JP2002067473A - 印刷方法 - Google Patents

印刷方法

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JP2002067473A JP2000262494A JP2000262494A JP2002067473A JP 2002067473 A JP2002067473 A JP 2002067473A JP 2000262494 A JP2000262494 A JP 2000262494A JP 2000262494 A JP2000262494 A JP 2000262494A JP 2002067473 A JP2002067473 A JP 2002067473A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット専用紙でない汎用で市販の
印刷用紙に、インクジェット記録方法を用いて、高濃度
で滲みのない高画質の印刷を行う。 【解決手段】皮膜形成性樹脂のうち、好ましくは、少な
くとも一部が塩基で中和された酸基を有する皮膜形成性
樹脂によって、顔料粒子が被覆された着色樹脂粒子の水
性分散体からなる水性インクを用い、好ましくは、該イ
ンクの粘度を25〜60mN/mに規定して、表面粗度
が中心線平均粗さ(Ra)で0.2〜4.0μmであ
り、さらに好ましくは40〜200g/m2の坪量を持
つ印刷用紙にインクジェット記録方法によって記録を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は印刷方法、インクジ
ェット記録方法を用いて、市販の印刷用紙に高濃度で、
滲みのない印刷を可能とする印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録用インクは大別する
と油性インクと水性インクがあるが、油性インクは使用
している有機溶剤の影響で、印刷用紙等の普通紙の縦及
び横方向へのインクの浸透に伴い、滲み(ドットの太
り)や用紙でのインクの裏抜けが激しいという欠点を有
している。一方、従来の水性インクは着色剤として水溶
性染料を用いているため、紙のサイズ度調整にもかかわ
らず、紙繊維が表面に露出しているいわゆる上質紙タイ
プの印刷用紙の場合は、繊維方向に沿った滲み(フェザ
リング)や斑点状のインクの裏抜けが発生しやすいとい
う欠点を有していた。一方コート紙の場合には滲みは少
ないが、水性インクを吸収しにくいため印刷直後から乾
燥までに時間がかかり、結果として滲みやベタの均一性
が悪くなるという問題を有していた。
【0003】ここでコート紙とは、紙の表面をクレイ
(粘土)等で塗工された市販の印刷用紙のことで、イン
クジェット専用紙は含まない。
【0004】インクジェット専用紙は紙の表面にインク
吸収性の受理層を形成したもので、優れた画質のインク
ジェット印刷物が得られるが、汎用性がなく、コストア
ップ、耐久性等で問題を有しており、市販の汎用の印刷
用紙への直接印刷が強く望まれていた。
【0005】これに対して水性の顔料インクは、耐水性
や耐褪色性に優れており染料タイプの水性インキに比較
すると印刷画像の長期保存に適しているといわれてい
る。水性の顔料インクとしては、例えばバインダー兼分
散剤として水溶性樹脂を用いてカ−ボンブラックや有機
顔料を分散させた樹脂溶解型のインクや、ポリマーラテ
ックスあるいはマイクロカプセルとして着色剤を内包す
る樹脂分散型のインクが知られているが、樹脂溶解型の
顔料分散インクは、水溶性樹脂を用いているために記録
紙上での滲みが大きく、期待されるほどの耐水性の良い
ものではなかった。
【0006】樹脂分散型のマイクロカプセルタイプの水
性インクは、樹脂溶解型のインクと比較すると、分散安
定性と耐水性という利点に加えて、前記のように顔料を
分散させた樹脂溶解型のインクと異なり、滲みが小さい
という利点があるが、印刷用紙によっては必ずしも滲み
が良好とはいえず、特開平11−323232号公報で
は特定の条件下にある、水性の液体中に自己水分散顔料
を分散してなるインクジェット記録用液を用いてベック
平滑度20〜80秒の普通紙に記録するインクジェット
記録方法が提案されているが、ベック平滑度が20〜8
0秒にもかかわらず必ずしも優れた印刷品質の印刷物が
得られない場合が多かった。
【0007】これは、ベック平滑度(JIS P811
9)は特定の条件で接触させた試験片とリング状の平面
との間を特定の初期差圧下で、一定量の大気圧空気が流
れるのに必要な時間であるため、インクの特性や紙の表
面状態を反映しておらず、かつ紙の平滑度と紙内部の繊
維密度の両方の影響があるにもかかわらず、これらの影
響を分離評価できないためと考えられた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、水性インクを用いたインクジェット記録に
おいて、インクジェット専用紙以外の、汎用で市販の印
刷用紙を用いて、滲みが少なく、高い印刷濃度の優れた
印刷物を得るための印刷方法を提供することにあり、と
くに皮膜形成性樹脂によって顔料が被覆された着色樹脂
粒子の水性分散体からなる水性インクをを用いて、高品
質の画像得るための印刷方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を解
決するに至った。
【0010】即ち本発明は、皮膜形成性樹脂、より好ま
しくは少なくとも一部が塩基で中和された酸基を有する
皮膜形成性樹脂によって、顔料粒子が被覆もしくはカプ
セル化された着色樹脂粒子水性分散体から成る水性イン
クを用いることによって、従来の樹脂溶解型の顔料分散
インクに比べて、インクが記録紙の内部にしみ込みにく
く、記録紙上での発色が良好なインクジェット記録がで
きることを見出したものである。
【0011】発明者らは本願発明に記載したような顔料
をカプセル化したインクを用いて、インクジェット用で
ない汎用市販の種々の多くの印刷用紙についてインクジ
ェット記録を行い、従来の樹脂溶解型の顔料分散タイプ
のインクを用いた時と比較して、ほとんどの印刷用紙で
より滲みの少ない画像を得ることができることを見出し
た。すなわち同一の印刷用紙にインクジェット記録し比
較する限りにおいては、常に本願発明のカプセル型イン
クが従来の樹脂溶解型インクに比して滲みの少ない画像
を実現し、本願発明に記載した水性インクを用いたとき
の画質の優位性は、被印刷媒体として用いる印刷紙全般
にわたって言えることである。このように本願発明のカ
プセル型のインクは、高画質画像印刷用インクとて優れ
ている。これは樹脂分散型インクの一つであるカプセル
型インクが、印刷用紙上のインク液の、浸透、拡散。着
色剤の定着において従来の樹脂溶解型インクと異なった
挙動を示すためである。
【0012】発明者らはさらに本願発明に記載の水性イ
ンクを用いたインクジェット記録による画像の画質が、
従来の樹脂溶解型のインクに比べてより優れた画質を維
持しつつ、印刷用紙の表面粗さに相関しており、発色性
に優れた高画質の印刷には、印刷用紙の表面粗度を規定
することが重要であることを見出した。すなわち表面粗
さが中心線平均粗さ(Ra)で0.2〜4.0μmの印
刷用紙に本願発明記載の水性インクを用い、インクジェ
ット記録法で記録したときに高画質化の効果が顕著であ
る。
【0013】発明者らはさらに、本願発明に記載の水性
インクを用いたインクジェット記録による印刷方法に際
し、より好ましい範囲として水性インクの粘度を規定す
るとともに、本願発明記載の水性インクの最適使用粘度
が、さらに印刷用紙の表面粗さによって異なった領域に
あることを見出し、これを規定した。すなわち、中心線
平均粗さ(Ra)で0.2〜4.0μmのインクジェッ
ト専用紙でない、汎用市販の印刷用紙に印刷を行うとき
は、水性インクの表面張力が25〜60mN/mである
ことが好ましい。特に中心線平均粗さ(Ra)で0.2
〜3μmの印刷用紙には、表面張力30〜60mN/m
の水性インクを用いて印刷することが好ましく、中心線
平均粗さ(Ra)で2.5〜4.0μmの印刷用紙には
表面張力25〜32mN/mの水性インクを用いて印刷
することが好ましい。
【0014】また、印刷用紙についてはさらに坪量を規
定することにより、より印刷画像の高画質化を確実にで
きることを見出した。すなわち中心線平均粗さ(Ra)
で0.2〜4.0μmの印刷用紙に印刷を行うときは、
坪量40〜200g/m2の印刷用紙をつかうことが好
ましい。特に中心線平均粗さ(Ra)で0.2〜1.5
μmの印刷用紙で、かつ坪量が100g/m2以上の印
刷用紙を用いて印刷を行うと、特に画質の優れた高品質
の印刷を行うことができる。
【0015】また本願発明に記載した水性インクを使用
したインクジェット記録方法を用いることにより、高画
質な印刷が可能となるため、あらかじめ印刷インク等で
印刷された印刷用紙に、インクジェット記録を行って
も、印刷物全体の印刷品質を低下させることがない。ま
たインクジェット専用紙でない市販の印刷用コート紙等
の、吸水性の少ない印刷用紙に高画質印刷を行うとき
は、本願記載の水性インクを用いて印刷後に高周波加熱
を行うことにより特に耐久性に優れた高画質の印刷物を
得ることが出来る。
【0016】本発明における紙の表面粗度は公知の測定
手段によって測定が可能であり、具体的には株式会社東
京精密製surfcom575A−3D等の表面粗度計
を用いて、JIS B0601で規定される中心線平均
粗さ(Ra)、最大高さ(Rmax)、十点平均粗さ
(Rz)等の各種の粗さ曲線を測定すればよいが、特に
中心線平均粗さ(Ra)は本発明において有効である。
中心線平均粗さ(Ra)は粗さ曲線からその中心線の方
向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分の
中心線と粗さ曲線との偏差の絶対値を算術平均した値
で、以下の数式で定義される。
【0017】
【式1】 Lは測定長さ、F(x)は粗さ曲線 単位:μm
【0018】中心線平均粗さ(Ra)が有効である理由
として、本発明の着色樹脂粒子を含む水性インクが紙の
表面を伝って横方向へ拡がる時に、インク中の着色樹脂
粒子が紙の繊維やコート層に物理的に吸着して、インク
の水性媒体と容易に分離することにより滲みのないドッ
トや文字やラインが形成されるが、これが紙の表面粗
度、特に紙表面の平均的な粗さを表す中心線平均粗さ
(Ra)と強い相関を示すものと考えられる。特に後記
するように目視滲みと表面粗度との相関が強い。これに
対して顔料を分散させた樹脂溶解型の従来のインクは、
バインダー樹脂(一般に分散剤を兼ねる)が水溶性樹脂
のため、紙の繊維やコート層に対する顔料吸着効果が小
さく、顔料は水性媒体と共に横方向へ拡がりやすく、目
視滲みの大きさが本願発明記載のカプセル型水性インク
と同様に表面粗度に相関するが、それは、むしろ用紙の
密度が滲みと相関しており、密度が有る程度表面粗度と
相関する結果、表面粗度と滲みが間接的に相関している
と考えられ、カプセル型インクのような直接的な相関で
はないと考えられる。
【0019】本発明では、従来の顔料を分散させた水性
インクである樹脂溶解型インクと異なり、皮膜形成性樹
脂、によって、顔料粒子が被覆もしくはカプセル化され
た着色樹脂粒子水性分散体からなる水性インクを用い
て、好ましくは表面粗度が中心線平均粗さ(Ra)で
0.2〜4.0μm、更に好ましくは0.2〜2.0μ
m、さらに好ましくは0.2〜1.5μmのインクジェ
ット専用紙でない印刷用紙にインクジェット記録方法で
印刷する印刷方法を用いる。この場合、極めて滲みの少
ない印刷画像が得られるのであるが、特に、前記皮膜形
成性樹脂として、少なくとも一部が塩基で中和された酸
基を有する皮膜形成性樹脂を用いることが好ましい。こ
のような皮膜形成性樹脂を用いることによって、該皮膜
形成性樹脂を用いたインクジェット記録液の特徴である
優れた分散安定性、吐出安定性、定着性に加えて、滲み
の少ない印刷画像を得ることができる。
【0020】前記中心線平均粗さ(Ra)が4.0μm
を越えると、水性インクの拡がりのバラツキが大きすぎ
て極端に滲みが大きくなり、逆に0.2μmを下回ると
凹凸による着色樹脂粒子に対するアンカー効果が小さく
なり、滲みの増大や、ベタ部分のムラ、インク層の耐擦
過性等が著しく低下する。
【0021】本発明の、水性インクのうち、少なくとも
一部が塩基で中和された酸基を有する皮膜形成性樹脂に
よって顔料粒子が被覆もしくはカプセル化された着色樹
脂粒子水性分散体からなる水性インクは、具体的には以
下の方法によって得ることが出来る。
【0022】皮膜形成性樹脂は、公知のものであれば特
に種類の制限はないが、特に少なくとも一部が塩基で中
和された酸基を有する皮膜形成性性樹脂を用いる場合
は、好ましくは酸価が50〜280のカルボキシル基を
有する樹脂が好ましい。またその少なくとも一部が塩基
で中和されてなる自己水分散性樹脂の場合は、特に優れ
た分散安定性を維持することが出来、しかも本発明の下
でより滲みの少ない優れた画像の印刷が出来る。
【0023】このような樹脂としては、例えばアクリル
酸樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂等がある
が、特に好ましくは、スチレン−(メタ)アクリル酸系
樹脂である。尚、本発明で(メタ)アクリルとは、アク
リルとメタアクリルとの両方を包含する。
【0024】スチレン−(メタ)アクリル酸系樹脂と
は、スチレン系モノマーを必須成分として、(メタ)ア
クリル酸系モノマー、例えば(メタ)アクリル酸及び/
又は(メタ)アクリル酸エステル、を共重合させた樹脂
である。
【0025】当該樹脂としては、例えばスチレンあるい
はα−メチルスチレンのような置換スチレンと、アクリ
ル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アク
リル酸ブチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシル
エステル等のアクリル酸エステルと、メタクリル酸メチ
ルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル
酸ブチルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等
のメタクリル酸エステルとから選ばれる少なくとも一つ
以上のモノマー単位と、アクリル酸、メタクリル酸から
選ばれる少なくとも一つ以上のモノマー単位とを含む共
重合体である。
【0026】これらの共重合体は、少なくともその一部
が共有結合性の架橋や多価金属によるイオン架橋されて
いても良い。
【0027】前記樹脂を用いて自己水分散性樹脂として
用いる場合には、そのカルボキシル基の少なくとも一部
を塩基で中和すればよい。塩基、即ちアルカリ性中和剤
による中和は、得られる自己水分散性樹脂が水に溶解し
ない程度に中和すればよい。
【0028】塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水
酸化物、アンモニア、トリエチルアミン、モルホリン等
の塩基性物質の他、特にトリエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等のアル
コールアミンとりわけトリエタノールアミンが、インク
ジェット記録用水性インクとして好ましい。
【0029】最終的に塩基の存在下のインクのpHとし
て、7〜10、好ましくは8〜9の範囲にある場合には
顔料を包含している樹脂のインク中への溶解も少なく、
ノズル目詰まりを防止すると共に鮮やかな発色を得るこ
とが出来る。
【0030】本発明の水性インク組成物に用いる顔料は
特に限定されるものはなく、例えばカーボンブラック、
チタンブラック、チタンホワイト、硫化亜鉛、ベンガラ
等の無機顔料やフタロシアニン顔料、モノアゾ系、ジス
アゾ系等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリド
ン顔料等の有機顔料がある。
【0031】かかる顔料の使用量(含有量)は、特に規
定されないが、最終的に得られる水性インキ中で0.5
〜10重量%となるような量が好ましい。
【0032】本発明の好ましい例である樹脂によって顔
料が包含された着色樹脂粒子を作製する方法は、特に限
定されるものではないが、より好ましい具体的な例は、
下記工程にて得ることが出来る。 (1)カルボキシル基を有する樹脂に、少なくとも顔料
を分散または溶解して固形着色コンパウンドを得る樹脂
着色工程。 (2)少なくとも、水、樹脂を溶解する有機溶媒、塩
基、前記樹脂着色工程で得られた固形着色コンパウンド
を混合し、分散によって少なくとも樹脂の一部が溶解し
ている着色剤懸濁液を得る懸濁工程。 (3)前記懸濁工程で得られた着色剤懸濁液中の顔料表
面に、溶解している樹脂を沈着させる再沈殿工程。
【0033】(1)の樹脂着色工程は、カルボキシル基
を有する樹脂に、少なくとも顔料を分散または溶解して
固形着色コンパウンドを得る工程である。この工程は、
例えば従来知られているロールやニーダーやビーズミル
等の混練装置を用いて、溶液や加熱溶融された状態で、
顔料を、樹脂に均一に溶解または分散させ、最終的に固
体混練物(固形着色コンパウンド)として取り出すこと
により行うことが出来る。
【0034】(2)の懸濁工程は、少なくとも、水、樹
脂を溶解する有機溶媒、塩基、前記樹脂着色工程で得ら
れた固形着色コンパウンドを混合し、分散によって少な
くとも樹脂の一部が溶解している着色剤懸濁液を得る工
程である。(1)の樹脂着色工程で得られた固形着色コ
ンパウンドを、分散媒として水、樹脂を溶解する有機溶
媒、塩基を必須とする混合溶媒に加えて、均一に分散す
る様に攪拌することによって、固形着色コンパウンド表
面から、顔料を包含する樹脂が、有機溶媒と塩基の助け
を借りて、溶解または自己乳化し、いずれの場合も少な
くとも当該樹脂の一部が溶解している着色剤懸濁液が得
られる。
【0035】懸濁液を得るための撹拌方法としては、公
知慣用の手法がいずれも採用でき、例えば従来の1軸の
プロペラ型の撹拌翼の他に、目的に応じた形状の撹拌翼
や撹拌容器を用いて容易に懸濁可能である。
【0036】懸濁液を得るに当たって、せん断力がない
或いは相対的に小さい、単なる混合撹拌のみで、或い
は、顔料が比較的凝集しやすい場合には、それに加えて
更に、高せん断力下において、より分散を安定させても
よい。この場合の分散機としては、高圧ホモジナイザー
や商品名マイクロフルイダイザーやナノマイザーで知ら
れるビーズレス分散装置等を用いるのが、顔料の再凝集
が少なく好ましい。
【0037】(3)の再沈殿工程は、前記懸濁工程で得
られた着色剤懸濁液中の顔料表面に、溶解している樹脂
を沈着させる工程である。本発明において「再沈殿」と
は、顔料、或いは溶解している樹脂が顔料表面に吸着し
た着色剤を懸濁液の液媒体から、分離沈降させることを
意味するものではない。従って、この工程で得られるも
のは、固形成分と液体成分とが明らか分離した単なる混
合物ではなく、溶解している樹脂が顔料表面に吸着した
着色剤が、懸濁液の液媒体に安定的に分散した着色樹脂
粒子水性分散液である。
【0038】この懸濁工程の着色剤懸濁液中の顔料表面
へ溶解樹脂の沈着は、例えば、少なくとも一部当該樹
脂が溶解している着色剤懸濁液に、当該樹脂に対して貧
溶媒として機能する水または水性媒体を加えて行うか、
及び/又は、着色剤懸濁液から有機溶媒を除去して行
うことによって容易に行うことが出来る。
【0039】この様にして得られた着色樹脂粒子水分散
液から共存している有機溶媒を更に除いて、被膜形成性
樹脂によって包含された顔料着色樹脂粒子の安定な水分
散液を得る。
【0040】本製造方法においては、樹脂を溶解する有
機溶媒が用いられるが、当該有機溶媒としては、当該樹
脂に対して適宜選択することが出来、例えばアセトン、
ジエチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶
媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール
等のアルコール系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン等
の塩素系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶媒、
酢酸エチルエステル等のエステル系溶媒、エチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチ
ルエーテル等のグリコールエーテル系溶媒、アミド類等
樹脂を溶解させるものであれば使用可能である。
【0041】当該樹脂が、例えばスチレン、置換スチレ
ン、(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選ばれ
る少なくとも一つのモノマーと、(メタ)アクリル酸と
を含む組成物の共重合体の場合には、メチルエチルケト
ン等のケトン系溶媒を主として、助溶媒としてイソプロ
ピルアルコール等のアルコール系溶媒から選ばれる少な
くとも1種類以上の組み合わせが良い。
【0042】このようにして得られた分散液に、インク
ジェット記録用インク組成物としては、必要に応じて以
下の添加剤類を併用することが好ましい。
【0043】乾燥防止剤は、インクジェット記録用水性
インク組成物に限らず、添加される場合が多い。インク
ジェット記録用水性インク組成物においては、インクジ
ェットの噴射ノズル口でのインクの乾燥を防止する効果
を与えるものであり、通常水の沸点以上の沸点を有する
ものが使用される。
【0044】このような乾燥防止剤としては、特に限定
されるものではなく、従来知られているエチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、グリセリン等の多価アルコール類、N−メチル−2
−ピロリドン、2−ピロリドン等のピロリドン類、アミ
ド類、ジメチルスルホオキサイド、イミダゾリジノン等
が使用可能であるが、特にグリセリンがメインの乾燥防
止剤の場合に最も優れた乾燥防止効果を示し、他の乾燥
防止剤類はグリセリンと併用する場合は少量に止めたほ
うがよい。
【0045】乾燥防止剤の使用量は、種類によって異な
り、通常水100重量部に対して1〜150重量部の範
囲から適宜選択されるが、グリセリン及びそれに他の乾
燥防止剤を併用したものを使用する場合には10〜50
重量部が好適である。
【0046】インクジェット記録用水性インク組成物に
限らず、水性インク組成物の被記録媒体への浸透をより
良好とするために、公知慣用の浸透剤の必要量を用いる
ことが好ましい。
【0047】ジェット噴射して付着したインクを紙によ
りよく浸透させるために、浸透剤として、記録紙への浸
透性付与効果を示す、エタノール、イソプロピルアルコ
ール等の低級アルコール、ジエチレングリコール−N−
ブチルエーテル等のグリコールエーテル、プロピレング
リコール誘導体、ピロリドン化合物等の水溶性有機溶媒
やノニオン性やアニオン性、両性界面活性剤を加えても
よい。これらの浸透剤は表面張力を調整する作用があ
り、本発明においては水性インクの表面張力が25〜6
0mN/mとすることが好ましい。
【0048】本発明の水性インク組成物として、その
他、必要に応じて水溶性樹脂、防腐剤、キレート剤等の
添加剤、硬化成分として、紫外線・電子線・X線硬化モ
ノマー、オリゴマー、ポリマー等を加えることができ、
最終的には1μm以上の粗大粒子を含まない様に、好適
には0.5μmを越える粗大粒子を含まない様に、濾過
を行うことによりサブミクロンオーダーの着色樹脂微粒
子を主体としたものがインクジェット記録用水性インク
としては好ましい。
【0049】本発明の表面粗度を有する印刷用紙と水性
インクを用いて印刷を行う場合、印刷用紙が、坪量40
〜200g/m2であることが好ましいが、より滲みの
少ない印刷品質を得るには坪量70g/m2以上、更に
は100g/m2以上が好ましい。ここで坪量とは1平
方メートル当たりの用紙の重量であって、用紙の厚さと
密度によって変化する。特に、印刷用紙の表面粗さ(R
a)が0.2〜3μmで、より滲みの少ない高解像度印
刷をする場合には、インクの乾燥性は低下するが、表面
張力が前記25〜60mN/mの範囲内においてインク
の表面張力が30mN/m以上であると、より滲みが少
なく高級印刷に向いている。特に坪量が100g/m2
以上の印刷用紙を用いた時にその効果が大きい。
【0050】本発明の表面粗度を有する印刷用紙のう
ち、特にコート紙タイプの、ハガキ、封筒、カレンダー
用紙、カタログ用紙、包装材料、フォーム印刷用紙、ラ
ベル印刷用紙等の印刷用紙と本発明の水性インクとの組
み合わせにおいて、平版や凸版印刷等の従来の印刷に近
い印刷品質を有する簡易印刷が可能になる。
【0051】一方、印刷用紙の表面粗さ(Ra)が2.
5〜4.0μmのときは、または再生紙で故紙の配合率
が40%以上の場合には、インクの表面張力が25〜3
2mN/mの範囲にあることによりインクの浸透性が高
く、若干の滲みはあるものの、極端なフェザリングが少
なくなると共に、インクの発色が向上することから簡易
印刷に特に好適な向いている。特に坪量が100g/m
2未満のときその効果が大きい。
【0052】本発明の表面粗度を有する印刷用紙が再生
紙であって、故紙の配合率が40%以上の場合、より滲
みが少なくムラの少ない印刷が可能になる。
【0053】上記印刷用紙と水性インクの組み合わせに
おいて、特に上質紙タイプの、ハガキ、封筒、カレンダ
ー用紙、カタログ用紙、包装材料、ラベル印刷用紙等の
印刷用紙では、平版や凸版印刷等の従来の印刷に近い印
刷品質を有する簡易印刷が可能になる。ここで上質紙と
は通常の印刷用紙で紙の繊維が表面に露出しているもの
を言う。
【0054】本発明の印刷用紙が、平版や凸版等の従来
の印刷方法による印刷インキで事前に印刷されている場
合、印刷用紙にさらにインクジェット記録方法で印刷す
ると、従来のインクジェット記録方法による印刷方法で
は、印刷インキによる印刷に比較して画質が大幅に劣る
ため、全体の印刷品質を低下させることになっていた。
しかしながら、印刷インキで印刷済の印刷用紙に本発明
の水性インクを用いてインクジェット記録方法で印刷す
ることにより、滲みの少ない高画質の印刷ができるた
め、従来の印刷方法による印刷品質を損なうことなくポ
ストプレスが可能になる。
【0055】特に印刷用紙がコート紙や大きな坪量を有
する普通紙の場合、インクの滲みは少なくなるが、乾燥
までに時間がかかることが多く、紙表面のインク層の定
着強度を低下させないため乾燥が好ましい。特に印刷直
後に少なくとも高周波加熱を行うとにより、インク層内
部の水の自己発熱によりごく短時間に乾燥可能で、かつ
発熱に伴い着色樹脂粒子を構成する皮膜形成性樹脂が溶
融し、着色樹脂粒子同士が強く結合することにより、極
めて耐久性に優れた印刷物が得られる。以上の手法は上
記ポストプレス時に適用してもよい。
【0056】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、以下の実施例中における「部」
は『質量部』を表わす。
【0057】(調整例1)カーボンブラックの40部と
スチレン−アクリル酸−メタクリル酸樹脂(スチレン/
アクリル酸/メタクリル酸=77/10/13;分子量
5万・酸価160)40部の二本ロール混練物を、水2
50部、グリセリン22部、トリエタノールアミン8
部、メチルエチルケトン90部、イソプロピルアルコー
ル40部の混合溶液に入れ、室温で3時間撹拌し混練物
が溶解したところで、衝突式分散機ナノマイザー(ナノ
マイザー社製)を用いて98MPaの圧力で分散を行い
黒色の着色剤懸濁液を得た。
【0058】得られた着色剤懸濁液に撹拌しながら、グ
リセリン22部と水250部の混合液を毎分5mlの速
度で滴下し、着色樹脂粒子分散液を得た。得られた着色
樹脂粒子分散液をロータリーエバポレーターを用いてメ
チルエチルケトンとイソプロピルアルコールと水の一部
を留去し、更に0.5μmのメンブランフィルターで濾
過を行い、最終の黒色着色樹脂粒子水分散液(顔料濃度
8質量%)を得た。
【0059】(インク例1)調整例1の着色樹脂粒子水
分散液30質量%、グリセリン25質量%、プロピレン
グリコールプロピルエーテル7質量%、界面活性剤サー
フィノール420(エアープロダクツ社製)0.2質量
%、防腐剤0.1質量%、残部が水を撹拌混合後0.5
μmメンブランフィルターで濾過を行いインクジェット
記録用黒色水性インクとした。得られたインクの粘度
3.4mPa・s、表面張力32mN/mであった。
【0060】(実施例1)市販の印刷用紙を選び、イン
ク例1のインクを用いてセイコーエプソン製MJ800
0Cインクジェットプリンタで印刷を行うと共に、印刷
用紙の表面粗度を株式会社東京精密製surfcom5
75A−3Dを用いて、JIS B0601で規定され
る中心線平均粗さ(Ra)を測定した。
【0061】印刷物の滲みの評価は線画と文字を印刷
し、(1)1〜5の5段階評価による目視評価と(2)
線画の太りと最大滲みを50倍の反射顕微鏡を用いて計
測した。表1にその結果を示す。市販の印刷用紙はA〜
Lで示した。
【0062】目視滲みは人間が感じる印刷物の品質を表
すものであり、画像の太りや髭状の滲みを総合したもの
で、1(劣:極端に滲む)〜5(優:全く滲まない)で
ランク分けし、ランク2以上できれば3以上が好まし
い。
【0063】ライン幅は細線の描写力を表し、400μ
mのラインを印刷したときの実際の印刷幅である。印刷
用紙に付着したインク液が浸透する過程で、同時に発生
するインク液の横方向への拡散によりライン幅が太る現
象が発生し、細線の描写力を低減させる。高級印刷の場
合には560μm以下、できれば520μmであること
が好ましい。
【0064】最大滲みは髭状の滲み(フェザリング)を
表し、400μmのラインを印刷したときの顕微鏡視野
内におけるラインの凹凸の最大値を上下平均した値であ
る。印刷用紙に付着したインク液が、毛細管現象によっ
て印刷用紙表面付近の紙の繊維を通して、ヒゲ状に拡が
るために印刷画像の輪郭を不明瞭にする。高級印刷にお
いては100μm以下、できれば60μm以下が好まし
い。
【0065】(比較例1)従来の樹脂溶解型の顔料分散
インクとしてミマキエンジニアリング株式会社製水性顔
料インク(SPC−0180K黒インク、粘度3.4m
Pa・s、表面張力32mN/m)を用いて、インク例
1と同様にして印刷試験を行った。
【0066】表1の結果から、高級印刷には中心線平均
粗さ(Ra)は4μm以下、好ましくは3μm以下、さ
らに好ましくは1.5μm以下であることが望ましい。
それに対して従来の水性顔料インクは中心線平均粗さ
(Ra)が2μm以下でもランク1のものがあり、かつ
極端に滲みが大きく、本発明の結果と大きくかけ離れて
いる。
【0067】(調整例2)調整例1のカーボンブラック
に替えて、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピ
グメントレッド122、C.I.ピグメントイエロー1
55を用いて同様にして、最終のシアン、マゼンタ、イ
エロー着色樹脂粒子水分散液(顔料濃度8質量%)を得
た。
【0068】(インク例2)前記調整例1の黒色着色樹
脂粒子水分散液30質量%、グリセリン12質量%、プ
ロピレングリコールプロピルエーテル7質量%、界面活
性剤サーフィノール420(エアープロダクツ社製)
0.3質量%、防腐剤0.1質量%、残部水を攪拌混合
後、0.5μmメンブランフィルターで濾過を行いイン
クジェット記録用黒色水性インクとした。得られたイン
クの粘度3.0mPa・s、表面張力32mN/mであ
った。
【0069】(インク例3)前記調整例2のシアン色着
色樹脂粒子水分散液25質量%、グリセリン12質量
%、プロピレングリコールプロピルエーテル7質量%、
界面活性剤サーフィノール420(エアープロダクツ社
製)0.6質量%、防腐剤0.1質量%、残部水を攪拌
混合後、0.5μmメンブランフィルターで濾過を行い
インクジェット記録用シアン色水性インクとした。得ら
れたインクの粘度2.3mPa・s、表面張力29mN
/mであった。
【0070】(インク例4)前記調整例2のマゼンタ色
着色樹脂粒子水分散液31質量%、グリセリン12質量
%、プロピレングリコールプロピルエーテル7質量%、
界面活性剤サーフィノール420(エアープロダクツ社
製)0.6質量%、防腐剤0.1質量%、残部水を攪拌
混合後、0.5μmメンブランフィルターで濾過を行い
インクジェット記録用マゼンタ色水性インクとした。得
られたインクの粘度3.1mPa・s、表面張力30m
N/mであった。
【0071】(インク例5)前記調整例2のイエロー色
着色樹脂粒子水分散液46質量%、グリセリン15質量
%、プロピレングリコールプロピルエーテル4質量%、
界面活性剤サーフィノール420(エアープロダクツ社
製)0.9質量%、防腐剤0.1質量%、残部水を攪拌
混合後、0.5μmメンブランフィルターで濾過を行い
インクジェット記録用イエロー色水性インクとした。得
られたインクの粘度3.4mPa・s、表面張力31m
N/mであった。
【0072】(実施例2〜実施例5)市販の再生封筒を
選び、インク例2〜5のインクを用いてセイコーエプソ
ン製MJ8000Cインクジェットプリンタで印刷を行
うと共に、再生封筒の表面粗度を株式会社東京精密製s
urfcom575A−3Dを用いて、JISB060
1で規定される中心線平均粗さ(Ra)を測定した。
【0073】印刷物の滲みの評価は線画と文字を印刷
し、評価例1と同様に(1)1〜5の5段階評価による
目視評価を行った。カラーの評価は(2)ベタ部の印刷
濃度をを測定して行った。印刷濃度はマクベス社製反射
濃度計を用いて一般的な手順で測定した。表2にその結
果を示す。再生封筒の種類はM〜Rで示した。
【0074】(比較例2〜比較例5)従来の樹脂溶解型
の顔料分散インクとして、比較例1のミマキエンジニア
リング株式会社製水性顔料インク(SPC−0180K
黒インク、粘度3.4mPa・s、表面張力32mN/
m)(比較例2)に加えて、同社製カラーインク(SP
C−0180Cシアンインク(比較例3)、SPC−0
180Mマゼンタインク(比較例4)、SPC−018
0Yイエローインク(比較例5)、粘度3.2〜3.4
mPa・s、表面張力32〜34mN/m)を用いて同
様に評価を行った。
【0075】表2の結果から、本発明の印刷方法は、従
来の水性顔料インクと比較して中心線平均粗さ(Ra)
が4μm近くでも、簡易印刷として滲みが少なく、印刷
濃度の高い、優れた印刷品質を可能にしている。
【0076】(実施例6)実施例1(表1)の用紙Kを
用いた平版印刷によるカレンダー印刷物に実施例1のイ
ンクジェット印刷を行ったところ、インクが完全に乾燥
するまで数分を要し、連続印刷した場合にインクの裏移
りを生じたが、印刷直後に高周波加熱装置を用いて乾燥
させた結果、高い印刷品質を維持し、インクの裏移りも
なく、かつインクジェット印刷物の耐擦過性も大幅に向
上した。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
【発明の効果】本発明によると、表面粗度が中心線平均
粗さ(Ra)で0.2〜4μmのインクジェット専用紙
でない、汎用で市販の印刷用紙に、皮膜形成性樹脂、好
ましくは少なくとも一部が塩基で中和された酸基を有す
る皮膜形成性樹脂によって、顔料粒子が被覆もしくはカ
プセル化された着色樹脂粒子水性分散体からなる水性イ
ンクを、インクジェット記録方法で印刷する印刷方法
は、滲みのない優れた印刷品質の印刷が可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA05 FC01 FC06 2H086 BA02 BA21 BA41 BA44 BA53 BA55 BA60 4J039 AD03 AD09 AD10 AD14 AE06 BA04 BA18 BA31 BA35 BA37 BC39 BC60 BE01 CA06 EA42 EA47 GA24

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面粗度が中心線平均粗さ(Ra)で
    0.2〜4.0μmの印刷用紙に、皮膜形成性樹脂によ
    って顔料粒子が被覆された着色樹脂粒子の水性分散体か
    らなる水性インクを、インクジェット記録方法で印刷す
    ることを特徴とする印刷方法。
  2. 【請求項2】 皮膜形成性樹脂が、少なくとも一部が塩
    基で中和された酸基を有する皮膜形成性樹脂であること
    を特徴とする請求項1記載の印刷方法。
  3. 【請求項3】 印刷用紙が坪量が40〜200g/m2
    であることを特徴とする請求項1、2記載の印刷方法。
  4. 【請求項4】 印刷用紙の表面粗度が中心線平均粗さ
    (Ra)で0.2〜1.5μmであって、坪量が100
    〜200g/m2以上であることを特徴とする請求項
    1、2記載の印刷方法。
  5. 【請求項5】 水性インクの表面張力が25〜60mN
    /mであることを特徴とする請求項1、2、3記載の印
    刷方法。
  6. 【請求項6】 表面粗度が中心線平均粗さ(Ra)で
    0.2〜3μmの印刷用紙に、表面張力が30〜60m
    N/mの水性インクを用いて印刷することを特徴とする
    請求項1、2、3記載の印刷方法。
  7. 【請求項7】 印刷用紙がコート紙タイプであるである
    ことを特徴とする請求項6記載の印刷方法。
  8. 【請求項8】 表面粗度が中心線平均粗さ(Ra)で
    2.5〜4.0μmの印刷用紙に、表面張力が25〜3
    2mN/mの水性インクを用いて印刷することを特徴と
    する請求項1、2、3記載の印刷方法。
  9. 【請求項9】 印刷用紙が、故紙の配合率が40%以上
    の再生紙であることを特徴とする請求項8記載の印刷方
    法。
  10. 【請求項10】印刷用紙が上質紙タイプであることを特
    徴とする請求項8記載の印刷方法。
  11. 【請求項11】 印刷用紙が、印刷インキで事前に印刷
    され、その後インクジェット記録方法で印刷をすること
    を特徴とする請求項1〜10記載の印刷方法。
  12. 【請求項12】 印刷後に、少なくとも高周波加熱を行
    うことを特徴とする請求項1〜11記載の印刷方法。
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