JP2004284146A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

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Keiji Obayashi
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Abstract

【課題】本発明の課題は、ポリオレフィン樹脂で被覆した紙支持体に多孔質インク吸収性を設けたインクジェット記録用紙において、高光沢を与え、ポリオレフィン樹脂層と多孔質インク吸収層との間の接着性が改良され、かつ、製造時にひび割れやはじき故障を軽減して高速塗布適性が付与されたインクジェット記録用紙を提供することにある。
【解決手段】ポリオレフィン樹脂で紙の両面を被覆した支持体上に、主として親水性ポリマーからなる下引き層と多孔質インク吸収層をこの順に設けたインクジェット記録用紙において、該多孔質インク吸収層を設ける側のポリオレフィン樹脂被覆層表面に微粗面加工が施され、かつ、該下引き層表面の75度鏡面光沢度が30〜80%であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン樹脂で被覆された紙支持体上に多孔質インク吸収層を設けた写真グレードのインクジェット記録用紙に関し、特にポリオレフィン樹脂層と多孔質インク吸収層との間に、親水性ポリマーからなる下引き層を設けて接着性を改善した記録用紙において、光沢性を低下させることなく多孔質層の塗布適性を改善したインクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、写真画質のインクジェット記録用紙が急速に普及している。中でも、支持体として紙の両面をポリエチレン等のポリオレフィン樹脂で被覆した支持体を用い、その上に高いインク吸収速度を有するインク吸収層を設けた記録用紙は、プラスチックフィルムに比べて比較的低コストであること、その重厚感やしなやかさ、平滑性、光沢性等の面で、銀塩写真のプリントに近い高級感のあるプリントとして幅広く普及してきており、このような構成のインクジェット記録用紙も非常に多くのものが知られている。
【0003】
特に高光沢性の特性に対しては従来より種々の提案がなされているが、高い光沢を有する支持体を用いることと、多孔質インク吸収層に比較的小さな顔料粒子を用いることの2つの技術が、高光沢の面を付与する主な手段である。
【0004】
例えば、特開平8−174992号公報には、表面が70%以上の光沢度を有する支持体上に、平均1次粒子径が10nm以下のシリカ粒子と水溶性樹脂とからなる多孔質層を有するインクジェット記録用紙が記載されている。
【0005】
このような微粒子を含有する多孔質インク吸収層を、高光沢の支持体に塗布して得られるインク吸収層は、製造する際に乾燥過程でひび割れを生じやすく、これを改良するために特開2001−63204号公報には、ポリオレフィン樹脂支持体の表面を微粗面加工したインクジェット記録用紙が記載されている
しかし上記各公報に記載されたインクジェット記録用紙は、ポリオレフィン樹脂で被覆した紙支持体に直接多孔質インク吸収層を設けたものであって、多孔質インク吸収層と支持体との接着性が必ずしも十分とはいえない。
【0006】
支持体として、ポリオレフィン樹脂で紙の両面を被覆した支持体を使用する場合には、ポリオレフィン樹脂表面は一般に疎水性であり、また、多孔質インク吸収層は水系の塗布液を塗布することにより得られるため、接着性を改善する目的でこれらの間に下引き層を易接着層として設けるのが好ましい。その様な例として、固形分塗布量が0.5g/m以下の下引き層を設けたポリオレフィン樹脂被覆紙を支持体として用いることにより、光沢性が高く表面欠陥の改善された記録用紙が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
また、50℃における水への溶解度が60%以下の下引き層を設けることで、製造時の吹きムラの発生を抑制し、光沢のある凹凸のない塗膜を有するインクジェット記録用紙が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
このような下引き層を、ポリオレフィン樹脂支持体の表面を微粗面加工した支持体(例えば、特許文献3参照。)に適用した結果、製造時のひび割れの抑制効果が必ずしも十分でなかった。
【0009】
これは、ポリオレフィン樹脂層に微粗面加工しても下引き層を設けることで微粗面のエイドが軽減されることと、固い多孔質層を膨潤性の親水性ポリマー層の上に設けた際に、塗布後の乾燥過程で皮膜にひび割れが生じやすくなることが重なったためと推定される。
【0010】
一方、インク吸収層を高速でポリオレフィン樹脂加工した支持体上に塗布する際に、表面に微粗面加工を施した方が均一な膜面が得られやすいことも分かった。
【0011】
特に乾燥膜厚が、30μmを越えるようなインク吸収層を塗布するためには、湿潤膜厚として、100μm程度以上の厚い膜厚の塗布液を塗布する必要があるが、その際に、支持体の平滑性が高くしかも鏡面に近い場合には、はじき故障が生じやすくなる。この傾向は、塗布液に微粒子を高濃度で含有する場合に大きくなることが認められる。このような問題に対して微粗面加工を施したポリオレフィン樹脂で被覆した支持体を用いることが有効であることが分かった。
【0012】
しかしながらこの場合でも、単に下引き層を設けるだけでは上記の効果は十分でないことも判明した。
【0013】
本発明者は、上記ポリオレフィン樹脂で被覆した紙支持体に、多孔質インク吸収性を設けたインクジェット記録用紙について検討した結果、特定の下引き層を微粗面加工されたポリオレフィン樹脂層表面に塗布した後に多孔質インク吸収層を設けることにより、高光沢で支持体との接着性が改良され、かつ、製造時にひび割れが軽減され、高速で塗布してもはじき故障の少ない均一な塗膜を形成できることを見出した。
【0014】
【特許文献1】
特開2000−351270号公報
【0015】
【特許文献2】
特開2001−63204号公報
【0016】
【特許文献3】
特開2001−63204号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、ポリオレフィン樹脂で被覆した紙支持体に多孔質インク吸収性を設けたインクジェット記録用紙において、高光沢を与えポリオレフィン樹脂層と多孔質インク吸収層との間の接着性が改良され、かつ、製造時にひび割れやはじき故障を軽減して高速塗布適性が付与されたインクジェット記録用紙を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記本発明が解決しようとする課題は、下記のインクジェット記録用紙によって達成される。
【0019】
1.ポリオレフィン樹脂で紙の両面を被覆した支持体上に、主として親水性ポリマーからなる下引き層と多孔質インク吸収層をこの順に設けたインクジェット記録用紙において、該多孔質インク吸収層を設ける側のポリオレフィン樹脂被覆層表面に微粗面加工が施され、かつ、該下引き層表面のJIS Z 8741による75度鏡面光沢度が30〜80%であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
【0020】
2.前記下引き層の塗布固形分が、記録用紙1m当たり0.02〜0.2gであることを特徴とする前記1項に記載のインクジェット記録用紙。
【0021】
3.前記下引き層の親水性ポリマーが、インク吸収層を塗布する前に硬膜剤により硬膜されていることを特徴とする前記1または2項に記載のインクジェット記録用紙。
【0022】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録用紙に用いられる支持体は、紙支持体の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した支持体である。
【0023】
本発明の支持体に用いられる紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレン等の合成パルプあるいはナイロンやポリエステル等の合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしてはLBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることができる。
【0024】
上記パルプは不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、またオゾン、塩素系漂白剤あるいは過酸化水素などにより漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。
【0025】
紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン等の白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤等を適宜添加することができる。
【0026】
抄紙に使用するパルプの濾水度はCSFの規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後の繊維長がJIS P 8207に規定される24メッシュ残分と42メッシュ残分の和が30〜70%が好ましい。なお、4メッシュ残分は20%以下であることが好ましい。
【0027】
紙の坪量は50〜250gが好ましく、特に80〜200gが好ましい。紙の厚さは70〜210μmが好ましい。
【0028】
紙は抄紙段階または抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることもできる。紙密度は0.7〜1.2g/m(JIS P 8118)が一般的である。更に原紙剛度はJIS P 8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。
【0029】
紙表面には表面サイズ剤を塗布してもよく、表面サイズ剤としては前記原紙中に添加できるものと同様のサイズ剤を使用できる。
【0030】
紙のpHはJIS P 8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であることが好ましい。
【0031】
次に、この紙の両面を被覆するポリオレフィン樹脂について説明する。
この目的で用いられるポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリエチレンが挙げられるが、プロピレンを主体とする共重合体等のポリオレフィン類が好ましく、ポリエチレンが特に好ましい。
【0032】
以下、特に好ましいポリエチレンについて説明する。
紙表面及び裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)または高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することができる。
【0033】
特に多孔質インク吸収層を塗布する側のポリオレフィン層は、ルチルまたはアナターゼ型の酸化チタンをその中に添加し、不透明度及び白色度を改良したものが好ましい。酸化チタン含有量はポリオレフィンに対して概ね1〜20%、好ましくは2〜15%である。
【0034】
ポリオレフィン層中には白地の調整を行うための耐熱性の高い顔料や蛍光増白剤を添加することができる。
【0035】
着色顔料としては、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、マンガンブルー、セルリアン、タングステンブルー、モリブデンブルー、アンスラキノンブルー等が挙げられる。
【0036】
蛍光増白剤としては、ジアルキルアミノクマリン、ビスジメチルアミノスチルベン、ビスメチルアミノスチルベン、4−アルコキシ−1,8−ナフタレンジカルボン酸−N−アルキルイミド、ビスベンズオキサゾリルエチレン、ジアルキルスチルベン等が挙げられる。
【0037】
紙を被覆する表裏のポリオレフィンの使用量は、インク吸収層の膜厚やバック層を設けた後で低湿及び高湿下でのカールを最適化するように選択されるが、一般にはポリオレフィン層の厚さはインク吸収層側で15〜40μm、バック層側で15〜50μmの範囲である。表裏のポリオレフィンの比率はインク受容層の種類や厚さ、中紙の厚み等により変化するカールを調整する様に設定されるのが好ましく、通常は表/裏のポリオレフィンの比率は厚みで概ね3/1〜1/3である。
【0038】
更に上記ポリオレフィンで被覆紙支持体は以下(1)〜(7)の特性を有していることが好ましい。
【0039】
(1)引っ張り強さは、JIS P 8113で規定される強度で縦方向が2〜30kg、横方向が1〜20kgであることが好ましい。
【0040】
(2)引き裂き強度は、JIS P 8116で規定される強度で縦方向が10〜200g、横方向が20〜200gが好ましい。
【0041】
(3)圧縮弾性率は、9.8kN/cmが好ましい。
(4)不透明度は、JIS P 8138に規定された方法で測定した時に80%以上、特に85〜98%が好ましい。
【0042】
(5)白さは、JIS Z 8729で規定されるL、a、bが、L=80〜97、a=−3〜+5、b=−6〜+2であることが好ましい。
【0043】
(6)クラーク剛直度は、記録用紙の搬送方向のクラーク剛直度が50〜300cm/100である支持体が好ましい。
【0044】
(7)原紙中の水分は、中紙に対して4〜10%が好ましい。
上記ポレオレフィン樹脂で被覆された支持体は、インク吸収層の塗布前に親水性ポリマーから主としてなる下引き層を設けることが本発明では必要である。
【0045】
下引き層に用いられる親水性ポリマーとしてはゼラチンもしくはゼラチン誘導体、ポリビニルアルコールもしくはポリビニルアルコール誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、澱粉もしくは澱粉誘導体、カラーギーナン、アラビアゴム、プルランなどの公知の親水性ポリマーを使用することができる。これらの親水性ポリマーは2種以上を併用することもできる。
【0046】
特に好ましい親水性ポリマーはゼラチンもしくはゼラチン誘導体、及びポリビニルアルコールもしくはポリビニルアルコール誘導体であり、特に好ましくはポリビニルアルコールもしくはポリビニルアルコール誘導体である。
【0047】
下引き層中には、硬膜剤、界面活性剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、調色剤、蛍光増白剤、マット剤あるいはpH調整剤などを適宜使用することができる。
【0048】
下引き層が含有する親水性ポリマーがゼラチンもしくはゼラチン誘導体及びポリビニルアルコールもしくはポリビニルアルコール誘導体である場合には、該下引き層がこれらのポリマーに適した硬膜剤を含有することでひび割れを更に軽減でき、好ましい態様である。これらの硬膜剤は、下引き層塗布後インク吸収層塗布前に付与することにより、インク吸収層を塗布する際には下引き層が硬膜されて膨潤を抑制する。この為インク吸収層塗布乾燥時に硬い多孔質膜の収縮応力を低下して、ひび割れを起こしにくくするものと考えられる。
【0049】
下引き層に用いられる親水性ポリマーが主としてゼラチンもしくはゼラチン誘導体である場合、好ましい硬膜剤としては、例えば、ビニルスルホン系硬膜剤、アクリロイル系硬膜剤、アルデヒド系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、活性ハロゲン型硬膜剤などが使用される。また、親水性ポリマーがポリビニルアルコールもしくはポリビニルアルコール誘導体である場合、好ましい硬膜剤としては例えばホウ酸や硼砂などのホウ素系硬膜剤及びエポキシ系硬膜剤である。これらの硬膜剤は、親水性ポリマー1g当たり概ね0.001〜0.5gである。
【0050】
上記下引き層はポリオレフィン樹脂層の上に設けられるが、下引き層の塗布に先立って、ポリオレフィン樹脂層はプラズマ処理、火炎処理あるいはコロナ放電処理などの表面活性化処理することが接着性の観点で好ましい。
【0051】
次に、支持体上に設けられるインク吸収層について説明する。
インク吸収層は支持体の片面のみでもよいが、両面に設けてもよい。この時両面に設けられるインク吸収層は同じでも異なっていてもよい。
【0052】
本発明のインクジェット記録用紙のインク吸収層は多孔質インク吸収層である。
【0053】
多孔質インク吸収層は、無機または有機の微粒子と少量の親水性ポリマーから形成される空隙層を有する多孔質皮膜のものが好ましい。
【0054】
微粒子は無機微粒子が好ましい。このような無機微粒子の例としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができる。無機微粒子は、1次粒子のまま用いても、また、2次凝集粒子を形成した状態で使用することもできる。
【0055】
本発明においては、特に微細な空隙が形成できることから、シリカまたは擬ベーマイトが好ましく、特に平均粒径が100nm以下の気相法により合成されたシリカ、コロイダルシリカ及び擬ベーマイトが好ましい。
【0056】
無機微粒子の平均粒径は、粒子そのものあるいは空隙層の断面や表面を電子顕微鏡で観察し、100個の任意の粒子の粒径を求めてその単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒径はその投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表したものである。
【0057】
本発明の記録用紙は特に高光沢を与える記録用紙であり、光沢性はインク吸収層が含有される微粒子の粒子径に大きく依存する。インク吸収層に含有される微粒子の好ましい粒子径は100μm以下、特に好ましくは80μm以下である。
【0058】
空隙層に用いられる親水性ポリマーとしては、ゼラチン(アルカリ処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、アミノ基をフェニルイソシアネートや無水フタル酸等で封鎖した誘導体ゼラチン等)、ポリビニルアルコール(平均重合度が300〜4000、ケン化度が80〜99.5%が好ましい)、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシルエチルセルロース、寒天、プルラン、デキストラン、アクリル酸、カルボキシメチルセルロース、カゼイン、アルギン酸等が挙げられ、2種類以上を併用することもできる。
【0059】
特に好ましい親水性ポリマーはポリビニルアルコールもしくはその誘導体である。
【0060】
本発明で用いられるポリビリルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
【0061】
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは平均重合度が300以上のものが好ましく、特に1000〜5000のものが好ましい。
【0062】
ケン化度は70〜100%のものが好ましく、80〜100%のものが特に好ましい。
【0063】
多孔質インク吸収層の親水性ポリマーと微粒子の比率は概ね1:10〜1:2であり、好ましくは1:8〜1:3の範囲である。
【0064】
また、上記多孔質が親水性ポリマーとしてポリビニルアルコールを含有する場合には、皮膜の造膜性を改善し、また皮膜の耐水性や皮膜の強度を高めるために、硬膜剤を使用することが好ましい。硬膜剤としては、ホウ酸またはその塩、あるいはエポキシ系硬膜剤が好ましく、特にホウ酸が好ましい。
【0065】
ホウ酸またはその塩とは、ホウ素原子を中心原子とする酸素酸及びその塩を示し、具体的にはオルトホウ酸、メタホウ酸、次ホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸及びそれらの塩が含まれる。
【0066】
ホウ酸またはその塩の使用量は、塗布液の無機微粒子や親水性ポリマーの量により広範に変わり得るが、親水性ポリマーに対して概ね1〜60%、好ましくは5〜40%である。
【0067】
なお、多孔質層に用いられる親水性ポリマーがそれ自体で架橋性を有する場合には必ずしも硬膜剤は必要としない。
【0068】
本発明のインクジェット記録用紙のインク吸収層には上記以外の各種の添加剤を添加することができる。
【0069】
中でもカチオン媒染剤は印字後の耐水性や耐湿性を改良するために好ましい。カチオン媒染剤としては第1〜第3級アミノ基及び第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が用いられるが、経時での変色や耐光性の劣化が少ないこと、染料の媒染能が十分高いこと等から、第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が好ましい。
【0070】
好ましいポリマー媒染剤は上記第4級アンモニウム塩基を有するモノマーの単独重合体やその他のモノマーとの共重合体または縮重合体として得られる。
【0071】
カチオン系媒染剤の具体例は、例えば、「インクジェットプリンター技術と材料」268頁(株式会社 シーエムシー発行 1998年)に記載されている。
【0072】
上記以外に、例えば、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオンまたは非イオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤、塩基性ポリ水酸化アルミニウムや酢酸ジルコニルなどの水溶性多価金属化合物、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
【0073】
次に本発明のインクジェット記録用紙の支持体及び下引き層の表面特性について説明する。
【0074】
紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した際のインク吸収層を設ける側のポリオレフィン樹脂表面は微粗面加工が施されたものである。
【0075】
ここで、微粗面加工とは、特開2001−63204号公報に記載されているように、鏡面でもなく、またマット面や絹目などの片付けが施されているものでもなく、表面に極微細な凹凸を有するものである。具体的には触針式3次元表面粗さ計で測定した時の中心面平均粗さ(SRa)が0.15〜0.3μm程度のものをいう。
【0076】
SRaが0.15μm未満の時には下引き層を塗布した時の表面が鏡面に成りやすく、本発明の効果であるインク吸収層を塗布した際にひび割れが生じやすくなる。
【0077】
一方、SRaが0.3μmを越えるとインク吸収層表面の光沢性が低下しやすくなる。
【0078】
微粗面加工を施されたポリオレフィン樹脂表面のJIS Z 8741に規定される75度鏡面光沢度は概ね30〜70%である。
【0079】
ポリオレフィン樹脂層に微粗面加工する方法としては、好ましくは紙支持体上に加熱溶融したポリオレフィン樹脂を流延する溶融押し出しコーティング法によりポリオレフィン樹脂層を形成した直後に微粗面の形状を有するクーリングロールに接触させて微粗面を形成する方法が好ましく用いられる。
【0080】
微粗面加工を施されたポリオレフィン樹脂表面には前述の下引き層が塗布されるが、この下引き層の塗布量は記録用紙1m当たり固形分が0.02〜0.2gであることが好ましい。
【0081】
下引き層の固形分量が0.02g未満である時には、微粗面加工されたポリオレフィン樹脂表面に均一に塗布されにくくなり、下引き層の薄い箇所で局所的にインク吸収層と支持体との接着不良が起きたりインク吸収層の塗布時にムラを起こしやすい。
【0082】
一方、下引き層の塗布量が0.2gを越えると、下引き層がインク吸収層を塗布した際に膨潤した時の膜厚が増大し、乾燥過程で収縮する際にインク吸収層にひび割れを増大させやすくなる。
【0083】
好ましい下引き層の塗布固形分量は記録用紙1m当たり0.03〜0.15gである。
【0084】
下引き層を塗布後の表面特性は、JIS Z 8741に規定される75度鏡面光沢度が30〜80%であることが本発明では必要である。鏡面光沢度が30%未満の時には、インク吸収層を塗布後の光沢度が低下しやすくなり、80%を越える場合には下引き層の表面の粗さが不十分となり、インク吸収層を高速で塗布した場合にはじきが生じやすくなる。特に好ましい下引き層面の光沢度は40〜70%である。
このような下引き層の表面は、適度の表面粗さを有しているものであり、JISB 0601に規定される基準長2.5mm、カットオフ値0.8mmで測定した時の中心線平均粗さSRaとしては0.1〜0.25μmの範囲のものが好ましい。
【0085】
このような下引き層の表面粗さは、例えばポリオレフィン樹脂表面の特性を前記のごとく調整し、その上に前記の下引き層を厚さや塗布時の乾燥条件を適宜調整することで得ることができる。
【0086】
本発明のインクジェット記録用紙のインク吸収層表面の光沢度は、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上である。
【0087】
次に下引き層やインク吸収層の塗布方法について説明する。
下引き層を塗布するに当たっては、走行するポリオレフィン樹脂被覆紙上に下引き層を形成する塗布液を塗布後、30〜150℃、好ましくは40〜120℃で数秒〜1分の間で行われる。
【0088】
下引き層の塗布は、エアーナイフコーター、グラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバーコーター、ブレードコーター、バーコーター、スライドホッパーコーター、カーテンコーターなどの方法で行うことができる。
【0089】
乾燥は、エアループドライヤー、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤーなどの熱風乾燥機、赤外線乾燥機、マイクロ波を利用した乾燥機などを使用することができる。
【0090】
インク吸収層の塗布方式としては、例えばロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法あるいは米国特許第2,681,294号記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法があるが、多孔質皮膜は高い湿潤膜厚で塗布する必要があるため好ましくは、カーテン塗布方法あるいはエクストルージョンコート法が用いられる。
【0091】
インク吸収層を塗布後の乾燥は通常行われる乾燥方法や乾燥条件が適用でき、20〜80℃で行われる。塗布後、一旦冷却してゲル化させた後に乾燥する方法は強い風を吹き付けることができるために高速塗布に適している。
【0092】
支持体としてポリオレフィン樹脂コート紙を使用する場合には、乾燥は概ね0〜80℃の範囲で乾燥することが好ましい。80℃を越えるとポリオレフィン樹脂が軟化して搬送を困難にしたり記録層表面の光沢にムラが出たりする。好ましい乾燥温度は0〜60℃である。
【0093】
本発明のインクジェット記録用紙はインク吸収層の反対側にカール防止や印字直後に重ね合わせた際のくっつきやインク転写を更に向上させるために種々の種類のバック層を設けることができる。
【0094】
バック層の構成は支持体の種類や厚み、表側の構成や厚みによっても変わるが一般には親水性バインダーや疎水性バインダーが用いられる。バック層の厚みは通常は0.1〜10μmの範囲である。
【0095】
また、バック層には帯電特性を改良するために導電性物質を添加したり、他の記録用紙とのくっつき防止、筆記性改良、更にはインクジェット記録装置内での搬送性改良のために表面を粗面化できる。この目的で好ましく用いられるのは粒径が0.5〜20μmの有機または無機の微粒子である。
【0096】
これらのバック層はインク吸収層の塗布後に設けることもできるが、予め設けていることが好ましい。
【0097】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、実施例中の「%」は、特に断りのない限り絶乾質量%を示す。
【0098】
実施例1
表裏に表面サイズプレス処理した坪量170g/mの写真用原紙(LBKP/NBSP=50/50)の裏面に、押し出し塗布法により低密度ポリエチレン/高密度ポリエチレン(50/50)を33μmの厚さで塗布した。次いで、表側に低密度ポリエチレン/高密度ポリエチレン/アナターゼ型酸化チタン(70/26/4)を同様にして27μmの厚さで塗布して、両面をポリエチレンで被覆した支持体を作製した。表側は溶融押し出し塗布直後に、表面に種々の粗さの微粗面を有するクーリングロールを使用して、冷却しながらポリエチレン表面に4種類の型付け処理を行った。型付けの違いは密度及び凹凸の高さを調整することで行った。
【0099】
次に表側にコロナ放電を行いゼラチンが0.05g/mとなるように塗布して下引き層を設け、裏面にもコロナ放電を行った後ラテックス層を厚みが0.2g/mになるように塗布した。
【0100】
下引き層には硬膜剤として2,4−ジクロロ−6ヒドロキシ−s−トリアジンをゼラチン1g当たり0.02gと界面活性剤(SF−2)を記録用紙1m当たり0.4mgになるように添加した。塗布はいずれもグラビアコーティングで行った。
【0101】
【化1】
Figure 2004284146
【0102】
次に、表面側用の下記組成の塗布液を調製した。
〈酸化チタン分散液1の調製〉
平均粒径が約0.25μmの酸化チタン20kg(石原産業製:W−10)をpH=7.5のトリポリリン酸ナトリウム150g、ポリビニルアルコール(クラレ株式会社製:PVA235)500g、カチオンポリマー(P−1)150g及びサンノブコ株式会社製消泡剤SN381を10g含有する水溶液90Lに添加し、高圧ホモジナイザー(三和工業株式会社製)で分散した後、全量を100Lに仕上げて均一な酸化チタン分散液1を得た。
【0103】
【化2】
Figure 2004284146
【0104】
〈シリカ分散液1の調製〉
以下の組成の溶液を調製した。
【0105】
水 71L
ホウ酸 0.27kg
硼砂 0.24kg
エタノール 2.2L
カチオンポリマー(P−1)25%水溶液 17L
退色防止剤(AF−1)10%水溶液 8.5L
蛍光増白剤水溶液(W1*) 0.1L
全量を純水で100Lに仕上げる。
【0106】
無機微粒子として、気相法シリカ(平均1次粒子径≒12nm)を50kg用意した。
【0107】
特開2002−47454号公報の実施例5に記載された分散方法により分散してシリカ分散液1を得た。
【0108】
退色防止剤AF−1:HOC−S−CH−CH−S−COH
(W1*):チバスペシャリティーケミカル製、UVITEX NFW LIQUID
〈シリカ分散液2の調製〉
シリカ分散液1の調製において、カチオンポリマーをP−1からP−2に変更した以外はシリカ分散液1と同様に分散してシリカ分散液2を調製した。
【0109】
【化3】
Figure 2004284146
【0110】
〈塗布液の調製〉
第1層、第2層、第3層、第4層の塗布液を以下の手順で調製した。
【0111】
(第1層用塗布液)
シリカ分散液1の610mlに40℃で攪拌しながら、以下の添加剤を順次混合した。
【0112】
Figure 2004284146
純水で全量を1000mlに仕上げる。
【0113】
(第2層用塗布液)
シリカ分散液1の650mlに40℃で攪拌しながら、以下の添加剤を順次混合した。
【0114】
Figure 2004284146
純水で全量を1000mlに仕上げる。
【0115】
(第3層用塗布液)
シリカ分散液2の650mlに40℃で攪拌しながら、以下の添加剤を順次混合した。
【0116】
Figure 2004284146
純水で全量を1000mlに仕上げる。
【0117】
(第4層用塗布液)
シリカ分散液2の650mlに40℃で攪拌しながら、以下の添加剤を順次混合した。
【0118】
Figure 2004284146
純水で全量を1000mlに仕上げる。
【0119】
【化4】
Figure 2004284146
【0120】
上記のようにして得られた塗布液を、東洋濾紙株式会社製TCP10で2段ろ過した。
【0121】
上記塗布液はいずれも40℃において、30〜80cp、15℃において、30000〜100000cpの粘度特性を示した。
【0122】
このようにして得られた各塗布液を、ポリオレフィンで両面を被覆した上記4種の支持体の表側に、第1層(35μm)、第2層(45μm)、第3層(45μm)、第4層(40μm)の順になるように各層を同時塗布した。括弧内はそれぞれの湿潤膜厚を示す。塗布は、それぞれの塗布液を40℃で4層式カーテンコーターを用い、塗布速度=100m/mで同時塗布を行い、塗布直後に8℃に保持した冷却ゾーンで20秒間冷却した後、20〜30℃、相対湿度20%以下で40秒間、55℃・相対湿度20%以下で120秒間、55℃・相対湿度30%以下で60秒間各々の乾燥風を吹き付けて乾燥した(恒率乾燥域における皮膜温度は8〜30℃であり、減率乾燥域で皮膜温度は徐々に上昇した)後、23度、相対湿度40〜60%で調湿してロール状に巻き取って、記録用紙1〜4を得た。得られた記録用紙は、次いで40℃で5日間加温保管した。
【0123】
得られた記録用紙と下引き層済み及びポリオレフィン樹脂被覆済み支持体について表面粗さを示す中心線表面粗さ(SRa)とJIS Z 8741に規定される75度鏡面光沢度を測定した。また、得られた記録用紙の表面のはじき数とひび割れ数及び接着性を調べた。
【0124】
はじき数:記録用紙10m当たりのサイズが約1mm以上のはじき個数
ひび割れ:記録用紙1m当たりのサイズが約0.5mm程度以上のひび割れ個数
接着性:記録用紙表面に約2mm間隔でカッターナイフによって縦横各々の方向に10本の切り込みを入れて合計100個の碁盤目状の切り込みを作成し、テープで貼り合わせた後に剥離してインク受容層が支持体から剥がれた目の数を求めた。
【0125】
得られた結果を表1に示す。
【0126】
【表1】
Figure 2004284146
【0127】
表1に示す結果から、下引き済みの光沢度が30%未満の記録用紙1では多孔質インク吸収層を設けた時のインク吸収層表面の光沢度が低い。また、下引き済みの光沢度が80%を越える記録用紙4は高い光沢性を与えるが、塗布時のはじき耐性やひび割れ耐性が低下する。これに対して、本発明の記録用紙3、4は高い光沢度を維持したまま、良好なはじき耐性とひび割れ耐性を示すことが分かる。
【0128】
実施例2
実施例1のインク受容層を塗布する際の塗布速度と乾燥速度を下記のごとく変更した以外は実施例1を繰り返して記録用紙1A〜4Aを得た。
【0129】
塗布速度:150m/m
乾燥:塗布直後に8℃に保持した冷却ゾーンで12秒間冷却した後、30〜40℃、相対湿度20%以下で40秒間、60℃・相対湿度20%以下で120秒間、65℃・相対湿度30%以下で60秒間各々の乾燥風を吹き付けて乾燥した後、23℃、相対湿度40〜60%で調湿してロール状に巻き取った。
【0130】
実施例1と同様に評価し、表2に示す結果を得た。
【0131】
【表2】
Figure 2004284146
【0132】
表2に示す結果から、塗布速度を上げることにより、特にひび割れ耐性が低下するが、本発明の記録用紙2A,3Aははじき耐性とひび割れ耐性が良好であり高速塗布適性を有していることが分かる。
【0133】
実施例3
実施例1において、下引き層をゼラチンからポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235)に変更した以外は実施例1を繰り返して記録用紙1B〜4Bを作製した(界面活性剤は実施例1と同量添加したが硬膜剤は未含有)。
【0134】
実施例1と同様に評価して表3に示す結果を得た。
【0135】
【表3】
Figure 2004284146
【0136】
表3に示す結果から、下引き層の親水性ポリマーをポリビニルアルコールに変更しても実施例1と同様の効果が得られることが分かる。
【0137】
実施例4
実施例3において、下引き層に硬膜剤としてホウ酸をPVA1g当たり0.1g添加した以外は実施例3を繰り返して記録用紙1C〜4Cを作製した。
【0138】
実施例1と同様に評価して表4に示す結果を得た。
【0139】
【表4】
Figure 2004284146
【0140】
表4の結果から、下引き層に硬膜剤を含有させることにより、本発明の記録用紙ではひび割れ耐性が大きく改善されることが分かる。
【0141】
実施例5
実施例4で作製した記録用紙3Cにおいて、下引き層の膜厚を表5に示すように変化した以外は実施例4を繰り返して記録用紙3C−1〜3C−4を作製した。下引き層を有しない3C−1ではインク吸収層を塗布する直前に接着性を改良する目的でポリオレフィン樹脂表面をプラズマ処理して表面活性化処理した。
【0142】
実施例1と同様に評価して表5に示す結果を得た。
【0143】
【表5】
Figure 2004284146
【0144】
表5の結果から、下引き層を設けない記録用紙3C−1ははじき耐性は良好であったが、著しく接着性が劣っていた。下引き層のポリビニルアルコールの少ない記録用紙3C−1では局所的なムラがあり、これに対応してはじき故障が増加した。また、下引き層を厚く設けた記録用紙3C−4ではひび割れが増大した。
【0145】
【発明の効果】
本発明により、高光沢を与え、ポリオレフィン樹脂層と多孔質インク吸収層との間の接着性が改良され、かつ、製造時にひび割れやはじき故障を軽減して高速塗布適性が付与されたインクジェット記録用紙を提供することができる。

Claims (3)

  1. ポリオレフィン樹脂で紙の両面を被覆した支持体上に、主として親水性ポリマーからなる下引き層と多孔質インク吸収層をこの順に設けたインクジェット記録用紙において、該多孔質インク吸収層を設ける側のポリオレフィン樹脂被覆層表面に微粗面加工が施され、かつ、該下引き層表面のJIS Z8741による75度鏡面光沢度が30〜80%であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 前記下引き層の塗布固形分が、記録用紙1m当たり0.02〜0.2gであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用紙。
  3. 前記下引き層の親水性ポリマーが、インク吸収層を塗布する前に硬膜剤により硬膜されていることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録用紙。
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