JP2015130435A - 配線パターン形成装置および配線パターン形成方法並びに配線基板 - Google Patents

配線パターン形成装置および配線パターン形成方法並びに配線基板 Download PDF

Info

Publication number
JP2015130435A
JP2015130435A JP2014001799A JP2014001799A JP2015130435A JP 2015130435 A JP2015130435 A JP 2015130435A JP 2014001799 A JP2014001799 A JP 2014001799A JP 2014001799 A JP2014001799 A JP 2014001799A JP 2015130435 A JP2015130435 A JP 2015130435A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wiring
wall
adhesive
wiring pattern
forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014001799A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6372083B2 (ja
Inventor
寛治 中山
Kanji Nakayama
寛治 中山
大 諏訪間
Masaru Suwama
大 諏訪間
慶太 斉藤
Keita Saito
慶太 斉藤
さや香 森田
Sayaka Morita
さや香 森田
俊仁 小林
Toshihito Kobayashi
俊仁 小林
翠 下村
Midori Shimomura
翠 下村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2014001799A priority Critical patent/JP6372083B2/ja
Publication of JP2015130435A publication Critical patent/JP2015130435A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6372083B2 publication Critical patent/JP6372083B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

【課題】配線パターンを高い材料使用効率で、かつ、バリアブル・オンデマンド性に優れた高い配線パターン形成装置を提供する。
【解決手段】感光体ドラム上の静電潜像を壁形成粒子Pからなる現像剤で現像して配線壁パターン像を形成し、これを基材101上に転写して、配線壁105を形成する。インクジェット印刷により、配線壁105に囲まれた配線予定経路に沿って液状の接着剤103を塗布した後、重ねて液状の配線材料を塗布して乾燥させる。前記接着剤103と配線壁105の表面との接触角が、接着剤103と基材101との接触角よりも大きくなるように、前記配線壁105の配線経路に面した部分の表面粗さが設定されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、インクジェット印刷などの選択的塗布技術を用いて、基材上に配線パターンを形成する配線パターン形成装置および配線パターンを形成する方法並びに当該配線パターン形成方法を用いて製造された配線基板に関する。
従来、配線基板やメンブレンスイッチ、電子機器の電極部などの製造は、基材の全面に銅などの金属からなる導電層を形成し、配線パターンに該当する領域をマスクしてエッチング処理するサブトラクティブ法が用いられていたが、多数の複雑な工程や大掛かりな設備を必要とすると共に、材料の使用効率が低く、製造コストが高かった。
このようなサブトラクティブ法における不都合を解消する製造方法として、近年、配線材料として金属ナノ粒子を含有する液状体をインクジェット法などの選択的塗布技術を用いて基板上に塗布して直接配線パターンを形成する、いわゆるプリンティッドエレクトロニクスが注目されている。
特に、液状体の塗布手段として、インクジェット法を用いた場合には、それほど設備も大型化することもなく、必要な箇所にのみ選択的に配線を描画して形成することができるので、コスト的に有利であると共に、設計変更も容易なため、少ないロットでも顧客のニーズに柔軟に対応することができ、いわゆるバリアブル・オンデマンド性に優れている。
ところが、このようなインクジェット法による印刷(以下、「インクジェット印刷」という。)によれば、配線材料を含有する液状体を噴射して基材に直接配線パターンを描画して形成する際に、基材の材料と配線材料との接着性、親和性が必ずしも十分でない場合があり、形成された配線パターンの一部が基材から剥離するおそれがある。
このような問題を解消するため、基板上の一面にまず接着剤の層をプライマーとして形成し、その上に配線パターンを形成することも考えられるが、基板一面に接着剤を塗布すると材料の使用効率が悪く、十分なコストダウンが図れない。
また、接着剤の素材も完全に絶縁性を有するものを使用する必要があり、材料の選択の範囲が狭くなる。
そこで、インクジェット印刷により、基板の配線パターンに沿った部分に予め接着剤を塗布しておき、その上から配線パターンを重ねて形成することが提案されている。
特開2011−108704号公報 特開2005−191271号公報 特表平09−504652号公報
しかしながら、接着剤は、もともと接着の機能を発揮するため浸透性と密着性に優れ、塗布面との濡れ性が高い材料が用いられており、インクジェット印刷での塗布を円滑にするため接着剤の流動性を高めると、塗布後、基材上で濡れ広がってしまい、配線パターンに沿って正確に接着剤を塗布することが困難となる。
接着剤が不規則に濡れ広がると、本来塗布すべき配線パターンの位置に接着剤が塗布されない箇所(塗りムラ)が生じる可能性があり、接着効果が低下して製品としての信頼性を確保する上で望ましくない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、バリアブル・オンデマンド性に優れ、製造コストの低減が可能であると共に、製品として信頼性の高い配線パターンを形成することが可能な配線パターン形成装置および、配線パターンの形成方法並びに配線基板を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様は、面状部材の表面に配線パターンを形成する配線パターン形成装置であって、面状部材表面の、配線パターンが形成されるべき配線予定経路を囲むように壁を形成する壁形成手段と、前記壁に囲まれた配線予定経路に沿って、液状の配線材料および液状の接着剤のいずれか一方を先に塗布した後、他方を重ねて塗布する塗布手段とを備え、前記液状の接着剤と壁の表面との接触角が、前記液状の接着剤と、この接着剤が塗布されるべき配線予定経路における被塗布面との接触角よりも大きくなるように、前記壁の少なくとも配線経路に面した部分の表面粗さが設定されていることを特徴とする。
ここで、「配線材料」とは、電気的機能を有する材料を意味し、導電体、抵抗体のみならず、半導体も含む概念である。また。「囲むように」とは、必ずしも完全に周囲を連続して囲む場合に限られない。壁に微小な隙間があっても、壁との撥液性より接着剤の濡れ広がりが十分防止できる場合もあるからである。
ここで、前記壁は、粒子材料同士を結合して形成されていることを特徴とする。
また、前記壁形成手段は、粒子材料担持体と、前記粒子材料担持体に、前記壁を形成すべき位置を示す壁形成パターンの静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像に、帯電させた粒子材料を供給して現像する現像手段と、前記現像された粒子材料のパターンを感光体から前記面状部材に転写する粒子材料転写手段とを備えることを特徴とする。
ここで、前記粒子材料担持体は、感光回転体であって、前記静電潜像形成手段は、前記感光回転体の感光面を露光走査して静電潜像を形成する構成であることを特徴とする。
前記粒子材料は、平均粒径が1μm〜10μmの粒子材料からなることが好ましい。
また、前記壁の表面と前記液状の接着剤との接触角が、90°よりも大きいことが好ましい。
ここで、前記液状の配線材料と壁の表面との接触角が、前記液状の配線材料と、この配線材料が塗布されるべき配線予定経路における被塗布面との接触角よりも大きいことを特徴とする。
また、前記面状部材は、基板であって、前記塗布手段は、先に接着剤を配線予定経路に沿って塗布してから配線材料を塗布することを特徴とする。
また、前記面状部材は、中間支持体であって、前記塗布手段は、前記中間支持体上の配線予定経路に沿って先に配線材料を塗布してから接着剤を塗布し、前記中間支持体に形成された配線パターンを、前記接着剤を介して基板上に転写する配線パターン転写手段を備えることを特徴とする。
ここで、前記中間支持体は、無担状のベルトであって、前記配線パターン転写手段におる基板への転写位置より回転走行方向下流側であって、前記壁形成手段による壁形成位置までの間において前記ベルトの表面を清掃する清掃手段を備えることを特徴とする。
また、本発明の第2の態様は、面状部材の表面に配線パターンを形成する配線パターン形成方法であって、面状部材表面の、配線パターンが形成されるべき配線予定経路を囲むように壁を形成する壁形成工程と、前記壁に囲まれた配線予定経路に沿って、液状の配線材料および液状の接着剤のいずれか一方を先に塗布した後、他方を重ねて塗布する塗布工程と含み、前記液状の接着剤と壁の表面との接触角が、前記液状の接着剤と、この接着剤が塗布されるべき配線予定経路における被塗布面との接触角よりも大きくなるように、前記壁の少なくとも配線経路に面した部分の表面粗さが設定されていることを特徴とする。
さらに、本発明の第3の態様は、配線基板であって、上記配線パターン形成方法によって基板上に配線パターンが形成されてなることを特徴とする。
本発明によれば、まず、面状部材表面の、配線パターンが形成されるべき配線予定経路を囲むように壁を形成し、前記壁に囲まれた配線予定経路に沿って、液状の配線材料および液状の接着剤のいずれか一方を先に塗布した後、他方を重ねて塗布するようにしており、しかも、接着剤と壁の表面との接触角が、接着剤と、この接着剤が塗布されるべき被塗布面との接触角よりも大きくなるように、前記壁の少なくとも配線経路に面した部分の表面粗さが設定されているため、接着剤が配線予定経路より外側に濡れ広がることがなくなり、面状部材表面に接着剤と配線材料の層を均一かつ正確に重ね合わせて配線パターンを形成することができる。
これにより接着剤や配線材料の塗布方法としてインクジェット印刷を使用しても正確に配線パターンを形成することができるので、バリアブル・オンデマンド性に優れ、サブトラクティブ法に比較して製造コストの低減が可能でありながら、製品として信頼性の高い配線パターンを形成することができる。
また、このような方法により配線パターンが形成された配線基板は、製造コストを抑えることができると共に、配線パターンの剥離などが生じにくい信頼性の高い製品となる。
(a)は、上記配線パターン形成装置により製造された配線基板のパターンの一例を示す図であり、(b)は、そのうちの1本の配線の断面図であり、(c)は(b)の破線の円内の部分拡大図である。 本発明の第1実施の形態に係る配線パターン形成装置の構成を示す概略図である。 第1実施の形態に係る配線パターン形成装置における配線基板の製造工程を説明するための図である。 (1)は、第1実施の形態における配線基板製造方法において、接着剤と壁部材表面の接触角が、接着剤と基材表面との接触角よりも小さいときに生ずる問題を説明するための図であり、(2)は、接着剤の粘性が高いときに生ずる問題を説明するための図である。 第1実施の形態に係る配線パターン形成装置における制御部の構成を示すブロック図である。 第1実施の形態における配線基板製造の手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施の形態に係る配線パターン形成装置の構成を示す概略図である。 第2実施の形態における配線基板製造の手順を示すフローチャートである。 (a)は、第2実施の形態に係る配線パターン形成装置により転写ベルト上に形成された配線パターンのうちの1本の配線の断面図であり、(b)は(a)の一部分の平面図である。 (a)〜(d)は、それぞれ第2実施の形態に係る配線基板製造方法において、壁部材を設けない場合に生ずる問題を説明するための図である。 (a)〜(d)は、それぞれ第2実施の形態に係る配線基板製造方法において、接着剤と配線経路壁表面の接触角が、接着剤と配線材料との接触角に対し、等しいか、より小さいときに生ずる問題を説明するための図である。 第1実施の形態に係る配線パターン形成装置の変形例の構成を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態に係る配線パターン形成装置について図面に基づき説明する。
<第1実施の形態>
1.配線基板
まず、図1(a)〜(c)に基づき、本実施の形態における配線パターン形成装置を用いて製造された配線基板100の構造について説明する。
図1(a)に示すように、配線基板100は、樹脂製の基材101の一方の主面に配線パターン102を形成してなる。なお、「配線パターン」は、必ずしも線状のものに限られず、目的に応じて矩形や円形のものも含まれる。
図1(b)は、図1(a)の配線パターン102のうち1本の配線におけるX−X線矢視断面図を示すものである。
同図に示すように、1本の配線は、基材101上に、所定の距離W2をおいて一対の壁部材(以下、「配線経路壁」という。)105を形成し、当該一対の配線経路壁105によって挟まれた領域に、インクジェット印刷により接着剤103を塗布した後、同じくインクジェット印刷により配線材料104を重ねて塗布することにより形成される。
後述するように、配線経路壁105は、所定の平均粒子径の粒子を電子写真方式で基材101上に転写した後、加熱して融着させることにより形成される。
この図1(b)においては、接着剤103と配線材料104の積層状態や、配線経路壁105の仕切り壁として機能が理解しやすいように厚み方向の寸法を横方向の寸法よりも誇張して示しているが、実際の寸法関係は以下の通りである。
配線経路壁105の幅w1 : 50μm〜200μm
配線経路壁105の高さ(厚み)h: 5μm〜30μm
一対の配線経路壁105で挟まれた配線予定経路の幅w2
: 50μm〜1000μm
接着剤層103の厚みt1: 0.01μm〜5μm
配線材料層104の厚みt2: 1μm〜5μm
なお、上記寸法はあくまでも一例であって、目的の配線基板の種類に応じて適宜変更可能である(他の実施の形態においても同様)。
一対の配線経路壁105の高さや幅は必ずしも同一である必要はない。
配線経路壁105の高さhは、接着剤103の濡れ広がりを防止するという観点から接着剤103の厚みt1より大きい(h>t1)のが望ましく、また、完成品の見栄えや電子部品の端子の接合という観点から、接着剤103の厚みt1と配線材料104の厚みt2との和以下(h≦t1+t2)であるのが望ましい。
図1(c)は、図1(b)の配線経路壁105の破線の円内の部分拡大図である。同図に示すように、配線経路壁105は粒子Pの形状がほとんど残ったままの状態であって表面に微少な凹凸が残存し、そのため液状の物質に対する接触角が高くなり、液状の物質を撥ねやすくするように形成されている。詳しくは後述する。
2.配線パターン形成装置の構成
図2は、本発明に第1実施の形態における配線パターン形成装置1の構成を示す概略図である。
同図に示すように配線パターン形成装置1は、基材搬送部40による基材101の搬送経路に沿って、その移送方向上流側から順に、配線経路壁形成部10、接着剤塗布部20、配線材料塗布部30を配してなると共に、これらの動作を制御する制御部50や操作パネル80(図2では不図示。図5参照。)を有する。
なお、本実施の形態では、基材101として、PET(ポリエチレンテレフタラート)やPI(ポリイミド)などの樹脂からなる厚さ20μm〜500μmのシートが使用されている。
以下、各部の構成について説明する
(1)基材搬送部
基材搬送部40は、シート状の基材101を巻回した基材ロール41から、基材101を引き出し、これを不図示の駆動モータにより回転駆動される巻取りロール42で巻き取りながら、基材101を矢印A方向に搬送させる。
基材101の搬送速度は、一定であるのが望ましい。巻取りロール42により基材101を巻き取ると、徐々にその径が増加していくため、当該径の増加に応じて巻取りロール42の回転速を徐々に遅くすることにより搬送速度を一定に維持するように制御される。
その制御方法として、例えば、基材101の搬送速度を直接検出して、これが一定速度になるようにフィードバック制御して駆動モータの回転速度を制御する方法が考えられる。
この場合には、基材101の表面にその搬送方向に沿って等ピッチでマークを付しておき、このマークを光電センサなどで検出することにより速度を検出するようにすればよい。
また、巻取りロール42の半径を、レーザー式距離計などを用いて周期的に取得し、半径の増加に応じて回転速度を減じるように制御してもよい。
なお、搬送される基材101の各工程の実施位置における平面性を維持できるように、基材ロール41には巻き取り方向と反対方向に一定のトルクを負荷して基材101に所定の張力を発生させたり、および/または、基材101の、配線経路壁形成部10、接着剤塗布部20および配線材料塗布部30に対応する部分の裏面(下面)を、ガイド板や、ガイドローラーで支持することが望ましい。
(2)配線経路壁形成部
(2−1)配線経路壁形成部10の構成
配線経路壁形成部10は、電子写真方式の画像形成の手法を用いて、基材101上に形成すべき配線の経路(以下、「配線予定経路」という。)の両側に粒子材料を転写させて配線経路壁105を形成する(図1(b)参照)。
この配線経路壁形成部10は、不図示の駆動源により矢印方向(反時計回り)に回転駆動される感光体ドラム(粒子担持体)11の周面に沿って、クリーニン部12、帯電器13、露光装置14、現像装置15等を配設してなる。
感光体ドラム11の周面は、クリーニング部12により表面の残留物を除去された後、帯電器13により一様に帯電させ、露光装置14により感光体ドラム11の周面を露光走査して、配線経路壁105を形成すべきパターンの静電潜像を形成する。
帯電器13は、例えばスコロトロン方式の帯電装置であって、放電電極に数kVの電圧を印加してコロナ放電を発生させて、感光体ドラム11周面を帯電する構成が一般的であるが、これに限らず、例えば、ローラー方式の帯電部材、ブレード状の帯電部材、ブラシ状の帯電部材等を用いて、これに所定の電圧を印加するようにしてもよい。
露光装置14は、後述する制御部50(図5参照)の配線経路壁パターン用画像データ生成部55で生成される配線経路壁パターン形成用の画像データに基づいて、選択的に光を照射して感光体ドラム11表面を露光走査する。
この露光装置14として、例えば、レーザーダイオードからの光を回転するポリゴンミラーで反射させ、fθレンズなどの走査レンズを介して主走査方向に走査する構成や、LEDアレイのように複数の微小な光源を主走査方向に列状に配列し、セルホックレンズアレイ(SLA)によって結像させて、露光走査する構成などが挙げられる。
現像装置15は、帯電した撥液性を有する粒子(以下、「壁形成粒子」)Pを感光体ドラム11の周面に供給し、感光体ドラム11の静電潜像を現像して配線経路壁のパターン像を形成する。
この現像装置15は、ハウジング154と、感光体ドラム11の周面に所定のクリアランスを介して対向して配置された回転自在の現像ローラー151、および、ハウジング154内部に収容された現像剤(不図示)を攪拌するための、例えば、スクリュー状の攪拌部材152、153などを備え、これらを不図示の駆動源により回転駆動する構成になっている。
現像剤は、壁形成粒子Pと、壁形成粒子Pと帯電列の異なる半導電性粒子(以下「キャリア粒子」という)の二成分からなり、攪拌部材152、153で攪拌することにより所定の電位に帯電される。
現像ローラー151は、回転可能の非磁性のスリーブと、スリーブに内蔵され、回転しないように固定された磁石(マグネットローラー:不図示)とを備える。スリーブが回転することによって、磁性を有するキャリア粒子と、キャリア粒子に付着した壁形成粒子Pとが感光体ドラム11との対向部(現像位置)に搬送される。
現像ローラー151による現像位置への現像剤の搬送量は、例えば、現像ローラー151の回転方向上流側に規制ブレード(不図示)を設けて、制御するように構成してもよい(穂高規制)。
壁形成粒子Pによる、感光体ドラム11上の静電潜像の現像は、現像ローラー151に適当な現像バイアス電圧を印加することにより行われる。これにより、現像ローラー151と感光体ドラム11の静電潜像との間に電位差が生じ、この電位差に基づいて壁形成粒子Pが感光体ドラム11側に移動し、感光体ドラム11上の静電潜像が壁形成粒子Pによって顕像化される。
現像バイアス電圧としては、静電潜像との電位差が100V〜1000V程度できるように設定するのが好ましい。
所望の現像量を得るため及びリークなどの不具合を発生させないようにするために、現像バイアス電圧はバイアス調整機構によって適宜調整可能としておくのが望ましい。また、現像バイアス電圧に交流電圧(サイン波、矩形波、三角波及びそれらの組み合わせ)を重畳させてもよい。これにより、高精細な現像が可能となる。
なお、キャリア粒子を用いることなく壁形成粒子Pを帯電させ、静電潜像を現像することも可能である。例えば、現像ローラー151として表面に弾性層が形成されたものを用い、壁形成粒子Pを規制ブレードに接触させることによって摩擦帯電させる。
そして、キャリア粒子を用いた場合と同様に、現像ローラー151に現像バイアス電圧を印加し、現像バイアス電圧と静電潜像との間の電位差によって壁形成粒子Pを感光体ドラム11に移動させ、感光体ドラム11上の静電潜像を壁形成粒子Pで現像するようにしてもよい。
導電性の転写ローラー16が、基材101を挟んで下方から感光体ドラム11に対向する位置に回転可能に配され、その周面が基材101の下面に接触している。
この転写ローラー16には、転写用電源161により壁形成粒子Pの帯電極性と逆極性の電圧が印加され、感光体ドラム11と転写ローラー16との間を基材101が搬送されていく際に、転写ローラー16に前記転写電圧が印加され、感光体ドラム11に形成された壁形成粒子Pからなるパターン(以下、「配線経路壁パターン」という。)が基材101に転写される。
転写電圧の絶対値の大きさは、100V〜1000Vの範囲が好ましく、良好に転写されるように適宜調整可能としておくのが望ましい。安定した転写効率を得るため転写電圧は、電流量が一定となるような制御(定電流制御)するのが好ましい。
クリーニング部12は、感光体ドラム11の周面に圧接されたクリーニングブレードであって、感光体ドラム11表面に残留する未転写の壁形成粒子Pを感光体ドラム11から除去して不図示の回収ボックスに回収する。
感光体ドラム11と転写ローラー16が対向した位置(転写位置)よりも基材搬送方向下流側には粒子固定装置18が設けられている。
粒子固定装置18は、基材101に対向する面が開口したハウジング182内にハロゲンヒーター181を収納してなり、基材101に転写された壁形成粒子Pの配線経路壁パターンを所定の温度で加熱し、基材101上に溶融固定させる。
このときの温度および加熱時間は、その粒子形状が完全に溶融して潰れるまで至らずに、壁形成粒子Pの表面を溶融させて相互に結合させる程度でよく、具体的には、壁形成粒子Pの材料などに応じて、予め実験などで求められている。
粒子固定装置18の光源としては、上記ハロゲンヒーターの他、フラッシュランプなどを用いることができる。
もちろん、転写ローラー16により印加された転写電圧による静電的な付着力のみによって配線経路壁パターンが基材101に固定させておくことが可能な場合には、粒子固定装置18は、特に設ける必要がない場合もある。この場合、後の工程で壁形成粒子Pが不要となったときには、上記転写工程と同様な機構を転写面側に配置して、静電力によって基材101から壁形成粒子Pを除去回収することが可能である。
なお、配線経路壁パターンを静電的な付着力以外の方法で基材101に固定する場合、壁形成粒子Pの有する電荷が、後の工程に悪影響を及ぼすおそれのあるときは、除電手段よってパターンを除電するのが好ましい。除電手段としては、例えば、正負両方のイオンを発生するコロナ帯電器などが挙げられる。
以上の処理によって、配線経路壁105を有する配線経路壁パターンが基材101の表面に形成される(図3(1)参照)。
(2−2)現像剤について
(i)壁形成粒子
現像装置15内に補充される現像剤のうち、壁形成粒子Pは、接着剤103との撥液性を確保するため、平均粒径が1μm〜10μmの範囲が好ましく、より好ましくは、電界に対する応答性及び安全性の観点から6μm程度である。また、壁形成粒子の形状は、円形度が0.8以上の球状であるのが好ましい。
また、壁形成粒子Pそのものが、疎水性を有することが望ましい。
このように平均粒子径を、1μm〜10μm、円形度が0.8以上の球状とすれば、配線経路壁105の表面の粗さ(算術平均粗さ)を、Ra0.13μm〜Ra5μmの範囲内とすることができる。これにより、後述するように配線経路壁105と液状の接着剤103との接触角を大きくして濡れ広がりを効果的に抑制することができる。
なお、本発明で定義する平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置により粒度分布を測定し、その体積平均径として得られる値である。
このような大きさと形状を有する疎水性の壁形成粒子Pの製造方法としては、例えば、次の(a)〜(g)のような各種の方法が適用される。
(a)重量平均分子量が400000、数平均分子量が8000のビスフェノール系ポリエステルを温度200℃で混練し、ジェットミルで粉砕し気流分級機で分級して、平均粒径6μmの粒子を得る。この粒子に日本ニューマチック社製サフュージョンシステムで300°Cで処理を行う。
得られた粒子に平均粒径60nmの疎水化処理したコロイダルシリ力1%をヘンシェルミキサーで混合して壁形成粒子Pを得る。
(b)重量平均分子量が500000、数平均分子量が10000のスチレン・ブチルメタクリレート・メタクリレート共重合体樹脂を使って(a)と同様の方法で壁形成粒子Pを得る。なお、荷電制御剤としてのコロイダルシリカの添加量は3%とする。
(c)ダイキンエ業社製「ルブロンL5」に平均粒径80nmのアルミナを3%添加処理して壁形成粒子Pを得る。アルミナを添加処理するのはPTFE(ポリテトラ7ルオロエチレン)の過剰な負荷電性を抑えるためである。
(d)ダイキンエ業社製「ルブロンL5」に平均粒径60nmのアミノシランカップリング処理したシリカを3%処理して壁形成粒子Pを得る。アミノシランカップリング処理するのはPTFEの過剰な負荷電性を抑えるためである。
(e)5nmのシリカ粒子にダイキンエ業社製「ルブロンL5」を5%混合後、奈良機械社製ハイブリダイザーで処理して、PTFEコートシリカ粒子を得る。この粒子を(a)と同じ方法で壁形成粒子Pを得る。なお、ハイブリダイザー以外にホソカワミクロン社製オングミルや徳寿工作所製メカノミルなど従来公知の表面改質装置を用いることができる。
(f)5nmのアルミナ粒子にダイキンエ業製「ルブロンL5」を5%混合後、奈良機械社製ハイブリダイザーで処理をして、PTFEコートアルミナ粒子を得る。この粒子を(a)と同じ方法で壁形成粒子Pを得る。表面改質装置としては従来公知のものを用いることができる。
(g)重量平均分子量が200000、数平均分子量が10000のビスフェノール系ポリエステル樹脂を、25%のメタノールを混合した酢酸エチル溶液に溶解し、20%溶液を調合する。この溶液を、6kVの電圧をかけたノズルから200℃の熱風中に噴射し、6μmの均―粒径の粒子を得る。得られた粒子に平均粒径60nmの疎水化処理したコロイダルシリカ1%を奈良機械社製ハイブリダイザーで打ち込み処理して壁形成粒子Pを得る。
なお、攪拌による壁形成粒子Pの帯電量に特に限定はないが、通常、絶対値で10μC/g〜50μC/gの範囲が好ましい。より好ましくは、電解応答性の観点から絶対値で30μC/g程度である。壁形成粒子Pの帯電量は、例えば、壁形成粒子Pとキャリア粒子との混合比率を変えることによって制御できる。
(ii)キャリア粒子
使用するキャリア粒子としては、円形度が0.9以上の磁性を有する粒子であるのが好ましい。キャリア粒子が磁性を有すると、磁力を利用した粒子搬送が可能となる。キャリア粒子の平均粒径は10μm〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは、帯電性及び磁力の観点から30μm程度である。
このようなキャリア粒子としては、例えば、フェライト粒子を芯材として表面に厚さ1μm程度の樹脂被膜を形成したコーティングキャリアが推奨される。
(3)接着剤塗布部
次いで、接着剤塗布部20によって基材101上に接着剤パターンを形成する。
接着剤塗布部20は、インクジェット装置21と加熱装置22とを有し、インクジェット装置21は、基材101の幅方向とほぼ同じ長さを有して図面の奥手方向に伸びる、ピエゾ方式のインクジェットヘッドを備え、配線パターンの画像データに基づき描画することにより、配線経路壁105で囲まれた領域に液状の接着剤103が噴出され塗布されていく(図3(2)参照)。
本実施の形態では、接着剤103として熱硬化性の接着剤が用いられている。
上述のように配線経路壁105は、壁形成粒子Pからなり、その粒子形状が配線経路壁105の表面に露出し、当該粒子径に応じた微小な凹凸が形成され、その表面粗さがRa0.13μm〜Ra5μmとなるように調整されている。
一般に、表面に微小な凹凸形状を有すると、Cassieモードにより、配線経路壁105と接着剤103との接触角が大きくなることが知られている。
Cassieモードは、微小な凹凸の存在により液面が入り込めない多数の空隙の存在によって液滴と固体面とが点で接触する撥液モードであり、撥液領域面積に対する接触領域面積の割合が低くなるほど接触角が大きくなって撥液性が増す。
このように配線経路壁105の表面をCassieモードを惹起する凹凸形状(表面粗さ)にすることにより、配線経路壁105表面と接着剤103との接触角を、基材101と接着剤103との接触角よりも大きくでき、接着剤103の基材101との濡れ性が、接着剤103の配線経路壁105に対する濡れ性よりも相対的に高くなる(以下では、このような濡れ性の相対的な差異を「ウエッティングコントラスト(親撥効果)」という。)。これにより、液状の接着剤103が配線経路壁105に挟まれた配線予定経路内で精度よく塗布される。
すなわち、仮に、接着剤103との接触角が、接着剤103と基材101との接触角よりも小さいか等しい配線経路壁105'を形成すれば、図4(1)の(a)の断面図のように接着剤103が配線経路壁105’の内壁面の沿って濡れ広がるため、中央部の接着剤103の厚みが小さくなり、同図(b)の平面図に示すように接着剤103の量が足らずに配線予定経路内で基材101が露出する箇所も生じるおそれがある。
接着剤103の流動性を低減して粘性を高めると、図4(1)の(a)のような事態にはならないが、インクジェットヘッドのノズルからの吐出性に問題があり、図4(2)のような固まり状態で噴出される。
いずれにしても、接着剤103の上面が平坦でなくなるので、その上に重ねて配線材料の層を形成したときに、その表面も平坦でなくなり、この基板に搭載する部品との接続不良などが生じるおそれがあり望ましくない。
しかし、配線経路壁105の表面に微小な凹凸を設けることにより、配線経路壁105表面と接着剤103との接触角を、基材101と接着剤103との接触角よりも相対的に大きくでき、ウェッティングコンストラクトが増加するので、配線経路壁105間に着弾した接着剤103の液滴1031は、基材101の配線経路壁105で囲まれた領域内の塗布面のみにきれいに濡れ広がり、ほぼ均一の厚さに塗布される。
一方、サテライト滴などのように、着弾位置がずれて、配線経路壁105との境界部分に着弾した場合には、配線経路壁105の表面で弾かれて表面張力によって親液性のある基材101が露出している領域に自立的に引き込まれる。
これにより、配線パターン形成装置1における接着剤塗布部20におけるインクジェット印刷の位置精度が、それほど高くなくても、配線経路壁105で囲まれた領域内に平坦に塗布することができ、よりコストダウンが図れる。
なお、ウェットコンストラクトを大きくすればするほど、上記の効果が顕著になるのはいうまでもない。
接着剤103と配線経路壁105との撥液性を高めるためには、配線経路壁105表面の凹凸が細かいほどよく、少なくとも、接着剤103が、基材101に1回に塗布されて濡れ広がる面積の平均直径よりも、凹凸の平均ピッチ(本実施の形態の場合「平均粒子径」に相当)が小さい必要がある。
より好ましくは、インクジェット印刷による着弾前の液滴1031の最小断面の平均直径よりも凹凸の平均ピッチが小さい方がよい。これにより上述のCassieモードが生じやすくなり、撥液性が増す。
また、Cassieモードにおいては、液体の表面エネルギーだけでなく、液状の接着剤103の粘性も重要な要素となる。粘性が高ければ、凹凸内に接着剤103が入り込むまでに時間がかかるためである。したがって、液状の接着剤103の粘度としては、5mPa・s以上であって、インクジェット印刷可能な粘度以下であるのが望ましい。
このようにCassieモードを期待する場合には、接着剤103の粘度や、その乾燥までの時間に制約が発生する。しかし、液状の接着剤103の配線経路壁105に対する接触角が90°より大きい場合には、上記乾燥時間や接着剤103の粘度などの条件に関係なく、高い撥液状態を確実に確保できる。
具体的に、接着剤103の配線経路壁105に対する接触角を90°より大きくするには、例えば、壁形成粒子PとしてPTFE粒子を用いて、接着剤103の溶媒として水を用いた場合、接着剤103の濃度を調整して表面エネルギーを30J/m2以上とすればよい。
なお、壁形成粒子Pの撥液性は、粒子状態で液状体に対する撥液性が確保されることが必要である。例えば、PTFE粒子よりも表面エネルギーの高いポリスチレン粒子を用いた場合でも、その平均粒径を例えば6μmとすれば粒子状態で高い撥液性が確保され得る。
また、液状の接着剤103の基材101に対する接触角は、90°未満であり、好ましくは10°未満であるようにすればよい。
当該接触角を、10°未満とすることで、基材101表面のパターニング領域に液状の接着剤103を隙間なく自立的に濡れ広がらせることが容易になり、パターニングの形状が安定する。また、基材101と接着剤103との密着性を確保し、さらには接着性を向上させることが可能である。
接着剤103と基材101との濡れ性は、材料ごとに異なるが、接着剤103の表面に対して、コロナ放電もしくはエキシマレーザーを照射するなどの表面処理を行うことにより、高い濡れ性を確保することができる。
また、濡れ広がりに関しては、液状の接着剤103の粘度も重要であり、15mPa・s以下であることが望ましい。
具体的に、接着剤103の基材101に対する接触角を90°より小さくするには、例えば、基材101の材料としてポリイミドやポリエチレンを用いた場合には、接着剤103の溶媒として水を用い、その濃度を調整して表面エネルギーを50J/m2以下とすればよい。
次に、基材101上に形成された接着剤パターンは、加熱装置22によって加熱することにより熱硬化し、基材101に固定される。
塗布された接着剤103は完全に固まらせる必要はなく、次の配線塗布部30において塗布される液状の配線材料と混じらず、かつ、インクジェットによる配線材料の着弾により変形しない程度で固まればよい。
加熱装置22は、非接触で接着剤103のパターンを加熱する構成であり、熱源221として下方が開放したハウジング222内にハロゲンヒーター221の熱源が配されてなる。加熱装置22による加熱時間や加熱温度は、接着剤103の材質などによって決定される。
もし、接着剤103が、紫外線硬化性のものであれば、加熱装置22の代わりに紫外線ランプ装置が使用される。
もっとも、接着剤103の溶剤が揮発性のものであれば、接着剤103の移送速度を遅くしたり、製造ラインを一時停止させることにより、次の配線パターン形成工程に移るまでに、ある程度の乾燥させて硬化させることが可能なので、この場合には、接着剤103を積極的に硬化させる手段(上記の加熱装置や紫外線ランプ装置)自体は必須ではない。
(4)配線塗布部
接着剤塗布部20の基材101搬送方向下流側には配線塗布部30が配置されている。
配線塗布部30は、ピエゾ方式のインクジェット装置31と、加熱装置32とからなる。インクジェット装置31は、基材101の幅方向とほぼ同じ長さを有して図面の奥手方向に伸びるインクジェットヘッドを有し、配線パターンの画像データに基づき液状の配線材料(配線用インク)104を吐出して描画することにより、配線経路壁105で囲まれた領域の接着剤103層の上に重ねて配線材料が噴出され塗布されていく(図3(3)参照)。
配線材料104の液は、接着剤103の材質と親和性のよい材料が選択されており、そして、接着目的の接着剤103の方が、配線材料104よりも濡れ性が高く、かつ、上述のように配線経路壁105と接着剤103との接触角が、接着剤103と基材101の接触角よりも高くなるように配線経路壁105の表面状態が設定されている以上、配線材料104と配線経路壁105の接触角も、配線材料104とこれを塗布すべき被塗布面となる接着剤103との接触角よりも大きくなり、ウェッティングコンストラクトが高い。
したがって、配線材料104についても配線経路壁105内で安定して正確に塗布することができる。すなわち、配線経路壁105で囲まれた接着剤103の層の表面に着弾した配線材料104の液滴1041は、表面張力によってそれぞれ連続して接着剤103との高い密着性を有しながら拡がる。
一方、配線経路壁105との境界部分に着弾した配線材料の液滴1041は、Cassieモードにより配線経路壁105表面にはじかれて弾かれて、親液性のある接着剤103の表面に引き込まれる。したがって、配線用の液滴1041の着弾位置が多少ずれても、配線材料は配線経路壁105で囲まれた領域に必ず移動するので、着弾位置の精度がそれほど高くないインクジェット装置を使用しても、微細なインクパターンを安定して形成でき、コストダウンに資する。
また、配線経路壁105の存在により配線材料の塗膜を厚くすることもできる。このことは、例えば、プリント配線基板の導線部のように、導電性が重要な場合に特に有用となる。
本実施の形態で使用する配線用インクとしては、液状の電子機能材料(導電体、抵抗体、半導体)であるのが好ましい。このような液状の電気機能材料としては、金、銀、銅、白金、アルミニウム、ニッケル、銅−ニッケル、ニッケルークロムなどの金属ナノ粒子を溶媒に分散させたものが例示される。
ここでも、ウェットコンストラクトを大きくすればするほど、上記の効果が顕著になるのはいうまでもなく、配線材料104の配線経路壁105に対する接触角が90°より大きく、且つ配線材料104の接着剤103に対する接触角が90°より小さくなるようにするのが望ましい。
具体的に、配線材料104の接着剤103に対する接触角を90°より小さくするには、接着剤103の溶剤として水を用いた場合には、金属ナノ粒子を分散させるインクの溶媒として、エチレングリコールと水を用い、その濃度を調整して表面エネルギーを50J/m2以下とすればよい。
また、配線材料104の、配線経路壁105に対する接触角を90°より大きくするには、例えば、壁形成粒子PとしてPTFE粒子を用いる場合、配線材料104の溶媒としてエチレングリコールと水とを用い、その濃度を調整して表面エネルギーを30J/m2以上とすればよい。
次に、配線経路壁105に囲まれた領域に塗布された液状の配線材料104は、加熱装置32によって乾燥及び焼成され、配線材料104と親和性の高い接着剤103を介して基材101に固定される。この加熱装置32は、加熱装置22と同様な構成でもよく、下方が開放したハウジング322内にハロゲンランプ321が収納されてなる。
加熱温度としては、液状の配線材料104に含有される金属ナノ粒子が溶融し膜化する温度以上であって基材101や接着剤103が燃焼する温度未満である。
配線材料104の溶剤として、熱硬化性のものを使用すれば、乾燥・焼成を速くすることができる。また、配線材料104の溶剤として、紫外線硬化性のものを使用すれば、硬化手段として紫外線ランプ装置が使用される。
もちろん、揮発性の溶剤が使用されており、常温で焼成可能な場合は、特に、加熱装置32を設ける必要はない。
以上のようにして、配線パターンが形成された基材101は、巻き取り部42でロール状に巻き取られる。このロール状の基材101は、後の切断工程において、引き出されながら切断装置(不図示)にて所定サイズの基板に切断され配線基板の製品として出荷される。
もちろん、ロール状に巻き取ることなく、配線塗布部30の下流側に切断装置を配して、そのまま所定の大きさに切断しても構わない。
(5)制御部
図5は、配線パターン形成装置1における制御部50の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、制御部50は、CPU(Central Processing Unit)51、通信I/F(インターフェース)52、RAM(Random Access Memory)53、ROM(Read Only Memory)54、配線経路壁パターン用画像データ生成部55、画像メモリ56からなる。
CPU51は、複写機1への電源投入時などにおいて、ROM54から、配線パターン形成のため必要な制御プログラムを読み出し、RAM53を作業用記憶領域として当該制御プログラムを実行する。
また、CPU51は、通信I/F52により、LANなどの通信ネットワークを介して他のPC端末から配線パターンの画像データを受付ける。この配線パターンの画像データは、公知の配線パターン生成のアプリケーションを用いてPC端末で作成されるものである。
制御部50は、通信I/F52を介して配線パターンの画像データを受付けると、当該画像データに基づき配線経路壁パターン用画像データ生成部55において、配線経路壁のパターンを示す画像データを生成する。この方法は公知の画像処理の手法を用いることができる。例えば、受付けた配線パターンの画像データに対してエッジ強調処理を施した後、そのエッジを検出してトレースしていくことにより、配線パターンを囲むようにして配線経路壁のパターンの画像データを生成することができるものである。
なお、この配線経路壁のパターンは、必ずしも連続して緻密かつ完全に配線パターンを周囲から取り囲んでいる必要はなく、微小な隙間があっても配線経路壁105と接着剤103との撥液性より接着剤の濡れ広がりが十分防止できる場合がある。
以上のようにして生成された配線経路壁パターン用画像データは、受信した配線パターンの画像データと共に画像メモリ56内に格納される。
CPU51は、操作パネル80を介してユーザーから指示を受付けると、画像メモリ56から配線経路壁パターン用画像データと配線パターンの画像データを読み出して、まず、配線経路壁パターン用画像データに基づき、配線経路壁形成部10により配線経路壁105を形成させた後、配線パターンの画像データに基づき接着剤塗布部20のインクジェット装置21により接着剤103を印刷させると共に、同じく配線パターンの画像データに基づき配線材料塗布部30のインクジェット装置31により配線材料104を印刷させる。
この接着剤103と配線材料104の印刷は、基材101の移動に合わせて、配線経路壁105で囲まれた配線予定領域内に、接着剤103と配線材料104が重ね合わせて印刷できるようにタイミングをずらせて実行される。
(6)配線基板製造方法のまとめ
図6は、本第1実施の形態において実施される配線基板の製造方法の手順を簡単にまとめたフローチャートである。
まず、配線経路壁形成部10によって、基材101上に配線経路壁105を形成し(配線経路壁形成工程)(ステップS11)、次に、接着剤塗布部20により、配線経路壁105に挟まれた経路(配線予定経路)に沿って、接着剤103を塗布する(接着剤塗布工程)(ステップS12)。
さらに、配線塗布部30により、配線経路壁105に挟まれた経路(配線予定経路)に沿って、接着剤103に重ねて配線材料104を塗布する(配線パターン形成工程)(ステップS13)。
最後に、基材101を所定のサイズに切断して製品とする(基板切断工程)(ステップS14)。
もっとも、すでに所定サイズに切断された基材を搬送ベルトで搬送しながら、その表面に配線経路壁形成工程、接着剤塗布工程、配線材料塗布工程を経て配線パターンを形成するような場合には、ステップS14における基板切断工程は省略される。
<第2実施の形態>
第1実施の形態では、ロール状に巻回された基材101を引き出しながら搬送して直接基材101上に配線パターン形成を形成するようにしたが、この第2実施の形態では、一旦面状の支持部材(転写ベルト)の表面に配線パターンを形成してから、基材101に転写するように構成している点が異なる。
図7は、第2実施の形態における配線パターン形成装置1の構成を示す概略図である。同図において図1と同じ符号を付したものは同じ部材を示しているため、それらの部材の説明については省略もしくは簡略化し、第1実施の形態と異なる構成を中心に説明する。
(1)転写ベルト部
本実施の形態では、第1実施の形態における基材搬送部40の代わりに、転写ベルト部70が配設されている。転写ベルト部70は、無端状の転写ベルト(中間支持体)73を第1ローラー71と第2ローラー72により水平方向に張架し、それらのローラーのうち、例えば、第2ローラー72が不図示の駆動源により時計回りに回転駆動され、転写ベルト73の上側の走行面が矢印A方向に移動するように構成されている。
転写ベルト73は、例えば、PET製のシートで形成されているが、これに限らず、親液性が高く、液状の配線材料104との接触角が、90°未満となって配線経路壁105とのウェッティングコンストラクトができるだけ大きくでき、かつ耐熱性・耐久性に優れた樹脂であればよい。
転写ベルト73の配線パターンが形成される面には、コロナ放電照射などにより親水処理されているのがより望ましい。
張架された転写ベルト73の上側の走行面に沿って、上流側から配線経路壁形成部10、配線塗布部30、接着剤塗布部20’および転写部60が、配設される。
(2)配線経路壁形成部および配線塗布部
まず、配線経路壁形成部10により、転写ベルト73表面に配線経路壁パターンを形成する。配線経路壁形成部10の構成並びに使用される壁形成粒子Pの条件も第1実施の形態と同様であり、Cassieモードにより強い撥液性を有する。
その後、配線塗布部30により、配線パターンの画像データに基づき、液状の配線材料104を配線経路壁105で囲まれた領域に塗布して配線パターンを形成する
配線経路壁105がCassieモードを惹起する表面形状を有するため、配線材料104と配線経路壁105との接触角が、塗布面である転写ベルト73との接触角よりも相対的に大きくなっており、配線材料104を配線経路壁105内に整然と塗布することができる。すなわち、配線経路壁105で囲まれた転写ベルト73の表面に着弾した配線用インクは、表面張力によってそれぞれ連続して転写ベルト73との高い密着性を有しながら拡がる。
一方、配線経路壁105との境界部分に着弾した配線用インクは、Cassieモードにより配線経路壁105表面に弾かれて、親液性のある転写ベルト73の表面に引き込まれる。したがって、配線用のインク滴の着弾位置が多少ずれても、配線材料は配線経路壁105で囲まれた領域に必ず移動し、微細な配線パターンを安定して形成できる。
ここでも、ウェットコンストラクトを大きくすればするほど、上記の効果が顕著になるのはいうまでもなく、配線材料104の配線経路壁105に対する接触角が90°より大きく、且つ配線材料104の転写ベルト73に対する接触角が90°より小さくなるようにするのが望ましい。
次に、配線経路壁105に囲まれた領域に塗布された液状の配線材料104は、加熱装置32によって乾燥及び焼成されて接着剤103を介して基材101に固定される。
加熱温度としては、液状の配線材料104に含有される金属ナノ粒子が溶融し膜化する温度以上であって基材101や接着剤103が溶融もしくは燃焼する温度未満である。
(3)接着剤塗布部
次いで、接着剤塗布部20’によって基材101上に接着剤パターンを形成する。
本実施の形態では、接着剤103として紫外線硬化性樹脂を使用する。
接着剤塗布部20’は、インクジェット装置21のみで加熱装置を具備していない。次段の転写部60における転写工程で硬化させて基材101上に転写させるためである。
接着剤塗布部20’において配線パターンの画像データに基づき配線経路壁パターンを描画することにより、配線経路壁105で囲まれた領域内に配線材料104の層に重ねるようにして接着剤103が噴出され塗布されていく。
本実施の形態でも、Cassieモードにより、配線経路壁105と接着剤103との接触角が、塗布面である配線材料104の表面との接触角よりも大きくなるので、接着剤103が配線材料104の表面に濡れ広がる一方で、配線経路壁105には撥ねられるので、図9(a)(b)に示すように配線経路壁105に挟まれた領域内において配線材料104の層に重ねて接着剤103の層が形成される。
もし、配線経路壁105がなければ、図10(a)(b)に示すように接着剤103の濡れ性により接着剤103が本来塗布な範囲を超えて不要な部分まで濡れ広がり、これを避けるため接着剤103の粘性を高めれば、図10(c)(d)のようにインクジェット装置21から接着剤103がダマになって噴出され、配線材料104の層に重ねて均一に塗布することができない。
また、接着剤103の流動性が高い場合に、配線経路壁105’を形成して転写ベルト73上での濡れ広がりを阻止しようとしても、配線経路壁105’と接着剤103の接触角が、配線材料104と接着剤103の接触角と同じ程度であれば、接着剤103が図11(a)(b)に示すように一部配線経路壁105’の上面まで濡れ広がって付着する一方、配線材料104に積層される部分の厚みが小さくなるため次の転写工程における接着剤103を介した配線パターンの転写に問題が生じる。
ましてや、配線経路壁105’と接着剤103の接触角を、配線材料104と接着剤103の接触角よりも小さくした場合には、インクジェット装置21により接着剤103の液滴を配線経路壁105間の塗布領域に着弾させたとしても、接着剤103が配線経路壁105’の方に向けて濡れ広がり、図11(c)(d)のようなまだらな塗布状態となるため、ますます配線パターンの基材101への均一な転写が困難になる。
しかし、本実施の形態のように配線経路壁105表面と接着剤103との接触角を、接着剤103と配線材料104との接触角よりも相対的に大きくすることにより、接着剤103は、図9(a)(b)に示すように基材101の塗布面のみにきれいに濡れ広がり、ほぼ均一の厚さに塗布される。
なお、本実施の形態でもウェッッティングコンストラクトを大きくすればするほど、上記の効果が顕著になるのはいうまでもなく、接着剤103の配線経路壁105に対する接触角が90°より大きく、かつ基材101に対する接触角が90°未満であり、より好ましくは10°未満とするのが望ましい。これらの所望の接触角は、第1実施の形態で説明したのと同様にして、配線経路壁105の表面における微小な凹凸の有無(表面粗さ)や材質の選択などにより容易に得ることができる。
(4)転写部
図7に戻り、転写ベルト73上に形成された配線パターンは、転写部60にて基材101に転写される。
基材101として紫外線を透過する材料が使用されており、転写部60は、基材ロール61から引き出した基材101の表面に、配線パターンの接着剤103の層を接触させ、基材101の裏(転写ベルト73と反対側)から紫外線ランプ装置63により紫外線を照射することにより、転写ベルト73を透過した紫外線により接着剤103が硬化して基材101表面に接着し、配線パターンを基材101に転写させた後、巻取りロール62で巻き取るように構成されている。
もっとも、転写ベルト73および配線材料104として、紫外線透過性の材料を用いた場合には、転写ベルト73の内側に紫外線照射装置63配置して、転写位置に向けて排紙から赤外線を照射するようにしても構わない。
接着剤103は、配線経路壁105に対して撥液性を有するため、配線経路壁105表面にほとんど付着しておらず、転写部60における転写工程では、配線経路壁105は転写ベルト73側に残存し、例えば、シリコンゴム製のクリーニングブレードを備えたクリーニング装置74により除去され、不図示の回収ボックスに回収されるようになっている。
もっとも、配線経路壁105の転写ベルト73への固着の程度が強い場合には、シリコンゴムよりも硬度の高い材料からなるクリーニングブレードを使用してもよいし、別途ハロゲンランプなどの加熱手段により溶融させてから、スポンジローラーなどで拭き取って回収するようにしても構わない。
あるいは、転写ベルト73を無端状にしないで、使い捨てにすれば、クリーニング装置は不要となる。
以上のようにして、配線パターンが転写された基材101は、巻取りロール62でロール状に巻き取られる。このロール状の基材101は、後の切断工程において、引き出されながら切断装置(不図示)にて所定サイズの基板に切断され配線基板の製品として出荷される。
(5)配線基板製造方法のまとめ
図8は、本実施の形態において実施される配線基板の製造方法の手順を簡単にまとめたものである。
配線経路壁形成部10によって、転写ベルト73上に配線経路壁105を形成し(配線経路壁形成工程)(ステップS21)、配線塗布部30により、配線経路壁105に挟まれた経路(配線予定経路)に沿って配線材料104を塗布する(配線パターン形成工程)(ステップS22)。
その後、接着剤塗布部20’により、配線経路壁105に挟まれた経路(配線予定経路)に沿って、接着剤103を配線材料104に重ねるようにして塗布する(接着剤塗布工程)(ステップS23)。
そして、上述のように形成された配線パターンを転写部60において基材101に転写する(転写工程)(ステップS24)。
最後に、基材101を所定のサイズに切断して製品とする(基板切断工程)(ステップS25)。
本実施の形態でも、すでに所定サイズに切断された基材を搬送ベルトで搬送しながら、その表面に配線経路壁形成工程、接着剤塗布工程、配線材料塗布工程を経て配線パターンを形成するような場合には、ステップS25における基板切断工程は省略される。
本実施の形態では、一旦転写ベルト73上に配線パターンを形成し、これを接着剤103を介して基材101に転写するので、基材101の材料特性として静電力を利用した配線経路壁105の転写が可能である必要がなく、基材101の材料の選択や厚みの決定についての自由度が増すと考えられる。また、最終的に配線経路壁105自体は、基材101に転写されないので、完成した配線基板の外観が第1実施の形態における外観よりも優れている。
以下、図7に示す第2実施の形態における実施例について説明する。
(各素材の条件)
接着剤のインク :カチオン重合型紫外線硬化インクジェットインク
配線用インク :Novacentrix社製水系酸化銅ナノインク「ICI-003」
インクジェット装置 :コニカミノルタ社製ピエゾ方式インクジェットシステ
ム「KM512LNX」
壁形成粒子P :上記第1実施の形態(2−2)(i)の(a)の製法によ
り製造した粒子
転写ベルト :厚さ100μmのPETフィルムで作成したベルト
基材 :厚さ200μmのフィルム状ガラス

上記の条件の下、転写ベルト73上に壁形成粒子Pで幅w1(図1(b))が200μmの配線経路壁105を形成した後、配線経路壁105で囲まれた領域に、液滴量42plの配線用インクを吐出した後、紫外線ランプにより乾燥/焼成して配線材料のパターンを作成した。
その上に、同じく液滴量42plの接着剤インクを吐出し、接着剤パターンを形成した。
その後、転写位置で、転写ベルト73上の接着剤パターンと基材101を接触させて、紫外線照射装置63により紫外線を照射して、接着剤を硬化させ、基材101に配線パターンを転写して接着させた。
作成した配線基板における導線配線には、特に何の不具合も生じなかった。
<変形例>
(1)図12は、第1実施の形態に係る配線パターン形成装置の変形例を示す概略図である。
図1の配線パターン形成装置1とは、配線経路壁形成部10における、配線経路壁のパターン作像の工程が異なっている。
本変形例において、配線経路壁形成部10は、感光体ドラム11や帯電器13、露光装置14、現像装置15などの代わりに、電極アレイを用いた配線経路壁パターン作像部19を有する。
この配線経路壁パターン作像部19では、回転自在の無端状の中間転写ベルト(粒子担持体)191を用いると共に、中間転写ベルト191を挟んで現像ローラー151と対向する位置に、紙面と垂直な方向に複数の電極を等ピッチで配置してなる電極アレイ193が配設される。
中間転写ベルト191は、4個のローラー192にかけ回されて、不図示の駆動源により矢印方向に回転駆動される。
電極アレイ193の複数の電極の特定の電極に、電極アレイ駆動部194によって壁形成粒子Pの帯電極性と反対極性の所定の電圧を印加すると、現像装置15の現像ローラー151から帯電状態の壁形成粒子Pがクーロン力により飛翔して、中間転写ベルト191の上記電圧を印加した電極に対応する位置に付着する。
中間転写ベルト191を周回移動させながら、配線経路壁パターンの画像データに基づき、電極アレイ193の各電極に選択的に電圧を印加するように制御部50により電極アレイ駆動部194を制御することにより、中間転写ベルト191上に壁形成粒子Pからなる配線壁パターン像が形成される。
中間転写ベルト191に形成された配線壁パターン像は、中間転写ベルト191の回転に伴って、転写ローラー16とのニップ部(転写ニップ)まで移動し、第1実施の形態と同様にして基材101上に転写される。この際、中間転写ベルト191の内側に接触する支持ローラー195(導電性)を接地することにより、安定して転写しやすくなる。
この転写ニップより中間転写ベルト回転方向下流側であって、現像装置15による現像位置までの間に配された、クリーニングブレードなどのクリーニング装置(不図示)により、基材101に転写されずに中間転写ベルト191上に残留した壁形成粒子Pがクリーニングされる。
それ以降の工程は、第1実施の形態と同じなので説明を省略する。
本変形例に係る配線パターン形成装置1によれば、第1実施の形態のように感光体ドラム11を帯電器13で帯電して、露光装置14で露光走査して静電潜像を形成する必要がないので、第1実施の形態における配線パターン形成装置1よりも構成が簡易化、小型化できるという利点がある。
なお、基材101への転写効率を100%近くまで高めることができれば、中間転写ベルト191のクリーニング工程を省くことができる。転写効率を高めるには、転写位置において、壁形成粒子Pと中間転写ベルト191との間に働く付着力よりも大きな転写力を壁形成粒子Pに与えればよい。
この際、転写ニップ幅を広くし、中間転写ベルト191と基材101とを予め密着させた状態で十分な転写バイアス電圧を印加すればよい。これにより、放電ノイズなどの不具合を抑制しながら必要な電界を発生させることができ転写効率を高めることができる。
(2)上記実施の形態では、配線経路壁形成部10において、静電潜像の現像方法として乾式現像方法を採用したが、湿式現像方法を採用しても構わない。
湿式現像方法は、乾式現像方法に比べて、より小さな粒径の壁形成粒子Pを用いることができる。より小さな粒径を有する壁形成粒子Pによって高解像度のパターンが得られる。また、現像剤が液体のため流動性が高く均一なパターンが得られやすい。
第1実施の形態において、湿式現像法が用いられた場合には、感光体ドラム11に形成された壁形成粒子Pによるパターンは、基材101に転写された後、乾燥装置(加熱装置)において加熱してキャリア液を蒸発除去される。この乾燥工程では、キャリア液を完全に除去する必要はない。それ以後の工程は、第1実施の形態と同じである。
(3)上記実施の形態においては、巻取りロールにより、基材ロールから引き出した基材を巻き取るようにして基材101を搬送し、その搬送途中で配線パターンを形成したが、基材101の材質や厚みによっては、ロール状に巻き取るのが困難な場合もあるので、その場合には、適当な大きさに切断された基材101を搬送ベルト上に載置して、これを搬送しながら、配線パターンを形成するようにしてもよい。
(4)上記実施の形態においては、接着剤塗布部20、配線材料塗布部30における塗布手段として、インクジェット装置を用いたが、他のディスペンサー装置を用いた塗布やスクリーン印刷による塗布など従来公知の他の選択的塗布手段を用いることも可能である。
しかし、優れたバリアブル・オンデマンド性を得る観点からはインクジェット装置が望ましい。
(5)各実施の形態で使用する配線材料としては、液状の電子機能材料(導電体、抵抗体、および半導体)であるのが好ましい。
これらの液状体で基材101上にパターンを形成することによって、例えば、導電体でパターンを形成することにより、プリント配線基板や、メンブレンスイッチあるいはディスプレィなどの電子機器の電極、RFID(Radio Frequency Identification )のアンテナ部が製造可能である。また、半導体でパターンを形成することにより、TFT半導体や圧電素子、発電素子として利用可能である。さらには、抵抗体のパターンは、上記材料を組み合わせて回路基板などを作成する際に絶縁部や、歪みゲージ部として形成される。
(6)上記各実施の形態では、所定の平均粒子径を有する壁形成粒子Pによりその形状が残るような形で配線経路壁105を形成したため、接着剤103との撥液性を得るために必要な表面粗さRaを容易に得ることができた。
しかし、配線経路壁105の形成方法はこれだけに限らず、例えば、紫外線硬化樹脂を配線壁パターンに沿って基材上にパターニングしたあとに、加熱し、その熱膨張により表面に微小なシワもしくはヒビを発生させるような方法も考えられる。
また、配線経路壁105のうち少なくとも配線経路に面した内側の面が、上記表面粗さの条件を満たしていればよい。
上記各実施の形態および変形例は、実施が可能な限り、組み合わせても構わない。
本発明は、高い材料使用効率で、かつ、バリアブル・オンデマンドで配線パターンを形成する装置として好適である。
1 配線パターン形成装置
10 配線経路壁形成部
11 感光体ドラム
13 帯電器
14 露光装置
15 現像装置
16 転写ローラー
18 粒子固定装置
19 配線経路壁パターン作像部
20 接着剤塗布部
21 インクジェット装置
22 加熱装置
30 配線塗布部
31 インクジェット装置
32 加熱装置
40 基材搬送部
41 基材ロール
42 巻取りロール
50 制御部
55 配線経路壁パターン生成部
60 再転写部
61 基材ロール
62 巻取りロール
63 紫外線照射装置63
70 転写ベルト部
71 第1ローラー
72 第2ローラー
73 転写ベルト
101 基材
102 配線パターン
103 接着剤
104 配線材料
105 配線経路壁
191 中間転写ベルト
193 電極アレイ
194 電極アレイ駆動部
P 壁形成粒子

Claims (12)

  1. 面状部材の表面に配線パターンを形成する配線パターン形成装置であって、
    面状部材表面の、配線パターンが形成されるべき配線予定経路を囲むように壁を形成する壁形成手段と、
    前記壁に囲まれた配線予定経路に沿って、液状の配線材料および液状の接着剤のいずれか一方を先に塗布した後、他方を重ねて塗布する塗布手段と、
    を備え、
    前記液状の接着剤と壁の表面との接触角が、前記液状の接着剤と、この接着剤が塗布されるべき配線予定経路における被塗布面との接触角よりも大きくなるように、前記壁の少なくとも配線経路に面した部分の表面粗さが設定されている
    ことを特徴とする配線パターン形成装置。
  2. 前記壁は、粒子材料同士を結合して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の配線パターン形成装置。
  3. 前記壁形成手段は、
    粒子材料担持体と、
    前記粒子材料担持体に、前記壁を形成すべき位置を示す壁形成パターンの静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    前記静電潜像に、帯電させた粒子材料を供給して現像する現像手段と、
    前記現像された粒子材料のパターンを感光体から前記面状部材に転写する粒子材料転写手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の配線パターン形成装置。
  4. 前記粒子材料担持体は、感光回転体であって、
    前記静電潜像形成手段は、前記感光回転体の感光面を露光走査して静電潜像を形成する構成である
    ことを特徴とする請求項3に記載の配線パターン形成装置。
  5. 前記粒子材料は、平均粒径が1μm〜10μmの粒子材料からなる
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の配線パターン形成装置。
  6. 前記壁の表面と前記液状の接着剤との接触角が、90°よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の配線パターン形成装置。
  7. 前記液状の配線材料と壁の表面との接触角が、前記液状の配線材料と、この配線材料が塗布されるべき配線予定経路における被塗布面との接触角よりも大きいこと
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の配線パターン形成装置。
  8. 前記面状部材は、基板であって、前記塗布手段は、先に接着剤を配線予定経路に沿って塗布してから配線材料を塗布する
    ことを特徴とする請求項1から7までのいずれかに記載の配線パターン形成装置。
  9. 前記面状部材は、中間支持体であって、前記塗布手段は、前記中間支持体上の配線予定経路に沿って先に配線材料を塗布してから接着剤を塗布し、
    前記中間支持体に形成された配線パターンを、前記接着剤を介して基板上に転写する配線パターン転写手段を備える
    ことを特徴とする請求項1から8までのいずれかに記載の配線パターン形成装置。
  10. 前記中間支持体は、無担状のベルトであって、前記配線パターン転写手段におる基板への転写位置より回転走行方向下流側であって、前記壁形成手段による壁形成位置までの間において前記ベルトの表面を清掃する清掃手段を備える
    ことを特徴とする記載9に記載の配線パターン形成装置。
  11. 面状部材の表面に配線パターンを形成する配線パターン形成方法であって、
    面状部材表面の、配線パターンが形成されるべき配線予定経路を囲むように壁を形成する壁形成工程と、
    前記壁に囲まれた配線予定経路に沿って、液状の配線材料および液状の接着剤のいずれか一方を先に塗布した後、他方を重ねて塗布する塗布工程と、
    含み、
    前記液状の接着剤と壁の表面との接触角が、前記液状の接着剤と、この接着剤が塗布されるべき配線予定経路における被塗布面との接触角よりも大きくなるように、前記壁の少なくとも配線経路に面した部分の表面粗さが設定されている
    ことを特徴とする配線パターン形成方法。
  12. 請求項11の配線パターン形成方法によって基板上に配線パターンが形成されてなることを特徴とする配線基板。
JP2014001799A 2014-01-08 2014-01-08 配線パターン形成装置および配線パターン形成方法並びに配線基板 Active JP6372083B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014001799A JP6372083B2 (ja) 2014-01-08 2014-01-08 配線パターン形成装置および配線パターン形成方法並びに配線基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014001799A JP6372083B2 (ja) 2014-01-08 2014-01-08 配線パターン形成装置および配線パターン形成方法並びに配線基板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015130435A true JP2015130435A (ja) 2015-07-16
JP6372083B2 JP6372083B2 (ja) 2018-08-15

Family

ID=53760964

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014001799A Active JP6372083B2 (ja) 2014-01-08 2014-01-08 配線パターン形成装置および配線パターン形成方法並びに配線基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6372083B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101878382B1 (ko) * 2016-10-28 2018-07-13 주식회사 씨알콤 메탈 pcb 제작 방법
KR20200073047A (ko) * 2018-12-13 2020-06-23 엘지이노텍 주식회사 인쇄회로기판 및 이를 포함하는 안테나 모듈

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS611087A (ja) * 1984-06-13 1986-01-07 松下電器産業株式会社 プリント配線基板印刷装置
JPH0888456A (ja) * 1994-09-14 1996-04-02 Nikon Corp 基板配線製造方法および製造装置
JP2003258409A (ja) * 2002-02-27 2003-09-12 Koa Corp 被パターン形成物およびそのパターン形成方法
JP2005062355A (ja) * 2003-08-08 2005-03-10 Seiko Epson Corp バンクの形成方法及び配線パターンの形成方法、電気光学装置及び電子機器
JP2005067120A (ja) * 2003-08-27 2005-03-17 Micro Jet:Kk パターン作成方法およびパターン作成装置
JP2010219242A (ja) * 2009-03-16 2010-09-30 Toray Eng Co Ltd 回路パターン形成装置
JP2011083689A (ja) * 2009-10-15 2011-04-28 Furukawa-Sky Aluminum Corp 撥水性金属塗装材

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS611087A (ja) * 1984-06-13 1986-01-07 松下電器産業株式会社 プリント配線基板印刷装置
JPH0888456A (ja) * 1994-09-14 1996-04-02 Nikon Corp 基板配線製造方法および製造装置
JP2003258409A (ja) * 2002-02-27 2003-09-12 Koa Corp 被パターン形成物およびそのパターン形成方法
JP2005062355A (ja) * 2003-08-08 2005-03-10 Seiko Epson Corp バンクの形成方法及び配線パターンの形成方法、電気光学装置及び電子機器
JP2005067120A (ja) * 2003-08-27 2005-03-17 Micro Jet:Kk パターン作成方法およびパターン作成装置
JP2010219242A (ja) * 2009-03-16 2010-09-30 Toray Eng Co Ltd 回路パターン形成装置
JP2011083689A (ja) * 2009-10-15 2011-04-28 Furukawa-Sky Aluminum Corp 撥水性金属塗装材

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101878382B1 (ko) * 2016-10-28 2018-07-13 주식회사 씨알콤 메탈 pcb 제작 방법
KR20200073047A (ko) * 2018-12-13 2020-06-23 엘지이노텍 주식회사 인쇄회로기판 및 이를 포함하는 안테나 모듈
KR102577769B1 (ko) 2018-12-13 2023-09-13 엘지이노텍 주식회사 인쇄회로기판 및 이를 포함하는 안테나 모듈

Also Published As

Publication number Publication date
JP6372083B2 (ja) 2018-08-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5871171B2 (ja) パターン基板の製造方法及び部品の位置合わせ方法
KR20090024771A (ko) 일렉트로포토그래피를 이용한 인쇄 방법
JP2012126008A (ja) 被覆装置および画像形成装置
JP2002341656A (ja) 静電搬送装置、現像装置及び画像形成装置
US10112379B2 (en) Large format electrophotographic 3D printer
JP2008026764A (ja) 露光装置及び画像形成装置
JP6372083B2 (ja) 配線パターン形成装置および配線パターン形成方法並びに配線基板
US7647013B2 (en) Image forming apparatus including developer electric field transport apparatus
JPH0888456A (ja) 基板配線製造方法および製造装置
JP2004333845A (ja) 現像装置
JP2010219242A (ja) 回路パターン形成装置
JP2015184551A (ja) 液体現像剤及び回路基板
JP2014197667A (ja) パターン基板の製造方法及びそれを用いた基板の製造方法
JP4834597B2 (ja) 画像形成装置および画像形成方法
US7979005B2 (en) Electrically conductive pattern forming apparatus
US8086149B2 (en) Image forming apparatus
JP6057135B2 (ja) 導電パターンの形成方法
JP2004086040A (ja) 現像装置
JP2015138865A (ja) 描画パターン用の隔壁形成方法及び描画パターンの形成方法
JP2018161769A (ja) 積層構造体、その形成方法及び印刷装置
JP2008309971A (ja) 弾性体ローラの製造方法、現像剤担持体、現像装置、及び、画像形成装置
JP2011070077A (ja) 定着ユニット、画像形成システムおよび定着方法
JP4804929B2 (ja) 画像形成装置および画像形成方法
JP2005031427A (ja) 微粒子搬送装置および画像形成装置
JP2010256802A (ja) 現像剤担持体、現像剤担持体の製造方法、現像装置及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161020

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170801

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170929

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180522

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20180530

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180619

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180702

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6372083

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150