JP2015130813A - ロールケーキ、及びその製造方法、並びにロールケーキのひび割れ防止方法 - Google Patents

ロールケーキ、及びその製造方法、並びにロールケーキのひび割れ防止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スポンジケーキを巻き上げる際のひびや割れの発生が充分に抑制され、容易に製造することが可能なロールケーキを提供すること。【解決手段】特定二糖類を含有するスポンジケーキを備え、特定二糖類が、イソマルツロースを含み、スポンジケーキ中の特定二糖類の全量に占めるイソマルツロースの割合が、5〜45質量%である、ロールケーキ。【選択図】なし

Description

本発明は、ロールケーキ、及びその製造方法、並びにロールケーキのひび割れ防止方法に関する。
ロールケーキは、一般に生地を薄く焼き上げることから、水分を失いやすく、焼成した生地(スポンジケーキ)を巻き上げる際に、ひびや割れが発生する等の問題がある。ひびや割れの発生は、ロールケーキの形状や外観を損なうため、商品価値を著しく低下させる。
この問題に対し、特許文献1には、ベーカリー生地層及び呈味素材層からなる複合積層状生地を、層を横切るようにスライスして板状生地とし、該板状生地を、スライス断面が垂直方向になるように、平板上に並列配置して焼成し、焼成時の膨張により互いに結着させてなる薄板状積層ベーカリー製品、及びそれを使用したロールケーキが開示されている。
特開2010−268750号公報
ひびや割れを避けるために、スポンジケーキの巻き上げに熟練することが求められる。このような状況を緩和するための方法として、焼き上げ直後に巻き上げる方法、焼き上げたスポンジケーキを一度冷凍させることによりスポンジケーキ中の水分量を調整してから巻き上げる方法などが検討されている。しかし、実際には、焼き上げ直後に巻き上げることができない場合も少なくない。また、上記のような方法では、ロールケーキの製造において新たな工程を設ける必要があり、製造工程の煩雑化、生産効率の低下などの問題が生じ得る。
上記のような工程の煩雑化を避け、特別な技術を要求されることなくロールケーキの製造を行えることが求められる。
本発明は、スポンジケーキを巻き上げる際のひびや割れの発生が充分に抑制され、容易に製造することが可能なロールケーキを提供することを目的とする。また、本発明は、上記のようなロールケーキの製造方法、及びロールケーキのひび割れ防止方法を提供することを目的とする。
本発明者らが、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、生地にイソマルツロースやトレハロースを含有させ、さらに、スポンジケーキ中の特定二糖類の全量に占めるイソマルツロースやトレハロースの割合を、所定範囲となるよう調整することにより、スポンジケーキを巻き上げる際のひびや割れの発生を抑制することができることを見出し、本発明に到った。
本発明は、特定二糖類を含有するスポンジケーキを備えるロールケーキであって、特定二糖類が、イソマルツロースを含み、スポンジケーキ中の特定二糖類の全量に占めるイソマルツロースの割合が、5〜45質量%である、ロールケーキに関する。
かかるロールケーキは、イソマルツロースを所定量含有するスポンジケーキを備えることから、スポンジケーキを巻き上げる際のひびや割れの発生が充分に抑制され、容易に製造することができる。
本発明はまた、特定二糖類を含有するスポンジケーキを備えるロールケーキの製造方法であって、特定二糖類が、イソマルツロースを含み、スポンジケーキ中の特定二糖類の全量に占めるイソマルツロースの割合が、5〜45質量%となるようにイソマルツロースを生地に配合する工程を含む、ロールケーキの製造方法に関する。
かかるロールケーキの製造方法によれば、スポンジケーキを巻き上げる際のひび割れが充分に抑制されたロールケーキを製造することができる。また、既存の設備を利用することが可能であるから、製造工程の煩雑化を防ぐこともできる。
本発明は、ロールケーキのひび割れ防止方法であって、ロールケーキが、特定二糖類を含有するスポンジケーキを備え、特定二糖類が、イソマルツロースを含み、スポンジケーキ中の特定二糖類の全量に占めるイソマルツロースの割合が、5〜45質量%となるようにイソマルツロースを生地に含有させることを含む、ロールケーキのひび割れ防止方法ということもできる。
本発明は、特定二糖類を含有するスポンジケーキを備えるロールケーキであって、特定二糖類が、トレハロースを含み、スポンジケーキ中の特定二糖類の全量に占めるトレハロースの割合が、35〜55質量%である、ロールケーキに関する。
かかるロールケーキは、トレハロースを所定量含有するスポンジケーキを備えることから、スポンジケーキを巻き上げる際のひびや割れの発生が充分に抑制され、容易に製造することができる。
本発明はまた、特定二糖類を含有するスポンジケーキを備えるロールケーキの製造方法であって、特定二糖類が、トレハロースを含み、スポンジケーキ中の特定二糖類の全量に占めるトレハロースの割合が、35〜55質量%となるようにトレハロースを生地に配合する工程を含む、ロールケーキの製造方法に関する。
かかるロールケーキの製造方法によれば、スポンジケーキを巻き上げる際のひび割れが充分に抑制されたロールケーキを製造することができる。また、既存の設備を利用することが可能であるから、製造工程の煩雑化を防ぐこともできる。
本発明はまた、ロールケーキのひび割れ防止方法であって、ロールケーキが、特定二糖類を含有するスポンジケーキを備え、特定二糖類が、トレハロースを含み、スポンジケーキ中の特定二糖類の全量に占めるトレハロースの割合が、35〜55質量%となるようにトレハロースを含有させることを含む、ロールケーキのひび割れ防止方法ということもできる。
本発明によれば、スポンジケーキを巻き上げる際のひびや割れの発生が充分に抑制され、容易に製造することが可能なロールケーキを提供することができる。また、本発明によれば、上記のようなロールケーキの製造方法、及びロールケーキのひび割れ防止方法を提供することができる。
図1(A)は、実施例5の評価結果を示す写真及びそのトレース図であり、図1(B)は、実施例2の評価結果を示す写真及びそのトレース図であり、図1(C)は、比較例1の評価結果を示す写真及びそのトレース図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。しかし、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではない。
本実施形態に係るロールケーキは、特定二糖類を含有するスポンジケーキを備え、スポンジケーキ中の特定二糖類の全量に占めるイソマルツロース又はトレハロースの割合が、所定範囲となる。
本実施形態に係るロールケーキを構成するスポンジケーキは、特定二糖類の他、一般にスポンジケーキの製造に使用される主な成分(澱粉、卵等)を含有し得る。各成分について以下に、説明する。
「特定二糖類」とは、本明細書において、スクロース、イソマルツロース、トレハルロース及びトレハロースを意味する。
スクロースは、グルコースとフルクトースが1,2−グルコシド結合した二糖類であり、天然に見出すこともできるし、人工的に生産されたものを入手することもできる。
スクロースを配合する場合、スクロース単体として配合してもよく、スクロースを主成分として含む甘味料である、グラニュー糖、上白糖、三温糖、ザラメ、粉糖、ブラウンシュガー等として配合してもよい。スクロースは市販品を用いてもよい。
イソマルツロースは、グルコースとフルクトースとがα−1,6結合した二糖類であり、スクロースの構造異性体である。イソマルツロースは、例えば、天然の蜂蜜中に見出される。工業的には、イソマルツロースは、プロタミノバクター・ルブラム(Protaminobacter rubrum)、セラチア・プリムチカ(Serratia plymuthica)等の細菌に由来するα−グルコシルトランスフェラーゼをショ糖に作用させることにより製造される。
イソマルツロース(isomaltulose)は、パラチノース(palatinose)とも称される。なお、「パラチノース/PALATINOSE」は、三井製糖株式会社の登録商標である。
イソマルツロースを配合する場合、イソマルツロース単体として配合してもよく、市販品を配合してもよい。市販されるイソマルツロースは、イソマルツロース、トレハルロース、その他糖を含むことがある。
トレハロースは、2個のα−グルコースが1,1−グルコシド結合した二糖類であり、天然に見出すこともできるし、人工的に生産されたものを入手することもできる。
トレハロースを配合する場合、トレハロース単体として配合してもよく、市販品を配合してもよい。
イソマルツロース及びトレハロースの甘味度は、スクロースと比較して低い。例えば、イソマルツロースの甘味度はスクロース(ショ糖)の約40%である。したがって、特定二糖類の全量に占めるイソマルツロース及びトレハロースの割合を調整することにより、甘味を調整することもできる。
特定二糖類は、結晶に限らず、顆粒状のものを使用することができる。この顆粒は、例えば、イソマルツロース又はトレハロースの複数の結晶粒子の集合体と、非晶質の糖分とを含み、該糖分が結晶粒子の集合体に内包されている、(球状)粒子であってもよい。このような顆粒は、例えば、特定二糖類と非晶質の糖分とを含む糖液から特定二糖類の結晶粒子を析出させ、該結晶粒子を含む糖液をスプレードライする方法により、得ることができる。あるいは、上記糖液を加熱しながらこれに剪断力を加えて特定二糖類の結晶核を析出させ、該結晶核を含む混合物を冷却する方法により、特定二糖類を含む顆粒を得ることもできる。イソマルツロースの場合、上記糖液は、例えば、ショ糖に酵素を作用させることにより、得ることができる。この場合、糖液及び得られる顆粒は、トレハルロース、フルクトース、グルコース、スクロース及びイソマルトース等を非晶質の糖分として含む。顆粒は、特開2012−179045号公報等に記載の固形物であってもよい。
上記の結晶粒子のメジアン径は、レーザー回析粒度分布測定により測定したときに、例えば、5〜50μmであってもよい。また、特定二糖類を含む顆粒のメジアン径は、レーザー回析粒度分布測定により測定したときに、例えば、60〜300μm、又は80〜200μmであってもよい。顆粒における特定二糖類の割合は、例えば70質量%以上であり、好ましくは70〜95質量%である。
イソマルツロースの割合は、スポンジケーキ中の特定二糖類の全量に対して、5〜45質量%であり、8〜42.5質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。イソマルツロースの割合を5質量%以上とすることにより、ひび割れ防止効果を得ることができる。イソマルツロースの割合を45質量%以下とすることにより、充分なひび割れ防止効果を得ることができ、また、得られるスポンジケーキの甘味低減を抑制することもできる。なお、イソマルツロースとして、イソマルツロース、トレハルロース、その他糖を含む市販品を用いる場合には、イソマルツロースの割合は、市販品中のイソマルツロース量を意味する。
トレハロースの割合は、スポンジケーキ中の特定二糖類の全量に対して、35〜55質量%であり、40〜50質量%であることが好ましい。トレハロースの割合を35質量%以上とすることにより、ひび割れ防止効果を得ることができる。トレハロースの割合を55質量%以下とすることにより、充分なひび割れ防止効果を得ることができ、また、得られるスポンジケーキの甘味低減を抑制することもできる。
本実施形態に係るロールケーキは、特定二糖類が、主としてスクロース及びイソマルツロースを含むものとすることができる。
なお、特定二糖類が、主としてスクロース及びイソマルツロースを含む場合には、トレハロースを実質的に含まないことが好ましい。イソマルツロースは、トレハロースに比べ、特定二糖類の全量に占める割合が比較的小さい場合であっても、ひび割れ防止効果を奏することができる。よって、スポンジケーキの甘味低減を抑制する観点からは、特定二糖類が主としてスクロース及びイソマルツロースを含むものであることが好ましい。
本実施形態に係るロールケーキは、特定二糖類が、主としてスクロース及びトレハロースを含むものとすることができる。
なお、特定二糖類が、主としてスクロース及びトレハロースを含む場合には、イソマルツロースを実質的に含まないことが好ましい。
本実施形態に係るロールケーキは、特定二糖類が、スクロース、イソマルツロース、及びトレハロースを含むものとすることができる。
スポンジケーキ中の特定二糖類の全量、及び特定二糖類の全量に占めるイソマルツロース又はトレハロースの割合は、ロールケーキを構成するスポンジケーキを所定量採取し、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法により糖を定量することにより、決定することができる。測定条件は、以下のように設定してもよい。
装置:東ソー株式会社製 GPC−8020
検出器:東ソー株式会社製 RI−8020
カラム:野村化学株式会社製 Develosil RPAQUEOUS 3本連結
溶媒:水
注入量:20μL
流量:0.6mL/min
澱粉は、通常、小麦粉(薄力粉、中力粉、強力粉)、米粉、コーンスターチ、浮き粉、馬鈴薯デンプン、甘藷デンプン、タピオカデンプン、そば粉等の穀粉として生地中に配合される。特に、薄力粉が用いられることが多い。
卵としては、鶏卵等の鳥卵が用いられる。通常は、全卵を使用する。
その他、必要に応じて、ベーキングパウダー等の膨張剤、牛乳、油脂、乳化剤、高甘味度甘味料、ココアや抹茶パウダー、はちみつなどを本発明の効果を損なわない範囲において、使用することができる。
油脂としては、固体油脂、液体油脂のいずれを用いてもよい。固体油脂としては、バター、ショートニング等を用いてもよい。一般的には風味付けのためにバターが用いられる。液体油脂としては、液体ショートニング、液状の植物油等を用いてもよい。
追加の成分の種類、各成分の配合比等については、当業者の技術常識(例えば、辻製菓学校監修「科学でわかるお菓子のなぜ?」、柴田書店発行)を参照して、適宜調整することができる。
本実施形態に係るロールケーキの製造方法について説明する。
本実施形態に係る特定二糖類を含有するスポンジケーキを備えるロールケーキの製造方法は、スポンジケーキ中の特定二糖類の全量に占めるイソマルツロース及びトレハロースの割合が、所定範囲となるように特定二糖類を生地に配合する工程を含む。
ロールケーキの製造方法は、生地を調製する工程(以下、「配合工程」ともいう)、生地を焼成してスポンジケーキを製造する工程(以下、「焼成工程」ともいう)、スポンジケーキを巻き上げる工程(以下、「巻上工程」ともいう)等を含んでもよい。
配合工程では、スポンジケーキを製造するための生地の調製を行う。この際、特定二糖類の配合量の調整も合わせて行う。なお、特定二糖類の配合量は、得られるスポンジケーキ中の特定二糖類の含有量とみることもできる。
特定二糖類が、イソマルツロースを含むものである場合は、イソマルツロースの割合が、スポンジケーキ中の特定二糖類の全量に対して、5〜45質量%となるように配合され、8〜42.5質量%となるように配合されることが好ましく、10質量%〜40質量%となるように配合されることがより好ましい。イソマルツロースの割合を5質量%以上とすることにより、ひび割れ防止効果を得ることができる。イソマルツロースの割合を45質量%以下とすることにより、充分なひび割れ防止効果を得ることができ、また、得られるスポンジケーキの甘味低減を抑制することもできる。なお、特定二糖類が、イソマルツロースを含む場合には、トレハロースを実質的に含まない配合とすることが好ましい。
特定二糖類が、トレハロースを含むものである場合は、トレハロースの割合が、スポンジケーキ中の特定二糖類の全量に対して、35質量%〜55質量%となるように配合され、40質量%〜50質量%となるように配合されることが好ましい。トレハロースの割合を35質量%以上とするにより、ひび割れ防止効果を得ることができる。トレハロースの割合を55質量%以下とすることにより、充分なひび割れ防止効果を得ることができ、また、得られるスポンジケーキの甘味低減を抑制することもできる。なお、特定二糖類が、トレハロースを含む場合には、イソマルツロースを実質的に含まない配合とすることが好ましい。
生地の調製方法としては、例えば、卵(通常は全卵)に特定二糖類を加えて準備した種を、湯煎等で加温しながら高速で攪拌して起泡させることにより行う。種を起泡させる際の温度は、一般に30〜40℃程度である。攪拌は、ミキサー等の方法により行うことができる。高速の攪拌の後、起泡した種を低速で攪拌してもよい。
次いで、起泡した種に澱粉を加えて切り混ぜる。この際に、ベーキングパウダー等の膨張剤を加えてもよい。その後、必要に応じて、牛乳、油脂等をさらに加えて混ぜ合わせて、起泡した生地が得られる。牛乳及び油脂は、予め湯煎等により加温しておくことが好ましい。
生地における上記成分の配合比は、卵の質量を基準として調整することができる。
特定二糖類の配合比(質量部)は、卵の質量を基準として、0.5超1.0以下の範囲が好ましい。特定二糖類の配合比が、0.55以上又は0.60以上であることがより好ましく、0.9以下、0.85以下又は0.8以下であることがより好ましい。特定二糖類の配合比を大きくすると、焼き上がりのしっとり感が増す傾向にあるので好ましい。特定二糖類の配合比を大きくしすぎると、生地を長く焼いても、内部がやわらかく粘りのある状態のままで、正常に焼き上がらない場合が起こり得る。
澱粉の配合比(質量部)は、卵の質量を基準として、通常、0.4〜1.0であり、好ましくは0.5〜1.0である。油脂を用いる場合、その配合比は、卵の質量を基準として、通常、0〜0.8程度である。澱粉や油脂の配合比をこのような範囲とすることにより、スポンジケーキをよりしっとりとしたものとすることができる。
焼成工程では、前工程で調製された生地を焼成することによりスポンジケーキを製造する。調製された生地は、任意の型の中に入れられ、オーブン等を用いた通常の方法により焼成される。焼成の条件は、所望の焼き上がりが得られるように適宜調整すればよいが、例えば、150〜185℃で10〜20分の加熱により、生地を焼成することができる。ロールケーキに用いるスポンジケーキは、一般的には、生地を型に薄く流しいれ、高温・短時間で焼成することが好まれる。例えば、本願明細書の実施例においては、下火180℃、上火185℃に設定したオーブン中で、14分間かけて焼成する条件とした。
ロールケーキに用いるスポンジケーキとしては、薄く焼成したものが好ましく用いられる。スポンジケーキの厚さは、任意に設定されるが、例えば、10mm以下であることが好ましく、5〜10mmとなることがより好ましい。このような範囲であれば、後工程での取扱性も高く、好ましい。スポンジケーキの長さや幅は特に制限されるものでなく、焼成に使用する型に応じて適宜選択できる。
巻上工程では、スポンジケーキを巻き上げ、ロールケーキを製造する。シート状のスポンジケーキの一方の端部から、巻き上げることにより、ロールケーキを製造する。本実施形態に係る製造方法の場合、スポンジケーキを焼き上がり後直ちに巻き上げてもよく、焼き上がりから時間が経過した後に巻き上げても構わない。
スポンジケーキを巻き上げる際の曲率は、特に制限されるものではなく、一般的なロールケーキの巻き上げ時の曲率程度であれば、問題なく巻き上げることができる。
巻き上げる際に、必要に応じて、スポンジケーキ上に、ホイップクリーム、カスタードクリーム等のクリーム、カットフルーツ等のトッピング、ジャム、餡などのフィリングを合わせてもよい。
ロールケーキは、目的に応じて、外部にトッピングを施してもよい。トッピングとしては、粉砂糖、ココアパウダー、コーヒーパウダー、抹茶パウダー、チョコレート、カットフルーツ等、制限されずに使用できる。
本実施形態に係るロールケーキのひび割れ防止方法は、ロールケーキが、特定二糖類を含有するスポンジケーキを備え、スポンジケーキ中の特定二糖類の全量に占めるイソマルツロース及びトレハロースの割合が、所定範囲となるように含有させることを含む。
本実施形態に係るロールケーキのひび割れ防止方法において、生地に使用する成分、配合等は、上述したものをそのまま適用することができる。このような方法により、スポンジケーキの巻き上げの際のひび割れを防止することができる。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
1.ロールケーキの製造
表1に示す成分、配合割合(g)で生地を調製し、得られた生地を焼成しスポンジケーキを調製し、これを巻き上げることで、ロールケーキを製造した。
まず、ボール内で全卵をほぐし、そこにグラニュー糖(スクロース)を加えて種を調製した。湯煎により33℃に加温しながら、顆粒パラチノース(イソマルツロース、三井製糖株式会社製、イソマルツロース82.5質量%、トレハルロース10質量%、スクロース2質量%)を種に加え、万能攪拌機で高速で攪拌して泡立て、攪拌速度を徐々に落として、均一な起泡生地を形成させた。その後、予め篩にかけた薄力粉を起泡生地に加えて混ぜ合わせ、さらに、湯煎により60℃前後に加熱した牛乳を加えて混ぜ合わせることで、生地を得た。
得られた生地210gを20cm×23cmの型に、薄く流し入れ、焼成することにより、スポンジケーキを得た。なお、焼成は、下火180℃、上火185℃に設定したオーブン中で、14分間加熱することにより行った。
得られたスポンジケーキを、2時間又は24時間放置し、その後、ロール状に巻き上げることでロールケーキを得た。
2.評価
生地を焼成することで得られたスポンジケーキを、焼き上げ後、2時間後及び24時間後に、巻き芯を用いて巻き上げることで、ロールケーキとしての性能を目視により評価した。結果を表1及び2に示す。
以下の評価基準に基づき評価を行った。なお、ロールケーキに完全に割れが発生した場合を「割れ」とし、ひびが発生した場合を「ひび」として定義した。また、「割れ」及び「ひび」のサイズによって、「大」、「中」、及び「小」の3段で評価した。「割れ」及び「ひび」のサイズが、ロールケーキの幅に対して4分の1未満の場合を「小」、4分の1以上2分の1未満の場合を「中」、2分の1以上の場合を「大」とした。
[評価基準]
◎:割れ、ひび共に確認されない。
○:割れ小又はひび小が発生。
△:割れの発生は確認されないが、ひび中又はひび大が発生。
×:割れ中又は割れ大が発生。

(実施例2〜8及び比較例1〜4)
表1及び表2に示す成分、配合割合(g)にした他は、実施例1と同様にして、ロールケーキを製造し、評価した。なお、実施例4〜6において、イソマルツロースとして、結晶パラチノース(三井製糖株式会社製、イソマルツロース99質量%)を使用した。結果を表1及び表2に示す。図1(A)は、実施例5(24時間後)の評価結果を示す写真及びそのトレース図であり、図1(B)は、実施例2(24時間後)の評価結果を示す写真及びそのトレース図であり、図1(C)は、比較例1(24時間後)の評価結果を示す写真及びそのトレース図である。例えば、図1(B)はロールケーキ10に、ひび2及び割れ4が発生していることを示す。ただし、比較例1のロールケーキを示す、図1(C)と比較すると、割れも十分小さく、ひび割れ防止効果が充分に得られることが実証されている。

(実施例9)
表3に示す成分、配合割合(g)で生地を調製し、得られた生地を焼成しスポンジケーキを調製し、これを巻き上げることで、ロールケーキを製造した。
まず、ボール内で全卵をほぐし、そこにグラニュー糖を加えて種を調製した。湯煎により33℃に加温しながら、残りの糖質を種に加え、万能攪拌機で高速で攪拌して泡立て、攪拌速度を徐々に落として、均一な起泡生地を形成させた。その後、予め篩にかけた薄力粉を起泡生地に加えて混ぜ合わせ、さらに、湯煎により60℃前後に加熱した牛乳、バター及び乳化気泡油脂を起泡生地に混ぜ合わせて、生地を得た。
得られた生地250gを25cm×25cmの型に、薄く流し入れ、焼成することにより、スポンンジケーキを得た。なお、焼成は、下火150℃、上火155℃に設定したオーブン中で、18分間加熱することにより行った。
得られたスポンジケーキを、2時間又は24時間放置し、その後、ロール状に巻き上げることでロールケーキを得た。
得られたロールケーキについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。

(比較例5,6)
表3に示す成分、配合割合(g)にした他は、実施例9と同様にして、ロールケーキを製造した。得られたロールケーキについて、実施例1と同様にして評価した。結果を表3に示す。
表3に示すとおり、バター、乳化気泡油脂等、その他の成分を加えた場合であっても、スポンジケーキの巻き上げ時のひびや割れが充分抑制されることが実証された。また、実施例9、比較例5及び6におけるスポンジケーキの焼成条件は、比較的低温、長時間と苛酷な条件設定としたものの、充分にひび割れ抑制効果が得られることが実証された。
2…ひび、4…割れ、10…ロールケーキ。

Claims (6)

  1. 特定二糖類を含有するスポンジケーキを備えるロールケーキであって、
    前記特定二糖類が、イソマルツロースを含み、
    前記スポンジケーキ中の前記特定二糖類の全量に占める前記イソマルツロースの割合が、5〜45質量%である、ロールケーキ。
  2. 特定二糖類を含有するスポンジケーキを備えるロールケーキの製造方法であって、
    前記特定二糖類が、イソマルツロースを含み、
    前記スポンジケーキ中の前記特定二糖類の全量に占める前記イソマルツロースの割合が、5〜45質量%となるように前記イソマルツロースを生地に配合する工程を含む、ロールケーキの製造方法。
  3. ロールケーキのひび割れ防止方法であって、
    前記ロールケーキが、特定二糖類を含有するスポンジケーキを備え、
    前記特定二糖類が、イソマルツロースを含み、
    前記スポンジケーキ中の前記特定二糖類の全量に占める前記イソマルツロースの割合が、5〜45質量%となるように前記イソマルツロースを生地に含有させることを含む、ロールケーキのひび割れ防止方法。
  4. 特定二糖類を含有するスポンジケーキを備えるロールケーキであって、
    前記特定二糖類が、トレハロースを含み、
    前記スポンジケーキ中の前記特定二糖類の全量に占める前記トレハロースの割合が、35〜55質量%である、ロールケーキ。
  5. 特定二糖類を含有するスポンジケーキを備えるロールケーキの製造方法であって、
    前記特定二糖類が、トレハロースを含み、
    前記スポンジケーキ中の前記特定二糖類の全量に占める前記トレハロースの割合が、35〜55質量%となるように前記トレハロースを生地に配合する工程を含む、ロールケーキの製造方法。
  6. ロールケーキのひび割れ防止方法であって、
    前記ロールケーキが、特定二糖類を含有するスポンジケーキを備え、
    前記特定二糖類が、トレハロースを含み、
    前記スポンジケーキ中の前記特定二糖類の全量に占める前記トレハロースの割合が、35〜55質量%となるように前記トレハロースを含有させることを含む、ロールケーキのひび割れ防止方法。
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