JP2012071495A - インクジェット記録紙及びインクジェット印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット印刷システム、特に、解像度300dpi以下のラインヘッド式インクジェットプリンタを用いて印刷するインクジェット印刷システムにおいて、大きなドット面積と高い印刷濃度を達成する。
【解決手段】記録紙の被印刷面にK値が40以下のポリビニルピロリドンを濃度0.1〜〜3.0g/mで塗工することにより、記録紙へ吐出された油性インク中の顔料の記録紙内部への浸透を抑制するとともに、記録紙の平面方向への浸透を許容せしめ、大きなドット面積と高い印刷濃度を達成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット印刷において、少量の液滴、具体的には5〜50pL/dotの液滴で大きなドット面積と高い印刷濃度を達成することができる記録紙及び印刷方法に関する。
インクジェット印刷システムにおいては、近年、記録媒体の制約を受けずに高速でフルカラー印刷が行えることが益々要求されている。この要求に応えるために、油性インクを使用したラインヘッド方式のインクジェットプリンタが本出願人によって既に上市されている。
油性インクは、印刷媒体として普通紙を用いた場合、印刷媒体への浸透性及び乾燥性に優れるだけでなく、溶媒が揮発し難いため、インクノズルにおける目詰まりが生じにくく、インクノズルのクリーニング回数が少なくて済むといった利点があり、上記したラインヘッド方式の高速インクジェットプリンタに適している。
しかし、油性インクは、印刷媒体上での色材と溶媒の離脱性が悪く、特に印刷媒体として普通紙を用いた場合、色材と溶媒が一緒に印刷媒体の繊維間隙に浸透し易く、印刷濃度の低下、裏抜けの増大、印刷ドットの滲みが生じ、印刷画像の画質が悪化するという欠点があった。
従来から、水性インク用には、色材を紙表面に留めるために、シリカ等の多孔性粒子からなるインク受容層を表面に備えたインクジェット記録紙は存在する。このようなインクジェット記録紙では、プリンタヘッドからインクが吐出されると、該インク中の溶剤が多孔性粒子の細孔内に取り込まれ、顔料が多孔性粒子の表面に定着する。しかし、解像度が300dpi以下のラインヘッド方式の高速インクジェットプリンタで油性インクを用いて印刷した場合、ドット間に隙間ができて、印刷濃度が低下するという問題があった。
また、水性インク用のインクジェット記録紙としては、被印刷面に水溶性樹脂を塗工して水性インクの吸収を遅延させ、印刷濃度を高めるようにしたものが提案されている(特許文献1及び2)。しかし、このようなインクジェット記録紙に油性インクを用いて印刷した場合、油性インクの吸収を促進させるため、印刷画像の画質が悪化するという欠点があった。
特開2009−125935号公報 特開2006−297911号公報
本発明は、顔料を含有する油性インクを記録紙の被印刷面上へ吐出させることにより印刷を行う油性インクジェット印刷システム、特に、解像度300dpi以下のラインヘッド式インクジェットプリンタを用いて印刷するインクジェット印刷システムにおいて、大きなドット面積と高い印刷濃度を達成できるインクジェット記録紙を提供することを目的とする。
また、本発明は、前処理液を記録紙の被印刷面へ塗布して前処理した後、顔料を含有する油性インクを前記被印刷面上へ吐出させることにより印刷を行う油性インクジェット印刷システム、特に、解像度300dpi以下のラインヘッド式インクジェットプリンタを用いて記録紙に印刷するインクジェット印刷システムにおいて、新規な前処理液を提供することにより、大きなドット面積と高い印刷濃度を達成することを目的とする。
本発明者は、上記目的の下に鋭意研究した結果、上記油性インクジェット印刷システムにおいて、印刷前に記録紙の被印刷面を特定の濃度の水溶性樹脂で塗工して前処理することにより、記録紙へ吐出された油性インク中の顔料の記録紙内部への浸透は抑制される一方で記録紙の平面方向への浸透は許容されるため、大きなドット面積と高い印刷濃度を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一局面によれば、被印刷面に、K値が40以下のポリビニルピロリドンを0.1〜3.0g/m塗布してなることを特徴とするインクジェット記録紙が提供される。
また、本発明の他の局面によれば、前処理液を記録紙の被印刷面へ塗布して前処理した後、顔料および溶剤を少なくとも含んでなる油性インクを前記被印刷面上へ吐出させることにより印刷を行うインクジェット印刷方法において、前記前処理は、K値が40以下のポリビニルピロリドンを含む前処理液を前記被印刷面へ前記ポリビニルピロリドン濃度0.1〜3.0g/mで塗布することにより行うことを特徴とするインクジェット印刷方法が提供される。
本発明によれば、油性インクでインクジェット印刷される記録紙の被印刷面にK値が40以下のポリビニルピロリドンを前記ポリビニルピロリドン濃度0.1〜3.0g/mで塗布することとしたので、記録紙へ吐出された油性インク中の顔料の記録紙内部への浸透は抑制される一方で記録紙の平面方向への浸透は許容されるため、大きなドット面積と高い印刷濃度を達成できる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
1.油性インク
本発明で使用する油性インクは、溶剤及び顔料から主として構成されるが、必要に応じて、その他の成分を含有してもよい。
1−1.溶剤
溶剤は、インクの溶媒すなわちビヒクルとして機能するものであれば特に限定されず、揮発性溶剤及び難揮発性溶剤の何れであってもよい。しかしながら、本発明では環境上の観点から、溶剤は、難揮発性溶剤を主体として含有することが好ましい。難揮発性溶剤の沸点は、200℃以上が好ましく、より好ましくは240℃以上である。
溶剤としては、非極性有機溶剤及び極性有機溶剤の何れの有機溶剤も使用できる。これらは、単独で使用してもよく、または、単一の相を形成する限り、2種以上組み合わせて使用できる。本発明では、非極性有機溶剤及び極性有機溶剤を組み合わせて使用することが好ましく、20〜80質量%の非極性溶剤と80〜20質量%の極性溶剤とから溶剤を構成することが好ましく、30〜45質量%の非極性溶剤と55〜70質量%の極性溶剤とから溶剤を構成することがより好ましい。
1−1−1.非極性溶剤
非極性有機溶剤としては、ナフテン系、パラフィン系、イソパラフィン系等の石油系炭化水素溶剤を使用でき、具体的には、ドデカンなどの脂肪族飽和炭化水素類、エクソンモービル社製「アイソパー、エクソール」(いずれも商品名)、新日本石油社製「AFソルベント、ノルマルパラフィンH」(いずれも商品名)、サン石油社製「サンセン、サンパー」(いずれも商品名)等が挙げられる。これらは、単独で、または、2種以上組み合わせて用いることができる。
1−1−2.極性溶剤
極性有機溶剤としては、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、脂肪酸系溶剤、エーテル系溶剤などが挙げられる。これらは、単独で、または、2種以上組み合わせて用いることができる。
エステル系溶剤としては、例えば、1分子中の炭素数が5以上、好ましくは9以上、より好ましくは12乃至32の高級脂肪酸エステル類が挙げられ、例えば、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、ラウリル酸メチル、ラウリル酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸イソステアリル、イソパルミチン酸イソオクチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ヘキシル、リノール酸メチル、リノール酸イソブチル、リノール酸エチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソオクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ピバリン酸2−オクチルドデシル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、モノカプリン酸プロピレングリコール、トリ2エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2エチルヘキサン酸グリセリルなどが挙げられる。
アルコール系溶剤としては、例えば、1分子中の炭素数が12以上の脂肪族高級アルコール類が挙げられ、具体的には、イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコールなどの高級アルコールが挙げられる。
脂肪酸系溶剤としては、例えば、1分子中の炭素数が4以上、好ましくは9乃至22の脂肪酸類が挙げられ、イソノナン酸、イソミリスチン酸、ヘキサデカン酸、イソパルミチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸などが挙げられる、
エーテル系溶剤としては、ジエチルグリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテルなどのグリコールエーテル類の他、グリコールエーテル類のアセタートなどが挙げられる。
1−2.顔料
顔料としては、有機顔料、無機顔料を問わず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用でき、特に限定されない。具体的には、カーボンブラック、カドミウムレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、酸化クロム、ピリジアン、チタンコバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料などが好適に使用できる。これらの顔料は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
顔料は、油性インキ全量に対して0.01〜20質量%の範囲で含有されることが好ましい。
1−3.顔料分散剤
油性インク中における顔料の分散を良好にするために、油性インクに顔料分散剤を添加することが好ましい。本発明で使用できる顔料分散剤としては、顔料を溶剤中に安定して分散させるものであれば特に限定されないが、例えば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルポリアミン、ステアリルアミンアセテート等が好適に使用され、そのうち、高分子分散剤を使用するのが好ましい。
顔料分散剤の具体例としては、日本ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、13940(ポリエステルアミン系)、17000、18000(脂肪酸アミン系)、11200、22000、24000、28000」(いずれも商品名)、Efka CHEMICALS社製「エフカ400、401、402、403、450、451、453(変性ポリアクリレート)、46,47,48,49,4010,4055(変性ポリウレタン)」(いずれも商品名)、花王社製「デモールP、EP、ポイズ520、521、530、ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子界面活性剤)」(いずれも商品名)、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、KS−873N4(高分子ポリエステルのアミン塩)」(いずれも商品名)、第一工業製薬社製「ディスコール202、206、OA−202、OA−600(多鎖型高分子非イオン系)」(いずれも商品名)等が挙げられる。
上記顔料分散剤のうち、ポリエステル鎖からなる側鎖を複数備える櫛形構造のポリアミド系分散剤が好ましく使用される。ポリエステル鎖からなる側鎖を複数備える櫛形構造のポリアミド系分散剤とは、ポリエチレンイミンのような主鎖に多数の窒素原子を備え、該窒素原子を介してアミド結合した側鎖を複数備える化合物であって、該側鎖がポリエステル鎖であるものをいい、例えば、特開平5−177123号公報に開示されているような、ポリエチレンイミンなどのポリアルキレンイミンからなる主鎖一分子当り3〜80個のポリ(カルボニル―C3〜C6―アルキレンオキシ)鎖がアミド架橋によって側鎖として結合している構造の分散剤が挙げられる。なお、かかる櫛形構造のポリアミド系分散剤としては、上記日本ルーブリゾール社製ソルスパース11200、ソルスパース28000(何れも商品名)が該当する。
顔料分散剤の含有量は、上記顔料を十分に上記有機溶剤中に分散可能な量であれば足り、適宜設定できる。
1−4.その他の成分
本発明の油性インクには、インクの性状に悪影響を与えない限り、上記有機溶剤、顔料、顔料分散剤以外に、例えば、染料、界面活性剤、定着剤、防腐剤等の他の成分を添加できる。
1−5.油性インクの製造方法
本発明の油性インクは、例えばビーズミル等の公知の分散機に全成分を一括又は分割して投入して分散させ、所望により、メンブレンフィルター等の公知のろ過機を通すことにより調製できる。例えば、予め溶剤の一部と顔料の全量を均一に混合させた混合液を調製して分散機にて分散させた後、この分散液に残りの成分を添加してろ過機を通すことにより調製することができる。
2.前処理液
本発明で使用する前処理液は、ポリビニルピロリドンおよび溶剤を少なくとも含んでなり、必要に応じて、その他の成分を含有してもよい。
2−1.ポリビニルピロリドン
ポリビニルピロリドンとしては、K値が40以下のものが用いられ、K値が35以下のものが好ましく用いられ、K値が30以下のものが特に好ましく用いられる。K値が40を超える場合、記録紙へ吐出された油性インクが記録紙の平面方向に浸透し難くなるため、ドット面積が小さくなり、印字濃度が低下する。なお、K値は、ポリビニルピロリドンの分子量と相関がある値であり、その値が高いほど親水性が低下する。なお、K値の下限は、特に限定されないが、通常、15以上が好ましい。ポリビニルピロリドンの分子量は300×10以下が好ましく、100×10以下がより好ましい。
ポリビニルピロリドンは、記録紙の被印刷面に0.1〜3.0g/mの濃度で塗布できる濃度で前処理液中に含有されていればよく、前処理液全量に対して0.1〜30 質量%の範囲で含有されることが好ましく、1〜15質量%の範囲で含有されることがより好ましい。前処理液のポリビニルピロリドン濃度が低すぎると、ポリビニルピロリドンを必要な量だけ塗布するのに時間と手間を要することになり、濃度が高すぎると、前処理液の粘度が高まり、塗布が困難になる。
ポリビニルピロリドンの記録紙の被印刷面への塗布量は、ポリビニルピロリドンの量にして0.5〜3.0g/mであることが好ましく、1.0〜2.0g/mであることがより好ましい。ポリビニルピロリドンの塗布量が少なすぎる場合でも多すぎる場合でも、十分な印刷濃度が得られない。なお、ポリビニルピロリドンの塗布量は、前処理液中のポリビニルピロリドンの濃度を変化させたり、塗布する前処理液の量や、前処理液の塗布回数を変化させることにより、調節することができる。
2−2.溶剤
本発明で使用する前処理液の溶剤は、水および有機溶剤からなる群より選択して使用できる。有機溶剤は、水溶性有機溶剤であっても非水溶性有機溶剤であってもよいが、ポリビニルピロリドンの分散性の点から、水溶性有機溶剤を使用することが好ましい。
水溶性有機溶剤としては、グリコール系溶剤、グリコールエーテル類、グリコールエーテル類のアセタート、低級アルコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、イミダゾリジノン系溶剤、3−メチル−2,4−ペンタンジオールなどが挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、また、単一の相を形成する限り、2種以上混合して使用してもよい。
前処理液の乾燥時間を短くできることから、溶剤は低沸点の揮発性溶剤が好ましい。沸点は120℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましい。
グリコール系溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコール類が挙げられる。
グリコールエーテル類としては、アルキレングリコールアルキルエーテル及びポリアルキレングリコールアルキルエーテル(本明細書では、両者を(ポリ)アルキレングリコールアルキルエーテルと総称する)が挙げられ、例えば、下記化学式(1)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012071495
(式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6好ましくは4〜6のアルキル基であり、nは1乃至4の整数である。)
上記化学式(1)で示される(ポリ)アルキレングリコールアルキルエーテルの具体例としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノプロピルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテルなどが挙げられる。
他の(ポリ)アルキレングリコールアルキルエーテルの具体例としては、下記化学式(2)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012071495
(式(2)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6好ましくは4〜6のアルキル基であり、nは1乃至4の整数である。)
上記化学式(2)で示される(ポリ)アルキレングリコールアルキルエーテルの具体例としては、例えば、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテルなどが挙げられる。
低級アルコールとしては、例えば一分子中の炭素数が1〜6の脂肪族アルコール類が挙げられ、具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。
これらの水溶性有機溶剤のうち、低級アルコールが好ましく使用される。
前処理液の溶剤は、水および上記各種有機溶剤からなる群より選ばれた1種または2種以上から構成してもよい。しかし、前処理液の溶剤として水を使用した場合は、ポリビニルピロリドンが記録紙内部に浸透しにくくなるため、ドット面積の向上効果や印刷濃度の向上効果が得られにくくなる場合があり、また、記録紙の変形が生じ、記録紙の搬送性が低下し、高速印刷の阻害要因となるので注意が必要である。これを防止するためには、前処理液の溶剤を、全量水溶性有機溶剤から構成することが好ましい。
2−3.その他の成分
本発明で使用する前処理液には、その性状に悪影響を与えない限り、上記溶剤、ポリビニルピロリドン以外に、例えば、分散剤、界面活性剤、定着剤、防腐剤等の他の成分を添加できる。
2−4.前処理液の製造方法
本発明で使用する前処理液は、例えば公知のミキサーに全成分を一括又は分割して投入して分散及び溶解させることにより調製できる。例えば、予め溶剤の一部とポリビニルピロリドンの全量を均一に溶解させた溶液を調製した後、この溶液に残りの成分を添加して混合し、所望により、ろ過機を通すことにより調製することができる。
3.インクジェット記録紙
本発明のインクジェット記録紙は、普通紙などの印刷用紙の被印刷面に上記前処理液を塗布して乾燥することにより製造することができる。上記前処理液を塗布する被印刷面は、印刷用紙の全面であっても、印刷に必要な一部分であってもよい。
前処理液の塗布は、公知の印刷方法でおこなうことができ、例えば、刷毛、ローラー、バーコーター等を使用して印刷用紙の表面を均一にコーティングすることによって行ってもよく、または、インクジェット印刷及びグラビア印刷などの印刷手段によって画像を印刷することで行ってもよい。
ポリビニルピロリドンの塗布量は、0.1〜3.0g/mであることが必要であり、好ましい塗布量は上記のとおりである。この塗布量は、前処理液中のポリビニルピロリドンの濃度を変化させたり、塗布する前処理液の量や、前処理液の塗布回数を変化させることにより、調節することができる。
前処理液の乾燥は、前処理液の塗布後に記録紙を自然乾燥させる他、記録紙に熱風を当てる、熱したロールの下に記録紙を搬送させるなど、既存の方法を用いることができる。
4.インクジェット印刷方法
本発明のインクジェット印刷方法は、前処理液を記録紙の被印刷面へ塗布した後、油性インクを該被印刷面上へ吐出させることにより行われる。前処理液の記録紙への塗布は、上記インクジェット記録紙について記載したのと同じ要領で行うことができる。また、本発明の印刷方法は、インクジェットプリンタを使用し、記録紙の被印刷面へ前処理液をインクジェット印刷で塗布した後、これに重ねて油性インクをインクジェット印刷することにより行ってもよい。なお、本発明では、前処理液を記録紙の被印刷面に塗布した後、塗布された前処理液が浸透および蒸発乾燥した後に油性インクを吐出させることが好ましい。そのため、前処理液中の溶剤量が多い場合には、油性インク印刷前に乾燥工程を付与してもよい。乾燥工程は、前処理液の塗布後に記録紙に熱風を当てる、熱したロールの下に印刷媒体を搬送させるなど、既存の方法を用いることができる。
本発明のインクジェット印刷方法を容易に実施できるように、上記前処理液と油性インクを少なくとも含むインクセットを構成して販売すると好都合である。この場合、前処理液は、記録紙の被印刷面へK値が40以下のポリビニルピロリドンを濃度0.1〜3.0g/mで塗布することができる形態で提供されることが必要であり、例えば、上記インクジェット記録紙について記載したのと同じ印刷方法で塗布可能な濃度に調節されたポリビニルピロリドン溶液の形態で提供される。前処理液をインクジェット印刷で塗布する場合は、油性インクのカートリッジと同じカートリッジに収容して提供することもできる。
本発明において、前処理液を塗布する記録紙は、特に限定されるものではなく、普通紙、光沢紙、特殊紙などが使用できる。とりわけ、本発明によれば、普通紙に印刷する場合でも、顔料が記録紙の内部に浸透せずに記録紙の表面のみで浸透が生じるので、大きなドット面積と高い印字濃度が得られる。
以下、本発明を実施例及び比較例により詳細に説明するが、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1〜6、比較例1、2及び7
(1)前処理
普通紙1(理想科学工業株式会社製「理想用紙薄口(商品名)」)又は普通紙2(アスクルマルチペーパースーパーセレクトスムース))の片面に、ポリビニルピロリドンの5.0質量%メタノール溶液をグラビア印刷機で塗工し、70℃5分間乾燥させて、記録紙を得た。なお、塗布量は、グラビア印刷の溝の深さ及び塗工回数を変更することにより調節した。塗布量は、乾燥後の記録紙10枚の重さを測定し、未処理の記録紙との差分から算出した。
(2)油性インクの作製
表1に示す各成分を表1に示す割合でプレミックスし、その後、直径(φ)0.5mmのジルコニアビーズを入れ、ロッキングミル((株)セイワ技研製)にて60分間分散し、得られた分散液をメンブレンフィルター(開口径3μm)でろ過し、黒インクを調製した。
Figure 2012071495
(3)インクジェット印刷
印刷機としてインクジェットプリンタ「X9050(商品名)」(理想科学工業株式会社製)を用い、上記(1)で得られた記録紙の前処理面上に上記(2)で得られた油性インクを吐出させ、ベタ画像と単独ドットを印刷した。印刷は、解像度300×300dpiにて、30pl/dotのインク量の条件で行った。得られた印刷物を23℃、50%R.H.にて約1日放置した後、ドット面積及び印刷濃度を下記方法で測定し評価した。結果を表3に示す。
(3−1)ドット面積測定及び評価法
ズーム顕微鏡「AZ100M(商品名)」(ニコン製)にLEDリングライト及びCCDを取り付け、約800個の単独ドットを画像データとして取り込んだ。該データを、画像解析ソフト「Photoshop(商品名)」(アドビ社製)にて、カラー画像からグレースケール画像に変換した後、画像解析ソフト「Image-Pro PLUS(商品名)」(Media Cybernetics社製)でドット面積を算出した。
(3−2)印刷濃度測定及び評価法
ベタ画像(インク量30pL/ドット)の表面の画像濃度(OD値)を光学濃度計(RD920:マクベス社製)を用いて測定した。
比較例3〜4
前処理を行わなかった以外、実施例と同様に実験を行った。その結果を表3に示す。
比較例5
油性インクの代わりに下記表2に示す組成の水性インクを用いた以外、比較例3と同様に実験を行った。その結果を表3に示す。
比較例6
油性インクの代わりに下記表2に示す組成の水性インクを用いた以外、実施例と同様に実験を行った。その結果を表3に示す。
Figure 2012071495
Figure 2012071495
表3の結果から、以下のことがわかる。
本発明の範囲のK値を有するポリビニルピロリドンを本発明の範囲の濃度で前処理した記録紙を用いて油性インクジェット印刷した実施例1〜6の場合、大きいドット面積と高い印刷濃度が得られた。
これに対し、比較例1及び2は、本発明の範囲を超えるK値を有するポリビニルピロリドンを用いた例であり、ドット面積が小さく、印刷濃度も低かった。
比較例3及び4は、前処理しなかった例であり、対応する本発明の実施例1〜5及び実施例6よりもドット面積が小さく、印刷濃度も低かった。
比較例5は、油性インクの代わりに水性インクを用いた例であるが、ドット面積が小さく、印刷濃度も低かった。
比較例6は、本発明の前処理を施した記録紙に水性インクでインクジェット印刷した例であるが、比較例5と同様に、ドット面積が小さく、印刷濃度も低く、本発明の前処理が、水性インクには適用できないものであることが示された。
比較例7は、前処理に用いたポリビニルピロリドンの濃度が本発明の範囲より低い例であるが、十分なドット面積及び印刷濃度の改善効果が得られなかった。
本発明のインクジェット記録紙及びインクジェット印刷方法は、油性インクをノズルヘッドから吐出して記録紙に印字するインクジェットプリンタで印刷する印刷システムに好適であり、インクジェット印刷の分野で広く利用できる。

Claims (2)

  1. 被印刷面に、K値が40以下のポリビニルピロリドンを0.1〜3.0g/m塗布してなることを特徴とするインクジェット記録紙。
  2. 前処理液を記録紙の被印刷面へ塗布して前処理した後、顔料および溶剤を少なくとも含んでなる油性インクを前記被印刷面上へ吐出させることにより印刷を行うインクジェット印刷方法において、前記前処理は、K値が40以下のポリビニルピロリドンを含む前処理液を前記被印刷面へ前記ポリビニルピロリドン濃度0.1〜3.0g/mで塗布することにより行うことを特徴とするインクジェット印刷方法。
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