JP2021142725A - 記録方法及び記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】立体形状に対して水性インクを付着させて優れた画質を得るため、凹凸面を有する記録媒体に対して、むらなくインクを付着させること。【解決手段】記録媒体に記録を行う記録方法であって、前記記録媒体が、表面に立体模様を有する合成繊維含有シートであり、水系インク組成物をインクジェットヘッドから吐出して、前記記録媒体に付着させるインク付着工程を備え、前記水系インク組成物が、顔料と、水と、有機溶剤と、を含有し、前記顔料の含有量が、前記水系インク組成物の総量に対して、5.0質量%以下であり、前記有機溶剤が、グリコールエーテル類又は炭素数5以上のアルカンジオール類の少なくとも一方を含み、前記グリコールエーテル類又は前記アルカンジオール類の合計含有量が、前記水系インク組成物の総量に対して、1.0質量%以上である、記録方法。【選択図】なし

Description

本発明は、記録方法及び記録装置に関する。
インクジェット記録方法は、比較的単純な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。その中で、紙等の平滑な記録媒体以外に様々な媒体に記録する方法について種々の検討がなされている。そのような記録媒体の一つとしては、例えば、フリース紙の表面に装飾層を設けたもの等がある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、フリース紙の表面に、立体模様を形成したりする方法が開示されている。
特開2016−69854号公報
立体模様を有する合成繊維含有シートに、水性インクを付着させて優れた画質を得ることは容易ではなく、このような凹凸面を有する記録媒体に対して、むらなくインクを付着させることは、困難であった。
本発明は、記録媒体に記録を行う記録方法であって、記録媒体が、表面に立体模様を有する合成繊維含有シートであり、水系インク組成物をインクジェットヘッドから吐出して、記録媒体に付着させるインク付着工程を備え、水系インク組成物が、顔料と、水と、有機溶剤と、を含有し、顔料の含有量が、水系インク組成物の総量に対して、5.0質量%以下であり、有機溶剤が、グリコールエーテル類又は炭素数5以上のアルカンジオール類の少なくとも一方を含み、グリコールエーテル類又はアルカンジオール類の合計含有量が、水系インク組成物の総量に対して、1.0質量%以上である、記録方法である。
また、本発明は、記録方法により記録を行う記録装置であって、表面に立体模様を有する合成繊維含有シートを含む記録媒体に対して、水系インク組成物を吐出するインクジェットヘッドを備え、水系インク組成物が、顔料と、水と、有機溶剤と、を含有し、顔料の含有量が、水系インク組成物の総量に対して、5.0質量%以下であり、有機溶剤が、グリコールエーテル類又は炭素数5以上のアルカンジオール類の少なくとも一方を含み、グリコールエーテル類又はアルカンジオール類の合計含有量が、水系インク組成物の総量に対して、1.0質量%以上である、記録装置である。
本実施形態のインクジェット記録装置の一例を表す斜視図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
1.記録方法
本実施形態の記録方法は、表面に立体模様を有する合成繊維含有シートを記録媒体として用いる記録方法であって、水系インク組成物をインクジェットヘッドから吐出して、該記録媒体に付着させるインク付着工程を備えるものである。そして、本実施形態の記録方法では、インク付着工程において、顔料と、水と、有機溶剤と、を含有し、顔料の含有量が、水系インク組成物の総量に対して、5.0質量%以下であり、有機溶剤が、グリコールエーテル類又は炭素数5以上のアルカンジオール類の少なくとも一方(以下、これらをまとめて「特定有機溶剤」ともいう。)を含み、特定有機溶剤の合計含有量が、水系インク組成物の総量に対して、1.0質量%以上である水系インク組成物を用いる。
インクジェット法を用いた記録方法は、多種多様な記録媒体に対して用いられている。そのなかで、壁紙を記録媒体として用いて、インクジェット法により任意の記録を施すことが検討されている。例えば、フリース壁紙等は、水系接着剤で壁へ貼り付けることができ、一般に、水等で膨潤したりしわになったりすることがなく、水系インク組成物による記録に適している。このような壁紙は、一般的な紙面のように平滑な記録面を有するものに限られず、その意匠性の観点から、表面にエンボス加工等の凹凸加工が施されたものが好んで使用される。
しかしながら、このような立体模様を有する記録媒体に対してインク組成物を付着させると、凹部にインク組成物が集中しやすく、その集中部分(以下、「インク溜まり」ともいう。)は濃く着色されたりするため、意図したような記録を施すことができないという問題がある。この理由は、特に限定されるものではないが、立体模様に付着したインク組成物が、記録媒体に浸透したり乾燥したりする前に、重力に沿って立体模様の表層を流れるためと考えられる。また、このようにインク組成物が局所的に集中し、溜まった状態で乾燥すると、その部分のインク組成物は剥がれ落ちやすく、記録物の耐湿摩擦性も悪化させるという問題も生じる。
また、壁紙等に用いられるフリースは、一般的に、合成繊維含有シートで構成される。そのため、天然繊維を含む和紙等と比較すると、フリース壁紙は水系インク組成物の吸収性に劣り、上記のようなインク組成物の集中に関する問題がより生じやすい。
これに対して、本実施形態においては、顔料の含有量と特定有機溶剤の含有量を調整することにより、水系インク組成物の合成繊維含有シートに対する浸透性を向上させる。これにより、壁紙等の凹凸部分に対して水系インク組成物を均一に浸透させることが可能となり、凹部のインク溜まりを抑制しつつ、表面に立体模様を有する合成繊維含有シートに対してより優れたベタ画質を形成とすることができる。また、インク溜まりが抑制できるため、記録物の耐湿摩擦性もより向上することができる。よって、本実施形態においては、記録媒体の少なくとも立体模様を有する部分にインク組成物を付着させることが好ましい。以下、各成分について詳説する。
1.1.記録媒体
まず各工程についての説明の前に、本実施形態の記録方法が対象とする記録媒体について説明する。本実施形態の記録方法は、表面に立体模様を有する合成繊維含有シートを含む記録媒体を対象とする。
ここで、合成繊維含有シートとは、合成繊維を含むものであれば特に制限されず、合成繊維のみから構成されるシートであっても、合成繊維と天然繊維とを含むシートであってもよい。このなかでも、合成繊維と天然繊維とを含むシート、すなわち、天然繊維と合成繊維を混抄したシートが好ましい。合成繊維を含むことにより、記録媒体としての耐久性がより向上し、また、水を吸収しても膨潤し難くなる。一方で、合成繊維を含むことにより、インク吸収性が低下するため、本発明が有用である。さらに、天然繊維と合成繊維を混抄したシートとすることにより、立体模様を付与しやすく、上記耐久性等を維持しつつインク吸収性を向上させることができる。
合成繊維としては、特に制限されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、共重合ポリエステル等のポリエステル系繊維;線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン46等のポリアミド系繊維;ポリアクリロニトリル等のアクリル系繊維;ポリウレタン系繊維等のほか、アセテート、トリアセテート、プロミックス等の半合成繊維が挙げられる。このなかでも、ポリエステル系繊維が好ましい。
また、天然繊維としては、特に制限されないが、例えば、木材パルプ繊維、非木材パルプ繊維、綿、麻等のセルロース系繊維;羊毛、絹等が挙げられる。このなかでも、セルロース系繊維が好ましい。
合成繊維含有シートは、繊維をシート状に成形したものであれば特に制限されず、織布であっても不織布であっても、又は織物であってもよい。このなかでも、不織布が好ましい。なお、天然繊維と合成繊維を混抄した不織布を壁紙用として用いたものを、本実施形態ではフリース壁紙ともいう。
さらに、本実施形態における記録媒体は、表面に立体模様を有する合成繊維含有シートを含むものであれば特に制限されず、合成繊維含有シート単体であってもよいし、記録面側に合成繊維含有シートを有し、その裏面に他の層を有するような積層体であってもよい。ここで、他の層としては、合成繊維含有シートに強度を付与する支持層や、壁紙として用いる場合は、粘着層及びその粘着層の粘着面を保護する剥離層等が挙げられる。また、本実施形態における記録媒体は、表面の一部が合成繊維含有シートにより構成されるものであってもよい。
合成繊維含有シートが有する立体模様としては、特に制限されないが、例えば、目視で表面に凹凸の模様が見えるものが挙げられる。立体模様は、シマ、マス目、文様等の所定の繰り返し単位からなる模様や、不規則な模様等、任意に構成することができる。また、合成繊維含有シートはその全面に模様を有している必要はなく、シートの所定の場所に付与された、目印、マーク目的の模様も、本実施形態における立体模様に含まれる。
このような立体模様は、特に制限されないが、例えば、エンボス加工等で、シート表面に加圧プレス(型押し)することで付与することができる。そのほか、シート表面に部分的に微小な樹脂を付着してその樹脂により立体模様を形成したり、抄紙する際に、表面に繰り返し立体模様を形成したりする方法等、加圧プレス以外の方法によって、立体模様を形成してもよい。
このような記録媒体を用いることにより、膨潤しにくく、得られる記録物の耐湿摩擦性が向上する傾向にある。また、得られる記録物に水性の接着剤を塗布し、被接着物に貼りつける際にも良好な接着性を示す。
合成繊維含有シートの目付は、好ましくは100g/m2以上である。一方、好ましくは300g/m2以下である。より好ましくは120〜300g/m2であり、さらに好ましくは120〜250g/m2であり、特に好ましくは150〜230g/m2である。なお、合成繊維含有シートの目付が100g/m2以上であることにより、水系インク組成物の吸収性がより向上し、インク溜まりがより改善される傾向にある。
1.2.インク付着工程
インク付着工程は、水系インク組成物をインクジェットヘッドから吐出して、少なくとも記録媒体の立体模様に付着させる工程である。ここで、インクジェットヘッドは、水系インク組成物を記録媒体に向けて吐出して記録を行うヘッドであり、当該ヘッドは、収容したインク組成物をノズルから吐出させるキャビティーと、水系インク組成物に対して吐出の駆動力を付与する吐出駆動部と、ヘッドの外へ水系インク組成物を吐出するノズルと、を有する。吐出駆動部は、機械的な変形によりキャビティーの容積を変化させる圧電素子等の電気機械変換素子や、熱を発することによりインクに気泡を発生させ吐出させる電子熱変換素子等を用いて形成することができる。
また、インクジェットヘッドは、シリアルヘッドであっても、ラインヘッドであってもよい。シリアルヘッドを用いたシリアル方式では、ヘッドを記録媒体の副走査方向(T1−T2)と交差した主走査方向(S1−S2)に移動させながら、水系インク組成物を吐出し、記録媒体に付着させる主走査を複数回行い、同一の領域に主走査を2回以上行うことにより、記録媒体上に画像を記録する(図1参照)。また、ラインヘッドを用いたライン方式では、ヘッドを固定して、記録媒体を走査方向(記録媒体の縦方向、搬送方向)に沿って移動させ、この移動に連動してヘッドのノズル開口からインク滴を吐出させることにより、記録媒体上に画像を記録する。
このなかでも、本実施形態の記録方法は、シリアルヘッドを用いたシリアル方式で行うことが好ましい。これにより、得られる記録物のベタ画質がより向上する傾向にある。
インク付着工程における、水系インク組成物の最大の付着量は、好ましくは20mg/inch2以下である。一方、好ましくは2mg/inch2以上である。さらには、より好ましくは5〜18mg/inch2であり、さらに好ましくは10〜14mg/inch2である。水系インク組成物の最大の付着量が20mg/inch2以下であることにより、インク溜まりがより抑制され、耐湿摩擦性がより向上する傾向にある。また、水系インク組成物の最大の付着量が2mg/inch2以上であることにより、得られる記録物の光学濃度や埋まり性がより向上する傾向にある。なお、「最大の付着量」とは、記録方法において記録領域によって付着量の異なる領域がある場合、そのうちインクの単位面積当たりの付着量が最も多い領域の付着量をいう。ここで領域は付着量の特定ができる程度の領域であればよく、例えば1×1mm程度の領域である。
1.2.1.水系インク組成物
本実施形態の水系インク組成物は、顔料と、水と、有機溶剤と、を含有し、必要に応じて、樹脂、ワックス、消泡剤、及び界面活性剤を含有してもよい。特に、本実施形態の水系インク組成物は、有機溶剤として、グリコールエーテル類又は炭素数5以上のアルカンジオール類の少なくとも一方である特定有機溶剤を含み、必要に応じて特定有機溶剤以外の有機溶剤(以下、「その他の有機溶剤」ともいう)を含んでいてもよい。なお、特定有機溶剤とその他の有機溶剤を区別しないときは、単に「有機溶剤」という。また、本実施形態において「水系」とは水を主要な溶媒成分の1つとする組成物である。以下、各成分について詳説する。
1.2.1.1.顔料
顔料としては、特に制限されないが、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタン等の無機顔料;キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料、マゼンタ顔料、及びアゾ系顔料等の有機顔料が挙げられる。顔料は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
顔料の含有量は、水系インク組成物の総量に対して、5.0質量%以下であり、好ましくは1.0〜5.0質量%であり、より好ましくは2.5〜5.0質量%である。顔料の含有量が5.0質量%以下であることにより、インク溜まりがより抑制され、耐湿摩擦性がより向上する。また、顔料の含有量が1.0質量%以上であることにより、得られる記録物の光学濃度がより向上する傾向にある。なお、顔料の含有量は固形分量をいい、顔料を顔料分散液の形で水系インク組成物に混合する場合には、その固形分量を意味する。
1.2.1.2.水
水の含有量は、水系インク組成物の総量に対して、好ましくは40質量%以上であり、さらに好ましくは45〜98質量%である。さらには、好ましくは55〜85質量%であり、より好ましくは60〜80質量%であり、さらに好ましくは65〜75質量%である。水の含有量が上記範囲内であることにより、記録媒体の膨潤を生じさせず、また、耐湿摩擦性に優れた記録物を得ることができる。
1.2.1.3.有機溶剤
本実施形態の水系インク組成物は、特定有機溶剤として、多価アルコールのアルキルエーテル(グリコールエーテル)及び炭素数5以上のアルカンジオール類を含む。このような特定有機溶剤を所定量含むことにより、合成繊維含有シートに対する水系インク組成物の浸透性をより向上させることができる。そのため、立体模様に水系インク組成物を付着させた場合であっても、水系インク組成物は付着した個所に速やかに浸透し、インク溜まりの発生を抑制することができ、得られる記録物のベタ画質がより向上するほか、得られる記録物の耐湿摩擦性がより向上する。
グリコールエーテルは、アルキレングリコール又はアルキレングリコールの水酸基同士が分子間で縮合した縮合物が、エーテル化したものである。縮合物の場合は、縮合数は2〜6が好ましく、2〜4がより好ましい。アルキレングリコールやその縮合物において、アルキレン基は、炭素数1〜5が好ましく、2〜4がより好ましい。グリコールエーテルのエーテルは、アルキルエーテルが好ましい。アルキルエーテルのアルキル基の炭素数は、1〜5が好ましく、2〜4がより好ましい。グリコールエーテルは、グリコールモノエーテル又はグリコールジエーテルであってよく、グリコールモノエーエテルが好ましい。
グリコールエーテル類としては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールモノエーテル;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等のグリコールジエーテルが挙げられる。グリコールエーテル類は、1種単独で用いても又は2種以上を併用してもよい。
このなかでも、グリコールモノエーテルが好ましく、エーテル基の末端炭素数が3〜5のグリコールモノエーテルが好ましく、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテルがより好ましい。このようなグリコールエーテル類を用いることにより、インク溜まりがより抑制され、耐湿摩擦性がより向上する傾向にある。
炭素数5以上のアルカンジオール類としては、特に限定されないが、例えば、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。炭素数5以上のアルカンジオール類は、1種単独で用いても又は2種以上を併用してもよい。
このなかでも、炭素数5〜8のアルカンジオール類が好ましく、炭素数5〜8で長鎖末端に水酸基を有するアルカンジオール類がより好ましい。特に、1,2−アルカンジオールが好ましい。例えば、1,2−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールが特に好ましい。
このようなアルカンジオール類を用いることにより、インク溜まりがより抑制され、耐湿摩擦性がより向上する傾向にある。
なお、特定有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特定有機溶剤の合計含有量は、水系インク組成物の総量に対して、1.0質量%以上である。好ましくは1.0〜20質量%であり、さらに好ましくは1.0〜15質量%であり、より好ましくは1.0〜8.0質量%であり、さらに好ましくは1.5〜4.0質量%である。特定有機溶剤の含有量が1.0質量%以上であることにより、インク溜まりが抑制され、耐湿摩擦性がより向上する。また、特定有機溶剤の含有量が上記範囲以下であることにより、水系インク組成物の乾燥性がより向上し、それによって耐湿摩擦性がより向上する傾向にある。
また、特定有機溶剤の合計含有量は、有機溶剤全体の総量に対して、好ましくは2.0〜35質量%であり、より好ましくは3.0〜30質量%であり、さらに好ましくは5.0〜20質量%である。特定有機溶剤の含有量が有機溶剤全体の総量に対して2.0質量%以上であることにより、インク溜まりがより抑制され、耐湿摩擦性がより向上する。また、特定有機溶剤の含有量が有機溶剤全体の総量に対して35質量%以下であることにより、水系インク組成物の乾燥性がより向上し、それによって耐湿摩擦性がより向上する傾向にある。
1.2.1.4.その他の有機溶剤
本実施形態の水系インク組成物はその他の有機溶剤を含んでいてもよい。その他の有機溶剤としては、特に制限されないが、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン等の含窒素溶剤;グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール等のポリオール類;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、及びtert−ペンタノール等のアルコール類が挙げられる。
含窒素溶剤としては、環状アミド、非環状アミドなどがあげられる。環状アミドとしては、上記のピロリドン類などがあげられる。非環状アミドとしては、例えばN,N−ジアルキル−アルキルアミドなどがあげられる。N,N−ジアルキル−アルキルアミドとして、例えばN,N−ジアルキル−アルコキシアルキルアミドなどがあげられる。
ポリオール類としては、炭素数4以下のアルカンポリオールや、炭素数4以下のアルカンポリオールが水酸基同士が分子間で縮合した縮合物などがあげられる。ポリオール類の分子内の水酸基数は2〜4が好ましく、2がより好ましい。
このなかでも、ポリオール類、含窒素溶剤などが好ましい。例えば、プロピレングリコール、2−ピロリドン等が好ましい。その他の有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その他の有機溶剤の含有量は、水系インク組成物の総量に対して、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは2〜45質量%である。さらには、好ましくは10〜40質量%であり、より好ましくは15〜35質量%であり、さらに好ましくは20〜30質量%である。その他の有機溶剤の含有量が上記範囲内であることにより、インク溜まりがより抑制され、耐湿摩擦性がより向上する傾向にある。
また、特定有機溶剤とその他の有機溶剤を併せた有機溶剤全体の含有量は、水系インク組成物の総量に対して、好ましくは1〜50質量%であり、さらに好ましくは10〜45質量%であり、より好ましくは15〜40質量%であり、さらに好ましくは20〜35質量%である。有機溶剤全体の含有量が上記範囲内であることにより、インク溜まりがより抑制され、耐湿摩擦性がより向上する傾向にある。
本実施形態の水系インク組成物に含まれる有機溶剤の標準沸点は、好ましくは160〜280℃であり、より好ましくは160〜270℃であり、さらに好ましくは160〜250℃である。さらに好ましくは170〜220℃である。有機溶剤の標準沸点が上記範囲内であることにより、インク溜まりがより抑制され、耐湿摩擦性がより向上する傾向にある。上記の特定有機溶剤が、標準沸点が上記範囲であることがより好ましい。
標準沸点が上記範囲内である有機溶剤の含有量は、水系インク組成物の総量に対して、好ましくは95〜100質量%であり、より好ましくは98〜100質量%であり、さらに好ましくは99〜100質量%である。このような有機溶剤の含有量が上記範囲内であることにより、インク溜まりがより抑制され、耐湿摩擦性がより向上する傾向にある。
また、標準沸点が上記範囲外である有機溶剤の含有量は、水系インク組成物の総量に対して、好ましくは5.0質量%以下であり、より好ましくは2.0質量%以下であり、さらに好ましくは1.0質量%以下であり、さらにより好ましくは0.5質量%以下であり、特に好ましくは0.1質量%以下であり、含有量の下限は0質量%でもよい。このような有機溶剤の含有量が上記範囲内であることにより、インク溜まりがより抑制され、耐湿摩擦性がより向上する傾向にある。
水系インク組成物は、標準沸点が280℃超である有機溶剤を1質量を超えて含有しないことが好ましく、0.5質量を超えて含有しないことがより好ましく、0.1質量を超えて含有しないことがさらに好ましい。〇〇質量を超えて含有しないという場合、〇〇質量を超えなければ含有しても良いし、含有しなくてよいの意味である。この場合、耐湿摩擦性やインク溜り抑制や画質などがより優れ好ましい。
1.2.1.5.樹脂
樹脂としては、水系インク組成物中で溶解しているもの、又は、エマルションの形態で分散しているもの(樹脂粒子)が挙げられる。特に、目詰まり回復性の観点からエマルションの形態で分散しているものが、より好ましい。このような樹脂を用いることにより、耐湿摩擦性により優れた記録物が得られる傾向にある。特に、記録媒体とインク塗膜との結着性(耐湿摩擦性)の向上に寄与する傾向がある。
このような樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ブタジエン樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、パラフィン樹脂、フッ素樹脂、及び水溶性樹脂、並びにこれらの樹脂を構成する単量体を組み合わせた共重合体が挙げられる。共重合体としては、特に限定されないが、例えば、スチレンブタジエン樹脂、スチレンアクリル樹脂が挙げられる。また、樹脂としては、これら樹脂を含むポリマーラテックスを用いることができる。例えば、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン樹脂の微粒子を含むポリマーラテックスが挙げられる。なお、樹脂は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。特に、本実施形態の水系インク組成物に含まれる樹脂粒子が、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂又はポリエステル系樹脂の少なくとも1つを含むことが好ましい。
上記のアクリル系樹脂は、アクリルモノマーを少なくとも重合させて得たポリマーであり、アクリルモノマーと他のモノマーの共重合ポリマーも含む。アクリルモノマーとしては、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸などがあげられる。他のモノマーとしては、ビニルモノマーなどがあげられ、例えばスチレンなどがあげられる。
ウレタン系樹脂は、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とのウレタン重合により得られた樹脂である。
樹脂の含有量は、水系インク組成物の総量に対して、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは1.0〜20質量%であり、さらに好ましくは1.0〜10質量%であり、より好ましくは2.0〜8.0質量%であり、さらに好ましくは2.0〜6.0質量%である。樹脂の含有量が上記範囲以上であることにより、上記のとおり、耐湿摩擦性がより向上する傾向にある。また、樹脂の含有量が上記範囲以下であることにより、吐出安定性や、目詰まり回復性がより向上する傾向にある。
1.2.1.6.ワックス
ワックスは、水系インク組成物中で溶解するもの、又は、エマルションの形態で分散するものが挙げられる。このようなワックスを用いることにより、耐湿摩擦性により優れた記録物が得られる傾向にある。特に、記録媒体上のインク塗膜の表面(空気とインク塗膜の界面)に偏在することによる耐湿摩擦性の向上に寄与する傾向がある。このようなワックスとしては、特に制限されないが、例えば、高級脂肪酸と高級1価アルコールまたは2価アルコール(好ましくは1価アルコール)とのエステルワックス、パラフィンワックス、若しくはオレフィンワックス又はこれらの混合物が挙げられる。
ワックスの含有量は、水系インク組成物の総量に対して、好ましくは0.1〜3.0質量%であり、より好ましくは0.3〜2.0質量%であり、さらに好ましくは0.3〜1.0質量%である。ワックスの含有量が0.1質量%以上であることにより、上記のとおり、耐湿摩擦性がより向上する傾向にある。また、ワックスの含有量が3.0質量%以下であることにより、吐出安定性や、目詰まり回復性がより向上する傾向にある。
1.2.1.7.消泡剤
消泡剤としては、特に制限されないが、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤、及びアセチレングリコール系消泡剤が挙げられる。消泡剤の市販品としては、BYK−011、BYK−012、BYK−017、BYK−018、BYK−019、BYK−020、BYK−021、BYK−022、BYK−023、BYK−024、BYK−025、BYK−028、BYK−038、BYK−044、BYK−080A、BYK−094、BYK−1610、BYK−1615、BYK−1650、BYK−1730、BYK−1770(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、サーフィノールDF37、DF110D、DF58、DF75、DF220、MD−20、エンバイロジェムAD01(以上商品名、日信化学工業社(Nissin Chemical Industry Co.,Ltd.)製)が挙げられる。消泡剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
消泡剤の含有量は、水系インク組成物の総量に対して、好ましくは0.03〜0.7質量%であり、より好ましくは0.05〜0.5質量%であり、さらに好ましくは0.08〜0.3質量%である。
1.2.1.8.界面活性剤
界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール及び2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキサイド付加物、並びに2,4−ジメチル−5−デシン−4−オール及び2,4−ジメチル−5−デシン−4−オールのアルキレンオキサイド付加物から選択される一種以上が好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、オルフィン104シリーズやオルフィンE1010等のEシリーズ、サーフィノール465やサーフィノール61(以上商品名、日信化学工業社(Nissin Chemical Industry CO.,Ltd.)製商品名)等が挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、パーフルオロアルキルス
ルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物が挙げられる。フッ素系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、S−144、S−145(以上商品名、旭硝子株式会社製);FC−170C、FC−430、フロラード−FC4430(以上商品名、住友スリーエム株式会社製);FSO、FSO−100、FSN、FSN−100、FS−300(以上商品名、Dupont社製);FT−250、251(以上商品名、株式会社ネオス製)等が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリシロキサン系化合物、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、具体的には、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学株式会社製)等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の含有量は、水系インク組成物の総量に対して、好ましくは0.3〜3.0質量%であり、より好ましくは0.5〜2.0質量%であり、さらに好ましくは0.8〜1.5質量%である。
1.3.処理液付着工程
本実施形態の記録方法は、水系インク組成物の成分を凝集させる凝集剤を含有する処理液を、記録媒体に付着させる処理液付着工程をさらに備えてもよい。記録媒体で処理液と水系インク組成物とが接触するように付着させる。このような処理液付着工程を備えることにより、水系インク組成物の成分が記録媒体の表面で凝集しやすくなり、結果として、インク溜まりがより抑制され、耐湿摩擦性がより向上する傾向にある。処理液の付着方法としては、上記同様インクジェット方式を用いて付着させる方法の他ほのか、バーコーター、ロールコーター、スプレー等を用いて、塗布してもよい。なお、インクジェット方式としては、上記水系インク組成物の吐出方法と同様の方法が例示できる。
水系インク組成物と処理液とを付着した領域のうち、水系インク組成物の付着量が最大となる領域において、処理液の付着量は、水系インク組成物の付着量に対して、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは2〜17質量%であり、さらに好ましくは5〜15質量%である。処理液の付着量が上記範囲内であることにより、インク溜まりがより抑制され、耐湿摩擦性がより向上する傾向にある。
処理液付着工程は、インク付着工程の前に行っても、後に行ってもよい。また、インク付着工程の前に処理液付着工程を行う場合、処理液が乾燥する前にインク付着工程を行っても、処理液が乾燥してからインク付着工程を行ってもよい。さらに、インク付着工程の後に処理液付着工程を行う場合、水系インク組成物が乾燥する前に処理液付着工程を行うことが好ましい。
1.3.1.処理液
処理液は、水系インク組成物の成分を凝集させる凝集剤を含むものであれば、特に制限されず、必要に応じて、水、有機溶剤、消泡剤、界面活性剤を含んでいてもよい。水系の処理液が好ましい。
1.3.1.1.凝集剤
凝集剤としては、水系インク組成物の成分を凝集させるものであれば、特に制限されないが、例えば、多価金属塩、有機酸、及びカチオン性樹脂が挙げられる。凝集剤は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
多価金属塩としては、特に限定されないが、例えば、無機酸の多価金属塩又は有機酸の多価金属塩が挙げられる。多価金属としては、特に制限されないが、例えば、周期表の第2属のアルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウム)、周期表の第3属の遷移金属(例えば、ランタン)、周期表の第13属からの土類金属(例えば、アルミニウム)、ランタニド類(例えば、ネオジム)が挙げられる。これら多価金属の塩としては、カルボン酸塩(蟻酸、酢酸、安息香酸塩等)、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、及びチオシアン酸塩が好適である。中でも、好ましくは、カルボン酸(蟻酸、酢酸、安息香酸塩等)のカルシウム塩又はマグネシウム塩、硫酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩、硝酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、及びチオシアン酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩が挙げられる。なお、多価金属塩は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
有機酸としては、特に限定されないが、例えば、酢酸、シュウ酸、マロン酸、クエン酸が挙げられる。このなかでも、1価あるいは2価以上のカルボン酸が好ましい。また、有機酸は塩の状態であってもよい。なお、有機酸又はその塩は1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。有機酸又はその塩で多価金属塩でもあるものは多価金属塩に含めるものとする。
カチオン性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アミン・エピクロロヒドリン縮合型ポリマー、ポリアリルアミン、ポリアリルアミン誘導体等の、アミン系樹脂が挙げられる。カチオン性樹脂は、処理液に可溶な樹脂、又は樹脂エマルション等の状態で処理液中で分散するものが好ましく前者がより好ましい。
凝集剤の含有量は、処理液の総量に対して、好ましくは1.0〜10質量%であり、より好ましくは3.0〜10質量%であり、さらに好ましくは3.0〜7.0質量%である。凝集剤の含有量が上記範囲内であることにより、インク溜まりがより抑制され、耐湿摩擦性がより向上するほか、得られる記録物の耐ブリード性及び埋まり性がより向上する傾向にある。
1.3.1.2.水
処理液に含まれる水の含有量は、処理液の総量に対して、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは50〜99.5質量%であり、さらに好ましくは55〜85質量%であり、より好ましくは60〜80質量%であり、さらに好ましくは65〜75質量%である。
1.3.1.3.有機溶剤
処理液は有機溶剤を含んでも良い。有機溶剤の種類や含有量は、前述のインク組成物におけるものと同様のものとしてもよい。処理液に含まれる有機溶剤としては、特に制限されないが、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールモノエーテル;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等のグリコールジエーテル;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン等の含窒素溶剤;グリセリン;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のグリコール類;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、及びtert−ペンタノール等のアルコール類が挙げられる。このなかでも、プロピレングリコール、2−ピロリドン、1,2−ヘキサンジオール等が好ましい。有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機溶剤の含有量は、処理液の総量に対して、好ましくは10〜40質量%であり、より好ましくは15〜35質量%であり、さらに好ましくは20〜30質量%である。
処理液は、上記水系インク組成物における特定有機溶剤に相当する有機溶剤を含んでもよい。処理液に含まれる特定有機溶剤としては、上記水系インク組成物で例示したものと同様のものを用いることができる。また、処理液に含まれる特定有機溶剤の含有量は、処理液の総量に対して、好ましくは1.0質量%以上であり、より好ましくは1.0〜15質量%であり、さらに好ましくは1.0〜8.0質量%であり、よりさらに好ましくは1.5〜4.0質量%である。特定有機溶剤の含有量が1.0質量%以上であることにより、インク溜まりがより抑制され、耐湿摩擦性がより向上する傾向にある。また、特定有機溶剤の含有量が15質量%以下であることにより、処理液の乾燥性がより向上する傾向にある。
1.3.1.4.消泡剤
処理液に含まれる消泡剤としては、水系インク組成物で例示したものと同様のものを例示することができる。消泡剤の含有量は、処理液の総量に対して、好ましくは0.03〜0.7質量%であり、より好ましくは0.05〜0.5質量%であり、さらに好ましくは0.08〜0.3質量%である。
1.3.1.5.界面活性剤
処理液に含まれる界面活性剤としては、水系インク組成物で例示したものと同様のものを例示することができる。界面活性剤の含有量は、処理液の総量に対して、好ましくは0.5〜7.0質量%であり、より好ましくは0.7〜5.0質量%であり、さらに好ましくは1.0〜4.0質量%である。界面活性剤の含有量が上記範囲内であることにより、処理液の濡れ性がより向上する傾向にある。
1.4.クリアインク付着工程
本実施形態の記録方法は、クリアインク組成物を、記録媒体に付着させるクリアインク付着工程をさらに備えてもよい。本実施形態で用いる記録媒体は、記録面が繊維からなるため意匠性に優れるという反面、表面に毛羽が立ちやすく、耐湿摩擦性に劣りやすい傾向がある。一方で、耐湿摩擦性向上の観点から水系インク組成に含まれる樹脂等の量を増加させることはインクジェット法に適する粘度等の観点から限界がある。この点、クリアインク付着工程を備えることにより、得られる記録物の耐湿摩擦性がより向上する傾向にある。クリアインク組成物の付着方法としては、上記同様インクジェット方式を用いて付着させる方法が挙げられる。記録媒体で、クリアインク組成物と水系インク組成物とが接触するように付着させる。さらに、記録媒体で、水系インク組成物と処理液とが接触した部分と、クリアインク組成物と、が接触するように付着させてもよい。
クリアインク付着工程は、インク付着工程の前に行っても、後に行ってもよいが、インク付着工程の後に行うことが好ましい。また、インク付着工程の後にクリアインク付着工程を行う場合、水系インク組成物が乾燥する前にクリアインク付着工程を行っても、水系インク組成物が乾燥してからクリアインク付着工程を行ってもよい。さらに、インク付着工程の前にクリアインク付着工程を行う場合、クリアインク組成物が乾燥する前にインク付着工程を行っても、クリアインク組成物が乾燥してからインク付着工程を行ってもよい。
また、上記処理液付着工程を行う場合には、処理液付着工程は、クリアインク付着工程の前に行っても、後に行ってもよい。また、クリアインク付着工程の前に処理液付着工程を行う場合、処理液が乾燥する前にクリアインク付着工程を行っても、処理液が乾燥してからクリアインク付着工程を行ってもよい。さらに、クリアインク付着工程の後に処理液付着工程を行う場合、クリアインク組成物が乾燥する前に処理液付着工程を行うことが好ましい。
水系インク組成物とクリアインク組成物とを付着した領域のうち、クリアインク組成物の付着量は、好ましくは0.1〜2.0mg/inch2であり、より好ましくは0.3〜2.0mg/inch2であり、さらに好ましくは0.3〜1.5mg/inch2である。クリアインク組成物の付着量が上記範囲内であることにより、得られる記録物の耐湿摩擦性がより向上する傾向にある。
1.4.1.クリアインク組成物
クリアインク組成物は、顔料に関すること以外は、水系インク組成物と同様の組成を例示することができる。なお、「クリアインク」とは、記録媒体に着色するために用いるインクではなく、その他の目的で用いるインクである。その他の目的は、記録物の耐湿摩擦性等の特性の向上や、記録媒体の光沢度の調整や、インク組成物の定着性、密着性などを向上させるため等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。クリアインク組成物は、前述の処理液ではないものである。水系のクリアインク組成物が好ましい。
このような目的のため、クリアインク組成物に含まれる顔料の含有量は、好ましくは0.2質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以下であり、さらに好ましくは0.05質量%以下であり、特に好ましくは0.01質量%以下であり、含量の含有量の下限は0質量%でもよい。
1.4.1.1.樹脂
クリアインク組成物に含まれる樹脂としては、水系インク組成物で例示した樹脂と同様のものを例示することができる。このなかでも、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂又はポリエステル系樹脂の少なくとも1つを含むことが好ましい。このような樹脂粒子を含むことにより、耐湿摩擦性がより向上する傾向にある。
樹脂の含有量は、クリアインク組成物の総量に対して、好ましくは1.0質量%以上であり、より好ましくは1〜20質量%である。さらには、より好ましくは2.0〜8.0質量%であり、さらに好ましくは2.0〜6.0質量%である。樹脂の含有量が1.0質量%以上であることにより、耐湿摩擦性がより向上する傾向にある。また、樹脂の含有量が10質量%以下であることにより、吐出安定性や目詰まり回復性がより向上する傾向にある。
1.4.1.2.ワックス
クリアインク組成物に含まれるワックスとしては、水系インク組成物で例示したものと同様のものを例示することができる。ワックスの含有量は、クリアインク組成物の総量に対して、好ましくは0.1〜5.0質量%であり、好ましくは0.3〜3.0質量%であり、好ましくは0.3〜2.0質量%である。ワックスの含有量が0.1質量%以上であることにより、耐湿摩擦性がより向上する傾向にある。また、ワックスの含有量が5.0質量%以下であることにより、吐出安定性や目詰まり回復性がより向上する傾向にある。
1.4.1.3.水
水の含有量は、クリアインク組成物の総量に対して、好ましくは40〜99質量%であり、より好ましくは55〜75質量%であり、さらに好ましくは60〜70質量%である。
1.4.1.4.有機溶剤
クリアインク組成物に含まれる有機溶剤としては、特に制限されないが、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールモノエーテル;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等のグリコールジエーテル;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン等の含窒素溶剤;グリセリン;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のグリコール類;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、及びtert−ペンタノール等のアルコール類が挙げられる。このなかでも、プロピレングリコール、2−ピロリドン、1,2−ヘキサンジオール等が好ましい。有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
クリアインク組成物に含まれる有機溶剤の含有量は、クリアインク組成物の総量に対して、好ましくは10〜40質量%であり、より好ましくは15〜35質量%であり、さらに好ましくは20〜30質量%である。
クリアインク組成物は、上記水系インク組成物における特定有機溶剤に相当する有機溶剤を含んでもよい。クリアインク組成物に含まれる特定有機溶剤としては、上記水系インク組成物で例示したものと同様のものを用いることができる。また、クリアインク組成物に含まれる特定有機溶剤の含有量は、クリアインク組成物の総量に対して、好ましくは1.0質量%以上であり、より好ましくは1.0〜15質量%であり、さらに好ましくは1.0〜8.0質量%であり、よりさらに好ましくは1.5〜4.0質量%である。特定有機溶剤の含有量が1.0質量%以上であることにより、耐湿摩擦性がより向上する傾向にある。また、特定有機溶剤の含有量が15質量%以下であることにより、クリアインク組成物の乾燥性がより向上し、それによって耐湿摩擦性がより向上する傾向にある。
1.4.1.5.消泡剤
クリアインク組成物に含まれる消泡剤としては、水系インク組成物で例示したものと同様のものを例示することができる。消泡剤の含有量は、クリアインク組成物の総量に対して、好ましくは0.03〜0.7質量%であり、より好ましくは0.05〜0.5質量%であり、さらに好ましくは0.08〜0.3質量%である。
1.4.1.6.界面活性剤
クリアインク組成物に含まれる界面活性剤としては、水系インク組成物で例示したものと同様のものを例示することができる。界面活性剤の含有量は、クリアインク組成物の総量に対して、好ましくは0.3〜3.0質量%であり、より好ましくは0.5〜2.0質量%であり、さらに好ましくは0.8〜1.5質量%である。界面活性剤の含有量が上記範囲内であることにより、クリアインク組成物の濡れ性がより向上する傾向にある。
1.5.加熱工程
本実施形態の記録方法は、上記インク付着工程、処理液付着工程、又はクリアインク付着工程において、あるいは、これら工程の間又は後において、記録媒体を加熱する加熱工程を有してもよい。記録媒体を加熱するための加熱ユニットとしては、特に制限されないが、例えば、加温機能を備える、プラテンヒーターや温風ヒーターやIRヒーター等や、加温機能を備えない、送風機等が挙げられる。
上記インク付着工程、処理液付着工程、又はクリアインク付着工程において、記録媒体を加熱することにより、記録媒体に付着した水系インク組成物、処理液、又はクリアインク組成物の揮発成分が揮発しやすくなり、これによりインク溜まりがより抑制される傾向にある。
なお、インク付着工程、処理液付着工程、又はクリアインク付着工程において、記録媒体を加熱する場合、又は加熱しない場合において、その工程における記録媒体の表面温度は、好ましくは45℃以下であり。一方、好ましくは15℃以上である。より好ましくは20〜40℃であり、さらに好ましくは25〜38℃であり、特に好ましくは30〜35℃である。上記温度は、付着工程において、記録媒体の表面の、組成物の付着を受ける部分における最高温度である。温度が上記範囲の場合、インク溜り低減、耐擦性、画質などがより優れ好ましい。
また、上記インク付着工程、処理液付着工程、又はクリアインク付着工程において、あるいは、これら工程の後において、記録媒体を加熱することにより、水系インク組成物、処理液、又はクリアインク組成物の乾燥を促進することができ、これによりインク溜まりがより抑制され、耐湿摩擦性がより向上する傾向にある。
2.インクジェット記録装置
本実施形態のメンテナンス方法に用いるインクジェット記録装置の一例として、図1に、シリアルプリンタの斜視図を示す。図1に示すように、シリアルプリンタ200は、搬送部220と、記録部230とを備えている。搬送部220は、シリアルプリンタに給送された記録媒体Fを記録部230へと搬送し、記録後の記録媒体をシリアルプリンタの外に排出する。具体的には、搬送部220は、各送りローラを有し、送られた記録媒体Fを副走査方向T1,T2へ搬送する。
また、記録部230は、搬送部220から送られた記録媒体Fに対して組成物を吐出するインクジェットヘッド231と、それを搭載するキャリッジ234と、キャリッジ234を記録媒体Fの主走査方向S1,S2に移動させるキャリッジ移動機構235を備える。
シリアルプリンタの場合には、インクジェットヘッド231として記録媒体の幅より小さい長さであるヘッドを備え、ヘッドが移動し、複数パス(マルチパス)で記録が行われる。また、シリアルプリンタでは、所定の方向に移動するキャリッジ234にヘッド231が搭載されており、キャリッジの移動に伴ってヘッドが移動することにより記録媒体上に組成物を吐出する。これにより、2パス以上(マルチパス)で記録が行われる。なお、パスを主走査ともいう。パスとパスの間には記録媒体を搬送する副走査を行う。つまり主走査と副走査を交互に行う。
インクジェットヘッド231には、水系インク組成物を吐出するノズル列が副走査方向に設けられている。ある1回の主走査において、ノズル列が記録媒体と対向する領域が、該主走査におけるインクを付着する領域(付着領域)である。1回の副走査の距離が、ノズル列の副走査方向の長さより短い場合、ある主走査における付着領域のある領域に、別の主走査において、さらにインクを付着することとなる。よって、ある主走査と別の主走査で、ある領域(同一の領域)にインクを付着させることとなる。
こうすることで、ある領域に付着すべきインク付着量を、2回以上の主走査で分けて付着することが可能である。この場合、インク溜り抑制や画質などの点がより優れ好ましい。
1回の副走査の距離が、ノズル列の副走査方向の長さの約n分の1の長さである場合、記録媒体の同一の領域に、n回の主走査を行い、n回の主走査でインクを付着することとなる。n数を、パス数や、走査(主走査)の回数という。同一の領域に主走査を2回以上行うことにより、インク溜り抑制や画質などがより優れ好ましい。パス数は1以上であり、2以上が好ましく、3〜20がより好ましく、4〜15がさらに好ましく5〜10が特に好ましい。一方、パス数が少ない方が記録速度が優れ好ましい。
また、本実施形態の記録装置は、上記シリアル方式のプリンタに限定されず、上述したライン方式のプリンタであってもよい。さらに、記録装置は、記録媒体を加熱する加熱ユニットを有していてもよい。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
1.水系インク組成物の調整
1.1.顔料分散液の調製
St−Ac酸共重合体(メタクリル酸/ブチルアクリレート/スチレン/ヒドロキシエチルアクリレート=25/50/15/10の質量比で共重合したもの。重量平均分子量7000、酸価150mgKOH/g)40質量部を、水酸化カリウム7質量部、水53質量部、を混合した液に投入し、80℃で撹拌しながら加熱して樹脂水溶液を調製した。顔料(C.I.Pigment Red 122)20質量部、上記樹脂水溶液10質量部、及びイオン交換水70質量部を混合し、ジルコニアビーズミルを用いて分散させて、マゼンタ顔料分散液を得た。
表1に記載の組成となるように、混合物用タンクに各成分を入れ、混合攪拌し、さらに5μmのメンブランフィルターでろ過することにより各例の水系インク組成物を得た。なお、表中の各例に示す各成分の数値は特段記載のない限り質量%を表す。また、表中において、顔料分散液の数値は、固形分の質量%を表す。
Figure 2021142725
表1中で使用した略号や製品成分は以下のとおりである。
〔その他の有機溶剤〕
・プロピレングリコール(沸点188℃)
・2−ピロリドン(沸点245℃)
〔特定有機溶剤〕
・1,2−ヘキサンジオール(沸点223℃)
・3−メチル−1,5−ペンタンジオール(沸点250℃)
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点278℃)
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点230℃)
〔顔料分散液〕
・C.I.Pigment Red 122
〔樹脂〕
・ジョンクリル631(スチレンアクリル系樹脂、BASFジャパン(株))
・タケラックW−6010(ウレタン系樹脂、三井化学(株))
〔ワックス〕
・AQUACER539(ポリエチレン系ワックス、ビックケミージャパン(株))
〔消泡剤〕
・サーフィノールDF110D(アセチレンジオール系界面活性剤、日信化学工業(株))
〔界面活性剤〕
・BYK348(シリコーン系界面活性剤、ビックケミージャパン(株))
2.クリアインクの調整
表2に記載の組成となるように、混合物用タンクに各成分を入れ、混合攪拌し、さらに5μmのメンブランフィルターでろ過することにより各例のクリアインク組成物を得た。なお、表中の各例に示す各成分の数値は特段記載のない限り質量%を表す。
Figure 2021142725
表2中で使用した略号や製品成分は以下のとおりである。
〔有機溶剤〕
・プロピレングリコール
・2−ピロリドン
・1,2−ヘキサンジオール
〔樹脂〕
・ジョンクリル631(スチレンアクリル系樹脂、BASFジャパン(株))
・タケラックW−6010(ウレタン系樹脂、三井化学(株))
〔ワックス〕
・AQUACER539(ポリエチレン系ワックス、ビックケミージャパン(株))
〔消泡剤〕
・サーフィノールDF110D(アセチレンジオール系界面活性剤、日信化学工業(株))
〔界面活性剤〕
・BYK348(シリコーン系界面活性剤、ビックケミージャパン(株))
3.処理液の調製
表3に記載の組成となるように、混合物用タンクに各成分を入れ、混合攪拌し、さらに5μmのメンブランフィルターでろ過することにより各例の処理液を得た。
Figure 2021142725
表3中で使用した略号や製品成分は以下のとおりである。
〔有機溶剤〕
・プロピレングリコール
・2−ピロリドン
・1,2−ヘキサンジオール
〔凝集剤〕
・酢酸カルシウム一水和物
・マロン酸
・カチオマスターPD−7(カチオン樹脂、四日市合成(株))
〔消泡剤〕
・サーフィノールDF110D(アセチレンジオール系界面活性剤、日信化学工業(株))
〔界面活性剤〕
・BYK348(シリコーン系界面活性剤、ビックケミージャパン(株))
4.インクジェット記録媒体
・M1:BR4907D(フリース壁紙、エンボス加工有り、目付147g/m2
・M2:MA8942D(フリース壁紙、エンボス加工なし、目付150g/m2
・M3:群雲こうぞ(和紙、エンボス加工なし、目付42g/m2
・M4:MA8301D HEMP(フリース壁紙、エンボス加工有り、目付160g/m2
上記のエンボス加工有りは、記録媒体の記録側の表面の全体にエンボス加工が施されているものである。なお、M3は評価するに際し、エンボス加工を施してから評価に用いた。
5.インクジェット記録装置
インクジェット記録装置としては、シリアル方式のSC−S40650(セイコーエプソン社(Seiko Epson Corporation)製)の改造機を用いた。なお、インクジェットヘッドよりも下流に記録媒体上のインク等を乾燥させるための二次乾燥用ヒーターを取り付けた。
下記のようにして記録試験を行った。上記インクジェット記録装置に、水系インク組成物、処理液、クリアインク組成物を充填して記録を行った。画像の記録条件としては、水系インクの記録解像度:1440×1440dpi、印字パターン:ベタ画像(マゼンタ単色)、水系インク組成物の記録における走査回数:8回、二次乾燥用ヒーターによる二次乾燥温度:90℃とした。さらに、記録媒体の種類、印刷中の記録媒体の表面温度、インク等の付着量は表4〜5に記載した条件とした。また、印刷温度及び二次乾燥温度は、熱電対により記録媒体の温度を測定することにより求めた。処理液、クリアインク組成物を用いた例は、これらによるパターンを重ねて記録し、処理液によるパターン、水系インク組成物による画像、クリアインクによるパターンの順番で記録した。
6.評価方法
6.1.インク溜まり
記録試験でベタ画像の記録パターンを印刷した。各表の各例ごと条件で行った。得られたベタ画像を目視にて確認し、下記評価基準により画質を評価した。インク溜りとしては、記録媒体の立体模様の部分に着目し、立体模様の凹凸の境界にそって線状にインクが溜まりインクが濃く見えるか否かに着目した。
(評価基準)
AA:水系インク組成物の溜まりはなく、濃く見えるところがない。
A:水系インク組成物の溜まりが若干認められ、色が濃い細い線状に若干見える。
B:水系インク組成物の溜まりが若干認められ、色の濃い太い線状に見えるところも若干あるが品質上問題ない。
C:水系インク組成物の溜まりが認められ、色の濃い太い線状にかなり見える。
6.2.耐湿摩擦性
上記インクジェット記録装置に、水系インク組成物、処理液、クリアインク組成物を充填して、記録試験の条件で記録媒体にベタ画像を印刷した。なお、印刷条件は表4〜5に記載の条件とした。
得られたベタ画像を30分室温で放置し、その後、ベタ画像印字部を30×150mm矩形に切断した。得られたサンプルの記録面を、水に浸漬した後に絞った平織布を使用して学振式耐湿摩擦試験機(荷重500g)で30回擦った際のインクの剥がれ度合を目視で確認し、下記評価基準により耐湿摩擦性を判定した。
(評価基準)
AA:平織布へのインク転写もなく、インク塗膜の剥がれもない。
A:平織布に一部インクが転写するが、インク塗膜の剥がれはない。
B:平織布に一部インクが転写し、わずかにインク塗膜の剥がれが認められる。
C:インク塗膜が著しく剥がれ、又は基材そのものが破れる。
6.3.ベタ画質
記録試験の条件で、記録媒体にベタ画像を印刷した。なお、印刷条件は表4〜5及の条件とした。
得られたベタ画像を乾燥させて、その画質を目視で確認し、下記評価基準によりベタ画質を判定した。記録媒体の立体模様の凹凸の境界ではない部分に着目して、ベタ画像において、ブリードムラ(インクが滲んで濃度ムラになっている)が発生しているか否かに着目した。
(評価判定)
AA:画像中に、ブリードムラになっている箇所が認められない。
A:画像中に、細かなブリードムラになっている個所が若干認められる。
B:画像中に、ブリードムラになっている個所が認められ、大きなブリードムラも見られる。
C:画像中に、大きなブリードムラになっている個所がかなり認められる。
Figure 2021142725
Figure 2021142725
7.評価結果
表4及び5に、各例で用いた水系インク組成物、処理液、及びクリアインク組成物の種類、各記録条件並びに、評価結果を示した。
前述の特定の有機溶剤を1.0質量%以上含有し、顔料を5.0質量%以下含有する水系インク組成物を用いて、表面に立体模様を有する合成繊維含有シートに記録を行った何れの実施例も、インク溜り抑制が優れていた。これに対し、そうではない比較例は、何れもインク溜り抑制が劣っていた。以下詳細を記す。
実施例1〜4から、特定の有機溶剤の中でも、炭素数5以上のアルカンジオール類が、耐湿摩擦性やインク溜り抑制などがより優れていた。
実施例1、5、6、9から、特定の有機溶剤の含有量が、多い方がインク溜り抑制などがより優れ、少ない方が耐湿摩擦性がより優れていた。
実施例1、7から、インクの顔料の含有量が少ない方が、インク溜り抑制がより優れていた。
実施例1、10、11から、インク付着量が少ない方がインク溜りの発生が少ないが、本実施形態によれば、所定量のインク付着量を付着させる場合でも、優れたインク溜り抑制が得られ、例えば壁紙などの有用な記録物の記録が可能となる。
実施例11と実施例12〜15とを比較すると、処理液を用いることにより、ベタ画質がより向上することが分かる。
実施例11と実施例17〜18とを比較すると、クリアインク組成物を用いることにより、耐湿摩擦性がより優れることが分かる。
比較例1、2から、インクが1.0質量%以上の特定有機溶剤を含有しない場合、インク溜まり抑制が劣った。
比較例3から、5.0質量%超の顔料を含有する水系インク組成物は、インク溜まり抑制が劣った。
参考例3、4は、表面に立体模様を有しない場合には、合成繊維を含有するシートであってもインクだまりの課題が生じなかった。ただし、表面に立体模様を有さず、意匠性の高い記録物の記録はできなかった。
参考例1、2から、記録媒体が合成繊維含有シートではない場合には、表面に立体模様を有しても、インクだまりの発生が無かった。ただし、耐湿摩擦性に優れる記録物の記録はできなかった。
なお、塩ビシートで立体模様を有する壁紙についても検討したが、水系接着剤では接着し難く好ましいものではなかった。また、本実施形態の水系インク組成物に含むような特定の有機溶剤の有無やその含有量ではインク溜りに優劣が生じず、本実施形態のような効果は得られなかった。
また、表中には記載しなかったが、実施例1において、走査数を12回に増やして、同様にして記録を行ったところ、インク溜り抑制やベタ画質が向上した。走査数が多い方が、インク溜り抑制やベタ画質がより優れていた。
200…シリアルプリンタ、220…搬送部、230…記録部、234…キャリッジ、235…キャリッジ移動機構

Claims (14)

  1. 記録媒体に記録を行う記録方法であって、
    前記記録媒体が、表面に立体模様を有する合成繊維含有シートであり、
    水系インク組成物をインクジェットヘッドから吐出して、前記記録媒体に付着させるインク付着工程を備え、
    前記水系インク組成物が、顔料と、水と、有機溶剤と、を含有し、
    前記顔料の含有量が、前記水系インク組成物の総量に対して、5.0質量%以下であり、
    前記有機溶剤が、グリコールエーテル類又は炭素数5以上のアルカンジオール類の何れかを含み、
    前記グリコールエーテル類又は前記炭素数5以上のアルカンジオール類の合計含有量が、前記水系インク組成物の総量に対して、1.0質量%以上である、
    記録方法。
  2. インク付着工程における、前記水系インク組成物の最大の付着量が、20mg/inch2以下である、
    請求項1に記載の記録方法。
  3. 前記合成繊維含有シートの目付が、100g/m2以上である、
    請求項1又は2に記載の記録方法。
  4. 凝集剤を含有する処理液を、前記記録媒体に付着させる処理液付着工程を備える、
    請求項1〜3いずれか一項に記載の記録方法。
  5. 前記水系インク組成物と前記処理液とを付着した領域のうち、前記水系インク組成物の付着量が最大となる領域において、
    前記処理液の付着量が、前記水系インク組成物の付着量に対して、20質量%以下である、
    請求項4に記載の記録方法。
  6. クリアインク組成物を、前記記録媒体に付着させるクリアインク付着工程を備える、
    請求項1〜5いずれか一項に記載の記録方法。
  7. 前記クリアインク組成物が、樹脂を含み、
    該樹脂が、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂又はポリエステル系樹脂の何れかを含む、請求項6に記載の記録方法。
  8. 前記合成繊維含有シートが、前記合成繊維及び天然繊維を含有する不織布である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の記録方法。
  9. 前記顔料の含有量が、前記水系インク組成物の総量に対して、0.5〜5.0質量%である、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の記録方法。
  10. 前記グリコールエーテル類又は前記炭素数5以上のアルカンジオール類の合計含有量が、前記水系インク組成物の総量に対して、1.0〜15質量%である、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の記録方法。
  11. 前記有機溶剤が、標準沸点が160〜280℃である有機溶剤を含む、
    請求項1〜10のいずれか一項に記載の記録方法。
  12. 前記水系インク組成物が樹脂粒子を含み、前記樹脂粒子が、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂又はポリエステル系樹脂の何れかからなる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の記録方法。
  13. 前記インク付着工程において、前記インクジェットヘッドを、前記記録媒体の副走査方向と交差した主走査方向に移動させながら、前記水系インク組成物を吐出し、前記記録媒体に付着させる主走査を行い、
    前記主走査を複数回行い、
    同一の領域に前記主走査を2回以上行う、
    請求項1〜12のいずれか一項に記載の記録方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の記録方法により記録を行う記録装置であって、
    表面に立体模様を有する合成繊維含有シートを含む記録媒体に対して、水系インク組成物を吐出するインクジェットヘッドを備え、
    前記水系インク組成物が、顔料と、水と、有機溶剤と、を含有し、
    前記顔料の含有量が、前記水系インク組成物の総量に対して、5.0質量%以下であり、
    前記有機溶剤が、グリコールエーテル類又は炭素数5以上のアルカンジオール類の何れかを含み、
    前記グリコールエーテル類又は前記炭素数5以上のアルカンジオール類の合計含有量が、前記水系インク組成物の総量に対して、1.0質量%以上である、
    記録装置。
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