JP2001341409A - 顔料インク用インクジェット記録用紙 - Google Patents

顔料インク用インクジェット記録用紙

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JP2001341409A
JP2001341409A JP2000162384A JP2000162384A JP2001341409A JP 2001341409 A JP2001341409 A JP 2001341409A JP 2000162384 A JP2000162384 A JP 2000162384A JP 2000162384 A JP2000162384 A JP 2000162384A JP 2001341409 A JP2001341409 A JP 2001341409A
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pigment
absorbing layer
support
layer
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Keiji Obayashi
啓治 大林
Kimie Tachibana
喜美江 立花
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 顔料インクで記録しても画像状に光沢差が小
さく、しかも適度の光沢度を付与した高級感のあるイン
クジェット記録用紙を提供すること。 【解決手段】 支持体上にインク吸収層を有する顔料イ
ンク用インクジェット記録用紙であって、インク吸収層
表面のJIS Z 8741による60度鏡面光沢度が
10〜30%であり、該インク吸収層表面がJIS B
0601に規定される基準長2.5mm、カットオフ
値0.8mmで測定したときの中心線平均粗さRaが
0.8〜3.0μmであることを特徴とする顔料インク
用インクジェット記録用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光沢度を抑えた面
質を有する写真画質のインクジェット記録用紙に関し、
特に顔料インクを用いた際の表面光沢ムラを改善して画
像状に光沢差が生じないようにした高級感のある顔料イ
ンク用インクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のインクジェット記録の飛躍的な技
術革新に伴い、プリント品質は銀塩写真で得られるプリ
ントに匹敵しつつある。インクジェット記録で得られる
プリント品質はプリンター、インク、記録用紙の3つに
依存するが、画質面で見るならば前2者の最近の技術革
新が大きく、記録用紙の品質に対する重要性が非常に高
まっている。
【0003】従来から銀塩写真プリントに近いプリント
をインクジェット記録で得るために記録用紙には種々の
改良がなされてきているが、特に支持体として紙の両面
をポリエチレン等のポリオレフィン樹脂で被覆した支持
体を用い、その上にインク吸収層を設けた記録用紙は、
プラスチックフィルムに比べて比較的低コストであるこ
と、その重厚感やしなやかさ、平滑性、光沢性等の面
で、銀塩写真のプリントに近い高級感のあるプリントと
して最近は広く普及し始めている。
【0004】インクジェット記録用紙としては、紙等の
ように支持体自身がインク吸収性であるものと支持体の
上にインク吸収層を設けたものに大きく区分されるが、
前者はインクが支持体中に直接浸透するために高い最高
濃度が得られなかったり、支持体自身がインク溶媒を吸
収して著しいシワを画像状に発生させるために高級感の
あるプリントは得られない。
【0005】また、支持体上にインク吸収層を設けたイ
ンクジェット記録用紙も多数知られているが、支持体が
インク溶媒を吸収する場合には依然としてシワが発生し
やすく、また、インク吸収層に染着した染料も保存中に
徐々に支持体中に浸透する等して濃度が下がり易い等の
欠点がある。
【0006】これに対して、支持体がインクを全く吸収
しない非吸水性支持体の上にインク吸収層を設けたイン
クジェット記録用紙では、上記の欠点が無く高級感のあ
るインクジェットプリントが得られる。
【0007】支持体上に設けられるインク吸収層として
は、膨潤型のインク吸収層と空隙型インク吸収層が知ら
れている。
【0008】膨潤型インク吸収層はゼラチン、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドンあるいはポリエチ
レンオキサイド等の親水性ポリマーから実質的に構成さ
れるものである。膨潤型インク吸収層の特長は高い光沢
性が得られることと、膨潤性ポリマーを使用しているた
めにポリマーが膨潤できる範囲であれば大容量のインク
を吸収できること、低コストで製造できること等が挙げ
られる。
【0009】一方、空隙型インク吸収層はその製法にい
くつかの種類があるが、代表的なものは少量の親水性ポ
リマーと多量の微粒子からなる層であり、微粒子の間に
空隙が形成されてここにインクを吸収するものである。
空隙型インク吸収層の特長は、インク吸収速度が速くプ
リント時にムラが生じ難いこと、プリント直後に表面が
見かけ上乾いていること、膨潤型で見られるような耐水
性とインク吸収速度のジレンマがなく両者が同時に満足
できること等が挙げられる。
【0010】現状は使用者の選択により両者が使用され
ているが、画質面からは高吸収、高乾燥性の空隙型のイ
ンク吸収性であることが好ましい。
【0011】インクの種類については、従来主として画
質の観点から写真画質用としては染料系インクを使用す
ることが多かった。しかしながら、染料インクでは染料
分子が主として分子状態で分散してインク受容層に定着
されるために、耐光性や画像の経時での滲み防止は必ず
しも十分でなく、これらの観点では顔料インクを用いる
ことが好ましい。
【0012】染料インクを用いた場合、染料分子はほぼ
分子状態でインク受容層中に定着されるが、染料分子に
よっては水溶性が高いことから十分な定着性を付与する
ことができず、経時で画像に滲みが発生する場合があ
る。また、それだけ酸素の影響を受け易く、一般的に光
退色が酸素の寄与で著しく加速されることから耐光性が
十分でない等の問題がある。
【0013】一方、顔料インクを使用した場合、色材は
微粒子状態でインク受容層に定着されるが、元来溶解性
が低いために滲みが起き難く、また、酸素も顔料粒子表
面からしか作用しないために、色素の退色速度は遅く耐
光性が優れている。
【0014】しかしながら顔料系インクで記録した場
合、顔料粒子は通常は0.1〜0.5μm程度のサイズ
を有しており、この粒径以上の細孔径を持たないと顔料
インクはインク受容層中に収容されず、インク受容層表
面に凝集した状態で固定されることになる。このサイズ
の粒子がインク受容層表面に固定されることは、インク
受容層表面にこのサイズの凹凸を形成することになる
が、このサイズは可視光の波長に近いために光散乱を起
こし易く表面光沢に影響を与える。
【0015】この光散乱による影響は顔料インクの種類
や吐出された量にも関係する。例えば、低濃度部分(各
ドットが重なり合わない領域)では光沢が若干低下し、
高濃度部分(各ドットが重なり合って、乾燥後に顔料粒
子が広い領域で比較的均一に凝集し合う部分)では逆に
光沢が上昇する場合、濃度領域に依らず光沢性が低下す
る場合、さらには濃度に依らず表面が金属光沢様に光沢
が上昇する場合等がある。
【0016】これらの光沢性の差の原因は、顔料粒子の
粒径や、顔料粒子自身の凝集し易さ、あるいは顔料イン
クが含有する他の成分(例えば顔料粒子に対して保護コ
ロイド性を持つポリマー等)によると考えられるが、い
ずれの場合であってもこの様に画像状に光沢度が変化す
ることはプリント品質上極めて好ましくないことであ
る。
【0017】従来からいわゆる低光沢の用紙に顔料イン
クを用いて記録することも行われている。この場合、表
面の凹凸を形成する細孔径が比較的大きく、顔料インク
が細孔内部に少なくとも一部が取り込まれるために光沢
変化が減少する。
【0018】しかしながらこの記録用紙では支持体の耐
水性が無く、プリント部分でコックリングが発生した
り、また光沢が低過ぎて写真画質とは言い難いものであ
った。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の実態に
鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題
は、顔料インクで記録しても画像状に光沢差が小さく、
しかも適度の光沢度を付与した高級感のあるインクジェ
ット記録用紙を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記本発明が解決しよう
とする課題は、以下の発明により達成される。
【0021】1.支持体上にインク吸収層を有する顔料
インク用インクジェット記録用紙であって、インク吸収
層表面のJIS Z 8741による60度鏡面光沢度
が10〜30%であり、該インク吸収層表面がJIS
B 0601に規定される基準長2.5mm、カットオ
フ値0.8mmで測定したときの中心線平均粗さRaが
0.8〜3.0μmであることを特徴とする顔料インク
用インクジェット記録用紙。
【0022】2.インク吸収層が平均粒径1〜20μm
のマット剤を含有することを特徴とする前記1記載の顔
料インク用インクジェット記録用紙。
【0023】以下本発明を詳細に説明する。本発明のイ
ンクジェット記録用紙は支持体上にインク吸収層を有す
る。
【0024】本発明の記録用紙に用いられる支持体は、
吸水性支持体と非吸水性支持体のいずれも用いることが
できるが、プリント後にシワの発生が無く、画像状に平
滑性に差が生ぜずに高品位のプリントが得られること、
また、容易に半光沢面を形成できることから非吸水性支
持体が好ましい。
【0025】吸水性支持体としては、特に天然パルプを
主体とした紙支持体が代表的であるが合成パルプと天然
パルプの混合物であってもよい。
【0026】非吸水性支持体としてはプラスチック樹脂
フィルム支持体、あるいは紙の両面をプラスチック樹脂
フィルムで被覆した支持体が挙げられる。
【0027】プラスチック樹脂フィルム支持体として
は、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、
ポリプロピレンフィルム、セルローストリアセテートフ
ィルム、ポリスチレンフィルムあるいはこれらの積層し
たフィルム支持体等が挙げられる。
【0028】これらのプラスチック樹脂フィルムは透
明、または半透明なものも使用できる。
【0029】本発明で特に好ましい支持体は紙の両面を
プラスチック樹脂で被覆した支持体であり、最も好まし
いのは紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した支持体
である。
【0030】以下本発明で特に好ましい支持体である紙
の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した支持体について
説明する。
【0031】本発明の支持体に用いられる紙は、木材パ
ルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポ
リプロピレン等の合成パルプあるいはナイロンやポリエ
ステル等の合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプと
してはLBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LD
P、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いること
ができるが短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBS
P、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。
但し、LBSP及び/またはLDPの比率は10〜70
%が好ましい。
【0032】上記パルプは不純物の少ない化学パルプ
(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いら
れ、また漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも
有用である。
【0033】紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダ
イマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チ
タン等の白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポ
リビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリ
エチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級ア
ンモニウム等の柔軟化剤等を適宜添加することができ
る。
【0034】抄紙に使用するパルプの濾水度はCSFの
規定で200〜500mLが好ましく、また、叩解後の
繊維長がJIS P 8207に規定される24メッシ
ュ残分と42メッシュ残分の和が30〜70%が好まし
い。なお、4メッシュ残分は20%以下であることが好
ましい。
【0035】紙の坪量は50〜250gが好ましく、特
に70〜200gが好ましい。紙の厚さは50〜210
μmが好ましい。
【0036】紙は抄紙段階または抄紙後にカレンダー処
理して高平滑性を与えることもできる。紙密度は0.7
〜1.2g/m2(JIS P 8118)が一般的で
ある。更に原紙剛度はJIS P 8143に規定され
る条件で20〜200gが好ましい。
【0037】紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良
く、表面サイズ剤としては前記原紙中に添加できるのと
同様のサイズ剤を使用できる。
【0038】紙のpHはJIS P 8113で規定さ
れた熱水抽出法により測定された場合、5〜9であるこ
とが好ましい。
【0039】次に、この紙の両面を被覆するポリオレフ
ィン樹脂について説明する。この目的で用いられるポリ
オレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリイソブチレン、ポリエチレンが挙げられるが、
プロピレンを主体とする共重合体等のポリオレフィン類
が好ましく、ポリエチレンが特に好ましい。
【0040】以下、特に好ましいポリエチレンについて
説明する。紙表面及び裏面を被覆するポリエチレンは、
主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/また
は高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のL
LDPEやポリプロピレン等も一部使用することができ
る。
【0041】特に塗布層側のポリオレフィン層は、ルチ
ルまたはアナターゼ型の酸化チタンをその中に添加し、
不透明度及び白色度を改良したものが好ましい。酸化チ
タン含有量はポリオレフィンに対して概ね1〜20%、
好ましくは2〜15%である。
【0042】ポリオレフィン層中には白地の調整を行う
ための耐熱性の高い顔料や蛍光増白剤を添加することが
できる。
【0043】着色顔料としては、群青、紺青、コバルト
ブルー、フタロシアニンブルー、マンガンブルー、セル
リアン、タングステンブルー、モリブデンブルー、アン
スラキノンブルー等が挙げられる。
【0044】蛍光増白剤としては、ジアルキルアミノク
マリン、ビスジメチルアミノスチルベン、ビスメチルア
ミノスチルベン、4−アルコキシ−1,8−ナフタレン
ジカルボン酸−N−アルキルイミド、ビスベンズオキサ
ゾリルエチレン、ジアルキルスチルベン等が挙げられ
る。
【0045】紙の表裏のポリエチレンの使用量は、イン
ク吸収層の膜厚やバック層を設けた後で低湿及び高湿化
でのカールを最適化するように選択されるが、一般には
ポリエチレン層の厚さはインク吸収層側で15〜40μ
m、バック層側で10〜30μmの範囲である。表裏の
ポリエチレンの比率はインク受容層の種類や厚さ、中紙
の厚み等により変化するカールを調整する様に設定され
るのが好ましく、通常は表/裏のポリエチレンの比率は
厚みで概ね3/1〜1/3である。
【0046】更に上記ポリエチレンで被覆紙支持体は以
下(1)〜(7)の特性を有していることが好ましい。
【0047】(1)引っ張り強さは、JIS P 81
13で規定される強度で縦方向が2〜30kg、横方向
が1〜20kgであることが好ましい。
【0048】(2)引き裂き強度は、JIS P 81
16で規定される強度で縦方向が10〜200g、横方
向が20〜200gが好ましい。
【0049】(3)圧縮弾性率は、9.8kN/cm2
が好ましい。 (4)不透明度は、JIS P 8138に規定された
方法で測定したときに80%以上、特に85〜98%が
好ましい。
【0050】(5)白さは、JIS Z 8729で規
定されるL*、a*、b*が、L*=80〜95、a*=−
3〜+5、b*=−6〜+2であることが好ましい。
【0051】(6)クラーク剛直度は、記録用紙の搬送
方向のクラーク剛直度が50〜300cm3/100で
ある支持体が好ましい。
【0052】(7)原紙中の水分は、中紙に対して4〜
10%が好ましい。本発明の顔料インクに適した記録用
紙は、上記支持体上にインク吸収層を有するものであ
る。次に、支持体上に設けられるインク吸収層について
説明する。
【0053】インク吸収層は支持体の片面のみでもよい
が、両面に設けてもよい。この時両面に設けられるイン
ク吸収層は同じでも異なっていてもよい。
【0054】インク吸収層は前述のごとく、大きく膨潤
層型インク吸収層と空隙型インク吸収層に分けられる
が、本発明においてはいずれの場合であってもよい。ま
た膨潤型のインク吸収層と空隙型のインク吸収層を組み
合わせてもよい。例えば、支持体に近い側に膨潤型イン
ク吸収層を設け、支持体から離れた側に空隙型インク吸
収層を設けた層構成やこの逆の層構成を用いることもで
きる。さらには支持体の両面にインク吸収層を設けた記
録用紙の場合には、表裏で同じタイプの吸収層にしても
良く、異なったタイプのインク吸収層であってもよい。
【0055】本発明で特に好ましいのは空隙型インク受
容層である。これは単にインク吸収速度が速く、ムラの
発生が少ないために高品位のプリントが得られるだけで
なく、空隙型インク吸収層表面は非常に微細な凹凸が形
成されるために、インク受容層表面で凝集した顔料粒子
群との接着面積が増大して顔料粒子の擦過性が改善され
るためである。
【0056】顔料粒子はその大粒子径であるが故にイン
ク受容層中には浸透させるのが困難であり、これを浸透
させるためにより大サイズの細孔をインク吸収層に与え
ると光沢が低下する問題がある。顔料粒子はインク吸収
層表面に存在するだけでは表面が擦られたときに取れ易
いが、表面との接着性を高めることである程度改善する
ことができる。
【0057】このような観点から、顔料粒子の平均粒子
径(r)がインク吸収層の表面の凹凸のサイズに比較的
近い範囲であることが好ましい。インク吸収層が無機ま
たは有機微粒子で形成される多孔質層である場合には、
インク吸収層の微粒子の粒径(L)と顔料粒子の平均粒
子径(r)の比、L/rは0.05〜1の範囲であるこ
とが適度の光沢性を維持しながら顔料インクの擦過性を
改善する上で好ましい。
【0058】膨潤型インク吸収層は、インク溶媒に対し
て膨潤性がある親水性ポリマーから主として構成され
る。そのような親水性ポリマーとしては、ゼラチン(ア
ルカリ処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、アミノ基をフェ
ニルイソシアネートや無水フタル酸等で封鎖した誘導体
ゼラチン等)、ポリビニルアルコール(平均重合度が3
00〜4000、ケン化度が80〜99.5%が好まし
い)、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、
ヒドロキシルエチルセルロース、寒天、プルラン、デキ
ストラン、アクリル酸、カルボキシメチルセルロース、
カゼイン、アルギン酸等が挙げられ、2種類以上を併用
することもできる。
【0059】膨潤型インク吸収層には親水性ポリマーの
膨潤性に影響を与えない範囲で無機微粒子や有機微粒子
等の微粒子を含有させてもよいが、親水性バインダーに
対して概ね100%以下である。
【0060】膨潤層に設けられる親水性ポリマーの使用
量は、記録用紙1m2当たり概ね3〜20g、好ましく
は5〜15gである。
【0061】空隙型インク吸収層は、無機または有機の
微粒子と少量の親水性ポリマーから形成される空隙層を
有する多孔質皮膜のものが好ましい。
【0062】微粒子は無機微粒子が好ましい。このよう
な無機微粒子の例としては、軽質炭酸カルシウム、重質
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレ
ー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チ
タン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハ
イドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪
酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、
コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬
ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライ
ト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げるこ
とができる。無機微粒子は、1次粒子のまま用いても、
また、2次凝集粒子を形成した状態で使用することもで
きる。
【0063】本発明においては、特に微細な空隙が形成
できることから、シリカまたは擬ベーマイトが好まし
く、特に平均粒径が100nm以下の気相法により合成
されたシリカ、コロイダルシリカ及び擬ベーマイトが好
ましい。
【0064】無機微粒子の平均粒径は、粒子そのものあ
るいは空隙層の断面や表面を電子顕微鏡で観察し、10
0個の任意の粒子の粒径を求めてその単純平均値(個数
平均)として求められる。ここで個々の粒径はその投影
面積に等しい円を仮定した時の直径で表したものであ
る。
【0065】空隙層に用いられる親水性ポリマーとして
は、膨潤型インク吸収層で用いられる親水性ポリマーと
同様のものが用いられるが、好ましい親水性ポリマーは
ポリビニルアルコールである。
【0066】本発明で用いられるポリビリルアルコール
には、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポ
リビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポ
リビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変
性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール
も含まれる。
【0067】酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビ
ニルアルコールは平均重合度が300以上のものが好ま
しく、特に1000〜5000のものが好ましい。
【0068】ケン化度は70〜100%のものが好まし
く、80〜99.5%のものが特に好ましい。
【0069】インク吸収層が空隙型である場合、上記の
微粒子の親水性ポリマーに対する比率は概ね2〜10%
であり、好ましくは3〜8%の範囲である。
【0070】また、上記空隙層が親水性ポリマーとして
ポリビニルアルコールを含有する場合には、皮膜の造膜
性を改善し、また皮膜の耐水性や強度を高めるために、
ほう酸またはその塩が含有される。ほう酸またはその塩
とは、硼素原子を中心原子とする酸素酸及びその塩を示
し、具体的にはオルトほう酸、メタほう酸、次ほう酸、
四ほう酸、五ほう酸及びそれらの塩が含まれる。
【0071】ほう酸またはその塩の使用量は、塗布液の
無機微粒子や親水性ポリマーの量により広範に変わり得
るが、親水性ポリマーに対して概ね1〜60%、好まし
くは5〜40%である。
【0072】また、上記ほう酸系硬化剤に加えて、エポ
キシ系硬化剤、アルデヒド系硬化剤、エチレンイミノ系
硬化剤、イソシアネート系硬化剤、活性ハロゲン系硬化
剤等を併用することができる。
【0073】本発明においては、インク吸収速度が速
く、画像のムラが少なく、また親水性ポリマーの使用量
が比較的少ないためにカールの発生が比較的少ないこと
からインク吸収層が空隙を有する多孔質皮膜であるのが
好ましい。
【0074】本発明のインクジェット記録用紙のインク
吸収層には上記以外の各種の添加剤を添加することがで
きる。
【0075】中でもカチオン媒染剤は印字後の耐水性や
耐湿性を改良するために好ましい。カチオン媒染剤とし
ては第1〜第3級アミノ基及び第4級アンモニウム塩基
を有するポリマー媒染剤が用いられるが、経時での変色
や耐光性の劣化が少ないこと、染料の媒染能が充分高い
こと等から、第4級アンモニウム塩基を有するポリマー
媒染剤が好ましい。
【0076】好ましいポリマー媒染剤は上記第4級アン
モニウム塩基を有するモノマーの単独重合体やその他の
モノマーとの共重合体または縮重合体として得られる。
【0077】カチオン系媒染剤の具体例は、例えば、
「インクジェットプリンター技術と材料」268頁(株
式会社 シーエムシー発行 1998年)に記載されて
いる。
【0078】上記以外に、例えば、特開昭57−741
93号、同57−87988号及び同62−26147
6号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192
号、同57−87989号、同60−72785号、同
61−146591号、特開平1−95091号及び同
3−13376号等に記載されている退色防止剤、アニ
オン、カチオンまたは非イオンの各種界面活性剤、特開
昭59−42993号、同59−52689号、同62
−280069号、同61−242871号及び特開平
4−219266号等に記載されている蛍光増白剤、消
泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、増粘
剤、帯電防止剤等の公知の各種添加剤を含有させること
もできる。
【0079】次に本発明の記録用紙の表面特性について
説明する。本発明の記録用紙においては、インク吸収層
表面はその光沢度が10〜30%であって、JIS B
0601に規定される基準長2.5mm、カットオフ
値0.8mmで測定したときの中心線平均粗さRaが
0.8〜3.0μmであることが必要である。
【0080】上記条件で測定して得られるRaは表面の
微小な凹凸特性と高さの平均に関係し、Raを特定の範
囲に設定し、かつ光沢度を10〜30%の範囲にするこ
とで顔料インクによる光沢の画像状の変化を最も目立ち
難くすることができることを見い出して本発明に到った
ものである。
【0081】本発明者等の検討結果によれば、未プリン
ト部分とプリント部分の光沢度の差が5%以内で有れば
画像状の光沢差はそれほど目立ち難いが、これを越える
と目立ち易くなる。特に10%以上差が生じるとプリン
ト品位が低下する。
【0082】Raが0.8μm未満のときや光沢度が3
0%を越える場合には、画像部で光沢低下を起こし易い
顔料インクに対して画像状の光沢の低下が顕著になり、
また、Raが3.0μmを越えると表面の凹部分にイン
クが余計に貯まり易くこの部分で点状に異常な光沢の変
化が出る。さらに、光沢度が10%未満の場合には金属
光沢様の光沢を発現する顔料インクに対して画像部分が
異常に目立ち易くなり、また画像の鮮明性も低下し易く
なる。
【0083】特に好ましい光沢度の範囲は15〜27%
であり、特に好ましいRaの範囲は1.0〜2.5μm
である。
【0084】なお、光沢度は本発明では60度で測定し
た場合上記範囲内であるが、より低い角度、例えば45
度や20度で測定した場合にはより低い値になり、さら
に75度等のより大きな角度で測定した場合にはより大
きな光沢度になるのが一般的である。
【0085】上記光沢度及びRaを調整するに当たって
は種々の方法、例えば以下の方法があり、これらを単独
もしくは2以上を組み合わせて用いることで調整するこ
とができる。 (1)インク吸収層にマット剤を添加する方法 この方法は特に表面の光沢度を低下させるのに好ましく
用いられる。
【0086】マット剤は平均粒径が1〜20μmの有機
または無機微粒子であり、例えば酸化チタン、シリカ、
ガラス粉、硫酸バリウム、ポリスチレン樹脂、ポリメチ
ルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリア
クリレート共重合樹脂等が挙げられる。また、このマッ
ト剤は単分散のものあるいは多分散のものであってもよ
く、その分散度(標準偏差/平均粒径)は0.2〜10
のものを用いることができる。
【0087】また、マット剤による光沢度を効率よくコ
ントロールするためには、インク吸収層は2層以上から
なり、その最上層(支持体から最も離れた層)に添加す
るのが好ましい。この場合、用いるマット剤の平均粒径
は最上層の乾燥膜厚に対して0.5〜4倍の範囲のもの
を用いることが好ましい。
【0088】マット剤の使用量は粒径や分散度、マット
剤を添加する層の膜厚、支持体の平滑度にも依存する
が、概ね記録用紙1m2当たり0.02〜0.8g、好
ましくは0.05〜0.5gである。 (2)規則的または不規則な形状の凹凸を有する支持体
上にインク吸収層を設ける方法 支持体表面に予め規則的または不規則な形状の型付け処
理を行っておき、この上にインク吸収層を設けることで
インク吸収層表面に支持体が持つのと同様の形状の凹凸
を持たせるものである。
【0089】この方法に好ましく用いられる支持体は両
面をポリオレフィンで被覆された紙支持体であるが、予
め凹凸をポリオレフィン樹脂表面に型付けする代表的な
方法は基紙上に溶融したポリオレフィン樹脂を押し出し
コーティングした後、型付けローラーに圧接して微細な
凹凸の模様付けを行うことにより行われる。
【0090】この模様付けを行う方法には、溶融押し出
しで得られる樹脂コート紙に室温付近でエンボシングカ
レンダー処理する方法と、ポリオレフィン樹脂の押し出
しコーティング時にロール表面に模様を彫刻したクーリ
ングロールを使用して冷却しながら凹凸を形成する方法
があるが、比較的弱い圧力で型付けすることができ、し
かもより正確で均質な型付けができる後者が好ましい。
【0091】支持体表面とインク吸収層表面の凹凸の関
係はインク吸収層の特性にもよるが、インク吸収層が高
インク吸収速度を有し、より高画質なプリントが得られ
る空隙を有する多孔質皮膜である場合には、乾燥膜厚が
厚くなるために支持体表面の高低差が減少する傾向が大
きい。
【0092】予め凹凸を表面に設けた支持体にインク吸
収層を塗布して得られるインクジェット記録用紙の場
合、支持体の表面の粗さはインク吸収層の表面の凹凸の
高低差より高くすることが必要であり、支持体の表面の
粗さは、JISB−0601に規定される基準長2.5
mm、カットオフ値0.8mmで測定したときの中心線
平均粗さRaが1.0〜4.0μmである不規則または
規則的な形状を有する支持体上であることが好ましい。
特に好ましい支持体は、Raが1.0〜3.5のもので
ある。 (3)インク吸収層表面に微細な凹凸を彫刻する方法 インク吸収層を形成してから表面にカレンダー処理等で
凹凸をつける方法であるが、インク吸収層を塗布後、完
全に乾燥する前に所望の凹凸模様を有するローラーに密
着させて形成する方法もある。
【0093】この方法は比較的柔軟なインク吸収層に対
しては有効ではあるが堅い多孔質皮膜からなるインク吸
収層の場合には(2)の方法が適している。
【0094】インク吸収層を支持体に塗布するに当たっ
ては、表面と塗布層との間の接着強度を大きくする等の
目的で、支持体にコロナ放電処理や下引き層を設けるこ
とが好ましい。
【0095】下引き層としては、ゼラチンやポリビニル
アルコール等の親水性ポリマーを必要に応じて硬化剤と
併用して設けられる。好ましい下引き層の厚さは0.0
1〜1μmの範囲である。
【0096】本発明のインクジェット記録用紙が片面に
のみ記録する用途であるある場合、インク吸収層を有す
る側の反対側にカール防止や印字直後に重ね合わせた際
のくっつきやインク転写を更に向上させるために種々の
種類のバック層を設けることができる。
【0097】バック層の構成は支持体の種類や厚み、表
側の構成や厚みによっても変わるが一般には親水性バイ
ンダーや疎水性バインダーが用いられる。バック層の厚
みは通常は0.1〜10μmの範囲である。
【0098】また、バック層には他の記録用紙とのくっ
つき防止、筆記性改良、さらにはインクジェット記録装
置内での搬送性改良のために表面を粗面化できる。この
目的で好ましく用いられるのは粒径が0.5〜20μm
の有機または無機の微粒子である。
【0099】これらのバック層は予め設けていても良
く、反対側のインク吸収層を塗布した後で設けてもよ
い。
【0100】インク吸収層の塗布方式としては、ロール
コーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイ
フコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン
塗布方法あるいは米国特許第2,681,294号記載
のホッパーを使用するエクストルージョンコート法が好
ましく用いられる。
【0101】支持体としてポリオレフィン樹脂コート紙
を使用する場合には、乾燥は概ね0〜80℃の範囲で乾
燥することが好ましい。80℃を越えるとポリオレフィ
ン樹脂が軟化して搬送を困難にしたり記録層表面の光沢
にムラが出たりする。好ましい乾燥温度は0〜60℃で
ある。
【0102】次に、本発明の記録用紙に用いられる顔料
インクは水性顔料インクであっても油性顔料インクであ
ってもよいが、水性顔料インクが好ましい。
【0103】顔料としては、従来インクジェット用とし
て公知の顔料を使用することができ、例えばアゾキレー
ト、水不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔
料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペ
リレン顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔
料、ジオキサンジン系顔料、チオインジゴ顔料、イソイ
ンドニノン系顔料、キノフタロニ系顔料等の多環式顔
料、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レ
ーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、
昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機
顔料等が挙げられる。
【0104】また、顔料の分散剤としては、例えば高級
脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、
アルキルスルホン酸塩、スルホこはく酸塩、ナフタレン
スルホン酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシアルキレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエ
ステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、あるいは高
分子界面活性剤等を挙げることができる。
【0105】顔料インクには上記以外に必要に応じて各
種の添加剤を含むことができる。そのような添加剤とし
ては、例えば、水溶性有機溶剤(例えばプロパノール、
ヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、グリセリン、ヘキサンジオール、尿素等)、界面
活性剤(アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性
剤、フッ素系界面活性剤等)、水溶性ポリマー、重合体
分散物、防腐剤、防黴剤、粘度調整剤、pH調整剤等を
挙げることができる。
【0106】顔料の分散は、ボールミル、サンドミル、
ロールミル、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、湿
式ジェットミル、高圧ホモジナイザー等各種の分散装置
を必要に応じて2種以上組み合わせて用いることができ
る。また遠心分離装置や各種のフィルターを用いて顔料
分散体から粗粒子分を除去することも好ましい。
【0107】顔料粒子の平均粒径は300nm以下であ
るが、200nm以下が好ましい。特に好ましいのは1
50〜50nmである。
【0108】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて説明するが、
本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、
実施例中の「%」は、特に断りのない限り絶乾質量%を
示す。
【0109】実施例1 含水率6.5%、坪量170g/m2の写真用原紙の裏
面に、押し出し塗布法により密度0.92の低密度ポリ
エチレンを30μmの厚さで塗布した。次いで、表側に
アナターゼ型酸化チタン5.5%を含有する密度0.9
2の低密度ポリエチレンを35μmの厚さで溶融押し出
し法で塗布して、両面をポリエチレンで被覆した支持体
を作製した。溶融押し出し塗布直後に、表面に種々の不
規則の形状の凹凸を有するクーリングロールを使用し
て、冷却しながらポリエチレン表面に7種類の型付け処
理を行った。型付けの違いは密度及び凹凸の高さを調整
することで行った。
【0110】表側にコロナ放電を行いゼラチン下引き層
を0.3g/m2、裏面にもコロナ放電を行った後ラテ
ックス層を厚みが0.2g/m2になるように塗布し
た。
【0111】次に、表側用の下記組成の塗布液を調製し
た。 〈酸化チタン分散液1の調製〉平均粒径が約0.25μ
mの酸化チタン20kg(石原産業製:W−10)をp
H=7.5のトリポリリン酸ナトリウム150g、ポリ
ビニルアルコール(クラレ株式会社製:PVA235)
500g、カチオンポリマー(p−1)150g及びサ
ンノブコ株式会社消泡剤SN381を10g含有する水
溶液90Lに添加し、高圧ホモジナイザー(三和工業株
式会社製)で分散した後、全量を100Lに仕上げて均
一な酸化チタン分散液1を得た。
【0112】
【化1】
【0113】〈シリカ分散液1の調製〉1次粒子の平均
粒径が約0.007μmの気相法シリカ(日本アエロジ
ル工業株式会社製:A300)125kgを、三田村理
研工業株式会社製のジェットストリーム・インダクター
ミキサーTDSを用いて、硝酸でpH=3.0に調整し
た600Lの純水中に室温で吸引分散した後、全量を6
60Lに純水で仕上げた。
【0114】〈シリカ分散液2の調製〉カチオンポリマ
ー(p−1)1.29kgを、エタノール4.2L、n
−プロパノール1.5Lを含有する水溶液(pH=2.
3)15Lに、シリカ分散液1の66.0Lを攪拌しな
がら添加し、ついで、ほう酸260gとほう砂230g
を含有する水溶液7.0Lを添加し、前記の消泡剤SN
381を1g添加した。
【0115】この混合液を三和工業株式会社製高圧ホモ
ジナイザーで分散し、全量を純水で90Lに仕上げてシ
リカ分散液2を調製した。
【0116】〈蛍光増白剤分散液1の調製〉チバガイギ
ー株式会社製の油溶性蛍光増白剤UVITEX−OB・
400gをジイソデシルフタレート9000g及び酢酸
エチル12Lに加熱溶解し、これを酸処理ゼラチン35
00g、カチオンポリマー(p−1)、サポニン50%
水溶液6Lを含有する水溶液65Lに添加混合して三和
工業株式会社製の高圧ホモジナイザーで乳化分散し、減
圧で酢酸エチルを除去した後全量を100Lに仕上げ
た。
【0117】〈マット剤分散液1の調製〉綜研科学株式
会社製のメタクリル酸メチル系マット剤MX−500
(平均粒径5μm)400gを前記PVA235を3g
含有する純水7L中に添加し、高速ホモジナイザーで分
散し全量を7.8Lに仕上げた。
【0118】〈塗布液の調製〉第1層、第2層、第3層
の塗布液を以下の手順で調製した。
【0119】第1層用塗布液 シリカ分散液2の560mlに40℃で攪拌しながら、
以下の添加剤を順次混合した。
【0120】 ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA203)の 10%水溶液 0.6ml ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235)の5%水溶液 150ml ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA245)の5%水溶液 100ml 蛍光増白剤分散液1 32ml 酸化チタン分散液1 30ml ラテックスエマルジョン(第一工業株式会社製:AE−803)21ml 純水で全量を1000mlに仕上げる。
【0121】第2層用塗布液 シリカ分散液2の630mlに40℃で攪拌しながら、
以下の添加剤を順次混合した。
【0122】 ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA203)の 10%水溶液 0.6ml ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235)の5%水溶液 150ml ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA245)の5%水溶液 100ml 蛍光増白剤分散液1 50ml 純水で全量を1000mlに仕上げる。
【0123】第3層用塗布液 シリカ分散液2の640mlに40℃で攪拌しながら、
以下の添加剤を順次混合した。
【0124】 ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA203)の 10%水溶液 0.6ml ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235)の5%水溶液 150ml ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA245)の5%水溶液 100ml シリコン分散液(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製: BY−22−839) 3.5ml サポニン50%水溶液 4ml フッ素系ノニオン性界面活性剤5%水溶液 2ml 純水で全量を1000mlに仕上げる。
【0125】上記のようにして得られた塗布液を、下記
のフィルターでろ過した。 第1層と第2層:東洋濾紙株式会社製TCP10で2段
ろ過 第3層:東洋濾紙株式会社製TCP30で2段ろ過 ポリオレフィンで両面を被覆した上記7種の支持体の表
側に、第1層(40μm)、第2層(110μm)、第
3層(30μm)の順になるように各層を同時塗布し
た。かっこ内はそれぞれの湿潤膜厚を示す。塗布は、そ
れぞれの塗布液を40℃で3層式カーテンコーターで同
時塗布を行い、塗布直後に8℃に保持した冷却ゾーンで
20秒間冷却した後、20〜30℃の風で60秒間、4
5℃の風で60秒間、50℃の風で60秒間順次乾燥し
た(恒率乾燥域における皮膜温度は8〜25℃であり、
減率乾燥域で皮膜温度は徐々に上昇した)後、23度、
相対湿度40〜60%で調湿した。
【0126】次に、酢酸エチルに溶解したイソシアネー
ト系架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製コロネー
ト3041と、住友バイエルウレタン株式会社製スミジ
ュールN3300の2:8(質量比)の混合物)を2.
0g/m2になるようにオーバーコートし、記録用紙1
〜7を得た。各記録用紙のインク吸収層中のシリカ粒子
の粒径は約0.04μmであった。
【0127】得られた記録用紙について表面平滑度、光
沢度、白さ及び不透明度を測定し、その結果を表1に示
す。表中、Ra、Rz、Rmaxは、それぞれJIS
B0601に規定される方法で測定した表面の平均粗
さ、10点の平均粗さ、最大高さ(いずれも基準長2.
5mm、カットオフ値0.8mmで測定した)を表し、
BCはベック平滑度を表す。また光沢度は60度及び7
5度の二つの角度で測定した。
【0128】
【表1】
【0129】また、以下に記す組成の顔料インクを用
い、ノズル径が25μm、駆動周波数12KHz、ノズ
ル数各色128、同色間のノズル密度180dpiであ
るピエゾ型ヘッドを搭載したオンデマンド型インクジェ
ットプリンターを使用し、記録密度360×360dp
iの条件で上記で得られた各記録用紙にY、M、C、
B、G、R及びKの各画像を吐出量を変化させながらプ
リントした。
【0130】 〈イエローインク〉 C.I.ピグメントイエロー74(顔料平均粒子径0.14μm) 30.0g デモールC(花王(株)製) 18.5g エチレングリコール 180g トリエチレングリコールモノブチルエーテル 120g オルフィン(日信化学(株)製) 4g プロキセル(ゼネカ(株)製) 2g 塩化ナトリウム 0.25g イオン交換水で全量を1000gに仕上げる。
【0131】 〈マゼンタインク〉 C.I.ピグメントレッド12(顔料平均粒子径0.090μm) 35.2g デモールC(花王(株)製) 21.5g エチレングリコール 1780g トリエチレングリコールモノブチルエーテル 140g オルフィン(日信化学(株)製) 4g プロキセル(ゼネカ(株)製) 2g 塩化ナトリウム 0.25g イオン交換水で全量を1000gに仕上げる。
【0132】 〈シアンインク〉 C.I.ピグメントブルー15(顔料平均粒子径0.10μm) 31.0g デモールC(花王(株)製) 21.5g エチレングリコール 180g トリエチレングリコールモノブチルエーテル 120g オルフィン(日信化学(株)製) 4g プロキセル(ゼネカ(株)製) 2g 塩化ナトリウム 0.25g イオン交換水で全量を1000gに仕上げる。
【0133】 〈ブラックインク〉 カーボンブラック(平均粒子径0.18μm) 22.5g デモールC(花王(株)製) 15.5g エチレングリコール 220g トリエチレングリコールモノブチルエーテル 120g オルフィン(日信化学(株)製) 4g プロキセル(ゼネカ(株)製) 2g 塩化ナトリウム 0.25g イオン交換水で全量を1000gに仕上げる。
【0134】上記インクはそれぞれサンドミル分散機で
分散した後、孔径1μmのフィルターで2回ろ過して使
用した。
【0135】得られた各画像の光沢度を表2、3に示
す。また100%吐出部分の点状の画像ムラの有無を目
視にて判定した。
【0136】
【表2】
【0137】
【表3】
【0138】表2、3に示した結果から、Raと白地光
沢度が本発明の範囲内にある記録用紙4〜6では、プリ
ント部分と未プリント部分との光沢差が5%以内であり
画像状の大きな光沢差のないプリントが得られることが
わかる。
【0139】白地光沢度が30%を越える記録用紙1〜
3では、白地部分の光沢度に対して5%以上変化する箇
所があり画像状の光沢ムラが多いことがわかる。
【0140】またRaが3.0μmを越える記録用紙7
では表面の凹凸に応じて微小な光沢ムラがあり、高品位
なプリントとは言い難い。
【0141】実施例2 第3層にマット剤分散液を塗布液1L当たり20ml添
加した以外は実施例1と同様にして記録用紙1A〜7A
を作製し、実施例1と同様に評価し、表4に示す結果を
得た。
【0142】
【表4】
【0143】表4の結果から、実施例1と同様に、Ra
が0.8〜3μmで白地光沢度が10〜30%である本
発明の記録用紙は、顔料インクでのプリントした際の光
沢度変化が少ないことがわかる。
【0144】実施例3 第3層にマット剤分散液を塗布液1L当たり60ml添
加した以外は実施例1と同様にして記録用紙1B〜7B
を作製し、実施例1と同様に評価し、表5に示す結果を
得た。
【0145】
【表5】
【0146】表5の結果から実施例1、2と同様に、R
aと表面光沢度が本発明の範囲の記録用紙は良好な顔料
インク適性があることがわかる。
【0147】
【発明の効果】本発明により、顔料インクで記録しても
画像状に光沢差が小さく、しかも適度の光沢度を付与し
た高級感のあるインクジェット記録用紙を提供すること
ができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上にインク吸収層を有する顔料イ
    ンク用インクジェット記録用紙であって、インク吸収層
    表面のJIS Z 8741による60度鏡面光沢度が
    10〜30%であり、該インク吸収層表面がJIS B
    0601に規定される基準長2.5mm、カットオフ
    値0.8mmで測定したときの中心線平均粗さRaが
    0.8〜3.0μmであることを特徴とする顔料インク
    用インクジェット記録用紙。
  2. 【請求項2】 インク吸収層が平均粒径1〜20μmの
    マット剤を含有することを特徴とする請求項1記載の顔
    料インク用インクジェット記録用紙。
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