JP2014241393A - 半導体回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】ESD保護用のクランプ回路の誤動作を防止することが出来る半導体回路を提供することを目的とする。【解決手段】第1の電源ライン7と、第2の電源ライン8を備える。前記第1の電源ラインと前記第2の電源ライン間に接続される内部回路3を備える。前記第1の電源ラインと前記第2の電源ライン間に接続されるクランプ回路4を備える。前記第1の電源ラインと前記第2の電源ライン間の電圧変動に応答して制御信号を出力する制御回路6を備える。前記制御回路の制御信号に応答して、前記クランプ回路がクランプ動作を行うことが出来ない状態に切換えるスイッチ手段5を備える。【選択図】図6

Description

本発明の実施形態は、電源ライン間に接続された内部回路をESDサージから保護する半導体回路に関する。
従来、ESD(Electrostatic Discharge)に対する保護回路の提案が、種々行われている。ESDは、静電気により帯電した人間や機械からの半導体デバイスへの放電や、帯電した半導体デバイスからの接地電位への放電等を指す。半導体デバイスに対してESDが起こると、その端子から大量の電荷が電流となって半導体デバイスへ流入し、その電荷が半導体デバイス内部で高電圧を生成し、内部素子の絶縁破壊や半導体デバイスの故障を引き起こす。
ESD保護回路として、RC回路により駆動されるクランプ用のMOSトランジスタを備えたRCT(RC Triggered)MOSトランジスタと呼ばれる保護素子が使用されている。しかしながら、電源ライン間に接続される内部回路の動作による電源電圧の揺らぎ等の電圧変動にRC回路が応答して、ESDではないにも拘わらずクランプ用のMOSトランジスタがオンする誤動作が生じ、電源電圧が低下すると言った不都合や、クランプ用のMOSトランジスタの誤動作に伴う消費電流の増加といった不都合が生じる場合がある。この為、制御信号により、クランプ用のMOSトランジスタを強制的にオフさせ、誤動作を防止する技術が開示されている。
特開2011−45157号公報
本発明の一つの実施形態は、ESD保護用のクランプ回路の誤動作を防止することが出来る半導体回路を提供することを目的とする。
本発明の一つの実施形態によれば、第1の電源ラインと、第2の電源ラインと、前記第1の電源ラインと前記第2の電源ライン間に接続される内部回路を備える。前記第1の電源ラインと前記第2の電源ライン間に接続されるクランプ回路を備える。前記第1の電源ラインと前記第2の電源ライン間の電圧変動に応答して制御信号を出力する制御回路を備える。前記制御回路の制御信号に応答して、前記クランプ回路がクランプ動作を行うことが出来ない状態に切換えるスイッチ手段を備える半導体回路が提供される。
図1は、第1の実施形態をブロック図的に示す図である。 図2は、第1の実施形態の具体的構成を示す図である。 図3は、第2の実施形態をブロック図的に示す図である。 図4は、第2の実施形態の具体的構成を示す図である。 図5は、第3の実施形態をブロック図的に示す図である。 図6は、第4の実施形態をブロック図的に示す図である。 図7は、第4の実施形態の具体的構成を示す図である。 図8は、第5の実施形態を示す図である。 図9は、第6の実施形態を示す図である。
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる半導体回路を詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の半導体回路をブロック図的に示す図である。本実施形態は、第1の電源電圧として、高電位側の電源電圧が印加される第1の電源端子1を有する。定常状態においては、第1の電源端子1には、例えば、5ボルト(V)の電圧が印加される。第2の電源端子2には、低電位側の電圧として、定常状態においては、例えば、接地電位が印加される。第1の電源端子1には、高電位側の第1の電源ライン7が接続される。第2の電源端子2には、低電位側の第2の電源ライン8が接続される。第1の電源ライン7と第2の電源ライン8との間には、両電源ライン間の電圧でバイアスされ、所定の回路動作を行う内部回路3が接続される。
クランプ回路4は、内部回路3をESDサージから保護するための回路である。クランプ回路4は、スイッチ手段5を介して、第1の電源ライン7と第2の電源ライン8との間に直列接続される。スイッチ手段5は、第1の電源ライン7と第2の電源ライン8との間に接続される制御回路6からの制御信号によりオン/オフが制御される。ESD保護ダイオード9のカソード電極が第1の電源ライン7に接続され、アノード電極が第2の電源ライン8に接続される。第1の電源端子1に対して正のESDサージが第2の電源端子2に印加された場合に、ESD保護ダイオード9がオンしてESDサージを放電する。ESD保護ダイオード9はなくてもよい。
制御回路6は、定常状態の時、スイッチ手段5をオフする制御信号をスイッチ手段5に供給する。すなわち、第1の電源端子1と第2の電源端子2との間に、内部回路3を動作させる為の所定の電圧、例えば、5ボルト(V)が印加されている場合には、スイッチ手段5をオフにする。スイッチ手段5がオフすることにより、第1の電源ライン7とクランプ回路4間は分離される。この為、第1の電源ライン7と第2の電源ライン8との間に生じる電圧の揺らぎ等の電圧変動が、クランプ回路4に伝達されるのを防止することが出来る。すなわち、クランプ回路4が電源電圧の揺らぎ等の電圧変動に応答して誤動作することを防止することが可能となる。これにより、クランプ回路4の誤動作に伴う、電源電圧が低下するといった不都合や、消費電流の増加を防ぐことが出来る。
本実施形態によれば、定常状態の時、第1の電源ライン7とクランプ回路4間が分離されることにより、クランプ回路4がクランプ動作を行うことが出来ない状態となる。ここで言うクランプ動作とは、クランプ回路4の動作により電源ライン間の電圧が所定の電圧にクランプされることを意味し、クランプ回路4の動作によりESDサージが放電される動作である。
図2は、第1の実施形態の具体的構成の一例を示す図である。図1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付し、重複した説明は必要な場合のみ行う。クランプ回路4の一端は、スイッチ手段5を構成するスイッチ用のPMOSトランジスタ(以降、PMOSスイッチングトランジスタと言う)50の一端に接続される。PMOSスイッチングトランジスタ50の他端は第1の電源ライン7に接続される。すなわち、クランプ回路4の一端はPMOSスイッチングトランジスタ50の主電流路である、ソース・ドレイン路を介して第1の電源ライン7に接続される。クランプ回路4の他端は、第2の電源ライン8に接続される。これにより、クランプ回路4は、スイッチ手段5となるPMOSスイッチングトランジスタ50を介して第1の電源ライン7と第2の電源ライン8との間に直列接続される。クランプ回路4は、第1の抵抗15と第1のコンデンサ16の直列回路で構成される第1のRC回路14を有する。第1のRC回路14は、第1の電源ライン7と第2の電源ライン8間の電圧に応答してトリガ信号を出力するトリガ回路を構成する。更に、クランプ回路4は、第1の抵抗15と第1のコンデンサ16が接続される第1の共通ノード19(第1のRC回路14の出力端)に入力端が接続されるインバータ17を有する。クランプ回路4は、更に、クランプ用のNMOSトランジスタ(以降、NMOSクランプトランジスタと言う)18を有する。NMOSクランプトランジスタ18は、主電流路であるソース・ドレイン路が第1のRC回路14に並列接続される。また、NMOSクランプトランジスタのゲート電極にインバータ17の出力が印加される。したがって、本実施形態はNMOSクランプトランジスタ18の導通の制御が第1のRC回路14によって行われる。第1のRC回路14とNMOSクランプトランジスタ18の間にはインバータ17が配置されているが、インバータ17の回路に限定されない。論理が正しいバッファ回路であればよい。以下、第2の実施形態においても同様である。
制御回路6は、第1の電源ライン7と第2の電源ライン8との間に接続される第2の抵抗21と第2のコンデンサ22の直列回路からなる第2のRC回路20を有する。更に、制御回路6は、2つの入力端を備えたAND回路24を有する。AND回路24の一方の入力端は、第2の抵抗21と第2のコンデンサ22が接続される第2の共通ノード23(第2のRC回路20の出力端)に接続される。他方の入力端は、第1の電源ライン7に接続される。AND回路24の出力端は、PMOSスイッチングトランジスタ50の制御電極となるゲート電極に接続される。
定常状態の時、すなわち、内部回路3を動作させる為の所定の電源電圧、例えば、第1の電源端子1に5ボルト(V)、第2の電源端子2に接地電位が印加されている場合、第1の電源ライン7の電位は5ボルト(V)となっている。制御回路6の第2のRC回路20の第2の共通ノード23の電位も、5ボルト(V)となる。この為、AND回路24の2つの入力端には、いずれもHighレベルが入力されるため、AND回路24は、Highレベルの出力信号をPMOSスイッチングトランジスタ50のゲート電極に供給する。これにより、PMOSスイッチングトランジスタ50はオフとなり、第1の電源ライン7とクランプ回路4間は高インピーダンスとなる。この為、第1の電源ライン7と第2の電源ライン8との間に生じる電圧の揺らぎ等の電圧変動が、クランプ回路4に伝達されるのを防止することが出来、クランプ回路4が電源電圧の揺らぎ等の電圧変動に応答して誤動作することを防止することが可能となる。これにより、クランプ回路4の誤動作に伴う、電源電圧が低下するといった不都合や、消費電流の増加を防ぐことが出来る。
一方、第1の電源端子1と第2の電源端子2との間に電圧が印加されていない状態で、第2の電源端子2に対して正のESDサージが第1の電源端子1に印加された場合には、制御回路6の第1のRC回路20が応答し、第1の電源端子1と第2の電源端子2間に過渡的に電流が流れる。この電流によって、第2のRC回路20の第2の抵抗21に電圧降下電圧が生じる。第2の抵抗21に生じる電圧降下電圧により、AND回路24の一方の入力端にはLowレベルが入力される。他方の入力端にはHighレベルが入力される為、AND回路24の出力はLowレベルとなる。Lowレベルの制御信号がゲート電極に印加されることにより、PMOSスイッチングトランジスタ50はオンとなる。PMOSスイッチングトランジスタ50がオンすることにより、クランプ回路4は、第1の電源ライン7と低インピーダンスで接続される。これにより、クランプ回路4の第1のRC回路14が、第1の電源ライン7と第2の電源ライン8との間の電圧に応答し、第1の電源ライン7と第2の電源ライン8間に、第1のRC回路14を介して過渡的に電流が流れる。この電流によって第1のRC回路14の第1の抵抗15に生じる電圧降下電圧により、第1の共通ノード19の電位がインバータ17の閾値以下になるとインバータ17からHighレベルの出力信号がNMOSクランプトランジスタ18のゲート電極に供給される。すなわち、第1の共通ノード19の電位が、トリガ信号としてインバータ17に供給される。Highレベルの信号がゲート電極に供給されることによりNMOSクランプトランジスタ18がオンとなり、ESDサージを放電する。PMOSスイッチングトランジスタ50とNMOSクランプトランジスタ18がオンしてクランプ動作が行われる際には、第1の電源ライン7と第2の電源ライン8間の電圧は、両トランジスタのソース・ドレイン間電圧を足した電圧にクランプされる。尚、第2の電源端子2に、第1の電源端子1に対して正のESDサージが印加された場合には、ESD保護ダイオード9がオンとなり、ESDサージを放電する。尚、第2の電源端子2に、第1の電源端子1に対して正のESDサージが印加された場合には、NMOSクランプトランジスタ18の寄生ダイオード(図示せず)が、ESDサージを放電する機能を有する為、ESD保護ダイオード9は、なくても良い。
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態をブロック図的に示す図である。既述の実施形態の構成要素と共通の構成要素については、同一の符号を付し、重複した説明は必要な場合のみ行う。本実施形態においては、スイッチ手段5が低電位側の第2の電源ライン8側に設けられる。制御回路6は、定常状態の時、スイッチ手段5をオフする制御信号をスイッチ手段5に供給する。すなわち、第1の電源端子1と第2の電源端子2との間に内部回路3を動作させる為の定常電圧、例えば、第1の電源端子1に5ボルト(V)、第2の電源端子2に接地電位が供給される定常状態の時には、スイッチ手段5をオフにする。スイッチ手段5がオフになることにより、クランプ回路4と第2の電源ライン8間は分離される。この為、第1の電源ライン7と第2の電源ライン8との間に生じる電圧の揺らぎ等の電圧変動が、クランプ回路4に伝達されるのを防止することが出来、クランプ回路4が電源電圧の揺らぎ等の電圧変動に応答して誤動作することを防止することが可能となる。これにより、クランプ回路4の誤動作に伴う、電源電圧が低下するといった不都合や、消費電流の増加を防ぐことが出来る。
本実施形態によれば、定常状態の時、第2の電源ライン8とクランプ回路4間が分離されることにより、クランプ回路4がクランプ動作を行うことが出来ない状態となる。第2の電源ライン8とクランプ回路4間を分離することにより、第1の電源ライン7と第2の電源ライン8との間に生じる電圧の揺らぎ等の電圧変動がクランプ回路4に伝達されるのを防止することが出来る。
図4は、第2の実施形態の具体的構成の一例を示す図である。既述の実施形態の構成要素に対応する構成要素には、同一の符号を付し、重複した説明は必要な場合のみ行う。制御回路6は、第1の電源ライン7と第2の電源ライン8との間に接続される、第2のコンデンサ22と第2の抵抗21の直列接続からなる第2のRC回路20を有する。更に、制御回路6は、2つの入力端を備えたOR回路25を有する。第2のRC回路20の第2の抵抗21と第2のコンデンサ22が接続される第2の共通ノード23(第2のRC回路20の出力端)がOR回路25の一方の入力端に接続される。OR回路25の他方の入力端は、第2の電源ライン8に接続される。スイッチ手段5を構成するスイッチ用のNMOSトランジスタ(以降、NMOSスイッチングトランジスタと言う)51のソース電極が第2の電源ライン8に接続される。NMOSスイッチングトランジスタ51の制御電極となるゲート電極には、OR回路25の出力が供給される。
NMOSスイッチングトランジスタ51のドレイン電極には、クランプ回路4の一端が接続される。これにより、NMOSスイッチングトランジスタ51の主電流路となるソース・ドレイン路が、第2の電源ライン8とクランプ回路4との間に接続される。クランプ回路4の他端は、第1の電源ライン7に接続される。これにより、クランプ回路4は、スイッチ手段5となるNMOSスイッチングトランジスタ51を介して第1の電源ライン7と第2の電源ライン8との間に直列接続される。
定常状態の時、すなわち、内部回路3を動作させるための所定の電源電圧、例えば、第1の電源端子1に5ボルト(V)、第2の電源端子2に接地電位が印加されている場合、第2の電源ライン8の電位は0ボルト(V)となっている。制御回路6の第2のRC回路20の第2の共通ノード23の電位も接地電位、すなわち、0ボルト(V)となる。この為、OR回路25への2つの入力端には、いずれもLowレベルが入力されるため、OR回路25は、Lowレベルの出力信号をNMOSスイッチングトランジスタ51のゲート電極に供給する。これにより、NMOSスイッチングトランジスタ51は、オフとなり、第2の電源ライン8とクランプ回路4間は高インピーダンスとなる。この為、第1の電源ライン7と第2の電源ライン8との間に生じる電圧の揺らぎ等の電圧変動が、クランプ回路4に伝達されるのを防止することが出来、クランプ回路4が電源電圧の揺らぎ等の電圧変動に応答して誤動作することを防止することが可能となる。これにより、クランプ回路4の誤動作に伴う、電源電圧が低下するといった不都合や、消費電流の増加を防ぐことが出来る。
一方、第2の電源端子2に対して正のESDサージが第1の電源端子1に印加された場合には、制御回路6の第2のRC回路20が応答し、第1の電源端子1と第2の電源端子2間に過渡的に電流が流れる。この電流によって、第2のRC回路20の第2の抵抗21に電圧降下電圧が生じる。第2の抵抗21に生じる電圧降下電圧により、OR回路25の一方の入力端にはHighレベルが入力される。他方の入力端はLowレベルが入力されるため、OR回路25の出力はHighレベルとなる。Highレベルの制御信号がゲート電極に印加されることにより、NMOSスイッチングトランジスタ51はオンとなる。NMOSスイッチングトランジスタ51がオンすることにより、クランプ回路4は、第2の電源ライン8と低インピーダンスで接続される。これにより、クランプ回路4の第1のRC回路14が、第1の電源ライン7と第2の電源ライン8との間の電圧に応答し、第1の電源ライン7と第2の電源ライン8間に、第1のRC回路14を介して過渡的に電流が流れる。この電流によって第1のRC回路14の第1の抵抗15に生じる電圧降下電圧により、第1の共通ノード19の電位がインバータ17の閾値以下になると、インバータ17からHighレベルの出力信号がNMOSクランプトランジスタ18のゲート電極に供給される。Highレベルの信号がゲート電極に供給されることによりNMOSクランプトランジスタ18がオンとなり、ESDサージを放電する。NMOSスイッチングトランジスタ51とNMOSクランプトランジスタ18がオンして、クランプ動作が行われる際には、第1の電源ライン7と第2の電源ライン8間の電圧は、両トランジスタのソース・ドレイン間電圧を足した電圧にクランプされる。第2の電源端子2に、第1の電源端子1に対して正のESDサージが印加された場合には、ESD保護ダイオード9がオンとなり、ESDサージを放電する。
(第3の実施形態)
図5は、第3の実施形態をブロック図的に示す図である。既述の実施形態に対応する構成要素には同一符号を付して、重複した説明は必要な場合のみ行う。本実施形態においては、内部回路3が第1の電源ライン7と第2の電源ライン8を介して、第1の電源端子1と第2の電源端子2に接続される。制御回路6が第1の電源ライン7と第2の電源ライン8間に接続される。クランプ回路4とスイッチ手段5の直列回路が第1の電源ライン7と第2の電源ライン8間に接続される。スイッチ手段5のオン/オフの制御は、制御回路6からの制御信号によって制御される。
本実施形態によれば、第1の電源端子1に第2の電源端子2に対して正のESDサージが印加された場合には、制御回路6からの制御信号によりスイッチ手段5がオンとなり、クランプ回路4が動作して、ESDサージを放電する。第1の電源端子1に対して正のESDサージが第2の電源端子2に印加された場合には、ESD保護ダイオード9がオンして、ESDサージを放電する。これにより、内部回路3はESDサージから保護される。
定常状態において、例えば、第1の電源端子1に、5ボルト(V)の電圧が印加され、第2の電源端子2に接地電位が印加された状態では、制御回路6からの制御信号によってスイッチ手段5がオフになり、第1の電源ライン7と第2の電源ライン8の間に生じる電圧の揺らぎ等の電圧変動がクランプ回路4に伝達されることを防止することが出来る。これにより、クランプ回路4の誤動作に伴う、電源電圧が低下するといった不都合や、消費電流の増加を防ぐことが出来る。スイッチ手段5がオフになることにより、クランプ回路4は第1の電源ライン7から切り離され、クランプ動作を行うことが出来ない状態になる。
スイッチングトランジスタとして、MOSトランジスタを用いた実施形態を説明したが、バイポーラトランジスタを用いた構成とすることも出来る。バイポーラトランジスタを用いた場合には、主電流路がエミッタ・コレクタ路となり、制御電極がベース電極となる。この場合、バイアスの関係から、NMOSトランジスタに変えてNPNトランジスタを用いる構成とすることが出来る。また、スイッチ手段は、高電位側の電源ラインと低電位側の電源ラインの両方に設ける構成とすることも可能である。
(第4の実施形態)
図6は、第4の実施形態をブロック図的に示す図である。既述の実施形態に対応する構成要素には同一符号を付して、重複した説明は必要な場合のみ行う。本実施形態においては、第1の電源ライン7と第2の電源ライン8間に接続されるクランプ回路4を備える。クランプ回路4は、第1の電源ライン7と第2の電源ライン8間に接続されるトリガ回路41とクランプ素子42を備える。クランプ素子42は、例えば、MOSトランジスタで構成される。クランプ素子42のオン/オフは、トリガ回路41からのトリガ信号によって制御される。
トリガ回路41からのトリガ信号をクランプ素子42へ供給する信号ライン43と第2の電源ライン8間に、スイッチ手段5が接続される。スイッチ手段5のオン/オフは、制御回路6からの制御信号により制御される。すなわち、制御回路6からの制御信号によりスイッチ手段5がオンになると、信号ライン43に第2の電源ライン8の電位である接地電位がクランプ素子42に供給され、クランプ素子42の導通をオフにする。これにより、クランプ素子42によるクランプ動作が出来ない状態になる。
制御回路6は、第1の電源ライン7と第2の電源ライン8間の電圧が所定の閾値電圧を超えた時に制御信号を出力して、スイッチ手段5に供給する。制御回路6の閾値電圧は、例えば、定常状態において第1の電源端子1に印加される電源電圧と第2の電源端子2に印加される接地電圧、及び、内部回路3の通常動作により想定される電圧の揺らぎ等の電圧変動を考慮して設定する。内部回路3の通常動作による電源ライン間の電圧変動に応答してクランプ回路4がクランプ動作を行うことを回避する為である。
定常状態において、第1の電源端子1と第2の電源端子2間に電源電圧VDDが印加された場合に、内部回路3の通常動作により電源電圧が(VDD+VV)まで変動することが想定される場合には、例えば、制御回路6の閾値電圧を、VDD+(VV)/2に設定する。すなわち、電源電圧の変動分(VV)の1/2程度、電源電圧VDDよりも高い電圧を制御回路6の閾値電圧とする。第1の電源端子1と第2の電源端子2間に印加する電源電圧VDDに±10%程度のバラツキを許容する場合には、その許容されるバラツキも考慮して制御回路6の閾値電圧を設定する。
本実施形態においては、例えば、第1の電源端子1と第2の電源端子2間の電圧が内部回路3の通常動作による電圧変動を考慮して設定された制御回路6の所定の閾値電圧を超えた時に、制御回路6からの制御信号によりクランプ回路4がクランプ動作を行うことが出来ない状態に制御される。すなわち、第1の電源端子1と第2の電源端子2間の電圧を監視して、クランプ回路4のクランプ動作を制御する。これにより、内部回路3の通常動作による電源端子間の電圧変動にクランプ回路4が応答して誤動作するといった事態を回避することが出来る。尚、内部回路3の通常動作により、第1の電源端子1と第2の電源端子2間に印加される電源電圧VDDと制御回路6の閾値電圧、例えば、VDD+(VV)/2の間の電圧で電源電圧が変動し、その電源電圧の変動にクランプ回路4のトリガ回路41が応答してクランプ素子42がオンする可能性がある。しかし、電源電圧が制御回路6の閾値電圧を一度でも超えるとクランプ素子42は制御回路6からの制御信号によりオフされる為、クランプ回路4のクランプ素子42が長時間に亘ってオン状態となる可能性は低い。
図7は、第4の実施形態の具体的構成の一例を示す図である。既述の実施形態に対応する構成要素には同一符号を付して、重複した説明は必要な場合のみ行う。クランプ回路4のトリガ回路41は、コンデンサ411と抵抗412の直列回路を備える。コンデンサ411と抵抗412が第3の共通ノード413で接続される。クランプ素子42は、NMOSクランプトランジスタ421を備える。第3の共通ノード413が、信号ライン43を介して、NMOSクランプトランジスタ421のゲート電極に接続される。
スイッチ手段5は、NMOSスイッチングトランジスタ52を備える。NMOSスイッチングトランジスタ52のソース電極は、第2の電源ライン8に接続され、ドレイン電極は信号ライン43に接続される。
制御回路6は、ダイオード61と抵抗62の直列回路を備える。ダイオード61と抵抗62は、第4の共通ノード63で接続される。第4の共通ノード63は、NMOSスイッチングトランジスタ52のゲート電極に接続される。ダイオード61は、定常状態において第1の電源端子1と第2の電源端子2間に印加される電圧によって逆バイアスされる。ダイオード61の降伏電圧は、定常状態において第1の電源端子1と第2の電源端子2間に印加される電圧と、定常状態において内部回路3が動作することにより生じる電源端子間の電圧の変動を考慮して設定する。定常状態における内部回路3の通常動作によって生じる電源電圧の変動にクランプ回路4が応答して誤動作する事態を回避する為である。
第1の電源端子1と第2の電源端子2間に電圧が印加されない状態で、第1の電源端子1に第2の電源端子2に対して正のESDサージが印加された場合を想定するサージ試験の場合の動作は以下の通りである。ESDサージ試験においては、例えば、トリガ回路41を構成する抵抗412とコンデンサ411で構成されるCR回路の時定数は、ESD試験規格を満たす値に設定される。ESD人体帯電モデル(HBM法:Human Body Model)では、100pF(ピコファラッド)に充電した電荷を、1.5kΩ(キロオーム)の抵抗を介して放電させる試験を行う。この為、トリガ回路41の時定数は、このESD試験規格である100pFのコンデンサと1.5kΩの抵抗による時定数150nS(ナノ秒)を考慮して、例えば、150nSの6〜7倍の値である1μS(マイクロ秒)に設定される。ESDサージを十分に放電する為である。例えば、抵抗412の値を1MΩ(メガオーム)にし、コンデンサ411の値を1pFにすることにより、時定数を1μSに設定することが出来る。
第1の電源端子1と第2の電源端子2間に印加されたESDサージにトリガ回路41が応答して、過渡的に電流が流れる。この過渡的な電流により抵抗412に生じる電圧降下電圧によって定まる第3の共通ノード413の電位が、トリガ信号としてクランプ素子42を構成するNMOSクランプトランジスタ421のゲート電極に供給される。抵抗412における電圧降下電圧が、NMOSクランプトランジスタ421の閾値を超えるとNMOSクランプトランジスタ421がオンする。NMOSクランプトランジスタ421がオンすることにより、ESDサージが放電される。NMOSクランプトランジスタ421がオンしてクランプ動作が行われる際には、第1の電源ライン7と第2の電源ライン8間の電圧は、NMOSクランプトランジスタ421のソース・ドレイン間電圧にクランプされる。ESDサージ試験により第1の電源ライン7と第2の電源ライン8間に生じる電圧は、制御回路6の閾値電圧を超えない為、ダイオード61はオンしない。この為、制御回路6からNMOSスイッチングトランジスタ52のゲート電極には制御信号が供給されず、NMOSスイッチングトランジスタ52は、オフ状態である。
定常状態、すなわち、第1の電源端子1に所定の電圧、例えば、5ボルトが印加され、第2の電源端子2に接地電位が印加された状態で、第1の電源ライン7と第2の電源ライン8間に電圧の変動がない状態では、トリガ回路41からのトリガ信号及び制御回路6からの制御信号は出力されない。この為、NMOSクランプトランジスタ421とNMOSスイッチングトランジスタ52は、オフである。
定常状態、すなわち、第1の電源端子1に所定の電圧、例えば、5ボルトが印加され、第2の電源端子2に接地電位が印加された状態で、第1の電源ライン7と第2の電源ライン8間に制御回路6の閾値電圧を超える電圧の変動が生じた場合の動作は以下となる。電源端子間の電圧の変動にトリガ回路41が応答して、NMOSクランプトランジスタ421のゲート電極にトリガ信号を供給する。一方、制御回路6も、制御信号をNMOSスイッチングトランジスタ52のゲート電極に供給する。これにより、NMOSスイッチングトランジスタ52がオンとなり、NMOSクランプトランジスタ421のゲート電極には、第2の電源ライン8の接地電位が供給される。これにより、NMOSクランプトランジスタ421はオフとなり、クランプ動作を行うことが出来ない状態となる。
本実施形態においては、第1の電源ライン7と第2の電源ライン8間の電圧が、制御回路6の閾値電圧を超えたときに、NMOSクランプトランジスタ421を強制的にオフ状態にする信号がスイッチ手段5を介してNMOSクランプトランジスタ421のゲート電極に供給される。これにより、クランプ回路4はクランプ動作を行うことが出来ない状態になる。すなわち、制御回路6が制御信号を出力する閾値電圧を任意に設定することにより、クランプ回路4がクランプ動作を行う電源端子間の電圧の範囲を任意に設定することが可能となる。これにより、内部回路3の通常動作による電源電圧の変動により、クランプ回路4が誤動作するといった事態を回避することが可能となる。制御回路6を構成するダイオード61は、複数のダイオードを直列に接続する構成であっても良い。ダイオードの段数の調整で、制御回路6の閾値電圧を調整することが可能である。
(第5の実施形態)
図8は、第5の実施形態を示す図である。既述の実施形態に対応する構成要素には同一符号を付して、重複した説明は必要な場合のみ行う。本実施形態においては、クランプ回路4のクランプ素子42としてPMOSクランプトランジスタ422を備える。トリガ回路41を構成するコンデンサ411と抵抗412の接続位置が、既述の図7の実施形態における接続位置と入れ替えられた構成になっている。
同様に、制御回路6を構成するダイオード61と抵抗62の接続位置が、既述の図7の実施形態における接続位置と入れ替えられた構成になっている。スイッチ手段5は、スイッチングトランジスタを構成するPMOSスイッチングトランジスタ53を備える。
本実施形態においては、ESDサージ試験において、第2の電源端子2に対し正のESDサージが第1の電源端子1に印加された場合に、抵抗412に生じる電圧降下電圧がPMOSトランジスタ422の閾値を超えるとPMOSクランプトランジスタ422がオンして、ESDサージを放電する。ESDサージ試験により第1の電源ライン7と第2の電源ライン8間に生じる電圧は、制御回路6の閾値電圧を超えない為、ダイオード61はオンしない。この為、制御回路6からPMOSスイッチングトランジスタ53のゲート電極には制御信号が供給されず、PMOSスイッチングトランジスタ53は、オフ状態である。PMOSクランプトランジスタ422がオンして、クランプ動作が行われる際には、第1の電源ライン7と第2の電源ライン8間の電圧は、PMOSクランプトランジスタ422のソース・ドレイン間電圧にクランプされる。
定常状態において、第1の電源端子1と第2の電源端子2に所定の電源電圧が印加された状態で、第1の電源ライン7と第2の電源ライン8間の電圧が、制御回路6の閾値電圧を超えると、制御回路6が導通して過渡的に電流が流れる。この過渡的な電流による抵抗62の電圧降下電圧が、PMOSスイッチングトランジスタ53の閾値を超えるとPMOSスイッチングトランジスタ53がオンして、第1の電源ライン7の電圧が信号ライン43に印加され、PMOSトランジスタ422のゲート電極に供給される。これにより、PMOSクランプトランジスタ422はオフになり、クランプ動作が出来ない状態になる。制御回路6の閾値電圧を、内部回路3の通常動作による電源電圧の変動を考慮した値に設定することにより、内部回路3の通常動作による電源電圧の変動にクランプ回路4が応答して誤動作するといった事態を回避することが出来る。
(第6の実施形態)
図9は、第6の実施形態を示す図である。既述の実施形態に対応する構成要素には同一符号を付して、重複した説明は必要な場合のみ行う。本実施形態においては、クランプ回路4はトリガ回路41の第3の共通ノード413とNMOSクランプトランジスタ421のゲート電極間に、バッファ回路44を備える。バッファ回路44は、直列接続された2段のインバータ回路(441、442)を備える。インバータ回路(441、442)は、例えば、CMOSインバータ回路で構成される。
本実施形態によれば、バッファ回路44を備えることにより、トリガ回路41からのトリガ信号を波形整形し、また、増幅してNMOSクランプトランジスタ421のゲート電極に供給することが出来る。これにより、NMOSクランプトランジスタ421の駆動能力を高めることが出来る。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 第1の電源端子、2 第2の電源端子、3 内部回路、4 クランプ回路、5 スイッチ手段、6 制御回路、7 第1の電源ライン、8 第2の電源ライン、9 ESD保護ダイオード、14 第1のRC回路、15 第1の抵抗、16 第1のコンデンサ、17 インバータ、18 NMOSクランプトランジスタ、19 第1の共通ノード、 20 第2のRC回路、21 第2の抵抗、22 第2のコンデンサ、23 第2の共通ノード、24 AND回路、25 OR回路、44 バッファ回路、61 ダイオード。

Claims (13)

  1. 第1の電源ラインと、
    第2の電源ラインと、
    前記第1の電源ラインと前記第2の電源ライン間に接続される内部回路と、
    前記第1の電源ラインと前記第2の電源ライン間に接続されるクランプ回路と、
    前記第1の電源ラインと前記第2の電源ライン間の電圧変動に応答して制御信号を出力する制御回路と、
    前記制御回路の制御信号に応答して、前記第1の電源ラインと前記第2の電源ライン間を高インピーダンス状態又は低インピーダンス状態に切換えるスイッチ手段と、
    を備えることを特徴とする半導体回路。
  2. 前記クランプ回路は、
    前記第1の電源ラインと前記第2の電源ライン間の電圧に応答してトリガ信号を出力するトリガ回路と、
    前記第1の電源ラインと前記第2の電源ライン間に主電流路が接続され、前記トリガ回路のトリガ信号によりオン/オフが制御されるクランプ素子と、
    を備え、前記スイッチ手段は前記第1の電源ラインと前記第2の電源ライン間を高インピーダンス状態に切り替える場合、前記クランプ素子をオフにすることを特徴とする請求項1に記載の半導体回路。
  3. 前記クランプ素子は、制御電極に前記制御信号に応じた信号が入力される第1のトランジスタで構成されることを特徴とする請求項2に記載の半導体回路。
  4. 前記トリガ回路は、コンデンサと抵抗の直列回路で構成される第1のRC回路を備えることを特徴とする請求項3に記載の半導体回路。
  5. 前記クランプ回路は、前記トリガ回路のトリガ信号に応答して前記第1のトランジスタの制御電極に出力信号を供給するバッファ回路を備えることを特徴とする請求項3または4に記載の半導体回路。
  6. 前記制御回路は、前記第1の電源ラインと前記第2の電源ライン間の電圧が所定の閾値電圧を超えた時に前記第1のトランジスタをオフさせる制御信号を出力することを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の半導体回路。
  7. 前記スイッチ手段は、前記第1のトランジスタをオフさせる信号を前記第1のトランジスタの制御電極に供給する第2のトランジスタを備えることを特徴とする請求項3から6のいずれか一項に記載の半導体回路。
  8. 前記制御回路は、前記内部回路の定常状態の時に前記第1の電源ラインと前記第2の電源ライン間に印加される電圧により逆バイアスされるダイオードと抵抗の直列回路を備え、前記第1の電源ラインと前記第2の電源ライン間の電圧が所定の閾値電圧を超えた時に前記ダイオードが導通することにより前記制御信号を出力することを特徴とする請求項3から7のいずれか一項に記載の半導体回路。
  9. 前記第2のトランジスタの主電流路は、前記第1のトランジスタの制御電極と前記第1の電源ラインとの間、または、前記第1のトランジスタの制御電極と前記第2の電源ラインとの間に接続されることを特徴とする請求項7に記載の半導体回路。
  10. 前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタはNMOSトランジスタで構成され、前記第2のトランジスタの主電流路は前記第2の電源ラインと前記第1のトランジスタを構成するNMOSトランジスタのゲート電極との間に接続されることを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載の半導体回路。
  11. 前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタはPMOSトランジスタで構成され、前記第2のトランジスタの主電流路は前記第1の電源ラインと前記第1のトランジスタを構成するPMOSトランジスタのゲート電極との間に接続されることを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載の半導体回路。
  12. 前記制御回路は、前記第1の電源ラインと前記第2の電源ライン間の電圧に応答する第2のRC回路を備え、
    前記スイッチ手段は、前記第1の電源ラインと前記第2の電源ライン間で主電流路が前記第1のトランジスタの主電流路に直列に接続される第2のトランジスタを備え、前記制御回路の制御信号に応答して前記第2のトランジスタをオフすることにより、前記クランプ回路が動作しないことを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の半導体回路。
  13. 前記制御回路は、前記第2のRC回路の出力信号と、前記第1の電源ラインの電圧または前記第2の電源ラインの電圧のいずれか一方の電圧に応答する論理回路を備えることを特徴とする請求項12に記載の半導体回路。
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