JP6057135B2 - 導電パターンの形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、導電パターンの形成方法に関し、より詳細には、プリント配線基板や電気配線、アンテナ、電磁シールドとして用いられる導電パターンの形成方法に関するものである。
電子機器における導電パターン形成は、これまで一般に、エッチングによるサブトラクティブ法が用いられていたが、この方法には廃液処理や工程数の増加、装置の大型化といった課題がある。
近年、印刷技術を用いて導電パターンを形成する、所謂プリンテッドエレクトロニクスが注目されている。しかし、微小金属粒子を溶媒に分散させたインクを基板に塗布した後、焼成するプリンテッドエレクトロニクスによる導電パターンの形成では、装置が大型化する、インクの保存安定性が悪い、導電パターンの電気抵抗率が高い、微小金属粒子の人体への悪影響(ナノリスク)等の課題がある。
それらの課題を解決する導電パターンの形成方法として、インクジェット法やサーマルヘッドによる部分加熱法、電子写真法によって粘着部を形成し、形成した粘着部で金属薄膜を選択的に剥離する方法が提案されている(特許文献1,2)。
特開2005-259605号公報 特開昭61-185488号公報
ところが、インクジェット法では、着弾したインクが濡れ広がりやすいので高解像度パターンを形成することが難しい。インクの濡れ広がりを抑えるために、親液・撥液パターンを予め形成しておく技術も提案されているが、バリアブル・オンデマンド性や生産性等が低下する。また、サーマルヘッドによる部分加熱法では、基板を通しての加熱や、熱伝導性の高い金属薄膜と面接触した材料を加熱する必要がある為、加熱範囲が広がり解像度が低下する問題がある。
一方、電子写真法には、インクジェット法やサーマルヘッド法等における問題は生じないが、導電パターンの周囲に、意図しない粘着物質の飛び散りが発生することがある。このような飛び散った粘着物質に金属薄膜が接着すると、導電パターンの太りや、導体間隙間に導体残りが発生し、高解像度の導電パターンが形成できない。
そこで、本発明は、電子写真法を用いて導電パターンを形成する際に飛び散りが発生した場合であっても、高解像度の導電パターンを形成できる方法を提供することにある。
本発明によれば、電子写真法を用いて、光エネルギーを吸収して発熱する材料で構成された熱可塑性粒子で、単位面積当たりの発熱量が前記熱可塑性粒子よりも小さく透光性を有する絶縁基板上にパターン層を形成する工程と、形成されたパターン層と金属薄膜とを接触させ、光照射手段によって前記絶縁基板側から光を照射して前記パターン層を加熱し溶融させて前記金属薄膜を前記パターン層に転写する工程と、前記パターン層を冷却して固化し、転写した前記金属薄膜を前記パターン層に固着させる工程とを有することを特徴とする導電パターンの形成方法が提供される。
ここで、加熱により接着性が低下する接着層を介して基材フィルム上に前記金属薄膜が形成された転写フィルムを用い、前記パターン層と前記金属薄膜とを接触させ、前記絶縁基板側から光を照射して前記パターン層を加熱し溶融させると同時に、前記接着層を加熱して接着性を低下させ、前記金属薄膜を前記パターン層に転写するのが好ましい。
そして、転写した前記金属薄膜を前記パターン層に固着させた後、前記基材フィルムを前記絶縁基板から剥離するのが好ましい。
また、前記パターン層の幅が太い程、前記熱可塑性粒子の付着量を多くするのが好ましい。
光エネルギーの吸収スペクトルが異なる複数種の熱可塑性粒子を用いて、前記パターン層を形成してもよい。
前記金属薄膜の、前記パターン層と接触する面の表面粗さRzを0.9μm以上とするのが好ましい。
少なくとも一部が光を透過する回転体で前記パターン層と前記金属薄膜とを圧接し、前記回転体を通して前記光照射手段から前記パターン層に光を照射して前記パターン層を加熱するようにしてもよい。
前記光照射手段によって前記パターン層を加熱する前に、温度調整手段によって前記パターン層を予備加熱するようにしてもよい。
熱伝導率の高い材料からなる冷却手段を、前記絶縁基板、前記金属薄膜及び前記転写フィルムの少なくとも一つに接触させて前記パターン層を冷却するようにしてもよい。
前記光照射手段は、発光時と無発光時が連続的に切り替わるパルス光を発生させるものであるのが好ましい。
本発明の導電パターンの形成方法では、電子写真法を用いてパターン層を形成するので装置の大型化を招くことがなく、バリアブル・オンデマンド性にも優れる。また、熱可塑性粒子の付着面積による加熱温度差を利用して、飛び散り等の熱可塑性粒子の微小面積部分の粘着性を低くし金属薄膜が接着しないようにしたので、高解像度の導電パターンを形成できる。
本発明に係る導電パターンの形成方法を連続的に実施可能な装置の一例を示す概説図である。 熱可塑性粒子の温度と粘度の関係を示す図である。 一定の光を照射した際の、パターン層の面積と温度との関係を示す図である。 転写フィルムを用いた場合の、光照射による接着層の接着変化を示す図である。 キセノンフラッシュランプの照射時間と放電電流との関係を示す図である。 本発明に係る導電パターンの形成方法を連続的に実施可能な装置の他の例を示す概説図である。 図6の装置で形成したパターン層の一例を示す斜視図である。 本発明に係る導電パターンの形成方法を連続的に実施可能な装置の他の例を示す概説図である。 本発明に係る導電パターンの形成方法を連続的に実施可能な装置の他の例を示す概説図である。 本発明に係る導電パターンの形成方法を連続的に実施可能な装置の他の例を示す概説図である。 本発明に係る導電パターンの形成方法を連続的に実施可能な装置の他の例を示す概説図である。
以下、本発明に係る導電パターンの形成方法について図に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
図1に、本発明に係る導電パターンの形成方法を連続的に実施可能な装置の概説図を示す。図1に示す装置は、電子写真法によってパターン層を作製する作像ユニット1を備える。作像ユニット1は、反時計回りに回転駆動する感光体(粒子担持体)Dの周囲に、感光体Dの表面を一様に帯電させる帯電装置2と、感光体D表面に光を照射して、所定パターンの静電潜像を形成する露光装置3と、帯電した熱可塑性粒子Pを感光体Dに供給し感光体D上の静電潜像を現像して所定パターンを形成する現像装置4と、現像装置4によって形成された感光体D上の所定パターンを基板Bに転写する転写ローラ5と、基板Bに転写されずに感光体D上に残留した粒子を除去するクリーニング装置6とを備える。
帯電装置2は、スコロトロン方式の帯電装置であって、放電電極に数kVの電圧が印加されるとコロナ放電が発生し、これにより感光体Dの表面が一様に帯電される。なお、帯電装置2の種類は特に限定されるものでなく、ローラ方式の帯電部材、ブレード状の帯電部材、ブラシ状の帯電部材等を用いてももちろん構わない。
露光装置3は、帯電装置2によって一様に帯電された感光体Dの表面に、例えばパソコンなどの外部装置から入力されるパターン画像データに基づいて、選択的に光を照射して露光を行い、感光体Dの表面に所定パターンの静電潜像を形成する。露光装置の光源としては、オンオフ可能なレーザーやLEDなどを用いることができる。露光走査手段としては、直線性の高い単一光源からの光をポリゴンミラーで主走査方向に走査する方法や、複数の光源を主走査方向に配置し、それぞれの光源をSLA(セルフォック(登録商標)レンズアレイ)で感光体表面に集光する方法などが挙げられる。
現像装置4は、感光体Dに対向し回転可能に設けられた現像ローラ42を備える。不図示のハウジング内には、熱可塑性粒子Pと、熱可塑性粒子Pと帯電列の異なる半導電性粒子(以下「キャリア粒子」と記す(不図示))とからなる現像剤が収容されており、現像ローラに現像剤を供給している。熱可塑性粒子Pとキャリア粒子とを混合撹拌することによって熱可塑性粒子Pが帯電する。
本発明で使用する熱可塑性粒子Pは、例えば、次のようにして作製される。数平均分子量(Mn)が6000、重量平均分子量(Mw)が200000のポリエステル樹脂に赤外吸収剤を1重量%添加し、混練・粉砕・分級をして、平均粒径7μmの粒子を作製する。次いで、この粒子と粒径60nmの疎水性コロイダルシリカ1%とをヘンシェルミキサーで混合し熱可塑性粒子Pとする。
熱可塑性粒子Pの帯電量に特に限定はないが、通常、絶対値で10μC/g〜50μC/gの範囲が好ましい。より好ましくは、電解応答性の観点から絶対値で30μC/g程度である。熱可塑性粒子Pの帯電量は、例えば、熱可塑性粒子Pとキャリア粒子との混合比率を変えることによって制御できる。
使用するキャリア粒子としては、円形度が0.9以上の磁性を有する粒子であるのが好ましい。キャリア粒子が磁性を有すると、磁力を利用した粒子搬送が可能となる。キャリア粒子の平均粒径は10μm〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは、帯電性及び磁力の観点から30μm程度である。また、キャリア粒子の磁気特性としては、例えば、1kエルステッドの磁場における飽和磁化が3000ガウス程度であるのが好ましい。このようなキャリア粒子としては、例えば、フェライト粒子を芯材として表面に厚さ1μm程度の樹脂被膜を形成したコーティングキャリアが推奨される。
現像ローラ42は、回転可能の非磁性のスリーブと、スリーブに内蔵・固定された磁石とを備える。スリーブが回転することによって、磁性を有するキャリア粒子と、キャリア粒子に付着した熱可塑性粒子Pとが感光体Dとの対向部(現像部)に搬送される。現像部への現像剤の搬送量は、現像部よりも感光体回転方向上流側に、現像ローラ42の表面との間に所定隙間が形成されるように規制部材を設けて制御するようにしてもよい。
熱可塑性粒子Pによる、感光体D上の静電潜像の現像は、現像ローラ42に現像バイアス電圧を印加することにより行われる。すなわち、現像ローラ42に現像バイアス電圧を印加すると、現像ローラ42に印加される電圧と感光体Dの静電潜像との間に電位差が生じ、この電位差に基づいて熱可塑性粒子Pが感光体Dに移動し、感光体D上の静電潜像が熱可塑性粒子Pによって可視像化(パターン)される。
現像バイアス電圧としては、静電潜像との電位差が100V〜1000V程度できるように設定するのが好ましい。なお、所望の現像量を得るため及びリークなどの不具合を発生させないようにするために、現像バイアス電圧はバイアス調整機構によって適宜調整可能としておくのが望ましい。また、現像バイアス電圧に交流電圧(サイン波、矩形波、三角波及びそれらの組み合わせ)を重畳させてもよい。これにより、高精細な現像が可能となる。
なお、キャリア粒子を用いることなく熱可塑性粒子Pを帯電させ、静電潜像を現像することも可能である。例えば、現像ローラ42として表面に弾性層が形成されたものを用い、熱可塑性粒子Pを規制部材に接触させることによって摩擦帯電させる。そして、キャリア粒子を用いた場合と同様に、現像ローラ42に現像バイアス電圧を印加し、現像バイアス電圧と静電潜像との間の電位差によって熱可塑性粒子Pを感光体Dに移動させ、感光体D上の静電潜像を熱可塑性粒子Pで現像する。
転写ローラ5は、転写ローラ5に連結された駆動モータ(不図示)によって回転可能に設けられるとともに付勢部材(不図示)によって感光体Dに基板Bを介して圧接している。また転写ローラ5には、不図示の電圧印加手段によって、熱可塑性粒子Pの帯電極性と逆極性の電圧が印加される。感光体Dと転写ローラ5との間を基板Bが通過する際に、転写ローラ5に前記電圧が印加され、感光体Dに形成された熱可塑性粒子Pによるパターンが基板Bに転写する。
転写電圧としては100V〜1000Vの範囲が好ましく、良好な転写状体を維持できるように適宜調整可能としておくのが望ましい。転写電圧は、電流量が一定となるように制御(定電流制御)するのが好ましい。
クリーニング装置6は、感光体Dに圧接するクリーニングブレードであって、感光体D表面に残留する未転写の熱可塑性粒子Pを感光体Dから除去する。
基板Bは、例えば、巻き出し部から巻き出され、感光体Dと転写ローラ5とのニップ部に連続供給される。前述の通り、感光体Dと転写ローラ5とのニップ部において感光体Dから基板Bに熱可塑性粒子Pのパターンが転写される。熱可塑性粒子Pは、静電的な付着力によって基板Bにしっかりと固定されている。
本発明で使用する基板Bは、前述のように、熱可塑性粒子Pのパターンが電位差によって感光体Dから基板Bに転写されるため、絶縁性(高抵抗)を有するシートであるのが望ましい。また、後述するようにフラッシュランプ(光照射手段)91で熱可塑性粒子Pを加熱するので、基板Bは単位面積当たりの発熱量が熱可塑性粒子Pよりも小さく、透光性を有する必要がある。
以上の工程によって、基板Bの表面に所定のパターン層が形成される。図1に示す実施形態では、次工程の、金属薄膜をパターン層に転写する工程に基板Bは連続的に搬送されているが、所定パターン層が表面に形成された基板Bを一旦巻き取る、あるいは所定形状に分断するようにしても構わない。
次いで、基板Bに形成されたパターン層10と金属薄膜82(図4に図示)とを接触させ、圧接ローラ71によってパターン層10と金属薄膜82とを適度な圧力で圧接させた状態とし、光照射手段91によって基板B側から光を照射する。すると、パターン層10を構成する熱可塑性粒子Pが光エネルギー(特に赤外領域)を吸収し発熱する。
図2に、熱可塑性粒子Pの温度と粘度の関係を示す。熱可塑性粒子Pの粘度は、温度の上昇と共に低下する。なお、熱可塑性粒子Pによる金属薄膜82との粘着力は、溶融温度まで加熱した後、十分に冷却した時の粘着力と定義する。熱可塑性粒子Pの金属薄膜82との粘着力を強くするには、熱可塑性粒子Pの粘度が十分に低下するまで加熱した後冷却する必要がある。ここで、金属薄膜82をパターン層10に転写するのに必要な粘着力を発現できる熱可塑性粒子Pの最大粘度を必要最大粘度と定義し、その時の温度を必要最低温度と定義する。
図3に、パターン層10の面積と温度との関係を示す。パターン層10に照射される光エネルギーが等しい場合、パターン層10の面積が大きいほどパターン層10の温度は高くなる。これは次のような作用による。
パターン層10の温度は、光照射手段91によってパターン層10に与えられる熱量と、光照射中のパターン層10から放熱される熱量との差によって定まる。パターン層10の厚さが一定の場合、パターン層10に与えられる面積当たりの熱量は一定となる。一方、放熱量は、パターン層10の表面積と、パターン層10が接している基板Bとの温度差とで決定される。
ここで、サーマルヘッドでパターン層10を加熱した場合、パターン層10と同時に基板Bも加熱されるため、パターン層10とパターン層10が接している基板Bとの温度差は小さく放熱量は少ない。一方、光エネルギーによってパターン層10を加熱した場合、金属薄膜82は熱可塑性粒子Pに比べ光エネルギーを吸収しにくい性質を持ち、且つ、基板Bは光照射手段91からの光エネルギー(特に赤外領域)を透過し、単位面積当たりの発熱量が熱可塑性粒子Pに比べて小さい材料で構成されているので、基板Bは加熱されずパターン層10のみが選択的に加熱される。このため、パターン層10とパターン層10が接している基板Bとの温度差が大きくなって放熱量は多くなる。特に、熱可塑性粒子Pの飛び散り部分などの面積が小さい部分は、基板Bと接している面積が小さく基板Bの温度は上昇しにくく温度差が大きくなる。このためパターン層10の面積が小さいほど放熱量が増加し、温度が上昇しにくくなる。
このような作用によって、図3に示すように、光エネルギーによってパターン層10を加熱する場合、面積の大きい導電パターン部分は、金属薄膜82をパターン層10に転写するのに必要な粘着力を発現できる必要最低温度以上に加熱される一方、パターン層10の飛び散り部分は面積が小さいため必要最低温度まで温度上昇せず、飛び散り部分に金属薄膜は転写されない。これにより、導電パターン部分にのみ金属薄膜82を転写することができる。
本発明で使用する金属薄膜82としては、銅、銀、金、ニッケル、クロム、スズ、インジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、白金、アルミニウムなどが挙げられる。金属薄膜82の厚さは、最終的に要求される導電パターンの抵抗値、パターン幅との兼ね合い等から適宜決定すればよいが、通常、1nm〜10μmの範囲が好ましく、剥離性等を考慮すれば、50nm〜5μmの範囲がより好ましい。また、金属薄膜82のパターン層10との接着性を向上させる観点からは、金属薄膜82の、パターン層10と接触する面の表面粗さRzを0.9μm以上とするのが好ましい。
基板B上に形成されたパターン層10に金属薄膜82を連続して供給し接触させるには、図1に示すように、基材フィルム上に金属薄膜を積層した転写フィルム8を用いるのが好ましい。図4に、転写フィルム8のより好ましい形態を示す。
この図に示す転写フィルム8は、基材フィルム81の一方面側に接着層83を介して金属薄膜82が積層されている。そして、この接着層83は、加熱により接着性が低下する特性を有するものである。このような接着層83の材質としては、ビスアゾ系ポリエステル樹脂とサリチル酸とからなるクロム含金染料が例示される。もちろん、接着層83の材料はこれに限定されるものではなく、熱硬化樹脂や、高温で低粘度化するワックス等を用いることもできる。基材フィルム81としては、例えば、ポリプロピレンフィルムやポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルムが好適に使用される。
図4に示すように、パターン層10と転写フィルム8の金属薄膜82とを接触させた後、基板B側から光を照射する(図4(a))。すると、パターン層10が加熱され、金属薄膜82を通して、接着層83のパターン層10と対向する部分に熱が伝わり、当該部分の接着性が低下する(同図(b))。これにより、金属薄膜82の、パターン層10と接触している部分だけがパターン層10に転写される(同図(c))。金属薄膜82をパターン層10に選択的に転写するには、パターン層10の粘着力の大きさは勿論であるが、接着層83による金属薄膜82と基板Bとの接着力も大きく影響する。したがって、転写フィルム8を図4に示す構成とすることによって、金属薄膜82が厚い場合やパターン層10の解像度が高い場合であっても、金属薄膜82をパターン層10に確実に転写できるようになる。
基材フィルム81に金属薄膜82を積層した転写フィルム8を用いた場合(実施例1)と、基材フィルム81に接着剤層83を介して金属薄膜82を積層した転写フィルムを用いた場合(実施例2)との、パターン層10への転写性を調査した。表1に調査結果を示す。
表1から明らかなように、実施例1の転写フィルムでは、厚さ10μmの金属薄膜までパターン層に転写させることができ、実施例2の転写フィルムでは、厚さ50μmの金属薄膜までパターン層に転写させることができた。
本発明で使用する光照射手段91としては、例えば、フラッシュランプやハロゲンヒーターなどが挙げられる。これらの中でも、光変換効率が高いことから、キセノンフラッシュランプが好適に使用される。キセノンフラッシュランプの発光エネルギーは、フラッシュ光の放電電流波形の積分値である。図5に、キセノンフラッシュランプの照射時間と、放電電流の関係を示す。過剰な放電電流を与えるとパターン層10が昇華して、ボイドと呼ばれる隙間が発生するので、放電電流のピーク値はパターン層10が昇華しない上限付近に制限するのが望ましい。また、同一の発光エネルギーの場合、照射時間が短すぎると急激な加熱となって、パターン層10の表面と内部の温度差が大きくなり、熱応力によってパターン層10が破壊されボイドが発生する。一方、照射時間が長すぎるとピークエネルギーが不足すると同時に熱拡散の距離が長くなるためにパターン層10の溶融が不十分となり粘着性が悪くなるので、照射時間はパターン層10の材質等を考慮し適宜決定する必要がある。
パターン層10を加熱した後、冷却することによって金属薄膜82がパターン層10に接着し転写される。したがって、冷却によってパターン層10の粘度をどこまで高くするかは重要である。最適な冷却条件は、使用する金属薄膜82やパターン層10の材質などから適宜決定されるが、通常、パターン層10の粘着力が十分に大きくなったところで金属薄膜82を転写させるのが好ましい。冷却温度としては、例えば、温度60℃以下が好ましい。冷却方法に特に限定はなく、自然放冷や風冷など従来公知の方法を用いることができる。
本発明者等は、図2の実施例1として示される粘度特性を有する熱可塑性粒子から構成されたパターン層10を、キセノンフラッシュランプを用いて温度140℃、150℃、160℃、180℃、200℃にそれぞれ加熱した後、冷却して金属薄膜82のパターン層10への転写性を調査した。その結果、加熱温度が180℃及び200℃の場合は、金属薄膜82がパターン層10に転写された。一方、加熱温度が140℃、150℃の場合は、パターン層10に金属薄膜82が部分的にしか転写されず、所望の導電パターンを形成することができなかった。これは、パターン層10を構成する熱可塑性粒子(図2の実施例1)の必要最低温度が160℃であり、この温度以上でないと金属薄膜の接着に必要な溶融粘度が得られなかったためである。
図2の実施例3として示される粘度特性を有する熱可塑性粒子(Mn:20000、Mw:2000000のスチレンアクリル系樹脂)を用いてパターン層10を形成し、前記と同様にして、キセノンフラッシュランプを用いて温度140℃、150℃、160℃、180℃、200℃にそれぞれ加熱した後、冷却して金属薄膜82のパターン層10への転写性を調査した。その結果、加熱温度が200℃の場合は、金属薄膜82がパターン層10に転写された。一方、加熱温度が180℃以下の場合は、パターン層10に金属薄膜82が部分的にしか転写されず、所望の導電パターンを形成することができなかった。これは、パターン層10を構成する熱可塑性粒子の必要最低温度が190℃であり、この温度以上でないと金属薄膜82の接着に必要な溶融粘度が得られなかったためである。
図6に、本発明に係る導電パターンの形成方法の他の実施形態を示す。この図に示す導電パターンの形成方法が、図1に示した導電パターンの形成方法と異なる点は、パターン層を形成する作像ユニット1a,1bを2つ並置した点にある。すなわち、回転自在の無端状の中間転写ベルト(粒子担持体)14を用いると共に、中間転写ベルト14の回転方向に作像ユニット1a,1bを並んで配置している。作像ユニット1a,1bの構成は図1に示したものと同一であるので、ここでは説明を省略する。
2つの作像ユニット1a,1bを並置することにより、パターン層10における、熱可塑性粒子Pの付着量を部分的に変化させることが容易になる。パターン層10における熱可塑性粒子Pの付着量を調整することによって、パターン層10の加熱温度を調整できる。その機構は次の通りである。
前述のように、面積の小さい導電パターン部分は、光照射手段91による光照射では温度が上昇しにくい。一方、面積の大きい導電パターン部分も、熱可塑性粒子Pが積層されていると、光エネルギーの多くはパターン層10の表層で吸収されるので、単位パターン層当たりの発熱が小さくなり、同様に温度が上昇しにくくなる。通常、熱可塑性粒子が1〜1.5層程度積層されているときが温度が最も上昇し易い。そこで、例えば図7に示すように、面積の小さい(細い)導電パターン部分は熱可塑性粒子Pを1層とし、面積の大きな導電パターン部分は熱可塑性粒子Pを3層にすると、パターン層10の形状(太さなど)による加熱温度差を小さくすることができる。これにより、冷却後のパターン層10と金属薄膜82との粘着力をパターン層10の形状によらず一定にでき、より確実に金属薄膜82をパターン層10に転写できるようになる。
図8に、本発明に係る導電パターンの形成方法の他の実施形態を示す。この図に示す導電パターンの形成方法が、図6に示した導電パターンの形成方法と異なる点は、2つの作像ユニット1a,1bにおいて使用する熱可塑性粒子が異なっている点である。例えば、吸収スペクトルパターンの異なる2種類の熱可塑性粒子P1,P2を用いて、パターン層10の形状に対応して、パターン層10を形成する熱可塑性粒子を変える。具体的には、面積の小さい(細い)導電パターン部分は吸収スペクトルパターンの広い熱可塑性粒子P1を用いる一方、面積の大きな導電パターン部分は吸収スペクトルパターンの狭い熱可塑性粒子P2を用いる。このようにパターン層10の形状によってパターン層10を形成する熱可塑性粒子を変えることで、パターン層10の形状(太さなど)による加熱温度差を小さくすることができ、冷却後のパターン層10と金属薄膜82との粘着力をパターン層10の形状によらず一定にでき、より確実に金属薄膜82をパターン層10に転写できるようになる。
図9に、本発明に係る導電パターンの形成方法のさらに他の実施形態を示す。この図に示す導電パターンの形成方法では、圧接ローラ71と基板Bを挟んで対向する位置に、光照射手段を内蔵した加熱ローラ(回転体)92を設け、圧接ローラ71と加熱ローラ92とで基板Bと転写フィルム8とを加圧及び加熱する。なお、加熱ローラ92は、内蔵された光照射手段からパターン層10に光照射できるように、透光性を有する材料で構成されている。加熱ローラ92に換えて、光照射手段を内蔵した加熱ベルトを用いてももちろん構わない。
図10に、本発明に係る導電パターンの形成方法のさらに他の実施形態を示す。この図に示す導電パターンの形成方法では、金属薄膜82をパターン層10に転写させる前に、温度調整手段93によってパターン層10を予め所定温度に調整し、転写工程においてパターン層10が均一に加熱されるようにする。なお、温度調整手段93としては加熱手段及び冷却手段の少なくとも一方を用いればよい。
図11に、本発明に係る導電パターンの形成方法の他の実施形態を示す。この図に示す導電パターンの形成方法では、金属薄膜82をパターン層10に転写させた後に、熱伝導率の高い材料からなる冷却ローラ対(冷却手段)94で基板Bと転写フィルム8とを挟み込み、パターン層10を迅速に冷却する。また、送風による冷却方法等と組み合わせることによってさらに冷却効率を高めることもできる。
本発明の導電パターンの形成方法によれば、装置の大型化を招くことなく導電パターンをバリアブル・オンデマンドで形成できる。しかも熱可塑性粒子の付着面積による加熱温度差を利用して、飛び散り等の熱可塑性粒子の微小面積部分の粘着性を低くし、金属薄膜が接着しないようにしたので、高解像度の導電パターンも形成でき有用である。
1 作像ユニット
2 帯電装置
3 露光装置
4 現像装置
5 転写ローラ
8 転写フィルム
B 基板
D 感光体(粒子担持体)
P 熱可塑性粒子
51 中間転写ベルト(粒子担持体)
81 基材フィルム
82 金属薄膜
83 接着層
91 光照射手段
92 加熱ローラ(回転体)
93 温度調整手段
94 冷却ローラ対(冷却手段)

Claims (10)

  1. 電子写真法を用いて、光エネルギーを吸収して発熱する材料で構成された熱可塑性粒子で、単位面積当たりの発熱量が前記熱可塑性粒子よりも小さく透光性を有する絶縁基板上にパターン層を形成する工程と、
    形成されたパターン層と金属薄膜とを接触させ、光照射手段によって前記絶縁基板側から光を照射して前記パターン層を加熱し溶融させて前記金属薄膜を前記パターン層に転写する工程と、
    前記パターン層を冷却して固化し、転写した前記金属薄膜を前記パターン層に固着させる工程とを有することを特徴とする導電パターンの形成方法。
  2. 加熱により接着性が低下する接着層を介して基材フィルム上に前記金属薄膜が形成された転写フィルムを用い、前記パターン層と前記金属薄膜とを接触させ、前記絶縁基板側から光を照射して前記パターン層を加熱し溶融させると同時に、前記接着層を加熱して接着性を低下させ、前記金属薄膜を前記パターン層に転写する請求項1記載の導電パターンの形成方法。
  3. 転写した前記金属薄膜を前記パターン層に固着させた後、前記基材フィルムを前記絶縁基板から剥離する請求項2記載の導電パターンの形成方法。
  4. 前記パターン層の幅が太い程、前記熱可塑性粒子の付着量を多くする請求項1〜3のいずれかに記載の導電パターンの形成方法。
  5. 光エネルギーの吸収スペクトルが異なる複数種の熱可塑性粒子を用いて、前記パターン層を形成する請求項1〜4のいずれかに記載の導電パターンの形成方法。
  6. 前記金属薄膜の、前記パターン層と接触する面の表面粗さRzを0.9μm以上とする請求項1〜5のいずれかに記載の導電パターンの形成方法。
  7. 少なくとも一部が光を透過する回転体で前記パターン層と前記金属薄膜とを圧接し、前記回転体を通して前記光照射手段から前記パターン層に光を照射して前記パターン層を加熱する請求項1〜6のいずれかに記載の導電パターンの形成方法。
  8. 前記光照射手段によって前記パターン層を加熱する前に、温度調整手段によって前記パターン層を予備加熱する請求項1〜7のいずれかに記載の導電パターンの形成方法。
  9. 熱伝導率の高い材料からなる冷却手段を、前記絶縁基板、前記金属薄膜及び前記転写フィルムの少なくとも一つに接触させて前記パターン層を冷却する請求項1〜8のいずれかに記載の導電パターンの形成方法。
  10. 前記光照射手段が、発光時と無発光時が連続的に切り替わるパルス光を発生させるものである請求項1〜9のいずれかに記載の導電パターンの形成方法。
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