JP2015115339A - 静電気保護回路及び半導体集積回路装置 - Google Patents

静電気保護回路及び半導体集積回路装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な回路構成で、通常動作時において誤動作することなく、静電気の放電に対して十分な保護特性が得られる静電気保護回路を提供する。【解決手段】この静電気保護回路は、第1のノードと第2のノードとの間に接続され、第3のノードにおいて互いに接続された第1のインピーダンス素子及びクランプ素子を含む直列回路と、第1のノードと第4のノードとの間に接続され、第1のインピーダンス素子に発生する電圧の上昇に従ってオンする第1のトランジスターと、第4のノードと第2のノードとの間に接続された第2のインピーダンス素子と、第2のインピーダンス素子に発生する電圧の上昇に従ってオンし、第1のインピーダンス素子に流れる電流を増加させる第2のトランジスターと、第2のトランジスターがオン状態であるときに第1のノードから第2のノードに電流を流す放電回路とを含む。【選択図】図3

Description

本発明は、半導体集積回路装置をESD(Electro-Static Discharge:静電気の放電)から保護する静電気保護回路に関する。さらに、本発明は、そのような静電気保護回路を内蔵した半導体集積回路装置に関する。
半導体集積回路装置において、静電気による内部回路の破壊を防止するために、静電気保護回路を設けることが行われている。一般に、静電気保護回路は、高電位側の電位が供給される第1の端子と低電位側の電位が供給される第2の端子との間に接続される。例えば、静電気の放電によって第1の端子に正の電荷が印加されると、正の電荷が静電気保護回路を介して第2の端子に放出されるので、内部回路に過大な電圧が印加されることがなく、内部回路の破壊を防止することができる。
関連する技術として、特許文献1には、静電気放電による電荷を十分に放電させると共に、通常動作時においてノイズを除去することを目的とする静電気放電保護回路が開示されている。この静電気放電保護回路は、直流電源が接続されることにより第1の電位となる第1の電源ライン及び第1の電位よりも低い第2の電位となる第2の電源ラインと、第1の電源ラインと第2の電源ラインとの間に直列に接続されたキャパシター及び負の閾値電圧を有する第1のNチャネルトランジスターからなる時定数回路と、入力側がキャパシターと第1のNチャネルトランジスターとの接続ノードに接続され、出力側が第1のNチャネルトランジスターのゲートに接続されたインバーターと、第1の電源ラインと第2の電源ラインとの間に接続され、ゲートがキャパシターと第1のNチャネルトランジスターとの接続ノードに間接的に接続されて、その接続ノードの電位の上昇によるゲートの電位上昇を受けて導通する第2のNチャネルトランジスターとを備えている。
この静電気放電保護回路において、ESDイベントの発生を受けた場合には、キャパシターと第1のNチャネルトランジスターとの接続ノードの電位が急上昇し、インバーターからローレベルの信号が出力される。このローレベルの信号は、第1のNチャネルトランジスターのゲートに入力される。このため、第1のNチャネルトランジスターのオン抵抗の値は大きく、従って、第1のNチャネルトランジスターは、キャパシターと共にCR時定数回路を構成する高抵抗の役割りを担うこととなる。また、このローレベルの信号は、間接的に第2のNチャネルトランジスターのゲートに入力されて、第2のNチャネルトランジスターがオン状態になり、ESDイベントによるサージ電流を逃がすことができる。
このように、特許文献1の発明では、キャパシターが有する容量値と第1のNチャネルトランジスターが有するオン抵抗の値(ローレベルの信号の入力により、例えば、数MΩのオーダーの値)との積で決定される時定数CRの値に対応する時間だけ第2のNチャネルトランジスターがオン状態になり、この間、ESDイベントによるサージ電流を放電する。
特開2009−182119号公報(段落0014−0016、図1)
しかしながら、特許文献1の図1に示されている静電気放電保護回路において、保護動作が開始されるか否かは、時定数回路11に印加される電圧の大きさではなく、時定数回路11に印加される電圧の立ち上がりの急峻さのみによって決定される。従って、静電気の放電に対して十分な保護特性が得られるように時定数を設定すると、通常動作時においても電源電圧が急峻に立ち上がると保護動作を開始するおそれがある。
また、電源ライン間に接続されたNチャネルトランジスター14のオン時間は、時定数回路11の時定数によって定められている。従って、例えば、短時間に連続して複数のESDイベントが発生した場合には、時定数回路11のキャパシター11aが充電された状態で再度の静電気の放電によって半導体集積回路装置に電荷がさらに蓄積されることになるので、蓄積された電荷が十分放電されない時点でNチャネルトランジスター14がオフ状態となり、内部回路が破壊に至る可能性がある。
さらに、時定数回路11において負の閾値電圧を有するNチャネルトランジスター11bが用いられるが、そのような特殊なトランジスターを形成するためには半導体集積回路装置の製造工程が複雑となり、コストアップは避けられない。
そこで、上記の点に鑑み、本発明の目的の1つは、簡単な回路構成で、通常動作時において誤動作することなく、静電気の放電に対して十分な保護特性が得られる静電気保護回路を提供することである。
以上の課題を解決するために、本発明の第1の観点に係る静電気保護回路は、半導体集積回路装置において、高電位側の電位が供給される第1の端子に第1のノードを介して接続されると共に、低電位側の電位が供給される第2の端子に第2のノードを介して接続された静電気保護回路であって、第3のノードにおいて互いに接続された第1のインピーダンス素子及びクランプ素子を含み、第1のノードと第2のノードとの間に接続された直列回路と、第1及び第2のノードの内の一方と第4のノードとの間に接続され、第1のインピーダンス素子に発生する電圧の上昇に従ってオンする第1のトランジスターと、第4のノードと第1及び第2のノードの内の他方との間に接続され、第2のインピーダンス素子を含む少なくとも1つのインピーダンス素子と、第2のインピーダンス素子に発生する電圧の上昇に従ってオンし、第1のインピーダンス素子に流れる電流を増加させる第2のトランジスターと、第2のトランジスターがオン状態であるときに第1のノードから第2のノードに電流を流す放電回路とを具備する。
本発明の第1の観点によれば、第1及び第2のトランジスターがオフ状態からオン状態に遷移する際には、第1のノードと第2のノードとの間の電圧が動作開始電圧以上であるか否かによって遷移条件が決定される。一方、第1及び第2のトランジスターが一旦オン状態になると、第1のノードと第2のノードとの間の電圧が動作開始電圧より小さくなっても、第1及び第2のトランジスターがオン状態を保ち続ける。
従って、通常使用時に電源投入によって電源電圧が急峻に立ち上がっても、第1のノードと第2のノードとの間との間の電圧が動作開始電圧よりも小さければ、静電気保護回路が保護動作を開始するおそれがない。また、静電気の放電により静電気保護回路が保護動作を一旦開始すると、第1のノードと第2のノードとの間の電圧が十分小さくなるまで、静電気保護回路が保護動作を継続する。このように、本発明の第1の観点によれば、簡単な回路構成で、通常動作時において誤動作することなく、静電気の放電に対して十分な保護特性が得られる静電気保護回路を提供することができる。
ここで、クランプ素子が、ダイオードと、ゲートがドレイン又はソースに接続されたPチャネルトランジスター又はNチャネルトランジスターとの内の少なくとも1つを含むようにしても良い。これらのデバイスの内から適切なデバイスを選択し、又は、複数のデバイスを組み合わせることにより、動作開始電圧を自由に設定することができる。
本発明の第2の観点に係る静電気保護回路は、本発明の第1の観点に係る静電気保護回路において、第2のトランジスターがオン状態であることを検出したときに出力信号を活性化する検出回路をさらに具備し、放電回路が、検出回路の出力信号が活性化されたときに第1のノードから第2のノードに電流を流す。本発明の第2の観点によっても、本発明の第1の観点と同様の効果を奏することができる。
本発明の第3の観点に係る静電気保護回路は、本発明の第2の観点に係る静電気保護回路において、第4のノードと第5のノードとの間に接続され、第3のインピーダンス素子を含む少なくとも1つのインピーダンス素子をさらに具備し、第2のインピーダンス素子が、第5のノードと第1及び第2のノードの内の他方との間に接続されており、第3のインピーダンス素子を含む少なくとも1つのインピーダンス素子及び第2のインピーダンス素子が、第4のノードと第1及び第2のノードの内の他方との間の電圧を分圧する分圧回路を構成する。本発明の第3の観点によれば、静電気の放電により静電気保護回路が保護動作を行っている間において、第1のノードと第2のノードとの間の電圧を所定の値に保持することができる。
本発明の第3の観点に係る静電気保護回路は、クランプ素子と並列に接続されたキャパシターをさらに具備するようにしても良い。これにより、急峻なESDイベントに対して静電気保護回路が迅速に保護動作を開始するので、確実にサージ電流を逃がすことができる。また、低い周波数のノイズ等で電源電圧が上昇しても、静電気保護回路が確実に保護動作を開始して、電源電圧の上昇を抑えることができる。一方、キャパシターは、ノイズフィルターとしても機能するので、通常動作時において外部からノイズ等を受けた場合でも、静電気保護回路が過剰に動作して電源電圧が落ちることがない。
本発明の第3の観点に係る静電気保護回路において、分圧回路が、第3のインピーダンス素子と並列に接続され、検出回路の出力信号が活性化されたときにオンする第3のトランジスターをさらに含むようにしても良い。これにより、静電気の放電により静電気保護回路が保護動作を一旦開始すると、分圧回路における分圧比が上昇するので、第1のノードと第2のノードとの間の電圧が低下し、半導体集積回路装置の内部回路が破壊に至る電圧に対するマージンが増えて静電気耐量が向上する。
あるいは、分圧回路が、第4のノードと第5のノードとの間に直列に接続された複数のインピーダンス素子と、それらのインピーダンス素子の内の少なくとも1つと並列に接続され、検出回路の出力信号が活性化されたときにオンする少なくとも1つのトランジスターとを含むようにしても良い。これにより、上記の効果に加えて、静電気保護回路の電流−電圧特性をきめ細やかに自由に設定することができる。
また、第3のインピーダンス素子、又は、複数のインピーダンス素子の各々が、抵抗素子と、ダイオードと、ゲートがドレイン又はソースに接続されたPチャネルトランジスター又はNチャネルトランジスターとの内の少なくとも1つを含むようにしても良い。これらのデバイスの内から適切なデバイスを選択し、又は、複数のデバイスを組み合わせることにより、静電気保護回路の両端間の電圧を自由に設定することができると共に、プロセスばらつきの影響を受けにくい静電気保護回路を提供することができる。
さらに、第1のインピーダンス素子が、第1のノードと第3のノードとの間に接続された抵抗素子と、第1のノードに接続されたソース、第3のノードに接続されたドレイン、及び、第2のノードに接続されたゲートを有するPチャネルトランジスターとの内の1つを含み、第2のインピーダンス素子が、第5のノードと第2のノードとの間に接続された抵抗素子と、第5のノードに接続されたドレイン、第2のノードに接続されたソース、及び、第1のノードに接続されたゲートを有するNチャネルトランジスターとの内の1つを含むようにしても良い。
第1又は第2のインピーダンス素子として抵抗素子を用いる場合には、抵抗素子の抵抗値が一定であるので、第1又は第2のトランジスターのオン条件の設定が容易になる。一方、第1又は第2のインピーダンス素子としてトランジスターを用いる場合には、第1のノードと第2のノードとの間の電圧が減少した際にトランジスターのオン抵抗が増加するので、保護動作の途中で第1又は第2のトランジスターがオフすることを防止できる。
その場合に、第1のトランジスターが、第1のノードに接続されたソース、第4のノードに接続されたドレイン、及び、第3のノードに接続されたゲートを有するPチャネルトランジスターを含み、第1のノードと第3のノードとの間の電圧の上昇に従ってPチャネルトランジスターがオンすることにより、分圧回路に電圧が印加されるようにしても良い。これにより、第1のノードと第2のノードとの間に動作開始電圧以上の電圧が印加されて、第1のノードと第3のノードとの間の電圧がPチャネルトランジスターの閾値電圧以上になると、Pチャネルトランジスターがオンして、第1のノードと第2のノードとの間の電圧が分圧回路に印加される。
また、第2のトランジスターが、第3のノードに接続されたドレイン、第2のノードに接続されたソース、及び、第5のノードに接続されたゲートを有するNチャネルトランジスターを含み、第5のノードと第2のノードとの間の電圧の上昇に従ってNチャネルトランジスターがオンすることにより、検出回路の出力信号が活性化されるようにしても良い。これにより、分圧回路によって分圧された電圧がNチャネルトランジスターの閾値電圧以上になると、Nチャネルトランジスターがオンして、検出回路の出力信号が活性化されるので、静電気保護回路による保護動作が開始される。
本発明の第2又は第3の観点に係る静電気保護回路において、検出回路が、第3のノードの電位が供給される入力端子を有するインバーターを含み、第1のインピーダンス素子に発生する電圧が第1のノードと第2のノードとの間の電圧に対して所定の割合よりも大きくなったときに出力信号を活性化するようにしても良い。検出回路においてインバーターを用いることにより、簡単な回路構成で、第3のノードの電位がハイレベルであるかローレベルであるかを検出することができる。
また、放電回路が、第1のノードに接続されたドレイン、第2のノードに接続されたソース、及び、検出回路の出力信号が供給されるゲートを有するNチャネルトランジスターと、第1のノードに接続されたコレクター、第2のノードに接続されたエミッター、及び、検出回路の出力信号が供給されるベースを有するNPNトランジスターとの内の1つを含むようにしても良い。Nチャネルトランジスター又はNPNトランジスターは、P型半導体基板にウエルを介さずに形成することが可能であり、特性的にも優れている。
さらに、本発明の1つの観点に係る半導体集積回路装置は、本発明のいずれかの観点に係る静電気保護回路を具備する。これにより、各種の半導体集積回路装置において、静電気の放電による内部回路の破壊を防止することができる。
静電気保護回路を内蔵する半導体集積回路装置の構成例を示す回路図。 静電気保護回路を内蔵する半導体集積回路装置の構成例を示す回路図。 本発明の第1の実施形態に係る静電気保護回路の構成例を示す回路図。 本発明の第2の実施形態に係る静電気保護回路の構成例を示す回路図。 本発明の第3の実施形態に係る静電気保護回路の構成例を示す回路図。 本発明の第4の実施形態に係る静電気保護回路の構成例を示す回路図。 ヒューマンボディモデルにおける静電気放電の電流波形を示す図。 図6に示す静電気保護回路における電流波形及び電圧波形を示す図。 図6に示す静電気保護回路における電流波形及び電圧波形を示す図。 比較例の静電気保護回路における電流波形及び電圧波形を示す図。 比較例の静電気保護回路における電流波形及び電圧波形を示す図。 本発明の第5の実施形態に係る静電気保護回路の構成例を示す回路図。 図12に示す静電気保護回路を適用した場合のI−V特性を示す図。 従来の静電気保護回路を適用した場合のI−V特性を示す図。 本発明の第6の実施形態に係る静電気保護回路の構成例を示す回路図。 図15に示す静電気保護回路を適用した場合のI−V特性を示す図。 本発明の第7の実施形態に係る静電気保護回路の構成例を示す回路図。 本発明の第8の実施形態に係る静電気保護回路の構成例を示す回路図。 本発明の第9の実施形態に係る静電気保護回路の構成例を示す回路図。 本発明の第10の実施形態に係る静電気保護回路の構成例を示す回路図。 抵抗素子以外に使用可能なインピーダンス素子の例を示す図。 MOSトランジスター以外に使用可能な3端子素子の例を示す図。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、重複する説明を省略する。
本発明の各実施形態に係る静電気保護回路は、半導体集積回路装置において、高電位側の電位が供給される第1の端子と低電位側の電位が供給される第2の端子との間に接続される。ここで、第1の端子が、高電位側の電源電位が供給される電源端子で、第2の端子が、低電位側の電源電位が供給される電源端子であっても良い。また、第1の端子が、高電位側の電源電位が供給される電源端子で、第2の端子が、信号電位が供給される信号端子であっても良い。あるいは、第1の端子が、信号電位が供給される信号端子で、第2の端子が、低電位側の電源電位が供給される電源端子であっても良い。
図1及び図2は、本発明の各実施形態に係る静電気保護回路を内蔵する半導体集積回路装置の構成例を示す回路図である。この半導体集積回路装置は、電源端子P1及びP2と、信号端子P3と、ダイオード1及び2と、電源配線3及び4と、静電気保護回路10と、内部回路20とを含んでいる。電源配線3及び4の各々は、抵抗成分を有している。また、内部回路20は、PチャネルMOSトランジスターQP20と、NチャネルMOSトランジスターQN20とを含んでいる。
図1及び図2においては、一例として、静電気保護回路10が、高電位側の電源電位VDDが供給される電源端子P1にノードN1を介して接続されると共に、低電位側の電源電位VSSが供給される電源端子P2にノードN2を介して接続される場合が示されている。以下、この場合について説明する。
例えば、静電気の放電によって電源端子P2に正の電荷が印加されると、正の電荷がダイオード2を介して信号端子P3に放出され、又は、ダイオード2及び1を介して電源端子P1に放出されるので、内部回路20に過大な電圧が印加されることがなく、内部回路20の破壊を防止することができる。従って、問題となるのは、ダイオード1及び2の内の少なくとも一方に逆電圧が印加される場合である。
図1には、静電気の放電によって信号端子P3に正の電荷が印加される一方、電源端子P2が接地されている場合の放電経路が示されている。静電気の放電によって、サージ電流IESDが、ダイオード1、電源配線3、静電気保護回路10、及び、電源配線4の経路で流れる。
放電動作において、逆電圧が印加されるダイオード2と並列に接続されたトランジスターQN20のドレイン・ソース間電圧が、トランジスターQN20が破壊に至る電圧VDMGよりも小さければ、静電気保護回路10が内部回路20を保護することができる。そのためには、次式(1)を満たす必要がある。
+V+VPC<VDMG ・・・(1)
ここで、Vはダイオード1の順方向電圧であり、Vは電源配線3の抵抗成分にサージ電流IESDが流れた際に発生する電圧であり、VPCは静電気保護回路10にサージ電流IESDが流れた際に発生する電圧である。
また、図2には、静電気の放電によって信号端子P3に負の電荷が印加される一方、電源端子P1が接地されている場合の放電経路が示されている。静電気の放電によって、サージ電流IESDが、電源配線3、静電気保護回路10、電源配線4、及び、ダイオード2の経路で流れる。
放電動作において、逆電圧が印加されるダイオード1と並列に接続されたトランジスターQP20のソース・ドレイン間電圧が、トランジスターQP20が破壊に至る電圧VDMGよりも小さければ、静電気保護回路10が内部回路20を保護することができる。そのためには、次式(2)を満たす必要がある。
+V+VPC<VDMG ・・・(2)
ここで、Vはダイオード2の順方向電圧であり、Vは電源配線4の抵抗成分にサージ電流IESDが流れた際に発生する電圧であり、VPCは静電気保護回路10にサージ電流IESDが流れた際に発生する電圧である。
式(1)及び式(2)から分かるように、図1に示す場合と図2に示す場合とにおいて、内部回路20を保護するための条件は、同じ式で表すことができる。即ち、放電経路上のデバイスに発生する電圧の総和が、内部回路20の素子が破壊に至る電圧VDMGよりも小さいことが、内部回路20を保護するための条件となる。
<第1の実施形態>
図3は、本発明の第1の実施形態に係る静電気保護回路の構成例を示す回路図である。図3に示すように、静電気保護回路10は、第1及び第2のインピーダンス素子としての抵抗素子R1及びR2と、クランプ素子11と、第1のトランジスターとしてのPチャネルMOSトランジスターQP10と、第2のトランジスターとしてのNチャネルMOSトランジスターQN10と、放電回路12とを含んでいる。
静電気保護回路10は、高電位側の電位が供給される第1の端子にノードN1を介して接続されると共に、低電位側の電位が供給される第2の端子にノードN2を介して接続される。ノードN3において互いに接続された抵抗素子R1及びクランプ素子11を含む直列回路が、ノードN1とノードN2との間に接続されている。本実施形態においては、抵抗素子R1が、ノードN1とノードN3との間に接続されており、クランプ素子11が、ノードN3とノードN2との間に接続されている。
クランプ素子11は、例えば、ダイオードと、ゲートがドレイン又はソースに接続されたPチャネルトランジスター又はNチャネルトランジスターとの内の少なくとも1つを含んでいる。ノードN1とノードN2との間に正の高電圧が印加されると、抵抗素子R1を介してクランプ素子11に電流が流れ、クランプ素子11は、その両端間の電圧を略一定の値(以下においては、「クランプ電圧」ともいう)に保つ。
トランジスターQP10は、ノードN1とノードN4との間に接続され、抵抗素子R1に発生する電圧の上昇に従ってオンする。即ち、トランジスターQP10は、ノードN1に接続されたソースと、ノードN4に接続されたドレインと、ノードN3に接続されたゲートとを有しており、ノードN1とノードN3との間の電圧が閾値電圧以上になるとオンする。
抵抗素子R2は、ノードN4とノードN2との間に接続されている。トランジスターQN10は、抵抗素子R2に発生する電圧の上昇に従ってオンし、抵抗素子R1に流れる電流を増加させる。即ち、トランジスターQN10は、ノードN3に接続されたドレインと、ノードN2に接続されたソースと、ノードN4に接続されたゲートとを有しており、ノードN4とノードN2との間の電圧が閾値電圧以上になるとオンする。
放電回路12は、例えば、NチャネルMOSトランジスターQN12を含んでいる。トランジスターQN12は、ノードN1に接続されたドレインと、ノードN2に接続されたソースと、ノードN4に接続されたゲートとを有している。放電回路12は、トランジスターQN10がオン状態であるときに、抵抗素子R2に発生する電圧に従って、ノードN1からノードN2に電流を流す。
ここで、図3に示す静電気保護回路10の動作について説明する。
通常動作時において、ノードN1とノードN2との間に印加される正の電圧(ノードN1の電位>ノードN2の電位)がクランプ電圧よりも小さい場合には、抵抗素子R1及びクランプ素子11に殆ど電流が流れないので、ノードN1とノードN3との間の電圧がトランジスターQP10の閾値電圧よりも小さいままとなり、トランジスターQP10がオフ状態を維持する。
一方、静電気の放電によって、ノードN1とノードN2との間にクランプ電圧以上の電圧が印加されると、ノードN1から抵抗素子R1及びクランプ素子11を介してノードN2に電流が流れる。ノードN1とノードN2との間の電圧がさらに上昇して、ノードN1とノードN3との間の電圧がトランジスターQP10の閾値電圧以上になると、トランジスターQP10がオンすることにより、抵抗素子R2に電流が流れて、ノードN4とノードN2との間の電圧が0Vから上昇する。
ノードN4とノードN2との間の電圧がトランジスターQN10の閾値電圧以上になると、トランジスターQN10がオンして、抵抗素子R1に流れる電流が増加し、ノードN1とノードN3との間の電圧が上昇するので、トランジスターQP10に流れる電流が増加する(正帰還)。また、ノードN4とノードN2との間の電圧が放電回路12のトランジスターQN12の閾値電圧以上になると、トランジスターQN12が、ノードN1からノードN2に電流を流し始める。
トランジスターQP10に流れる電流が増加することにより、抵抗素子R2に流れる電流も増加するので、ノードN4とノードN2との間の電圧が上昇する。その結果、トランジスターQN10に流れる電流が増加して(正帰還)、ノードN3の電位がノードN2の電位まで低下する。同時に、放電回路12のトランジスターQN12に流れる電流も増加する。
放電回路12のトランジスターQN12に電流が流れ続けると、半導体集積回路装置に蓄積された電荷が放電されて、ノードN1とノードN2との間の電圧が低下する。これにより、抵抗素子R1及びR2に流れる電流が減少するので、トランジスターQP10及びQN10のオン抵抗が増加する。
ノードN1とノードN3との間の電圧がトランジスターQP10の閾値電圧よりも小さくなると、トランジスターQP10がオフする。また、ノードN4とノードN2との間の電圧がトランジスターQN10の閾値電圧よりも小さくなると、トランジスターQN10がオフする。同様に、ノードN4とノードN2との間の電圧が放電回路12のトランジスターQN12の閾値電圧よりも小さくなると、トランジスターQN12がオフする。
このように、トランジスターQP10及びQN10がオフ状態からオン状態に遷移する際には、ノードN1とノードN2との間の電圧が動作開始電圧以上であるか否かによって遷移条件が決定される。ここで、動作開始電圧は、クランプ素子11のクランプ電圧とトランジスターQP10の閾値電圧との和になる。一方、トランジスターQP10及びQN10が一旦オン状態になると、ノードN1とノードN2との間の電圧が動作開始電圧より小さくなっても、トランジスターQP10及びQN10がオン状態を保ち続ける。
従って、通常使用時に電源投入によって電源電圧が急峻に立ち上がっても、ノードN1とノードN2との間の電圧が動作開始電圧よりも小さければ、静電気保護回路10が保護動作を開始するおそれがない。また、静電気の放電により静電気保護回路10が保護動作を一旦開始すると、ノードN1とノードN2との間の電圧が十分小さくなるまで、静電気保護回路10が保護動作を継続する。このように、本実施形態によれば、簡単な回路構成で、通常動作時において誤動作することなく、静電気の放電に対して十分な保護特性が得られる静電気保護回路10を提供することができる。
<第2の実施形態>
図4は、本発明の第2の実施形態に係る静電気保護回路の構成例を示す回路図である。第2の実施形態に係る静電気保護回路10aにおいては、図3に示す第1の実施形態に係る静電気保護回路10における放電回路12の替りに、放電回路12aが用いられる。その他の点に関し、図4に示す静電気保護回路10aは、図3に示す静電気保護回路10と同様である。
放電回路12aは、例えば、PチャネルMOSトランジスターQP12を含んでいる。トランジスターQP12は、ノードN1に接続されたソースと、ノードN2に接続されたドレインと、ノードN3に接続されたゲートとを有している。放電回路12aは、トランジスターQN10がオン状態であるときに、抵抗素子R1に発生する電圧に従って、ノードN1からノードN2に電流を流す。
ここで、図4に示す静電気保護回路10aの動作について説明する。
通常動作時において、ノードN1とノードN2との間に印加される正の電圧(ノードN1の電位>ノードN2の電位)がクランプ電圧よりも小さい場合には、抵抗素子R1及びクランプ素子11に殆ど電流が流れないので、ノードN1とノードN3との間の電圧がトランジスターQP10の閾値電圧よりも小さいままとなり、トランジスターQP10がオフ状態を維持する。
一方、静電気の放電によって、ノードN1とノードN2との間にクランプ電圧以上の電圧が印加されると、ノードN1から抵抗素子R1及びクランプ素子11を介してノードN2に電流が流れる。ノードN1とノードN2との間の電圧がさらに上昇して、ノードN1とノードN3との間の電圧がトランジスターQP10の閾値電圧以上になると、トランジスターQP10がオンすることにより、抵抗素子R2に電流が流れて、ノードN4とノードN2との間の電圧が0Vから上昇する。
ノードN4とノードN2との間の電圧がトランジスターQN10の閾値電圧以上になると、トランジスターQN10がオンして、抵抗素子R1に流れる電流が増加し、ノードN1とノードN3との間の電圧が上昇するので、トランジスターQP10に流れる電流が増加する(正帰還)。また、ノードN1とノードN3との間の電圧が放電回路12aのトランジスターQP12の閾値電圧以上になると、トランジスターQP12が、ノードN1からノードN2に電流を流し始める。
トランジスターQP10に流れる電流が増加することにより、抵抗素子R2に流れる電流も増加するので、ノードN4とノードN2との間の電圧が上昇する。その結果、トランジスターQN10に流れる電流が増加して(正帰還)、ノードN3の電位がノードN2の電位まで低下する。同時に、放電回路12aのトランジスターQP12に流れる電流も増加する。
放電回路12aのトランジスターQP12に電流が流れ続けると、半導体集積回路装置に蓄積された電荷が放電されて、ノードN1とノードN2との間の電圧が低下する。これにより、抵抗素子R1及びR2に流れる電流が減少するので、トランジスターQP10及びQN10のオン抵抗が増加する。
ノードN1とノードN3との間の電圧がトランジスターQP10の閾値電圧よりも小さくなると、トランジスターQP10がオフする。また、ノードN4とノードN2との間の電圧がトランジスターQN10の閾値電圧よりも小さくなると、トランジスターQN10がオフする。同様に、ノードN1とノードN3との間の電圧が放電回路12aのトランジスターQP12の閾値電圧よりも小さくなると、トランジスターQP12がオフする。
このように、トランジスターQP10及びQN10がオフ状態からオン状態に遷移する際には、ノードN1とノードN2との間の電圧が動作開始電圧以上であるか否かによって遷移条件が決定される。ここで、動作開始電圧は、クランプ素子11のクランプ電圧とトランジスターQP10の閾値電圧との和になる。一方、トランジスターQP10及びQN10が一旦オン状態になると、ノードN1とノードN2との間の電圧が動作開始電圧より小さくなっても、トランジスターQP10及びQN10がオン状態を保ち続ける。
従って、通常使用時に電源投入によって電源電圧が急峻に立ち上がっても、ノードN1とノードN2との間の電圧が動作開始電圧よりも小さければ、静電気保護回路10aが保護動作を開始するおそれがない。また、静電気の放電により静電気保護回路10aが保護動作を一旦開始すると、ノードN1とノードN2との間の電圧が十分小さくなるまで、静電気保護回路10aが保護動作を継続する。このように、本実施形態によれば、簡単な回路構成で、通常動作時において誤動作することなく、静電気の放電に対して十分な保護特性が得られる静電気保護回路10aを提供することができる。
<第3の実施形態>
図5は、本発明の第3の実施形態に係る静電気保護回路の構成例を示す回路図である。第3の実施形態に係る静電気保護回路10bにおいては、図3に示す第1の実施形態に係る静電気保護回路10に対して、検出回路13が追加されている。その他の点に関し、図5に示す静電気保護回路10bは、図3に示す静電気保護回路10と同様である。
検出回路13は、トランジスターQN10がオン状態であることを検出したときに出力信号を活性化する。例えば、検出回路13は、PチャネルMOSトランジスターQP13とNチャネルMOSトランジスターQN13とによって構成されるインバーターを含んでいる。トランジスターQP13は、ノードN1に接続されたソースと、出力端子OUTに接続されたドレインと、入力端子INに接続されたゲートとを有している。また、トランジスターQN13は、出力端子OUTに接続されたドレインと、ノードN2に接続されたソースと、入力端子INに接続されたゲートとを有している。
インバーターは、入力端子INに供給されるノードN3の電位がハイレベルであるかローレベルであるかを検出し、そのレベルを反転して、反転されたレベルを有する出力信号を出力端子OUTから出力する。これにより、検出回路13は、抵抗素子R1に発生する電圧がノードN1とノードN2との間の電圧に対して所定の割合(例えば、50%)よりも大きくなったときに出力信号をハイレベルに活性化する。検出回路13としては、インバーター以外にも、コンパレーター等を用いることができる。
検出回路13の出力信号は、放電回路12のトランジスターQN12のゲートに供給される。放電回路12は、トランジスターQN10がオン状態となって、検出回路13の出力信号がハイレベルに活性化されたときに、ノードN1からノードN2に電流を流す。
ここで、図5に示す静電気保護回路10bの動作について説明する。
通常動作時において、ノードN1とノードN2との間に印加される正の電圧(ノードN1の電位>ノードN2の電位)がクランプ電圧よりも小さい場合には、抵抗素子R1及びクランプ素子11に殆ど電流が流れないので、ノードN1とノードN3との間の電圧がトランジスターQP10の閾値電圧よりも小さいままとなり、トランジスターQP10がオフ状態を維持する。
一方、静電気の放電によって、ノードN1とノードN2との間にクランプ電圧以上の電圧が印加されると、ノードN1から抵抗素子R1及びクランプ素子11を介してノードN2に電流が流れる。ノードN1とノードN2との間の電圧がさらに上昇して、ノードN1とノードN3との間の電圧がトランジスターQP10の閾値電圧以上になると、トランジスターQP10がオンする。ただし、この時点においては、検出回路13の入力端子INの電位はハイレベルとなっている。
トランジスターQP10がオンすることにより、抵抗素子R2に電流が流れて、ノードN4とノードN2との間の電圧が0Vから上昇する。ノードN4とノードN2との間の電圧がトランジスターQN10の閾値電圧以上になると、トランジスターQN10がオンする。
トランジスターQN10がオンすることにより、抵抗素子R1に流れる電流が増加して、ノードN1とノードN3との間の電圧が上昇するので、トランジスターQP10に流れる電流が増加する(正帰還)。同時に、検出回路13の入力端子INの電位がローレベルとなり、検出回路13の出力信号がハイレベルに活性化される。これにより、放電回路12のトランジスターQN12が、ノードN1からノードN2に電流を流し始める。
また、トランジスターQP10に流れる電流が増加することにより、抵抗素子R2に流れる電流が増加する。その結果、ノードN4とノードN2との間の電圧が上昇するので、トランジスターQN10に流れる電流が増加する(正帰還)。同時に、放電回路12のトランジスターQN12に流れる電流も増加する。
放電回路12のトランジスターQN12に電流が流れ続けると、半導体集積回路装置に蓄積された電荷が放電されて、ノードN1とノードN2との間の電圧が低下する。これにより、抵抗素子R1及びR2に流れる電流が減少するので、トランジスターQP10及びQN10のオン抵抗が増加する。
ノードN1とノードN3との間の電圧がトランジスターQP10の閾値電圧よりも小さくなると、トランジスターQP10がオフする。また、ノードN4とノードN2との間の電圧がトランジスターQN10の閾値電圧よりも小さくなると、トランジスターQN10がオフする。これにより、検出回路13の出力信号がローレベルに非活性化されて、放電回路12のトランジスターQN12がオン状態からオフ状態に遷移する。
このように、トランジスターQP10及びQN10がオフ状態からオン状態に遷移する際には、ノードN1とノードN2との間の電圧が動作開始電圧以上であるか否かによって遷移条件が決定される。ここで、動作開始電圧は、クランプ素子11のクランプ電圧とトランジスターQP10の閾値電圧との和になる。一方、トランジスターQP10及びQN10が一旦オン状態になると、ノードN1とノードN2との間の電圧が動作開始電圧より小さくなっても、トランジスターQP10及びQN10がオン状態を保ち続ける。
従って、通常使用時に電源投入によって電源電圧が急峻に立ち上がっても、ノードN1とノードN2との間の電圧が動作開始電圧よりも小さければ、静電気保護回路10bが保護動作を開始するおそれがない。また、静電気の放電により静電気保護回路10bが保護動作を一旦開始すると、ノードN1とノードN2との間の電圧が十分小さくなるまで、静電気保護回路10bが保護動作を継続する。このように、本実施形態によれば、簡単な回路構成で、通常動作時において誤動作することなく、静電気の放電に対して十分な保護特性が得られる静電気保護回路10bを提供することができる。
<第4の実施形態>
図6は、本発明の第4の実施形態に係る静電気保護回路の構成例を示す回路図である。第4の実施形態に係る静電気保護回路10cは、図5に示す第3の実施形態に係る静電気保護回路10bに対して抵抗素子R3が追加されている。その他の点に関し、図6に示す静電気保護回路10cは、図5に示す静電気保護回路10bと同様である。
抵抗素子R3は、ノードN4とノードN5との間に接続されている。また、抵抗素子R2は、ノードN5とノードN2との間に接続されている。ここで、抵抗素子R3及びR2は、ノードN4とノードN2との間の電圧を分圧する分圧回路を構成している。
トランジスターQN10は、分圧回路によって分圧された電圧の上昇に従ってオンし、抵抗素子R1に流れる電流を増加させる。即ち、トランジスターQN10は、ノードN3に接続されたドレインと、ノードN2に接続されたソースと、ノードN5に接続されたゲートとを有しており、ノードN5とノードN2との間の電圧が閾値電圧以上になるとオンする。
ここで、図6に示す静電気保護回路10cの動作について説明する。
通常動作時において、ノードN1とノードN2との間に印加される正の電圧(ノードN1の電位>ノードN2の電位)がクランプ電圧よりも小さい場合には、抵抗素子R1及びクランプ素子11に殆ど電流が流れないので、ノードN1とノードN3との間の電圧がトランジスターQP10の閾値電圧よりも小さいままとなり、トランジスターQP10がオフ状態を維持する。
一方、静電気の放電によって、ノードN1とノードN2との間にクランプ電圧以上の電圧が印加されると、ノードN1から抵抗素子R1及びクランプ素子11を介してノードN2に電流が流れる。ノードN1とノードN2との間の電圧がさらに上昇して、ノードN1とノードN3との間の電圧がトランジスターQP10の閾値電圧以上になると、トランジスターQP10がオンする。ただし、この時点においては、検出回路13の入力端子INの電位はハイレベルとなっている。
トランジスターQP10がオンすることにより、抵抗素子R3及びR2によって構成される分圧回路に電圧が印加されて、ノードN5とノードN2との間の電圧が0Vから上昇する。ここで、ノードN1とノードN2との間の電圧が所定の値以上であれば、ノードN5とノードN2との間の電圧がトランジスターQN10の閾値電圧以上になって、トランジスターQN10がオンする。
トランジスターQN10がオンすることにより、抵抗素子R1に流れる電流が増加して、ノードN1とノードN3との間の電圧が上昇するので、トランジスターQP10に流れる電流が増加する(正帰還)。同時に、検出回路13の入力端子INの電位がローレベルとなり、検出回路13の出力信号がハイレベルに活性化される。これにより、放電回路12のトランジスターQN12が、ノードN1からノードN2に電流を流し始める。
また、トランジスターQP10に流れる電流が増加することにより、抵抗素子R3及びR2に流れる電流が増加する。その結果、ノードN5とノードN2との間の電圧が上昇するので、トランジスターQN10に流れる電流が増加する(正帰還)。同時に、放電回路12のトランジスターQN12に流れる電流も増加する。
放電回路12のトランジスターQN12に流れる電流が増加すると、ノードN1とノードN2との間の電圧が所定の値よりも低下する。これにより、ノードN5とノードN2との間の電圧がトランジスターQN10の閾値電圧よりも低下するので、トランジスターQN10がオン状態からオフ状態に遷移する。その結果、抵抗素子R1に流れる電流が減少するので、検出回路13の出力信号がローレベルに非活性化され、放電回路12のトランジスターQN12がオン状態からオフ状態に遷移して、ノードN1とノードN2との間の電圧が略一定に保持される。
このように、トランジスターQP10及びQN10がオフ状態からオン状態に遷移する際には、ノードN1とノードN2との間の電圧が動作開始電圧以上であるか否かによって遷移条件が決定される。ここで、動作開始電圧は、クランプ素子11のクランプ電圧とトランジスターQP10の閾値電圧との和になる。一方、トランジスターQP10及びQN10が一旦オン状態になると、ノードN1とノードN2との間の電圧が動作開始電圧より小さくなっても、トランジスターQP10及びQN10がオン状態を保ち続ける。
従って、通常使用時に電源投入によって電源電圧が急峻に立ち上がっても、ノードN1とノードN2との間の電圧が動作開始電圧よりも小さければ、静電気保護回路10cが保護動作を開始するおそれがない。また、静電気の放電により静電気保護回路10cが保護動作を一旦開始すると、ノードN1とノードN2との間の電圧が所定の値に減少するまで、静電気保護回路10cが保護動作を継続する。このように、本実施形態によれば、静電気の放電により静電気保護回路10cが保護動作を行っている間において、ノードN1とノードN2との間の電圧を所定の値に保持することができる。
以上の動作メカニズムにより、静電気保護回路10cの両端間の電圧が所定の値に保持されながら、放電経路に電流が流れる。以下においては、静電気保護回路10cの両端間に保持される電圧を「保持電圧」ともいう。本実施形態においては、保持電圧が略一定値となる。
保持電圧Vは、トランジスターQN10がオン状態からオフ状態に遷移するときのノードN1とノードN2との間の電圧であり、次式(3)によって近似できる。
≒VthQN10×(R+R)/R ・・・(3)
ここで、VthQN10はトランジスターQN10の閾値電圧であり、Rは抵抗素子R2の抵抗値であり、Rは抵抗素子R3の抵抗値である。ただし、抵抗値R及びRは、トランジスターQP10のオン抵抗よりも十分大きい値であるものとする。式(3)に従って抵抗素子R2及びR3の抵抗値を選択することにより、所望の保持電圧Vを設定することができる。
第1又は第2のインピーダンス素子として抵抗素子を用いる場合には、抵抗素子の抵抗値が一定であるので、トランジスターQP10又はQN10のオン条件の設定が容易になる。インピーダンス素子として抵抗素子以外のデバイスを用いることも可能であるが、それについては後で詳しく説明する。
図7は、ヒューマンボディモデルにおける静電気放電の電流波形を示す図である。図7において、横軸は、時間[秒]を表しており、縦軸は、電流[A]を表している。例えば、2000Vの静電気が人体から半導体集積回路装置に印加された場合には、ピーク電流が約1.3Aとなり、約1μ秒の期間においてサージ電流が流れ続ける。
図8及び図9は、図7に示すヒューマンボディモデルを適用した場合の図6に示す静電気保護回路における電流波形及び電圧波形のシミュレーション結果を示す図である。一方、図10及び図11は、図7に示すヒューマンボディモデルを適用した場合の比較例の静電気保護回路における電流波形及び電圧波形のシミュレーション結果を示す図である。図8〜図11において、横軸は、時間[秒]を表しており、縦軸は、電流[A]又は電圧[V]を表している。
比較例の静電気保護回路は、図6に示す静電気保護回路10cにおいて、クランプ素子11の替りにキャパシターを用いたものである。また、図6に示す静電気保護回路10c及び比較例の静電気保護回路において、保持電圧は約10Vに設定されている。図8に示すように、静電気保護回路10cは、電流が流れている期間において、約10Vの電圧を保持し続けている。図10に示す比較例の静電気保護回路の保持電圧も、ほぼ同様に見える。
図9及び図11は、図8及び図10の時間軸における0〜10n秒の期間を拡大して示している。図11に示すように、比較例の静電気保護回路においては、短い期間ではあるが、保持電圧が約10Vよりも降下している。これは、急峻なESDイベントに対し、静電気保護回路が確実にサージ電流を逃がしていることを示す一方、通常動作時において外部からノイズ等を受けた場合には、静電気保護回路が過剰に動作して電源電圧が落ちるおそれがあることを意味している。
通常動作時において電源電圧が落ちると、半導体集積回路装置が誤動作するおそれがある。そこで、比較例の静電気保護回路において、通常動作時における誤動作を回避するために、キャパシターの容量値を小さくすることも考えられる。しかしながら、キャパシターの容量値を小さくし過ぎると保護機能が低下する可能性があり、低周波のノイズに対して静電気保護回路が保護動作を行わない可能性が生じる。
一方、図9に示すように、図6に示す静電気保護回路10cにおいては、保持電圧が降下することなく放電動作が行われている。これは、通常動作時において外部からノイズ等を受けた場合においても、静電気保護回路10cが過剰に動作して電源電圧が落ちるおそれがないことを意味している。また、クランプ素子11は、印加される電圧がクランプ電圧に達すると動作を開始するので、低周波のノイズに対しても確実に保護動作を行うことができる。
<第5の実施形態>
図12は、本発明の第5の実施形態に係る静電気保護回路の構成例を示す回路図である。第5の実施形態に係る静電気保護回路10dは、図6に示す第4の実施形態に係る静電気保護回路10cに対してキャパシターC1が追加されている。その他の点に関し、図12に示す静電気保護回路10dは、図6に示す静電気保護回路10cと同様である。
キャパシターC1は、複数の配線層にそれぞれ形成された複数の電極を用いて構成されても良いし、少なくとも1つのMOSトランジスターを用いて構成されても良い。例えば、NチャネルMOSトランジスターのドレイン、ソース、及び、バックゲートを第1の電極とし、ゲートを第2の電極とすることにより、キャパシターC1を構成することができる。
図12に示すように、キャパシターC1は、ノードN3とノードN2との間に、クランプ素子11と並列に接続される。これにより、ノードN1とノードN2との間に正の電圧(ノードN1の電位>ノードN2の電位)が印加されると、抵抗素子R1とキャパシターC1との時定数に従って、ノードN1から抵抗素子R1及びキャパシターC1を介してノードN2に電流が流れ、キャパシターC1の充電が行われる。
これにより、ノードN1とノードN2との間に印加される電圧がクランプ素子11のクランプ電圧より小さくても、ノードN3の電位は、抵抗素子R1とキャパシターC1との時定数に従って、ノードN2の電位に対して上昇する。ノードN1とノードN2との間に印加される電圧が急峻に上昇する場合には、ノードN1とノードN3との間の電圧がトランジスターQP10の閾値電圧以上となり、トランジスターQP10がオンする。
本実施形態によれば、急峻なESDイベントに対して静電気保護回路10dが迅速に保護動作を開始するので、確実にサージ電流を逃がすことができる。また、低い周波数のノイズ等で電源電圧が上昇しても、静電気保護回路10dが確実に保護動作を開始して、電源電圧の上昇を抑えることができる。一方、キャパシターC1は、ノイズフィルターとしても機能するので、通常動作時において外部からノイズ等を受けた場合でも、静電気保護回路10dが過剰に動作して電源電圧が落ちることがない。
図13は、図1に示す半導体集積回路装置に図12に示す静電気保護回路を適用した場合のI−V特性を示す図であり、図14は、図1に示す半導体集積回路装置に従来の静電気保護回路を適用した場合のI−V特性を示す図である。図13及び図14において、横軸は、放電経路における静電気保護回路等の両端間の電圧を表しており、縦軸は、放電経路に流れる電流を表している。
図13に示すように、本発明の第5の実施形態に係る静電気保護回路10dは、両端間の電圧が絶対最大定格電圧VABS以下の領域においては動作しないので、放電経路に電流が流れない。一方、両端間の電圧が所定の電圧Vを超えると、静電気保護回路10dが動作を開始して、放電経路に電流が流れ始める。放電経路に流れる電流が所定の電流Iを超えると、静電気保護回路10dが両端間の電圧を略一定値に保つ。配線抵抗やダイオードに発生する電圧を考慮しても、放電経路に流れる電流がターゲット電流に達したときに、半導体集積回路装置の端子間の電圧と内部回路20の素子が破壊に至る電圧VDMGとの間には、電圧マージンが存在する。
一方、特許文献1の図1に示されている従来の静電気保護回路の場合には、図14に示すように、静電気保護回路の両端間の電圧が絶対最大定格電圧VABSよりも低い領域において静電気保護回路が保護動作を開始して、放電経路に電流が流れ始めている。これでは、通常動作時においても、電源投入による電源電圧の急峻な立ち上がりによって静電気保護回路が保護動作を開始して電流が流れ、半導体集積回路装置が誤動作する可能性がある。従って、従来の静電気保護回路を用いる場合には、電源投入時における電源電圧の立ち上がり特性に制限を設ける必要がある。
<第6の実施形態>
図15は、本発明の第6の実施形態に係る静電気保護回路の構成例を示す回路図である。第6の実施形態に係る静電気保護回路10eは、図6に示す第4の実施形態に係る静電気保護回路10cに対して、抵抗素子R3と並列に接続された第3のトランジスターとしてNチャネルMOSトランジスターQN14が追加されており、抵抗素子R4及び/又はキャパシターC1をさらに含んでも良い。その他の点に関し、図15に示す静電気保護回路10eは、図6に示す静電気保護回路10cと同様である。
トランジスターQN14は、抵抗素子R3の一端に接続されたドレインと、抵抗素子R3の他端に接続されたソースと、検出回路13の出力端子OUTに接続されたゲートとを有し、検出回路13の出力信号がハイレベルに活性化されたときにオンする。また、抵抗素子R4は、ノードN4とノードN5との間に、抵抗素子R3と直列に接続されている。
トランジスターQN14は、抵抗素子R2〜R4と共に、分圧回路を構成している。静電気の放電により、検出回路13の出力信号がハイレベルに活性化されて、静電気保護回路10eが保護動作を一旦開始すると、トランジスターQN14がオンして、分圧回路における分圧比が上昇する。その結果、ノードN1とノードN2との間の電圧が低下し、半導体集積回路装置の内部回路が破壊に至る電圧に対するマージンが増えて静電気耐量が向上する。
保持電圧Vは、トランジスターQN10がオン状態からオフ状態に遷移するときのノードN1とノードN2との間の電圧であり、次式(4)によって近似できる。
≒VthQN10×(R+αR+R)/R ・・・(4)
ここで、VthQN10はトランジスターQN10の閾値電圧であり、αは0〜1の範囲内の係数であり、Rは抵抗素子R2の抵抗値であり、Rは抵抗素子R3の抵抗値であり、Rは抵抗素子R4の抵抗値である。ただし、抵抗値R及びRは、トランジスターQP10のオン抵抗よりも十分大きい値であるものとする。また、抵抗素子R4を設けない場合には、R=0となる。
ここで、放電回路12のトランジスターQN12に流れる電流が大きくなるほど、トランジスターQN14のオン抵抗が小さくなるので、係数αの値も小さくなる。従って、式(4)において、放電回路12のトランジスターQN12に流れる電流が大きくなるほど、保持電圧Vが小さくなる。
即ち、放電回路12のトランジスターQN12に流れる電流が小さいときには、α=1として、保持電圧Vは、次式(5)によって近似される。
≒VthQN10×(R+R+R)/R ・・・(5)
一方、放電回路12のトランジスターQN12に流れる電流が大きいときには、α=0として、保持電圧Vは、次式(6)によって近似される。
≒VthQN10×(R+R)/R ・・・(6)
式(5)及び式(6)に従って、抵抗素子R2〜R4の抵抗値を設定することにより、所望の電圧範囲で保持電圧Vを変化させることができる。
図16は、図1に示す半導体集積回路装置に図15に示す静電気保護回路を適用した場合のI−V特性を示す図である。図16において、横軸は、放電経路における静電気保護回路等の両端間の電圧を表しており、縦軸は、放電経路に流れる電流を表している。
図16に示すように、本発明の第6の実施形態に係る静電気保護回路10eは、両端間の電圧が絶対最大定格電圧VABS以下の領域においては保護動作を開始しないので、放電経路に電流が流れない。一方、端子間の電圧が所定の電圧VP1を超えると、静電気保護回路10eが保護動作を開始して、放電経路に電流が流れ始める。
放電経路に流れる電流が第1の所定の電流IP1〜第2の所定の電流IP2である第1の動作領域においては、放電経路に流れる電流が大きくなるほど、静電気保護回路10eの両端間の電圧が低下する。放電経路に流れる電流が第2の所定の電流IP2を超える第2の動作領域においては、静電気保護回路10eが両端間の電圧を略一定に保つ。
これにより、配線抵抗やダイオードに発生する電圧を考慮しても、放電経路に流れる電流がターゲット電流に達したときに、半導体集積回路装置の端子間の電圧と内部回路20の素子が破壊に至る電圧VDMGとの間には、第4の実施形態におけるよりも大きい電圧マージンが存在する。
<第7の実施形態>
図17は、本発明の第7の実施形態に係る静電気保護回路の構成例を示す回路図である。第7の実施形態に係る静電気保護回路10fは、図6に示す第4の実施形態に係る静電気保護回路10cにおいて、ノードN4とノードN5との間に複数の抵抗素子が直列に接続され、それらの抵抗素子の内の少なくとも1つと並列に接続された少なくとも1つのNチャネルトランジスターが追加されており、キャパシターC1をさらに含んでも良い。その他の点に関し、図17に示す静電気保護回路10fは、図6に示す静電気保護回路10cと同様である。
図17においては、一例として、ノードN4とノードN5との間に直列に接続された抵抗素子R3〜R5と、抵抗素子R3及びR4にそれぞれ並列に接続されたNチャネルMOSトランジスターQN14及びQN15とが示されている。このように、分圧回路を構成する複数の抵抗素子にそれぞれ並列に接続された複数のトランジスターを設けても良い。
トランジスターQN14は、抵抗素子R3の一端に接続されたドレインと、抵抗素子R3の他端に接続されたソースと、検出回路13の出力端子OUTに接続されたゲートとを有し、検出回路13の出力信号がハイレベルに活性化されたときにオンする。また、トランジスターQN15は、抵抗素子R4の一端に接続されたドレインと、抵抗素子R4の他端に接続されたソースと、検出回路13の出力端子OUTに接続されたゲートとを有し、検出回路13の出力信号がハイレベルに活性化されたときにオンする。
トランジスターQN14及びQN15は、抵抗素子R2〜R5と共に、分圧回路を構成している。静電気の放電により、検出回路13の出力信号がハイレベルに活性化されて、静電気保護回路10fが保護動作を一旦開始すると、トランジスターQN14及びQN15がオンして、分圧回路における分圧比が上昇する。その結果、ノードN1とノードN2との間の電圧が低下し、半導体集積回路装置の内部回路が破壊に至る電圧に対するマージンが増えて静電気耐量が向上する。従って、第7の実施形態に係る静電気保護回路10fも、第6の実施形態に係る静電気保護回路10eのI−V特性と同様のI−V特性を有するが、第6の実施形態におけるよりもI−V特性をきめ細やかに自由に設定することができる。
<第8の実施形態>
図18は、本発明の第8の実施形態に係る静電気保護回路の構成例を示す回路図である。本発明の第1〜第7の実施形態において、第1のインピーダンス素子として、抵抗素子R1(図3等)の替りにPチャネルMOSトランジスターを用いても良い。また、第2のインピーダンス素子として、抵抗素子R2(図3等)の替りにNチャネルMOSトランジスターを用いても良い。
図18においては、一例として、図3に示す第1の実施形態に係る静電気保護回路10において、第1のインピーダンス素子としてPチャネルMOSトランジスターQP30を用いると共に、第2のインピーダンス素子としてNチャネルMOSトランジスターQN30を用いた静電気保護回路10gが示されている。その他の点に関し、図18に示す静電気保護回路10gは、図3に示す静電気保護回路10と同様である。
トランジスターQP30は、ノードN1に接続されたソースと、ノードN3に接続されたドレインと、ノードN2に接続されたゲートとを有している。ノードN1とノードN2との間にトランジスターQP30の閾値電圧よりも大きい正の電圧が印加されると、トランジスターQP30がオンする。
トランジスターQP30のオン抵抗は、ノードN1とノードN2との間の電圧に依存する。放電回路12がノードN1からノードN2に電流を流すと、ノードN1とノードN2との間の電圧が減少するが、トランジスターQP30のオン抵抗が増加するので、ノードN1とノードN3との間の電圧の減少が抑えられる。従って、保護動作の途中でトランジスターQP10がオフすることを防止できる。
また、製造工程におけるPチャネルMOSトランジスターのばらつきに対して、トランジスターQP10の特性変動とトランジスターQP30の特性変動とが相殺するので、全体として特性変動が小さい静電気保護回路を提供することができる。さらに、抵抗素子をPチャネルMOSトランジスターに置き換えることにより、半導体集積回路装置のコストを低減することができる。
トランジスターQN30は、ノードN4に接続されたドレインと、ノードN2に接続されたソースと、ノードN1に接続されたゲートとを有している。ノードN1とノードN2との間にトランジスターQN30の閾値電圧よりも大きい正の電圧が印加されると、トランジスターQN30がオンする。
トランジスターQN30のオン抵抗は、ノードN1とノードN2との間の電圧に依存する。放電回路12がノードN1からノードN2に電流を流すと、ノードN1とノードN2との間の電圧が減少するが、トランジスターQN30のオン抵抗が増加するので、ノードN4とノードN2との間の電圧の減少が抑えられる。従って、保護動作の途中でトランジスターQN10がオフすることを防止できる。
また、製造工程におけるNチャネルMOSトランジスターのばらつきに対して、トランジスターQN10の特性変動とトランジスターQN30の特性変動とが相殺するので、全体として特性変動が小さい静電気保護回路を提供することができる。さらに、抵抗素子をNチャネルMOSトランジスターに置き換えることにより、半導体集積回路装置のコストを低減することができる。
<第9の実施形態>
図19は、本発明の第9の実施形態に係る静電気保護回路の構成例を示す回路図である。本発明の第1〜第7の実施形態において、第1のトランジスターとしてNチャネルMOSトランジスターを用い、第2のトランジスターとしてPチャネルMOSトランジスターを用いて、それに応じて各素子の接続を変更しても良い。
図19においては、一例として、図15に示す第6の実施形態に係る静電気保護回路10eにおいて、第1のトランジスターとしてNチャネルMOSトランジスターQN10を用い、第2のトランジスターとしてPチャネルMOSトランジスターQP10を用い、第3のトランジスターとしてPチャネルMOSトランジスターQP14を用いた静電気保護回路10hが示されている。
静電気保護回路10hは、クランプ素子11と、抵抗素子R1〜R3と、NチャネルMOSトランジスターQN10と、PチャネルMOSトランジスターQP10及びQP14と、検出回路13と、放電回路12hとを含んでいる。また、静電気保護回路10hは、抵抗素子R4、及び/又は、クランプ素子11と並列に接続されたキャパシターをさらに含んでも良い。
ノードN3において互いに接続されたクランプ素子11及び抵抗素子R1を含む直列回路が、ノードN1とノードN2との間に接続されている。本実施形態においては、クランプ素子11が、ノードN1とノードN3との間に接続されており、抵抗素子R1が、ノードN3とノードN2との間に接続されている。
トランジスターQN10は、ノードN4とノードN2との間に接続され、抵抗素子R1に発生する電圧の上昇に従ってオンする。即ち、トランジスターQN10は、ノードN4に接続されたドレインと、ノードN2に接続されたソースと、ノードN3に接続されたゲートとを有しており、ノードN3とノードN2との間の電圧が閾値電圧を超えるとオンする。
抵抗素子R3及びR4は、ノードN4とノードN5との間に直列に接続されており、抵抗素子R2は、ノードN5とノードN1との間に接続されている。また、トランジスターQP14は、抵抗素子R3と並列に接続されている。即ち、トランジスターQP14は、抵抗素子R3の一端に接続されたソースと、抵抗素子R3の他端に接続されたドレインと、検出回路13の出力端子OUTに接続されたゲートとを有している。抵抗素子R2〜R4及びトランジスターQP14は、ノードN1とノードN4との間の電圧を分圧する分圧回路を構成している。
トランジスターQP10は、分圧回路によって分圧された電圧の上昇に従ってオンし、抵抗素子R1に流れる電流を増加させる。即ち、トランジスターQP10は、ノードN1に接続されたソースと、ノードN3に接続されたドレインと、ノードN5に接続されたゲートとを有しており、ノードN1とノードN5との間の電圧が閾値電圧を超えるとオンする。
検出回路13は、トランジスターQP10がオン状態であることを検出したときに出力信号を活性化する。例えば、検出回路13は、PチャネルMOSトランジスターQP13とNチャネルMOSトランジスターQN13とによって構成されるインバーターを含んでいる。その場合に、検出回路13は、抵抗素子R1に発生する電圧がノードN1とノードN2との間の電圧に対して所定の割合(例えば、50%)よりも大きくなったときに出力信号をローレベルに活性化する。
放電回路12hは、例えば、PチャネルMOSトランジスターQP12を含んでいる。トランジスターQP12は、ノードN1に接続されたソースと、ノードN2に接続されたドレインと、検出回路13の出力信号が供給されるゲートとを有している。放電回路12hは、検出回路13の出力信号がローレベルに活性化されたときに、ノードN1からノードN2に電流を流す。
ここで、図19に示す静電気保護回路10hの動作について説明する。
通常動作時において、ノードN1とノードN2との間に印加される正の電圧(ノードN1の電位>ノードN2の電位)がクランプ電圧よりも小さい場合には、クランプ素子11及び抵抗素子R1に殆ど電流が流れないので、ノードN3とノードN2との間の電圧がトランジスターQN10の閾値電圧よりも小さいままとなり、トランジスターQN10がオフ状態を維持する。
一方、静電気の放電によって、ノードN1とノードN2との間にクランプ電圧以上の電圧が印加されると、ノードN1からクランプ素子11及び抵抗素子R1を介してノードN2に電流が流れる。ノードN1とノードN2との間の電圧がさらに上昇して、ノードN3とノードN2との間の電圧がトランジスターQN10の閾値電圧以上になると、トランジスターQN10がオンする。ただし、この時点においては、検出回路13の入力端子INの電位はローレベルとなっている。
トランジスターQN10がオンすることにより、抵抗素子R2〜R4等によって構成される分圧回路に電圧が印加されて、ノードN1とノードN5との間の電圧が0Vから上昇する。ここで、ノードN1とノードN2との間の電圧が所定の値以上であれば、ノードN1とノードN5との間の電圧がトランジスターQP10の閾値電圧以上になって、トランジスターQP10がオンする。
トランジスターQP10がオンすることにより、抵抗素子R1に流れる電流が増加して、ノードN3とノードN2との間の電圧が上昇するので、トランジスターQN10に流れる電流が増加する(正帰還)。同時に、検出回路13の入力端子INの電位がハイレベルとなり、検出回路13の出力信号がローレベルに活性化される。これにより、放電回路12hのトランジスターQP12が、ノードN1からノードN2に電流を流し始める。
検出回路13の出力信号がローレベルに活性化されて、静電気保護回路10hが保護動作を一旦開始すると、トランジスターQP14がオンして、分圧回路における分圧比が上昇する。その結果、ノードN1とノードN2との間の電圧が低下し、半導体集積回路装置の内部回路が破壊に至る電圧に対するマージンが増えて静電気耐量が向上する。
放電回路12hのトランジスターQP12に流れる電流によって、ノードN1とノードN2との間の電圧がさらに低下すると、ノードN1とノードN5との間の電圧がトランジスターQP10の閾値電圧よりも低下するので、トランジスターQP10がオン状態からオフ状態に遷移する。その結果、抵抗素子R1に流れる電流が減少するので、検出回路13の出力信号がハイレベルに非活性化され、放電回路12hのトランジスターQP12がオン状態からオフ状態に遷移して、ノードN1とノードN2との間の電圧が略一定に保持される。
本実施形態において、第1のインピーダンス素子として、抵抗素子R1の替りにNチャネルMOSトランジスターを用いても良い。その場合に、NチャネルMOSトランジスターは、ノードN3に接続されたドレインと、ノードN2に接続されたソースと、ノードN1に接続されたゲートを有する。
このNチャネルMOSトランジスターのオン抵抗は、ノードN1とノードN2との間の電圧に依存する。放電回路12hがノードN1からノードN2に電流を流すと、ノードN1とノードN2との間の電圧が減少するが、NチャネルMOSトランジスターのオン抵抗が増加するので、ノードN3とノードN2との間の電圧の減少が抑えられる。従って、保護動作の途中でトランジスターQN10がオフすることを防止できる。
また、第2のインピーダンス素子として、抵抗素子R2の替りにPチャネルMOSトランジスターを用いても良い。その場合に、PチャネルMOSトランジスターは、ノードN1に接続されたソースと、ノードN5に接続されたドレインと、ノードN2に接続されたゲートとを有する。
このPチャネルMOSトランジスターのオン抵抗は、ノードN1とノードN2との間の電圧に依存する。放電回路12hがノードN1からノードN2に電流を流すと、ノードN1とノードN2との間の電圧が減少するが、PチャネルMOSトランジスターのオン抵抗が増加するので、ノードN1とノードN5との間の電圧の減少が抑えられる。従って、保護動作の途中でトランジスターQP10がオフすることを防止できる。
<第10の実施形態>
図20は、本発明の第10の実施形態に係る静電気保護回路の構成例を示す回路図である。第10の実施形態に係る静電気保護回路10iにおいては、図19に示す第9の実施形態における検出回路13の替りに検出回路13iが用いられ、放電回路12hの替りに放電回路12が用いられる。その他の点に関し、図20に示す静電気保護回路10iは、図19に示す静電気保護回路10hと同様である。
検出回路13iは、トランジスターQP10がオン状態であることを検出したときに出力信号を活性化する。例えば、検出回路13iは、直列に接続された第1のインバーター及び第2のインバーターを含んでいる。第1のインバーターは、PチャネルMOSトランジスターQP41とNチャネルMOSトランジスターQN41とによって構成される、また、第2のインバーターは、PチャネルMOSトランジスターQP42とNチャネルMOSトランジスターQN42とによって構成される。
第1のインバーターは、入力端子INに供給されるノードN3の電位がハイレベルであるかローレベルであるかを検出し、そのレベルを反転して、反転されたレベルを有する第1の出力信号を出力端子OUT1から出力する。また、第2のインバーターは、第1の出力信号がハイレベルであるかローレベルであるかを検出し、そのレベルを反転して、反転されたレベルを有する第2の出力信号を出力端子OUT2から出力する。
これにより、検出回路13iは、抵抗素子R1に発生する電圧がノードN1とノードN2との間の電圧に対して所定の割合(例えば、50%)よりも大きくなったときに、第1の出力信号をローレベルに活性化すると共に、第2の出力信号をハイレベルに活性化する。検出回路13iの第1の出力信号は、分圧回路のトランジスターQP14のゲートに供給される。また、検出回路13iの第2の出力信号は、放電回路12のトランジスターQN12のゲートに供給される。
本実施形態によれば、放電回路12において、NチャネルMOSトランジスター又はNPNバイポーラトランジスターを用いることができる。NチャネルMOSトランジスター又はNPNバイポーラトランジスターは、P型半導体基板にウエルを介さずに形成することが可能であり、特性的にも優れている。
<インピーダンス素子の例>
図21は、本発明の各実施形態において抵抗素子以外に使用可能なインピーダンス素子の例を示す図である。本発明の各実施形態においては、抵抗素子R3〜R5のいずれかの替りに、図21の(a)〜(h)に示すインピーダンス素子を用いることができる。なお、図21において、「N+」は、高電位側のノードを表しており、「N−」は、低電位側のノードを表している。
図21(a)は、高電位側のノードN+に接続されたカソードと、低電位側のノードN−に接続されたアノードとを有するダイオードD1を示している。このダイオードD1を、例えば、図6に示す第4の実施形態に係る静電気保護回路10cにおいて、抵抗素子R3の替りに用いることができる。
図6において、ノードN1とノードN2との間に高電圧が印加されて、ノードN1とノードN3との間の電圧が上昇してトランジスターQP10の閾値電圧以上になると、トランジスターQP10がオンする。トランジスターQP10から印加される電圧によってダイオードD1がブレークダウンすると、抵抗素子R2に電流が流れて、ノードN5とノードN2との間の電圧が0Vから上昇する。
抵抗素子R3の替りにダイオードD1を用いる場合の静電気保護回路10cの保持電圧Vは、次式(7)によって近似される。
≒VthQN10+VBD1 ・・・(7)
ここで、VthQN10はトランジスターQN10の閾値電圧であり、VBD1はダイオードD1のブレークダウン電圧である。
式(3)においては、保持電圧Vが、トランジスターQN10の閾値電圧VthQN10のばらつきに対して(R+R)/R倍のばらつきを有する。これに対し、ダイオードD1のブレークダウン電圧VBD1のばらつきはトランジスターQN10の閾値電圧VthQN10のばらつきと比較して小さいので、式(7)における保持電圧Vのばらつきは、トランジスターQN10の閾値電圧VthQN10のばらつきに略依存する。従って、トランジスターQN10の閾値電圧VthQN10のばらつきに対して保持電圧Vの変動が少ない静電気保護回路を提供することができる。
図21(b)は、高電位側のノードN+に接続されたアノードと、低電位側のノードN−に接続されたカソードとを有するダイオードD2を示している。このダイオードD2を、例えば、図6に示す第4の実施形態に係る静電気保護回路10cにおいて、抵抗素子R3の替りに用いることができる。
図6において、ノードN1とノードN2との間に高電圧が印加されて、ノードN1とノードN3との間の電圧が上昇してトランジスターQP10の閾値電圧以上になると、トランジスターQP10がオンする。トランジスターQP10から印加される電圧によってダイオードD2に順方向電流が流れると、抵抗素子R2にも電流が流れて、ノードN5とノードN2との間の電圧が0Vから上昇する。
抵抗素子R3の替りにダイオードD2を用いる場合の静電気保護回路10cの保持電圧Vは、次式(8)によって近似される。
≒VthQN10+VFD2 ・・・(8)
ここで、VthQN10はトランジスターQN10の閾値電圧であり、VFD2はダイオードD2の順方向電圧である。
式(3)においては、保持電圧Vが、トランジスターQN10の閾値電圧VthQN10のばらつきに対して(R+R)/R倍のばらつきを有する。これに対し、式(8)における保持電圧Vのばらつきは、トランジスターQN10の閾値電圧VthQN10のばらつきとダイオードD2の順方向電圧VFD2のばらつきとの和であり、ダイオードD2の順方向電圧VFD2の量産ばらつきは小さい。従って、トランジスターQN10の閾値電圧VthQN10のばらつきに対して保持電圧Vの変動が少ない静電気保護回路を提供することができる。また、ダイオードD2の順方向電圧VFD2は比較的小さいので、保持電圧Vを低く設定することができる。
図21(c)は、高電位側のノードN+に接続されたソースと、低電位側のノードN−に接続されたドレイン及びゲートとを有するPチャネルMOSトランジスターQP1を示している。このトランジスターQP1を、例えば、図6に示す第4の実施形態に係る静電気保護回路10cにおいて、抵抗素子R3の替りに用いることができる。
図6において、ノードN1とノードN2との間に高電圧が印加されて、ノードN1とノードN3との間の電圧が上昇してトランジスターQP10の閾値電圧以上になると、トランジスターQP10がオンする。トランジスターQP10から印加される電圧によってトランジスターQP1に電流が流れると、抵抗素子R2にも電流が流れて、ノードN5とノードN2との間の電圧が0Vから上昇する。ここで、トランジスターQP1のゲートはドレインに接続されているので、トランジスターQP1は飽和領域で動作する。従って、ドレイン電流が十分小さい範囲において、トランジスターQP1のソース・ドレイン間電圧は、閾値電圧VthQP1に略等しくなる。
抵抗素子R3の替りにトランジスターQP1を用いる場合の静電気保護回路10cの保持電圧Vは、次式(9)によって近似される。
≒VthQN10+VthQP1 ・・・(9)
ここで、VthQN10はトランジスターQN10の閾値電圧であり、VthQP1はトランジスターQP1の閾値電圧である。
式(3)においては、保持電圧Vが、トランジスターQN10の閾値電圧VthQN10のばらつきに対して(R+R)/R倍のばらつきを有する。これに対し、式(9)における保持電圧Vのばらつきは、トランジスターQN10の閾値電圧VthQN10のばらつきとトランジスターQP1の閾値電圧VthQP1のばらつきとの和となる。従って、トランジスターQN10の閾値電圧VthQN10のばらつきに対して保持電圧Vの変動が少ない静電気保護回路を提供することができる。また、トランジスターQP1の閾値電圧VthQP1は比較的小さいので、保持電圧Vを低く設定することができる。
図21(d)は、高電位側のノードN+に接続されたソース及びゲートと、低電位側のノードN−に接続されたドレインとを有するPチャネルMOSトランジスターQP2を示している。このトランジスターQP2を、例えば、図6に示す第4の実施形態に係る静電気保護回路10cにおいて、抵抗素子R3の替りに用いることができる。
図6において、ノードN1とノードN2との間に高電圧が印加されて、ノードN1とノードN3との間の電圧が上昇してトランジスターQP10の閾値電圧以上になると、トランジスターQP10がオンする。トランジスターQP10から印加される電圧によってトランジスターQP2がブレークダウンすると、抵抗素子R2に電流が流れて、ノードN5とノードN2との間の電圧が0Vから上昇する。
抵抗素子R3の替りにトランジスターQP2を用いる場合の静電気保護回路10cの保持電圧Vは、次式(10)によって近似される。
≒VthQN10+VBQP2 ・・・(10)
ここで、VthQN10はトランジスターQN10の閾値電圧であり、VBQP2はトランジスターQP2のブレークダウン電圧である。
式(3)においては、保持電圧Vが、トランジスターQN10の閾値電圧VthQN10のばらつきに対して(R+R)/R倍のばらつきを有する。これに対し、式(10)における保持電圧Vのばらつきは、トランジスターQN10の閾値電圧VthQN10のばらつきとトランジスターQP2のブレークダウン電圧VBQP2のばらつきとの和となる。従って、トランジスターQN10の閾値電圧VthQN10のばらつきに対して保持電圧Vの変動が少ない静電気保護回路を提供することができる。
図21(e)は、高電位側のノードN+に接続されたドレイン及びゲートと、低電位側のノードN−に接続されたソースとを有するNチャネルMOSトランジスターQN1を示している。このトランジスターQN1を、例えば、図6に示す第4の実施形態に係る静電気保護回路10cにおいて、抵抗素子R3の替りに用いることができる。
図6において、ノードN1とノードN2との間に高電圧が印加されて、ノードN1とノードN3との間の電圧が上昇してトランジスターQP10の閾値電圧以上になると、トランジスターQP10がオンする。トランジスターQP10から印加される電圧によってトランジスターQN1に電流が流れると、抵抗素子R2にも電流が流れて、ノードN5とノードN2との間の電圧が0Vから上昇する。ここで、トランジスターQN1のゲートはドレインに接続されているので、トランジスターQN1は飽和領域で動作する。従って、ドレイン電流が十分小さい範囲において、トランジスターQN1のドレイン・ソース間電圧は、閾値電圧VthQN1に略等しくなる。
抵抗素子R3の替りにトランジスターQN1を用いる場合の静電気保護回路10cの保持電圧Vは、次式(11)によって近似される。
≒VthQN10+VthQN1 ・・・(11)
ここで、VthQN10はトランジスターQN10の閾値電圧であり、VthQN1はトランジスターQN1の閾値電圧である。
式(3)においては、保持電圧Vが、トランジスターQN10の閾値電圧VthQN10のばらつきに対して(R+R)/R倍のばらつきを有する。これに対し、式(11)における保持電圧Vのばらつきは、トランジスターQN10の閾値電圧VthQN10のばらつきとトランジスターQN1の閾値電圧VthQN1のばらつきとの和となる。従って、トランジスターQN10の閾値電圧VthQN10のばらつきに対して保持電圧Vの変動が少ない静電気保護回路を提供することができる。また、トランジスターQN1の閾値電圧VthQN1は比較的小さいので、保持電圧Vを低く設定することができる。
図21(f)は、高電位側のノードN+に接続されたドレインと、低電位側のノードN−に接続されたソース及びゲートとを有するNチャネルMOSトランジスターQN2を示している。このトランジスターQN2を、例えば、図6に示す第4の実施形態に係る静電気保護回路10cにおいて、抵抗素子R3の替りに用いることができる。
図6において、ノードN1とノードN2との間に高電圧が印加されて、ノードN1とノードN3との間の電圧が上昇してトランジスターQP10の閾値電圧以上になると、トランジスターQP10がオンする。トランジスターQP10から印加される電圧によってトランジスターQN2がブレークダウンすると、抵抗素子R2に電流が流れて、ノードN5とノードN2との間の電圧が0Vから上昇する。
抵抗素子R3の替りにトランジスターQN2を用いる場合の静電気保護回路10cの保持電圧Vは、次式(12)によって近似される。
≒VthQN10+VBQN2 ・・・(12)
ここで、VthQN10はトランジスターQN10の閾値電圧であり、VBQN2はトランジスターQN2のブレークダウン電圧である。
式(3)においては、保持電圧Vが、トランジスターQN10の閾値電圧VthQN10のばらつきに対して(R+R)/R倍のばらつきを有する。これに対し、式(12)における保持電圧Vのばらつきは、トランジスターQN10の閾値電圧VthQN10のばらつきとトランジスターQN2のブレークダウン電圧VBQN2のばらつきとの和となる。従って、トランジスターQN10の閾値電圧VthQN10のばらつきに対して保持電圧Vの変動が少ない静電気保護回路を提供することができる。
図21(g)は、インピーダンス素子が複数の同じデバイスを含む例を示している。このインピーダンス素子は、3つのダイオードD3〜D5を直列に接続したものであり、ダイオードD3のアノードが高電位側のノードN+に接続され、ダイオードD5のカソードが低電位側のノードN−に接続されている。これらのダイオードD3〜D5を、例えば、図6に示す第4の実施形態に係る静電気保護回路10cにおいて、抵抗素子R3の替りに用いることができる。
図6において、ノードN1とノードN2との間に高電圧が印加されて、ノードN1とノードN3との間の電圧が上昇してトランジスターQP10の閾値電圧以上になると、トランジスターQP10がオンする。トランジスターQP10から印加される電圧によってダイオードD3〜D5に順方向電流が流れると、抵抗素子R2にも電流が流れて、ノードN5とノードN2との間の電圧が0Vから上昇する。
抵抗素子R3の替りにダイオードD3〜D5を用いる場合の静電気保護回路10cの保持電圧Vは、次式(13)によって近似される。
≒VthQN10+VFD3+VFD4+VFD5 ・・・(13)
ここで、VthQN10はトランジスターQN10の閾値電圧であり、VFD3はダイオードD3の順方向電圧であり、VFD4はダイオードD4の順方向電圧であり、VFD5はダイオードD5の順方向電圧である。式(13)に示すように、静電気保護回路10cの保持電圧Vは、直列に接続されるダイオードの数によって自由に設定することができる。また、ダイオードD2の順方向電圧VFD2の量産ばらつきは小さいので、トランジスターQN10の閾値電圧VthQN10のばらつきに対して保持電圧Vの変動が少ない静電気保護回路を提供することができる。
図21(h)は、インピーダンス素子が複数の異なるデバイスを含む例を示している。このインピーダンス素子は、ダイオードD6と抵抗素子R7とを直列に接続したものであり、ダイオードD6のカソードが高電位側のノードN+に接続され、抵抗素子R7の一端が低電位側のノードN−に接続されている。このダイオードD6及び抵抗素子R7を、例えば、図6に示す第4の実施形態に係る静電気保護回路10cにおいて、抵抗素子R3の替りに用いることができる。
図6において、ノードN1とノードN2との間に高電圧が印加されて、ノードN1とノードN3との間の電圧が上昇してトランジスターQP10の閾値電圧以上になると、トランジスターQP10がオンする。トランジスターQP10から印加される電圧によってダイオードD6がブレークダウンすると、抵抗素子R7及び抵抗素子R2に電流が流れて、ノードN5とノードN2との間の電圧が0Vから上昇する。
抵抗素子R3の替りにダイオードD6及び抵抗素子R7を用いる場合の静電気保護回路10cの保持電圧Vは、次式(14)によって近似される。
≒VthQN10+(R+R)/R+VBD6 ・・・(14)
ここで、VthQN10はトランジスターQN10の閾値電圧であり、Rは抵抗素子R2の抵抗値であり、Rは抵抗素子R7の抵抗値であり、VBD6はダイオードD6のブレークダウン電圧である。式(14)に示すように、抵抗素子R2及びR7の抵抗値を選択することにより、所望の保持電圧Vを設定することができる。また、ダイオードD6のブレークダウン電圧VBD6のばらつきはトランジスターQN10の閾値電圧VthQN10のばらつきと比較して小さいので、抵抗素子のみを用いるよりも保持電圧Vの変動が少ない静電気保護回路を提供することができる。
このように、抵抗素子やダイオードやトランジスターの内から適切なデバイスを選択し、又は、複数のデバイスを組み合わせることにより、静電気保護回路の両端間の電圧を自由に設定することができると共に、プロセスばらつきの影響を受けにくい静電気保護回路を提供することができる。
<クランプ素子の例>
図21の(a)〜(g)に示す素子は、本発明の各実施形態において、クランプ素子11としても用いることができる。
図21(a)に示すダイオードD1をクランプ素子11として用いる場合に、クランプ電圧は、ダイオードD1のブレークダウン電圧VBD1となる。また、図21(b)に示すダイオードD2をクランプ素子11として用いる場合に、クランプ電圧は、ダイオードD2の順方向電圧VFD2となる。
図21(c)に示すPチャネルMOSトランジスターQP1をクランプ素子11として用いる場合に、クランプ電圧は、トランジスターQP1の閾値電圧VthQP1となる。また、図21(d)に示すPチャネルMOSトランジスターQP2をクランプ素子11として用いる場合に、クランプ電圧は、トランジスターQP2のブレークダウン電圧VBQP2となる。
図21(e)に示すNチャネルMOSトランジスターQN1をクランプ素子11として用いる場合に、クランプ電圧は、トランジスターQN1の閾値電圧VthQN1となる。また、図21(f)に示すNチャネルMOSトランジスターQN2をクランプ素子11として用いる場合に、クランプ電圧は、トランジスターQN2のブレークダウン電圧VBQN2となる。
図21(g)に示すように、クランプ素子が、複数の同じデバイスを含んでも良い。図21(g)に示すダイオードD3〜D5をクランプ素子11として用いる場合に、クランプ電圧は、ダイオードD3の順方向電圧VFD3とダイオードD4の順方向電圧VFD4とダイオードD5の順方向電圧VFD5との和になる。あるいは、クランプ素子が、複数の異なるデバイスを含んでも良い。このように、ダイオードやトランジスターの内から適切なデバイスを選択し、又は、複数のデバイスを組み合わせることにより、動作開始電圧を自由に設定することができる。
<放電回路の例>
本発明の各実施形態に係る静電気保護回路の放電回路において、MOSトランジスター(Metal Oxide Semiconductor FET:金属酸化膜型電界効果トランジスター)の他にも、電流を流す機能を有すると共に電流をオン/オフ制御する端子を有する3端子素子や回路等を用いることができる。
3端子素子としては、接合形電界効果トランジスター(Junction FET)、金属半導体形電界効果トランジスター(Metal Semiconductor FET)、バイポーラトランジスター、及び、サイリスター等が挙げられる。これらの3端子素子は、放電回路としてのみならず、他のMOSトランジスターの替りとしても用いることができる。
図22は、放電回路においてMOSトランジスター以外に使用可能な3端子素子の例を示す図である。なお、図22において、「NS」は、電流をオン/オフ制御する信号が供給されるノードを表している。
本発明の第1、第3〜第8、及び、第10の実施形態においては、放電回路12のNチャネルMOSトランジスターQN12の替りに、図22(a)に示すNPNバイポーラトランジスターを用いることができる。このNPNバイポーラトランジスターは、ノードN1に接続されたコレクターと、ノードN2に接続されたエミッターと、ノードNSに接続されたベースとを有している。
本発明の第2及び第9の実施形態においては、放電回路12a又は12hのPチャネルMOSトランジスターQP12の替りに、図22(b)に示すPNPバイポーラトランジスターを用いることができる。このPNPバイポーラトランジスターは、ノードN1に接続されたエミッターと、ノードN2に接続されたコレクターと、ノードNSに接続されたベースとを有している。
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、当該技術分野において通常の知識を有する者によって、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。
1、2…ダイオード、3、4…電源配線、10、10a〜10i…静電気保護回路、11…クランプ素子、12、12a、12h…放電回路、13、13i…検出回路、20…内部回路、P1、P2…電源端子、P3…信号端子、R1〜R7…抵抗素子、C1…キャパシター、QP1〜QP42…PチャネルMOSトランジスター、QN1〜QN42…NチャネルMOSトランジスター、D1〜D6…ダイオード

Claims (14)

  1. 半導体集積回路装置において、高電位側の電位が供給される第1の端子に第1のノードを介して接続されると共に、低電位側の電位が供給される第2の端子に第2のノードを介して接続された静電気保護回路であって、
    第3のノードにおいて互いに接続された第1のインピーダンス素子及びクランプ素子を含み、前記第1のノードと前記第2のノードとの間に接続された直列回路と、
    前記第1及び第2のノードの内の一方と第4のノードとの間に接続され、前記第1のインピーダンス素子に発生する電圧の上昇に従ってオンする第1のトランジスターと、
    前記第4のノードと前記第1及び第2のノードの内の他方との間に接続され、第2のインピーダンス素子を含む少なくとも1つのインピーダンス素子と、
    前記第2のインピーダンス素子に発生する電圧の上昇に従ってオンし、前記第1のインピーダンス素子に流れる電流を増加させる第2のトランジスターと、
    前記第2のトランジスターがオン状態であるときに前記第1のノードから前記第2のノードに電流を流す放電回路と、
    を具備する静電気保護回路。
  2. 前記クランプ素子が、ダイオードと、ゲートがドレイン又はソースに接続されたPチャネルトランジスター又はNチャネルトランジスターとの内の少なくとも1つを含む、請求項1記載の静電気保護回路。
  3. 前記第2のトランジスターがオン状態であることを検出したときに出力信号を活性化する検出回路をさらに具備し、
    前記放電回路が、前記検出回路の出力信号が活性化されたときに前記第1のノードから前記第2のノードに電流を流す、請求項1又は2記載の静電気保護回路。
  4. 前記第4のノードと第5のノードとの間に接続され、第3のインピーダンス素子を含む少なくとも1つのインピーダンス素子をさらに具備し、
    前記第2のインピーダンス素子が、前記第5のノードと前記第1及び第2のノードの内の他方との間に接続されており、前記第3のインピーダンス素子を含む少なくとも1つのインピーダンス素子及び前記第2のインピーダンス素子が、前記第4のノードと前記第1及び第2のノードの内の他方との間の電圧を分圧する分圧回路を構成する、請求項3記載の静電気保護回路。
  5. 前記クランプ素子と並列に接続されたキャパシターをさらに具備する、請求項4記載の静電気保護回路。
  6. 前記分圧回路が、前記第3のインピーダンス素子と並列に接続され、前記検出回路の出力信号が活性化されたときにオンする第3のトランジスターをさらに含む、請求項4又は5記載の静電気保護回路。
  7. 前記分圧回路が、前記第4のノードと前記第5のノードとの間に直列に接続された複数のインピーダンス素子と、前記複数のインピーダンス素子の内の少なくとも1つと並列に接続され、前記検出回路の出力信号が活性化されたときにオンする少なくとも1つのトランジスターとを含む、請求項4又は5記載の静電気保護回路。
  8. 前記第3のインピーダンス素子、又は、前記複数のインピーダンス素子の各々が、抵抗素子と、ダイオードと、ゲートがドレイン又はソースに接続されたPチャネルトランジスター又はNチャネルトランジスターとの内の少なくとも1つを含む、請求項4〜7のいずれか1項記載の静電気保護回路。
  9. 前記第1のインピーダンス素子が、前記第1のノードと前記第3のノードとの間に接続された抵抗素子と、前記第1のノードに接続されたソース、前記第3のノードに接続されたドレイン、及び、前記第2のノードに接続されたゲートを有するPチャネルトランジスターとの内の1つを含み、
    前記第2のインピーダンス素子が、前記第5のノードと前記第2のノードとの間に接続された抵抗素子と、前記第5のノードに接続されたドレイン、前記第2のノードに接続されたソース、及び、前記第1のノードに接続されたゲートを有するNチャネルトランジスターとの内の1つを含む、
    請求項4〜8のいずれか1項記載の静電気保護回路。
  10. 前記第1のトランジスターが、前記第1のノードに接続されたソース、前記第4のノードに接続されたドレイン、及び、前記第3のノードに接続されたゲートを有するPチャネルトランジスターを含み、前記第1のノードと前記第3のノードとの間の電圧の上昇に従って前記Pチャネルトランジスターがオンすることにより、前記分圧回路に電圧が印加される、請求項9記載の静電気保護回路。
  11. 前記第2のトランジスターが、前記第3のノードに接続されたドレイン、前記第2のノードに接続されたソース、及び、前記第5のノードに接続されたゲートを有するNチャネルトランジスターを含み、前記第5のノードと前記第2のノードとの間の電圧の上昇に従って前記Nチャネルトランジスターがオンすることにより、前記検出回路の出力信号が活性化される、請求項9又は10記載の静電気保護回路。
  12. 前記検出回路が、前記第3のノードの電位が供給される入力端子を有するインバーターを含み、前記第1のインピーダンス素子に発生する電圧が前記第1のノードと前記第2のノードとの間の電圧に対して所定の割合よりも大きくなったときに出力信号を活性化する、請求項3〜11のいずれか1項記載の静電気保護回路。
  13. 前記放電回路が、前記第1のノードに接続されたドレイン、前記第2のノードに接続されたソース、及び、前記検出回路の出力信号が供給されるゲートを有するNチャネルトランジスターと、前記第1のノードに接続されたコレクター、前記第2のノードに接続されたエミッター、及び、前記検出回路の出力信号が供給されるベースを有するNPNトランジスターとの内の1つを含む、請求項3〜12のいずれか1項記載の静電気保護回路。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項記載の静電気保護回路を具備する半導体集積回路装置。
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