JPH08337045A - インクジェット記録用シート - Google Patents

インクジェット記録用シート

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JPH08337045A
JPH08337045A JP7146295A JP14629595A JPH08337045A JP H08337045 A JPH08337045 A JP H08337045A JP 7146295 A JP7146295 A JP 7146295A JP 14629595 A JP14629595 A JP 14629595A JP H08337045 A JPH08337045 A JP H08337045A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェット記録において高画質で、かつ
安定した搬送性が得られるインクジェット記録用シート
を提供する。 【構成】 支持体の少なくとも片面にインク受容層を設
けたインクジェット記録用シートにおいて、該支持体が
フィルム、または紙の両面を樹脂で被覆された樹脂被覆
紙であり、前記インク受容層がゼラチン及び下記一般式
〔E〕で表される化合物を含有することを特徴とするイ
ンクジェット記録用シート。 【化1】 式中、X2,X3,Y1及びY2は各々水酸基、ハロゲン原
子、アルキル基(置換体を含む)、アリール基(置換体
を含む)、 【化2】 または−OR25を表す。ここでR21及びR22は各々水素
原子、アルキル基(置換体を含む)、又はアリール基
(置換体を含む)を、R23及びR24はアルキレン基(置
換体を含む)を、R25は水素原子、アルキル基(置換体
を含む)又はアリール基(置換体を含む)を表し、Mは
水素原子又はアルカリ金属原子を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録用シ
ート及びインクジェット記録方法に関し、詳しくは水溶
性インクを使用するインクジェット記録用シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータの普及に
伴い、インクジェット記録方式のプリンターが急速に普
及している。特に高画質が要求される印刷分野やデザイ
ン部門においてその利用が注目されている。
【0003】インクジェット記録方式に使用される記録
用シートとしては、従来、通常の紙やインクジェット記
録用紙と称される支持体上にインク受容層(以下、イン
ク吸収層とも言う)を設けた記録用シートが使用されて
きた。しかしながら、これらの記録用シートを用いた場
合、インクのにじみが多い、光沢性が低いなど、高解像
度、高光沢が求められる前記分野では使用できうるもの
ではなかった。
【0004】更に、OHP(オーバーヘッドプロジェク
ター)用の原稿として透明支持体を用いても多孔質イン
ク吸収層が光透過性を悪化させるという問題があった。
【0005】この様な問題点を解決するために紙の両面
を樹脂で被覆した樹脂被覆紙、いわゆるRC(レジンコ
ート)紙を支持体とし、ゼラチンをインク受容層に用い
るインクジェット記録用シートの技術が特開平4−21
6990号公報、同6−64306号公報等に記載され
ている。
【0006】上記公報によれば、確かに高い解像度を有
し、しかも光沢のある画像を得ることが出来るが、プリ
ント時の環境条件によって、記録シートの搬送不良が起
こったり、安定して所望のプリントが得られなかった
り、プリント部にスジ状のムラを発生するなどの問題が
あった。
【0007】一方、本発明の一般式〔E〕で表される化
合物は一般に蛍光増白剤として知られており、インクジ
ェット記録用シートへの応用としては、例えば、特開昭
61−4979号公報には、耐水性を落とさずに白色度
(蛍光増白性)を高めることが開示されている。しかし
ながら、同公報にはゼラチンを用いたインクジェット記
録用シートの問題点や技術は開示されておらず、本発明
の化合物をゼラチンを含有するインク受容層に添加する
ことにより、上述の搬送不良が改良されるということは
記載されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イン
クジェット記録において高画質で、かつ安定した搬送性
が得られるインクジェット記録用シートを提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成により達成される。
【0010】(1)支持体の少なくとも片面にインク受
容層を設けたインクジェット記録用シートにおいて、該
支持体がフィルム、または紙の両面を樹脂で被覆された
樹脂被覆紙であり、前記インク受容層がゼラチン及び下
記一般式〔E〕で表される化合物を含有することを特徴
とするインクジェット記録用シート。
【0011】
【化3】
【0012】式中、X2,X3,Y1及びY2は各々水酸
基、ハロゲン原子、アルキル基(置換体を含む)、アリ
ール基(置換体を含む)、
【0013】
【化4】
【0014】または−OR25を表す。
【0015】ここでR21及びR22は各々水素原子、アル
キル基(置換体を含む)、又はアリール基(置換体を含
む)を、R23及びR24はアルキレン基(置換体を含む)
を、R25は水素原子、アルキル基(置換体を含む)又は
アリール基(置換体を含む)を表し、Mは水素原子又は
アルカリ金属原子を表す。
【0016】(2)前記一般式〔E〕で表される化合物
の該インク受容層中に含有する比率が0.1〜10%
(重量比率)であることを特徴とする前記1項記載のイ
ンクジェット記録用シート。
【0017】(3)前記インク受容層がゼラチン及び水
溶性ポリマーを含有することを特徴とする前記1または
2項記載のインクジェット記録用シート。
【0018】(4)前記水溶性ポリマーがポリビニルピ
ロリドン類、ポリビニルアルコール類から選ばれる化合
物の少なくとも一種を含有することを特徴とする前記
1、2または3項記載のインクジェット記録用シート。
【0019】(5)前記水溶性ポリマーのゼラチンに対
する添加比率が10〜70wt%であることを特徴とす
る前記1、2、3または4項記載のインクジェット記録
用シート。
【0020】(6)前記水溶性ポリマーのゼラチンに対
する添加比率が40〜60wt%であることを特徴とす
る前記1、2、3、4または5項記載のインクジェット
記録用シート。
【0021】(7)前記インク受容層の膜面pHが3〜
10であることを特徴とする前記1、2、3、4、5ま
たは6項記載のインクジェット記録用シート。
【0022】(8)前記樹脂がポリオレフィン樹脂であ
ることを特徴とする前記1、2、3、4、5、6または
7項記載のインクジェット記録用シート。
【0023】(9)前記ポリオレフィン樹脂がポリエチ
レン樹脂であることを特徴とする前記1、2、3、4、
5、6、7または8項記載のインクジェット記録用シー
ト。
【0024】(10)前記フィルムがポリエステルフィ
ルムであることを特徴とする前記1、2、3、4、5、
6または7項記載のインクジェット記録用シート。
【0025】(11)前記ポリエステルフィルムがポリ
エチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とす
る前記1、2、3、4、5、6、7または10項記載の
インクジェット記録用シート。
【0026】以下、本発明を詳細に述べる。
【0027】前記一般式〔E〕中、X2,X3,Y1及び
2は各々水酸基、塩素又は臭素等のハロゲン原子、ア
ルキル基(置換体を含む)、アリール基(置換体を含
む)、
【0028】
【化5】
【0029】または−OR25を表し、R21及びR22は各
々水素原子、アルキル基(置換体を含む)、又はアリー
ル基(置換体を含む)を、R23及びR24はアルキレン基
(置換体を含む)を、R25は水素原子、アルキル基(置
換体を含む)又はアリール基(置換体を含む)を表し、
Mは水素原子又はアルカリ金属原子を表す。
【0030】R21、R22及びR25で表されるアルキル基
は好ましくは炭素数1〜6であり、上記R23及びR24
表されるアルキレン基は好ましくは炭素数1〜2であ。
【0031】上記R21、R22及びR25で表されるアルキ
ル基及びアリール基並びに上記R23及びR24で表わされ
るアルキレン基の置換基としてはヒドロキシ基、スルホ
基、スルホアミノ基及びカルボキシアミノ基が好まし
い。
【0032】
【化6】
【0033】の具体例としてはアルキルアミノ基(例え
ばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメ
チルアミノ、シクロヘキシルアミノ、β―ヒドロキシエ
チルアミノ、ジ(β―ヒドロキシエチル)アミノ、β―
スルホエチルアミノ、N―(β−スルホエチル)―N―
メチルアミノ、N―(β―ヒドロキシエチル−N―メチ
ルアミノ等)、又はアリールアミノ基(例えばアニリ
ノ、o−,m−,p−スルホアニリノ、o−、m−,p
−クロロアニリノ、o−、m−,p−トルイジノ、o
−、m−,p−カルボキシアニリノ、o−、m−,p−
ヒドロキシアニリノ、スルホナフチルアミノ、o−、m
−,p−アミノアニリノ、o−、m−,p−アニジノ
等)が挙げられ、
【0034】
【化7】
【0035】の具体例としては、モルホリノ基が挙げら
れ、−OR25の具体例としてはアルコキシ基(例えばメ
トキン、エトキン、メトキシエトキシ等)、アリールオ
キシ基(例えばフェノキシ、p−スルホフェノキシ等)
が挙げられる。
【0036】Mで表されるアルカリ金属原子としては、
例えばナトリウム原子、カリウム原子、リチウム原子で
あり、好ましくはナトリウム原子あるいはカリウム原子
である。
【0037】前記一般式〔E〕で示される化合物のなか
で好ましい化合物はX2、X3、Y1及びY2が全て
【0038】
【化8】
【0039】または−OR25である化合物であり、最も
好ましい化合物はX2及びY1の―方が−OR25、他方
が、
【0040】
【化9】
【0041】であり、かつX3及びY2の―方が−OR25
のとき他方が
【0042】
【化10】
【0043】である化合物である。
【0044】具体的には、下記の化合物を挙げることが
できるが、これらに限定されるものではない。
【0045】
【化11】
【0046】
【化12】
【0047】
【化13】
【0048】
【化14】
【0049】
【化15】
【0050】
【化16】
【0051】尚、前記一般式〔E〕で表される化合物は
公知の方法、例えば化成品工業協会編「蛍光増白剤」
(昭和51年8月発行)8ページに記載されている通常
の方法で合成できる。又、Uvitex(チバ・ガイギ
ー社商品名)、Whitex(住友化学社商品名)等の
市販品を入手することも可能である。
【0052】例示化合物の中で特に好ましく用いられる
のは、E−34,E−36,E−37である。
【0053】前記一般式〔E〕で表される化合物は本発
明の効果の観点からインク受容層中に0.1〜10重量
%含有することが好ましく、より好ましくは0.5〜5
重量%である。0.1%未満では本発明の効果が得られ
ず、又、10%を越えると受容層の表面の光沢や透明感
が失われ好ましくない。
【0054】本発明に係るゼラチンとしては、動物のコ
ラーゲンを原料としたゼラチンであれば何れでも使用で
きるが、豚皮、牛皮、牛骨を原料としたコラーゲンを原
料としたゼラチンが好ましい。更にゼラチンの種類とし
ては特に制限はないが、石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラ
チン、ゼラチン誘導体(例えば特公昭38−4854
号、同39−5514号、同40−12237号、同4
2−26345号、米国特許2,525,753号、同
2,594,293号、同2,614,928号、同
2,763,639号、同3,118,766号、同
3,132,945号、同3,186,846号、同
3,312,553号、英国特許861,414号、同
103,189号等に記載のゼラチン誘導体)を単独ま
たはそれらを組み合わせて用いることができる。
【0055】本発明の係るゼラチンのゼリー強度(PA
GI法、ブルーム式ゼリー強度計による)としては、1
50g以上、特に200〜300gであることが好まし
い。
【0056】本発明においては、インク受容層に含まれ
るゼラチンの塗布量としては、固形分として3〜50g
/mが好ましく、さらに好ましくは5〜30g/m
である。インク受容層が3g/m未満ではインクの受
容性が劣り、印字後インクが受容層から溢れてしまう。
更に、50g/mを越えて多い場合には、インクの受
容性は向上するがひび割れ、カール等で問題が発生す
る。
【0057】本発明においては、インクの受容性やドッ
ト再現性を向上させる目的でゼラチンとともに以下の水
溶性ポリマーを併用することが好ましい。併用される水
溶性ポリマーとしては例えば、ポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジニウムハライ
ド、各種変性ポリビニルアルコール等のビニルホルマー
ルおよびその誘導体(特開昭60−145879号、同
60−220750号、同61−143177号、同6
1−235182号、同61−235183号、同61
−237681号、同61−261089号参照)、ポ
リアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリ
ジメチルアミノアクリレート、ポリアクリル酸ソーダ、
アクリル酸メタクリル酸共重合体塩、ポリメタクリル酸
ソーダ、アクリル酸ビニルアルコール共重合体塩等のア
クリル基を含むポリマー(特開昭60−168651
号、同62−9988号等に記載)、澱粉、酸化澱粉、
カルボキシル澱粉、ジアルデヒド澱粉、カチオン化澱
粉、デキストリン、アルギン酸ソーダ、アラビアゴム、
カゼイン、プルラン、デキストラン、メチルセルロー
ス、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース等の天然高分子材料また
はその誘導体(特開昭59−174382号、同60−
262685号、同61−143177号、同61−1
81679号、同61−193879号、同61−28
7782号等に記載)、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリグリ
セリン、マレイン酸アルキルビニルエーテル共重合体、
マレイン酸−N−ビニルピロール共重合体、スチレン−
無水マレイン酸共重合体、ポリエチレンイミン等の合成
ポリマー(特開昭61−32787号、同61−237
680号、同61−277483号等に記載)等を挙げ
ることができる。これらのポリマーのうち好ましくはポ
リエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビ
ニルアルコールであり、さらに好ましくはポリビニルピ
ロリドン、ポリビニルアルコールである。これらのポリ
マーは表面のベト付きの観点からその平均分子量が1万
以上であることが好ましく、より好ましくは10万以上
である。
【0058】本発明において、併用される水溶性ポリマ
ーのゼラチンに対する添加比率(wt%)は、併用され
る水溶性ポリマーの種類によって異なるが、インク受容
性やドット再現性を向上させるには、ゼラチンに対し1
0〜70wt%にすることが好ましく、さらに好ましく
は40〜60wt%にすることが好ましい。
【0059】本発明において、インク受容層は、耐水
性、ドット再現性を向上させる目的で適当な硬膜剤で硬
膜することができる。硬膜剤の具体的な例としては、ホ
ルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド
系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケ
トン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)、2−ヒド
ロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、
米国特許3,288,775号記載の如き反応性のハロ
ゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許3,
635,718号記載の如き反応性のオレフィンをもつ
化合物、米国特許2,732,316号記載のN−メチ
ロール化合物、米国特許3,103,437号記載の如
きイソシアナート類、米国特許3,017,280号、
同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物
類、米国特許3,100,704号記載の如きカルボジ
イミド系化合物類、米国特許3,091,537号記載
の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカ
ルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如き
ジオキサン誘導体、クロム明ばん、カリ明ばん、硫酸ジ
ルコニウムの如き無機硬膜剤等があり、これらを1種ま
たは2種以上組み合わせて用いることができる。硬膜剤
の添加量はインク受容量を構成するバインダ100gに
対して0.01g〜10gが好ましく、より好ましくは
0.1〜5gである。
【0060】本発明において、更に、インク受容層には
界面活性剤、バインダ、硬膜剤の他、無機顔料、着色染
料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸
化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐
剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の
各種添加剤を添加することもできる。
【0061】本発明におけるインク受容層塗液の塗布方
法としては、通常用いられている塗布方法(例えば、カ
ーテン方式、エクストルージョン式、エアナイフ方式、
ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式
等)が用いられる。
【0062】本発明において、インク受容層は単層構成
でも多層構成でもよい。多層構成の例としては、特開昭
57−89954号、同60−224578号、同61
−12388号等に記載されたものが挙げられる。例え
ば、特開昭61−12388号に記載のインク透過層を
本発明のインク受容層の上に更に受けてもよい。
【0063】また、インク受容層は支持体の少なくとも
片面に設けられているが、カールを防止する目的で支持
体の両面に設けてもよい。
【0064】本発明のインク受容層の膜面pHとは、市
販の平面測定用銀・塩化銀電極を用いて、乾燥状態のイ
ンク受容層に純水約0.05mlを滴下し、水滴部分に
上記電極を押し当て測定された、25℃に於ける値であ
る。膜面pHは3〜10が好ましく、より好ましくは4
〜8である。pHが3より低いとプリントでの光沢感が
失われ、又10を超えると未プリント部の白色性が経時
で劣化する。
【0065】本発明において用いられる支持体として
は、透明な支持体でも不透明な支持体でも使用目的に応
じて用いることができる。
【0066】透明な支持体としては、従来公知のものが
いずれも使用でき、例えば、ポリエステル樹脂、セルロ
ースアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ポリ塩化ビニール樹脂、ポリイミド樹脂、セロフ
ァン、セルロイドなどのフィルムがある。これらの中で
支持体の剛性、透明性の観点からポリエステル樹脂、特
にポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。こ
のような透明支持体はその厚さが約10〜200μm程
度のものが好ましく、更に好ましくは50〜150μm
程度のものである。
【0067】不透明支持体としては樹脂被覆紙、顔料入
り不透明フィルム、発泡フィルム等の従来公知のものが
いずれも使用できるが、光沢性、平滑性の観点から樹脂
被覆紙、各種フィルムが好ましく、手触り感、高級感か
ら樹脂被覆紙、ポリオレフィン樹脂被覆紙、ポリエステ
ル系のフィルムがより好ましい。
【0068】好ましく用いられる樹脂被覆紙を構成する
原紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使
用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用い
られているような平滑な原紙が好ましい。原紙を構成す
るパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ
等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この原
紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強
剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等のの添加剤
が配合される。
【0069】さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光
増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面に塗布
されていてもよい。
【0070】また、厚紙の厚みに関しては特に制限はな
いが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を
印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ま
しく、その秤量は30〜250g/mが好ましい。
【0071】樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリオレフィ
ン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
ペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレ
ン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上か
らなる共重合体およびこれらの混合物であり、各種の密
度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独
にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0072】また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔
料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂
肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシ
ウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イ
ルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブル
ー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーな
どのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファ
ストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や
染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を
適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0073】本発明において好ましく用いられる支持体
である樹脂被覆紙は、走行する原紙上にポリオレフィン
樹脂の場合は、加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる
押出しコーティング法により製造され、その両面が樹脂
により被覆される。また、電子線により硬化する樹脂の
場合は、グラビアコーター、ブレードコーターなど一般
に用いられるコーターにより樹脂を塗布した後、電子線
を照射し、樹脂を硬化させて被覆する。また、樹脂を原
紙に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理な
どの活性化処理を施すことが好ましい。支持体のインク
受容層が塗布される面(表面)は、その用途に応じて光
沢面、マット面などを有し、特に光沢面が優位に用いら
れる。裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止
の点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光
沢面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコ
ロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことがで
きる。また、被覆樹脂層の厚みとしては特に制限はない
が、一般に5〜50μmの厚みに表面または表裏両面に
コーティングされる。
【0074】本発明で言う水性インクとは、下記の着色
剤、液媒体、その他の添加剤からなる記録液体である。
着色剤としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反
応性染料或いは食品用色素等の水溶性染料が挙げられ
る。
【0075】水性インクの溶媒としては、水及び水溶性
の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルア
ルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t
ert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の
炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセト
ン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトンアルコ
ール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリ
エチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオー
ル、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチ
レングリコール等のアルキレン基が2〜6個のアルキレ
ングリコール類;グリセリン、エチレングリコールメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチ
ル)エーテル、トリエチレングリコール、モノメチルエ
ーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、
2H−ピロリジノン等のピロリジノン類、1−メチル−
2−ピロリドン、2−ピロリドン等のピロリドン類等が
挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、
ジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコ
ールモノエチルエーテル等の多価アルコールの低級アル
キルエーテル、ピロリドン類が好ましい。
【0076】本発明においてインクの溶媒はインクヘッ
ドノズルの目詰り防止の観点から水と前記有機溶媒の混
合溶媒を用いることが好ましいが、この時、水と有機溶
媒の混合比率は重量比で1/9〜9/1が好ましく、よ
り好ましくは4/6〜9/1である。
【0077】その他の添加剤としては、例えば、PH調
節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調
整剤、湿潤剤、界面活性剤及び防錆剤等が挙げられる。
【0078】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0079】実施例1 RC紙(坪量100gの基紙の表面に低密度ポリエチレ
ン(70部)と高密度ポリエチレン(20部)からなる
樹脂組成物を20g/m2塗布し、裏面に低密度ポリエ
チレン(50部)と高密度ポリエチレン(50部)から
なる樹脂組成物を20g/m2塗布したもの)に、下記
組成のインク受容層塗液を乾燥後の膜重量が8g/m
となるようにバーコート法により塗布した後、乾燥させ
てインクジェット記録用シート試料を得た。
【0080】 〈インク受容層用塗液組成〉 石灰処理ゼラチン(ブルーム強度;250g) 49重量部 PVP−K90(BASF社) 49重量部 添加剤(表1記載) 2重量部 界面活性剤(メガファックF−120) 0.3重量部 *塗布液の固形分濃度8%(wt/vol) 塗布液pH:NaOH5%水溶液を用いて7.5に調整
した。
【0081】次に得られた試料をインクジェットプリン
タ(MJC−700V2C、エプソン社製)及び専用イ
ンクを用いて、25℃、80%RHの環境下でイエロー
(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブルー
(B),グリーン(G)、レッド(R)、ブラック
(K)の各色をプリントし、均一画像部のムラを観察、
評価した。又、各試料を連続搬送を行い、搬送性の評価
を行った。
【0082】評価方法を下記に示す。
【0083】<均一画像部ムラの評価:B,G,R,K
各色の均一画像部を目視にて観察し、スジ状のムラの有
無を判定した。> 評価基準:◎スジ状のムラは全く見られず、非常に優れ
ている ○わずかにスジ状のムラが見られるが、問題なく優れて
いる △スジ状のムラが見られるが、実用上問題がない ×スジ状のムラが顕著に見られ、実用できない。
【0084】<画像部光沢性:Kの均一画像部を目視に
て観察し、この光沢度を判定した。> 評価基準:○問題なく優れている △僅かに光沢が失われているが、実用上問題がない ×光沢が失われ、実用できない。
【0085】<搬送性:上記の操作で得られた試料をA
4サイズに裁断し、長辺方向に50枚を重ねてセット
し、連続して搬送させた。この時の搬送の様子を目視に
て観察し、搬送性を判定した。> 評価基準:○全て問題なく搬送し、プリント位置がズレ
ない △50枚中、1、2枚、プリント位置がズレるものがあ
る ×全く搬送されず、手動による、強制搬送が必要。
【0086】
【表1】
【0087】上記表1より、本発明のインクジェット記
録用シートはいずれの評価項目(均一画像部のムラ、光
沢性、搬送性)においても良好な結果が得られ、本発明
の記録シートを用いることにより、安定して高品質な画
像が得られることが判る。
【0088】実施例2 実施例1で作成した試料1−5において、添加剤の添加
量を下記表2のごとく変化させた他は、実施例1と同様
にしてインクジェット記録用シートを作成し、実施例1
と同様の評価に加えて、非画像部の光沢性を目視で評価
した。
【0089】〈非画像部光沢性の評価〉 ◎良好 ○非画像部の光沢がやや失われる △非画像部の光沢が失われる 結果を表2に示した。
【0090】
【表2】
【0091】上記表2より、本発明の化合物はインク受
容層中、0.1〜10%の範囲で表面光沢性、搬送性と
もに、その効果が高くなることが判る。
【0092】実施例3 実施例1で作成した試料1−6において、表3記載の水
溶性ポリマーを添加した他は実施例1と同様にしてイン
クジェット記録用シートを作成し、実施例1と同様の評
価に加えてインクの吸収性の評価を行った。
【0093】<インク吸収性の評価:B,G,R,Kの
均一画像をプリントして3分間経過後に、市販の上質紙
を重ねて、上質紙へのインクの転写の度合いを目視にて
観察し、判定した。> 評価基準◎:B,G,R,Kともに全く転写せず、問題
なく優れている ○:僅かにKの転写が認められるが実用上問題ない △:僅かにB,G,R,Kの転写が認められるが実用上
問題ない ×:B,G,R,Kの転写が認められる 結果を表3に示す。
【0094】
【表3】
【0095】表3の結果から明らかなようにインク受容
層に水溶性ポリマーを添加すると、本発明の効果に加え
て、インクの吸収性もより向上し、特にポリビニルピロ
リドン類、ポリビニルアルコール類を用いるとより効果
が高いことが判る。
【0096】実施例4 実施例3で用いた試料3−5の作製において、塗布液の
pHを調整し、インク受容層の膜面pHを表4のごとく
変化させた以外は、実施例3と同様にしてインクジェッ
ト記録用シートを作製し、実施例3の評価に加えて非画
像部の光沢性を目視にて評価を行った。
【0097】結果を表4に示す。
【0098】
【表4】
【0099】上記表4より、インク受容層の膜面pHが
7〜11の範囲であると、本発明の効果に加えてインク
吸収性が向上し、本発明の効果がより向上することが判
る。 実施例5 実施例1で用いたRC紙の代わりに白色ポリエチレンテ
レフタレートフィルム(100μm)を使用した以外は
実施例1と同じ塗布液組成で試料を作製し実験を行っ
た。この結果実施例1とほぼ同じ結果を得た。
【0100】
【発明の効果】本発明によるインクジェット記録用シー
トにより、高画質で、かつ安定した搬送性を得ることが
できる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも片面にインク受容層
    を設けたインクジェット記録用シートにおいて、該支持
    体がフィルム、または紙の両面を樹脂で被覆された樹脂
    被覆紙であり、前記インク受容層がゼラチン及び下記一
    般式〔E〕で表される化合物を含有することを特徴とす
    るインクジェット記録用シート。 【化1】 式中、X2,X3,Y1及びY2は各々水酸基、ハロゲン原
    子、アルキル基(置換体を含む)、アリール基(置換体
    を含む)、 【化2】 または−OR25を表す。ここでR21及びR22は各々水素
    原子、アルキル基(置換体を含む)、又はアリール基
    (置換体を含む)を、R23及びR24はアルキレン基(置
    換体を含む)を、R25は水素原子、アルキル基(置換体
    を含む)又はアリール基(置換体を含む)を表し、Mは
    水素原子又はアルカリ金属原子を表す。
  2. 【請求項2】 前記一般式〔E〕で表される化合物の該
    インク受容層中に含有する比率が0.1〜10%(重量
    比率)であることを特徴とする請求項1記載のインクジ
    ェット記録用シート。
  3. 【請求項3】 前記インク受容層がゼラチン及び水溶性
    ポリマーを含有することを特徴とする請求項1または2
    記載のインクジェット記録用シート。
  4. 【請求項4】 前記水溶性ポリマーがポリビニルピロリ
    ドン類、ポリビニルアルコール類から選ばれる化合物の
    少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1、
    2または3記載のインクジェット記録用シート。
  5. 【請求項5】 前記水溶性ポリマーのゼラチンに対する
    添加比率が10〜70wt%であることを特徴とする請
    求項1、2、3または4記載のインクジェット記録用シ
    ート。
  6. 【請求項6】 前記水溶性ポリマーのゼラチンに対する
    添加比率が40〜60wt%であることを特徴とする請
    求項1、2、3、4または5記載のインクジェット記録
    用シート。
  7. 【請求項7】 前記インク受容層の膜面pHが3〜10
    であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5また
    は6記載のインクジェット記録用シート。
  8. 【請求項8】 前記樹脂がポリオレフィン樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7
    記載のインクジェット記録用シート。
  9. 【請求項9】 前記ポリオレフィン樹脂がポリエチレン
    樹脂であることを特徴とする請求項1、2、3、4、
    5、6、7または8記載のインクジェット記録用シー
    ト。
  10. 【請求項10】 前記フィルムがポリエステルフィルム
    であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6
    または7記載のインクジェット記録用シート。
  11. 【請求項11】 前記ポリエステルフィルムがポリエチ
    レンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請
    求項1、2、3、4、5、6、7または10記載のイン
    クジェット記録用シート。
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