JP2015120289A - 記録媒体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材の一方の面に第1の樹脂層と多孔質下引き層と第1のインク受容層とをこの順に有し、かつ、基材の他方の面に第2の樹脂層と第2のインク受容層とをこの順に有する記録媒体であって、第1の樹脂層の第1のインク受容層に近い方の面、及び第2の樹脂層の第2のインク受容層に近い方の面の60度鏡面光沢度が65%以上であり、多孔質下引き層の膜厚が3μm以下であることを特徴とする記録媒体。
【選択図】なし
Description
基材の一方の面に第1の樹脂層と多孔質下引き層と第1のインク受容層とをこの順に有し、かつ、基材の他方の面に第2の樹脂層と第2のインク受容層とをこの順に有する記録媒体であって、
前記第1の樹脂層の第1のインク受容層に近い方の面、及び前記第2の樹脂層の第2のインク受容層に近い方の面の60度鏡面光沢度が、65%以上であり、
前記多孔質下引き層の膜厚が3μm以下であることを特徴とする記録媒体に関する。
基材の一方の面に60度鏡面光沢度が65%以上の第1の樹脂層を形成し、基材の他方の面に60度鏡面光沢度が65%以上の第2の樹脂層を形成する工程と、
前記第1の樹脂層上に、膜厚が3μm以下の多孔質下引き層を形成する工程と、
前記第1および第2の樹脂層、ならびに多孔質下引き層を設けた基材を、ロール状に巻き取る工程と、
ロール状に巻き取った後の前記基材の多孔質下引き層上に第1のインク受容層を形成し、前記基材の第2の樹脂層上に第2のインク受容層を形成する工程と、
を有する記録媒体の製造方法に関する。
本実施形態の記録媒体は、基材の一方の面に、第1の樹脂層と多孔質下引き層と第1のインク受容層とをこの順に有し、かつ、基材の他方の面に第2の樹脂層と第2のインク受容層とをこの順に有する。第1の樹脂層の第1のインク受容層に近い方の面、及び第2の樹脂層の第2のインク受容層に近い方の面の60度鏡面光沢度が、65%以上であり、多孔質下引き層の膜厚は3μm以下となっている。
基材の具体例としては、基紙である。 基紙の種類に特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば、写真用基材に用いられているような平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては、天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。この原紙には、一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤を配合することができる。さらに、基紙の表面に、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が塗工されていても良い。
第1の樹脂層の第1のインク受容層に近い方の面、及び第2の樹脂層の第2のインク受容層に近い方の面の60度鏡面光沢度は、65%以上である。60度鏡面光沢度を65%以上とすることで、優れた光沢性のある記録媒体とすることができる。これらの面の60度鏡面光沢度は70%以上が好ましく、より好ましくは80%以上である。なお、60度鏡面光沢度は、JIS Z 8741に基づいて測定することができる。
本実施形態の記録媒体は少なくとも、基材の一方の面上の第1の樹脂層と、第1のインク受容層の間に多孔質下引き層を有する。すなわち、多孔質下引き層は、その互いに対向する面のうち、一方の面が第1の樹脂層に接し、他方の面が第1のインク受容層に接する。
基材上に多孔質下引き層を設けることで、微細な凹凸と空隙が形成される。これにより、巻き取り工程において巻き込まれる製造途中の記録媒体の表面と裏面の間の空気の抜けを良くし、また、表面と裏面の間の摩擦係数を下げることができ、巻き取り時の巻形状を良好に保つことができる。この結果、巻き取り性を良好なものとすることができる。また、多孔質下引き層の膜厚は3μm以下となっている。多孔質下引き層の膜厚が3μmを超えると、多孔質下引き層上に第1のインク受容層を塗布して形成する際、多孔質下引き層中に含まれる空気と、第1のインク受容層の塗工液の気液交換が起きる。従って、気泡の量が多いと気泡が発生し、第1のインク受容層の塗布面の欠陥が生じる場合があるため、好ましくない。
0.7Vc<Vs<1.3Vc (1)
上記式(1)を満たすことで、多孔質下引き層と第1のインク受容層の空隙を含んだ平均屈折率が近くなり、より効果的に光学的同一とすることができる。多孔質下引き層の細孔容積は、0.3ml/g以上1.5ml/g以下が好ましい。
多孔質下引き層中に用いる無機粒子としては、後述する第1および第2のインク受容層に用いるものと同様のものを挙げる事ができる。なお、多孔質下引き層に用いる無機粒子は、第1および第2のインク受容層に用いる無機粒子と異なっていても良い。しかし、多孔質下引き層に、第1および第2のインク受容層と同種の無機粒子を用いることが好ましい。これにより、多孔質下引き層上に第1のインク受容層を設けた場合に第1のインク受容層と多孔質下引き層の界面が不明瞭となり、多孔質下引き層表面の散乱が抑えられて良好な光沢感を得やすくなる。
多孔質下引き層は更に、平均二次粒子径が0.5μm以上の粒子を0.1質量%以上10質量%以下、含むことが好ましい。平均二次粒子径が0.5μm以上の粒子としては上記の無機粒子を用いることができ、湿式シリカが好ましい。また、これ以外にも、平均二次粒子径が0.5μm以上の粒子として、有機樹脂粒子等も用いることができる。平均二次粒子径は、0.5μm以上、5μm以下であることが好ましい。0.5μm以上であれば、多孔質下引き層表面の凹凸形成を促進して巻き取り工程における製造途中の記録媒体の表面と裏面の間の空気の抜けを更に良好なものとできる。5μm以下であれば、多孔質下引き層の層厚(3μm以下)との関係で、粒子が多孔質下引き層から剥落せず、多孔質下引き層内に担持される。なお、上記の平均二次粒子径は、コールター原理に基づく細孔内電気抵抗法で測定された球相当粒子直径を表す。平均二次粒子径は例えば、マルチサイザー3(ベックマンコールター社製)を用いて測定することができる。
多孔質下引き層に用いるバインダーとしては、後述する第1および第2のインク受容層用のバインダーと同様なものを使用できる。なお、多孔質下引き層用のバインダーは、第1および第2のインク受容層用のバインダーと異なるものであっても良い。しかし、無機粒子に関して上述したのと同様に、多孔質下引き層に、第1および第2のインク受容層と同種のバインダーを用いることが好ましい。これにより、多孔質下引き層上に第1のインク受容層を設けた場合に第1のインク受容層と多孔質下引き層の界面が不明瞭となり、多孔質下引き層表面の散乱が抑えられて良好な光沢感を得やすくなる。
第1および第2のインク受容層はそれぞれ、インク吸収性の観点から、空隙を有する多孔質型のインク受容層が好ましい。この場合、第1および第2のインク受容層の細孔容積は、0.3ml/g以上1.5ml/g以下が好ましい。細孔容積が0.3ml/g以上であることによりインク吸収性が向上し、1.5ml/g以下であることにより、インク受容層の機械的強度を高くしてキズ等をつきにくくすることができる。多孔質型のインク受容層の形成材料としては、無機粒子とバインダー等を含むことができる。以下では、第1および第2のインク受容層の材料(D)〜(G)について説明する。
無機粒子としては、アルミナ、アルミナ水和物、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、水酸化マグネシウム等を挙げることができる。印字濃度、発色性、及び光沢性の点で、アルミナ、アルミナ水和物、合成非晶質シリカ、特に気相法シリカを好適に用いることができる。
バインダーとしては、無機粒子を結着し、被膜を形成する能力のある材料であって、かつ、本発明の効果を損なわないものが好ましい。バインダーとして例えば、以下のものを挙げることができる。
酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体。
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体。
カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白およびポリビニルアルコール、ならびにその誘導体。
ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役重合体ラテックス。
アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体等のアクリル系重合体ラテックス。
エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス。
上記の各種バインダーのカルボキシル基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス。
カチオン基を用いて上記の各種バインダーをカチオン化したもの、カチオン性界面活性剤を用いて上記の各種バインダーの表面をカチオン化したもの。
カチオン性ポリビニルアルコール下で上記の各種バインダーを重合し、重合体の表面にポリビニルアルコールを分布させたもの。
カチオン性コロイド粒子の懸濁分散液中で上記の各種バインダーの重合を行い、重合体の表面にカチオン性コロイド粒子を分布させたもの。
メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性合成樹脂等の水性バインダー。
ポリメチルメタクリレート等のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの重合体および共重合体樹脂。
ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系バインダー。
これらのバインダーは、単独で、又は複数種を混合して用いることができる。
第1および第2のインク受容層は、バインダーを架橋しうる架橋剤を含み、架橋硬化した状態であることが好ましい。架橋剤を含むことにより、インク吸収時にバインダーが膨潤し細孔が埋まることを防止して、良好なインク吸収性を有することができる。架橋剤としては、ホウ酸、ホウ酸塩、水溶性ジルコニム化合物等を挙げることができる。これらの中でも、ホウ酸およびホウ酸塩が好ましい。これらの架橋剤以外にも、グリオキサール等のアルデヒド類など、各種の架橋剤を用いることができる。
第1および第2のインク受容層中には、必要に応じて各種の添加剤を含有しても良い。例えば、各種カチオン性樹脂等の定着剤、多価金属塩等の凝集剤、界面活性剤、蛍光増白剤、増粘剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、浸透剤、滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、防腐剤、pH調節剤等が挙げられる。
本実施形態の記録媒体の製造方法では、基材の一方の面に60度鏡面光沢度が65%以上の第1の樹脂層を形成し、基材の他方の面に60度鏡面光沢度が65%以上の第2の樹脂層を形成する。この後、あるいは、第2の樹脂層を形成する前に、第1の樹脂層上に、膜厚が3μm以下の多孔質下引き層を形成する。次に、第1および第2の樹脂層、ならびに多孔質下引き層を設けた基材を、ロール状に巻き取る。次いで、ロール状に巻き取った後の基材の多孔質下引き層上に第1のインク受容層を形成し、基材の第2の樹脂層上に第2のインク受容層を形成する。これにより、記録媒体を製造する。
下記条件にて基材Aを作製した。まず、下記組成の紙料を固形分濃度が3.0%となるように水で調製した。
・パルプ 100部
(濾水度450mlCSF(Canadian Standard Freeness)の、広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)(80部)、及び濾水度480mlCSFの、針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)(20部))
・カチオン化澱粉 0.60部
・重質炭酸カルシウム 10部
・軽質炭酸カルシウム 15部
・アルキルケテンダイマー 0.10部
・カチオン性ポリアクリルアミド 0.030部。
イオン交換水333部に対して、解膠酸として、メタンスルホン酸1.5部を添加した。このメタンスルホン酸水溶液を、ホモミキサー(商品名:T.K.ホモミクサーMARKII2.5型、特殊機化工業社製)で3000rpmの回転条件で攪拌した。この攪拌を続けながら、メタンスルホン酸水溶液に、アルミナ水和物(DISPERAL HP14、サソール製)100部を少量ずつ添加した。アルミナ水和物の添加終了後もそのまま30分間、水溶液を攪拌し、固形分濃度23%のアルミナ水和物分散液1を調製した。
イオン交換水333部に対して、解膠酸として、メタンスルホン酸2.5部を添加した。このメタンスルホン酸水溶液を、ホモミキサー(商品名:T.K.ホモミクサーMARKII2.5型、特殊機化工業製)で3000rpmの回転条件で攪拌した。この攪拌を続けながら、メタンスルホン酸水溶液に、アルミナ水和物(DISPERAL HP10、サソール製)100部を少量ずつ添加した。アルミナ水和物の添加終了後もそのまま30分間、水溶液を攪拌し、固形分濃度23%のアルミナ水和物分散液2を調製した。
イオン交換水333部に対して、解膠酸として、メタンスルホン酸0.7部を添加した。このメタンスルホン酸水溶液をホモミキサー(商品名:T.K.ホモミクサーMARKII2.5型、特殊機化工業製)で3000rpmの回転条件で攪拌した。この攪拌を続けながら、メタンスルホン酸水溶液に、アルミナ水和物(DISPERAL HP22、サソール製)100部を少量ずつ添加した。アルミナ水和物の添加終了後もそのまま30分間、水溶液を攪拌し、固形分濃度23%のアルミナ水和物分散液3を調製した。
イオン交換水415部に対して、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドのポリマー(商品名:シャロールDC902P、固形分50%、第一工業製薬製)10部を添加した。この水溶液をホモミキサー(商品名:CREARMIX、Mテクニック製)で10000rpmの回転数で攪拌した。この攪拌を続けながら、水溶液に気相法シリカ(AEROSIL300、EVONIC製)100部を少量ずつ添加した。気相法シリカの添加終了後もそのまま60分間、水溶液を攪拌し、固形分濃度20%の気相法シリカ分散液を調製した。
イオン交換水667部に対して、ホモミキサー(商品名:T.K.ホモミクサーMARKII2.5型、特殊機化工業製)で3000rpmの回転条件で攪拌した。この攪拌を続けながら、水溶液に湿式シリカ(ファインシールX−37、平均二次粒子径2.6μm、トクヤマ製)100部を少量ずつ添加した。湿式シリカの添加終了後もそのまま30分間、水溶液を攪拌し、固形分濃度15%の湿式シリカ分散液1を調製した。この湿式シリカが、特許請求の範囲に記載の「平均二次粒子径が0.5μm以上の粒子」に相当する。
イオン交換水667部に対して、ホモミキサー(商品名:T.K.ホモミクサーMARKII2.5型、特殊機化工業製)で3000rpmの回転条件で攪拌した。この攪拌を続けながら、水溶液に湿式シリカ(ファインシールT−32、平均二次粒子径1.5μm、トクヤマ製)100部を少量ずつ添加した。湿式シリカの添加終了後もそのまま30分間、水溶液を攪拌し、固形分濃度15%の湿式シリカ分散液2を調製した。この湿式シリカが、特許請求の範囲に記載の「平均二次粒子径が0.5μm以上の粒子」に相当する。
下記の組成で、各塗工液を調製した。尚、塗工液組成の配合部数は、顔料の総固形分を100部とした値である。
・アルミナ水和物分散液1(固形分23%) 441部
・ポリビニルアルコ−ル水溶液(PVA235、クラレ製、重量平均重合度3500、けん化度88モル%、固形分8%)
125部
・オルトホウ酸水溶液(固形分5%) 20部
更に、水を加えて全体の固形分が18%となるように調整した。これに、界面活性剤(サーフィノール465)を0.1%となるように添加し、塗工液1を作成した。
・アルミナ水和物分散液1(固形分23%) 441部
・ポリビニルアルコ−ル水溶液(PVA235、クラレ製、重量平均重合度3500、けん化度88モル%、固形分8%)
250部
・オルトホウ酸水溶液(固形分5%) 20部
更に、水を加えて全体の固形分が16%となるように調整した。これに、界面活性剤(サーフィノール465)を0.1%となるように添加し、塗工液2を作成した。
・ポリビニルアルコ−ル水溶液(PVA235、クラレ製、重量平均重合度3500、けん化度88モル%、固形分8%)
125部
・オルトホウ酸水溶液(固形分5%) 20部
更に、水を加えて全体の固形分が5%となるように調整した。これに、界面活性剤(サーフィノール465)を0.1%となるように添加し、塗工液3を作成した。
・気相法シリカ分散液(固形分20%) 525部
・ポリビニルアルコ−ル水溶液(PVA235、クラレ製、重量平均重合度3500、けん化度88モル%、固形分8%)
188部
・オルトホウ酸水溶液(固形分5%) 60部
更に、水を加えて全体の固形分が14%となるように調整した。これに、界面活性剤(サーフィノール465)を0.1%となるように添加し、塗工液4を作成した。
・アルミナ水和物分散液1(固形分23%) 441部
・湿式シリカ分散液1(固形分15%) 6.7部
・ポリビニルアルコ−ル水溶液(PVA235、クラレ製、重量平均重合度3500、けん化度88モル%、固形分8%)
125部
・オルトホウ酸水溶液(固形分5%) 20部
更に、水を加えて全体の固形分が18%となるように調整した。これに、界面活性剤(サーフィノール465)を0.1%となるように添加し、塗工液5を作成した。
湿式シリカ分散液1を湿式シリカ分散液2に変更した以外は塗工液5と同様にして塗工液6を作成した。
湿式シリカ分散液2の配合量を1.3部とした以外は、塗工液6と同様にして塗工液7を作成した。
湿式シリカ分散液2の配合量を66.7部とした以外は、塗工液6と同様にして塗工液8を作成した。
アルミナ水和物分散液1をアルミナ水和物分散液2に変更した以外は、塗工液1と同様にして塗工液9を作成した。
アルミナ水和物分散液1をアルミナ水和物分散液3に変更した以外は、塗工液1と同様にして塗工液10を作成した。
・アルミナ水和物分散液1(固形分23%) 441部
・ポリビニルアルコ−ル水溶液(PVA235、クラレ製、重量平均重合度3500、けん化度88モル%、固形分8%)
625部
・オルトホウ酸水溶液(固形分5%) 100部
更に、水を加えて全体の固形分が13%となるように調整した。これに、界面活性剤(サーフィノール465)を0.1%となるように添加し、塗工液11を作成した。
基材Aの両面に、低密度ポリエチレン(70部)と、高密度ポリエチレン(20部)と、酸化チタン(10部)とからなるポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融したものを、30μmとなるように押し出し塗布した。次に、これを鏡面状の冷却ドラムに転写することにより、両面に、平滑な第1および第2の樹脂層が形成された基材を形成した。さらに連続して、第1および第2の樹脂層の表面にコロナ放電処理を行った。この後、両面にバーコーターにより2.8g/m2となるように塗工液1を塗布し、熱風ドライヤーで乾燥し、第1および第2の樹脂層上にそれぞれ、膜厚が0.5μmの多孔質下引き層を形成した。次に、速度250m/minで、第1および第2の樹脂層、ならびに多孔質下引き層を形成した基材の巻き取りを行った。なお、多孔質下引き層を形成する前の、第1および第2の樹脂層表面の60度鏡面光沢度は、83%であった。
冷却ドラムの表面を実施例1よりもやや粗い表面性を持つ冷却ドラムに変更し、得られた第1および第2の樹脂層表面の60度鏡面光沢度を70%とした以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を形成した。
冷却ドラムの表面を実施例2よりもやや粗い表面性を持つ冷却ドラムに変更し、得られた第1および第2の樹脂層表面の60度鏡面光沢度を65%とした以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を形成した。
多孔質下引き層の膜厚を0.1μmとした以外は、実施例1と同様にインクジェット記録媒体を形成した。
多孔質下引き層の膜厚を0.3μmとした以外は、実施例1と同様にインクジェット記録媒体を形成した。
多孔質下引き層の膜厚を2μmとした以外は、実施例1と同様にインクジェット記録媒体を形成した。
多孔質下引き層に用いる塗工液1を塗工液2に変更した以外は実施例1と同様にインクジェット記録媒体を形成した。
多孔質下引き層に用いる塗工液1を塗工液4に変更した以外は実施例1と同様にインクジェット記録媒体を形成した。
多孔質下引き層を、第1の樹脂層と第1のインク受容層の間にのみ設けた以外は実施例1と同様にインクジェット記録媒体を形成した。
多孔質下引き層に用いる塗工液1を塗工液5に変更した以外は実施例1と同様にインクジェット記録媒体を形成した。
多孔質下引き層に用いる塗工液1を塗工液6に変更した以外は実施例1と同様にインクジェット記録媒体を形成した。
多孔質下引き層に用いる塗工液1を塗工液7に変更した以外は実施例1と同様にインクジェット記録媒体を形成した。
多孔質下引き層に用いる塗工液1を塗工液8に変更した以外は実施例1と同様にインクジェット記録媒体を形成した。
多孔質下引き層に用いる塗工液1を塗工液9に変更した以外は実施例1と同様にインクジェット記録媒体を形成した。
多孔質下引き層に用いる塗工液1を塗工液10に変更した以外は実施例1と同様にインクジェット記録媒体を形成した。
多孔質下引き層を設けなかった以外は実施例1と同様にインクジェット記録媒体を形成した。
多孔質下引き層に用いる塗工液1を塗工液3に変更した以外は実施例1と同様にインクジェット記録媒体を形成した。
冷却ドラムの表面を実施例3よりも粗い表面性を持つ冷却ドラムに変更し、得られた第1および第2の樹脂層表面の60度鏡面光沢度を58%とした以外は、実施例1と同様にインクジェット記録媒体を形成した。
多孔質下引き層に用いる塗工液1を塗工液11に変更し、塗工液11の塗布容量を3.9g/m2とした以外は実施例1と同様にインクジェット記録媒体を形成した。
多孔質下引き層の層厚を4μmとした以外は、実施例1と同様にインクジェット記録媒体を形成した。
第1および第2の樹脂層表面の60度鏡面光沢度は、JIS Z 8741に基づいて測定した。
平均細孔半径の測定には、(株)島津製作所製 自動比表面積/細孔分布測定装置 TriStar3000を用いた。また、サンプルの前処理には、(株)島津製作所製 バキュプレップ061を用いた。
多孔質下引き層形成後の基材を巻き取ったロールの巻き姿を目視で確認し、以下の基準で判定した。
AA: ロール表面のぼこつきがほとんどなく、ロール端部の乱れも無い。
A:ロール表面のぼこつきがほとんどないが、ロール端面にやや乱れがある。
B:ロール表面にやや変形がみられ、ロール端面にもやや乱れがある。
C:ロール表面に変形が見られ、シートに変形が見られる。
インク受容層の表面の20度鏡面光沢度をJIS Z 8741に基づいて測定した。なお、実施例1〜15、比較例1〜5では基材の両面上に設ける2つのインク受容層は同じ構成となるため、何れか一方のインク受容層の20度鏡面光沢度のみを測定した。
A4サイズの第1および第2のインク受容層の表面を目視にて観察し、以下の基準にて判定した。なお、実施例1〜15、比較例1〜5では基材の両面上に設ける2つのインク受容層は同じ構成となるため、何れか一方のインク受容層のみを観察した。
A:0.5mm以上の気泡が3個以下、
B:0.5mm以上の気泡が4個以上、10個以下、
C:0.5mm以上の気泡が10個よりも多かった。
多孔質下引き層を設けた試料の断面を顕微鏡で観察し、任意の10点の位置の厚みを測定し、平均値を多孔質下引き層の膜厚とした。
Claims (6)
- 基材の一方の面に第1の樹脂層と多孔質下引き層と第1のインク受容層とをこの順に有し、かつ、基材の他方の面に第2の樹脂層と第2のインク受容層とをこの順に有する記録媒体であって、
前記第1の樹脂層の第1のインク受容層に近い方の面、及び前記第2の樹脂層の第2のインク受容層に近い方の面の60度鏡面光沢度が、65%以上であり、
前記多孔質下引き層の膜厚が3μm以下であることを特徴とする記録媒体。 - 前記多孔質下引き層の細孔容積Vs(ml/g)と第1のインク受容層の細孔容積Vc(ml/g)が下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
0.7Vc<Vs<1.3Vc (1) - 前記多孔質下引き層は更に、平均二次粒子径が0.5μm以上の粒子を0.1質量%以上10質量%以下、含むことを特徴とする請求項1または2に記載の記録媒体。
- 前記多孔質下引き層の平均細孔半径が、15nm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の記録媒体。
- 前記多孔質下引き層の平均細孔半径が、前記第1のインク受容層の平均細孔半径よりも小さいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の記録媒体。
- 基材の一方の面に60度鏡面光沢度が65%以上の第1の樹脂層を形成し、基材の他方の面に60度鏡面光沢度が65%以上の第2の樹脂層を形成する工程と、
前記第1の樹脂層上に、膜厚が3μm以下の多孔質下引き層を形成する工程と、
前記第1および第2の樹脂層、ならびに多孔質下引き層を設けた基材を、ロール状に巻き取る工程と、
ロール状に巻き取った後の前記基材の多孔質下引き層上に第1のインク受容層を形成し、前記基材の第2の樹脂層上に第2のインク受容層を形成する工程と、
を有する記録媒体の製造方法。
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