車すると、運転制御部102は、乗りかご14aをロビー階に向けて下方向(DN方向)に運転して(ステップF19)、第1の片道運転を繰り返す(ステップF12)。この状態が図25のA号機の動きである。
一方、運転制御部102は、B号機の乗りかご14bが上層の乗車専用階つまり展望階の1つ下の階に着床したことを確認すると(ステップF11→ステップF20のYes)、乗りかご14bを戸開して乗客を乗せる(ステップF21)。
このとき、運転制御部102は、通知部34を通じて乗りかご14b内の乗客に対し降車禁止を通知する(ステップF22)。具体的には、「片道運転中のため、降りないで下さい」といったようなメッセージを乗りかご14b内のスピーカ43から音声出力するか、あるいは、表示器44に表示して乗客の降車を規制する。
乗りかご14bに乗客が乗車すると、運転制御部102は、乗りかご14bをロビー階の1つ上の階に向けて下方向(DN方向)に運転する(ステップF23)。そして、運転制御部102は、乗りかご14bが下層の乗車専用階つまりロビー階の1つ上の階に着床したことを確認すると(ステップF24のYes)、乗りかご14bを戸開して乗客を降ろす(ステップF25)。
このとき、運転制御部102は、通知部34を通じて乗場21の乗客に対し乗車禁止を通知する(ステップF26)。具体的には、「片道運転中のため、乗らないで下さい」といったようなメッセージを乗場21のスピーカ53から音声出力するか、あるいは、表示器54に表示して乗客の乗車を規制する。
乗りかご14bから乗客が降車すると、運転制御部102は、乗りかご14bを展望階の1つ下の階に向けて上方向(UP方向)に運転して(ステップF27)、第2の片道運転を繰り返す。この状態が図26のB号機の動きである。
このように、乗客の乗車と降車を別フロアで行う建物構造において、第1の片道運転を行う乗りかごと第2の片道運転を行う乗りかごに分けて運転することで、共振階での停止時間を短縮でき、ロープ振れの増大を防いで運転サービスを継続することができる。
なお、3台以上の乗りかごを有する群管理システムでも同様である。この場合、各乗りかごを少なくとも2つのグループに分け、一方のグループでは第1の片道運転を行い、他方のグループでは第2の片道運転を行うことになる。
また、例えば展望階の乗客が増えて来た場合に第2の片道運転を行う乗りかごの台数を増やすなど、ロビー階または展望階の混雑状況に応じて第1の片道運転を行う乗りかごの台数と第2の片道運転を行う乗りかごの台数を適宜変更することでも良い。
また、例えば展望階に乗客が増えてくる午後の時間帯は第2の片道運転を行う乗りかごの台数を増やすなど、予め設定された時間帯に応じて第1の片道運転を行う乗りかごの台数と第2の片道運転を行う乗りかごの台数を適宜変更することでも良い。
(変形例1)
上記各実施形態において、建物10の揺れ量が図11のステップA11に示した所定値よりもさらに大きくなった場合に、片道運転モード中の乗客の乗り込み数を制限するようにしても良い。具体的には、上記図11のステップA11に示した所定値を第1の所定値とすると、その第2の所定値より大きい第2の所定値を用意しておき、建物10の揺れ量が上記第2の所定値以上であった場合に片道運転モード中の乗客の乗り込み数を制限する。
乗客の乗り込み数は、荷重センサ24(24a,24b)によって検出されるかご荷重から推測できる。例えば乗客の乗り込み数を定格人数の半分に制限した場合には、上記定格人数の半分に相当するかご荷重を検出した時点でブザー音を鳴らすなどして強制的に戸閉して出発する。
また、建物10の揺れ量が上記第2の所定値以上であった場合に片道運転モード中の戸閉時間を通常の戸閉時間よりも早めて、乗りかご14(14a,14b)の停止時間をさらに短縮することでも良い。
(変形例2)
上記各実施形態において、建物10の揺れ量とかご位置に基づいてロープの振れ量を推測し、そのロープの振れ量が所定値以上の場合に片道運転モードに切り替えるようにしても良い。
建物10の揺れ量は、加速度センサ23から出力される加速度信号から検出できる。かご位置は、巻上機12の回転軸に取り付けられた図示せぬパルスジェネレータから巻上機12の回転に同期して出力されるパルス信号などから検出できる。ロープの振れ量は、所定の関数式を用いて計算により求めることができる。なお、具体的な計算方法については公知であるため、ここではその詳しい説明は省略する。
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、建物が揺れた場合に共振によるロープ振れを防いで運転サービスを継続することのできるエレベータの制御装置を提供することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…建物、11…エレベータ、12…巻上機、13,13a,13b…メインロープ、14,14a,14b…乗りかご、15…カウンタウェイト、16…コンペンシーブ、17,17a,17b…コンペンロープ、18…かご制御装置、19…かごドア、20…伝送ケーブル、21,21a,21b,21c…乗場、22…制御装置、23…加速度センサ、24,24a,24b…荷重センサ、31…建物揺れ検出部、32…運転制御部、32a…運転モード切り替え部、33…記憶部、34…通知部、41…行先階釦、42a…戸開釦、42b…戸閉釦、43…スピーカ、51…乗場ドア、52…乗場呼び釦、53…スピーカ、54…表示器、100…群管理制御装置、101…建物揺れ検出部、102…運転制御部、102a…運転モード切り替え部、103…記憶部、104…通知部、105a,105b…号機制御装置。
本実施形態に係るエレベータの制御装置は、建物の昇降路内に設置されたロープを介して昇降動作する乗りかごを備えたエレベータの制御装置において、上記建物の揺れを検出する建物揺れ検出手段と、この建物揺れ検出手段によって検出された上記建物の揺れ量が所定値以上の場合に、上記建物の揺れによって上記ロープが大きく振れる共振階での乗客の乗降動作を上記乗りかごの運転モードに応じて乗車または降車だけに規制して上記乗りかごの運転を制御する運転制御手段とを具備する。
ここで、下層階の1階と2階、上層階の20階と19階のいずれかが共振階であると、建物10が揺れたときに、その共振階でロープ振れが増大して乗りかご14の運転サービスが停止する可能性がある。そこで、第の実施形態では、建物10が所定値以上に揺れた場合往復運転モードから片道運転モードに切り替え、乗りかご14が共振階に停止している時間を短縮してロープ振れの増大を防ぐようにしている。
建物10に複数台のエレベータが並設されている。なお、以下では、各エレベータのことを「号機」と呼ぶ。図20の例では、A,Bの2台の号機が群管理された構成が示されているが、群管理の対象は2台に限らず、何台でも良い。
ここで、下層階の1階と2階、上層階の20階と19階のいずれかが共振階であると、建物10が揺れたときに、その共振階でロープ振れが増大して乗りかご14a,乗りかご14bの運転サービスが停止する可能性がある。そこで、第の実施形態では、建物10が所定値以上に揺れた場合に各号機の運転モードを往復運転モードから片道運転モードに切り替え、乗りかご14a,乗りかご14bが共振階に停止している時間を短縮してロープ振れの増大を防ぐようにしている。
(変形例1)
上記各実施形態において、建物10の揺れ量が図11のステップA11に示した所定値よりもさらに大きくなった場合に、片道運転モード中の乗客の乗り込み数を制限するようにしても良い。具体的には、上記図11のステップA11に示した所定値を第1の所定値とすると、その第の所定値より大きい第2の所定値を用意しておき、建物10の揺れ量が上記第2の所定値以上であった場合に片道運転モード中の乗客の乗り込み数を制限する。

Claims (15)

  1. 建物の昇降路内に設置されたロープを介して昇降動作する乗りかごを備えたエレベータの制御装置において、
    上記建物の揺れを検出する建物揺れ検出手段と、
    この建物揺れ検出手段によって検出された上記建物の揺れ量が所定値以上の場合に、上記建物の揺れによって上記ロープが大きく振れる共振階での乗客の乗降動作を乗車または降車だけに規制して上記乗りかごの運転を制御する運転制御手段と
    を具備したことを特徴とするエレベータの制御装置。
  2. 上記運転制御手段は、
    上記建物の上層階と下層階の少なくとも一方が上記共振階である場合に、上記上層階と上記下層階の両方で乗客の乗降動作を乗車または降車だけに規制して上記乗りかごの運転を制御することを特徴とする請求項1記載のエレベータの制御装置。
  3. 上記運転制御手段は、
    上記下層階で上記乗りかごに乗客を乗車させて上方向に運転して上記上層階で降車させる第1の片道運転、または、上記上層階で上記乗りかごに乗客を乗車させて下方向に運転して上記下層階で降車させる第2の片道運転を行うことを特徴とする請求項2記載のエレベータの制御装置。
  4. 上記運転制御手段は、
    予め設定された時間間隔で上記第1の片道運転と上記第2の片道運転とを切り替えることを特徴とする請求項3記載のエレベータの制御装置。
  5. 上記運転制御手段は、
    上記建物の上層階または下層階の混雑状況に応じて上記第1の片道運転と上記第2の片道運転を切り替えることを特徴とする請求項3記載のエレベータの制御装置。
  6. 上記運転制御手段は、
    上記第1の片道運転により上記上層階で乗客を降車させた後、上記乗りかごを上記上層階に近い非共振階で反転させて上記上層階に戻して上記第2の片道運転を行い、
    上記第2の片道運転により上記下層階で乗客を降車させた後、上記乗りかごを上記下層階に近い非共振階で反転させて上記下層階に戻して上記第1の片道運転を行うことを特徴とする請求項3記載のエレベータの制御装置。
  7. 上記建物の上層階と下層階は、それぞれに乗車専用階と降車専用階に分けられた構造を有し、
    上記運転制御手段は、
    上記上層階側の乗車専用階で上記乗りかごに乗客を乗車させて上方向に運転して上記上層階側の降車専用階で降車させる第1の片道運転を行い、
    上記上層階側の乗車専用階で上記乗りかごに乗客を乗車させて下方向に運転して上記下層階側の降車専用階で降車させる第2の片道運転を行うことを特徴とする請求項2記載のエレベータの制御装置。
  8. 上記運転制御手段は、
    予め設定された時間間隔で上記第1の片道運転と上記第2の片道運転とを切り替えることを特徴とする請求項7記載のエレベータの制御装置。
  9. 上記建物の昇降路内に複数台の乗りかごを有し、上記各乗りかごのそれぞれが上記昇降路内に設置されたロープを介して昇降動作するエレベータの制御装置において、
    上記建物の揺れを検出する建物揺れ検出手段と、
    この建物揺れ検出手段によって検出された上記建物の揺れ量が予め設定された値以上の場合に、上記建物の揺れによって上記ロープが大きく振れる共振階での乗客の乗降動作を上記各乗りかご毎に乗車または降車だけに規制して上記各乗りかごの運転を制御する運転制御手段と
    を具備したことを特徴とするエレベータの制御装置。
  10. 上記運転制御手段は、
    上記建物の上層階と下層階の少なくとも一方が上記共振階である場合に、上記上層階と上記下層階の両方で乗客の乗降動作を乗車または降車だけに規制して上記各乗りかごの運転を制御することを特徴とする請求項9記載のエレベータの制御装置。
  11. 上記運転制御手段は、
    上記各乗りかごを少なくとも2つのグループに分け、
    一方のグループでは、上記下層階で上記乗りかごに乗客を乗車させて上方向に運転して上記上層階で降車させる第1の片道運転を行い、
    他方のグループでは、上記上層階で上記乗りかごに乗客を乗車させて下方向に運転して上記下層階で降車させる第2の片道運転を行うことを特徴とする請求項10記載のエレベータの制御装置。
  12. 上記建物の上層階と下層階は、それぞれに乗車専用階と降車専用階に分けられた構造を有し、
    上記運転制御手段は、
    上記一方のグループでは、上記下層階側の乗車専用階で上記乗りかごに乗客を乗車させて上方向に運転して上記上層階側の降車専用階で降車させる第1の片道運転を行い、
    上記他方のグループでは、上記上層階側の乗車専用階で上記乗りかごに乗客を乗車させて下方向に運転して上記下層階側の降車専用階で降車させる第2の片道運転を行うことを特徴とする請求項11記載のエレベータの制御装置。
  13. 上記運転制御手段は、
    上記上層階または上記下層階の混雑状況に応じて、上記第1の片道運転を行う乗りかの台数と上記第2の片道運転を行う乗りかの台数を変更することを特徴とする請求項11記載のエレベータの制御装置。
  14. 上記運転制御手段は、
    予め設定された時間帯に応じて、上記第1の片道運転を行う乗りかの台数と上記第2の片道運転を行う乗りかの台数を変更することを特徴とする請求項11記載のエレベータの制御装置。
  15. 上記運転制御手段によって乗客の乗降動作が乗車または降車だけに規制されていることを通知するための通知手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1または9記載のエレベータの制御装置。
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