JP6756681B2 - エレベーター - Google Patents

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本発明は、満員通過運転機能を備えるエレベーターに関する。
例えばデパートなどにあっては、通常1階にメインの出入口があるため、1階での人々の移動が最も多く、エレベーターを利用する人の数も、1階から乗り込む人々の数が最も多い。また、地階に地下鉄や鉄道の駅が設置されているターミナルビルでは、1階よりも地階の方が人の動きが多く、地階からエレベーターを利用する人々の数が最も多いということもある。さらに、ビルの上層階に映画館や劇場が設置されているような場合は、映画や演劇の終了時には、その階からエレベーターに乗り込む人々の数が集中することがある。
このように、通常エレベーターの利用者(乗客)が集中する階を、エレベーター運行管理上の基準となる階として、基準階と呼ぶものとすると、基準階はエレベーターを設置している、デパート、ターミナルビル、オフィスビルなどで異なり、1階であったり、地階であったり、または20階であったりする。また例えば、通常1階が基準階となっているデパートで、最上階に催事場があり、多くの人が関心を寄せている催し事が開催されているような場合は、一時的に最上階でもエレベーターの利用者が集中することになる。このような階を基準階に準ずる特定階と呼ぶ。
このような基準階又は特定階では、エレベーターの利用者が集中するので、エレベーターの乗りかご内が基準階又は特定階で満員になってしまうことが多い。利用者が集中することにより、エレベーターの乗りかご内が基準階又は特定階ですでに満員になってしまうような場合、また、基準階又は特定階からエレベーターに乗り込んだ利用者は、目的階(特定階又は基準階)の途中の階で降りることが少なく、中間階からの利用者にとっては、エレベーターを利用しにくくなるという現象が生じる。
すなわち、基準階等の特定階でエレベーターのかご内が満員になってしまうと、他階での利用者は、いくら乗り場呼び登録を行っても、その階で降車する乗客がいたり、その階よりも前の階で乗客が降車したりしない限り、満員通過運転されてしまう。そのため、他階での利用者は、いつまでもエレベーターに乗車することができず、延々と待たされることになるという問題があった。
基準階や特定階に利用者が集中することにより乗りかご内が既に満員のため、利用者が中間階からエレベーターに乗車できないという問題を解決するエレベーター運行制御装置が特許文献1に記載されている。この特許文献1には、「基準階等の特定階では、乗客数がエレベーターのかごの最大積載荷重に対して若干余裕をもった人数に達した際に、当該エレベーターのかごの搭乗可能な人数の上限を越えたものとして定員を越えたことを乗客に知らせ、この搭乗可能な人数の上限に対して若干余裕をもった乗客数で、特定階を出発させる」ことが記載されている。
特開平9−328265号公報
ところで、特許文献1に記載されたかごの最大積載荷重に対して若干余裕をもった人数とは、満員通過運転機能の付いているエレベーターでは、例えば乗りかご内の乗客による荷重が定格荷重の80%に相当する人数である。しかし、例えば乗りかごが1階(基準階)を出発して高層階(特定階)へ向かう場合に、2階から数人の利用者が乗り込んで乗りかご内の荷重が100%に達すると、上階の3階における利用者はエレベーターに乗車することができない。
なお、特許文献1には、基準階(特定階)への呼び戻し運転中に、呼び戻し運転方向とは逆方向への他階の乗り場呼びが有る場合には、その乗り場呼びに応答し、その階にかごを着床させることが記載されている。乗りかごが基準階(特定階)へ呼び戻されている際に、その方向とは逆方向への乗り場呼び登録をした利用者を先に乗車させることで、該当利用者を満員通過することなくサービスを提供するものである。しかし、呼び戻し運転中に、逆方向への他階の乗り場呼びに応答し、停車、戸開、利用者を乗車させることは、エレベーター全体の運転効率の低下を招くという問題があった。
本発明は、基準階と目的階の間にある途中階から乗り込む利用者を、エレベーター全体の運転効率を低下させることなく、優先的に乗車可能とすることを目的とする。
本発明の一態様のエレベーターは、号機ごとに設けられ、基準階と目的階を含む複数の階を、乗りかごが停止しない急行ゾーンと該急行ゾーン以外のゾーンとに区分して乗りかごの運転を制御するエレベーター制御装置を備えるエレベーターにおいて、各階の各号機の乗り場における待機場所ごとに、乗りかごを呼ぶための乗り場呼び登録ボタンと、待機場所における待機状況を検知する検知部と、案内情報を報知する案内装置と、を備える。
上記エレベーター制御装置は、乗り場呼び登録ボタンから出力される乗り場呼びに基づく乗りかごの運転方向に応じて、急行ゾーン以外のゾーンに該当する階の乗込み優先度を決定する優先度決定部と、検知部で検知された各階における待機状況の検知結果を、優先度決定部により決定された乗込み優先度の高い階から順に積算し、積算する度に各階における待機状況の検知結果の積算値と乗りかごの規定満員値とを比較する積算比較部と、該積算比較部により待機状況の検知結果の積算値が規定満員値以上であると判断された階、及び、当該階よりも優先度の低い階における待機場所の案内装置に対し、乗りかごの満員が予想される旨を報知する指令を出力する指令部と、を備える。
本発明の少なくとも一態様によれば、基準階と目的階の間にある途中階から乗り込む利用者を、エレベーター全体の運転効率を低下させることなく、優先的に乗車可能とすることができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施形態に係るエレベーター(エレベーター管理システム)の制御系の構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るエレベーターにおける各号機の各階の乗り場に設置される機器を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るエレベーターのフロア構成と優先度決定部により決定される優先度の基準を表した説明図である。 本発明の一実施形態に係るエレベーターの動作例を示すフローチャート(その1)である。 本発明の一実施形態に係るエレベーターの動作例を示すフローチャート(その2)である。 本発明の一実施形態に係るエレベーターの各装置が備えるコンピューターのハードウェア構成例を示すブロック図である。
以下、本発明を実施するための形態の例について、添付図面を参照しながら説明する。添付図面において実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、添付図面は本発明の原理に則った具体的な実施形態と実装例を示しているが、これらは本発明の理解のためのものであり、決して本発明を限定的に解釈するために用いられるものではない。
<1.一実施形態>
図1は、本発明の一実施形態に係るエレベーター(エレベーター管理システム10)の制御系の構成例を示すブロック図である。エレベーターは、号機ごとに、乗りかごを昇降させるロープ、ロープが巻き架けられた複数のシーブ、釣り合い錘、巻上機(電動機)、及び昇降路などの物理的な構成要素を有するが、図1ではそれらの図示を省いている。
図1に示すエレベーター管理システム10は、建屋に形成される図示しない昇降路を昇降する乗りかご1−1〜1−n、機械室に設置されるエレベーター制御装置2−1〜2−n、及び1階〜m階(図2参照)の各階の乗り場3−1〜3−mにより構成されている。さらに、エレベーター管理システム10は、一群の乗りかご1−1〜1−nの割当て及び運転を管理する群管理装置4を備える。本明細書において、エレベーター制御装置2−1〜2−nを区別しない場合には、エレベーター制御装置2と称する。
群管理装置4は、各号機のエレベーター制御装置2−1〜2−n及び乗り場3−1〜3−mの各機器と相互に通信可能に接続されている。また、各号機のエレベーター制御装置2−1〜2−nは、群管理装置4及び乗り場3−1〜3−mの各機器と相互に通信可能に接続されている。
群管理装置4は、各号機の稼働状況や各階で待機する利用者の人数などから、乗り場呼びに対して号機の割り当てを行う号機割当て部4aを備える。
エレベーター管理システム10には、基準階と目的階を含む複数の階を、乗りかごが停止しない急行ゾーンと急行ゾーン以外のゾーンとに区分して乗りかごの運転を制御するエレベーター制御装置2−1〜2−nが、号機ごとに設けられている。エレベーター制御装置2−1〜2−nの各々は同じ構成であるので、エレベーター制御装置2−1を例に説明する。
エレベーター制御装置2−1は、指令部2a、優先度決定部2b、出発準備判定部2c、積算比較部2d、及び満員検証部2eを有する。また、エレベーター制御装置2−1は、優先度基準2fを記憶する記憶部、並びに、規定満員値2gを記憶する記憶部を有する。規定満員値2gは、例えば規定のかご内満員重量、又は規定のかご内満員寸法である。これらの処理部は、本実施形態における乗りかご1−1の配車から利用者への報知・案内、満員状態の促進、途中階満員通過の抑制、出発後のサービス全般に至る全ての制御に関連する部分であり、これらを本発明におけるエレベーター制御装置と言い換えてもよい。
各階の乗り場3−1〜3−mには、該当号機ごとに視覚的表示及び/又は聴覚的音声案内により、利用者が待機すべき後述する待機スペース3f(図2参照)や各号機ごとの満員状態を知らせる案内装置3aが設けられる。この案内装置3aは、該当号機の乗りかご1−1が定員に達することが予想される等の案内情報を報知する機能を備え、さらに出発準備完了以降の追加待機者が発生した場合には、点滅機能やブザー音鳴動などを用いて追加待機者への警告を行う警告機能3eを備える。
各階の各号機に対応して設けられる乗り場3−1〜3−mは、乗りかご1−1の停止設定が可能である階を意味し、乗りかご1−1を呼ぶためのホールボタン3b(乗り場呼び登録ボタン)が設けられている。ホールボタン3bは、乗り込み階から他階へ移動しようとする利用者が、乗りかご1−1を呼び登録するために用いられる。各階に設置されるべきホールボタン3bの数は、建屋の規模と見込まれる利用者数により異なるため、本発明では特定しない。
図2に示すように、各階の乗り場3−1〜3−mには、号機ごとに利用者が待機すべき待機スペース3fが乗りかご1−1の出入り口(乗り場ドア3g)の前に設置され、当該号機を待つ場所を明確化している。さらに、利用者にわかりやすいように、待機スペース3fの位置を、マットや枠線等で明示しておくことが望ましい。乗り場に待機スペース3fを明示することは、前述のような待機場所の明確化だけでなく、利用者の重量及び寸法を漏れなく測定するために利用者を重量センサ3c及び寸法センサ3dの測定範囲内に集約させる効果も併せ持つ。
重量センサ3c及び寸法センサ3dは、待機スペース3fにおける待機状況を検知する検知部の一例である。重量センサ3cは、待機スペース3f内にいる利用者の重量を測定する。利用者の重量には、利用者に付随する物体の重量、例えば手荷物、台車、及び車椅子等の重量も含まれる。また、寸法センサ3dは、3次元物体識別センサであり、一例としてCCDカメラ等の撮影装置が用いられる。撮影装置が用いられた寸法センサ3dは、待機スペース3f内にいる利用者等の被写体を撮影してその寸法を検知する。利用者等の被写体の寸法には、利用者に付随する物体の寸法、例えば手荷物、台車、及び車椅子等の寸法も含まれる。各階の乗り場ごとに、エレベーターに乗車予定の利用者等の重量及び寸法が測定される。各階における利用者等の重量及び寸法の測定値は、エレベーター制御装置2−1の指令部2aに送られ、エレベーター制御装置2−1が後述する図4及び図5のフローチャートを実施する。
図2は、一実施形態に係るエレベーターにおける各号機の各階の乗り場に設置される機器を示す。
図2において、1階(基準階の例)と最上階であるm階は端階であり、乗りかご1−1の運転方向の転換が行われる折り返し階である。図2に示すように、案内装置3aは、例えば乗り場ドア3gの上方に配置される。ホールボタン3bは、例えば乗り場ドア3gの横に配置される。端階である1階とm階のホールボタン3bは、一方向のみの乗り場呼びを登録できるボタンを備える。各階の乗り場3−1〜3−mにおいて、例えば重量センサ3cが床下の待機スペース3fに対応する場所に設置され、また、寸法センサ3dが、例えば乗り場ドア3gの上方の、案内装置3aと乗り場ドア3gの間に設置される。
次に、エレベーター制御装置2−1が備える、指令部2a、優先度決定部2b、出発準備判定部2c、積算比較部2d、及び満員検証部2eについて詳細に説明する。
指令部2aは、エレベーター制御装置2−1と他装置との間のデータの入出力処理を行うとともに、エレベーター制御装置2−1内の各部の動作を管理して乗りかご1−1の運転を制御する。指令部2aは、積算比較部2dにより待機状況の検知結果の積算値が満員の規定値(以下「規定満員値」と称する)以上であると判断された階、及び、当該階よりも優先度の低い階における待機場所の案内装置3aに対し、乗りかご1−1の満員が予想される旨を報知する指令を出力する。
優先度決定部2bは、ホールボタン3bから出力される乗り場呼び登録信号に基づく乗りかご1−1の運転方向に応じて、後述する急行ゾーン以外のゾーンに該当する階の乗込み優先度(単に「優先度」とも称する)を決定する。優先度決定部2bによる各階の優先度の決定方法については、図3を参照して後述する。
出発準備判定部2cは、該当階において乗りかご1−1の出発準備が完了したか否かを判定し、判定結果を積算比較部2dに送る。出発準備判定部2cが該当階において乗りかご1−1の出発準備が完了したと判断した場合、積算比較部2dは各階における待機状況の検知結果の積算及び比較を終了する。本実施形態では、例えば乗りかご1−1が乗り場呼びのあった階のうち最も目的階(目的方向)から遠い階に到着(着床)し、運転方向の転換(下降モードから上昇モードへ切替)までを終えた状態となった場合に、出発準備が完了したと判定する。なお、出発準備完了の条件に、さらに基準階等の出発階における乗り場ドア3g及びかごドアが閉じたことを加えてもよい。または、エレベーター(乗りかご1−1)が出発階に着床したことを出発準備完了の条件にしてもよい。
積算比較部2dは、検知部(重量センサ3c又は寸法センサ3d)で検知された各階における待機状況の検知結果を、優先度決定部2bにより決定された乗込み優先度の高い階から順に積算し、積算する度に各階における待機状況の検知結果の積算値と乗りかご1−1の規定満員値とを比較する。
例えば検知部として重量センサ3cを用いた場合には、積算比較部2dは、重量センサ3cで検知された各階の待機スペース3fにおける利用者の重量を、運転方向に応じた乗込み優先度の高い階から順に積算する。そして、積算比較部2dは、積算する度に各階の待機スペース3fで待機する利用者の重量の積算値と乗りかご1−1の規定満員値とを比較し、比較結果を満員検証部2e及び指令部2aに送る。
また検知部として寸法センサ3dを用いた場合には、積算比較部2dは、寸法センサ3dで検知された各階の待機スペース3fにおける被写体の寸法を、運転方向に応じた乗込み優先度の高い階から順に積算する。そして、積算比較部2dは、積算する度に各階の待機スペース3fで待機する被写体の寸法の積算値と乗りかご1−1の規定満員値とを比較し、比較結果を満員検証部2e及び指令部2aに送る。
積算比較部2dは、寸法センサ3dによって撮影された待機スペース3fの画像(静止画又は動画)を処理して、画像内の利用者等の被写体の寸法を算出する。例えば、被写体が成人男性の場合には、床面と平行な面における2次元の寸法を30cm×60cm、被写体が車椅子の場合には90cm×90cmのように算出する。なお、寸法センサ3dで撮影された画像を用いて被写体の2次元の寸法(占有面積:2次元情報)を算出する例を示したが、被写体が占める容積(3次元情報)を算出して満員判定に利用することも可能である。
あるいは積算比較部2dが、待機スペース3fの画像を処理して、画像内の利用者等の被写体の寸法を相対的に算出してもよい。例えば、被写体が車椅子の場合には、車椅子の占有面積は大人2.5人分、利用者が台車を持っている場合には、台車の専有面積は大人4人分、利用者が子供の場合には、子供の専有面積は大人0.7人分のように算出する。
本実施形態では、待機する利用者の重量及び寸法の測定値を積算して規定満員値と比較し、両方が規定満員値未満である場合に満員ではないと判断される。仮に重量の積算値が規定満員値未満であって乗りかごが満員となる重量(人数)までに余裕がある状態でも、寸法の積算値が規定満員値以上であれば、乗りかごに追加の利用者が乗り込む場所(空間)がないため満員と判断される。
満員検証部2eは、積算比較部2dにおいて各階の待機状況の検知結果(本実施形態では、利用者の重量及び寸法)の積算値が規定満員値以上であると判断されたか、又は、各階の待機状況の検知結果の積算値が規定満員値未満でも該当階の出発準備が完了したかのいずれであるかを検証する。満員検証部2eによる検証結果は、積算比較部2dを介して指令部2aに送られる。
図3は、一実施形態に係るエレベーターのフロア構成と優先度決定部2bにより決定される優先度に適用される基準を表した説明図である。図3の左側に示すように、建屋B1における不停止階が続く中間部分を急行ゾーンZ1とし、それより下の基準階D1を含む停止階部分を低層ゾーンZ2、急行ゾーンZ1より上の最上階D2(例えば展望階)を含む停止階部分を高層ゾーンZ3とする。
本発明の目的の一つは、基準階D1(上昇時)又は最上階D2(下降時)からの大量乗り込みよりも、途中階からの利用者を優先的に乗車可能とすることである。そのため、乗りかごの上昇時には、低層ゾーンZ2内の急行ゾーンZ1に近い階から順に、次いで最上階D2(目的階)に近い高層ゾーンZ3内の急行ゾーンZ1に近い階から順に「規定のかご内満員重量・寸法」と各階の「当該号機の利用者の重量・寸法」との比較を進めていく様な比較順序を、優先度基準として定める。図3に示すように、優先度が高い階ほど小さい数字で表している。
例えば、上昇時優先度基準は、基準階D1の2つ上の階、基準階D1の1つ上の階、基準階D1、目的階である最上階D2(展望階)の2つ下の階、最上階D2の1つ下の階、及び最上階D2の優先度として、それぞれに1〜6が設定されている。図3の最上階D2の優先度として“(6)”が記載されているが、最上階D2は目的階であるから優先度を設定しなくてもよい。また乗りかごの下降時においても同じ考え方に基づき、高層ゾーンZ3内の急行ゾーンZ1に近い階から順に、次いで低層ゾーンZ2内の急行ゾーンZ1に近い階から順に比較を進めていく様な比較順序を、優先度基準として定める。
なお、単に急行ゾーンZ1に距離的に近い階から順に優先度設定としない理由は、次のようなものである。移動先(目的階)がほぼ決定している建屋B1において、目的階(例えば基準階D1,最上階D2)の付近には階段やスロープ等のエレベーター以外の他の移動手段も併設されているケースが多い。このことから、これらの移動手段も利用可能な目的階付近の他の階から乗り込んで来る利用者よりも、エレベーターが出発してくるゾーンとは急行ゾーンZ1を挟んで反対側のゾーン内から乗り込んで来る利用者を優先的に乗車可能にすることが望ましい。これにより優先度決定部2bは、乗りかごの上昇時に優先度基準P1(図1の優先度基準2fの一例)を、乗りかごの下降時に優先度基準P2(優先度基準2fの一例)を参照することとする。
このように、本実施形態では、乗りかご1−1が上昇運転する場合の乗込み優先度は、急行ゾーンZ1よりも下の低層ゾーンZ2内の急行ゾーンZ1に近い階から順に高く、次いで急行ゾーンZ1よりも上の高層ゾーンZ3内の急行ゾーンZ1に近い階から順に高く設定される。また、乗りかご1−1が下降運転する場合の乗込み優先度は、高層ゾーンZ3内の急行ゾーンに近い階から順に高く、次いで低層ゾーン内の急行ゾーンに近い階から順に高く設定される。
[エレベーターの動作例]
図4は、一実施形態に係るエレベーターの動作例を示すフローチャート(その1)である。図5は、一実施形態に係るエレベーターの動作例を示すフローチャート(その2)である。図4及び図5のフローチャートに基づくエレベーターの動作は以下のとおりである。
ステップS1:任意の階のホールボタン3bが押された場合を例に説明する。利用者によって押されたホールボタン3bの乗り場呼び登録信号が、群管理装置4で受信される。群管理装置4内の号機割当て部4aは、乗り場呼び登録信号を受信したときの各号機の種々の状況から、該当乗り場呼びに対して号機を割り当てる。割り当てられた号機のエレベーター制御装置2内の指令部2aは、受信した乗り場呼びが上昇呼びであれば(S1のYES)、ステップS2へ進み、逆に下降呼びであれば(S1のNO)、ステップS19へ進む。以下では、乗り場呼びに対して1号機のエレベーターが割り当てられたものとして説明を進める。
(上昇運転時)
ステップS2:割り当てられた1号機のエレベーター制御装置2−1内の優先度決定部2bが起動し、図3の優先度決定基準に基づき上昇時優先度基準P1を参照する準備が行われる。
ステップS3:1号機の指令部2aは、案内装置3aに対し、“上へ移動される方は、1号機待機スペースでお待ち下さい”を表示・放送する旨を指令する。また、利用者によって押されたホールボタン3bの乗り場呼び登録信号が、群管理装置4で受信されると、群管理装置4内の号機割当て部4aは、上昇呼びが登録された(上ボタンが押された)階における1号機以外の現在サービス中ではない号機に備わる案内装置3aに対しても、“上へ移動される方は、1号機待機スペースでお待ち下さい”を表示・放送する旨を指令する。
ステップS4:指令部2aは、ステップ3により指定された待機スペース3fで、重量センサ3c及び寸法センサ3dにより測定された重量・寸法が一定の範囲内(以下「同一重量・同一寸法」と称する)であって、同一重量・同一寸法がある一定時間継続的に検知れたか否かを判定する。同一重量・同一寸法が規定時間以上検知された場合(S4のYES)、測定値を受信した指令部2aは、この重量又は寸法の該当者が当該号機のエレベーターを待つ待機者であると判断してステップS5へ進む。そして、指令部2aは、この時点で乗り場呼びのあった各フロアの該当号機における待機スペース3f(待機者)の重量値・寸法値を確定する。他方、指令部2aは、同一重量・同一寸法が規定時間検知されなかった場合には(S4のNO)、この重量又は寸法の該当者が通行人であると判断し、このステップS4の判定処理を継続する。
このように、重量センサ3c及び寸法センサ3dで検知された測定値(待機状況)が、一定の範囲内で一定時間継続した場合に、積算対象であると判断して以降の測定値の積算処理を実行することで、満員判定に用いる積算値の誤差を小さくすることができる。なお、上記の一定の範囲は、例えばエレベーターの製造会社や保守員が適切な範囲を任意に設定できるものとする。また、上記のある一定時間は、乗り場の広さや見込まれる利用者数から変化が生じるため、特定はせず建屋毎に調整できる設定値とする。
ステップS5:エレベーター制御装置2−1内の積算比較部2dは、ステップS2で準備された上昇時優先度基準P1を参照し、図3に示す優先度1の階における「当該号機の利用者の重量・寸法」と「規定のかご内満員重量・寸法」との比較を行う。比較の結果、当該号機の利用者の重量・寸法が規定のかご内満員重量・寸法未満であれば(S5のYES)、積算比較部2dは、乗りかご1−1に空きがあると判断してステップS6へ進む。他方、当該号機の利用者の重量・寸法が規定のかご内満員重量・寸法以上であれば(S5のNO)、積算比較部2dは、この時点で乗りかご1−1が満員であると判断してステップS11(図5)へ進む。
なお、規定のかご内満員重量・寸法は、万が一測定されていない利用者による飛び込み乗車が行われた場合を想定し、メーカー安全基準の基で決められている値よりも更に安全側の値であることが望ましい。
ステップS6:エレベーター制御装置2−1内の出発準備判定部2cは、乗りかご1−1の出発準備が完了していないか否かを判定する。既述したように、出発準備が完了した状態とは、乗りかご1−1が乗り場呼びのあった階のうち最も目的階(目的方向)から遠い階に到着し、運転方向の転換までを終えた状態である。出発準備判定部2cは、出発準備が完了していないと判定した場合には(S6のYES)、ステップS7へ移る。他方、出発準備判定部2cが、出発準備が完了したと判定した場合には(S6のNO)、この時点で乗りかご1−1は“満員(空きがあっても出発準備完了後は追加乗車を受け付けない)”であると判定され、ステップS11(図5)へ移る。
ステップS7:積算比較部2dは、ステップS2で準備された上昇時優先度基準P1を参照し、上昇時優先度基準P1における優先度2の階の測定値にステップS5で利用した優先度1の階の測定値を積算する。そして、積算比較部2dは、優先度1及び優先度2の階における「積算された測定値」と「規定のかご内満員重量・寸法」との比較を行う。このように優先度1の階の測定値と優先度2の階の測定値を積算した値を利用することにより、優先度1の階から乗りかご1−1に乗り込む利用者の乗車具合を見込んだ上での、乗りかご1−1内の空き状況を予測することができる。
比較の結果、当該号機の優先度1,2の階における測定値を積算した値が規定のかご内満員重量・寸法未満であれば(S7のYES)、積算比較部2dは、乗りかご1−1に空きがあると判断してステップS8へ進む。他方、当該号機の優先度1,2の階における測定値の積算値が規定のかご内満員重量・寸法以上であれば(S7のNO)、積算比較部2dは、この時点で乗りかご1−1が満員であると判断してステップS11(図5)へ進む。
ステップS8:ここではステップS6で説明した優先度1の階における判定処理と同じ判定処理が、優先度2の階においても行われる。出発準備判定部2cは、出発準備が完了していない場合には(S8のYES)、ステップS9へ移る。他方、出発準備判定部2cは、出発準備が完了した場合には(S8のNO)、この時点で乗りかご1−1は“満員(空きがあっても出発準備完了後は追加乗車を受け付けない)”であると判定され、ステップS11(図5)へ移る。
ステップS9:ここではステップS7と同様の処理が行われる。即ち、積算比較部2dは、ステップS2で準備された上昇時優先度基準P1を参照し、上昇時優先度基準P1における優先度nの階の測定値にステップS7で利用した優先度1,2の階の測定値を積算する。そして、優先度の高い階から順に積算し、「各階における測定値の積算値」と「規定のかご内満員重量・寸法」との比較を繰り返し行う。
比較の結果、当該号機の優先度1,2,・・・,nの階における測定値の積算値が規定のかご内満員重量・寸法未満であれば(S9のYES)、積算比較部2dは、乗りかご1−1に空きがあると判断してステップS10へ進む。他方、当該号機の優先度1,2,・・・,nの階における測定値の積算値が規定のかご内満員重量・寸法以上であれば(S9のNO)、積算比較部2dは、この時点で乗りかご1−1が満員であると判断してステップS11(図5)へ進む。
ステップS10:ここではステップS6及びステップS8と同じ判定処理が、優先度3以降の階においても行われる。出発準備判定部2cは、出発準備が完了していない場合には(S10のYES)、ステップS5へ移る。他方、出発準備判定部2cは、出発準備が完了した場合には(S10のNO)、この時点で乗りかご1−1は“満員(空きがあっても出発準備完了後は追加乗車を受け付けない)”であると判定され、ステップS11(図5)へ移る。
本実施形態において、ステップS5〜S10の循環過程では、乗り場呼びの有無を問わず毎周期すべての階について各ステップの判定処理を実行することが望ましい。本発明は、エレベーター出発前に途中階から乗りかごに乗り込む利用者に応じて、出発階からの大量乗り込みに制限を設ける。よって、次の周以降のチェックにて新規に途中階から乗り場呼びが発生し、優先度の低い出発階(基準階)などで最初から待っていた待機者を他号機に移動させる場合もあり得る。
ここで、乗りかご1−1の規定満員値が標準的な体重の利用者15人分に相当すると仮定して具体例を説明する。第1の例として、仮に図3の基準階D1(優先度3)を1階とし、基準階D1の2つ上の3階(優先度1)の待機スペース3fで、車椅子に乗った利用者が1人と、付き添い者が1人待機しているとする。車椅子は1台あたり利用者2.5人分に相当すると仮定すると、3階で待機する利用者は3.5人に相当する。したがって、上昇時に優先度3の基準階D1から乗り込める人数は11.5人(=15−3.5)に制限される。また第2の例として、3階(優先度1)に5人、2階(優先度2)に2人が待機しているとする。この場合、上昇時に基準階D1(優先度3)から乗り込める人数は8人(=15−5−2)に制限される。
第1の例及び第2の例において、基準階D1(優先度3)から制限人数に満たない利用者が乗り込んでくる場合には、高層ゾーンZ3にある優先度4の階(最上階D2の2つ下の階)から他の利用者が乗車することが可能である。一方、基準階D1(優先度3)から制限人数いっぱいの利用者が乗り込んでくる場合には、乗りかごが満員となり、高層ゾーンZ3にある優先度4の階から他の利用者が乗車することはできない。
ステップS11:前述したステップS5〜S10の循環過程を外れた理由(満員の理由)を、エレベーター制御装置2−1内の満員検証部2eが検証して二種類に分類する。即ち、満員検証部2eは、ステップS5〜S10の循環過程を外れた理由は、各階における測定値の積算値が規定のかご内満員重量・寸法(規定満員値)以上だったからであるか否かを判定する。判定結果は、積算比較部2dを介して満員検証部2eから指令部2aへ送られる。満員検証部2eは、各階における測定値の積算値が規定満員値以上となったために上記循環過程を外れたと判断した場合には(S11のYES:S5,S7,S9のNOに相当)、ステップS12へ進む。他方、満員検証部2eは、各階における測定値の積算値が規定満員値未満であっても出発準備が完了したことで上記循環過程を外れたと判断した場合には(S11のNO:S6,S8,S10のNOに相当)、ステップS16へ進む。
ステップS12:指令部2aは、ステップS5〜S10の循環過程において満員と判定された階及び当該階よりも優先度の低い階に設置された、該当号機(この例では1号機)の案内装置3aに対し、乗りかご1−1の満員が予想される旨の報知(表示・放送)を行うことを指令する。本実施形態では、各階における測定値の積算値と規定満員値とがまったく同じだった場合でも、同じ案内を行うことにより、さらなる安全が図られている。
「早く乗車して移動したい」或いは「空いている乗りかごに乗車したい」という願望は、利用者次第であるため、本実施形態では好意による辞退者を募る方法を採用している。
ステップS13:指令部2aは、ステップS12の処理に続いて又は並行して、案内装置3aにて辞退者(待機する利用者)を別の待機スペース3f(他号機)へ案内する処理を行う。例えばステップS12,S13において、案内装置3aは、“当機は満員が予想されます。上へ移動される方は、*号機待機スペースでお待ち下さい”と表示・放送する。
ステップS14:ステップS12,S13における辞退者により各階における測定値の積算値が規定満員値未満となった時点で、指令部2aは、ステップS12,S13の案内装置3aに対して上記報知・案内を終了する旨の指令を出力する。即ち、指令部2aは、乗りかご1−1の満員が予想される旨を報知した後、積算比較部2dにより急行ゾーンZ1以外のゾーンに該当するすべての階における測定値の積算値が規定満員値未満であると判断されたとき、案内装置3aによる報知・案内を終了する。
ステップS15:ステップS14までの処理によって当該1号機は規定満員値未満となり、乗りかご1−1の出発準備が整ったことになる。指令部2aは、上昇呼びの登録があった階の当該1号機の案内装置3aに対し、出発準備が整ったことを報知する旨の指令を出力する。
ステップS16:ステップS11のNOの場合又はステップS15の処理後、積算比較部2dは、当該1号機の任意の階の待機スペース3fに待機者(利用者)が増えた階があるか否かを判定する。積算比較部2dは、待機者が増えた場合には(S16のYES)、追加の待機者(追加者)ありとしてステップS17へ進む。他方、積算比較部2dは、追加者がいない場合には(S16のNO)、ステップS19へ進む。
ステップS17:追加者がいる場合、指令部2aは、該当階の案内装置3aの警告機能3eにより点滅表示を行い、同時にブザーも鳴動させる。それにより、追加者が誰であるかを明確にする。また、指令部2aは、該当階の案内装置3aに対し、乗りかご1−1の満員が予想される旨の報知を行うことを指令する。
ステップS18:指令部2aは、ステップS17の処理に続いて又は並行して、追加者とそれ以降に当該待機スペース3fにきた利用者を案内装置3aによって別の待機スペース3f(他号機)へ案内する処理を行い、次いでステップS14に進む。例えばステップS17,S18において、案内装置3aは、“当機は満員が予想されます。上へ移動される方は、*号機待機スペースでお待ち下さい”と表示・放送する。なお、上記案内後、案内先の別の号機のエレベーター制御装置2によりステップS4の処理から順に処理が行われる。
ステップS19:指令部2aは、急行ゾーンZ1以外のゾーンに該当するすべての階における測定値の積算値が規定満員値未満となった場合に、乗りかご1−1の運転を開始する。指令部2aは、運転開始後、乗りかご1−1を乗り場呼びのあった階のうち目的階から最も遠い階より順に停止させて、利用者を乗せていく。このように、エレベーターが運転(サービス)を開始し、乗りかご1−1が目的階に到着する間に、途中階で待機する利用者の乗車が予定通り行われる。その後、指令部2aは、新たな乗り場呼びがない場合には、エレベーターの運転を終了する。
(下降運転時)
ステップS20:ステップS1においてホールボタン3bの乗り場呼び登録信号が下降呼びである場合には(S1のNO)、優先度決定部2bが起動し、図3の優先度決定基準に基づき下降時優先度基準P2を参照する準備が行われる。
ステップS21:1号機指令部2aは、案内装置3aに対し、“下へ移動される方は、1号機待機スペースでお待ち下さい”を表示・放送する旨を指令する。また、利用者によって押されたホールボタン3bの乗り場呼び登録信号が、群管理装置4で受信されると群管理装置4内の号機割当て部4aは、下降呼びが登録された(下ボタンが押された)階における1号機以外の現在サービス中ではない号機に備わる案内装置3aに対しても、“下へ移動される方は、1号機待機スペースでお待ち下さい”を表示・放送する旨を指令する。
ステップS22:指令部2aは、ステップS4と同様の判定処理を下降時の制御として行う。指令部2aは、重量センサ3c及び寸法センサ3dにより同一重量・同一寸法が規定時間以上検知された場合(S22のYES)、この重量又は寸法の該当者が当該号機のエレベーターを待つ待機者であると判断してステップS5へ進む。他方、指令部2aは、同一重量・同一寸法が規定時間検知されなかった場合には(S22のNO)、この重量又は寸法の該当者が通行人であると判断し、このステップS22の判定処理を継続する。
ステップS22のYESの場合には、以降のステップS5〜S19の各処理は、ステップS20で準備された下降時優先度基準P2に従って実行される。
上述した一実施形態によれば、図3に示すような優先度基準に基づく乗り込み優先度を設定することにより、基準階と特定階(目的階)の間にある途中階から乗り込む利用者を、エレベーター全体の運転効率を低下させることなく、優先的に乗車可能とすることができる。
また、上述した一実施形態では、各階の待機スペース3fにおける待機状況に関する測定値(例えば、利用者の重量及び寸法)を積算し、積算値を満員判定に用いている。エレベーターの利用者の個々の重量(や占有面積)は異なるため、都度乗りかごに乗り込める人数も異なる。よって、従来は、基準階と目的階の間にある途中階から乗り込もうとする利用者を拾いきれない場合が、頻繁に発生していた。しかし、本実施形態によれば、都度乗り場から乗車する利用者(待機スペース3f内の重量・寸法)が変わる状況下であっても、途中階からエレベーターへの乗車を希望する利用者を満員通過せず、途中階からの利用者を優先的に乗車させることができる。
また、呼び戻し運転中に、呼び戻し運転方向とは逆方向への他階の乗り場呼びがあっても乗りかごを停車させないので、逆方向への他階の乗り場呼びへの対応による運転効率低下を発生させることなく、途中階からの利用者を優先的に乗車させることができる。
図6は、エレベーター管理システム10を構成する各装置のハードウェア構成を示すブロック図である。ここでは、エレベーター管理システム10に示されたエレベーター制御装置2−1〜2−n及び群管理装置4が備えるコンピューター20のハードウェア構成例について説明する。なお、各装置の機能、使用目的に合わせてコンピューター20の各部は取捨選択される。
コンピューター20は、バス24にそれぞれ接続されたCPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23を備える。さらに、コンピューター20は、表示部25、操作部26、不揮発性ストレージ27、通信インターフェース28を備える。
CPU21は、制御部の一例であり、本実施形態に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをROM22(記録媒体の一例)から読み出して実行する。これらのハードウェアとソフトウェアが協働することで各装置としての機能が実現される。なお、コンピューター20は、CPU21の代わりに、MPU(Micro-Processing Unit)等の処理装置を備えるようにしてもよい。RAM23には、演算処理の途中に発生した変数やパラメータ等が一時的に書き込まれる。
表示部25は、例えば、液晶ディスプレイモニタであり、コンピューター20で行われる処理の結果等を表示する。操作部26には、例えば、キーボード、マウス又はタッチパネル等が用いられ、ユーザーが所定の操作入力、指示を行うことが可能である。
不揮発性ストレージ27としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード等が用いられる。例えば不揮発性ストレージ27には、優先度基準2fや規定満員値2g等が記憶されている。この不揮発性ストレージ27には、OS(Operating System)や各種のパラメータの他に、コンピューター20を機能させるためのプログラムが記録されていてもよい。
通信インターフェース28には、例えば、NIC(Network Interface Card)等が用いられ、LAN等のネットワークNを介して各装置間で各種のデータを送受信することが可能である。
<2.変形例>
上述した一実施形態では、ステップS5〜S10の循環過程について、乗り場呼びの有無を問わず毎周期すべての階について各ステップの判定処理(各階のチェック)を実行することが望ましいと説明したが、この例に限らない。例えば同一方向にある目的階への乗り場呼びが登録された階についてのみ、ステップS2で準備された優先度基準に基づく優先度順で、各ステップの判定処理を実行するようにしてもよい。
また、上述した一実施形態では、各階において号機ごとにホールボタン3b及び待機スペース3f(図3)を設けたが、複数の乗り場で一つのホールボタン3bを共用してもよい。群管理装置4は、この共用のホールボタン3bからの乗り場呼びに応じて、号機の割り当てを行う。また、乗り場に設けられるホールボタン3bが出力する乗り場呼び登録信号に替えて、エレベーターホール又はロビーに設けられる行先階登録装置が出力する行先階登録信号を用いてもよい。
また、上述した一実施形態では、重量センサ3cと寸法センサ3dの両方を利用したが、いずれか一方をのみを利用してもよい。例えば寸法センサ3d(3次元識別センサ)を用いた場合、予め被写体と重量の関係を学習した学習データを用意しておくことで、被写体を判読することで個々の被写体の重量を確度よく求めることができる。例えば、画像の映り込んだ人物を、性別、成人、子供、体格、車椅子利用の有無、台車利用と荷物の有無などにより分類し、それらの重量を求めることができる。よって、寸法センサ3dで撮影された画像を分析することで、待機スペース3fに待機する利用者の重量及び寸法の両方の情報を得ることが可能である。
さらに、本発明は上述した実施形態例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した各実施形態例は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細且つ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態例の構成の一部を他の実施形態例の構成に置き換えることは可能である。また、ある実施形態例の構成に他の実施形態例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
また、本明細書において、時系列的な処理を記述する処理ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)をも含むものである。
1−1〜1−n…乗りかご、 2…エレベーター制御装置、 2a…指令部、 2b…優先度決定部、 2c…出発準備判定部、 2d…積算比較部、 2e…満員検証部、 2f…優先度基準、 2g…規定満員値、 3−1〜3−m…乗り場、 3a…案内装置、 3b…ホールボタン、 3c…重量センサ、 3d…寸法センサ、 3e…警告機能、 3f…待機スペース、 4…群管理装置、 4a…号機割当て部、 10…エレベーター管理システム、 B1…建屋、 D1…基準階、 D2…最上階(目的階)、 Z1…急行ゾーン、 Z2…低層ゾーン、 Z3…高層ゾーン、 P1…上昇時優先度基準、 P2…降下時優先度基準

Claims (9)

  1. 号機ごとに設けられ、基準階と目的階を含む複数の階を、乗りかごが停止しない急行ゾーンと前記急行ゾーン以外のゾーンとに区分して前記乗りかごの運転を制御するエレベーター制御装置を備えるエレベーターにおいて、
    各階の各号機の乗り場における待機場所ごとに、前記乗りかごを呼ぶための乗り場呼び登録ボタンと、前記待機場所における待機状況を検知する検知部と、案内情報を報知する案内装置と、を備え、
    前記エレベーター制御装置は、
    前記乗り場呼び登録ボタンから出力される乗り場呼びに基づく前記乗りかごの運転方向に応じて、前記急行ゾーン以外のゾーンに該当する階の乗込み優先度を決定する優先度決定部と、
    前記検知部で検知された各階における前記待機状況の検知結果を、前記優先度決定部により決定された乗込み優先度の高い階から順に積算し、積算する度に各階における前記待機状況の検知結果の積算値と前記乗りかごの規定満員値とを比較する積算比較部と、
    前記積算比較部により前記待機状況の検知結果の積算値が前記規定満員値以上であると判断された階、及び、当該階よりも前記乗込み優先度の低い階における前記待機場所の前記案内装置に対し、前記乗りかごの満員が予想される旨を報知する指令を出力する指令部と、を備え、
    前記検知部は、前記待機場所における前記待機状況として前記待機場所にいる利用者の重量を測定する重量センサである
    エレベーター。
  2. 前記乗りかごが上昇運転する場合の前記乗込み優先度は、前記急行ゾーンよりも下の低層ゾーン内の前記急行ゾーンに近い階から順に高く、次いで前記急行ゾーンよりも上の高層ゾーン内の前記急行ゾーンに近い階から順に高く、
    前記乗りかごが下降運転する場合の前記乗込み優先度は、前記高層ゾーン内の前記急行ゾーンに近い階から順に高く、次いで前記低層ゾーン内の前記急行ゾーンに近い階から順に高い
    請求項1に記載のエレベーター。
  3. 前記指令部は、該当案内装置により前記乗りかごの満員が予想される旨を報知した後、前記積算比較部により前記急行ゾーン以外のゾーンに該当するすべての階における前記待機状況の検知結果の積算値が前記規定満員値未満であると判断されたとき、前記案内装置による前記報知を終了する
    請求項2に記載のエレベーター。
  4. 前記指令部は、前記急行ゾーン以外のゾーンに該当する前記すべての階における前記待機状況の検知結果の積算値が前記規定満員値未満となった場合に、前記乗りかごの運転を開始し前記乗りかごを前記乗り場呼びのあった階のうち目的階から最も遠い階より順に停止させる
    請求項3に記載のエレベーター。
  5. 前記指令部は、前記案内装置により前記乗りかごの満員が予想される旨を報知するとともに、前記案内装置により前記待機場所にいる利用者を別の号機の待機場所に案内する
    請求項3に記載のエレベーター。
  6. 前記指令部は、前記乗りかごの出発準備が完了後に、各階の前記待機場所に利用者が増えたか否かを判断し、前記利用者が増えた場合には該当階の前記案内装置により利用者が増えた旨を警告する
    請求項3に記載のエレベーター。
  7. 前記指令部は、前記積算比較部により各階における前記待機状況の検知結果の積算値が前記規定満員値未満であると判断された場合でも前記乗りかごの出発準備が完了したならば、前記乗りかごの運転を開始し前記乗りかごを前記乗り場呼びのあった階のうち目的階から最も遠い階より順に停止させる
    請求項3に記載のエレベーター。
  8. 前記積算比較部は、前記検知部で検知された前記待機状況が、一定の範囲内で一定時間継続した場合に、積算対象であると判断して前記待機状況の検知結果の積算を実行する
    請求項1に記載のエレベーター。
  9. 前記検知部として更に、前記待機場所の被写体の寸法を検知する寸法センサ、を備え、
    前記積算比較部は、前記寸法センサで検知された各階の前記待機場所にある前記被写体の寸法を前記優先度決定部により決定された乗込み優先度の高い階から順に積算し、積算する度に各階における前記被写体の寸法の積算値と前記乗りかごの満員の規定満員値とを比較し、
    前記指令部は、前記積算比較部により前記被写体の寸法の積算値が前記規定満員値以上であると判断された階、及び、当該階よりも前記乗込み優先度の低い階における前記待機場所の前記案内装置に対し、前記乗りかごの満員が予想される旨を報知する指令を出力する
    請求項に記載のエレベーター。
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