JP2000168229A - 非水性インク用インクジェット記録シート及びそれを使用した記録物の作成方法 - Google Patents

非水性インク用インクジェット記録シート及びそれを使用した記録物の作成方法

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JP2000168229A
JP2000168229A JP10351330A JP35133098A JP2000168229A JP 2000168229 A JP2000168229 A JP 2000168229A JP 10351330 A JP10351330 A JP 10351330A JP 35133098 A JP35133098 A JP 35133098A JP 2000168229 A JP2000168229 A JP 2000168229A
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ink
recording sheet
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ink jet
paper
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JP10351330A
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Mitsuhiro Ikeda
光弘 池田
Shigehiko Miyamoto
成彦 宮本
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、非水性インクを使ったインクジェッ
ト記録方式において、画像品質の優れたインクジェット
画像が得られ、大判で使用した場合に於いても、波打ち
やヘッドコスレなどが生じないインクジェット記録シー
ト、及び屋外などで使用した場合でも耐水性、保存性の
良い、かつ光沢に優れた記録物の作成方法を提供するこ
とを目的とするものである。 【解決手段】紙支持体の上に熱可塑性有機高分子微粒子
を含有する層を設け、かつ、特定範囲のクロスマシン
(以下CD)方向の加熱収縮率を有するインクジェット
記録シートをインクジェット記録後、該熱可塑性有機高
分子微粒子層を加熱等で被膜化するインクジェット記録
シートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録シートに関するものであり、更に詳しくは、熱可塑性
有機高分子微粒子からなる層を設け、インクジェット記
録後該層を被膜化することにより耐水性や耐光性の優れ
た記録物が得られる非水性インク用インクジェット記録
シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々の作動
原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録シ
ートに付着させ、画像、文字等の記録を行なうものであ
るが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融
通性が大きい、現像−定着が不要等の特徴があり、漢字
を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として種々
の用途において急速に普及している。又、多色インクジ
ェット方式により形成される画像は、製版方式による多
色印刷やカラー写真方式による印画に比較して、遜色の
ない記録を得ることが可能であるし、更に、作成部数が
少なくて済む用途においては、写真技術によるよりも安
価であることから、フルカラー画像記録分野にまで広く
応用されつつある。
【0003】インクジェット記録方式で使用される記録
シートとしては、通常の印刷や筆記に使われる上質紙や
コーテッド紙を使うべく、装置やインク組成の面から努
力がなされてきた。しかし、装置の高速化・高精細化或
はフルカラー化等インクジェット記録装置の性能の向上
や用途の拡大に伴い、記録シートに対してもより高度な
特性が要求されるようになった。即ち、当該記録シート
としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮や
かであること、インクの吸収が早くて印字ドットが重な
った場合においてもインクが流れ出したり滲んだりしな
いこと、印字ドットの横方向への拡散が均一で必要以上
に大きくなく、且つ周辺が滑らかでぼやけないこと、経
時や環境で画質の変化がないこと例えば、耐光性、耐水
性、耐オゾン性に優れていること等が要求される。
【0004】このような要求に対して、従来からいくつ
かの提案が行われてきた。インク吸収性向上や印字ドッ
トの拡散防止に対しては支持体上にインク受容層を設け
る方法(特開昭52-9074号公報、同58-72495号公報
等)、インク受容層中におけるインク中の染料成分の分
布状態が色彩性や鮮鋭性に影響することに着目して、染
料成分を吸着する特定の剤を用いる方法(特開昭55-144
172号公報)等が示されている。又、耐光性、耐水性、
耐オゾン性を向上させるために、塩基性オリゴマーを含
有させること(特開昭60-11389号公報)、基材中又は基
材上の塗工層にポリビニルアミン共重合物を用いること
(特開昭64-8085号公報)等が開示されている。
【0005】更にインクジェット記録後に、表面にフィ
ルムを貼り合せたり、クリアーな樹脂層を塗工したり、
前もってインク受容層表面に熱可塑性樹脂粒子の層を設
けておき、インクジェット記録後に該樹脂を溶融する事
によって耐水性や光沢を得ようとする試み(特開昭59-2
01891号公報、特開昭62-183383号公報、特開平01-18205
5号公報、特開平01-182081号公報、特開平02-81663号公
報、特開平07-237348号公報)もなされている。
【0006】更に、用途の多様化に伴って、ポスターや
POPアートに使用されたり、裏面に粘着剤層を設け
て、価格表示用ラベル、商品表示(バーコード)用ラベ
ル、品質表示用ラベル、計量表示用ラベル、広告宣伝用
ラベル(ステッカー)等のラベル用途、広い範囲の被着
体に良く接着し、貼り付け作業が簡単なため、他面に粘
着層を介して感熱特性、磁気特性、オフセット印刷適性
を有するシート等と貼り合わせて複合した機能を付加さ
せることも可能となることから、切符、定期券、各種カ
ード等への応用も広がりつつある。
【0007】しかしながら、これらの特性に対する要求
は次第に高度になり、厳しくなる一方で、大判のポスタ
ー等に使用される用途においては、これらが屋外で使用
され、風雨にさらされたり、直射日光にさらされたりす
ることも多くなった。従って、これらの環境に対抗でき
る能力をも保有することが、インクジェット記録シート
に要求される場合もある。
【0008】インクは、溶剤タイプと水性タイプに分類
されるが、価格、安全性、取り扱いの容易性等から、個
人用途や事務用途に於いては水性インクが多く、特にこ
のような用途の多様化により、水性インクが抱える印字
面に水が付着した際に発生するインクの滲みだしの防
止、及び基紙にまで到達した水系溶媒によるシートの波
打ちの改良等が重要な課題となっている。しかし、この
課題に対する取り組みは十分に行われていないのが現状
であり、インク吸収体としての機能を有する木材パルプ
を主体成分とする支持体をインクジェット記録シートの
媒体とする記録シートにおいては、更に重要且つ早期に
解決しなければならない課題となっている。
【0009】インクジェット記録シートの形態として
は、所謂、上質紙・ボンド紙等に代表される普通紙タイ
プと上質紙等の紙、合成紙、合成樹脂フィルム等の支持
体面上にインク受容層を設けた塗工タイプに大別され
る。塗工タイプのインクジェット記録シートは、塗設さ
れたインク受容層の種々特性が印字品質に直接影響する
ことから、吸収性に対しては顔料の比表面積や形状の選
択、色彩性や色再現性等については顔料の透明性や屈折
率の検討、画像品質にたいしては塗層構造や表面形状
等、用紙の波打ち等の改善については水中伸度、合成繊
維やガラス繊維の配合といった種々の検討、更には塗工
方法等について種々検討がなされてきた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、非水性イン
クを使ったインクジェット記録方式において、画像品質
の優れたインクジェット画像が得られ、大判で使用した
場合に於いても、波打ちやカールによるヘッドコスレな
どが生じないインクジェット記録シート、及び屋外など
で使用した場合でも耐水性、保存性の良い、かつ光沢に
優れた記録物の作成方法を提供することを目的とするも
のである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成するために鋭意研究した結果、紙支持体の上に熱
可塑性有機高分子微粒子を含有する層を設け、かつ、特
定範囲のクロスマシン(以下CD)方向の加熱収縮率を
有するインクジェット記録シートをインクジェット記録
後、該熱可塑性有機高分子微粒子層を加熱等で被膜化す
ることで、前記目的を達成できるインクジェット記録シ
ートが得られることを見出し本発明を完成するに至っ
た。
【0012】即ち、第1の発明のインクジェット記録シ
ートは、支持体上に、1層以上のインク受容層を設けて
なり、その最表層が実質的に熱可塑性有機高分子微粒子
からなるインクジェット記録シートにおいて、該記録シ
ートのCD方向の加熱収縮率が0.1%以上3.5%以
下であり、かつ、該支持体が木材パルプを主成分とする
紙であることを特徴とする非水性インク用インクジェッ
ト記録シートである。
【0013】また実質的に熱可塑性有機高分子微粒子か
らなる該最表層が、塗工量として5g/m2以上50g
/m2以下の範囲である非水性インク用インクジェット
記録シートである。
【0014】第2の発明は、第1の発明のインクジェッ
ト記録シートに、インクジェット記録後、該熱可塑性有
機高分子微粒子からなる層を加熱等により、溶解または
融解して、該熱可塑性有機高分子微粒子が融着した層と
することを特徴とする記録物の作成方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明のインクジェット記
録シートについて、詳細に説明する。本発明のインクジ
ェット記録シートは、支持体上に、1層以上のインク受
容層を設けてなり、その最表層が実質的に熱可塑性有機
高分子微粒子からなるインクジェット記録シートにおい
て、該記録シートのCD方向の加熱収縮率が0.1%以
上3.5%以下であり、かつ、該支持体が木材パルプを
主成分とする紙であることを特徴とする非水性インク用
インクジェット記録シートである。加熱収縮率が0.1
%未満の場合は、その支持体の製造が困難であり、加熱
収縮率が3.5%を越える記録シートは、画像記録後の
熱可塑性有機高分子微粒子を被膜化する際に加熱により
被膜層と支持体の収縮率に差が生じ、カール、波打ちな
どのトラブルを起こすため好ましくない。
【0016】本発明で言う加熱収縮率とは、温度20
℃、相対湿度65%の条件下で24時間調湿した試料
を、100℃で5分間乾燥した際の収縮量から、次式に
より算出した値である。
【0017】加熱収縮率(R)=(dL/L)×100 ここで、dLは乾燥前後での試験片長さの差、Lは加熱
前の試験片長さである。本発明では、この加熱収縮率を
原紙のクロスマシン方向について測定した。
【0018】本発明の実施に用いられる支持体として
は、通常の塗工紙に用いられる原紙あるいは上質紙な
ど、木材パルプを主成分とし適宜填料等を含有する、通
常の抄紙工程で製造される紙であるが、その種々物性が
記録シートの物性に与える影響は大きく、記録シートの
CD方向の加熱収縮率を0.1%以上3.5%以下とす
るためには、紙支持体のCD方向の加熱収縮率を小さく
する必要がある。
【0019】紙支持体のCD方向の加熱収縮率を小さく
する方法としては、α−セルロース含有率の高いパルプ
を使用すること、繊維を膨潤させる粘状叩解より切断を
優先させるようなカッティング叩解を行うこと、プレス
での搾水性を上げてドライヤーでの乾燥付加を減少させ
ること、ドライヤーでのカンバスの張力を高めること、
更には紙パ技術協会誌、45巻、1号、78頁、或は同
89〜90頁(1991)に記載されているようなオー
プンドローのないドライヤー(シングルティアドライヤ
ー)の使用等、ドライヤーで湿紙乾燥時の収縮を少なく
する方法を利用することができる。
【0020】これらの方法を適宜使用してCD方向の加
熱収縮率を0.1%以上3.5%以下とした紙を原紙と
して使用して、その上に1層以上のインク受容層を設け
てなり、その最表層が実質的に熱可塑性有機高分子微粒
子からなるインクジェット記録シートは、そのCD方向
の加熱収縮率を0.1%以上3.5%以下とすることが
出来る。
【0021】木材パルプとしては、塩素、次亜塩素酸
塩、二酸化塩素漂白の通常の漂白処理並びにアルカリ抽
出もしくはアルカリ処理および必要に応じて過酸化水
素、酸素などによる酸化漂白処理など、およびそれらの
組み合わせ処理を施した針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、
針葉樹広葉樹混合パルプの木材パルプが用いられ、ま
た、クラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソーダパル
プなどの各種のもの、更には古紙パルプ等を用いること
ができる。これらのパルプのうち短繊維で地合のとりや
すい広葉樹パルプを多く用い、具体的には広葉樹パルプ
を60重量%以上、好ましくは75重量%以上用い、叩
解機により長繊維分がなるべく少なくなるように叩解し
て用いるか、繊維長が短い古紙パルプを混合して用いる
ことが有利である。
【0022】本発明の実施に用いられる紙支持体中に
は、紙料スラリー調成時に各種の添加剤を含有せしめ
る。サイズ剤として、脂肪酸金属塩あるいは脂肪酸、ア
ルキルケテンダイマー乳化物あるいはエポキシ化高級脂
肪酸アミド、アルケニルまたはアルキルコハク酸無水物
乳化物、ロジン誘導体等を単独または併用して添加する
ことできる。その他、乾燥紙力増強剤として、アニオン
性、カチオン性あるいは両性のポリアクリルアミド、ポ
リビニルアルコール、カチオン化澱粉、植物性ガラクト
マンナン等、湿潤紙力増強剤として、ポリアミンポリア
ミドエピクロルヒドリン樹脂等、填料として、クレー、
カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン等、定着剤とし
て、塩化アルミニウム、硫酸バン土等の水溶性アルミニ
ウム塩等、pH調節剤として、苛性ソーダ、炭酸ソー
ダ、硫酸等を、その他着色顔料、着色染料、蛍光増白剤
などを適宜組み合せて含有せしめるのがより有利であ
る。
【0023】紙支持体中あるいは紙支持体上に、各種の
表面サイズ剤、水溶性ポリマー、親水性コロイドあるい
はポリマーラテックスを含有あるいは塗設せしめる。具
体的には、紙中あるいは紙上に各種の表面サイズ剤、水
溶性ポリマーもしくは親水性コロイドあるいはポリマー
ラテックスをサイズプレスもしくはタブサイズプレスあ
るいはブレード方式、エアーナイフ方式、フィルムトラ
ンスファー方式などの塗工によって固形塗布量として
1.0g/m2以上含有あるいは塗設せしめるのが好ま
しい。
【0024】紙支持体を抄紙後マシンカレンダー、スー
パーカレンダー、熱カレンダー等を用いてカレンダー処
理を行うことも可能である。
【0025】本発明の実施に用いられる紙支持体の厚み
に関しては、特に制限はないが、その坪量は40〜30
0g/m2の範囲で適宜選択することが出来る。好まし
くは60 〜280g/m2の範囲のものである。
【0026】本発明のインクジェット記録シートは、前
記紙支持体の上に、インク受容層が設けられる。本発明
で言うインク受容層とは、インク中の溶媒や色材を浸透
させたり、透過させたり、あるいは吸着、吸収又は保持
するような空隙を構成する主として無機或は有機の微粒
子とバインダーからなる層を指す。更にインク受容層が
1層の場合はその層が、多層の場合はその最表層が、実
質的に熱可塑性有機高分子微粒子とバインダーからな
る。
【0027】無機あるいは有機の微粒子としては、従来
公知の各種顔料を用いることができる。例えば、シリカ
(コロイダルシリカ、非晶質シリカ)、アルミナ或はア
ルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カ
チオン性アルミニウム酸化物又はその水和物、擬ベーマ
イト等)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸
マグネシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウ
ム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サ
チンホワイト、ケイソウ土、珪酸カルシウム、水酸化ア
ルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイ
ト、水酸化マグネシウム、などの無機顔料、更にスチレ
ン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチック
ピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹
脂、メラミン樹脂等の有機顔料等を挙げることができ
る。
【0028】これら顔料の中でも、多孔性無機顔料が好
ましく、多孔性合成非晶質シリカ、多孔性炭酸マグネシ
ウム、多孔性アルミナ等が挙げられ、特に細孔容積の大
きい多孔性合成非晶質シリカ、または多孔性アルミナ水
和物が好ましく使用できる。無機顔料が非多孔性であっ
ても塗工液調製時に凝集したり、塗工乾燥時に更に凝集
し、多孔性の塗工面が形成されることで本発明のインク
受容層用顔料として使用出来、これらの併用をすること
はなんら問題がない。
【0029】バインダーとしては、例えば、ポリビニル
アルコール、ポリ酢酸ビニル、酸化澱粉、エーテル化澱
粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、
大豆蛋白、シリル変性ポリビニルアルコール等;無水マ
レイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチル
メタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系
共重合体ラテックス;アクリル酸エステル及びメタクリ
ル酸エステルの重合体又は共重合体、アクリル酸及びメ
タクリル酸の重合体又は共重合体等のアクリル系重合体
ラテックス;エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系
重合体ラテックス;或いはこれらの各種重合体のカルボ
キシル基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体
ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹
脂系等の水性バインダー;ポリメチルメタクリレート、
ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニ
ル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、ア
ルキッド樹脂等の合成樹脂系バインダーを挙げることが
でき、少なくとも1種以上で使用することができる。
又、従来公知の染料を定着する目的として添加するカチ
オン性樹脂を併用することもできる。
【0030】バインダーの総量は、目的とするインクジ
ェット記録シートの特性に合わせて、適宜調整すること
が出来るが、一般には、顔料100重量%に対して、5
〜60重量%である。更に、その他の添加剤として、顔
料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離
型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐
水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等を適宜配合
することもできる。
【0031】本発明で使用出来る熱可塑性有機高分子微
粒子の組成としては、例えばポリスチレン、ポリメチル
スチレン、ポリメトキシスチレン、ポリクロルスチレン
等のポリモノビニリデン芳香族、ポリ塩化ビニル、ポリ
ビニルシクロヘキサン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニリデン等のポリオレフィン及びポリハ
ロオレフィン類、ポリメタクリレート、ポリクロルアク
リレート、ポリメチルメタクリレート等のα、β−エチ
レン性不飽和酸のエステル類の重合体等及びこれらの共
重合体等が挙げられる。特に低密度ポリオレフィンは好
ましく使用出来る。
【0032】熱可塑性有機高分子微粒子は、例えば一種
またはそれ以上のビニル単量体からエマルジョン重合し
てつくった、スラリー状のプラスチックピグメントやラ
テックス、及びその乾燥物や固体状のプラスチックを各
種手段によって粉砕した微粉末や微粒状に成型した粉末
等として得られる。これら熱可塑性有機高分子微粒子の
大きさとしては通常直径0.01μm〜50μmのもの
が使用される。直径0.1μm〜20μmのものが好ま
しく使用される。直径が0.01μmより小さいと形成
される空隙が小さくなりすぎ、インクの吸収性を遅くす
るため好ましくない。また50μmより大きいと、イン
クのドットより大きな面積を占める粒子が表面に存在す
ることになり、画質が低下するので好ましくない。
【0033】最表層の実質的に熱可塑性有機高分子微粒
子からなる層は塗工量(乾燥固形分)として、0.5g
/m2〜50g/m2が好ましい。又該層の下に別のイン
ク受容層を設けない場合には、その塗工量(乾燥固形
分)としては、5g/m2〜50g/m2が好ましい。こ
の場合は、熱可塑性有機高分子微粒子層がインク中の色
材の保持層として働き、原紙層がインク中の溶媒の吸収
層として働くから、塗工量が5g/m2以上のインク受
容層が必要となるからである。
【0034】これらのインク受容層を前記支持体の上に
設けた場合は、インクの吸収性にすぐれ、且つ精細な記
録画像が記録できる記録シートが得られる。
【0035】インク受容層を塗工する方法としては、各
種ブレードコータ、ロールコータ、エアーナイフコー
タ、バーコータ、ロッドコータ、ゲートロールコータ、
カーテンコータ、ショートドウェルコータ、グラビアコ
ータ、フレキソグラビアコータ、サイズプレス、フィル
ムトランスファーロールコータ、スライドホッパー方式
等の各種装置をオンマシン或はオフマシンで用いること
ができる。
【0036】又、塗工後には、マシンカレンダー、熱カ
レンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等の
カレンダーを用いて仕上げても良い。
【0037】本発明における支持体のインク受容層を設
ける反対側の面には、帯電防止性、搬送性、カール防止
性、筆記性、糊付け性等のために、各種のバックコート
層を塗設することができる。バックコート層には、無機
帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテ
ックス、硬化剤、顔料、滑剤、マット化剤、界面活性剤
等を適宜組み合わせて添加せしめることが出来る。
【0038】本発明における非水性インクとは、色材と
して、例えば、ナフトール染料、アゾ染料、金属錯塩染
料、アントラキノン染料、キノイミン染料、インジゴ染
料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロ
ソ染料、ベンゾキノン染料、カーボニウム染料、ナフト
キノン染料、ナフタルイミド染料、フタロシアニン染
料、ペリニン染料などの油溶性染料を有機溶剤に溶解ま
たは分散したものである。
【0039】特に、本発明における非水性インクとは、
例えば、特公平7−78187号公報、同7−7818
8号公報、同8−6057号公報や同8−26259号
公報などに提案されているものである。非水性インク中
に溶解または分散される油溶性染料としては、例えばC.
I.Solvent Yellow 1,2,3,4,6,7,8,10,12,13,14,16,18,1
9,21,25,25:1,28,29,30,32,33,34,36,37,38,40,42,43,4
4,47,48,55,56,58,60,62,64,65,72,73,77,79,81,82,83,
83:1,85,88,89,93,94,96,98,103,104,105,107,109,112,
114,116,117,122,123,124,128,129,130,131,133,134,13
5,138,139,140,141,143,146,147,148,149,150,151,152,
153,157,158,159,160:1,161,162,163,164,165,167,168,
169,170,171,172など;C.I.Solvent Red 1,2,3,4,7,8,1
3,14,17,18,19,23,24,25,26,27,29,30,33,35,37,39,41,
42,43,45,46,47,48,49,49:1,52,68,69,72,73,74,80,81,
82,83,83:1,84,84:1,89,90,90:1,91,92,106,109,111,11
7,118,119,122,124,125,127,130,132,135,138,140,143,
145,146,149,150,151,152,155,160,164,165,166,168,16
9,172,175,176,177,179,180,181,182,185,188,189,195,
198,202,203,204,205,206,207,208,209,210,212,213,21
4,215,216,217,218,219,220,221,222,223,224,225,226,
227,228,229など;C.I.Solvent Blue 2,4,5,7,10,11,1
2,22,25,26,35,36,37,38,43,44,45,48,49,50,51,59,63,
64,66,67,68,70,72,79,81,83,91,94,95,97,98,99,100,1
02,104,105,111,112,116,117,118,122,127,128,129,13
0,131,132,133,134など;C.I.Solvent Black 3,5,6,7,
8,13,22,22:1,23,26,27,28,29,33,34,35,39,40,41,42,4
3,45,46,47,48,49,50などを挙げることができる。
【0040】これらの油溶性染料の中でも特に、C.I.So
lvent Yellow 3,14,16,33,56、C.I.Solvent Red 18,24,2
7,122,135、C.I.Solvent Blue 14,25,35,48,108、C.I.Sol
ventBlack 3,7,22,34,50は、染料の堅牢性が高いため、
好適に用いることができる。
【0041】非水性インクに用いられる溶剤としては、
インクジェット記録装置のインク吐出ヘッドの特性に適
合するように、あるいは安全性の観点から種々な溶剤が
選択され、場合によっては複数種の溶剤を混合して用い
る場合もある。
【0042】このような溶剤の代表的な例を以下に挙げ
れば、例えば、ペガゾール(モービル石油)、シェルS
BR、シェルゾール(シェル石油製)などの石油ナフサ
系溶剤類;ハイソゾール(日本石油製)などの芳香族系
石油溶剤、ソルトール(フィリップス石油製)、エクソ
ゾール(エクソン化学製)アイソパー(エクソン製)、
IPソルベント(出光石油化学製)などの脂肪族系石油
溶剤;インクソルベント(三菱石油製)などのナフテン
系石油溶剤;モノまたはジ置換アルキルナフタレン、ビ
フェニルのアルキル誘導体、キシリルエタン、フェネチ
ルクメンなどの芳香族炭化水素系溶剤;メチルアルコー
ル、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−
ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソ
ブチルアルコールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコ
ール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド
などのアミド類;アセトン、ジアセトンアルコールなど
のケトンまたはケトンアルコール類;テトラヒドロフラ
ン、ジオキサンなどのエーテル類;ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレン
グリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、
1、2、6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、
ヘキシレングリコール、ジエチレングリコールなどのア
ルキレン基が2〜6個のアルキレングリコール類;グリ
セリン、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールメチル(またはエチル)エーテル、トリエ
チレングリコールモノメチルエーテルなどの多価アルコ
ールの低級アルキルエーテル類;リン酸トリブチル、リ
ン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、
リン酸トリクレシンルなどのリン酸エステル類;フタル
酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フ
タル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル
酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フ
タル酸オクチルデシル、フタル酸ブチルベンジルなどの
フタル酸エステル類;オレイン酸ブチル、グリセリンモ
ノオレイン酸エステルなどの脂肪族1塩基酸エステル
類;アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−2−エチルヘ
キシル、アジピン酸アルキル610、アゼライン酸ジ−
2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸
ジ−2−エチルヘキシルなどの脂肪族ニ塩基酸エステル
類;アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール
酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチ
ルクエン酸トリブチルなどのオキシ酸エステル類;塩素
化パラフィン、塩素化ビフェニル、2−ニトロビフェニ
ル、ジノニルナフタレン、o−およびp−トルエンスル
ホンエチルアミド、ショウ脳、アビエチン酸メチルなど
の可塑剤類などを挙げることができる。
【0043】また、例えば、特公平6−247034号
公報や同6−306319号公報などに提案されてい
る、いわゆる熱溶融タイプインクジェット記録用の非水
性インクであっても、本発明の非水性インク用インクジ
ェット記録シートであれば好適なインクジェット記録を
行うことができる。熱溶融タイプインクジェット記録用
非水性インクでは、以下のような溶剤が一般的に用いら
れる。例えば、ポリエチレンワックス、オゾケライト、
セレシン、キャンデリラワックス、ライスワックス、ホ
ホバ固体ロウ、ミツロウ、ラノリン、鯨ロウ、フィッシ
ャートロプシュワックス、カルナバワックス、パラフィ
ンワックス、サゾールワックス、マイクロクリスタリン
ワックス、エステルワックスなどのワックス類;1,8
−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,
12−ドデカンジオールなどのジオール類;ラウリン
酸、ステアリン酸、パルミチン酸などの脂肪酸類;ラウ
リン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミ
ド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、12−ヒド
ロキシステアリン酸アミド、特殊脂肪酸アミドなどの脂
肪酸アミド類;一般式RCONHR’あるいはRNHC
OR’CONHRで表されるN−置換脂肪酸アミド類;
アルキロールアミド類;セチルアルコール、ステアリル
アルコールなどの高級アルコール類;芳香族エステル、
芳香族アルコールなどの芳香族化合物;ラウリン酸メチ
ル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステア
リン酸メチル、やし脂肪酸メチル、ミリスチン酸イソプ
ロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクタデシ
ル、オレイン酸オレイルなどの1価アルコール脂肪酸エ
ステル類;グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪
酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エ
チレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
脂肪酸エステルなどの多価アルコール脂肪酸エステル
類;エポキシ樹脂類;ポリアミド樹脂類;ポリエステル
樹脂類;ポリアクリル樹脂類;ポリウレタン樹脂類;ポ
リオレフィン樹脂類。
【0044】上記したような各種非水性インクでは、そ
の保存安定性や印字後の耐擦過性などを向上させる目的
で、例えば、ポリアクリル酸エステル、アマニ油変性ア
ルキッド樹脂、ポリスチレン、ロジン系樹脂、テルペン
フェノール系樹脂、アルキルフェノール変性キシレン樹
脂などの極性樹脂を添加したり、金属封鎖剤、表面張力
調整剤、界面活性剤、粘度調整剤、消泡剤、抑泡剤、離
型剤、発泡剤、浸透剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、防
腐剤、耐水化剤、レオロジーモデファイヤーおよび酸化
防止剤などの添加剤を適宜含有することもできる。
【0045】上記したような何れの非水性インクにおい
ても、従来公知の水性インクに比べて色材、すなわち油
溶性染料の溶解濃度を高くすることが容易である。一概
には言えないが、水性インクの数倍から十数倍の濃度で
溶解あるいは分散し、良好なインク吐出ヘッドの特性を
達成することが可能である。したがって、同一な画像濃
度を得る場合のインク吐出量は、油性インクのほうが少
なくて済み経済的である。
【0046】本発明の非水性インク用インクジェット記
録シートであれば、上記のような油溶性染料を用いた非
水性インクのみならず、従来公知の油性顔料インクにお
いても好適に用いることができる。ここで、顔料として
は、例えば、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレ
ッド、ファイヤーレッド、ナフチラミンボルドー、オル
トニトロアニリンオレンジ、パーマネントレッドG、レ
ーキファストオレンジ3GL、リゾールレッド、レーキ
レッドC、レーキレッドDなどのアゾ系顔料、ウオッチ
ングレッド、ブリリアントカーミン6B、ボルドー10
B、マルーンライト、エローGL、オレンジG、ナフト
ールASITRなどの難溶性アゾ系顔料、パーマネント
レッドFR、パーマネントレッドFRLL、パーマネン
トレッドFGR、パーマネントレッドFBL、パーマネ
ントレッドFRR、カーミンBS、ファストエローG、
ファストエローG、ファストエロー3G、ファストエロ
ー5G、ファストエロー10G、ファストエローGR、
ベンチジンエロー、ベンチジンエローR、ベンチジンエ
ローGR、ベンチジンエローG、ベンチジンエロー5G
などの不溶性アゾ系顔料、銅フタロシアニン、塩素化銅
フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシ
アニン系顔料、シンカシアレッドY、シンカシアレッド
B、シンカシアレッドRなどのキナクリドン系顔料、ト
リフェンジオイサジン、カルバゾールジオイサジンバイ
オレッド、バイオレットなどのジオキサジン系顔料、ア
ンスラピリミジンエロー、フラバンスロンエロー、アン
スアンスロンスカーレッド、インダンスロンブルー、イ
ソベオランスロンバイオレット、チオインジゴボルド
ー、チオインジゴマルーン、ペリノンオレンジ、マルー
ン、スカーレットなどの建染染料系顔料、縮合アゾ顔
料、イソインドリノン系顔料や酸化チタン、亜鉛華、ク
ロム酸鉛系顔料、カドミウム系顔料などの無機系顔料を
挙げることができる。
【0047】本発明における熱可塑性有機高分子微粒子
からなる最表層の役割は、飛翔し最表層に付着したイン
クを、直ちに吸収し溶媒を下層に受け渡すことと、イン
クジェット記録後、適当な手段によって被膜化し、記録
画像を水や光から保護することである。
【0048】本発明のインクジェット記録シートは、イ
ンクジェット記録装置で文字や画像を記録したままの状
態では、インク受容層が空隙を有しているために、画像
は白っぽく、あまり鮮明ではない。 本発明ではインク
ジェット記録画像を記録した後、最表層の熱可塑性有機
高分子微粒子を、溶解、又は融解して被膜化して耐水性
の透明な層に変化させる工程が必要である。
【0049】最表層を被膜化する方法としては、熱可塑
性有機高分子の溶媒を付与して溶解させたり、熱を加え
て融解被膜化する方法等がある。熱を加えるに際して熱
可塑性有機高分子の軟化点を下げる物質、特に可塑剤を
あらかじめ付与してから加熱することは被膜形成に有利
である。
【0050】更に、通常熱可塑性有機高分子に使われる
ような紫外線吸収剤、酸化防止剤、離型剤、光安定剤等
を付与することは、形成された熱可塑性有機高分子被膜
の劣化を防ぎ、更にインクジェット画像の染料の耐光性
を向上させるために望ましい。
【0051】本発明においては、以上述べたようにイン
クジェット記録後、最表層を被膜化するため、溶剤を付
与したり、熱を加える。この際被膜化した熱可塑性有機
高分子層や紙支持体が伸縮を起こし、そのバランスが崩
れた時、カールや波打ちを発生し、見た目の美しさを損
なう。従って本発明の記録シートは加熱収縮、特にCD
方向の加熱収縮が少ない事が必要で、加熱収縮率が0.
1%以上3.5%以下の範囲にした記録シートが用いら
れる。
【0052】
【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げて説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
又、実施例において示す「部」及び「%」は、特に明示
しない限り重量部及び重量%を示す。
【0053】<支持体Aの作製>ダブルディスクリファ
イナーで300ml、csfまで叩解した広葉樹漂白ク
ラフトパルプを85重量%、及びダブルディスクリファ
イナーで400ml、csfまでカッティング叩解した
針葉樹漂白クラフトパルプを15重量%から成る混合パ
ルプに対し、カチオン化澱粉1.0重量%、アルキルケ
テンダイマーサイズ剤0.1重量%、及び重質炭酸カル
シウム填料を12重量%添加して紙料スラリーを調製し
た。その紙料スラリーから、長網抄紙機で紙匹を形成し
高プレス圧で搾水後、シングルティアドライヤーで乾燥
し、乾燥の途中で酸化澱粉の5重量%溶液をサイズプレ
スし、最終的に得られる基紙水分が絶乾水分で6重量%
になるように乾燥し、マシンカレンダー処理して、坪量
80g/m2のインクジェット記録シート用の支持体A
を製造した。この支持体AのCD方向の加熱収縮率は
0.53%であった。
【0054】<支持体Bの作製>ダブルディスクリファ
イナーで320ml、csfまで叩解した広葉樹漂白ク
ラフトパルプを75重量%、及びダブルディスクリファ
イナーで430ml、csfまでカッティング叩解した
針葉樹漂白クラフトパルプを25重量%から成る混合パ
ルプに対し、カチオン化澱粉1.0重量%、アルキルケ
テンダイマーサイズ剤0.1重量%、及び重質炭酸カル
シウム填料を7重量%添加して紙料スラリーを調製し
た。その紙料スラリーから、長網抄紙機で紙匹を形成し
高プレス圧で搾水後、多筒式ドライヤー乾燥工程で乾燥
し、乾燥の途中で酸化澱粉の5重量%溶液をサイズプレ
スし、最終的に得られる基紙水分が絶乾水分で8重量%
になるように乾燥し、マシンカレンダー処理して、坪量
80g/m2のインクジェット記録シート用の支持体B
を製造した。この支持体BのCD方向の加熱収縮率は
3.37%であった。
【0055】<支持体Cの作製>ダブルディスクリファ
イナーで300ml、csfまで粘状叩解した広葉樹漂
白クラフトパルプを75重量%、及びダブルディスクリ
ファイナーで350ml、csfまで粘状叩解した針葉
樹漂白クラフトパルプを25重量%から成る混合パルプ
に対し、カチオン化澱粉1.0重量%、アルキルケテン
ダイマーサイズ剤0.1重量%、及び重質炭酸カルシウ
ム填料を7重量%添加して紙料スラリーを調製した。そ
の紙料スラリーから、多筒式ドライヤー乾燥工程を持
つ、長網抄紙機で紙匹を形成し、乾燥の途中で酸化澱粉
の5重量%溶液をサイズプレスし、最終的に得られる基
紙水分が絶乾水分で8重量%になるように乾燥し、マシ
ンカレンダー処理して、坪量80g/m2のインクジェ
ット記録シート用の支持体Cを製造した。この支持体C
のCD方向の加熱収縮率は3.92%であった。
【0056】実施例1、2及び比較例1 上記の支持体に、熱可塑性有機高分子微粒子の水分散物
であるポリオレフィン系ラテックス(ケミパールM20
0:三井化学社製)25部(固形分)、ポリビニルピロ
リドン3.0部からなる固形分約30%の塗工液をカー
テンコータにより乾燥塗工量25g/m2になるように
塗工、乾燥して、インクジェット記録シートを作製し
た。支持体Aを使用した例が実施例1、支持体Bを使用
した例が実施例2、支持体Cを使用した例が比較例1で
ある。
【0057】実施例3、4及び比較例2 前記支持体A、B,Cに下記配合のインク受容層を10
g/m2塗工し、次いで実施例1、2及び比較例1で塗
工したと同じ塗工液を8g/m2に成るようにその上に
塗工、乾燥して、インクジェット記録シートを作製し
た。支持体Aを使用した例が実施例3、支持体Bを使用
した例が実施例4、支持体Cを使用した例が比較例2で
ある。 <インク受容層配合> 合成非晶質シリカ(吸油量236ml/100g、平均粒子径 3.5μm) 100部 PVA(PVA117、クラレ製、10%水溶液) 200部 カチオン定着剤 (スミレーズレジン1001、住友化学製、30%水溶液) 50部 水 450部
【0058】[記録シートの加熱収縮率]記録シートの
加熱収縮率は、温度20℃、相対湿度65%の条件下で
24時間調湿した試料を、100℃で5分間乾燥した際
の収縮量から、次式により算出した値である。 加熱収縮率(R)=(dL/L)×100 ここで、dLは乾燥前後での試験片長さの差、Lは加熱
前の試験片長さである。この加熱収縮率を原紙のクロス
マシン方向について測定した。
【0059】[インクジェット記録物の作製]上記によ
り得られたインクジェット記録シートに、セイコー電子
工業社製油性カラーインクジェットプロッタ(IP−4
000)を用い、4原色のべた印字及び高精細な写真画
像の記録を行い、ついで、120℃に加熱して、最表層
を溶融し被膜化した。このようにして作製したインクジ
ェット記録シート及び記録物について、下記の評価方法
により評価し、その結果をまとめて表1に示す。
【0060】[波打ち]波打ちの評価は、最表層を被膜
化した後、20℃、65%RHの条件で、24時間調湿
し、表面の波打ち状態を目視で判定し、全く波打ちのな
いものを○、やや波打ちがあるが、品質上問題がないも
のを△、波打ちがあり、見栄えの悪いものを×とした。
【0061】[カール]カールの評価は、最表層を被膜
化した後、10cm×10cmに切り抜いた試料を20
℃、65%RHの条件で、24時間調湿し、カールの状
態を目視で判定し、殆どカールのないものを○、ややカ
ールがあるが、品質上問題がないものを△、カールがひ
どいものを×とした。
【0062】
【表1】
【0063】表1の結果、本発明の実施例の如く記録シ
ートの加熱収縮率が3.5%以下のものは波打ち、カー
ルとも良好であるが、加熱収縮率が3.5%より大きい
比較例では、波打ち又はカールが悪く実用的でない。
【0064】
【発明の効果】以上から、本発明によれば非水性インク
によるインクジェット用記録シートで、印字後加熱する
ことで、表面が溶融樹脂で被覆され、波打ちやカールの
ない、屋外などで使用した場合でも耐水性、保存性の良
いインクジェット記録物が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、1層以上のインク受容層を
    設けてなり、その最表層が実質的に熱可塑性有機高分子
    微粒子からなるインクジェット記録シートにおいて、該
    記録シートのクロスマシン(CD)方向の加熱収縮率が
    0.1%以上3.5%以下であり、かつ、該支持体が木
    材パルプを主成分とする紙であることを特徴とする非水
    性インク用インクジェット記録シート。
  2. 【請求項2】 実質的に熱可塑性有機高分子微粒子から
    なる該最表層が、塗工量として5g/m2以上50g/
    2以下の範囲である請求項1記載の非水性インク用イ
    ンクジェット記録シート。
  3. 【請求項3】 請求項1乃至2に記載のインクジェット
    記録シートに、非水性インクでインクジェット記録後、
    該熱可塑性有機高分子微粒子からなる層を溶解または融
    解して、該熱可塑性有機高分子微粒子が融着した層とす
    ることを特徴とする記録物の作成方法。
JP10351330A 1998-12-10 1998-12-10 非水性インク用インクジェット記録シート及びそれを使用した記録物の作成方法 Pending JP2000168229A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2004069550A1 (ja) * 2003-02-07 2006-05-25 三井化学株式会社 インクジェット記録用紙
JP2012071495A (ja) * 2010-09-29 2012-04-12 Riso Kagaku Corp インクジェット記録紙及びインクジェット印刷方法
JP2015104872A (ja) * 2013-11-29 2015-06-08 理想科学工業株式会社 油性インクジェット印刷方法及びインクセット

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