JP2015104872A - 油性インクジェット印刷方法及びインクセット - Google Patents

油性インクジェット印刷方法及びインクセット Download PDF

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彩弥子 荒井
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Abstract

【課題】インクの浸透性が低いコート紙等の用紙に印刷する際には、ビーディングが生じ難く、網点、細線及びベタ画像において高品位の印刷画像が得られ、インクの浸透性が高い普通紙等の用紙に印刷する際には、印刷濃度が高く、滲みや裏抜けの少ない高品位の印刷画像が得られる印刷方法を提供する。【解決手段】前処理液を印刷媒体へ塗布した後、色材および溶剤を少なくとも含んでなる油性インクを該印刷媒体上へ吐出させることにより印刷を行う油性インクジェット印刷方法において、前処理液として、融点、軟化点又はガラス転移点が90℃以上で、かつ、平均粒子径が0.5μm以上のポリオレフィン系樹脂粒子の水性分散液を用いる。水性分散液は、融点、軟化点又はガラス転移点が40℃未満の樹脂粒子をさらに含有してもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、印刷媒体内へのインクの浸透を抑制して裏抜け及び滲みを防止することにより、印刷濃度を向上させる油性インクジェット印刷方法及び該印刷方法に用いるインクセットに関する。
インクジェット印刷方式に用いられるインクジェットインクは、印刷用紙等の印刷媒体への溶剤の浸透が速く、かつ、印刷濃度が高く、滲みや裏抜けの少ない高画質な印刷画像を形成できることが望まれる。
インクジェットインクに用いられる色材は、染料及び顔料に大別される。染料は彩度に優れるといった特性を有し、顔料は耐光性に優れるといった特性を有する。また、インクジェットインクは、溶媒の種類によって、水系インク及び非水系インクに大別される。水系インクは溶媒として水を含み、非水系インクは溶媒として非水系溶剤を含む。
インクジェットインクは、オフセットインクやトナーと比べ、溶媒粘度が低くかつインク中の溶媒比率が高いことから、色材として染料または顔料の何れを用いても、また、溶媒として水または非水系溶剤の何れを用いても、インクの乾燥が遅いために印刷ドットが滲みやすいという課題がある。溶媒の浸透性が高い用紙に印刷する場合は、色材が溶媒とともに用紙内部に浸透し、裏抜けが発生して、画像濃度が低下しやすいという問題が発生する。また、インク受容層を持たないコート紙に印刷する場合は、インクが用紙内部に浸透することが困難であるため、用紙表面にインクが滞留し、その結果、近接ドットとの合一が起こり均一な画像が得られないという問題が発生する。特に、沸点が高い溶剤を用いた油性インクジェットインクの場合には、加熱して乾燥させるのに時間を要するため、乾燥する前にドットの合一が生じてしまう。
上記したインクジェットインクの問題は、適切なインク受容層をもった専用紙に印刷することで解決できるが、普通紙等の汎用の用紙には印刷できないというデメリットが生じる。
このデメリットを解消するために、従来、インク自体を外的刺激により硬化させたり、印刷の前に用紙に前処理剤を塗布したりして、インクの滲みを抑制し、印刷画像を向上させる方法が提案されている。
特許文献1には、インク吸収性のないコート紙やアート紙に対する印刷において、ビーディングやカラーブリーディングを生じないインクとして、水と、色材と、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な樹脂粒子とを含む水性インクジェット用インクが提案されている。このインクは、乾燥性は速いが、大掛かりな照射装置が必要となり、消費エネルギーも大きくなるため、装置コストが高くなるおそれがある。
特許文献2には、水性インクの固定化剤である2価の酸と樹脂粒子を含む水性の前処理液でコート紙を前処理し、加熱して水を蒸発させて遮断層を形成させた後に、該遮断層に水性インクで印刷することで、コート紙に対して再現性の良い画像を形成させる方法が提案されている。この場合、水性インク中の色材と前処理液中の固定化剤とが反応することにより、色材の凝集またはインクの粘度上昇が生じることで印刷ドットが固定化されるが、色材が固定化剤と反応するものに限定されるというデメリットがある。
国際公開第2006/080139号公報 特開2009−241586号公報
本発明の目的は、インクジェットインクを用いた印刷方法において、インクの浸透性が低いコート紙等の用紙に印刷する際には、ビーディングが生じ難く、網点、細線及びベタ画像において高品位の印刷画像が得られ、インクの浸透性が高い普通紙の用紙に印刷する際には、印刷濃度が高く、滲みや裏抜けの少ない高品位の印刷画像が得られる印刷方法およびインクセットを提供することにある。
本発明者は、上記目的の下に鋭意研究した結果、特定の温度以下の融点、軟化点又はガラス転移点を備えた特定の平均粒子径のポリオレフィン系樹脂粒子の水性分散液を用いて印刷媒体を前処理した後、該印刷媒体の前処理した面に油性インクジェットインクで印刷することにより、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一局面によれば、前処理液を印刷媒体へ塗布した後、色材および溶剤を少なくとも含んでなる油性インクを該印刷媒体上へ吐出させることにより印刷を行う油性インクジェット印刷方法において、前記前処理液が、ポリオレフィン系樹脂粒子の水性分散液であり、前記ポリオレフィン系樹脂粒子は、融点、軟化点又はガラス転移点が90℃以上で、かつ、平均粒子径が0.5μm以上のものであることを特徴とする、油性インクジェット印刷方法が提供される。
また、本発明の他の局面によれば、前処理液を印刷媒体へ塗布した後、油性インクを該印刷媒体上へ吐出させることにより印刷を行う油性インクジェット印刷に使用するインクセットであって、色材および溶剤を少なくとも含んでなる油性インク、及びポリオレフィン系樹脂粒子の水性分散液からなる前処理液を少なくとも含んでなり、前記ポリオレフィン系樹脂粒子は、融点、軟化点又はガラス転移点が90℃以上で、かつ、平均粒子径が0.5μm以上のものであることを特徴とする、油性インクジェット印刷用インクセットが提供される。
本発明によれば、融点、軟化点又はガラス転移点が90℃以上で平均粒子径が0.5μm以上のポリオレフィン系樹脂粒子の水性分散液を用いて印刷媒体の表面を前処理して形成されたインク受容層に油性インクでインクジェット印刷することとしたので、印刷時に油性インク中の溶剤がポリオレフィン系樹脂粒子に吸収され、印刷媒体への浸透が抑制され、色材が印刷媒体の表面にとどまり、裏抜け及び滲みが防止されると同時に印刷濃度が向上する。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
1.油性インク
本発明で使用する油性インクは、溶剤及び色材から主として構成されるが、必要に応じて、その他の成分を含有してもよい。
1−1.溶剤
溶剤は、インクの溶媒すなわちビヒクルとして機能するものであれば特に限定されず、揮発性溶剤及び難揮発性溶剤の何れであってもよい。しかしながら、本発明では環境上の観点から、溶剤は、難揮発性溶剤を主体として含有することが好ましい。難揮発性溶剤の沸点は、200℃以上が好ましく、より好ましくは240℃以上である。
溶剤としては、非極性有機溶剤及び極性有機溶剤の何れの有機溶剤も使用できる。これらは、単独で使用してもよく、または、単一の相を形成する限り、2種以上組み合わせて使用できる。本発明では、非極性有機溶剤及び極性有機溶剤を組み合わせて使用することが好ましく、20〜80質量%の非極性溶剤と80〜20質量%の極性溶剤とから溶剤を構成することが好ましく、30〜45質量%の非極性溶剤と55〜70質量%の極性溶剤とから溶剤を構成することがより好ましい。
1−1−1.非極性溶剤
非極性有機溶剤としては、ナフテン系、パラフィン系、イソパラフィン系等の炭化水素溶剤を使用でき、具体的には、ドデカンなどの脂肪族飽和炭化水素類、エクソンモービル社製「アイソパー、エクソール」(いずれも商品名)、JX日鉱日石エネルギー社製「AFソルベント、ノルマルパラフィンH」(いずれも商品名)、サン石油社製「サンセン、サンパー」(いずれも商品名)等が挙げられる。これらは、単独で、または、2種以上組み合わせて用いることができる。
1−1−2.極性溶剤
極性有機溶剤としては、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、脂肪酸系溶剤、エーテル系溶剤などが挙げられる。これらは、単独で、または、2種以上組み合わせて用いることができる。
エステル系溶剤としては、例えば、1分子中の炭素数が5以上、好ましくは9以上、より好ましくは12乃至32の高級脂肪酸エステル類が挙げられ、例えば、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、ラウリル酸メチル、ラウリル酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸イソステアリル、イソパルミチン酸イソオクチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ヘキシル、リノール酸メチル、リノール酸イソブチル、リノール酸エチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソオクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ピバリン酸2−オクチルドデシル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、モノカプリン酸プロピレングリコール、トリ2エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2エチルヘキサン酸グリセリルなどが挙げられる。
アルコール系溶剤としては、例えば、1分子中の炭素数が12以上の脂肪族高級アルコール類が挙げられ、具体的には、イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコールなどの高級アルコールが挙げられる。
脂肪酸系溶剤としては、例えば、1分子中の炭素数が4以上、好ましくは9乃至22の脂肪酸類が挙げられ、イソノナン酸、イソミリスチン酸、ヘキサデカン酸、イソパルミチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸などが挙げられる、
エーテル系溶剤としては、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテルなどのグリコールエーテル類の他、グリコールエーテル類のアセタートなどが挙げられる。
1−2.色材
色材としては、顔料及び染料の何れも使用することができ、単独で使用しても両者を併用してもよい。印刷物の耐候性及び印刷濃度の点から、色材として顔料を使用することが好ましい。
色材は、油性インキ全量に対して0.01〜20質量%の範囲で含有されることが好ましい。
1−2−1.染料
染料としては、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用でき、特に限定されない。具体的には、ナフトール染料、アゾ染料、金属錯塩染料、アントラキノン染料、キノイミン染料、インジゴ染料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、カーボニウム染料、ナフトキノン染料、ナフタルイミド染料、フタロシアニン染料、ペリニン染料などの油溶性染料が挙げられる。これらの染料は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
1−2−2.顔料
顔料としては、有機顔料、無機顔料を問わず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用でき、特に限定されない。具体的には、カーボンブラック、カドミウムレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、酸化クロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料などが好適に使用できる。これらの顔料は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
1−2−3.顔料分散剤
油性インク中における顔料の分散を良好にするために、油性インクに顔料分散剤を添加することが好ましい。本発明で使用できる顔料分散剤としては、顔料を溶剤中に安定して分散させるものであれば特に限定されないが、例えば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルポリアミン、ステアリルアミンアセテート等が好適に使用され、そのうち、高分子分散剤を使用するのが好ましい。
顔料分散剤の具体例としては、日本ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、13940(ポリエステルアミン系)、17000、18000(脂肪酸アミン系)、11200、22000、24000、28000」(いずれも商品名)、Efka CHEMICALS社製「エフカ400、401、402、403、450、451、453(変性ポリアクリレート)、46,47,48,49,4010,4055(変性ポリウレタン)」(いずれも商品名)、花王社製「デモールP、EP、ポイズ520、521、530、ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子界面活性剤)」(いずれも商品名)、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、KS−873N4(高分子ポリエステルのアミン塩)」(いずれも商品名)、第一工業製薬社製「ディスコール202、206、OA−202、OA−600(多鎖型高分子非イオン系)」(いずれも商品名)等が挙げられる。
上記顔料分散剤のうち、ポリエステル鎖からなる側鎖を複数備える櫛形構造のポリアミド系分散剤が好ましく使用される。ポリエステル鎖からなる側鎖を複数備える櫛形構造のポリアミド系分散剤とは、ポリエチレンイミンのような主鎖に多数の窒素原子を備え、該窒素原子を介してアミド結合した側鎖を複数備える化合物であって、該側鎖がポリエステル鎖であるものをいい、例えば、特開平5−177123号公報に開示されているような、ポリエチレンイミンなどのポリアルキレンイミンからなる主鎖一分子当り3〜80個のポリ(カルボニル―C3〜C6―アルキレンオキシ)鎖がアミド架橋によって側鎖として結合している構造の分散剤が挙げられる。なお、かかる櫛形構造のポリアミド系分散剤としては、上記日本ルーブリゾール社製ソルスパース11200、ソルスパース28000(何れも商品名)が該当する。
顔料分散剤の含有量は、上記顔料を十分に上記有機溶剤中に分散可能な量であれば足り、適宜設定できる。
1−3.その他の成分
本発明の油性インクには、インクの性状に悪影響を与えない限り、上記有機溶剤、色材、顔料分散剤以外に、例えば、界面活性剤、定着剤、防腐剤等の他の成分を添加できる。
1−4.油性インクの製造方法
本発明の油性インクは、例えばビーズミル等の公知の分散機に全成分を一括又は分割して投入して分散させ、所望により、メンブレンフィルター等の公知のろ過機を通すことにより調製できる。例えば、予め溶剤の一部と色材の全量を均一に混合させた混合液を調製して分散機にて分散させた後、この分散液に残りの成分を添加してろ過機を通すことにより調製することができる。
2.前処理液
本発明で使用する前処理液は、融点、軟化点又はガラス転移点が90℃以上のポリオレフィン系樹脂粒子の水性分散液からなる。
2−1.ポリオレフィン系樹脂粒子
本発明で使用するポリオレフィン系樹脂粒子は、前処理液塗工時にポリオレフィン系樹脂粒子同士の溶融又は成膜が生じないものが好ましく、通常、融点、軟化点又はガラス転移点が90℃以上のものであればよい。コート紙等の印刷媒体に前処理液を塗工した際にポリオレフィン系樹脂粒子が成膜すると、印刷されたインクが前処理層の内部に浸透するための空隙が無くなり、インク浸透速度が遅くなり、印刷ドットの滲みが大きくなるため、高品位な画像が形成しに難くなる。融点、軟化点又はガラス転移点が90℃以上のポリオレフィン系樹脂粒子は、室温での印刷時にポリオレフィン系樹脂粒子同士の溶融又は成膜が生じる可能性が低いため、本発明の前処理液用に適している。しかし、ポリオレフィン系樹脂粒子は、印刷時に成膜しなければよく、印刷後には溶融又は成膜してもよい。印刷後に印刷面を加熱乾燥することにより、印刷画像の印刷媒体への定着性が向上する。なお、本発明において、該ポリオレフィン系樹脂粒子が融点、軟化点及びガラス転移点のうちの2以上の特性を有する場合は、これらの特性の少なくとも1つが90℃以上であればよい。
また、本発明において、ポリオレフィン系樹脂粒子の軟化点の測定は環球法軟化点試験に従って行われ、融点およびガラス転移点の測定は示差走査熱量測定(DSC)に従って行われる。
本発明で使用するポリオレフィン系樹脂粒子は、油性インクに使用している溶剤に膨潤または溶解する性質を有しており、前処理層にインクが着弾した際にポリオレフィン系樹脂粒子とインク溶剤の親和性が高いため、インク溶剤の浸透を早め、きれいな印刷ドットの形成が可能となる。さらに、ポリオレフィン系樹脂粒子は、加熱乾燥させた際に、成膜すると高い光沢性をもつために、印刷画像に光沢性を付与することが可能である。
かかるポリオレフィン系樹脂粒子を形成するポリオレフィン系樹脂の具体例としては、オレフィン即ちアルケンの単独重合体の他、アルケンとこれと共重合可能なコモノマーとの共重合体が挙げられる。そのうち、エチレン、プロピレン等のアルケンと、酢酸ビニル、アクリル酸、グリシジルメタクリレート等の極性基をもったモノマーとの共重合体が好ましい。また、ポリエチレン等の極性基をもたないポリオレフィン樹脂を酸化処理し、カルボキシル基、エステル基、カルボニル基、ヒドロキシル基等の極性基を導入した酸化ポリオレフィン樹脂も好ましい。
本発明で用いるポリオレフィン系樹脂粒子の平均粒子径は、0.5μm以上であることが必要である。平均粒子径がこの範囲のポリオレフィン系樹脂粒子で前処理層を形成することにより、該前処理層における粒子間の空隙が、油性インクが着弾した際の浸透速度を速め、さらに油性インク中の顔料の広がりを最適サイズに制御するように作用する。ポリオレフィン系樹脂粒子の平均粒子径は、好ましくは0.7〜30μmであり、さらに好ましくは1.0μm〜20μmである。
なお、本発明において、平均粒子径とは、体積基準の粒度分布における平均径のことであり、樹脂粒子の平均粒子径の測定は、例えばレーザー光回折散乱法によって行うことができ、例えば、下記実施例に記載の方法で測定することができる。
2−2.ポリオレフィン系樹脂粒子の水性分散液の作製方法
本発明で前処理液として用いる水性分散液は、上記ポリオレフィン系樹脂粒子を、水性溶媒に分散させることで作製できる。上記ポリオレフィン系樹脂粒子が、自己分散型の樹脂からなる場合は、上記ポリオレフィン系樹脂粒子をそのまま水性溶媒に分散させることで、水性分散液を作製することができる。ポリオレフィン系樹脂粒子が、水性溶媒に対して非混和性の場合は、乳化剤を用いて上記ポリオレフィン系樹脂粒子を水性溶媒に分散させることで、水中油(O/W)型樹脂エマルション形態の水性分散液を作製することができる。該樹脂エマルションの作製方法としては、コアセルベーション法、乳化重合法、転相乳化法等が挙げられる。かかる乳化剤のとしては特に限定されず公知のものを使用することができる。乳化剤の具体例としては、アクリル系モノマー等を重合して得られる高分子乳化剤や、高分子乳化剤以外の反応性乳化剤、高分子乳化剤以外の非反応性乳化剤などが挙げられる。
水性分散液の作製に使用する水性溶媒としては、水及び水溶性有機溶剤が挙げられるが、取り扱い性の点から水、または、少量の水溶性有機溶剤を含む水が好ましい。水としては、水道水、イオン交換水、脱イオン水等が挙げられる。水溶性有機溶剤としては、グリコール系溶剤、グリコールエーテル類、グリコールエーテル類のアセタート、低級アルコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、イミダゾリジノン系溶剤、3−メチル−2,4−ペンタンジオールなどが挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、また、単一の相を形成する限り、2種以上混合して使用してもよい。
上記ポリオレフィン系樹脂粒子は、前処理液として用いられる水性分散液全量に対して5〜50質量%の範囲で含有されることが好ましく、より好ましくは、15〜40質量%の範囲である。
2−3.その他の成分
本発明で前処理液として使用される水性分散液は、その性状に悪影響を与えない限り、上記成分以外に、例えば、分散剤、定着剤、防腐剤等の他の成分を含有してもよい。
特に、上記ポリオレフィン系樹脂粒子の印刷媒体表面への定着性を向上させるために、上記水性分散液に、室温で成膜する樹脂粒子を含有させることが好ましい。かかる室温で成膜する樹脂粒子としては、上記融点、軟化点又はガラス転移点が90℃以上のポリオレフィン系樹脂粒子の水性分散液中での分散性を阻害するものでなければ、特に限定されず、例えば、融点、軟化点又はガラス転移点が40℃未満の樹脂粒子が挙げられる。融点、軟化点又はガラス転移点が40℃未満の樹脂粒子の具体例としては、スチレン/アクリル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。具体的には、モビニール966A(ガラス転移点―32℃)、モビニール735(ガラス転移点14℃)、モビニール7320(ガラス転移点−20℃)、モビニール384(ガラス転移点30℃)(以上、日本合成化学工業株式会社製)、バイロナールMD−1480(ガラス転移点20℃)、バイロナールMD−1985(ガラス転移点−20℃)(以上、東洋紡株式会社製)、ビニブラン2682(ガラス転移点−30℃)、ビニブラン2684(ガラス転移点20℃)(以上、日信化学工業株式会社製)、スーパーフレックス170(ガラス転移点0℃)、スーパーフレックス300(ガラス転移点−42℃)、スーパーフレックス860(ガラス転移点36℃)(以上、第一工業製薬株式会社製)等が挙げられるが、この限りではない。なお、本発明において、上記の追加的に添加しても良い樹脂粒子が融点、軟化点及びガラス転移点のうちの2以上の特性を有する場合は、これらの特性の少なくとも1つが40℃未満であればよい。
3.インクジェット印刷方法
本発明のインクジェット印刷方法は、前処理液を印刷媒体へ塗布した後、油性インクを該印刷媒体上へ吐出させることにより行われる。前処理液の印刷媒体への塗布は、刷毛、ローラー、バーコーター、エアナイフコーター等を使用して印刷媒体の表面を均一にコーティングすることによって行ってもよく、または、インクジェット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷などの印刷手段によって画像を印刷することで行ってもよい。例えば、インクジェットプリンタを使用し、印刷媒体上へ前処理液を吐出した後これに重ねて油性インクを連続的に吐出させることにより印刷を行ってもよい。なお、本発明では、塗工処理液を印刷媒体に塗布した後、塗布された処理液が乾燥する前に油性インクを吐出させてもよく、又は、塗布された処理液が乾燥した後に油性インクを吐出させてもよい。
前処理液の塗工量は、コート紙に対しては、固形分塗工量にして3.0g/m以上であることが好ましく、5.0g/m以上がより好ましい。塗工量が3.0g/m未満であると、十分なインク受容層を形成できず、印刷ドットの合一が生じてしまうためにきれいな画像を形成できない。
前処理液の塗工量は、普通紙に対しては、普通紙自体にインクを受容できる空隙があるため、コート紙よりも少ない塗工量で効果が得られるので、固形分塗工量にして0.5g/m以上5.0g/m未満であることが好ましく、1.0g/m以上3.0g/m未満がより好ましい。塗工量が0.5g/m未満であると、インク中の色材の普通紙内部への浸透を抑制することが困難になる。また、塗工量が5.0g/m以上であると、インクの浸透を過剰に抑制するため印刷ドットが小さくなりすぎ、結果として得られた印刷画像のベタ部分が不均一になってしまい、画像濃度が薄くなる。
本発明のインクジェット印刷方法を容易に実施できるように、上記前処理液と油性インクを少なくとも含むインクセットを構成して販売すると好都合である。
本発明において、印刷媒体は、特に限定されるものではなく、普通紙、コート紙の他に、インクジェット用光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシートなどが使用できる。
ここでいう普通紙とは、通常の紙の上にインクの受容層やフィルム層等の別の層が設けられていない紙のことであり、上質紙や中質紙、コピー用紙、更紙、再生紙等と呼ばれるものが相当する。数μm〜数十μmの太さの紙繊維が数十〜数百μmの空隙を形成しているため、インクが浸透しやすい紙となっている。
また、ここでいうコート紙とはいわゆる印刷用紙のことであり、上質紙や中質紙の表面にクレーや炭酸カルシウム等の白色顔料と、澱粉等のバインダーを混合して作られた塗料が塗工されている紙である。普通紙に対して、白色顔料が密集した塗工層が表面に設けられているため、紙表面の空隙が少ない。そのためインクが紙に入り込み難く、インクジェットインクが定着し難い紙となっている。塗料の塗工量や塗工方法により、微塗工紙、軽量コート紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙などに分類される。特に塗料の塗工量が多いコート紙、アート紙、キャストコート紙等は、インクジェットインクを定着させるのが非常に困難である。
以下、本発明を実施例及び比較例により詳細に説明するが、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
製造例1〜8(前処理液の作製)
(1)前処理液の作製
製造例1〜6、8については、表1に示す各成分を表1に示す割合で混合し、水性分散液を得た。製造例7については、表1に示す各成分を表1に示す割合でプレミックスした後、超音波分散機にて1分間分散し、水性分散液を得た。
Figure 2015104872
尚、表1記載の原材料の詳細は下記のとおりである。
・セポルジョンG315(商品名):住友精化株式会社製、O/W型ポリオレフィン系エマルション、融点120℃、平均粒子径1.5μm
・AQUQMAT208(商品名):ビックケミー・ジャパン株式会社製、高密度酸化ポリエチレンワックスディスパージョン、融点135℃、平均粒子径25μm
・ケミパールW4005(商品名):三井化学株式会社製、低分子量ポリエチレンワックスディスバージョン、軟化点110℃、平均粒子径0.6μm
・スーパーエステルSK−385NS(商品名):荒川化学工業株式会社製、O/W型重合ロジンエステル樹脂エマルション、軟化点85℃、平均粒子径0.3μm
・ハイテックE−1000(商品名):東邦化学株式会社製、O/W型高結晶ポリエチレン樹脂エマルション、融点137℃、平均粒子径0.14μm
・シーホスターKE−P100(商品名):株式会社日本触媒製、球状アモルファスシリカ(粉体)、平均粒子径1.1μm
・スーパーフレックス860(商品名):第一工業製薬株式会社製、ウレタン系エマルション樹脂、ガラス転移点36℃、平均粒子径0.2μm
・デモールEP(商品名):花王株式会社製、アニオン性ポリカルボン酸型高分子界面活性剤
平均粒子径の測定
平均粒子径の測定は、レーザー光回折散乱法により測定された値であり、具体的には、株式会社島津製作所製レーザー光回折散乱粒度分布測定装置「SALD−2000A(商品名)」を用いて、レーザー光波長:680nm、測定温度:25℃、分散媒:水の条件により行った。
実施例1〜4、比較例1〜6(コート紙への印刷)
(1)油性インクの作製
表2に示す各成分を表2に示す割合でプレミックスし、その後、ビーズミル(直径(φ)0.5mmのジルコニアビーズ使用)にて分散し、得られた分散液をメンブレンフィルター(開口径3μm)でろ過し、油性インク1を得た。
Figure 2015104872
尚、表2記載の原材料の詳細は下記のとおりである。
・カーボンブラック:三菱化学社製カーボンブラック MA−11(商品名)。
・ソルスパース28000:ルーブリゾール社製顔料分散剤 ソルスパース28000(商品名)。
・オレイン酸メチル:花王株式会社製エキセパールM−OL
・ミリスチン酸イソプロピル:花王株式会社製エキセパールIPM
・炭化水素溶剤:JX日鉱日石エネルギー社製ノルマルパラフィンH
(2)水性インクの作製
表3に示す各成分を表3に示す割合でホモジナイザーでミックスし、得られた分散液をメンブレンフィルター(開口径3μm)でろ過し、水性インク1を得た。
Figure 2015104872
尚、表3記載の原材料の詳細は下記のとおりである。
・CAB−O−JET 300(商品名):キャボットコーポレーション製自己分散カーボンブラック分散体、固形分濃度15%
・サーフィノール465(商品名):日信化学工業株式会社製、アセチレン系界面活性剤、有効成分100%
(3)コート紙へのインクジェット印刷
表4に記載の前処理液を、オーロラコート(商品名;日本製紙株式会社製A2コート紙)の片面に、自動バーコーターで、前処理液乾燥後の固形分塗工量が5.4g/mになるように塗工し、温度23℃、湿度50%環境下で10分乾燥させて、前処理紙を得た。
実施例1〜4及び比較例1〜5では、上記油性インク1を、インクジェットプリンタORPHIS X9050(商品名;理想科学工業株式会社製)の吐出経路に導入し、上記前処理紙の処理表面上(但し、比較例1では前処理なしの紙表面上)に上記油性インク1を吐出させ、細線、網点、ベタ画像を印刷した後、熱プレス機(プレスマン「TP400M」、太陽精機株式会社製)で40℃で3秒加熱乾燥した。印刷は、解像度300×300dpiにて、1ドット当りのインク量が36plの吐出条件で行った。また、比較例6は、上記油性インク1の代わりに上記水性インク1を用いた以外、実施例1と同様に印刷を行った。
(4)細線の滲み
(3)で得られた印刷物において、1ドットの縦ラインが1ラインおきに並んだ細線の画像を実体顕微鏡で観察し、幅の太り、隣のラインと合一していないか評価した。結果を表4に示す。
◎:細線滲みがなく、非常にシャープなラインである
○:細線滲みがなく、ラインのエッジに滲みが少ない
△:隣との合一はないが、ラインのエッジが滲んでいる
×:隣のラインとの合一があり、滲みが大きい
(5)網点ドットの均一性
(3)で得られた印刷物において、1ドットが1ドットおきに並んで構成された網点画像を実体顕微鏡で観察し、ドットの形状が均一か、近接ドットとの合一がないかを評価した。結果を表4に示す。
○:ドットの合一がなく、形状も均一である
△:ドットがやや合一しており、形状にもばらつきがある
×:ドットが合一して、網点を再現できていない
(6)ベタの均一性
(3)で得られた印刷物において、ベタ画像を実体顕微鏡で観察し、均一なベタが表現されているかを評価した。結果を表4に示す。
◎:ベタむらがなく、均一である
○:ベタむら・滲みがややあるが、気にならない
×:ベタのムラが大きく、滲みも大きい
(7)前処理層のテープ剥離性
(3)で得られた印刷物において、前処理層の非印刷部分にセロハンテープ(ニチバン株式会社製)を貼り付け、剥がした際にテープに前処理層が剥がれたものが付着しているかを目視で確認した。
◎:テープに付着物がない
○:テープに付着物が若干あるが、気にならない
△:テープに付着物があり、白い汚れ部分が多い
×:テープの付着物が多く、テープを貼った部分の前処理層がほぼ全部剥がれている
Figure 2015104872
表4の結果から以下のことがわかる。
平均粒子径が0.5μm以上のポリオレフィン系樹脂エマルション粒子を含む製造例1〜4の前処理液を用いた実施例1〜4においては、細線、網点、ベタ画像すべてにおいて高品質な印刷物が得られ、前処理層のテープ剥離性も優れていた。
前処理をしない比較例1においては、印刷ドットの合一が生じ、網点やベタ画像の均一性が悪かった。平均粒子径が0.5μm未満の樹脂粒子を含む製造例5、6及び8の前処理液を用いた比較例2、3及び5においては、細線の滲みも大きく、網点やベタ画像の均一性も悪かった。樹脂粒子の代わりに、平均粒子径が0.5μm以上の球状のシリカ粒子を含む製造例7の前処理液を用いた比較例4においては、ドットの合一が生じ網点ドットの均一性が悪く、前処理層のテープ剥離性も悪かった。ガラス転移点または軟化点が90℃未満の樹脂粒子を含む製造例5および8の前処理液を用いた比較例2及び5においても、ドットの合一が生じ網点ドットの均一性が悪かった。また、製造例1の前処理液を用いたが水性インクで印刷を行った比較例6は、細線の滲みや網点ドットの均一性は良好だったものの、ベタの均一性が悪かった。
実施例5〜8、比較例7〜12(普通紙への印刷)
(1)普通紙へのインクジェット印刷
表5に記載の前処理液を、理想用紙薄口(商品名;理想科学工業株式会社製普通紙)の片面に、自動バーコーターで、前処理液乾燥後の固形分塗工量が2.5g/mになるように塗工し、温度23℃、湿度50%環境下で10分乾燥させて、前処理紙を得た。
実施例5〜8及び比較例7〜11では、上記油性インク1をインクジェットプリンタORPHIS X9050(商品名;理想科学工業株式会社製)の吐出経路に導入し、上記前処理紙の処理表面上(但し、比較例7では前処理なしの紙表面上)に上記油性インク1を吐出させ、ベタ画像を印刷した。印刷は、解像度300×300dpiにて、1ドット当りのインク量が30plの吐出条件で行った。また、比較例12は、上記油性インク1の代わりに上記水性インク1を用いた以外、実施例5と同様に印刷を行った。
(2)印刷画像の表濃度
(1)で得られた印刷物において、光学濃度計(RD920:マクベス社製)を用い、印刷1日後のベタ部の表濃度を測定した。評価は以下の基準で行った。結果を表5に示す。
◎:1.25≦OD値
○:1.20≦OD値<1.25
△:1.10≦OD値<1.20
×:OD値<1.10
(3)印刷画像の裏抜け
(1)で得られた印刷物において、光学濃度計(RD920:マクベス社製)を用い、印刷1日後のベタ部の裏側から測定を行い、得られたOD値から印刷していない部分のOD値を差し引いた値を裏抜けとした。評価は以下の基準で行った。結果を表5に示す。
◎:OD値<0.11
○:0.11≦OD値<0.13
△:0.13≦OD値<0.15
×:0.15≦OD値
(4)前処理層のテープ剥離性
(1)で得られた印刷物において、前処理層の非印刷部分にセロハンテープ(ニチバン株式会社製)を貼り付け、剥がした際にテープに前処理層が剥がれたものが付着しているかを目視で確認した。
◎:テープに付着物がない
○:テープに付着物が若干あるが、気にならない
△:テープに付着物があり、白い汚れ部分が多い
×:テープの付着物が多く、テープを貼った部分の前処理層がほぼ全部剥がれている
Figure 2015104872
表5の結果から、以下のことがわかる。
粒子径が0.5μm以上のポリオレフィン系樹脂粒子を用いた製造例1〜4の前処理液を塗工した実施例5〜8においては、前処理をしない比較例7よりも表濃度が大きく向上し、裏抜けも抑制され、前処理層のテープ剥離性も優れていた。
粒子径が0.5μm未満の樹脂粒子を含む製造例5、6及び8の前処理液を用いた比較例8、9及び11では、前処理をしない比較例7よりも、表濃度の向上が若干あるかもしくは低下し、裏抜けについてもやや抑制されるか悪化し、前処理の効果が十分ではなかった。無機粒子を用いた製造例7の前処理液を用いた比較例10でも、同様に前処理の効果が不十分であり、前処理層のテープ剥離性も悪かった。また、製造例1の前処理液を用いたが水性インクで印刷を行った比較例12は、裏抜け抑制効果は得られたものの、表濃度が前処理をしない比較例5よりも大きく低下した。
本発明のインクジェット印刷方法及びインクセットは、印刷媒体を前処理液で表面処理した後、油性インクをノズルヘッドから吐出して印刷媒体の処理表面に印字できるインクジェットプリンタで簡単に実施することができ、インクジェット印刷の分野で広く利用できる。

Claims (3)

  1. 前処理液を印刷媒体へ塗布した後、色材および溶剤を少なくとも含んでなる油性インクを該印刷媒体上へ吐出させることにより印刷を行う油性インクジェット印刷方法において、前記前処理液が、ポリオレフィン系樹脂粒子の水性分散液であり、前記ポリオレフィン系樹脂粒子は、融点、軟化点又はガラス転移点が90℃以上で、かつ、平均粒子径が0.5μm以上のものであることを特徴とする、油性インクジェット印刷方法。
  2. 前記水性分散液は、融点、軟化点又はガラス転移点が40℃未満の樹脂粒子をさらに含有する、請求項1に記載の印刷方法。
  3. 前処理液を印刷媒体へ塗布した後、油性インクを該印刷媒体上へ吐出させることにより印刷を行う油性インクジェット印刷に使用するインクセットであって、色材および溶剤を少なくとも含んでなる油性インク、及びポリオレフィン系樹脂粒子の水性分散液からなる前処理液を少なくとも含んでなり、前記ポリオレフィン系樹脂粒子は、融点、軟化点又はガラス転移点が90℃以上で、かつ、平均粒子径が0.5μm以上のものであることを特徴とする、油性インクジェット印刷用インクセット。
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