JP4834597B2 - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

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本発明は、板状またはフィルム状の対象物上にトナー画像を形成する技術に関する。
従来より、複写機やプリンタ等では、紙やフィルムのように絶縁体(あるいは、絶縁体に近い性質を有するもの)を対象物として、対象物の裏面側から導電性のローラやベルトあるいはコロナ放電により電荷を付与してトナーを保持する感光体と対象物との間に電界を発生させることにより、帯電したトナーを対象物に引き寄せて転写する静電転写が行われている。
また、特許文献1では、感光ドラム上に形成された液体トナーの画像を板状の絶縁体であるガラス基板に転写する際に、感光ドラムとガラス基板との間に間隙を設け、この間隙を液体トナーのキャリア液で満たす印刷装置が開示されている。
特表2002−527783号公報
ところで、このような静電転写法では、感光ドラムと対象物とが接近する転写位置近傍において、感光ドラムと対象物との間の空間に転写電界による放電(いわゆる、剥離放電)が生じる場合がある。また、対象物が紙のように部分的に電荷が通りやすい構造を有するものである場合、対象物の裏面側に付与された電荷が表面側に抜けると、感光ドラム上のトナーに電荷が移動してトナーを対象物に引き寄せる力が消失し、あるいは、対象物上に転写されたトナーに電荷が移動してトナーが感光ドラムへと戻ってしまう転写抜けが生じることがある。そこで、静電転写を行う機器では、剥離放電や転写抜けによるトナー画像の乱れが、転写不良とみなされない許容範囲内に収まるように、剥離放電や転写抜けの連続的な発生を防止する様々な技術が提案されている。
一方、静電転写法は、バリアブル印刷に容易に対応することができ、さらに、高解像度および高速処理を実現することができるため、近年、様々な産業機器への適用が検討されている。この場合、トナーを転写する対象物は、特許文献1のガラス基板のような絶縁体とは異なり、金属シートや金属板等の導電体となることが考えられる。
しかしながら、対象物の導電性の被転写面に対して静電転写法を適用する場合、対象物上の一部において感光ドラムとの間に剥離放電が発生すると、剥離放電が生じている部位へと導電体上の電荷が移動して剥離放電が持続する。このとき、対象物に電荷を付与する電源として定電圧電源が利用されていると、剥離放電によるリークが低減することなく持続し、トナー画像が広い範囲で乱れて転写不良が生じてしまう。また、定電流電源が利用されていると、剥離放電によるリークにより、剥離放電が発生している部位の周囲における転写効率が低下してしまい、やはり広い範囲の転写不良が生じる。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、導電性の被転写面に対するトナー画像の転写を安定して行うことを目的としている。
請求項1に記載の発明は、板状またはフィルム状の対象物上にトナー画像を形成する画像形成装置であって、外周面上に湿式トナーによる転写前のトナー画像が形成される円筒ドラム状または平ベルト状の環状部材を前記外周面に沿って循環移動するトナー画像保持部と、対象物の比抵抗が10Ω・cm以下の導電性の被転写面を所定の転写位置において前記外周面に最も接近させつつ、前記対象物を前記転写位置における前記環状部材の部位と同じ速度にて前記環状部材の前記部位の進行方向と同じ方向であって前記被転写面に沿う移動方向に移動する移動機構と、前記循環移動の前記転写位置よりも手前において前記トナー画像上から前記環状部材の前記外周面に前記湿式トナーの帯電極性と同じ極性の第1電位を付与する第1電位付与部と、前記被転写面に接地電位に実質的に等しい第2電位を付与することにより、前記転写位置において前記環状部材と前記対象物の前記被転写面との間に所定の転写電圧を作用させて前記トナー画像を前記対象物に転写する第2電位付与部とを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記第2電位の絶対値が、前記第1電位の絶対値の5%以下である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置であって、前記第2電位が接地電位である。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記第1電位付与部が、コロナ放電により発生したイオンを前記トナー画像保持部に付与するコロナ帯電機構である。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記湿式トナーの粒径が2μm以下である。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記環状部材の前記外周面に静電潜像を形成する潜像形成部と、前記湿式トナーにより前記静電潜像を現像して前記トナー画像を形成する現像部とをさらに備える。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記対象物が、板状またはフィルム状の絶縁性基材と、前記絶縁性基材の一の主面に形成された前記被転写面を有する導電層とを備える。
請求項8に記載の発明は、板状またはフィルム状の対象物上にトナー画像を形成する画像形成方法であって、a)外周面に沿って循環移動する円筒ドラム状または平ベルト状の環状部材の前記外周面上に湿式トナーによる転写前のトナー画像を形成する工程と、b)対象物の比抵抗が10Ω・cm以下の導電性の被転写面を所定の転写位置において前記外周面に最も接近させつつ、前記対象物を前記転写位置における前記環状部材の部位と同じ速度にて前記環状部材の前記部位の進行方向と同じ方向であって前記被転写面に沿う移動方向に移動する工程と、c)前記b)工程と並行して、前記循環移動の前記転写位置よりも手前において前記トナー画像上から前記環状部材の前記外周面に前記湿式トナーの帯電極性と同じ極性の第1電位を付与する工程と、d)前記b)工程および前記c)工程と並行して、前記被転写面に接地電位に実質的に等しい第2電位を付与することにより、前記転写位置において前記環状部材と前記対象物の前記被転写面との間に所定の転写電圧を作用させて前記トナー画像を前記対象物に転写する工程とを備える。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の画像形成方法であって、前記第2電位の絶対値が、前記第1電位の絶対値の5%以下である。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の画像形成方法であって、前記第2電位が接地電位である。
請求項11に記載の発明は、請求項8ないし10のいずれかに記載の画像形成方法であって、前記湿式トナーの粒径が2μm以下である。
本発明では、導電性の被転写面に対するトナー画像の転写を安定して行うことができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置1を示す図である。画像形成装置1は、電子写真法を用いて板状またはフィルム状の対象物上にトナー画像を形成する装置であり、画像形成装置1では、対象物9の図1中の(+Z)側の主面91に対してトナーが転写されてトナー画像が形成される。以下の説明では、対象物9の(+Z)側の主面91を「被転写面91」といい、被転写面91は、比抵抗が10−6Ω・cm以上10Ω・cm以下の導電性とされる。本実施の形態では、厚さ約1mmのアルミニウム板である対象物9に対してトナー画像の形成が行われる。
画像形成装置1は、対象物9を保持するとともに被転写面91に沿う移動方向である(+Y)方向に移動する移動機構2、電子写真法にて感光ドラム31上にトナー画像を形成するプロセスユニット3、当該トナー画像上から感光ドラム31に所定の電位を付与する第1電位付与部4、および、対象物9に接触して被転写面91に所定の電位を付与する第2電位付与部5を備える。以下の説明では、第1電位付与部4により感光ドラム31に付与される電位を「第1電位」といい、第2電位付与部5により被転写面91に付与される電位を「第2電位」という。
移動機構2は、対象物9を図1中の(+Z)側および(−Z)側から挟んで保持する上部ローラ201および下部ローラ202を備え、上部ローラ201および下部ローラ202がそれぞれ、図1中において時計回りおよび反時計回りに回転することにより、対象物9が(+Y)方向に移動する。
プロセスユニット3は、減速機を介してモータ(図示省略)に接続される直径250mmの感光ドラム31を備え、感光ドラム31は、図1中のX方向に平行な回転軸310を中心として図1中における時計回りに回転可能とされる。感光ドラム31は、アルミニウム等の金属により形成されるとともに回転軸310を中心とするドラム本体311を有し、ドラム本体311は電気的に接地される。
ドラム本体311の外周面には、例えば、フタロシアニン顔料を有する単層型有機感光体(以下、単に「感光体312」という。)が一様に塗布される(または、蒸着される)。なお、感光ドラム31の直径は250mmには限定されないが、好ましくは200mm以上400mm以下とされる。また、感光体312は、フタロシアニン顔料を有する単層型有機感光体以外に、例えば、アモルファスシリコン等の無機感光体により形成されてもよい。
プロセスユニット3は、また、感光ドラム31の(+Z)側において感光ドラム31に対向して設けられて感光体312を帯電させる帯電器32、画像形成用の光を出射して感光体312の外周面に静電潜像を形成する潜像形成部33、液体トナー(例えば、イソパラフィン系の絶縁性の溶媒(キャリア液)に分散している湿式トナー)により感光体312上の静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像部34、感光体312の表面をクリーニングするクリーナ35、および、光を出射して感光体312を除電する除電器36を備える。
プロセスユニット3では、帯電器32から感光ドラム31の回転方向(すなわち、図1中の時計回り)に沿って潜像形成部33、現像部34、クリーナ35および除電器36が、感光ドラム31の周囲に配置されており、現像部34には、現像液である液体トナーを供給するトナー供給部(図示省略)が接続されている。また、画像形成装置1では、第1電位付与部4も、現像部34とクリーナ35との間において感光ドラム31の周囲に配置されている。
画像形成装置1では、感光ドラム31の(−Z)側において、移動機構2により感光ドラム31に対向して移動する対象物9の被転写面91が、第1電位付与部4とクリーナ35との間にて感光ドラム31の外周面に最も接近する。後述するように、感光ドラム31の外周面上のトナー画像は、感光ドラム31と対象物9とが最も接近する位置にて対象物9の被転写面91上に転写されるため、以下の説明において、感光ドラム31の外周面と対象物9の被転写面91とが最も接近する位置を「転写位置」と呼ぶ。転写位置はプロセスユニット3に対して相対的に固定された位置となる。
第1電位付与部4は、コロナ放電によりイオンを発生させ、当該イオンを感光体312に付与することにより感光体312を帯電させるコロナ帯電機構であり、本実施の形態では、第1電位付与部4としてスコロトロンが利用される。また、プロセスユニット3の帯電器32も、第1電位付与部4と同様、コロナ放電により感光体312を帯電させるコロナ帯電機構である。
第2電位付与部5は、導電性の弾性材料(本実施の形態では、導電性ゴム)にて中心電極の周囲を覆うことにより形成された電位付与ローラ51を備え、電位付与ローラ51は、対象物9の(−Z)側において、X方向に平行な回転軸510を中心として図1中における反時計回りに回転可能とされる。本実施の形態では、電位付与ローラ51の比抵抗は、約10Ω・cm〜約10Ω・cmとされる。画像形成装置1の転写位置では、電位付与ローラ51が導電性の対象物9の(−Z)側の主面に当接しており、電位付与ローラ51を介して対象物9の被転写面91に第2電位が付与される。また、電位付与ローラ51により、対象物9が転写位置において感光ドラム31の感光体312にトナー画像を介して密着する。画像形成装置1では、電位付与ローラ51が電気的に接地されており、第2電位付与部5により対象物9に付与される第2電位は接地電位とされる。
次に、画像形成装置1によるトナー画像の形成について説明する。図2は、画像形成装置1により対象物9上にトナー画像を形成する処理の流れを示す図である。なお、図2中のステップS13〜S17は感光体312の一部に注目した処理の流れを示しており、感光体312全体に対しては実際にはこれらのステップは時間的にほぼ並行して行われる。
図1に示す画像形成装置1では、まず、感光ドラム31が回転軸310を中心として図1中における時計回りに一定の回転速度にて回転を開始するとともに、移動機構2により対象物9も(+Y)方向へと一定の速度にて移動を開始する(ステップS11,S12)。プロセスユニット3では感光ドラム31の回転により、回転軸310を中心とする円筒ドラム状の環状部材である感光ドラム31が、周囲に配置された各周辺構成(すなわち、帯電器32、潜像形成部33、現像部34、第1電位付与部4、クリーナ35および除電器36)に対して外周面に沿って連続的に循環移動し、これらの周辺構成による感光体312に対する処理が開始される。
帯電器32では、対向する位置へと到達する感光体312の一部(以下、「対象部位」と呼ぶ。)に電荷が順次付与され、対象部位の表面を、例えば、+700V(ボルト)にて一様に帯電させる(ステップS13)。帯電後の対象部位は潜像形成部33の光の照射位置へと連続的に移動する。
潜像形成部33は、所定の波長の光を出射する複数の発光ダイオード(LED)が配列されたLEDアレイを光源として有する。潜像形成部33には、対象物9の被転写面91上に形成されるトナー画像の画像データが入力され、画像データに応じて画像形成用の光が感光体312に向けて出射される。感光体312の対象部位において光が照射された部位では、表面の電荷が感光体312内に移動することにより、表面電位が+100Vまで低減される。また、光が照射されない部位は帯電状態がそのまま維持されるため、感光体312の表面には電荷の分布による画像(すなわち、静電潜像)が形成される(ステップS14)。潜像形成部33の光源は、必ずしもLEDである必要はなく、例えば、半導体レーザや、ランプと液晶シャッタとを組み合わせたものであってもよい。
感光ドラム31において静電潜像が形成された部分(対象部位)は現像部34に対向する位置へと移動する。現像部34では、現像ローラ341が現像バイアス電源343に接続されており、現像バイアス電源343により、+500Vの電位が付与されている。そして、現像ローラ341と静電潜像との間のバイアス電圧により、液体トナー中においてプラスに帯電している湿式トナー(すなわち、液体トナーの溶媒中に分散されるとともに感光体312の表面と同じ極性に帯電している湿式トナー)が静電潜像に付与される(ステップS15)。本実施の形態では、湿式トナーとして、粒径が0.1μm以上2μm以下(より好ましくは、0.1μm以上0.5μm以下)のものが使用される。
図3.Aないし図3.Cは、現像部34(図1参照)により湿式トナー92が付与された感光体312表面の電位分布を概念的に示す図である。図3.Aないし図3.Cでは、感光体312表面の電位を実線81にて描いており、実線81が感光体312表面からドラム本体311とは反対側に位置する場合をプラスとする。また、実線81と感光体312表面との間の上下方向の距離は、電位の大きさを表す。
図3.Aに示すように、感光体312の表面と同じ極性であるプラスに帯電している湿式トナー92は、感光体312上の対象部位において、潜像形成部33により表面電位が低減された部位にのみ付着し、これにより、静電潜像が現像される。すなわち、感光体312の外周面上の対象部位に、湿式トナー92による転写前のトナー画像が形成される。図1に示す画像形成装置1では、感光ドラム31およびドラム回転用のモータが、感光体312の外周面に転写前のトナー画像を保持するとともに感光体312を循環移動するトナー画像保持部となっている。
現像部34では、対象部位上の不要な液体トナーは、現像ローラ341の(−Z)側(すなわち、感光ドラム31の循環移動の下流側)に位置するスキージローラ342により掻き取られて現像部34へと戻される。スキージローラ342はスキージ用電源344に接続されており、スキージ用電源344により、+500Vの電位が付与されている。そして、スキージローラ342が図1中の時計回りに回転して液体トナーを掻き取ることにより、感光体312上の余剰の液体トナー(すなわち、潜像形成部33により表面電位が低減された部位上に過剰に付与された液体トナー、および、表面電位が低減されなかった部位であるバックグラウンド上に付与された液体トナー)が回収される。
次に、感光ドラム31の循環移動において転写位置よりも手前に配置された第1電位付与部4により、感光体312上に現像されたトナー画像上から、感光体312の外周面に湿式トナーの帯電極性と同じ極性であるプラスの第1電位が付与される(ステップS16)。これにより、図3.Bに示すように、感光体312の外周面の対象部位全体が、帯電器32による帯電と同程度、または、絶対値において大きい電位(本実施の形態では、約+800V)まで帯電する。なお、対象部位では、湿式トナー92の付着領域における電位と非付着領域における電位とが僅かに異なっているが、この程度の電位差は後述する湿式トナー92の転写にはほとんど影響しない。また、当該電位差は、第1電位付与部4による第1電位の付与時間を長くすることにより解消される。
図1に示す第1電位付与部4による第1電位の付与が終了すると、感光ドラム31の対象部位は、感光ドラム31の回転に同期して移動する対象物9の被転写面91に最も接近する転写位置へと到達し、転写位置では対象部位は感光ドラム31の回転速度に応じた速度(すなわち、感光ドラム31の外周面の回転軸310に垂直な断面における接線方向の速度)にて正確に(+Y)方向へと移動する。また、対象物9は、移動機構2により、転写位置における感光体312の対象部位と同じ速度にて、対象部位の進行方向と同じ(+Y)方向を移動方向として移動する。これにより、転写位置の極近傍において対象物9(の対象部位に対向する部位)の位置が対象部位に対して相対的に固定される。
このとき、対象物9は、第2電位付与部5を介して電気的に接地されており(換言すれば、第2電位付与部5により、対象物9の被転写面91に接地電位が付与されており)、転写位置における対象物9の被転写面91と感光体312の対象部位との間に所定の転写電圧が作用する。すなわち、対象部位から被転写面91へと向かう電界が発生し、図3.Cに示すように、感光体312から対象物9の被転写面91へと向かう方向(すなわち、図3.C中の符号82を付す矢印が向く方向)の力が湿式トナー92に作用する。これにより、感光体312の対象部位上に付着したプラスに帯電したトナー画像が、対象物9の被転写面91に順次転写される(ステップS17)。
湿式トナーの転写後の感光体312の対象部位は、図1に示すクリーナ35の位置へと続けて移動し、クリーナ35により対象部位に残留した湿式トナー(すなわち、対象物9に転写されなかった湿式トナー)等の不要物が除去されて感光体312の表面がクリーニングされ、感光体312が機械的に初期状態に戻される。そして、ランプとフィルタとの組合せ、あるいは、LED等を有する除電器36により光が照射されて感光体312が除電され、電気的に初期状態に戻される。
上述のように、ステップS13〜S17の処理は感光体312上の各部位に対してほぼ並行して行われ、転写位置へと順次到達する感光体312の各部位に対して連続的に処理が行われるため、最終的には感光体312の外周面上のトナー画像全体が転写位置において対象物9上に転写されることとなる。そして、感光ドラム31の回転が停止するとともに移動機構2が停止し、画像形成装置1による印刷処理が終了して対象物9の被転写面91上にトナー画像が形成される(ステップS18,S19)。なお、画像形成装置1では、感光ドラム31が複数回回転して複数の対象物9に連続してトナー画像の転写が行われてもよい。
以上に説明したように、画像形成装置1では、湿式トナーにて形成されたトナー画像上から湿式トナーと同極性の第1電位が第1電位付与部4により感光体312の外周面に付与され、第2電位付与部5により、対象物9の導電性の被転写面91が電気的に接地される(すなわち、被転写面91に接地電位が付与される)ことにより、感光体312と被転写面91との間に転写電圧が作用し、トナー画像が感光体312から対象物9の被転写面91に転写される。
このように、画像形成装置1では、乾式トナーよりも粒径が小さい湿式トナーによりトナー画像を形成することにより、トナー画像上から感光体312の外周面に第1電位を付与することを可能とし、トナー画像の転写に利用される転写電圧を、対象物9に接地電位を付与しつつ感光体312への第1電位の付与により作用させることができる。これにより、感光体312と被転写面91との間の空間において転写電圧による剥離放電が発生した場合であっても、被転写面91の剥離放電が発生した部位の電位を接地電位のまま維持し、剥離放電の持続を防止することができる。また、対象物に付与された電荷がトナーへと移動することにより生じる転写抜け(すなわち、感光ドラム上のトナーが対象物へと転写されない現象、あるいは、対象物上に一旦転写されたトナーが感光ドラムへと戻ってしまう現象)の発生も防止することができる。その結果、剥離放電や転写抜けによるトナー画像の品質低下や破壊を防止して導電性の被転写面91に対するトナー画像の転写(すなわち、対象物9に対するトナー画像の形成)を安定して行うことができる。
プロセスユニット3では、第1電位付与部4が、コロナ放電により発生したイオンを感光体312の外周面に付与するコロナ帯電機構とされることにより、感光体312に第1電位を容易に付与することができる。
また、プロセスユニット3では、潜像形成部33により感光体312の外周面に静電潜像を形成し、現像部34により湿式トナーにて静電潜像を現像する電子写真法によりトナー画像を形成することにより、プロセスユニット3および画像形成装置1の構造を簡素化することができる。さらには、湿式トナーの粒径を2μm以下とすることにより、第1電位付与部4によるトナー画像上からの感光体312への第1電位の付与を確実かつ容易に実現することができる。
画像形成装置1では、第1電位付与部4および第2電位付与部5により付与される第1電位および第2電位は、上述の電位には必ずしも限定されない。例えば、対象物9の被転写面91は、必ずしも第2電位付与部5により電気的に接地される必要はなく、第2電位付与部5により接地電位に実質的に等しい第2電位が付与されていればよい。具体的には、第2電位の絶対値が、第1電位付与部4により感光体312に付与される第1電位の絶対値の5%以下とされていればよく、上述のように第1電位が+800Vである場合には、−40V以上+40V以下とされる。この場合であっても、剥離放電や転写抜けによるトナー画像の品質低下や破壊を防止して導電性の被転写面91に対するトナー画像の転写を安定して行うことができる。
図4は、第1電位および第2電位を様々に変化させて第1電位および第2電位とトナー画像の品質(転写品質)および転写効率との関係を示す表である。図4に示すように、第1電位を、帯電器32により感光体312に付与される電位(+700V)よりも小さい+500Vとすると、第2電位を−200V〜−400Vと変化させて第1電位と第2電位との差(すなわち、転写電圧)を変更しても、剥離放電による放電模様や転写抜けが発生し、転写品質は良好とはならない。また、第1電位を、帯電器32により感光体312に付与される電位以上とした場合であっても、第2電位が−100Vや−200V等のように接地電位(0V)から大きく離れていると、転写品質は良好とはならない。
これに対し、第1電位を、帯電器32により感光体312に付与される電位(+700V)以上とし、さらに、第2電位を接地電位とした場合は、転写品質が良好となる。ただし、第1電位が+900Vのように帯電器32により感光体312に付与される電位から大きく離れていると、やはり放電模様が発生する。したがって画像形成装置1では、第1電位を、帯電器32により感光体312に付与される電位(+700V)以上であって当該電位から大きく離れない範囲内である+700V以上+900V未満(より好ましくは、+700V以上+850V以下)とし、第2電位を接地電位(あるいは、接地電位と実質的に等しい電位)とすることにより、良好な転写品質を実現することができる。また、第1電位を+800Vとすることにより、転写効率を向上することもできる。なお、第1電位の好ましい範囲は、湿式トナーの種類や感光体312の材質、感光ドラム31の曲率半径等、様々な要因により変化し、例えば、湿式トナーの帯電量や感光体312と湿式トナーとの密着力等により、+400V程度でも良好な転写品質を得ることができる場合もある。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置について説明する。図5は、第2の実施の形態に係る画像形成装置1aを示す図である。画像形成装置1aでは、図1に示す画像形成装置1の移動機構2および第2電位付与部5に代えて、図5に示すように、移動機構2aおよび第2電位付与部5aが設けられる。その他の構成は図1に示す画像形成装置1と同様であり、以下の説明において同符号を付す。
図5に示す画像形成装置1aでは、板状またはフィルム状の絶縁性基材、および、絶縁性基材の一の主面全体に形成された導電層を備える対象物9a(例えば、ガラス基板上に電極となるITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムすず)膜が形成されたものやガラスエポキシ基板上に電極となる銅箔が接合されたもの)に対するトナー画像の形成が行われる。
本実施の形態では、厚さ約0.7mmの絶縁性基材であるガラス基板上に比抵抗が約10−6Ω・cm〜約10Ω・cmの導電性のITO膜(ITOインクの塗布等により形成される。)を有する対象物9aのITO膜表面である被転写面91に対して、エッチング液に対する耐性(すなわち、エッチング耐性)を有する湿式トナーにより、レジストパターンとなるトナー画像が形成される。そして、後工程において、トナー画像が定着された対象物9aに対してエッチング液が付与されることにより、ITO膜のうちトナー画像により形成されたレジストパターンから露出している部位がエッチングされてガラス基板上にITO電極やITO配線等の配線パターンが形成される。画像形成装置1aでは、主成分が酢酸ビニル(C)である湿式トナーが使用される。
移動機構2aは、図5に示すように、対象物9aを吸着保持する保持部であるステージ21、定盤11上に設けられるとともにステージ21をY方向にスライドするスライド機構22、および、ステージ21による対象物9aの吸着保持を制御する吸着制御部23(後述の図6参照)を備える。
図6は、ステージ21および吸着制御部23を示す平面図である。図6では、対象物9aを二点鎖線にて示している。図5および図6に示すように、ステージ21の対象物9aが載置される保持面210は、精度の高い平面となっており、保持面210にはそれぞれが対象物9aの搬送方向に垂直なX方向に伸びるとともに搬送方向に配列された複数の吸着要素である溝211が形成されている。
ステージ21の(+X)側および(−X)側には、複数のチューブ212が取り付けられており、各溝211は対応する2つのチューブ212を介して吸着制御部23に接続され、吸着制御部23は図示省略の減圧ポンプに接続される。ステージ21では、減圧ポンプにより複数の溝211から空気が吸引されて対象物9aが保持面210上に吸着保持され、吸着制御部23により、各溝211による吸着が個別にON/OFF可能とされる。なお、実際には、チューブ212はステージ21の移動の妨げにならないように十分に長く、束ねられて曲げられている。
図5に示す画像形成装置1aでは、対象物9aの全体がステージ21に吸着された場合に、転写位置におけるプロセスユニット3の感光体312の外周面と対象物9aの被転写面91との間に30μmないし100μm(好ましくは、40μm〜80μm)の設計上の間隙が生じるように感光ドラム31とステージ21とが位置決めされている。そして、後述するように、トナー画像の転写時にステージ21による吸着が部分的に解除されて対象物9aが図5に示すように感光ドラム31に電気的に引き寄せられ、対象物9aの転写位置の部位が30μmないし100μm(好ましくは、40μm〜80μm)だけ撓む。なお、本実施の形態では対象物9aの撓み量は50μmに設定されており、図5では、対象物9aの撓み量を実際よりも大きく図示している(図9においても同様)。
図7は移動機構2aを示す側面図であり、図5中の(−Y)側から(+Y)方向を向いて見た様子を示している。スライド機構22は、定盤11上において、それぞれがY方向に伸びる1対のガイドレール231を有し、ステージ21には各ガイドレール231に対向する位置にスライダ232が設けられる。各スライダ232にはエア供給部233から高圧のエアが供給されてスライダ232がガイドレール231に非接触にて係合し、ステージ21がY方向に移動可能に支持される。また、スライド機構22はリニアモータ24をさらに有し、リニアモータ24の固定体241は定盤11上に固定され、移動体242はステージ21に取り付けられる。そして、リニアモータ24を駆動することにより、ステージ21が対象物9aと共にY方向に滑らかに移動する。
図5に示す電位付与部5aは、転写位置の(+Y)側および(−Y)側にそれぞれ配置される2つの接触子51aを備え、接触子51aは、導電性材料にて形成されるブラシ(例えば、カーボンブラシや導電性毛ブラシ)を有する。図6に示すように、(+Y)側および(−Y)側の接触子51aは、ステージ21の(−X)側に配置されており、各接触子51aは図示省略の支持部材により支持される。
図5に示す接触子51aは対象物9aの上面全体に形成されているITO膜の被転写面91に直接当接する。実際には、対象物9aは図6中の(−Y)側から(+Y)方向に向かって移動するため、対象物9aの(+Y)側の端部が転写位置に位置する間は(−Y)側の接触子51aが対象物9aの被転写面91に当接し、対象物9aの(−Y)側の端部が転写位置に位置する間は(+Y)側の接触子51aが対象物9aの被転写面91に当接し、トナーの転写時において(+Y)側および(−Y)側の接触子51aの少なくとも一方が被転写面91に常時当接する。図5に示すように、各接触子51aの電極は電気的に接地されているため、対象物9aの被転写面91も電気的に接地される。換言すれば、第2電位付与部5aの接触子51aにより、対象物9aの被転写面91に接地電位である第2電位が付与される。
画像形成装置1aによる対象物9aへのトナー画像の形成の流れは、第1の実施の形態におけるトナー画像の形成の流れ(図2参照)とほぼ同様である。画像形成装置1aでは、図2中のステップS17におけるトナー画像の転写の際に、感光体312の回転(すなわち、感光体312上の対象部位の移動)および対象物9aの(+Y)方向への移動に伴って吸着制御部23(図6参照)が制御されることにより、ステージ21の複数の溝211のうち転写位置に位置する溝211(正確には、転写位置から(±Y)方向に一定の距離の範囲内に位置する複数の溝211)による吸着が順次解除され、対象物9aの転写位置の部位が、感光ドラム31の外周面に向かって撓むことが可能な状態とされる。その結果、感光ドラム31と対象物9aとの間に作用する転写電圧に起因する電気的吸引力により、対象物9aの転写位置の部位が感光ドラム31に向かって撓み、対象物9aの被転写面91と感光体312とが湿式トナーを挟んで密着する。吸着制御部23では、吸着の部分的な解除を高速に行うために、吸着を解除する溝211に瞬間的にブローが行われてもよい。
そして、対象物9aの転写位置の部位が感光ドラム31の外周面の転写位置の部位と同じ速度にて同じ方向に移動することにより、感光体312の対象部位上のプラスに帯電したトナー画像が、対象物9aの被転写面91に順次転写される。なお、対象物9aの転写位置を通り過ぎた部位は、ステージ21の溝211により再び吸着保持される。これにより、対象物9aの保持面210上における位置精度を保ちつつ対象物9aの転写位置の部位のみを撓ませることができる。
画像形成装置1aでは、第1の実施の形態と同様に、湿式トナーにて形成されたトナー画像上から湿式トナーと同極性の第1電位が第1電位付与部4により感光体312の外周面に付与され、第2電位付与部5aにより、対象物9aの導電性の被転写面91が電気的に接地される(すなわち、被転写面91に接地電位が付与される)ことにより、感光体312と被転写面91との間に転写電圧が作用し、トナー画像が感光体312から対象物9の被転写面91に転写される。その結果、剥離放電や転写抜けによるトナー画像の品質低下や破壊を防止して導電性の被転写面91に対するトナー画像の転写を安定して行うことができる。
第2の実施の形態に係る画像形成装置1aでは、特に、転写電圧に起因する電気的吸引力により対象物9aを感光体312側へと撓ませつつトナー画像が転写されることにより、メカニカルな圧力を与えることなく電気的吸引力でトナー画像と対象物9aとを接触させる(または、ほぼ接触しているとみなすことができる程度に実質的に接触させる)ことができる。その結果、トナー画像に不必要に強い力が作用してしまうことを防止しつつ、対象物9aのうねりの影響を防止することができる力の大きさでトナー画像と対象物9aとを接触させることができ、高い精度にてトナー画像を転写することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る画像形成装置について説明する。図8は、第3の実施の形態に係る画像形成装置1bを示す図である。画像形成装置1bでは、トナー画像が転写された対象物9bの被転写面91を加熱してトナー画像を定着させる定着部52がさらに設けられる。また、図5に示す画像形成装置1aの移動機構2aに代えて、図8に示す移動機構2bが設けられる。その他の構成は図5に示す画像形成装置1aとほぼ同様であり、以下の説明において同符号を付す。また、画像形成装置1bによる対象物9bへのトナー画像の形成の流れは、第1の実施の形態におけるトナー画像の形成の流れ(図2参照)と同様である。
画像形成装置1bでは、フィルム状の絶縁性基材、および、絶縁性基材の一の主面全体に形成された導電層を備える対象物9bに対するトナー画像の形成が行われる。本実施の形態では、絶縁性基材上に導電性の銅箔が接合されたフレキシブル基板である対象物9bの銅箔表面である被転写面91に対して、エッチング耐性を有する湿式トナーによりレジストパターンとなるトナー画像が形成される。そして、後工程において、トナー画像が定着された対象物9bに対してエッチング液が付与されることにより、銅箔のうちトナー画像により形成されたレジストパターンから露出している部位がエッチングされて銅電極や銅配線等の配線パターンが形成される。画像形成装置1bでも、第2の実施の形態と同様に、主成分が酢酸ビニル(C)である湿式トナーが使用される。
移動機構2bは、図8に示すように、トナー画像が転写される前のロール状の対象物9bを保持するとともに対象物9bを転写位置へと供給する対象物供給部203、転写位置において対象物9bを下面側(すなわち、被転写面91とは反対側)から支持する転写ローラ204、および、定着部52によりトナー画像が定着された対象物9bを巻き取って回収する対象物回収部205を備える。
画像形成装置1bでは、第1および第2の実施の形態と同様に、湿式トナーにて形成されたトナー画像上から湿式トナーと同極性の第1電位が第1電位付与部4により感光体312の外周面に付与され、第2電位付与部5aの接触子51aにより、対象物9bの導電性の被転写面91が電気的に接地される(すなわち、被転写面91に接地電位が付与される)ことにより、剥離放電や転写抜けによるトナー画像の品質低下や破壊を防止して導電性の被転写面91に対するトナー画像の転写を安定して行うことができる。
なお、画像形成装置1bでは、対象物回収部205による対象物9bの巻き取りが行われるよりも前に、被転写面91に対するエッチング、および、被転写面91からのトナー画像(すなわち、レジストパターン)の剥離が行われてもよい。
次に、本発明の第4の実施の形態に係る画像形成装置について説明する。図9は、第4の実施の形態に係る画像形成装置1cを示す図である。画像形成装置1cでは、中間転写体251を有する中間転写部25が設けられ、感光ドラム31上のトナー画像は中間転写体251を介して間接的に対象物9a上に転写される。対象物9aは、第2の実施の形態と同様に、板状またはフィルム状の絶縁性基材、および、絶縁性基材の一の主面全体に形成された導電層を備える。
中間転写体251は、誘電材料にて形成される平ベルト状の環状部材とされ、2つのローラ252a,252bに外接して設けられる。一方のローラ252aにはモータが接続され、モータが駆動されることにより、感光ドラム31上のトナー画像に当接しつつ中間転写体251が外周面に沿って循環移動する。また、他方のローラ252bには直流電源253が接続される。
また、図5の画像形成装置1aと比べて、第1電位付与部4が中間転写体の251の転写位置の直前に設けられ、中間転写体251に対向する対象物9aの移動方向が反対向き((−Y)方向)になるという点でさらに相違している。他の構成要素は図5と同様であり、同様の構成要素には同符号を付している。
画像形成装置1cでは、プロセスユニット3の帯電器32、潜像形成部33、現像部34等により感光体312上に形成されたトナー画像が、ローラ252bを介して中間転写体251に付与される電位により、中間転写体251上に転写される。すなわち、中間転写体251や中間転写体251を循環移動する機構を含む中間転写部25は、中間転写体251の外周面上に転写前のトナー画像を間接的に形成して保持するトナー画像保持部となっている。また、画像形成装置1cでは、中間転写体251の外周面と対象物9aとが最も近接する転写位置の直前において、第1電位付与部4により、トナー画像上から所定の電位が中間転写体251の外周面におよそ均一に付与され、電位が付与された対象部位は対象物9aに向かって送られる。
画像形成装置1cでは、図5の画像形成装置1aと同様に、移動機構2aのステージ21による吸着を部分的に解除することにより、対象物9aの転写位置の部位が中間転写体251の外周面に向かって撓むことが可能な状態とされ、さらに、対象物9aの転写位置の部位が中間転写体251の転写位置の部位と同じ速度で同じ方向に移動する。そして、第2電位付与部5aの接触子51aにより対象物9aの被転写面91に接地電位が付与されることにより、転写位置では、湿式トナーに対象物9aに向かう電気的力が作用するとともに、電気的吸引力により対象物9aが中間転写体251に向かって撓み、第2の実施の形態と同様に、中間転写体251と対象物9aとを密着させつつ中間転写体251上のトナー画像が対象物9a上に高い精度にて転写される。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、第1ないし第3の実施の形態にかかる画像形成装置では、感光ドラム31に代えて平ベルト状の感光ベルトが利用されてもよく、第4の実施の形態に係る画像形成装置1cでは、中間転写体251がドラム状とされてもよい。
第1電位付与部4は、コロナ帯電機構以外の他の構成とされてもよい。例えば、第1ないし第3の実施の形態に係る画像形成装置では、感光ドラム31の回転軸310と同じ方向を向く中心軸を中心として感光ドラム31の回転方向とは反対向きに回転する円筒状の導電性スポンジに電位を付与し、導電性スポンジを感光体312の外周面に接触させることにより、トナー画像上から感光体312の外周面に第1電位が付与されてもよい。また、第4の実施の形態に係る画像形成装置1cでは、同様の導電性スポンジにより、中間転写体251の外周面に第1電位が付与されてもよい。
潜像形成部33により形成される静電潜像は、ネガ型であってもポジ型であってもよい。また、プロセスユニット3では、感光体312に対するイオンフローにより、直接的に静電潜像が形成されてもよい。現像部34では、マイナスに帯電した湿式トナーを含む液体トナーが感光体312に付与されてもよく、この場合、帯電器32および第1電位付与部4により感光体312(または、中間転写体251)に付与される電位も同極性のマイナスとされる。
第2ないし第4の実施の形態にかかる画像形成装置では、第2電位付与部5aの接触子51aは、ブラシ以外に例えば、バネ材や電位付与ローラ等を利用して被転写面91に電位を付与するものであってもよい。
第1の実施の形態に係る画像形成装置を示す図である。 対象物上にトナー画像を形成する処理の流れを示す図である。 感光体表面の電位分布を示す図である。 感光体表面の電位分布を示す図である。 感光体表面の電位分布を示す図である。 第1電位および第2電位とトナー画像の転写品質および転写効率との関係を示す表である。 第2の実施の形態に係る画像形成装置を示す図である。 ステージおよび吸着制御部を示す平面図である。 移動機構を示す側面図である。 第3の実施の形態に係る画像形成装置を示す図である。 第4の実施の形態に係る画像形成装置を示す図である。
符号の説明
1,1a〜1c 画像形成装置
2,2a,2b 移動機構
4 第1電位付与部
5,5a 第2電位付与部
9,9a,9b 対象物
25 中間転写部
31 感光ドラム
33 潜像形成部
34 現像部
91 被転写面
92 湿式トナー
251 中間転写体
312 感光体
S11〜S19 ステップ

Claims (11)

  1. 板状またはフィルム状の対象物上にトナー画像を形成する画像形成装置であって、
    外周面上に湿式トナーによる転写前のトナー画像が形成される円筒ドラム状または平ベルト状の環状部材を前記外周面に沿って循環移動するトナー画像保持部と、
    対象物の比抵抗が10Ω・cm以下の導電性の被転写面を所定の転写位置において前記外周面に最も接近させつつ、前記対象物を前記転写位置における前記環状部材の部位と同じ速度にて前記環状部材の前記部位の進行方向と同じ方向であって前記被転写面に沿う移動方向に移動する移動機構と、
    前記循環移動の前記転写位置よりも手前において前記トナー画像上から前記環状部材の前記外周面に前記湿式トナーの帯電極性と同じ極性の第1電位を付与する第1電位付与部と、
    前記被転写面に接地電位に実質的に等しい第2電位を付与することにより、前記転写位置において前記環状部材と前記対象物の前記被転写面との間に所定の転写電圧を作用させて前記トナー画像を前記対象物に転写する第2電位付与部と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置であって、
    前記第2電位の絶対値が、前記第1電位の絶対値の5%以下であることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2に記載の画像形成装置であって、
    前記第2電位が接地電位であることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置であって、
    前記第1電位付与部が、コロナ放電により発生したイオンを前記トナー画像保持部に付与するコロナ帯電機構であることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置であって、
    前記湿式トナーの粒径が2μm以下であることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置であって、
    前記環状部材の前記外周面に静電潜像を形成する潜像形成部と、
    前記湿式トナーにより前記静電潜像を現像して前記トナー画像を形成する現像部と、
    をさらに備えることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置であって、
    前記対象物が、
    板状またはフィルム状の絶縁性基材と、
    前記絶縁性基材の一の主面に形成された前記被転写面を有する導電層と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  8. 板状またはフィルム状の対象物上にトナー画像を形成する画像形成方法であって、
    a)外周面に沿って循環移動する円筒ドラム状または平ベルト状の環状部材の前記外周面上に湿式トナーによる転写前のトナー画像を形成する工程と、
    b)対象物の比抵抗が10Ω・cm以下の導電性の被転写面を所定の転写位置において前記外周面に最も接近させつつ、前記対象物を前記転写位置における前記環状部材の部位と同じ速度にて前記環状部材の前記部位の進行方向と同じ方向であって前記被転写面に沿う移動方向に移動する工程と、
    c)前記b)工程と並行して、前記循環移動の前記転写位置よりも手前において前記トナー画像上から前記環状部材の前記外周面に前記湿式トナーの帯電極性と同じ極性の第1電位を付与する工程と、
    d)前記b)工程および前記c)工程と並行して、前記被転写面に接地電位に実質的に等しい第2電位を付与することにより、前記転写位置において前記環状部材と前記対象物の前記被転写面との間に所定の転写電圧を作用させて前記トナー画像を前記対象物に転写する工程と、
    を備えることを特徴とする画像形成方法。
  9. 請求項8に記載の画像形成方法であって、
    前記第2電位の絶対値が、前記第1電位の絶対値の5%以下であることを特徴とする画像形成方法。
  10. 請求項9に記載の画像形成方法であって、
    前記第2電位が接地電位であることを特徴とする画像形成方法。
  11. 請求項8ないし10のいずれかに記載の画像形成方法であって、
    前記湿式トナーの粒径が2μm以下であることを特徴とする画像形成方法。
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