JP2020019599A - マルチカーエレベーター及び乗りかご移動制御方法 - Google Patents

マルチカーエレベーター及び乗りかご移動制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】火災発生時等の管制運転において乗客がいる乗りかごを優先的かつ最短で避難階へ走行させる。【解決手段】昇降路内において循環移動可能に設けられた複数の乗りかごと、複数の乗りかごのそれぞれに設けられて、乗りかご内の乗客の有無を検知するように構成された乗客検知部と、複数の乗りかごのそれぞれの昇降路における位置と走行速度を検出するかご位置/速度検出部と、管制運転モード時に、乗客検知部の検知結果、並びにかご位置/速度検出部の検出結果に基づいて、複数の乗りかごのうち乗客がいる避難対象の乗りかごを避難階へ到着させるまでの時間が最短となるように、避難対象の乗りかごの第1の走行順序を決定し、第1の走行順序に基づいて、避難対象の乗りかごの走行を制御するように構成された制御部と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、複数の乗りかごが移動するマルチカーエレベーター及び乗りかご移動制御方法に関するものである。
一般に、火災発生時、非常用エレベーターなど特殊なエレベーターを除き、一般乗客用の通常エレベーターの制御装置は、エレベーター利用中の乗客を避難階へ輸送した後、エレベーターを運転休止とし以後エレベーターを使用できないように管制運転制御を行う。これにより、火災発生時において二次災害の発生を防止するようにしている。
ところで、昇降路内で複数の乗りかごが循環移動するマルチカーエレベーターが知られている。マルチカーエレベーターにおいても、管制運転時、各乗りかごを避難階へ迅速に走行及び停止させる運転方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、マルチカーエレベーターにおいて「火災発生階よりも下方のゾーンの階を乗換階に指定し、この乗換階に避難階へ直行する下かごを待機させ、避難客を乗せた上かごを火災発生階よりも上方のゾーンの階に着床させ、この階から非常階段を介して乗換階に移動した避難客が下かごに乗車後、下かごを避難階へと移動させる」ことが記載されている。
特開2011−148591号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、昇降路内において複数の乗りかごが循環移動するマルチカーエレベーターに対応していない。一般にマルチカーエレベーターは、複数の乗りかごを同一方向に循環移動させるが、火災発生等の緊急時に、循環移動の経路上で避難階に近い下流側に位置する乗りかごの乗客を避難階に輸送するまでに時間を要するという問題があった。
上記の状況から、マルチカーエレベーターの管制運転時に、乗客がいる乗りかごを優先的かつ最短で避難階へ走行させる手法が要望されていた。
本発明の一態様のマルチカーエレベーターは、昇降路内において循環移動可能に設けられた複数の乗りかごと、複数の乗りかごのそれぞれに設けられ、乗りかご内の乗客の有無を検知するように構成された乗客検知部と、複数の乗りかごのそれぞれの昇降路における位置と走行速度を検出するかご位置/速度検出部と、管制運転モード時に、乗客検知部の検知結果、並びにかご位置/速度検出部の検出結果に基づいて、複数の乗りかごのうち乗客がいる避難対象の乗りかごを避難階へ到着させるまでの時間が最短となるように、避難対象の乗りかごの第1の走行順序を決定し、第1の走行順序に基づいて、避難対象の乗りかごの走行を制御するように構成された制御部と、を備える。
本発明の少なくとも一態様によれば、マルチカーエレベーターの管制運転時に、乗客がいる乗りかごを優先的かつ最短で避難階へ走行して乗客を避難させることができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施形態に係るマルチカーエレベーターの概略構成図である。 本発明の一実施形態に係るマルチカーエレベーターを上面から見た図である。 本発明の一実施形態に係る乗りかごの概略構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る制御装置の内部構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る制御装置が備えるコンピューターのハードウェア構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る乗りかご移動制御処理の手順例であって、乗りかご内の乗客の有無が検知できる場合のフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る乗りかご移動制御処理の手順例であって、乗りかご内の乗客の有無が検知できない場合のフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る火災管制運転時に横移動が必要ない場合の避難対象の乗りかごの移動例(1)を示す図である。 本発明の一実施形態に係る火災管制運転時に横移動が必要ない場合の避難対象の乗りかごの移動例(2)を示す図である。 本発明の一実施形態に係る火災管制運転時に横移動が必要ない場合の避難対象の乗りかごの移動例(3)を示す図である。 本発明の一実施形態に係る火災管制運転時に横移動が必要ない場合の避難対象の乗りかごの移動例(4)を示す図である。 本発明の一実施形態に係る火災管制運転時に横移動が必要となる場合の避難対象の乗りかごの移動例(1)を示す図である。 本発明の一実施形態に係る火災管制運転時に横移動が必要となる場合の避難対象の乗りかごの移動例(2)を示す図である。 本発明の一実施形態に係る火災管制運転時に横移動が必要となる場合の避難対象の乗りかごの移動例(3)を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態の例について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び添付図面において実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
<一実施形態>
[マルチカーエレベーターの構成]
始めに、本発明の一実施形態に係るマルチカーエレベーター100の構成例について、図1と図2を参照して説明する。
図1は、一実施形態に係るマルチカーエレベーター100の概略構成図である。図2は、マルチカーエレベーターを上面から見た図である。これらの図に示すマルチカーエレベーター100は、建築物の上下方向に貫通して設けられた昇降路20と、昇降路20内において上下方向に循環移動可能に設けられた複数対(ここでは一例として3対)の乗りかご1とを有する。またマルチカーエレベーター100は、乗りかご1の運行を制御する制御装置50(図4参照)を有する。
昇降路20は、第1の昇降路20uと第2の昇降路20dから構成される。第1の昇降路20uの各階床には、上昇用乗り場9が設けられる。第2の昇降路20dの各階床には、下降用乗り場10が設けられる。通常運転時、第1の昇降路20u内を乗りかご1が上昇方向に移動し、第2の昇降路20d内を乗りかご1が下降方向に移動するように構成されている。ただし、管制運転時には、乗りかご1が第1の昇降路20u及び第2の昇降路20d内を上記と逆方向に移動することもある。以下の説明では、それぞれの乗りかご1を区別しやすくするため、図中の乗りかご1毎にかごドアの上に付した符号により、乗りかごA1,A2,B1,B2,C1,C2とも呼ぶ。
[乗りかごの設置状態]
昇降路20内における乗りかごA1〜C2の設置状態として、始めに一対の乗りかごA1,A2を例に挙げて説明する。図2に示すように、乗りかごA1の一端部は、把持部2aにより無端状の第1主索21Aを把持するようにして固定され、乗りかごA1の他端部は、把持部2bにより無端状の第2主索22Aを把持するようにして固定される。第1主索21Aは、一対の駆動プーリー23(駆動綱車の一例)と下部プーリー25(下部綱車の一例)とに張架される。第2主索22Aは、一対の駆動プーリー24(駆動綱車の一例)と下部プーリー26(下部綱車の一例)とに張架される。把持部2aと把持部2bの間、及び、把持部3aと把持部3bの間はそれぞれ、補強材28により接続されている。
一対の乗りかごA1,A2は、第1主索21A及び第2主索22Aに固定された状態において、互いの釣り合い重りとして機能するように、対称となる位置に配置されている。すなわち、乗りかごA1と乗りかごA2は、それぞれの乗りかご1から近いプーリーの軸心と把持部との距離が等しくなるように各主策に固定される。
第1主索及び第2主索は、乗りかご1の対に合わせて3組設けられている。図1では、乗りかご1の対の種類を区別せずに、「第1主策21」及び「第2主策22」と記載している。駆動プーリー23と下部プーリー25、並びに駆動プーリー24と下部プーリー26はそれぞれ、乗りかご1の対に合わせて同軸上に3組設けられている。つまり、乗りかご1の対に合わせて、無端状の第1主索21B,21Cのそれぞれが、対応する駆動プーリー23と下部プーリー25とに張架され、無端状の第2主索22B,22Cのそれぞれが、対応する駆動プーリー24と下部プーリー26とに張架されている。
そして、一対の乗りかごB1,B2のそれぞれは、互いに釣り合い重りとして機能するように、無端状の第1主索21Bと無端状の第2主索22Bに固定される。また、一対の乗りかごC1,C2のそれぞれは、互いに釣り合い重りとして機能するように、無端状の第1主索21Cと無端状の第2主索22Cに固定される。
以上のように設置された3対の乗りかごA1〜C2は、3つの駆動プーリー23、及び3つの駆動プーリー24のそれぞれの駆動により、制限された範囲の各速度で昇降路20内において、同一の軌道上を循環移動し、同一の軌道上において停止する構成となっている。例えば、3対の乗りかごA1〜C2は、時計回りの循環方向に合わせて昇降路20の内部を循環移動する。
また、駆動プーリー23,24の回転方向の制御により、3対の乗りかごA1〜C2の循環方向が反転可能に構成されている。また、駆動プーリー23,24は、乗りかご1の走行方向を反転(上昇方向から下降方向、又は、下降方向から上昇方向)させる上部走行方向反転部27uを構成する。また、下部プーリー25,26は、乗りかご1の走行方向を反転させる下部走行方向反転部27dを構成する。以下において、上部走行方向反転部27uと下部走行方向反転部27dを区別しない場合には「走行方向反転部27」と称する。図1では、乗りかごC2が上部走行方向反転部27uを通過中(横移動中)であり、乗りかごC1が下部走行方向反転部27dを通過中である。
また、駆動プーリー24には、エンコーダー5が取付けられており、駆動プーリー24の回転方向及び回転量を検出し、制御装置50に対して検出信号としてエンコーダー信号(図4参照)を出力することが可能である。
[乗りかごの構成]
乗りかご1は、図2に示すかごドア14を備える。かごドア14は、乗りかご1の前面に設けられる。かごドア14は利用客が乗車及び降車するために用いられる。乗りかご1の停止階には、上昇用乗り場9と下降用乗り場10が設けられる。図1では、昇降路20の左側の各階床に上昇用乗り場9を、昇降路20の右側の各階床に下降用乗り場10を並べて表す。上昇用乗り場9と下降用乗り場10では、一般にかごドア14に対向する位置に乗り場ドアが設けられる。
なお、図2では、乗りかご1の前面に一つのかごドア14が設けられた例を示したが、例えば乗りかご1の前面に乗車用かごドア、背面に降車用かごドアを設けた構成としてもよい。この場合、各かごドアに対応させて、一つの階床に上昇用の乗り場ドア及び降り場ドア、並びに、下降用の乗り場ドア及び降り場ドアが設けられる。
図3は、乗りかご1の概略構成を示す断面図である。図3は、乗りかご1の内部からかごドア14の方向を視認したときの乗りかご1の断面の様子を表す。かごドア14の右横に行先ボタン31、かごドア14の上方にモニター32及びスピーカー33が設けられる。行先ボタン31は、乗りかご1に乗車した利用客(以下「乗客」とも呼ぶ)が行先階を登録する操作(かご呼び)を行うためのボタンである。
モニター32は、乗りかご1が走行又は停止している階床の情報の他、利用客に降車を促す案内等を表示する表示部の一例として用いられ、例えば液晶ディスプレイパネルによって構成される。スピーカー33は、乗りかご1が到着した階床を報知する他、利用客に降車を促す案内等を放音する放音部の一例として用いられる。モニター32及びスピーカー33は、制御装置50の指示に基づいて音声又は表示による出力処理を行う出力部の一例である。モニター32及びスピーカー33の動作は、後述する図4に示す演算処理部54のかご制御部54cによって制御される。乗りかご1には、モニター32又はスピーカー33のいずれかが設けられてもよい。
また、乗りかご1の内部には、監視カメラ34(人感検知センサの一例)が設置されている。監視カメラ34は無線通信機能を有し、撮影した画像データを含む無線信号を無線通信により制御装置50へ送信する。無線信号には、画像データと、監視カメラ34が設置されている乗りかご1を特定するための情報(例えばID)が含まれる。
また、乗りかご1には、吊革35、手すり棒36、及び座席シート37が設けられている。吊革35、手すり棒36、及び座席シート37を使用しないときには、これらは乗りかご1の乗客から見えない場所に収納されている。そして、火災管制運転時等において、制御装置50からの制御指令に基づいて、吊革35、手すり棒36、及び座席シート37が乗りかご1の内部空間に飛び出すように構成されている。これにより、火災管制運転時、乗客は乗りかご1の内部空間に飛び出してきた吊革35、手すり棒36、及び座席シート37を使用することができる。
[各階の乗り場ドア]
再び、図1に戻って説明を続ける。通常運転時に乗りかご1が上昇する第1の昇降路20uには、上昇用乗り場9に図示しない上昇用の乗り場ドアが設けられる。乗りかご1が上昇する途中で到着した階床の乗り場ドアにかごドア14が係合する。そして、かごドア14の開閉に追従して、乗り場ドアが開閉する。
一方、通常運転時に乗りかご1が下降する第2の昇降路20dには、下降用乗り場10に図示しない下降用の乗り場ドアが設けられる。乗りかご1が下降する途中で到着した階床の乗り場ドアにかごドア14が係合する。そして、かごドア14の開閉に追従して、乗り場ドアが開閉する。
なお、通常運転時、乗りかご1が上昇して最上階に達した後、駆動プーリー23,24を経て下降に転じるまでの間、乗りかご1に利用客が乗車することは禁止される。このため、最上階では、乗りかご1の利用客は降車しなければならない。そこで、乗りかご1が上昇した最上階では上昇用乗り場9だけが設けられ、上昇用呼びボタン13uがない。逆に、乗りかご1が下降して最下階に達した後、下部プーリー25,26を経て上昇に転じるまでの間、乗りかご1に利用客が乗車することは禁止される。このため、最下階では、乗りかご1の利用客は降車しなければならない。そこで、乗りかご1が下降した最下階では下降用乗り場10だけが設けられ、下降用呼びボタン13dがない。
[乗り場装置]
昇降路20の各階床の乗り場ドアの近くには、利用客が乗りかご1を利用するためのかご呼びを登録するホールボタンとして、上昇用呼びボタン13u及び下降用呼びボタン13dが設けられる。上昇用呼びボタン13u及び下降用呼びボタン13dを区別しない場合には「ホールボタン13」と記す。ホールボタン13が押下されると、通常のかご呼び信号(「通常呼び信号」と呼ぶ)が制御装置50に送信され、かご呼びが登録される。そして、制御装置50は、最寄り階にいる乗りかご1をかご呼びが登録された階まで移動させる。これにより、ホールボタン13を押下した利用客は、乗りかご1に乗車することが可能となる。かご呼びは「乗り場呼び」とも呼ばれる。
建物内には、階床又はエレベーターホール毎に、火災報知機16が設置されている。火災報知機16は、感知器によって火災を感知若しくは火災を発見した人間が発信ボタンを操作することで警報を発したり、消防機関に通報する機器である。感知器が火災を感知したり、建物内の人間が発信ボタンを押下したりすると、火災報知機16は、火災が発生したことを示す警報信号(外部信号の一例)を制御装置50に出力する。
[制御装置]
次に、マルチカーエレベーター100の制御系について説明する。図4は、一実施形態に係る制御装置50の内部構成例を示すブロック図である。制御装置50は、マルチカーエレベーター100の運行を制御するように構成されている。制御装置50は、モーター駆動回路60A〜60Cに制御信号を出力することで、乗りかご1の対ごとに駆動プーリー23,24を回転駆動するためのモーターの駆動を制御する。これにより、乗りかごA1〜C2の移動又は停止が制御される。すなわち、制御装置50は、モーター駆動回路60A〜60Cの動作を集中制御する。
モーター駆動回路60Aは、一対の乗りかごA1,A2が固定された第1主索21A及び第2主索22Aが張架された1組の駆動プーリー23,24を同期させて駆動制御するように構成されている。同様に、モーター駆動回路60Bは、一対の乗りかごB1,B2が固定された第1主索21B及び第2主索22Bが張架された1組の駆動プーリー23,24を同期させて駆動制御するように構成されている。さらに、モーター駆動回路60Cは、一対の乗りかごC1,C2が固定された第1主索21C及び第2主索22Cが張架された1組の駆動プーリー23,24を同期させて駆動制御するように構成されている。
制御装置50は、運転モード切替部51、乗客検知部52、かご位置/速度検出部53、及び演算処理部54を備える。
運転モード切替部51は、各階床の乗り場や建物から火災発生を示す外部信号の入力を受け、運転モードを切り替える処理を行う。運転モード切替部51は、少なくとも通常運転モードと火災管制運転モードの2つの運転モードの切り替えを行い、現在の運転モードの情報を演算処理部54に出力する。
通常運転モードとは、利用客が乗りかご1に乗車可能な運転モードである。通常運転モードであれば、利用はホールボタン13を押してかご呼びを登録したり、乗りかご1に乗車した利用客は行先ボタン31を押して行先階を登録したりすることができる。そして、各乗りかご1に乗車した利用客は、登録した行先階に行くことができる。火災管制運転モードとは、火災報知機16からの警報信号、又は管理室等に設置の火災管制スイッチの入力(外部信号の一例)を受け、乗りかご1を避難階(通常は建物の基準階)に直行運転するモードである。
乗客検知部52は、乗りかご1から送信される無線信号、すなわち監視カメラ34が乗りかご1内を撮影した画像データを解析して乗りかご1内の乗客の有無を検知する処理を行い、検知結果を演算処理部54に出力する。なお、本実施形態では、無線信号として監視カメラ34の画像データを受信するように構成したが、この例に限らない。例えば乗りかご1の床下に人感検知センサとして重量センサを設置し、重量センサが出力する検出信号に基づいて、乗りかご1内の乗客を検知する構成としてもよい。
かご位置/速度検出部53は、各駆動プーリー24に取り付けられたエンコーダー5から入力される検出信号(エンコーダー信号)に基づいて、モーター駆動回路60A〜60Cが制御する乗りかご1の移動方向及び移動量を求めることができる。これにより、かご位置/速度検出部53は、乗りかご1の現在の位置、及び走行速度を求め、演算処理部54に乗りかご1の現在の位置、及び走行速度の情報を出力する。
演算処理部54は、行先階登録及び乗り場呼び登録を受け付ける機能を備え、現在の運転モード、行先階登録や乗り場呼び登録の情報、各乗りかご1の現在の位置及び走行速度の情報に基づいて、昇降路20内における全ての乗りかご1の動作を制御する。演算処理部54は、通常運転モードと、火災管制運転モードの2つの運転モードで、モーター駆動回路60A〜60Cを制御して、駆動プーリー23,24の駆動を制御することが可能である。この制御を実現するために、演算処理部54は、走行順序決定部54a、走行制御部54b、及びかご制御部54cを備える。
走行順序決定部54aは、現在の運転モード、各乗りかご1の現在の位置及び走行速度の情報に基づいて、複数の乗りかご1の走行順序を決定する。例えば、走行順序決定部54aは、火災管制運転モード時に、乗客検知部52の検知結果、及びかご位置/速度検出部53の検出結果に基づいて、複数の乗りかご1のうち乗客がいる避難対象の乗りかご1を避難階へ到着させるまでの時間が最短となるように、避難対象の乗りかご1を含む複数の乗りかご1の走行順序(第1の走行順序)を決定する。
走行制御部54bは、走行順序決定部54aにより決定された走行順序に基づいて、モーター駆動回路60A〜60Cごとに対応する乗りかご1の運転方向55と運転速度56を決定し、各乗りかご1の走行を制御する。例えば、走行制御部54bは、火災管制運転モード時に、走行順序決定部54aにより決定された走行順序に基づいて、避難対象の乗りかご1を含む複数の乗りかご1の走行を制御するように構成されている。
また、走行制御部54bは、避難対象の第1の乗りかご1が避難階へ到着してから一定時間が経過後、避難階に停止している第1の乗りかご1を、次に避難階に到着する避難対象の第2の乗りかご1が避難階の停止ゾーンに進入してくる側と反対側に走行させ、第2の乗りかご1を避難階へ向けて走行させるように構成されている。停止ゾーンは、所定の許容幅を持つ乗りかご1の停止位置である。これにより、次に避難階に到着する乗りかご1のための場所を空けることができ、乗客を円滑に避難させることができる。
また、走行制御部54bは、決定された走行順序に基づいて、第1の昇降路20u(第1の走行路の一例)内を第1の方向(例えば上方向)に走行中の避難対象の乗りかご1の循環方向を、第1の方向と逆の第2の方向(下方向)に切り替えることが可能に構成されている。これにより、一方向に循環移動するよりも、避難対象の乗りかご1を避難階へ迅速に到着させることができる。
かご制御部54cは、乗りかご1に設けられたモニター32及びスピーカー33の動作を制御したり、乗りかご1に収納された吊革35、手すり棒36、及び座席シート37の動作を制御したりする。
[制御装置のハードウェア構成]
図5は、制御装置50が備えるコンピューターのハードウェア構成例を示すブロック図である。図5に示すコンピューターは、バス78にそれぞれ接続されたCPU(Control Processing Unit:中央処理装置)71、ROM(Read Only Memory)72、およびRAM(Random Access Memory)73を備える。さらに、コンピューターは、記憶装置74、操作部75、表示部76、及び通信インターフェース77を備える。
CPU71は、本実施形態に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをROM72から読み出して実行する。RAM73には、演算処理の途中に発生した変数やパラメータ等が一時的に書き込まれる。本実施形態に係る各システムおよび装置における処理の実行は、主にCPU71がプログラムコードを実行することにより実現される。CPU71、ROM72、およびRAM73は、制御部の一例である。
表示部76は、例えば、液晶ディスプレイモニターであり、この表示部76によりコンピューターで実行される処理の結果が操作者に表示される。操作部75には、例えば、キーボード、マウスなどが用いられ、操作者は操作部75を用いて所定の入力を行う。表示部76や操作部75は、エレベーターの保守時に使用される。なお、制御装置50が、表示部76や操作部75を備えない構成としてもよい。
記憶装置74には、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などの大容量データ記憶媒体が用いられる。記憶装置74には、運行を制御するプログラムや、運行履歴などの各種データが記録される。
通信インターフェース77には、例えば、NIC(Network Interface Card)などが用いられる。通信インターフェース77は、端子が接続されたLAN(Local Area Network)、専用線などを介して外部装置や他のコントローラーと各種データの送受信を行う。
[かご移動制御処理の手順]
(乗客検知可能な場合)
次に、一実施形態に係る乗りかご移動制御処理の手順例について説明する。図6は、乗りかご移動制御処理の手順例であって、乗りかご1内の乗客の有無が検知できる場合のフローチャートである。
図6において、運転モード切替部51が、外部信号に基づいて火災発生を検知すると、運転モードを通常運転モードから火災管制運転モードに切り替え、乗りかご移動制御処理が開始される。
火災管制運転モードに切り替え後、演算処理部54(走行順序決定部54a)は、登録されている行先階登録及び乗り場呼びをキャンセルし、新規のかご呼びの登録を不可とする(S1)。なお、図6では、乗りかごを「かご」と表記している。
次いで、乗客検知部52は、乗りかご1内の乗客の検知が可能であるか否かを判定する(S2)。乗りかご1内の乗客の検知が不可能である場合には(S2のNO)、図7に示すステップS16へ進む。例えば、乗客検知部52は、人感検知センサ(監視カメラ34や重量センサ)から無線信号を受信できない場合には、乗りかご1内の乗客の検知が不可能であると判断する。図7に示すフローチャートについては後述する。
一方、乗客検知部52は、乗りかご1内の乗客の検知が可能であると判定した場合には(S2のYES)、無線信号から乗客がいる乗りかご1を検出する(S3)。次いで、走行順序決定部54aは、乗客がいるn台の乗りかご1を避難階へ到着させるまでの時間が最小となる走行順序(第1の走行順序の一例)を決定し、走行制御部54bは、各乗りかご1をこの走行順序に従って走行させる(S4)。この走行順序を決定するアルゴリズムは、周知の技術を用いることができるので詳細な説明を割愛する。
次いで、走行制御部54bは、かご位置/速度検出部53からの検出信号に基づいて、対象の乗りかご1に走行方向反転部27(図1参照)を通過するための横移動が必要であるか否かを判定する(S5)。ここで、走行制御部54bが横移動は必要ないと判定した場合には(S5のNO)、ステップS12の処理へ進む。
例えば、予め端階とプーリーとの間に、乗りかご1の横移動が必要であるかどうかを判定するための反転位置(図示略)を設定しておいて、乗りかご1がその反転位置に到達した場合には横移動が必要であると判定する。その反転位置を超えた乗りかご1は、走行方向反転部27を通過して反転される。例えば、後述する図9に示す上昇中の乗りかご1は、最上階を超えて反転位置にいるため、その後に上部走行方向反転部27uを通過(横移動)する。
次いで、走行制御部54bにより横移動が必要であると判定された場合には(S5のYES)、乗客検知部52は、乗りかご1に乗客がいるか否かを判定する(S6)。乗客がいる乗りかご1は、避難対象の乗りかごとなる。ここで、乗りかご1に乗客がいない場合には(S6のNO)、ステップS12の処理に進む。
一方、乗りかご1に乗客がいる場合(S6のYES)、かご制御部54cは、乗客がいる乗りかご1の横移動に先立ち、モニター32及びスピーカー33を制御して音声/表示で注意喚起する(S7)。また、かご制御部54cは、乗客がいる乗りかご1に収納していた吊革35、手すり棒36、及び座席シート37が当該乗りかご1の内部空間に現れるように制御する(S8)。乗客が吊革35、手すり棒36、及び座席シート37を使用することにより、乗りかご1が横移動しても乗客は安定した姿勢を保持することができる。また、乗りかご1が横移動することについて事前に注意喚起することで、乗客の不安を和らげることができる。
次いで、走行制御部54bは、横移動する乗りかご1の走行速度を低下させる(S9)。これにより、横移動中の乗りかご1の揺れを抑えて安全及び安心の向上を図る。そして、かご位置/速度検出部53は、エンコーダー5のエンコーダー信号に基づいて、乗客がいる乗りかご1の横移動が完了したか否かを判定する(S10)。ここで、乗りかご1の横移動が完了していない場合には(S10のNO)、ステップS7の処理に戻る。一方、乗客がいる乗りかご1の横移動が完了したら(S10のYES)、走行制御部54bは、乗客がいる乗りかご1の走行速度を元に戻す(S11)とともに、かご制御部54cは、音声/表示での注意喚起を終了する。
ステップS5の判定処理でNOの場合、ステップS6の判定処理でNOの場合、又はステップS11の処理後、乗客がいる乗りかご1は、避難階へ到着する(S12)。
次いで、かご制御部54cは、乗りかご1のかごドア14を開き、一定時間経過後かごドア14を閉じる(S13)。このとき、かごドア14の開閉に追従して、避難階の乗り場ドアが開閉する。乗りかご1の乗客は、かごドア14及び乗り場ドアが開いたら乗りかご1から出て避難階へ避難する。制御装置50は、乗客がいる乗りかご1ごとに破線で囲まれたステップS5〜S13の処理を随時実施する。
次いで、走行制御部54bは、乗客のいる乗りかご1を全て避難階へ避難させたか否かを判定する(S14)。そして、走行制御部54bは、乗客がいる全ての乗りかご1を避難階へ到着させていない場合には(S14のNO)、避難階に停止している乗りかご1を、次回到着する乗客がいる乗りかご1が避難階の停止ゾーンに進入してくる側と反対側へ運転させ、次回停止する乗客がいる乗りかご1を避難階に向けて走行させる(S15)。この処理後、ステップS5の処理に進み、ステップS5〜S14の処理を実行する。
一方、走行制御部54bは、乗客がいる全ての乗りかご1を避難階へ到着させた場合には(S14のYES)、乗りかご移動制御処理を終了する。
(乗客検知不能の場合)
図7は、乗りかご移動制御処理の手順例であって、乗りかご1内の乗客の有無が検知できない場合のフローチャートである。図6において乗りかご1内の乗客の検知が不可能であると判定された場合に(S2のNO)、本フローチャートに示す乗りかご移動制御処理が実行される。
図7において、ステップS2のNO判定後、走行順序決定部54aは、複数の乗りかご1が一方向(例えば図1に示す矢印方向)へ循環移動するように走行順序(第2の走行順序の一例)を決定する。乗客の有無が不明な場合に複数の乗りかご1を一方向へ循環移動させることで、全ての乗りかご1を避難階に到着させることができ、乗客が乗りかご1に取り残されることが防止される。
そして、走行制御部54bは、複数の乗りかご1が一方向(例えば図1に示す矢印方向)へ循環移動するように走行順序(第2の走行順序の一例)を決定する。走行制御部54bは、複数の乗りかご1を一方向へ循環走行させる(S16)。次いで、走行制御部54bは、かご位置/速度検出部53からの検出信号に基づいて、対象の乗りかご1に走行方向反転部27(図1参照)を通過するための横移動が必要であるか否かを判定する(S17)。ここで、走行制御部54bが横移動は必要ないと判定した場合には(S17のNO)、ステップS23の処理へ進む。
次いで、走行制御部54bが横移動が必要であると判定した場合には(S17のYES)、かご制御部54cは、乗りかご1の横移動に先立ち、モニター32及びスピーカー33を制御して音声/表示で注意喚起する(S18)。乗りかご1に乗客がいるかどうかは不明であるが、念のために注意喚起を行うことで安全増しを図る。
ステップS18〜S24の処理は、図6に示すステップS7〜S13の処理と同じである。制御装置50は、乗りかご1ごとに破線で囲まれたステップS17〜S24の処理を随時実施する。
次いで、走行制御部54bは、全ての乗りかご1を避難階へ避難させたか否かを判定する(S25)。そして、走行制御部54bは、全ての乗りかご1を避難階へ到着させていない場合には(S25のNO)、避難階に停止している乗りかご1をサービス無効のまま,上記一方向へ循環運転させ、次回停止する乗りかご1を避難階に向けて走行させる(S26)。この処理後、ステップS17の処理に進み、ステップS17〜S25の処理を実行する。
一方、走行制御部54bは、全ての乗りかご1を避難階へ到着させた場合には(S25のYES)、乗りかご移動制御処理を終了する。
このように、図7に示す乗りかご移動制御処理では、乗りかご1の乗客の有無が不明であるため、全ての乗りかご1を順次避難階に到着させるように運転する。これにより、もしも乗りかご1に乗客がいた場合には、その乗客を確実に避難階で降車させて避難させることができる。また、乗りかご1に乗客がいるかどうかは不明であっても、乗りかご1が横移動する際に注意喚起を行うことで安全増しを図ることができる。
[横移動が必要ない場合の避難対象の乗りかごの移動例]
次に、火災管制運転時に横移動が必要ない場合の避難対象の乗りかごの移動例について、図8〜図11を参照して説明する。図8は、火災管制運転時に横移動が必要ない場合の避難対象の乗りかごの移動例(1)を示す。図9は、火災管制運転時に横移動が必要ない場合の避難対象の乗りかごの移動例(2)を示す。図10は、火災管制運転時に横移動が必要ない場合の避難対象の乗りかごの移動例(3)を示す。図11は、火災管制運転時に横移動が必要ない場合の避難対象の乗りかごの移動例(4)を示す。
図8に示すマルチカーエレベーター100において、乗客検知部52の検知結果から乗りかごA1,A2,C1に乗客がいることが検知されたとする。避難階は最下階であり、避難階には上昇用乗り場9−1と下降用乗り場10−1がある。火災発生時、避難階に最も近いのは乗りかごC1である。以下では、走行順序決定部54aが、乗客がいる乗りかごC1,A2,A1の順に避難階へ到着させる走行順序を決定したと仮定して説明する。
まず、走行制御部54bは、走行順序決定部54aで決定された走行順序に基づいて、複数の乗りかごA1〜C2を時計回りの循環方向に走行させる(図8参照)。これにより、乗客U1がいる乗りかごC1は、第2の昇降路20dを避難階(下降用乗り場10−1)に向けて下降方向に走行する。
乗りかごC1が避難階(下降用乗り場10−1)に到着すると、乗りかごC1のかごドア14及び乗り場ドアが開き、乗りかごC1の乗客U1は乗りかごC1から降車して避難することができる(図9参照)。
続いて、走行制御部54bは、避難階に停止している乗りかごC1を、次回避難階に到着する乗客U2がいる乗りかごA2が停止ゾーンに進入してくる側と反対側へ運転させ、乗りかごA2を避難階に向けて走行させる。そして、乗りかごA2が避難階(下降用乗り場10−1)に到着すると、乗りかごA2のかごドア14及び乗り場ドアが開き、乗りかごA2の乗客U2は乗りかごA2から降車して避難することができる(図10参照)。
最後に、乗りかごA1にいる乗客U3を避難階へ避難させる必要がある。第1の昇降路20u内にいる乗りかごA1が上昇した後に上部走行方向反転部27uで反転(横移動)し、第2の昇降路20dを下降して避難階(下降用乗り場10−1)に向かうよりも、循環方向を反転して乗りかごA1が第1の昇降路20uを下降して上昇用乗り場9−1がある避難階へ向かう方が、走行距離が短く、避難にかかる時間が短縮される。
そこで、走行制御部54bは、複数の乗りかごA1〜C2の循環方向を反時計回りに反転させて、第1の昇降路20uを走行中の乗りかごA1の走行方向を上昇方向から下降方向に切り替える(図10参照)。
そして、乗りかごC1が避難階(上昇用乗り場9−1)に到着すると、乗りかごA1のかごドア14及び乗り場ドアが開き、乗りかごA1の乗客U3は乗りかごA1から降車して避難することができる(図11参照)。これにより、マルチカーエレベーター100の乗客U1〜U3を乗せた乗りかごC1,A2,A1がすべて避難階に到着したことになる。
[横移動が必要となる場合の避難対象の乗りかごの移動例]
次に、火災管制運転時に横移動が必要となる場合の避難対象の乗りかごの移動例について、図12〜図14を参照して説明する。図12は、火災管制運転時に横移動が必要となる場合の避難対象の乗りかごの移動例(1)を示す。図13は、火災管制運転時に横移動が必要となる場合の乗りかごの移動例(2)を示す。図14は、火災管制運転時に横移動が必要となる場合の乗りかごの移動例(3)を示す。
図12に示すマルチカーエレベーター100において、乗客検知部52の検知結果から乗りかごA2,C2に乗客がいることが検知されたとする。火災発生時、避難階に最も近いのは乗りかごA2である。以下では、走行順序決定部54aが、乗客がいる乗りかごA2,C2の順に避難階へ到着させる走行順序を決定したと仮定して説明する。
まず、走行制御部54bは、走行順序決定部54aで決定された走行順序に基づいて、複数の乗りかごA1〜C2を時計回りの循環方向に走行させる(図12参照)。これにより、乗客U1がいる乗りかごA2は、第2の昇降路20dを避難階(下降用乗り場10−1)に向けて下降方向に走行する。
乗りかごA2が避難階(下降用乗り場10−1)に到着すると、乗りかごA2のかごドア14及び乗り場ドアが開き、乗りかごA2の乗客U1は乗りかごA2から降車して避難することができる(図13参照)。
ここで、乗りかごA2が避難階へ到着するまでの間に、乗客U2を乗せた乗りかごC2が、上部走行方向反転部27uを介して第1の昇降路20uから第2の昇降路20dへ移動(横移動)する。そのため、かご制御部54cは、乗りかごC2が上部走行方向反転部27uを通過(横移動)中、乗りかごC2に乗車している乗客U2にモニター32及びスピーカー33で注意喚起するとともに、走行制御部54bは、上部走行方向反転部27uを通過する乗りかご1の走行速度を低下させる。その後、走行制御部54bは、乗りかごC2の横移動が完了した後、乗りかごC2を第2の昇降路20d内で避難階(下降用乗り場10−1)に向けて下降方向に走行させる。
そして、乗りかごC2が避難階(下降用乗り場10−1)に到着すると、乗りかごC2のかごドア14及び乗り場ドアが開き、乗りかごC2の乗客U2は乗りかごC2から降車して避難することができる(図14参照)。これにより、マルチカーエレベーター100の乗客U1〜U2を乗せた乗りかごA2,C2が避難階に到着したことになる。
上述した一実施形態では、乗りかご1内の乗客の有無を検知し、火災管制運転時、乗客がいない乗りかご1は即時サービスを無効とし、乗客がいる乗りかご1を優先的かつ最短で避難階へ走行させるよう、複数の乗りかご1の走行を制御する。
通常運転時は、複数の乗りかご1を同一方向に循環運転させるが、火災管制運転時は、運転方向を一方向に限定しないことで、運転方向の自由度が増し、運転効率を高めることができる。それにより、複数の乗りかご1のうち乗客がいる乗りかご1を優先的かつ最短で避難階へ走行させることができ、複数の乗りかご1に乗車した全ての乗客が避難階から避難するまでの時間を短縮することができる。
また、上述した釣り合い方式のマルチカーエレベーター100では、乗りかご1内に乗客がいる状態での横移動を可能とするために、横移動中の乗りかご1の走行速度を下げ、専用の音声や表示による注意喚起により、安全性を向上させることができる。
<変形例>
上述した乗りかご移動制御方法のアルゴリズムは、火災発生時の管制運転の他、通常運転モードから自家発電機で発生した電力を利用する自家発電管制運転モードに切り替わったときに用いても好適である。
また、上述したマルチカーエレベーター100は、制御装置50(全体コントローラー)が各乗りかご1の運行を制御するが、乗りかご1の対ごとにループコントローラーを設け、各ループコントローラーが乗りかご1の対ごとに各乗りかご1の運行を制御する構成としてもよい。各ループコントローラーが、全体コントローラーに設けられた各機能部を有し、ループコントローラー毎に通信し合うことによって、各ループコントローラーが駆動制御する乗りかご1の状況を把握することができる。また、乗りかご1ごとにコントローラーを設けるようにしてもよい。
また、マルチカーエレベーター100に設けられる乗りかご1の台数は、6台に限定されるものではなく、乗りかご1の台数は、5台以下、あるいは7台以上設けてもよい。
また、上述した実施形態では、乗りかご1が主として移動する第1の方向として、鉛直方向である上下方向を適用した例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1の方向として、鉛直方向と直交する水平方向や、上下方向及び水平方向から傾斜した斜め方向としてもよい。そして、マルチカーエレベーターとしては、少なくとも乗りかご1が主として移動する第1の方向(例えば上述した実施形態では上下方向)と、この第1の方向と交差する第2の方向(例えば上述した実施形態では横方向)に移動可能なマルチカーエレベーターが適用される。
さらに、本発明は上述した各実施形態例及び変形例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した実施形態例は本発明を分かりやすく説明するためにマルチカーエレベーターの構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されない。また、上記実施形態例の構成の一部について、他の構成要素の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、上記の各構成要素、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路の設計などによりハードウェアで実現してもよい。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1…乗りかご、 5…エンコーダー、 27u…上部走行方向反転部、 27d…下部走行方向反転部、 32…モニター、 33…スピーカー、 50…制御装置、 51…運転モード切替部、 52…乗客検知部、 53…かご位置/速度検出部、 54…演算処理部、 54a…走行順序決定部、 54b…走行制御部、 54c…かご制御部、 100…マルチカーエレベーター

Claims (7)

  1. 昇降路内において循環移動可能に設けられた複数の乗りかごと、
    複数の前記乗りかごのそれぞれに設けられて、前記乗りかご内の乗客の有無を検知するように構成された乗客検知部と、
    複数の前記乗りかごのそれぞれの前記昇降路における位置と走行速度を検出するかご位置/速度検出部と、
    管制運転モード時に、前記乗客検知部の検知結果、並びに前記かご位置/速度検出部の検出結果に基づいて、複数の前記乗りかごのうち乗客がいる避難対象の乗りかごを避難階へ到着させるまでの時間が最短となるように、前記避難対象の乗りかごの第1の走行順序を決定し、前記第1の走行順序に基づいて、前記避難対象の乗りかごの走行を制御するように構成された制御部と、を備える
    マルチカーエレベーター。
  2. 前記制御部は、避難対象の第1の乗りかごが前記避難階へ到着してから一定時間が経過後、前記避難階に停止している前記第1の乗りかごを、次に前記避難階に到着する避難対象の第2の乗りかごが停止ゾーンに進入してくる側と反対側に走行させ、前記第2の乗りかごを前記避難階へ向けて走行させるように構成されている
    請求項1に記載のマルチカーエレベーター。
  3. 前記制御部は、前記第1の走行順序に基づいて、第1の走行路を第1の方向に走行中の前記避難対象の乗りかごの循環方向を、前記第1の方向と逆の第2の方向に切り替えて、前記避難対象の乗りかごを前記避難階へ到着させるように構成されている
    請求項2に記載のマルチカーエレベーター。
  4. 複数の前記乗りかごは、前記昇降路内において循環移動可能に設けられた複数対の乗りかごであり、
    前記制御部は、前記避難対象の乗りかごの走行方向を反転させるための走行方向反転部を前記避難対象の乗りかごが通過する必要があるか否かを判定し、前記避難対象の乗りかごが前記走行方向反転部を通過する必要がある場合には、前記走行方向反転部を通過中の前記避難対象の乗りかごの走行速度を下げ、前記避難対象の乗りかごが前記走行方向反転部を通過した後に前記避難対象の乗りかごの走行速度を上げるように構成されている
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマルチカーエレベーター。
  5. 複数の前記乗りかごのそれぞれに設けられて、音声又は表示による出力処理を行うことが可能に構成された出力部、を更に備え、
    前記制御部は、前記走行方向反転部を通過する必要がある前記避難対象の乗りかごに設けられた前記出力部に対して、前記乗客に注意喚起するための出力処理を行わせるように構成されている
    請求項4に記載のマルチカーエレベーター。
  6. 前記制御部は、前記乗りかご内の乗客の有無が不明である場合には、複数の前記乗りかごが一方向へ循環移動するように第2の走行順序を決定し、前記第2の走行順序に基づいて、複数の前記乗りかごを一方向へ循環移動させて避難対象の乗りかごを前記避難階へ順次到着させるように構成されている
    請求項1に記載のマルチカーエレベーター。
  7. 昇降路内において循環移動可能に設けられた複数の乗りかごと、複数の前記乗りかごのそれぞれに設けられて、前記乗りかご内の乗客の有無を検知するように構成された乗客検知部と、複数の前記乗りかごのそれぞれの前記昇降路における位置と走行速度を検出するかご位置/速度検出部と、を備えるマルチカーエレベーターにおける乗りかご移動制御方法であって、
    管制運転モード時に、前記乗客検知部の検知結果、並びに前記かご位置/速度検出部の検出結果に基づいて、複数の前記乗りかごのうち乗客がいる避難対象の乗りかごを避難階へ到着させるまでの時間が最短となるように、前記避難対象の乗りかごの第1の走行順序を決定する処理と、
    前記第1の走行順序に基づいて、前記避難対象の乗りかごの走行を制御する処理と、を含む
    乗りかご移動制御方法。
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