JP6614591B1 - エレベータシステム - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、一実施形態に係るエレベータシステムの概略構成例を示す図である。図1に示すエレベータシステムでは、エレベータ全体の制御を行うエレベータ制御装置10が上部機械室に設けられている。エレベータ制御装置10には、エレベータ全体の制御を行うためのエレベータ制御基板11と、マスター(親機)として機能する通信端末CMとが含まれる。昇降路内には、図1に示すように、乗りかご12及びカウンタウエイト13が設けられており、それぞれガイドレール14a〜14dに昇降動作可能に支持されている。ガイドレール14a,14bは乗りかご12用のガイドレールであり、ガイドレール14c,14dはカウンタウエイト13用のガイドレールである。乗りかご12は、乗りかご12用のガイドレール14a,14bの間に配置され、ガイドシュー15を介して、ガイドレール14a,14bに摺動可能に取り付けられている。カウンタウエイト13は、ガイドシュー15を介して、カウンタウエイト13用のガイドレール14c,14dに摺動可能に設けられている。
次に、図2の機能ブロック図を参照して、スレーブとして機能する通信端末CSが有している機能部について説明する。なお、乗りかご12に設置される通信端末CS1と、カウンタウエイト13に設置される通信端末CS2とは同様な機能部を有しているため、ここでは、通信端末CS2を代表例にとって説明し、通信端末CS1の説明は省略するものとする。
運転可否判定部107aは、電源供給制御部101から電源が供給されると、保存部103に保存された多数の計測データのうちの最新の計測データ(換言すると、検出周期切替部104によって第1の閾値以上であると判定されたガル値を示す計測データ)を読み出し、読み出した計測データによって示されるガル値が第2の閾値以上であるか否かを判定する。また、運転可否判定部107aは、読み出した計測データによって示されるガル値が第2の閾値以上であったか否かを示す信号、具体的には、当該ガル値が第2の閾値以上であった旨を示す第1の信号または当該ガル値が第2の閾値未満であった旨を示す第2の信号を、通信端末CS2の識別コードと共に、マスターとして機能する通信端末CMにアンテナA2を介して送信する。なお、第2の閾値は、カウンタウエイト13用のガイドレール14c,14dの耐力限界に基づいて設定される耐震基準値であり、例えば600[Gal]等に設定される。
続いて、図3の機能ブロック図を参照して、マスターとして機能する通信端末CMが有している機能部について説明する。通信端末CMは、アンテナA1を用いた無線にて、スレーブとして機能する通信端末CS1,CS2と接続される。また、通信端末CMは、有線にてエレベータ制御基板11と接続される。
電源供給制御部201は、エレベータ制御基板11内の電源供給制御部から供給される電源を各機能部に供給する。なお、電源供給制御部201は、エレベータ制御基板11から電源供給を受けているため、通信端末CS1,CS2内の電源供給制御部101とは異なり、通信端末CMに含まれる全ての機能部に対して電源を常時供給する。
出力部204は、第1の信号または第2の信号、電源交換要求等の入力を受け付けると、これら信号や要求を、これらに付随していた識別コードと共に、エレベータ制御基板11に出力する。
次に、図4の機能ブロック図を参照して、エレベータ制御基板11が有している機能部について説明する。エレベータ制御基板11は、有線にて、マスターとして機能する通信端末CMと接続される。また、エレベータ制御基板11は、有線にて、かご制御装置21、ドア制御装置22及び乗場制御装置30と接続される。
エレベータ制御基板11は、図4に示すように、入出力制御部11a、運転制御部11b、位置制御部11c、モータ制御部11d、通信制御部11e及び電源供給制御部11f、等を備えている。
運転制御部11bは、入出力制御部11aから送られてくる各種信号や各種要求に基づいて、エレベータ全体の運転動作を制御する機能を有している。
通信制御部11eは、有線接続されたかご制御装置21、ドア制御装置22及び乗場制御装置30と各種情報の授受を行う。電源供給制御部11fは、エレベータ制御基板11に含まれる各機能部に電源を供給すると共に、マスターとして機能する通信端末CMに電源を供給する機能を有している。
さらに、図5の機能ブロック図を参照して、エレベータ制御基板11に含まれる運転制御部11bが有している機能部について説明する。
運転制御部11bは、図5に示すように、端末異常判定部301、センサ異常判定部302、管制運転制御部303及び電源交換報知部304、等を備えている。
なお、図5には図示しないが、運転制御部11bには、かご制御装置21、ドア制御装置22及び乗場制御装置30、等から送られてくる各種情報に基づいて、乗りかご12が移動中であるか否かを判定する運転状態判定部、等がさらに設けられていても良い。
ここで、図6のフローチャートを参照して、スレーブとして機能する通信端末CS2の動作の一例について説明する。なお、ここでは図2と同様に、通信端末CS2を代表例にとって説明し、同様に動作する通信端末CS1の説明は省略するものとする。
次に、図7のフローチャートを参照して、マスターとして機能する通信端末CMの動作の一例について説明する。
まず、通信制御部202は、通信端末CSから送信されてくる信号、具体的には、第1または第2の信号を識別コードと共に受信したか否かを判定する(ステップST21)。なお、この処理の結果、通信端末CSからの信号を受信していないと判定された場合(ステップST21のNO)、ステップST21の処理が再度実行される。
一方で、上記したステップST21の処理の結果、通信端末CSからの信号を受信したと判定された場合(ステップST21のYES)、通信制御部202は、受信した信号を識別コードと共に返信制御部203及び出力部204に出力する(ステップST22)。
続いて、図8のフローチャートを参照して、スレーブとして機能する通信端末CS2の死活監視に関する動作の一例について説明する。なお、ここでは図2及び図6と同様に、通信端末CS2を代表例にとって説明し、同様に動作する通信端末CS1の説明は省略するものとする。
一方で、上記したステップST32の処理の結果、今回のガル値が最大値を超えていると判定された場合(ステップST32のYES)、入力部102は、保存部103に保存されている最大計測データの値を今回のガル値に更新する(ステップST33)。
続いて、通信制御部107に含まれる定周期発報部107bは、保存部103に保存されている最大計測データを読み出し、当該最大計測データを通信端末CS2の識別コードと共に、アンテナA2を介して通信端末CMに送信する(ステップST36)。
図9のフローチャートを参照して、マスターとして機能する通信端末CMの死活監視に関する動作の一例について説明する。
まず、出力部204は、一定期間毎に通信制御部202から出力されてくる最大計測データ(換言すると、一定期間毎に通信端末CSから送信されてくる最大計測データ)の入力の有無を判定する(ステップST41)。なお、この処理の結果、最大計測データの入力がないと判定された場合(ステップST41のNO)、通信端末CMはここでの一連の動作を終了させる。
しかる後、出力部204は、ステップST44またはST45の処理の結果を受けて、加速度センサSの現在の状態を示すステータス信号をエレベータ制御基板11に出力し(ステップST46)、ここでの一連の動作を終了させる。
さらに、図10のフローチャートを参照して、エレベータ制御装置10の動作の一例について説明する。
まず、エレベータ制御装置10は、上部機械室や昇降路内に設けられる図示せぬ各種センサからの入力に基づいて、高ガル、低ガル、特低ガル及びP波のうちの少なくとも1つが検出されたか否かを判定する(ステップST51)。なお、高ガル、低ガル、特低ガル及びP波はいずれも地震が発生したかどうかを判定するための指標である。高ガル、低ガル及び特低ガルはS波センサによって検出され、高ガルは、例えば、高さが60m以下の建物において200[Gal]以上の地震を検知した際に検出される。低ガルは、同建物において150[Gal]以上200[Gal]未満の地震を検知した際に検出され、特低ガルは、同建物において80[Gal]以上150[Gal]未満の地震を検知した際に検出される。また、P波(初期微動)はP波センサによって検出される。
一方で、上記したステップST52の処理の結果、乗りかご12は移動中であると判定された場合(ステップST52のYES)、エレベータ制御装置10は、乗りかご12が所定時間内(例えば10秒以内)に最寄階に着床可能であるか否かを判定する(ステップST54)。なお、乗りかご12が所定時間内に最寄階に着床可能であるか否かの判定には、乗りかご12の現在の移動速度を示す情報や乗りかご12の現在位置を示す情報、現在位置から最寄階までの距離を示す情報、等が利用される。
続いて、エレベータ制御装置10は、乗りかご12が2つの階の間(階間)に停止したか否かを判定する(ステップST57)。なお、乗りかご12が階間に停止したか否かの判定には、例えば、エレベータ制御基板11内の位置制御部11cによって検出される乗りかご12の現在位置を示す情報、等が利用される。
なお、この処理の結果、高ガル、低ガル、特低ガル及びP波のうちの少なくとも1つが検出されている、つまり、非検出になっていないと判定された場合(ステップST58のNO)、高ガル、低ガル、特低ガル及びP波のいずれもが非検出になるまで、ステップST58の処理が繰り返し実行される。一方で、上記したステップST58の処理の結果、高ガル、低ガル、特低ガル及びP波のいずれもが非検出になったと判定された場合(ステップST58のYES)、エレベータ制御装置10は、上記したステップST51の処理において高ガルが検出されていたか否かを判定する(ステップST59)。
一方で、上記したステップST59の処理の結果、高ガルが検出されていたと判定された場合(ステップST59のYES)、エレベータ制御装置10は、本エレベータシステムには地震時低速スイッチが付いているか否かを判定する(ステップST61)。なお、地震時低速スイッチの有無に関する情報は、エレベータ制御装置10内の図示せぬメモリ等に予め記憶されているものとする。
この処理の結果、地震時低速スイッチが付いていないと判定された場合(ステップST61のNO)、エレベータ制御装置10は、通信端末CMから第1の信号が出力されてきたか否かを判定する。より詳しくは、エレベータ制御装置10は、通信端末CS1の識別コードが付された第1の信号及び通信端末CS2の識別コードが付された第1の信号のうち、少なくとも一方の信号の入力を、通信端末CMから受けたか否かを判定する(ステップST62)。
一方で、上記したステップST62の処理の結果、通信端末CMからの第1の信号の入力を受け付けていないと判定された場合(ステップST62のNO)、エレベータ制御装置10は、本エレベータシステムを構成する各種機器に損傷や不具合が生じている可能性は低いとして、乗りかご12とカウンタウエイト13とが離れる方向に乗りかご12を移動させ、乗りかご12を最寄階に着床させた後に(ステップST64)、後述するステップST68の処理を実行する。
なお、この処理の結果、地震時低速スイッチと戸閉ボタンとが同時に操作されていないと判定された場合(ステップST65のNO)、地震時低速スイッチと戸閉ボタンとが同時に操作されるまで、ステップST65の処理が繰り返し実行される。その際には、例えば、地震時低速スイッチと戸閉ボタンとを同時に操作して欲しい旨のアナウンスを乗りかご12内の図示せぬスピーカから流すとしても良い。
一方で、上記したステップST67の処理の結果、乗りかご12が最寄階に着床したと判定された場合(ステップST67のYES)、エレベータ制御装置10は、乗りかご12のドアを所定時間だけ戸開し(ステップST68)、乗りかご12に乗客がいる場合は、当該乗客の積み下ろしが行われる。
一方で、上記したステップST69の処理の結果、通信端末CMからの死活信号の入力があり、いずれの通信端末にも異常が生じていないと判定された場合(ステップST69のNO)、エレベータ制御装置10は、加速度センサS1,S2に異常が生じているか否かを判定する(ステップST71)。なお、加速度センサS1,S2に異常が生じているか否かの判定は、センサ異常判定部302による判定と位置制御部11Cによる検出の結果に基づいて判定される。
一方で、上記したステップST74の処理の結果、第3の時間が経過したと判定された場合(ステップST74のYES)、エレベータ制御装置10は、乗りかご12の地震時自動診断運転を開始する(ステップST75)。
上記したステップST76の処理の結果、地震時自動診断運転が終了したと判定された場合(ステップST76のYES)、エレベータ制御装置10は、乗りかご12を仮復旧させ、以降は、仮復旧運転を行う(ステップST77)。
この処理の結果、点検作業がまだ終了していないと判定された場合(ステップST78のNO)、保守員による点検作業が終了したと判定されるまで、ステップST78の処理が繰り返し実行される。
一方で、点検作業が終了したと判定された場合(ステップST78のYES)、エレベータ制御装置10は、乗りかご12を完全に復旧させ、以降は、平常運転を行い(ステップST79)、ここでの一連の動作を終了させる。
また、通信端末CS2は、有線接続されている加速度センサS2によって計測されたガル値が第1の閾値以上であった時にだけ、他の通信端末(具体的には通信端末CM)と通信するための通信制御部107に電源供給を行うとしているため、省エネルギーであり、独自に設けられた電源装置の寿命を長持ちさせることも可能である。
また、上記したように通信端末CS2は電源装置の長寿命化を図る各種機能を備えているので、保守員が電源装置を交換する回数を減らすことができ、保守員にかかる負担を低減させることも可能である。
図12は、本実施形態の第1の変形例に係るエレベータシステムの概略構成例を示す図である。図12に示すエレベータシステムは、マスターとして機能する通信端末CMを上部機械室に設置せずに、通信端末CS1の代わりに乗りかご12上に設置している点で、図1に示したエレベータシステムと相違している。通信端末CMは、乗りかご12上に設置される加速度センサS1と有線にて接続される。
本変形例によれば、上記した実施形態と同様な効果を得ることが可能である。
図13は、本実施形態の第2の変形例に係るエレベータシステムの概略構成例を示す図である。図13に示すエレベータシステムは、図12の構成と同様に、マスターとして機能する通信端末CMを上部機械室に設置せずに、通信端末CS1の代わりに乗りかご12上に設置している点で、図1に示したエレベータシステムと相違している。また、通信端末CMをエレベータ制御装置10と直接的に接続するのではなく、通信端末CMを、かご制御装置21を介してエレベータ制御装置10と間接的に接続している点で、図12に示したエレベータシステムとも相違する。
本変形例によれば、第1の変形例と同様に、上記した実施形態と同様な効果を得ることが可能である。
図14は、本実施形態の第3の変形例に係るエレベータシステムの概略構成例を示す図である。図14に示すエレベータシステムは、通信端末CMの設置レイアウトは図1に示したエレベータシステムと同様ではあるものの、上部機械室に設置されているエレベータ制御装置10内に通信端末CMと有線にて接続される加速度センサS3が設置されている点で、図1に示したエレベータシステムと相違している。
加速度センサS3は、上部機械室の揺れを検出(計測)するためのセンサである。
本変形例によれば、第1及び第2の変形例と同様に、上記した実施形態と同様な効果を得ることができる上に、仮復旧運転を行うための自動診断運転を行っても良いか否かの判定をより精度良く行うことが可能となる。
Claims (3)
- 昇降路内に設置された乗りかごと、
前記乗りかごとロープを介して連結されるカウンタウエイトと、
前記カウンタウエイトに設けられ、前記カウンタウエイトの揺れを計測するセンサと、
前記カウンタウエイトに設けられ、かつ前記センサに有線接続される通信端末であって、他の通信端末と通信する際に子機として機能する第1の通信端末と、
前記第1の通信端末と通信可能に接続され、親機として機能する第2の通信端末と
を具備し、
前記第1の通信端末は、
電源装置と、
第1の周期毎に、前記センサによって計測された揺れを示す計測データの入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段が前記計測データの入力を受け付ける検出周期を変更する検出周期切替手段と、
前記入力手段により入力が受け付けられた計測データを、前記第2の通信端末に送信する通信制御手段と、
前記電源装置から前記各手段への電源供給を制御する電源供給制御手段と
を備え、
前記電源供給制御手段は、
前記入力手段には、電源を常時供給し、前記通信制御手段には、前記入力手段により入力が受け付けられた計測データによって示される計測値が第1の閾値以上であった場合に電源を供給し、
前記検出周期切替手段は、
前記入力手段により入力が受け付けられた計測データによって示される計測値が所定期間連続して第1の閾値未満であった場合、前記検出周期を前記第1の周期よりも長い周期に変更することを特徴とするエレベータシステム。 - 昇降路内に設置された乗りかごと、
前記乗りかごとロープを介して連結されるカウンタウエイトと、
前記カウンタウエイトに設けられ、前記カウンタウエイトの揺れを計測するセンサと、
前記カウンタウエイトに設けられ、かつ前記センサに有線接続される通信端末であって、他の通信端末と通信する際に子機として機能する第1の通信端末と、
前記第1の通信端末と通信可能に接続され、親機として機能する第2の通信端末と
を具備し、
前記第1の通信端末は、
電源装置と、
第1の周期毎に、前記センサによって計測された揺れを示す計測データの入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段が前記計測データの入力を受け付ける検出周期を変更する検出周期切替手段と、
前記入力手段により入力が受け付けられた計測データを、前記第2の通信端末に送信する通信制御手段と、
前記電源装置から前記各手段への電源供給を制御する電源供給制御手段と
を備え、
前記電源供給制御手段は、
前記入力手段には、電源を常時供給し、前記通信制御手段には、前記入力手段により入力が受け付けられた計測データによって示される計測値が第1の閾値以上であった場合に電源を供給し、
前記検出周期切替手段は、
前記入力手段により入力が受け付けられた計測データによって示される計測値が前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値以上であった場合、前記検出周期を前記第1の周期よりも短い周期に変更することを特徴とするエレベータシステム。 - 前記電源供給制御手段は、
前記電源装置の残量が所定値未満になった場合、当該電源装置の交換を保守員に促すための電源交換要求を前記第2の通信端末に送信するために、前記通信制御手段に電源を供給することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエレベータシステム。
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