JP2015134576A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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【課題】雪上性能及び氷上性能を向上させた空気入りタイヤを提供する。【解決手段】トレッド部の外側ミドルブロック10Bには、外側ショルダー主溝3からタイヤ軸方向内側に、外側ミドル横溝16とは逆方向に傾斜してのびる外側ミドルラグ溝21が設けられる。外側ミドルラグ溝21は、外側ミドルブロック10B内で終端する。さらに、外側ミドルブロック101Bには、外側ミドル横溝16に沿ってのびる複数の外側ミドルメインサイプ31と、外側ミドルメインサイプ31とは逆方向に傾斜してのびる外側ミドルサブサイプ32とが設けられる。外側ミドルサブサイプ32は、外側ミドルメインサイプ31よりも深さが小さい。【選択図】図2

Description

本発明は、雪上性能及び氷上性能を向上させた空気入りタイヤに関する。
従来から、トレッド部のブロックに複数のサイプを設けることにより、氷上性能を高めた空気入りタイヤが知られている。
例えば、特許文献1では、上述した通常のサイプ(メインサイプ)に加えて、1mm以下の深さを有する細溝(サブサイプ)を設けることにより、氷上性能をより一層向上させた空気入りタイヤが提案されている。
特開2006−76556号公報
一般に、冬用タイヤでは、トレッド部の溝内で路面の雪を押し固めて雪柱を形成し、これを剪断するときの反力で雪上での駆動力等を得る。従って、その雪上性能は、基本となるトレッドパターン、すなわち、タイヤ周方向にのびる主溝及びタイヤ軸方向にのびる横溝等の構成に大きく依存する。
上記特許文献1に記載されたトレッドパターンにあっても、主溝及び横溝等にさらなる改良を加えることにより、大きな雪柱剪断力を発生させて、雪上性能を向上させることが期待されている。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、雪上性能及び氷上性能を向上させた空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明は、車両への装着の向きが指定されることにより、車両装着時に車両外側に位置する外側トレッド端と、車両装着時に車両内側に位置する内側トレッド端とを有するトレッド部を備えた空気入りタイヤであって、前記トレッド部には、タイヤ赤道よりも前記外側トレッド端側で、タイヤ周方向に連続してのびる外側ショルダー主溝、前記外側ショルダー主溝とタイヤ赤道との間を、タイヤ周方向にジグザグ状で連続してのびる外側ミドル主溝、及び、前記外側ミドル主溝と前記外側ショルダー主溝との間を継いでタイヤ軸方向に対して傾斜してのびる複数本の外側ミドル横溝が設けられることにより、前記外側ショルダー主溝と前記外側トレッド端とで区分された外側ショルダー陸部と、前記外側ショルダー主溝と前記外側ミドル主溝と前記外側ミドル横溝とで区分された複数の外側ミドルブロックがタイヤ周方向に並ぶ外側ミドル陸部とが形成され、前記外側ミドルブロックには、前記外側ショルダー主溝からタイヤ軸方向内側に、前記外側ミドル横溝とは逆方向に傾斜してのび、かつ、前記外側ミドルブロック内で終端する外側ミドルラグ溝と、前記外側ミドル横溝に沿ってのびる複数の外側ミドルメインサイプと、前記外側ミドルメインサイプとは逆方向に傾斜してのび、かつ、前記外側ミドルメインサイプよりも深さの小さい外側ミドルサブサイプとが設けられていることを特徴とする。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記外側ミドルメインサイプは、タイヤ軸方向に対して0゜〜30゜の角度を有することが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記外側ミドルサブサイプは、タイヤ軸方向に対して0゜〜30゜の角度を有することが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記外側ミドルサブサイプの側壁面は、前記ミドルブロックの踏面法線に対して0゜〜10゜の角度を有することが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記ショルダー陸部は、前記外側トレッド端と前記外側ショルダー主溝との間を継ぎ、かつ、タイヤ軸方向に対して傾斜してのびる複数本の外側ショルダー横溝が設けられることにより、タイヤ周方向に並ぶ複数の外側ショルダーブロックに区分され、前記外側ショルダーブロックには、前記外側ショルダー横溝に沿ってのびる複数の外側ショルダーメインサイプと、前記外側ショルダーメインサイプとは逆方向に傾斜してのび、かつ、前記外側ショルダーメインサイプよりも深さの小さい複数の外側ショルダーサブサイプとが設けられていることが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記外側ショルダーメインサイプは、タイヤ軸方向に対して0゜〜30゜の角度を有することが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記外側ショルダーサブサイプは、タイヤ軸方向に対して0゜〜30゜の角度を有することが望ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤにおいて、前記外側ショルダーサブサイプの側壁面は、前記ショルダーブロックの踏面法線に対して、0゜〜10゜の角度を有することが望ましい。
本発明の空気入りタイヤは、車両への装着の向きが指定されることにより、トレッド部に、車両外側に位置する外側トレッド端と、車両内側に位置する内側トレッド端とを有する。トレッド部には、外側ショルダー主溝、外側ミドル主溝及び外側ミドル横溝が設けられることにより、外側ショルダー陸部と、複数の外側ミドルブロックがタイヤ周方向に並ぶ外側ミドル陸部とが形成される。外側ミドル主溝は、ジグザグ状に形成されており、そのタイヤ軸方向の成分によって、雪上でのトラクション性能及びブレーキ性能が高められる。
さらに、外側ミドルブロックには、外側ショルダー主溝からタイヤ軸方向内側に、外側ミドル横溝とは逆方向に傾斜してのび、かつ、外側ミドルブロック内で終端する外側ミドルラグ溝が設けられている。このような外側ミドルラグ溝は、雪上で大きな雪柱剪断力を発生し、空気入りタイヤの雪上性能を高める。
一方、外側ミドルブロックに設けられている外側ミドルメインサイプ及び外側ミドルサブサイプが発生するエッジ効果によって、氷上性能が高められる。外側ミドルサブサイプは、通常の冬用タイヤに設けられている外側ミドルメインサイプよりも深さの小さいので、外側ミドルブロックの剛性が十分に確保される。従って、ドライ路面での操縦安定性能が十分に確保されると共に、偏摩耗の発生が抑制され、長期にわたって外側ミドルサブサイプのエッジ効果が維持される。
本発明の空気入りタイヤの一実施形態を示すトレッド部の展開図である。 図1の外側ミドルブロックの一部を破断した斜視図である。 図1の外側ミドルブロック及び外側ショルダーブロックの拡大展開図である。 図1の外側ミドルブロックの断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1には、本発明の一実施形態を示す空気入りタイヤ(全体不図示)のトレッド部2の展開図が示される。図1に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)は、例えば、乗用車用のスタッドレスタイヤとして好適に利用される。
本実施形態のタイヤは、車両への装着の向きが指定された非対称のトレッドパターンを具える。これにより、タイヤのトレッド部2は、タイヤの車両装着時に車両外側に位置する外側トレッド端Toと、車両装着時に車両内側に位置する内側トレッド端Tiとを有する。車両への装着の向きは、例えば、サイドウォール部(図示せず)に、文字等で表示される。
前記各「トレッド端」To、Tiは、正規リムにリム組みされかつ正規内圧を充填した無負荷である正規状態のタイヤに、正規荷重を負荷してキャンバー角0度で平面に接地させたときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置として定められる。正規状態での各トレッド端To、Ti間のタイヤ軸方向の距離がトレッド接地幅TWとして定められる。特に断りがない場合、タイヤの各部の寸法等は、正規状態で測定された値である。
「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば"Measuring Rim" である。
「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。タイヤが乗用車用である場合、正規内圧は、180kPaである。
「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば "最大負荷能力" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" である。タイヤが乗用車用の場合、正規荷重は、前記荷重の88%に相当する荷重である。
トレッド部2には、タイヤ周方向に連続してのびる主溝が設けられている。本実施形態の主溝は、外側ショルダー主溝3、外側ミドル主溝4、内側ショルダー主溝5、及び、内側ミドル主溝6を含んでいる。
外側ショルダー主溝3は、タイヤ赤道Cよりも外側トレッド端To側で、かつ、各主溝のうち、最も外側トレッド端To側に設けられている。外側ショルダー主溝3は、例えば、直線状である。このような外側ショルダー主溝3は、車両外側の陸部のタイヤ周方向の剛性を高め、直進安定性能を向上させる。
外側ミドル主溝4は、タイヤ赤道Cと外側ショルダー主溝3との間の位置に設けられている。本実施形態の外側ミドル主溝4は、タイヤ周方向に対して一方側に傾斜する長辺部4Aと、長辺部4Aよりもタイヤ周方向の長さが小さく、かつ、長辺部4Aとは逆向きに傾斜する短辺部4Bとが交互に配されたジグザグ状に形成されている。このような外側ミドル主溝4は、大きなタイヤ軸方向成分を有し、雪上でのトラクション性能やブレーキ性能の向上に寄与する。なお、外側ミドル主溝4は、波状にのびる形態でもよい。
内側ショルダー主溝5は、タイヤ赤道Cよりも内側トレッド端Ti側で、かつ、各主溝のうち、最も内側トレッド端Ti側に設けられている。本実施形態の内側ショルダー主溝5は、直線状にのびている。このような内側ショルダー主溝5は、車両内側の陸部のタイヤ周方向の剛性を高め、直進安定性能を向上させる。なお、内側ショルダー主溝5は、ジグザグ状や波状にのびる形態でもよい。
内側ミドル主溝6は、タイヤ赤道Cと内側ショルダー主溝5との間の位置に設けられている。本実施形態の内側ミドル主溝6は、直線状にのびている。このような内側ミドル主溝6も、車両内側の陸部のタイヤ周方向の剛性を高め、直進安定性能を向上させる。なお、内側ミドル主溝6は、ジグザグ状や波状にのびる形態でもよい。
各主溝3乃至6の溝幅(溝中心線と直角方向に測定される溝幅)W1乃至W4及び溝深さ(図示省略)については、慣例に従って種々定めることができる。各主溝3乃至6の溝幅W1乃至W4は、例えば、トレッド接地幅TWの1.0〜7.0%が望ましい。本実施形態では、外側ミドル主溝4の溝幅W2は、例えば、内側ミドル主溝6の溝幅W4よりも小さい。また、外側ショルダー主溝3の溝幅W1は、例えば、内側ショルダー主溝の溝幅W4よりも小さい。これにより、旋回走行時、とりわけ大きな横力が作用する車両外側の陸部の剛性が高められ、操縦安定性能が向上する。各主溝3乃至6の溝深さは、本実施形態の乗用車用タイヤの場合、例えば、5〜10mmが望ましい。
トレッド部2は、各主溝3乃至6によって、外側ミドル陸部10と、外側ショルダー陸部11と、内側ミドル陸部12と、内側ショルダー陸部13と、センター陸部14とに区分される。
外側ミドル陸部10は、外側ショルダー主溝3と外側ミドル主溝4との間に配されている。外側ミドル陸部10には、外側ミドル主溝4と外側ショルダー主溝3との間を継いでのびる複数の外側ミドル横溝16が設けられている。これにより、外側ミドル陸部10は、外側ショルダー主溝3と外側ミドル主溝4と外側ミドル横溝16とで区分された複数の外側ミドルブロック10Bがタイヤ周方向に並んだブロック列として形成されている。
本実施形態の外側ミドル横溝16は、ジグザグ状にのびている。このような外側ミドル横溝16を外側ショルダー主溝3と外側ミドル主溝4との間に設けたことにより、旋回初期の横力によって、外側ミドル横溝16内の雪を小刻みに掴むことができる。このため、旋回初期での雪柱剪断力が高められ、雪上性能が向上する。
外側ミドル横溝16は、外側ショルダー主溝3を介して外側ショルダーラグ溝22と滑らかに連続している。これにより、外側ショルダーラグ溝22、外側ショルダー主溝3、及び、外側ミドル横溝16でタイヤ軸方向にのびる大きな溝空間が形成されるため、大きな雪柱剪断力が発揮される。なお、「滑らかに連続する」とは、外側ミドル横溝16を、その溝形状に沿ってタイヤ軸方向外側に延長させたときに、外側ショルダーラグ溝22と滑らかに連続することである。本実施形態では、この溝空間に、さらに短辺部4Bが接続されている(以下、外側ショルダー横溝17においても同様である)。
外側ミドル横溝16は、タイヤ軸方向外側に向かって溝幅W5が漸増している部分を有している。これにより、外側ショルダー主溝3を介して外側トレッド端Toの外側に外側ミドル横溝16内の雪が排出され易くなる。本実施形態では、外側ショルダー主溝3側に溝幅W5が漸増する部分を有しているため、上述の作用がより効果的に発揮される。
このような外側ミドル横溝16の溝幅W5は、上述の作用を効果的に発揮させるため、好ましくは、トレッド接地幅TWの2.0%〜5.0%である。同様に、外側ミドル横溝16の溝深さ(図示省略)は、好ましくは、3〜8mmであり、主溝よりも小さいのが望ましい。
外側ミドルブロック10Bには、外側ミドルラグ溝21が設けられている。外側ミドルラグ溝21は、外側ショルダー主溝3からタイヤ軸方向内側に外側ミドル横溝16とは逆方向に傾斜してのび、かつ、外側ミドルブロック10B内で終端する。このような外側ミドルラグ溝21は、雪上で大きな雪柱剪断力を発生し、空気入りタイヤの雪上性能を高める。
外側ミドルラグ溝21は、本実施形態では、タイヤ軸方向外側に向かって溝幅が漸増している。これにより、旋回走行時の横力を利用して溝内の雪が排出され易くなり、さらに、雪上性能が向上する。
外側ミドル陸部10の剛性を確保しつつ、上述の作用を効果的に発揮させる観点より、外側ミドルラグ溝21のタイヤ軸方向の最大長さLAは、好ましくは、外側ミドル陸部10のタイヤ軸方向の最大幅WAの30%〜40%である。同様に、外側ミドルラグ溝21のタイヤ周方向の最大長さLBは、好ましくは、トレッド接地幅TWの1.5%〜6.5%である。
外側ミドルブロック10Bには、外側ミドル横溝16に沿ってのびる複数の外側ミドルメインサイプ31と、外側ミドルメインサイプ31とは逆方向に傾斜してのびる複数の外側ミドルサブサイプ32とが設けられている。外側ミドルメインサイプ31は、波形に形成されている。「外側ミドル横溝16に沿ってのびる」とは、波形の外側ミドルメインサイプ31の振幅中心を結ぶ仮想線が、外側ミドル横溝16に沿ってのびていることを意味している(以下、外側ショルダーメインサイプ33、内側ミドルメインサイプ36、内側ショルダーメインサイプ38及びセンターメインサイプ41についても同様とする)。
既に述べたように、外側ミドルメインサイプ31及び外側ミドルサブサイプ32の傾斜方向は、外側ミドル横溝16の傾斜方向に依存する。外側ミドル横溝16の傾斜方向は、図1に示される形態に限られることなく、これとは逆方向に傾斜する形態であってもよい。従って、外側ミドル横溝16の傾斜方向の変更に応じて、外側ミドルメインサイプ31及び外側ミドルサブサイプ32の傾斜方向も変更される。
図2には、一部を破断した外側ミドルブロック10Bが示されている。外側ミドルメインサイプ31は、通常の冬用タイヤに設けられているサイプと同等の深さを有する。すなわち、外側ミドルメインサイプ31の深さは、例えば、好ましくは外側ミドル横溝16の溝深さの50%以上、より好ましくは60%以上である。
外側ミドルサブサイプ32は、直線状に形成され、外側ミドルブロック10B内で外側ミドルメインサイプ31と交差する。外側ミドルサブサイプ32の深さは、外側ミドルメインサイプ31の深さよりも浅い。
一般に、新品時の空気入りタイヤのトレッド部2の踏面は、加硫金型によって滑らかに形成されている。従って、走行初期の段階では十分な氷上性能を発揮できないおそれがある。しかしながら、本実施形態にあっては、走行初期に外側ミドルサブサイプ32が発揮する十分なエッジ効果により、氷上性能が高められる。一方、摩耗により外側ミドルサブサイプ32が消滅する頃には、トレッド部2の踏面に微小な凹凸が形成され、そのエッジ効果により、氷上性能が維持される。(以下、外側ショルダーサブサイプ35、内側ミドルサブサイプ37、内側ショルダーサブサイプ40及びセンターサブサイプ42についても同様である)。
外側ミドルブロック10Bに設けられている外側ミドルメインサイプ31及び外側ミドルサブサイプ32が発生するエッジ効果によって、氷上性能が高められる。外側ミドルサブサイプ32は、外側ミドルメインサイプ31よりも深さが小さいので、外側ミドルブロック10Bの剛性が十分に確保される。従って、ドライ路面での操縦安定性能が十分に確保されると共に、偏摩耗の発生が抑制され、長期にわたって外側ミドルサブサイプ32のエッジ効果が維持される。
本実施形態では、外側ミドルラグ溝21の周辺で外側ミドルブロック10Bの剛性が局所的に低下しないように、外側ミドルメインサイプ31a、31b、31cは、外側ミドルブロック10B内で終端する。このような外側ミドルメインサイプ31a、31b、31cによって、外側ミドルブロック10B内で発生するエッジ効果は、低下する傾向にある。しかしながら、外側ミドルサブサイプ32が、特に新品タイヤ時において十分なエッジ効果を発生するため、空気入りタイヤの氷上性能が高められる。
図3には、外側ミドル陸部10及び外側ショルダー陸部11が示されている。外側ミドルメインサイプ31は、タイヤ軸方向に対して0゜〜30゜の角度α1を有する。「外側ミドルメインサイプ31のタイヤ軸方向に対する角度α1」とは、波形の外側ミドルメインサイプ31の振幅中心を結んだ仮想線のタイヤ軸方向に対する角度を意味する(以下、外側ショルダーメインサイプ33、内側ミドルメインサイプ36、内側ショルダーメインサイプ38及びセンターメインサイプ41についても同様とする)。外側ミドルサブサイプ32は、タイヤ軸方向に対して0゜〜30゜の角度β1を有する。
上記角度α1を有する外側ミドルメインサイプ31と上記角度β1を有する外側ミドルサブサイプ32とは、外側ミドルブロック10Bの踏面で交差する。これにより、いずれの方向に旋回する場合であっても、タイヤの進行方向に垂直な方向のエッジ成分が十分に確保され、凍結路におけるトラクション性能及びブレーキ性能が高められる。
図4には、外側ミドルサブサイプ32の断面形状が示されている。外側ミドルサブサイプ32の深さDsは、例えば、0.1mmから0.8mmが望ましい。上記深さDsが0.1mm未満の場合、十分なエッジ効果が得られないおそれがある。一方、深さDsが0.8mmを超える場合、外側ミドルブロック10Bの剛性が低下するおそれがある。
外側ミドルサブサイプ32の幅Wsは、例えば、0.1mmから0.8mmが望ましい。上記幅Wsが0.1mm未満の場合、十分なエッジ効果が得られないおそれがある。一方、幅Wsが0.8mmを超える場合、外側ミドルブロック10Bの剛性が低下するおそれがある。
外側ミドルサブサイプ32の間隔Psは、例えば、0.5mmから3.0mmが望ましい。上記間隔Psが0.5mm未満の場合、外側ミドルブロック10Bの剛性が低下するおそれがある。一方、上記間隔Psが3.0mmを超える場合、十分なエッジ効果が得られないおそれがある。
外側ミドルサブサイプ32の側壁面の外側ミドルブロック10Bの踏面法線Vに対する角度γは、例えば、0゜〜10゜が望ましい。上記角度γが0゜未満の場合、トレッド部2の加硫金型からの離型が困難となるおそれがある。上記角度γが大きいほど排雪性能が高まって、雪上走行直後から、優れた十分なエッジ効果を発揮し、氷上グリップが向上する。一方、上記角度γが10゜を超える場合、氷上で十分なエッジ効果が得られないおそれがある。
図1に示されるように、外側ショルダー陸部11は、外側ショルダー主溝3と外側トレッド端Toとの間に配されている。
外側ショルダー陸部11には、外側トレッド端Toと外側ショルダー主溝3との間を継いでのびる外側ショルダー横溝17が設けられている。これにより、外側ショルダー陸部11は、外側ショルダー主溝3と外側トレッド端Toと外側ショルダー横溝17とで区分された外側ショルダーブロック11Bがタイヤ周方向に並んだブロック列として形成されている。
外側ショルダー横溝17は、タイヤ軸方向外側に向かって溝幅W5が漸増している部分を有している。これにより、旋回走行時の横力を利用して溝内の雪が排出され易くなり、さらに、雪上性能が向上する。外側ショルダー横溝17の溝幅は、溝中心線に対する直角方向の溝縁間の距離で定義される。
外側ショルダー横溝17の溝幅W6は、雪柱剪断力を効果的に発生させるため、好ましくは、トレッド接地幅TWの2.5%〜5.5%である。同様に、外側ショルダー横溝17の溝深さ(図示省略)は、好ましくは、3〜8mmであり、主溝よりも小さいのが望ましい。
外側ショルダー横溝17は、外側ミドル横溝16と逆向きに傾斜している。これにより、各横溝16、17に生じる互いに逆向きの横方向の力が相殺されるため、走行安定性能が向上する。
外側ショルダー横溝17は、外側ショルダー主溝3を介して外側ミドルラグ溝21と滑らかに連続されている。これにより、外側ミドルラグ溝21、外側ショルダー主溝3、及び、外側ショルダー横溝17でタイヤ軸方向にのびる大きな溝空間が形成されるため、大きな雪柱剪断力が発揮される。
外側ショルダーブロック11Bには、外側ショルダーラグ溝22が設けられている。外側ショルダーラグ溝22は、外側ショルダー主溝3からタイヤ軸方向外側にのび、かつ、外側ショルダーブロック11B内で終端する。外側ショルダーラグ溝22は、本実施形態では、タイヤ軸方向内側に向かって溝幅が漸減している。さらに、外側ショルダーブロック11Bには、タイヤ周方向に沿って直線状にのびる細溝25が設けられている。細溝25が発生するエッジ効果によって、氷上旋回性能が高められる。
外側ショルダーブロック11Bには、外側ショルダー横溝17に沿ってのびる複数の外側ショルダーメインサイプ33と、タイヤ周方向に沿ってのびる複数の外側ショルダー周方向サイプ34と、外側ショルダーメインサイプ33とは逆方向に傾斜してのびる複数の外側ショルダーサブサイプ35とが設けられている。
外側ミドルメインサイプ31と同様に、外側ショルダーメインサイプ33は、波形に形成されている。外側ショルダーメインサイプ33は、通常の冬用タイヤに設けられているサイプと同等の深さを有する。すなわち、外側ショルダーメインサイプ33の深さは、例えば、好ましくは外側ショルダー横溝17の溝深さの50%以上、より好ましくは60%以上である。
外側ショルダー周方向サイプ34は、波形に形成されている。外側ショルダー周方向サイプ34は、外側ショルダーブロック11Bの最も外側トレッド端Toの側に設けられている。「外側ショルダー周方向サイプ34がタイヤ周方向に沿ってのびる」とは、波形の外側ショルダー周方向サイプ34の振幅中心を結ぶ仮想線が、タイヤ周方向に沿ってのびることを意味している(以下、内側ショルダー周方向サイプ39についても同様とする)。
外側ショルダーサブサイプ35は、直線状に形成され、外側ショルダーブロック11B内で外側ショルダーメインサイプ33と交差する。外側ショルダーサブサイプ35の深さは、外側ショルダーメインサイプ33の深さよりも小さい。
外側ショルダーブロック11Bに設けられている外側ショルダーメインサイプ33及び外側ショルダーサブサイプ35が発生するエッジ効果によって、氷上性能が高められる。外側ショルダーサブサイプ35は、外側ショルダーメインサイプ33よりも深さが小さいので、外側ショルダーブロック11Bの剛性が十分に確保される。従って、ドライ路面での操縦安定性能が十分に確保されると共に、偏摩耗の発生が抑制され、長期にわたって外側ショルダーサブサイプ35のエッジ効果が維持される。
図3に示されるように、本実施形態では、外側ショルダーラグ溝22の周辺で外側ショルダーブロック11Bの剛性が局所的に低下しないように、外側ショルダーメインサイプ33a、33bは、外側ショルダーブロック11B内で終端する。このような外側ショルダーメインサイプ33a、33bによって、外側ショルダーブロック11B内で発生するエッジ効果は、低下する傾向にある。しかしながら、外側ショルダーサブサイプ35が、特に新品タイヤ時において十分なエッジ効果を発生するため、空気入りタイヤの氷上性能が高められる。
外側ショルダーメインサイプ33は、タイヤ軸方向に対して0゜〜30゜の角度α2を有する。外側ショルダーサブサイプ35は、タイヤ軸方向に対して0゜〜30゜の角度β2を有する。
上記角度α2を有する外側ショルダーメインサイプ33と上記角度β2を有する外側ショルダーサブサイプ35とは、外側ショルダーブロック11Bの踏面で交差する。これにより、いずれの方向に旋回する場合であっても、タイヤの進行方向に垂直な方向のエッジ成分が十分に確保され、凍結路におけるトラクション性能及びブレーキ性能が高められる。
外側ショルダーサブサイプ35の深さ、幅、間隔及び側壁面の外側ショルダーブロック11Bの踏面法線に対する角度については、図4に示される外側ミドルサブサイプ32と同様である。
図1に示されるように、内側ミドル陸部12は、内側ショルダー主溝5と内側ミドル主溝6との間に配されている。内側ミドル陸部12には、内側ショルダー主溝5と内側ミドル主溝6との間を継いでのびる内側ミドル横溝18が設けられている。これにより、内側ミドル陸部12は、内側ショルダー主溝5と内側ミドル主溝6と内側ミドル横溝18とで区分される内側ミドルブロック12Bがタイヤ周方向に並んだブロック列として形成されている。
内側ミドル横溝18は、ジグザグ状にのびている。このような内側ミドル横溝18を内側ショルダー主溝5と内側ミドル主溝6との間に設けたことにより、旋回初期の横力によって、内側ミドル横溝18内の雪を小刻みに掴むことができる。このため、旋回初期での雪柱剪断力が高められ、雪上性能が向上する。
内側ミドル横溝18は、外側ミドル横溝16に対し、タイヤ周方向に交互に配されている。このため、両横溝16、18による雪柱剪断力が交互に生じるため、雪上性能が向上する。なお、「タイヤ周方向に交互に配されている」とは、各内側ミドル横溝18のタイヤ軸方向の投影領域と、外側ミドル横溝16のタイヤ軸方向への投影領域とが、互いに重ならない態様である。
内側ミドル横溝18は、本実施形態では、外側ショルダー横溝17とタイヤ周方向位置を揃えかつ逆向きに配されている。これにより、内側ミドル横溝18及び外側ショルダー横溝17は、同時に雪柱剪断力が生じるとともに、互いに生じる逆向きの横方向の力が同じに相殺されるため、優れた雪上での操縦安定性能を発揮する。このように本実施形態では、タイヤ周方向に位置ずれする横溝と、タイヤ周方向位置を揃える横溝とをバランス良く設けることで、大きな雪柱剪断力を短ピッチで発揮させることができるため、雪上性能が大きく向上する。
内側ミドル横溝18は、内側ショルダー横溝19と逆向きに傾斜している。これにより、各横溝18、19に生じる互いに逆向きの横方向の力が相殺されるため、雪上性能がさらに向上する。
このような内側ミドル横溝18の溝幅W7は、好ましくは、トレッド接地幅TWの3.0%〜6.0%である。同様に、内側ミドル横溝18の溝深さ(図示省略)は、好ましくは、3〜8mmであり、主溝よりも小さいのが望ましい。
内側ミドルブロック12Bには、内側ミドル横溝18に沿ってのびる複数の内側ミドルメインサイプ36と、内側ミドルメインサイプ36とは逆方向に傾斜してのびる複数の内側ミドルサブサイプ37とが設けられている。
内側ミドルメインサイプ36は、外側ミドルメインサイプ31と同様に、波形に形成されている。内側ミドルメインサイプ36は、通常の冬用タイヤに設けられているサイプと同等の深さを有する。すなわち、内側ミドルメインサイプ36の深さは、例えば、好ましくは内側ミドル横溝18の溝深さの50%以上、より好ましくは60%以上である。
内側ミドルサブサイプ37は、直線状に形成され、内側ミドルブロック12B内で内側ミドルメインサイプ36と交差する。内側ミドルサブサイプ37の深さは、内側ミドルメインサイプ36の深さよりも小さい。
内側ミドルブロック12Bに設けられている内側ミドルメインサイプ36及び内側ミドルサブサイプ37が発生するエッジ効果によって、氷上性能が高められる。内側ミドルサブサイプ37は、内側ミドルメインサイプ36よりも深さが小さいので、内側ミドルブロック12Bの剛性が十分に確保される。従って、ドライ路面での操縦安定性能が十分に確保されると共に、偏摩耗の発生が抑制され、長期にわたって内側ミドルサブサイプ37のエッジ効果が維持される。
内側ミドルメインサイプ36のタイヤ軸方向に対する角度は、図3に示される外側ミドルメインサイプ31と同様であり、内側ミドルサブサイプ37のタイヤ軸方向に対する角度も、外側ミドルサブサイプ32と同様である。内側ミドルサブサイプ37の深さ、幅、間隔及び側壁面の内側ミドルブロック12Bの踏面法線に対する角度についても、図4に示される外側ミドルサブサイプ32と同様である。
内側ショルダー陸部13は、内側ショルダー主溝5と内側トレッド端Tiとの間に配されている。内側ショルダー陸部13には、内側ショルダー主溝5と内側トレッド端Tiとの間を継いでのびる内側ショルダー横溝19が設けられている。これにより、内側ショルダー陸部13は、内側ショルダー主溝5と内側トレッド端Tiと内側ショルダー横溝19とで区分された内側ショルダーブロック13Bがタイヤ周方向に並んだブロック列として形成されている。
本実施形態の内側ショルダー横溝19は、タイヤ周方向の一方側の溝縁がジグザグ状に、他方側の溝縁が滑らかにのびている。これにより、内側ショルダー横溝19は、タイヤ軸方向外側に向かって溝幅が段階的に増加している部分を有している。このため、内側ショルダー横溝19内の雪も排出され易くなり、さらに雪上性能が向上する。
このような内側ショルダー横溝19の溝幅W8は、好ましくは、トレッド接地幅TWの2.5%〜5.5%である。同様に、内側ショルダー横溝19の溝深さ(図示省略)は、好ましくは、3〜8mmであり、主溝よりも小さいのが望ましい。
内側ショルダーブロック13Bには、タイヤ周方向に直線状にのびる細溝26が設けられている。細溝26が発生するエッジ効果によって、氷上旋回性能が高められる。
内側ショルダーブロック13Bには、内側ショルダー横溝19に沿ってのびる複数の内側ショルダーメインサイプ38と、タイヤ周方向に沿ってのびる複数の内側ショルダー周方向サイプ39と、内側ショルダーメインサイプ38とは逆方向に傾斜してのびる複数の内側ショルダーサブサイプ40とが設けられている。
外側ミドルメインサイプ31と同様に、内側ショルダーメインサイプ38は、波形に形成されている。内側ショルダーメインサイプ38は、通常の冬用タイヤに設けられているサイプと同等の深さを有する。すなわち、内側ショルダーメインサイプ38の深さは、例えば、好ましくは内側ショルダー横溝19の溝深さの50%以上、より好ましくは60%以上である。
内側ショルダー周方向サイプ39は、波形に形成されている。外側ショルダー周方向サイプ39は、内側ショルダーブロック13Bの最も内側トレッド端Tiの側に設けられている。
内側ショルダーサブサイプ40は、直線状に形成され、内側ショルダーブロック13B内で内側ショルダーメインサイプ38と交差する。内側ショルダーサブサイプ40の深さは、内側ショルダーメインサイプ38の深さよりも小さい。
内側ショルダーブロック13Bに設けられている内側ショルダーメインサイプ38及び内側ショルダーサブサイプ40が発生するエッジ効果によって、氷上性能が高められる。内側ショルダーサブサイプ40は、内側ショルダーメインサイプ38よりも深さが小さいので、内側ショルダーブロック13Bの剛性が十分に確保される。従って、ドライ路面での操縦安定性能が十分に確保されると共に、偏摩耗の発生が抑制され、長期にわたって内側ショルダーサブサイプ40のエッジ効果が維持される。
内側ショルダーメインサイプ38のタイヤ軸方向に対する角度は、図3に示される外側ショルダーメインサイプ33と同様であり、内側ショルダーサブサイプ40のタイヤ軸方向に対する角度も、外側ショルダーサブサイプ35と同様である。内側ショルダーサブサイプ40の深さ、幅、間隔及び側壁面の内側ショルダーブロック13Bの踏面法線に対する角度については、図4に示される外側ミドルサブサイプ32と同様である。
センター陸部14は、外側ミドル主溝4と内側ミドル主溝6との間に配されている。センター陸部14には、外側ミドル主溝4と内側ミドル主溝6との間を継いでのびるセンター横溝20が設けられている。これにより、センター陸部14は、外側ミドル主溝4と内側ミドル主溝6とセンター横溝20とで区分されるセンターブロック14Bがタイヤ周方向に並んだブロック列として形成されている。
センター横溝20は、タイヤ軸方向外側に向かって溝幅W9が漸増している部分を有している。これにより、旋回走行時の横力を利用して溝内の雪が排出され易くなり、さらに、雪上性能が向上する。
本実施形態のセンター横溝20は、外側ミドル主溝4と短辺部4Bで連通している。これにより、センター横溝20から短辺部4Bに亘って連続した雪柱が形成され、雪上性能が向上する。
このようなセンター横溝20の溝幅W9は、上述の作用を効果的に発揮させるため、好ましくは、トレッド接地幅TWの1.5%〜4.5%である。同様に、センター横溝20の溝深さ(図示省略)は、好ましくは、3〜8mmであり、主溝よりも小さいのが望ましい。
センターブロック14Bには、センター横溝20に沿ってのびる複数のセンターメインサイプ41と、センターメインサイプ41とは逆方向に傾斜してのびる複数のセンターサブサイプ42とが設けられている。
外側ミドルメインサイプ31と同様に、センターメインサイプ41は、波形に形成されている。センターメインサイプ41は、通常の冬用タイヤに設けられているサイプと同等の深さを有する。すなわち、センターメインサイプ41の深さは、例えば、好ましくはセンター横溝20の溝深さの50%以上、より好ましくは60%以上である。
センターサブサイプ42は、直線状に形成され、センターブロック14B内でセンターメインサイプ41と交差する。センターサブサイプ42の深さは、センターメインサイプ41の深さよりも浅い。
センターブロック14Bに設けられているセンターメインサイプ41及びセンターサブサイプ42が発生するエッジ効果によって、氷上性能が高められる。センターサブサイプ42は、センターメインサイプ41よりも深さが小さいので、センターブロック14Bの剛性が十分に確保される。従って、ドライ路面での操縦安定性能が十分に確保されると共に、偏摩耗の発生が抑制され、長期にわたってセンターサブサイプ42のエッジ効果が維持される。
センターメインサイプ41のタイヤ軸方向に対する角度は、図3に示される外側ショルダーメインサイプ33と同様であり、センターサブサイプ42のタイヤ軸方向に対する角度も、外側ショルダーサブサイプ35と同様である。センターサブサイプ42の深さ、幅、間隔及び側壁面のセンターブロック14Bの踏面法線に対する角度についても、図4に示される外側ミドルサブサイプ32と同様である。
以上の構成を有する本実施形態のトレッド部2のランド比は、例えば、60%〜75%が望ましい。ランド比が60%未満の場合、ゴムボリュームが不足して、ドライ路面における耐摩耗性が低下するおそれがある。一方、ランド比が75%を超える場合、十分な雪柱剪断力が得られず、雪上性能が低下するおそれがある。
以上、本発明の空気入りタイヤが詳細に説明されたが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されることなく種々の態様に変更して実施される。
図1の基本構造をなすサイズ195/65R15の空気入りタイヤが、表1の仕様に基づき試作され、雪上性能及び氷上性能(初期凍結路面旋回性能及び氷上グリップ性能)がテストされた。テスト方法は、以下の通りである。
<雪上性能>
リム15×6Jに装着された試供タイヤが、内圧230kPaの条件にて、排気量1800ccの前輪駆動乗用車の全輪に装着され、テストコースの雪上周回路にて、旋回時のハンドル応答性、剛性感及びグリップ等に関する特性が、ドライバーの官能により評価された。結果は、比較例1を100とする指数であり、数値が大きい程、雪上性能に優れていることを示す。
<初期凍結路面旋回性能>
上記車両にて、テストコース及び市街地の初期凍結路面を走行し、旋回時のハンドル応答性、剛性感及びグリップ等に関する特性が、ドライバーの官能により評価された。さらに、テストコースの初期凍結路面にて、速度を段階的に増加させながら上記車両が進入され、横加速度が計測された。結果は、比較例1を100とする指数であり、数値が大きい程、操縦安定性能が優れていることを示す。
<氷上グリップ性能>
車両にて、テストコースの雪上周回路を走行後、市街地の凍結路面を走行し、グリップ特性がドライバーの官能により評価された。結果は、比較例1を100とする指数であり、数値が大きい程、雪上走行直後も高い氷上グリップを有することを示す。
Figure 2015134576
表1から明らかなように、実施例の空気入りタイヤは、比較例に比べて雪上性能及び氷上性能がバランスよく有意に向上していることが確認できた。
2 トレッド部
3 外側ショルダー主溝
4 外側ミドル主溝
10 外側ミドル陸部
10B 外側ミドルブロック
11 外側ショルダー陸部
11B 外側ショルダーブロック
16 外側ミドル横溝
21 外側ミドルラグ溝
31 外側ミドルメインサイプ
32 外側ミドルサブサイプ
33 外側ショルダーメインサイプ
35 外側ショルダーサブサイプ
To 外側トレッド端
Ti 内側トレッド端

Claims (8)

  1. 車両への装着の向きが指定されることにより、車両装着時に車両外側に位置する外側トレッド端と、車両装着時に車両内側に位置する内側トレッド端とを有するトレッド部を備えた空気入りタイヤであって、
    前記トレッド部には、
    タイヤ赤道よりも前記外側トレッド端側で、タイヤ周方向に連続してのびる外側ショルダー主溝、
    前記外側ショルダー主溝とタイヤ赤道との間を、タイヤ周方向にジグザグ状で連続してのびる外側ミドル主溝、及び、
    前記外側ミドル主溝と前記外側ショルダー主溝との間を継いでタイヤ軸方向に対して傾斜してのびる複数本の外側ミドル横溝が設けられることにより、
    前記外側ショルダー主溝と前記外側トレッド端とで区分された外側ショルダー陸部と、
    前記外側ショルダー主溝と前記外側ミドル主溝と前記外側ミドル横溝とで区分された複数の外側ミドルブロックがタイヤ周方向に並ぶ外側ミドル陸部とが形成され、
    前記外側ミドルブロックには、
    前記外側ショルダー主溝からタイヤ軸方向内側に、前記外側ミドル横溝とは逆方向に傾斜してのび、かつ、前記外側ミドルブロック内で終端する外側ミドルラグ溝と、
    前記外側ミドル横溝に沿ってのびる複数の外側ミドルメインサイプと、
    前記外側ミドルメインサイプとは逆方向に傾斜してのび、かつ、前記外側ミドルメインサイプよりも深さの小さい外側ミドルサブサイプとが設けられていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記外側ミドルメインサイプは、タイヤ軸方向に対して0゜〜30゜の角度を有する請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記外側ミドルサブサイプは、タイヤ軸方向に対して0゜〜30゜の角度を有する請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記外側ミドルサブサイプの側壁面は、前記ミドルブロックの踏面法線に対して0゜〜10゜の角度を有する請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ショルダー陸部は、前記外側トレッド端と前記外側ショルダー主溝との間を継ぎ、かつ、タイヤ軸方向に対して傾斜してのびる複数本の外側ショルダー横溝が設けられることにより、タイヤ周方向に並ぶ複数の外側ショルダーブロックに区分され、
    前記外側ショルダーブロックには、
    前記外側ショルダー横溝に沿ってのびる複数の外側ショルダーメインサイプと、
    前記外側ショルダーメインサイプとは逆方向に傾斜してのび、かつ、前記外側ショルダーメインサイプよりも深さの小さい複数の外側ショルダーサブサイプとが設けられている請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記外側ショルダーメインサイプは、タイヤ軸方向に対して0゜〜30゜の角度を有する請求項5記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記外側ショルダーサブサイプは、タイヤ軸方向に対して0゜〜30゜の角度を有する請求項5又は6に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記外側ショルダーサブサイプの側壁面は、前記ショルダーブロックの踏面法線に対して、0゜〜10゜の角度を有する請求項5乃至7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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