JP2005096097A - 記録媒体とその製造方法 - Google Patents

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Arinori Ogasawara
有紀 小笠原
Makoto Kaga
誠 加賀
Hidenobu Oya
秀信 大屋
Kei Kudo
圭 工藤
Shinsaku Kashiwamura
晋作 柏村
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Abstract

【課題】 第1には高い光沢を有し、光沢むらのない記録媒体を、第2には高速プリントに適応可能な速いインク吸収速度を有し、吸収速度にむらがない記録媒体を、第3には高光沢な表層と下層を同時重層塗布可能な記録媒体で、かつ同時重層塗布したものでも、高い光沢と速い吸収速度を有する記録媒体を、第4には折りわれ耐性が大きい記録媒体を提供する。
【解決手段】 支持体上に、少なくとも無機微粒子と水溶性バインダーを含む第一の塗布液と、少なくともコロイダルシリカ、ポリビニルアルコール、硼砂を含む第二の塗布液からなる、少なくとも2層以上の塗布液を塗布してなる記録媒体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規なインクジェット用記録媒体とその製造方法に関する。
近年、インクジェット技術の進歩は目覚ましく、プリンター技術、インク技術、専用記録媒体技術の向上と相まって、その画質水準はいわゆる銀塩写真画質レベルと呼ばれる様になっている。
しかしながら、銀塩写真とインクジェットプリントを比較した場合、光沢感にはまだ大きな差がある。インク吸収層が水溶性バインダを主体に構成される、いわゆる膨潤タイプは比較的銀塩に近い光沢感を与えるものの、インク吸収性が低く近年の高速印字適性が不十分であるし、さらにプリントサービス向けなどより高速印字を行う場合、画質劣化が許容されないレベルにある。一方、無機微粒子と水溶性バインダーから空隙構造を形成した空隙タイプは高いインク吸収速度が特徴であるが、光沢感は不十分である。そこで、空隙タイプの記録媒体の最表層に光沢発現層を塗設し光沢を上げる技術が開示されている。
例えば、特許文献1には光沢発現層をウエットキャスト法にて塗設する記録媒体であって、該光沢発現層がコロイダルシリカ、ポリビニルアルコールを含有し、光沢発現層塗布後に、凝固剤としてホウ素化合物を塗布する方法が開示されている。
この技術では凝固法において凝固剤にホウ素化合物を用いることで、インク吸収性を損なわずに、表面の微細な亀裂を減少させることができるとある。しかしながら、2度塗りが必要であり生産性は低い。また、該特許文献によると、凝固剤は凝固法にて光沢発現層塗布後に液供給されるものであり、該特許文献には詳しい記述がないが、凝固剤添加方法に工夫を加えないと、凝固剤の塗布むらが起こり、光沢、吸収速度にむらが生じる。
また、特許文献2には、カチオン性コロイダルシリカとポリビニルアルコールを含む最表層の塗布液と、下層の塗布液とを同時重層塗布する記録材料が開示されている。
該特許文献には、同時重層塗布を行なうことで最表層の塗布液が下層の塗布液の空隙に浸透することがなくなるため、平滑な表面を形成することができるとある。しかしながら、該特許文献にある最表層の塗布液は高温においても低温においても粘度が低く、同時重層塗布を行なうと乾燥行程中に下層の塗布液と混合し、結果的には平滑な表面が得られない。さらに、下層の塗布液によって作られる予定であった空隙が、最表層の塗布液によってふさがれ、インクの吸収容量が低下する。
また、上記技術によっても、これまで問題となっていた記録材料の折り割れが、十分改善することができていないのが現状である。
特開2003−94801号公報(特許請求の範囲) 特開2003−237223号公報(特許請求の範囲)
本発明の目的は、上記の課題を解決することにある。
即ち、第1には、高い光沢を有し、光沢むらのない記録媒体を提供する、
第2には、高速プリントに適応可能な速いインク吸収速度を有し、吸収速度にむらがない記録媒体を提供する、
第3には、高光沢な表層と下層を同時重層塗布可能な記録媒体であって、かつ同時重層塗布したものでも、高い光沢性と速い吸収速度を有する記録媒体を提供する、
第4には、折り割れ耐性が大きい記録媒体を提供する、
ことにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、支持体上に、少なくとも無機微粒子と水溶性バインダーを含む第一の塗布液と、少なくともコロイダルシリカ、ポリビニルアルコール、硼砂を含む第二の塗布液からなる、少なくとも2層以上の塗布液を塗布することで、光沢が高く、光沢むらがなく、インク吸収速度が速く、吸収速度のむらがない記録媒体が得られることを発見し、本発明に至った。
本発明では、最表層に用いる第二の塗布液中にコロイダルシリカ、ポリビニルアルコール、硼砂をすべて含ませることで、最表層の塗布液の粘度を塗布後に低温で増粘させ、下層である第一の塗布液との混合を防ぎ、その結果、光沢が高く、吸収速度が速い同時重層塗布により得られる記録媒体を得ることができた。本発明では、コロイダルシリカ、ポリビニルアルコール、硼砂を第二の塗布液中にすべて含ませることで、2度塗りの必要がなく、塗布むらによる光沢、吸収速度のむらが起こらない記録媒体を得ることができた。
また、本発明においてはこれまで問題となっていた折り割れも改善することができた。
即ち、本発明の目的は、下記構成のいずれかを採ることにより達成される。
(請求項1)
支持体上に、少なくとも無機微粒子と水溶性バインダーを含む第一の塗布液と、少なくともコロイダルシリカ、ポリビニルアルコール、硼砂を含む第二の塗布液からなる、少なくとも2層以上の塗布液を塗布してなることを特徴とする記録媒体。
(請求項2)
前記第二の塗布液の40℃における粘度が2〜10mPa・sで、15℃における粘度が10000mPa・s以上であることを特徴とする請求項1記載の記録媒体。
(請求項3)
前記第二の塗布液に含まれる硼砂のホウ素元素数(A)と、前記ポリビニルアルコールの水酸基の数(B)の比(A/B)が、1/10以上であることを特徴とする請求項1または2記載の記録媒体。
(請求項4)
前記第一の塗布液のpHと、前記第二の塗布液のpHの差が2以内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の記録媒体。
(請求項5)
前記第二の塗布液に含まれるコロイダルシリカとポリビニルアルコールとの固形分質量の比が15:1以上45:1以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の記録媒体。
(請求項6)
前記第二の塗布液に含まれるポリビニルアルコールの数平均重合度が3000以上5000以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の記録媒体。
(請求項7)
前記第二の塗布液に含まれるコロイダルシリカがカチオン性コロイダルシリカであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の記録媒体。
(請求項8)
支持体上に、少なくとも無機微粒子と水溶性バインダーを含む第一の塗布液と、少なくともコロイダルシリカ、ポリビニルアルコール、硼砂を含む第二の塗布液からなる少なくとも2層以上の塗布液を同時重層塗布してなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の記録媒体。
(請求項9)
支持体上に、少なくとも無機微粒子と水溶性バインダーを含む第一の塗布液と、少なくともコロイダルシリカ、ポリビニルアルコール、硼砂を含む第二の塗布液による、少なくとも2層以上を同時重層塗布して製造することを特徴とする記録媒体の製造方法。
本発明により、
第1には、高い光沢を有し、光沢むらのない記録媒体を提供する、
第2には、高速プリントに適応可能な速いインク吸収速度を有し、吸収速度にむらがない記録媒体を提供する、
第3には、高光沢な表層と下層を同時重層塗布可能な記録媒体であって、かつ同時重層塗布したものでも、高い光沢と速い吸収速度を有する記録媒体を提供する、
第4には、折り割れ耐性が大きい記録媒体を提供する、
ことができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
〔第一の塗布液〕
本発明のごとく、支持体上に少なくとも無機微粒子と水溶性バインダーを含む第一の塗布液からなる層を塗布することで、インクの吸収容量が増加し、記録媒体のインク吸収速度が向上する。
本発明で用いるインクジェット用記録媒体は、第一の塗布液を塗布してなるインク吸収能を有する多孔質インク吸収層(空隙層とも言う)を有していることが特徴であり、この空隙層は、主に水溶性バインダーと無機微粒子の軟凝集により形成されるものである。
本発明においては、空隙層に、平均粒径が100nm以下の各種無機固体微粒子を含有させることによって形成されることが好ましい。
上記の目的で使用される無機微粒子としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができる。
無機微粒子の平均粒径は、粒子そのものあるいは空隙層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1000個の任意の粒子の粒径を求めてその単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したときの直径で表したものである。
濃度の高い画像形成、鮮明な画像記録、あるいは低コストでの製造等の観点からすると、固体微粒子としてはシリカ及びアルミナまたはアルミナ水和物から選ばれた固体微粒子を用いることが好ましく、特にはシリカであることが好ましい。
シリカとしては、通常の湿式法で合成されたシリカ、コロイダルシリカあるいは気相法で合成されたシリカ等が好ましく用いられるが、本発明において特に好ましく用いられる微粒子シリカとしては、コロイダルシリカまたは気相法で合成された微粒子シリカが好ましく、中でも気相法により合成された微粒子シリカは高い空隙率が得られるだけでなく、染料を固定化する目的で用いられるカチオン性ポリマーに添加したときに粗大凝集体が形成されにくいので好ましい。また、アルミナまたはアルミナ水和物は、結晶性であっても非晶質であってもよく、また不定形粒子、球状粒子、針状粒子など任意の形状のものを使用することができる。本発明の無機微粒子は、カチオン性ポリマーと混合する前の微粒子分散液が、一次粒子まで分散された状態であるものが好ましい。
本発明の効果を得るためには、支持体上の無機微粒子は、その粒径が100nm以下であることが好ましい。例えば、上記気相法微粒子シリカの場合、一次粒子の状態で分散された無機微粒子の一次粒子の平均粒径(塗設前の分散液状態での粒径)は、100nm以下のものが好ましく、より好ましくは4〜50nm、最も好ましくは4〜20nmである。
最も好ましく用いられる、一次粒子の平均粒径が4〜20nmである気相法により合成されたシリカとしては、例えば、日本アエロジル社のアエロジルが市販されている。この気相法微粒子シリカは、水中に、例えば、三田村理研工業株式会社製のジェットストリームインダクターミキサーなどにより吸引分散することで比較的容易に一次粒子まで分散することが出来る。
本発明に用いる親水性バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、デキストラン、デキストリン、カラーギーナン(κ、ι、λ等)、寒天、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらの親水性バインダーは、2種以上併用することも可能である。
本発明で好ましく用いられる親水性バインダーは、ポリビニルアルコールである。本発明で好ましく用いられるポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは平均重合度が1000以上のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が1500〜5000のものが好ましい。ケン化度は、70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号公報に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
アニオン変性ポリビニルアルコールは、例えば、特開平1−206088号公報に記載されているアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号公報、および同63−3079799号公報に記載されているビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体及び特開平7−285265号公報に記載されている水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号公報に記載されているポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号公報に記載されている疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。ポリビニルアルコールは、重合度や変性の種類違いなど2種類以上を併用することもできる。
空隙層に用いられる無機微粒子の添加量は、要求されるインク吸収容量、空隙層の空隙率、無機微粒子の種類、親水性バインダーの種類に大きく依存するが、一般には記録媒体1m2当たり、通常5〜30g、好ましくは10〜25gである。
また、空隙層に用いられる無機微粒子と親水性バインダーの比率は、質量比で通常2:1〜20:1であり、特に3:1〜10:1であることが好ましい。
分子内に第4級アンモニウム塩基を有するカチオン性の水溶性ポリマーは、インクジェット記録媒体1m2当たり通常0.1〜10g、好ましくは0.2〜5gの範囲で用いられる。
本発明のインクジェット記録媒体は、光沢性に優れ、高い空隙率を皮膜の脆弱性を劣化させずに得るために、前記親水性バインダーが硬膜剤により硬膜されていることが好ましい。
硬膜剤は、一般的には前記親水性バインダーと反応し得る基を有する化合物あるいは親水性バインダーが有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、親水性バインダーの種類に応じて適宜選択して用いられる。
硬膜剤の具体例としては、例えば、エポキシ系硬膜剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、ほう酸およびその塩、ほう砂、アルミ明礬等が挙げられる。特に、好ましい親水性バインダーとしてポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールを使用する場合には、ほう酸およびその塩またはエポキシ系硬膜剤から選ばれる硬膜剤を使用するのが好ましい。最も好ましいのは、ほう酸およびその塩から選ばれる硬膜剤である。
本発明で用いることのできるほう酸またはその塩としては、ほう素原子を中心原子とする酸素酸およびその塩のことを示し、具体的には、オルトほう酸、2ほう酸、メタほう酸、4ほう酸、5ほう酸、8ほう酸およびそれらの塩が含まれる。
上記硬膜剤の使用量は、親水性バインダーの種類、硬膜剤の種類、無機微粒子の種類や親水性バインダーに対する比率等により変化するが、通常親水性バインダー1g当たり5〜500mg、好ましくは10〜300mgである。
上記硬膜剤は、好ましくは製造効率の観点から、本発明の第一の塗布液中に添加して塗布する方法が好ましい。
空隙層における空隙の総量(空隙容量)は、記録媒体1m2当り20ml以上であることが好ましい。空隙容量が20ml/m2未満の場合、印字時のインク量が少ない場合に、インク吸収性は良好であるものの、インク量が多くなるとインクが完全に吸収されず、画質を低下させたり、乾燥性の遅れを生じるなどの問題が生じやすい。空隙容量の上限は、特に制限されないが、空隙層の膜厚を概ね50μm以下にすることが、ひび割れ等の皮膜の物理特性を悪化させないために好ましい。本発明では、インク保持能を有する空隙層において、固形分容量に対する空隙容量の比率を空隙率という。本発明において、空隙率を50%以上にすることが、不必要に膜厚を厚くさせずに空隙を効率的に形成できるので好ましい。
〔第二の塗布液〕
さらに、少なくともコロイダルシリカ、ポリビニルアルコール、ホウ砂を含む第二の塗布液からなる層を積層することで、記録媒体の光沢が向上する。
これは、コロイダルシリカは一般的に他のシリカ、たとえば気相法シリカに比べて、粒子表面のシラノール基が少ないため不活性であり、密な充填状態となるためと思われる。
本発明で用いることのできるコロイダルシリカとしては、二酸化ケイ素をコロイド状に水に分散させた湿式法合成シリカであり、1次粒子径が5〜200nm程度でのものを用いることができる。
コロイダルシリカの粒子形状としては、球状、鎖状(数珠状)等があるが光沢発現効果の大きい球形のものが好ましい。
1次粒子径は、10〜100nmが光沢とインク吸収速度の両立の観点で好ましい。10nmより大きいほうがインク吸収速度で好ましく、100nmより小さいほうが光沢の観点で好ましい。より好ましくは30〜80nmである。
コロイダルシリカとしてはアニオン性、ノニオン性、カチオン性のものがある、空隙層の特性や、用いるインク特性に応じて選択することができる。光沢とインク吸収速度の両立の観点からはノニオン性あるいはカチオン性が好ましい。
コロイダルシリカは日産化学工業社製のスノーテックスシリーズ、触媒化成工業社製のカタロイド−Sシリーズ、バイエル社のレバシルシリーズなど市販されているものを用いることができる。具体例としては、日産化学工業社製のスノーテックス20、同30、同40、同C,同N,同O,同S,同20L,同OL、同XS,同XL,同YL、同ZL、同OZL,同AK、同AK−YL、同AK−L、あるいは、日産化学工業社製のスノーテックス−PSシリーズ、スノーテックス−UPシリーズなどが挙げられる。
コロイダルシリカの添加量は、本発明の効果を発現する範囲であれば、制限はないが、0.3g/m2より多いと高光沢が安定して得られ、かつ生産時のひび割れ発生が少なく好ましい、さらに、0.5g/m2より多いほうが好ましい。
また、インク吸収速度の観点からは、5g/m2より少ないほうが好ましく、2g/m2より少ないほうがより好ましい。
第二の塗布液に含まれるポリビニルアルコールとしては、数平均重合度が3000以上5000以下であることは、折りわれ耐性を向上する上で好ましい形態である。通常、空隙型記録媒体において、ポリビニルアルコールが水溶性バインダーとして用いられており、その重合度は1000から5000のものが選択されている。本発明の第二の塗布液による高光沢層を表層に設けた場合、平均重合度が3000以上5000以下の場合、折り割れ耐性が特に良好であり、かつ光沢、インク吸収速度的にも優れていることを見出したものである。
第二の塗布液中のコロイダルシリカとポリビニルアルコールとの固形分量の比は、15:1以上45:1以下であることが好ましい。15:1以上である場合、インクの吸収速度がより向上するためよい。45:1以下である場合、記録媒体の耐擦性が向上するために好ましい。
第二の塗布液には、コロイダルシリカ、ポリビニルアルコールと共に、ホウ砂があらかじめ含まれている。ホウ砂はコロイダルシリカ、ポリビニルアルコールと相互作用を起こすことが知られている。ホウ砂を、コロイダルシリカおよびポリビニルアルコールを含む塗布液の塗布後に、別途塗布する場合、2度塗りとなることによる生産性の悪さだけではなく、ホウ砂が均一に塗布できなかった場合、ホウ砂とコロイダルシリカとの相互作用の強弱にしたがい、コロイダルシリカの凝集が起きている部分と、凝集が起きていない部分が生じ、光沢に差ができ、光沢むらが生じる。また、ホウ砂とポリビニルアルコールとの相互作用の強弱がある場合には、ポリビニルアルコールの架橋反応の進行に差ができる。ポリビニルアルコールの架橋反応の進行とインク吸収速度には相関があるため、結果として、吸収速度にむらができる。即ち、記録媒体の吸収速度にむらがある場合、べた画像に記録濃度の濃淡むらが生じ好ましくない。よって、ホウ砂はコロイダルシリカ、ポリビニルアルコールと共に、あらかじめ塗布液中に添加し、コロイダルシリカ、ポリビニルアルコールそれぞれとの相互作用をあらかじめ塗布液中で行わせ、平衡状態とさせる。
ホウ砂は1〜5%の水溶液として、塗布液中に添加することが、塗布液中のコロイダルシリカの過度な凝集を防ぐため好ましい。
第二の塗布液に含まれるホウ砂は、該ホウ砂のホウ素元素数と第二の塗布液に含まれるポリビニルアルコールの水酸基の数の比が1:10以上となるように添加することが、インク吸収速度向上、同時重層塗布の点から好ましい。これは、ホウ砂が充分に存在することで、ポリビニルアルコールの架橋反応が充分に進むためであると思われる。ここでいうポリビニルアルコールの水酸基の数とは、用いるポリビニルアルコールの質量(g)と、ポリビニルアルコールのケン化度と重合度から導かれる見かけの分子量とからポリビニルアルコールの水酸基の見かけの数を計算することで導かれる。
第二の塗布液は、40℃における粘度が2〜10mPa・sで、15℃における粘度が10000mPa・s以上であると、塗布後の乾燥前に低温処理を行うことで塗布液が増粘し、後の乾燥時に、液よりによるむらが生じることがなく、乾燥に用いる風のために表面が乱れることがないため好ましい。第二の塗布液の40℃における粘度と15℃における粘度を制御する手段としては、(1)コロイダルシリカの固形分量を調整すること、(2)コロイダルシリカとポリビニルアルコールの固形分量の比を調整すること、(3)ホウ砂のホウ素元素数とポリビニルアルコールの水酸基の数の比を調整すること等が挙げられる。
ここで、40℃粘度は、落下式粘度計を用いて測定した値であり、15℃粘度はB型年度計で回転数6rpmで測定した値である。
第一の塗布液と第二の塗布液とのpHの差は2以内であると、塗布時に第一の塗布液と第二の塗布液との間の凝集が起きにくく、第一の塗布液からなる層と第二の塗布液からなる層との間の界面が乱れにくいため、より平滑な表面を持つ記録媒体を得ることができ、光沢が向上するため好ましい。
〔その他の添加剤等〕
本発明のインクジェト記録用紙に塗設される第一の塗布液と第二の塗布液、あるいは必要に応じて設けられるその他の層には、前記以外に各種の添加剤を添加することが出来る。
例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、尿素樹脂、またはメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒子、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
〔支持体〕
本発明で用いることのできる支持体としては、従来からインクジェット用記録媒体で用いられている支持体、例えば、普通紙、アート紙、コート紙およびキャストコート紙などの紙支持体、プラスティック支持体、両面をポリオレフィンで被覆した紙支持体、これらを張り合わせた複合支持体等を適宜選択して用いることができる。上記支持体と空隙層の接着強度を大きくする等の目的で、空隙層の塗布に先立って、支持体にコロナ放電処理や下引処理等を行うことが好ましい。さらに、本発明の記録媒体は、必ずしも無色である必要はなく、着色された記録媒体であってもよい。
本発明のインクジェット記録媒体では、原紙支持体の両面をポリエチレンでラミネートした紙支持体を用いることが、記録画像が写真画質に近く、しかも低コストで高品質の画像が得られる点で特に好ましい。そのようなポリエチレンでラミネートした紙支持体について以下に説明する。
紙支持体に用いられる原紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプあるいはナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしてはLBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることが出来るが短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。但し、LBSPおよびまたはLDPの比率は10質量%以上、70質量%以下が好ましい。
上記パルプには不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、又、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。
原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加することが出来る。
抄紙に使用するパルプの濾水度は、CSFの規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後の繊維長がJIS−P−8207に規定される24メッシュ残分の質量%と42メッシュ残分の質量%との和が30〜70%が好ましい。なお、4メッシュ残分の質量%は、20質量%以下であることが好ましい。
原紙の坪量は、30〜250gが好ましく、特に50〜200gが好ましい。原紙の厚さは、40〜250μmが好ましい。
原紙は、抄紙段階または抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることも出来る。原紙密度は0.7〜1.2g/m2(JIS−P−8118)が一般的である。更に、原紙剛度はJIS−P−8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。
原紙表面には、表面サイズ剤を塗布しても良く、表面サイズ剤としては前記原紙中添加できるサイズと同様のサイズ剤を使用できる。
原紙のpHは、JIS−P−8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であることが好ましい。
原紙表面および裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)および/または高密度のポリエチレン(HDPE)であるが他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することが出来る。
特に、空隙層側のポリエチレン層は写真用印画紙で広く行われているようにルチルまたはアナターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、不透明度および白色度を改良したものが好ましい。酸化チタン含有量は、ポリエチレンに対して通常3〜20質量%、好ましくは4〜13質量%である。
ポリエチレン被覆紙は光沢紙として用いることも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出してコーティングする際に、いわゆる型付け処理を行って通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目面を形成した物も本発明で使用できる。
原紙の表裏のポリエチレンの使用量は、空隙層やバック層を設けた後の低湿および高湿下でのカールを最適化するように選択されるが、通常空隙層側のポリエチレン層が20〜40μm、バック層側が10〜30μmの範囲である。
更に上記ポリエチレンで被覆紙支持体は以下の特性を有していることが好ましい。
1.引っ張り強さ:JIS−P−8113で規定される強度で縦方向が2〜30kg、横方向が1〜20kgであること
2.引き裂き強度はJIS−P−8116による規定方法で縦方向が10〜200g、横方向が20〜200gであること
3.圧縮弾性率≧98.1MPaであること
4.表面ベック平滑度:JIS−P−8119に規定される条件で20秒以上が光沢面としては好ましいが、いわゆる型付け品ではこれ以下であっても良い
5.表面粗さ:JIS−B−0601に規定された表面粗さが、基準長さ2.5mm当たり最大高さは10μm以下であること
6.不透明度:JIS−P−8138に規定された方法で測定したときに80%以上、特に85〜98%であること
7.白さ:JIS−Z−8729で規定されるL*、a*、b*が、L*=80〜95、a*=−3〜+5、b*=−6〜+2であること
8.表面光沢度:JIS−Z−8741に規定される60度鏡面光沢度が10〜95%であること
9.クラーク剛直度:記録媒体の搬送方向のクラーク剛直度が50〜300cm2/100である支持体であること
10.中紙の含水率:中紙に対して通常2〜100質量%、好ましくは2〜6質量%であること。
本発明で用いる記録媒体の空隙層および下引き層など必要に応じて適宜設けられる各種の親水性層を支持体上に塗布する方法は、公知の方法から適宜選択して行うことが出来る。好ましい方法は、各層を構成する塗布液を支持体上に塗設して乾燥して得られる。この場合、2層以上を同時に塗布することもでき、特に全ての親水性(水溶性)バインダー層を一回の塗布で済ます同時塗布が好ましい。
〔塗布方式とその後の保存法〕
塗布方式としては、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法あるいは米国特許第2,681,294号公報記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法があるが、特に同時重層塗布に適したカーテン塗布方法あるいはホッパーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いられる。
本発明において、第一の塗布液および第二の塗布液を塗布乾燥後、35〜80℃の条件で、1〜30日の期間に亘り保存処理することはインク吸収速度向上の観点で好ましい形態である。また、45〜60°で1〜10日保存処理するのが高光沢を得る上で好ましい。
以下に、実施例として本発明の実施態様の構成と効果を示し、本発明をさらに説明するが、無論、本発明の実施態様は下記に限定させるものではない。
〔第一の塗布液の調製〕
(シリカ分散液−1の調製)
1次粒子の平均粒径が約0.03μmの気相法シリカ(日本アエロジル工業社製:A50)125kgを、三田村理研工業社製のジェットストリーム・インダクターミキサーTDSを用いて、硝酸でpHを2.5に調整した215Lの純水中に室温で吸引分散した後、固形分濃度40質量/体積%の分散液に仕上げ、シリカ分散液−1を調製した。
(シリカ分散液−2の調製)
カチオン性ポリマー(P−1)0.56kgを、27.2kgのイオン交換水に溶解し、上記シリカ分散液−1の63.0Lを撹拌しながら添加し、次いで、6%ホウ酸水溶液(pH=6.5)8.8Lを添加し、消泡剤SN381(サンノプコ社製)を1g添加した。この混合液を、6%硝酸水溶液でpHを4.4に調整した後、三和工業社製高圧ホモジナイザーで分散し、全量を純水で99.7Lに仕上げて、シリカ分散液−2を調製した。
Figure 2005096097
〈第一の塗布液−1の調製〉
ついで上記のようにして得られたシリカ分散液−2を使用して、下記のシリカ塗布液を調製した。
シリカ分散液−2の710mlに40℃で撹拌しながら、以下の添加剤を順次混合した。
(1)ポリビニルアルコール(クラレ工業社製:PVA203)の10%水溶液:
3ml
(2)ポリビニルアルコール(クラレ工業社製:PVA235)の4.8%およびポリビニルアルコール(クラレ工業社製:PVA245)の1.84%を含む水溶液:
273ml
(3)純水で全量を1000mlに仕上げる。
得られた第一の塗布液−1のpHは4であった。
〈第一の塗布液−2の調製〉
(シリカ分散液−1の調製)
1次粒子の平均粒径が約0.012μmの気相法シリカ(トクヤマ社製:QS−20)125kgを、三田村理研工業社製のジェットストリーム・インダクターミキサーTDSを用いて、硝酸でpH=2.5に調整した620Lの純水中に室温で吸引分散した後、全量を694Lに純水で仕上げた。
(シリカ分散液−2の調製)
カチオン性ポリマー(P−1)を1.14kg、エタノール2.2L、n−プロパノール1.5Lを含有する水溶液(pH=2.3)18Lに、シリカ分散液−1の69.4Lを撹拌しながら添加し、ついで、ホウ酸260gとホウ砂230gを含有する水溶液7.0Lを添加し、消泡剤SN381(サンノプコ社製)を1g添加した。
この混合液を三和工業社製高圧ホモジナイザーで分散し、全量を純水で97Lに仕上げてシリカ分散液−2を調製した。
〈第一の塗布液−2の調製〉
ついで上記のようにして得られたシリカ分散液−2を使用して、下記のシリカ塗布液を調製した。
シリカ分散液−2の600mlに40℃で撹拌しながら、以下の添加剤を順次混合した。
(1)ポリビニルアルコール(クラレ工業社製:PVA203)の10%水溶液:
6ml
(2)ポリビニルアルコール(クラレ工業社製:PVA235)の7%水溶液:
185ml
(3)純水で全量を1000mlに仕上げる。
仕上げられた液を第一の塗布液−2とする。
なお、得られた第一の塗布液−2のpHは5であった。
〈第二の塗布液−1の調製〉
40℃の恒温槽中で、コロイダルシリカ(日産化学工業社製、スノーテックスAK−L、固形分量20%)80gに2.3%ホウ砂水溶液20.7gを添加し撹拌した。さらに、8%ポリビニルアルコール(ケン化度88%、重合度4000)10gを添加し、撹拌し、水でコロイダルシリカの固形分が13.7%となるように調整し、第二の塗布液−1を得た。
得られた第二の塗布液−1のpHは6であった。
〈記録媒体の作製〉
厚さ約220μmのレジンコート原紙上に下記第一の塗布液層(下層;支持体側)と第二の塗布液層(上層;表面側)の2層構成のインク吸収層を同時重層塗布し、約7℃に一度冷却した後に20〜65℃の風を吹き付けて乾燥し、記録媒体を作製した。
第一の塗布液−1からなる層の塗工量は乾燥質量で25g/m2、第二の塗布液−1からなる層の塗工量は乾燥質量で1.5g/m2だった。これを記録媒体1とする。
以下、記録媒体2〜9において、第一の塗布液の種類は表1の通りである。
記録媒体2、3、4は第二の塗布液−1のホウ砂の添加量を上記記録媒体1の3分の1、5分の1、3倍にして作製した。
記録媒体5、6は第二の塗布液−1のポリビニルアルコール(PVA)の添加量およびホウ砂の添加量を、記録媒体1に比較して、2倍、2.5分の1倍にして作製した。ただし、コロイダルシリカの固形分量は13.7%のまま一定とした。
記録媒体7、8は第二の塗布液−1のポリビニルアルコールの重合度が表1のとおりのもの(記録媒体7;2000、記録媒体8;6000、ケン化度は同じ)を、記録媒体1と同量(g)使用して、記録媒体7、8を作製した。
記録媒体9は、第二の塗布液−1からホウ砂をぬいた組成のものを1.5g/m2の乾燥質量で塗布し、後から4%ホウ砂水溶液をホウ砂の付量が0.16g/m2となるように塗布して作製した。
記録媒体10は記録媒体1で使用した第二の塗布液−1を、支持体上に直接(第一の塗布液を塗工せず)10g/m2塗布して作製した。
記録媒体11は第二の塗布液−1からホウ砂をぬいた組成のものを塗布して作製した。
記録媒体12は第二の塗布液の代わりに、第一の塗布液−1を塗布した。
記録媒体13は第二の塗布液−1からポリビニルアルコールをぬいた組成のものを塗布した。
〔評価〕
1.光沢性
記録媒体の光沢を目視で評価した。
◎:斜めから光を当てて見たときにきらりと光る光沢感がある
○:斜めから光を当てて見たときに光沢を感じる
△:斜めから光を当てて見ても光沢がやや少ないと感じる
×:光沢があると感じられない
2.光沢むら
記録媒体を3cm×3cm片に切り取ったものを30枚用意し、30枚の光沢の一様性を目視で評価した。
◎:28枚以上に関して光沢が一様だと感じる
○:24枚〜27枚に関して光沢が一様だと感じる
△:光沢が一様だと思われる記録媒体片が10〜23枚しかない
×:光沢が一様だと思われる記録媒体片が9枚以下しかない
3.吸収速度
セイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−770Cを用い、ブラックのべた画像(100%濃度)を記録媒体上に印刷した。印刷後に普通紙を当てて、インクの転写が起こらなくなるまでの時間で評価した。
◎:印刷後3秒以内に普通紙を当てても転写しない
○:印刷後4〜15秒の間に普通紙を当てても転写しない
△:印刷後15〜30秒の間に普通紙を当てると転写しない
×:印刷後31秒以降に普通紙を当てると転写しない
4.吸収ムラ
セイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−770Cを用い、シアンの15×25cmのべた画像(100%濃度)を記録媒体上に印刷した。
べた画像の濃淡むらを目視で評価した。
◎:濃淡ムラがないべた画像である
○:観察距離30cm以上で均一に感じられる
△:観察距離60cm以上で均一に感じられる
×:観察距離60cm以上でも濃淡むらが感じられる
折り割れ
記録媒体の塗工面を上にして折り曲げた際にひびが生じる曲率半径で評価した。
◎:曲率半径3mmにおいてもひびわれが生じない
○:曲率半径5mmにおいてもひびわれが生じない
△:曲率半径1cmにおいてもひびわれが生じない
×:曲率半径1cmでひびわれが生じる
結果は、表1に示した。
Figure 2005096097
PVA:ポリビニルアルコール
表1から明らかな如く、本発明内の記録媒体1〜8は、いずれも良い特性を有しているが、本発明外の記録媒体9〜13は少なくともいずれかの特性に問題があることがわかる。

Claims (9)

  1. 支持体上に、少なくとも無機微粒子と水溶性バインダーを含む第一の塗布液と、少なくともコロイダルシリカ、ポリビニルアルコール、硼砂を含む第二の塗布液からなる、少なくとも2層以上の塗布液を塗布してなることを特徴とする記録媒体。
  2. 前記第二の塗布液の40℃における粘度が2〜10mPa・sで、15℃における粘度が10000mPa・s以上であることを特徴とする請求項1記載の記録媒体。
  3. 前記第二の塗布液に含まれる硼砂のホウ素元素数(A)と、前記ポリビニルアルコールの水酸基の数(B)の比(A/B)が、1/10以上であることを特徴とする請求項1または2記載の記録媒体。
  4. 前記第一の塗布液のpHと、前記第二の塗布液のpHの差が2以内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の記録媒体。
  5. 前記第二の塗布液に含まれるコロイダルシリカとポリビニルアルコールとの固形分質量の比が15:1以上45:1以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の記録媒体。
  6. 前記第二の塗布液に含まれるポリビニルアルコールの数平均重合度が3000以上5000以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の記録媒体。
  7. 前記第二の塗布液に含まれるコロイダルシリカがカチオン性コロイダルシリカであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の記録媒体。
  8. 支持体上に、少なくとも無機微粒子と水溶性バインダーを含む第一の塗布液と、少なくともコロイダルシリカ、ポリビニルアルコール、硼砂を含む第二の塗布液からなる少なくとも2層以上の塗布液を同時重層塗布してなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の記録媒体。
  9. 支持体上に、少なくとも無機微粒子と水溶性バインダーを含む第一の塗布液と、少なくともコロイダルシリカ、ポリビニルアルコール、硼砂を含む第二の塗布液による、少なくとも2層以上を同時重層塗布して製造することを特徴とする記録媒体の製造方法。
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