JP3567414B2 - インクジェットプリンター用記録用紙及び記録方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種のインクジェットプリンター方式に適用できるインクジェットプリンター用記録用紙及び記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置(本明細書において、インクジェットプリンターとも言う。但し、いわゆるプリンターに限定されない記録装置の全般に、本発明は適用できることは勿論である。)は、騒音が少なく、高速印字が可能であり、また、複数個のインクノズルを使用することにより多色記録を行うことも容易であることから、特にコンピューター用の画像情報出力装置として近年急速に普及している。
【0003】
また、フルカラー記録用に開発されたインクジェットプリンターの中には、銀塩写真方式のカラー画像に匹敵するほどの高画質な画像を出力できるものもある。また、出力する画像の内容も、文字や図形などから写真に近い画質が要求されるカラー版下やデザインイメージ等へと拡大している。
【0004】
従って、その記録媒体としては、光沢性や濃度の低くなるコート紙や普通紙よりもむしろ、より写真に近い光沢性を有する不透明なフィルムや光沢のでる樹脂被覆紙を利用した光沢紙又は光沢フィルムや、或いはコート紙の表面をキャストして鏡面光沢性を持たせたキャストコート紙などが多く用いられるようになってきた。
【0005】
これらに対応し、インク受容層(又はコート層)としては、水性インクを膨潤又は溶解する水溶性ポリマーを用いることが提案されている。例えば、特開昭62−263084号では特定pHのゼラチン水溶液から形成された受容層が、特開平6−64306号では塗布したゼラチンを一旦ゲル状態にした後、コールドドライ法により乾燥させて得られるインクジェットプリンター用記録シートが、特開昭62−214985号では平均分子量が5×104以上のポリエチレンオキサイドを含有する受容層がそれぞれ提案されている。
【0006】
また一方で、無機微粒子を用いた多孔質型の受容層が提案されている。多孔質型の受容層は微粒子により微細な空隙を設け、インクを受理するもので、乾燥性は非常に優れており、色濁りも少なく、高解像度の画像が出力できるという利点を有している。
【0007】
ところが近年、高速、多吐出量インクジェットプリンターの出現により、プリント速度やインク吸収容量が対応できず、ドット間で色濁り(ブリーディング)やビーディング(マダラ)が生じ、高品質な画像を得ることができなくなってきている。また、更にこれらのプリンターは濃淡インクを用いることにより多階調を実現していることから、インク量が増加し、特に高湿条件では乾燥不良なども多発し、深刻な問題となってきている。これらの問題を解決するため、吸収容量を増大させる手段として受容層の厚みを厚くする方法があるが、逆に搬送不良が生じたり、コストアップにつながり、好ましくない。更に、多孔質型受容層は無機微粒子を用いているため、受容層自体の膜強度が高く、伸延性が低いためにクラック(亀裂)が生じやすいという問題点も有していることが分かった。
【0008】
これらの問題点はロールプリンター用として適用する場合、更に大きな問題となってくる。例えばロールプリンターを使用する分野としてポスター等を作成する出力センターがあるが、通常、文字の鮮鋭性やコントラストをよくするためにRIPと呼ばれるカラーバランス調整手段により、インク量を増大させ、使用することが一般的に用いられるため、上記のような問題はアマチュアユーザーが使用するデスクトップ型プリンターより更に発生しやすいのが現状である。製品形態としてもロール状に強く巻き付けられているのでクラックは生じやすく、その部分に印字されるとクラックに沿って髭状にインクが流れ出し、画像品質が劣化する問題が生じる。また、大抵のユーザーは印字後、丸めて長期間保管するので乾燥性が劣化すると、裏面に転写することもあり、品質を損なう恐れがある。ロールプリンターを使用するユーザーはプロユーザーがほとんどであり、これらの問題を解決しなければ使用できないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した近年急速に増加している高速、多吐出量プリンターやロールプリンターで生じている画質の劣化(ビーディング、ブリーディングなど)や乾燥性の劣化、クラックの発生や印字部と未印字部の境界に生じる髭状の筋の発生を解決するインクジェットプリンター用記録用紙及び記録方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の上記課題は、
1.受容層中に下記一般式(I)で表される化合物から構成される有機カチオン性ポリマーが共有結合した無機微粒子を含有するインクジェットプリンター用記録用紙において、前記無機微粒子の平均粒径が1〜500nmであって、クラックの発生や印字部と未印字部の境界に生じる髭状の筋の発生を抑制することを特徴とするインクジェットプリンター用記録用紙、
【0011】
【化3】
【0012】
一般式(I)において(A)は第四級アンモニウム基を有する共重合可能なモノマーを重合したモノマー単位を表し、(B)は下記一般式(II)、(III)、(IV)及び(V)で表される構造のうち少なくとも一つ含有する共重合可能なモノマーを重合したモノマー単位を表す。
【0013】
【化4】
【0014】
一般式(II)においてR1及びR2は脂肪族基を表し、一般式(III)においてはZは−C−N=C−と共同して五員又は六員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。一般式(IV)においてR3及びR4は芳香族基、ハロゲン原子、シアノ基及びオキシカルボニル基を表す。一般式(V)においてはR5は水素原子及び脂肪族基を表し、R6は脂肪族基を表す。
【0015】
上記一般式(I)において(C)は少なくとも二個のエチレン状不飽和結合基を有する共重合可能なモノマーを重合したモノマー単位を表し、(D)は(A)、(B)、及び(C)以外の共重合可能なモノマーを重合したモノマー単位を表す。
【0016】
上記一般式(I)において、(E)で表されるモノマー単位は前記無機微粒子と共有結合を形成しうる基を有し、以下の一般式(XIV)で表される。
【0017】
kは10から95モル%、mは0から30モル%、nは0から10モル%、pは0から80モル%、およびqは0.1から20モル%を表す。但し、k,m,n,p,qの合計は100モル%である。
【0018】
上記一般式(XIV)においてR7は水素原子又は炭素原子数1から4の脂肪族基を表す。Fは−O−又は−N(R)−(式中Rは水素原子、アルキル基、あるいはアリール基を表す)を表し、bは0又は1を表す。上記一般式(XIV)においてG及びHは二価の連結基を表し、dは0、または1から3の整数を表す。上記一般式(XIV)においてSは無機微粒子と共有結合を形成しうる−Si(OCH3)3基を表す。
2.前記無機微粒子に対する有機カチオン性ポリマー重量比(有機カチオン性ポリマー/無機微粒子)が1/99以上99/1以下であることを特徴とする前記1記載のインクジェットプリンター用記録用紙、
3.前記有機カチオン性ポリマーが結合した無機微粒子が、受容層中に10〜99重量%含有していることを特徴とする前記1または2記載のインクジェットプリンター用記録用紙、
4.前記有機カチオン性ポリマーが結合した無機微粒子が、シリカ微粒子であることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載のカラーインクジェット記録用紙、
5.前記有機カチオン性ポリマー/無機微粒子比が1/99以上99/1以下であることを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載のカラーインクジェット記録用紙、
6.支持体がポリオレフィン被覆紙であることを特徴とする前記1〜5のいずれに記載のインクジェットプリンター用記録用紙、
7.5種以上の異なるインクを使用して出力する記録装置で、前記1〜6のいずれかに記載の記録用紙に記録することを特徴とするカラーインクジェット記録方法、
8.少なくとも1種の基準色に対して、2種以上の異なるインクにより記録する記録装置で、前記1〜7のいずれかに記載の記録用紙に記録することを特徴とするカラーインクジェット記録方法、
9.前記基準色が、該基準色のインクの吸光度が実質的に異なる2種以上のインクにより記録する記録装置で記録することを特徴とする前記8記載のカラーインクジェット記録方法、
の各々により達成される。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明について更に詳細に説明する。
先ず本発明に用いられる有機カチオン性ポリマーが結合した無機微粒子について説明する。
【0020】
本発明に用いられる無機微粒子は微細な粒径を有する粒子であり、例えばカオリン(白土)、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化スズ、酸化アンチモンゾル、酸化ニオブゾル、ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、コロイダルシリカ、あるいは非晶質シリカ等が挙げられる。
【0021】
これらの中で特に好ましくは酸化アルミニウム、コロイダルシリカ、非晶質シリカ、酸化亜鉛、酸化チタンが挙げられる。これら無機微粒子の形状には特に制限はないが、好ましくは球形、立方形、棒状、針状、鎖状、環状、平板状等が挙げられる。平均粒径としては1〜500nmの範囲である。
【0022】
これらの無機微粒子は以下に述べる有機カチオン性ポリマーにより結合されており、無機微粒子に対する有機カチオン性ポリマーの重量比(有機カチオン性ポリマー/無機微粒子)は1/99以上99/1以下の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは10/90以上90/10以下範囲であり、特に好ましくは20/80以上80/20以下の範囲である。
【0023】
本発明において有機カチオン性ポリマーが結合した無機微粒子とは有機カチオン性ポリマー内に無機微粒子と連結できる反応基が無機微粒子に選択的に結合されている状態のことを意味し、好ましくは被覆されている状態のことである(以下これらの微粒子のことをポリマー結合無機微粒子と称することもある)。
【0024】
次に本発明において用いられる有機カチオン性ポリマーについて説明する。
【0025】
本発明において用いられる有機カチオン性ポリマーは、好ましくは以下の一般式(I)で表される単位を有するものである。
【0026】
【化5】
【0027】
一般式(I)において(A)は第四級アンモニウム基を有する共重合可能なモノマーを重合したモノマー単位を表し、(B)は一般式(II)、(III)、(IV)、及び(V)で表される構造のうち少なくとも一つ含有する共重合可能なモノマーを重合したモノマー単位を表す。
【0028】
【化6】
【0029】
一般式(II)においてR1及びR2は脂肪族基を表し、一般式(III)においてはZは−C−N=C−と共同して五員又は六員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。一般式(IV)においてR3及びR4は芳香族基、ハロゲン原子、シアノ基、及びオキシカルボニル基を表す。一般式(V)においてはR5は水素原子及び脂肪族基を表し、R6は脂肪族基を表す。
【0030】
上記一般式(I)において(C)は少なくとも二個のエチレン状不飽和結合基を有する共重合可能なモノマーを重合したモノマー単位を表し、(D)は(A)、(B)、及び(C)以外の共重合可能なモノマーを重合したモノマー単位を表す。
【0031】
上記一般式(I)において、(E)で表されるモノマー単位は本発明に用いられる無機微粒子と共有結合を形成しうる基を有するモノマー単位を表す。
【0032】
kは10から95モル%、mは0から30モル%、nは0から10モル%、pは0から80モル%、およびqは0.1から20モル%を表す。
【0033】
上記一般式(I)において、(A)は以下の一般式(VI)、(VII)、(VIII)及び(IX)で表されるモノマー単位が好ましい。
【0034】
【化7】
【0035】
上記一般式(VI)、(VII)、(VIII)及び(IX)においてR7は水素原子又は炭素原子数1から4の脂肪族基(例えばメチル基、エチル基、n−ブチル基等)を表す。R7としては水素原子又はメチル基が好ましい。
【0036】
上記一般式(VI)、(VII)、(VIII)及び(IX)においてR8、R9、R10及びR11は炭素原子数1から10の脂肪族基(例えばメチル基、エチル基、シクロへキシル基、ベンジル基等)を表す。これらR8、R9、及びR10で表される置換基は互いに同一であっても異なっていてもよく、また互いに結合して環状構造を形成しても良い。R8、R9、及びR10として好ましくはメチル基、エチル基、及びベンジル基であり、メチル基及びベンジル基が特に好ましい。
【0037】
上記一般式(VI)、(VII)、(VIII)及び(IX)においてXは陰イオンを表し、例えばハロゲンイオン(例えば塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等)、アルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸イオン等)、アルキルあるいはアリールスルホン酸イオン(例えばメタンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン等)、及び酢酸イオン等が挙げられる。このうちハロゲンイオン及びアルキル硫酸イオンが特に好ましい。
【0038】
上記一般式(VI)においてaは1から4の整数を表す。
【0039】
上記一般式(VII)においてQは酸素原子又は窒素原子を表す。T及びWは二価の連結基を表し、例えばエチレン基、1,4−シクロへキシレン基、−CH2CH2OCH2CH2O−、−CH2CH(OH)CH2−、及びフェニレン基を表す。bは0又は1を表す。
【0040】
上記一般式(VIII)及び(IX)においてR12は水素原子、脂肪族基(例えばメチル基、t−ブチル基等)、芳香族基(例えばフェニル基等)、ハロゲン原子、シアノ基、アシル基(例えばアセチル基、ベンゾイル基等)、オキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基等)、アミノカルボニル基(例えばアミノカルボニル基等)、ニトロ基等の基を表す。
【0041】
上記一般式(I)において、(A)で表されるモノマー単位に導かれるモノマーの例示化合物を以下に示す。
【0042】
【化8】
【0043】
上記一般式(I)において、(B)は以下の一般式(X)、(XI)、及び(XII)で表されるモノマー単位が好ましい。
【0044】
【化9】
【0045】
上記一般式(X)、(XI)及び(XII)においてR7は水素原子又は炭素原子数1から4の脂肪族基(例えばメチル基、エチル基、n−ブチル基等)を表す。R7としては水素原子又はメチル基が好ましい。
【0046】
上記一般式(X)においてQは酸素原子又は窒素原子を表す。T及びWは二価の連結基を表し、例えばエチレン基、1,4−シクロヘキシレン基、−CH2 CH2OCH2CH2O−、−CH2CH(OH)CH2−、及びフェニレン基を表す。e、f、及びgはそれぞれ0又は1を表す(但し、eが1のとき、f及びgが共に0であることはない)。R13及びR14は水素原子、アルキル基、及びアリール基を表す。これらR13及びR14で表されるアルキル基及びアリール基が互いに結合し環状構造を形成しても良い。
【0047】
上記一般式(XI)においてR15はハロゲン原子(例えば塩素原子)、芳香族基(例えばフェニル基)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基)、及びヒドロキシ基等を表す。
【0048】
上記一般式(XII)においてR16は2−ピリジル基、4−ピリジル基、及び1−イミダゾル基を表す。
【0049】
上記一般式(I)において、(B)で表されるモノマー単位に導かれるモノマーの例示化合物を以下に示す。
【0050】
【化10】
【0051】
上記一般式(I)において、(C)で表されるモノマー単位に導かれるモノマーとしては例えばジビニルベンゼン、エチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールアクリレート、ヒドロキノンメタクリレート、ヒドロキノンアクリレート、エチレンジメタクリルアミド、エチレンジアクリルアミド、等が挙げられる。
【0052】
上記一般式(I)において、(C)は以下の一般式(XIII)で表されるモノマー単位が好ましい。
【0053】
【化11】
【0054】
上記一般式(XIII)においてR7は水素原子又は炭素原子数1から4の脂肪族基(例えばメチル基、エチル基、n−ブチル基等)を表す。R7としては水素原子又はメチル基が好ましい。またVは二価の連結基を表し、例えばアリーレン基(例えばフェニレン基、ナフチレン基等)及びアルキレン基(例えばメチレン基、1,4−ブチレン基等)を表す。Yはエステル結合(例えば−C(=O)−O−、−O−C(=O)−)、アミド結合(例えば−C(=O)−NH−、−NH−C(=O)−、−SO2−NH−)、エーテル結合(−O−)等を表し、rは0又は1を表す。
【0055】
上記一般式(I)において、(D)で表されるモノマー単位としては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリル酸及びそのエステルあるいはアミド誘導体(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、t−ブチルアクリルアミド等)、メタクリル酸及びそのエステルあるいはアミド誘導体(例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸ベンジル、n−ブチルメタクリルアミド等)、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
【0056】
上記一般式(I)において、(E)は以下の一般式(XIV)で表されるモノマー単位が好ましい。
【0057】
【化12】
【0058】
上記一般式(XIV)においてR1は水素原子又は炭素原子数1から4の脂肪族基(例えばメチル基、エチル基、n−ブチル基等)を表す。R1としては水素原子又はメチル基が好ましい。Fは−O−又は−N(R)−(式中Rは水素原子、アルキル基、あるいはアリール基を表す)を表し、bは0又は1を表す。
【0059】
上記一般式(XIV)においてG及びHは二価の連結基を表し、例えばメチレン基、エチレン基、1,4−シクロヘキシレン基、−CH2CH2OCH2CH2O−、及びフェニレン基等が挙げられる。dは0、または1から3の整数を表す。
【0060】
上記一般式(XIV)においてSは本発明に用いられる無機微粒子と共有結合を形成しうる基を表し、例えば−SiX3で表される基を挙げることができる。(式中、Xはハロゲン原子(例えば塩素原子)、−OR(式中、Rは水素原子、メトキシ基及びエトキシ基等のアルコキシ基、アセトキシ基及びベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基を表す)、−NRR’(式中、R及びR’は水素原子、メチル基及びt−ブチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基を表す)等の基を表す。)
本発明において用いられる有機カチオン性ポリマーの例示化合物を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、例示したポリマーはそれぞれ下記の繰り返し単位を下記の割合で含む。
【0061】
【化13】
【0062】
【化14】
【0063】
【化15】
【0064】
本発明において用いられる有機カチオン性ポリマーが結合した無機微粒子は、例えば以下に挙げる方法により合成することができる:(1)無機微粒子表面上に重合開始基を導入しておき、表面上で重合反応を行うことにより結合させる方法、(2)無機微粒子表面上に共重合性基あるいは連鎖移動基を導入しておき、表面上で重合反応を行うことにより結合させる方法、(3)カチオン性の重合開始剤を無機微粒子表面上へ吸着させておき、表面近傍で重合反応を行うことにより結合させる方法、(4)ビニル基を持つ親水性マクロマーを無機微粒子表面上へ吸着させておき、表面上で重合反応を行うことにより結合させる方法、(5)あらかじめカップリング剤をポリマー中に導入した有機ポリマーを合成しておいてから無機微粒子と結合させる方法、等。これらの方法は例えば繊維学会誌、第49巻、130〜136ページに記載の報文、および表面、第28巻、285〜298ページに記載の報文等に詳細に説明されている。
【0065】
次に本発明で好ましく用いられる水溶性バインダー及び又はゼラチンについて説明する。
【0066】
本発明に好ましく用いられるゼラチンとしては、動物のコラーゲンを原料としたゼラチンであればいずれでも使用できるが、豚皮、牛皮、牛骨を原料としたコラーゲンを原料としたゼラチンがより好ましい。更にゼラチンの種類としては特に制限はないが、石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、誘導体ゼラチン(例えば特公昭38−4854号、同39−5514号、同40−12237号、同42−26345号、米国特許2,525,753号、同2,594,293号、同2,614,928号、同2,763,639号、同3,118,766号、同3,132,945号、同3,186,846号、同3,312,553号、英国特許861,414号、同103,189号等に記載の誘導体ゼラチン)を単独又はそれらを組み合わせて用いることができる。酸処理ゼラチンを用いると、耐水性の点で特に有利である。
【0067】
本発明の受容層に含まれるゼラチンの塗工量としては、固形分として3〜20g/m2が好ましく、更に好ましくは5〜15g/m2である。
【0068】
本発明で好ましく用いられる水溶性ポリマーとしては例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリビニルピリジニウムハライド、各種変性ポリビニルアルコール等のビニルホルマール及びその誘導体(特開昭60−145879号、同60−220750号、同61−143177号、同61−235182号、同61−235183号、同61−237681号、同61−261089号参照)、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリジメチルアミノアクリレート、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸メタクリル酸共重合体塩、ポリメタクリル酸ソーダ、アクリル酸ビニルアルコール共重合体塩等のアクリル基を含むポリマー(特開昭60−168651号、同62−9988号等に記載)、澱粉、酸化澱粉、カルボキシル澱粉、ジアルデヒド澱粉、カチオン化澱粉、デキストリン、アルギン酸ソーダ、アラビアゴム、カゼイン、プルラン、デキストラン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の天然高分子材料又はその誘導体(特開昭59−174382号、同60−262685号、同61−143177号、同61−181679号、同61−193879号、同61−287782号等に記載)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリグリセリン、マレイン酸アルキルビニルエーテル共重合体、マレイン酸−N−ビニルピロール共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレンイミン等の合成ポリマー(特開昭61−32787号、同61−237680号、同61−277483号等に記載)等を挙げることができる。これらのポリマーのうち好ましくはポリビニルピロリドン類、ポリビニルアルコール類、ポリアルキレンオキサイド類である。
【0069】
上記ポリビニルアルコール類としては、重合度が200〜4000が好ましく、特に好ましくは1000〜3000の範囲である。
【0070】
上記ポリアルキレンオキサイド類と、例えばポリエチレンオキサイド類、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール類又は下記一般式(P)で示される化合物等が挙げられる。
【0071】
一般式(P)
R3O−(A4−O)j4−(A5−O)j5−(A6−O)j6−R4
式中、A4,A5,A6はそれぞれ置換、無置換の直鎖又は分岐のアルキレン基を表すが、すべてが同一となることはない。R3,R4はそれぞれ同一であっても異なっても良く、水素原子、それぞれ置換、無置換のアルキル基、アリール基、アシル基等を表す。
【0072】
それぞれの置換基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホニル基、アルコキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基が挙げられる。好ましくは、R3、R4が水素原子であり、A4,A5,A6がそれぞれ無置換のものである。また最も好ましいものとしては、A4,A5,A6が−CH2CH2−又は−CH(CH3)−CH2である。
【0073】
j4,j5,j6は、それぞれ0又は1〜500の整数を表す。但し、j4+j5+j6≧5である。
【0074】
ポリアルキレンオキサイド類で好ましいものとしてはポリエチレンオキサイド類であり、平均分子量が10,000〜500,000の範囲にあるものが好ましく、特に好ましくはポリエチレングリコール(PEGと称することもある)で、平均分子量が50,000〜300,000の範囲のものである。
【0075】
上記ポリアルキレンオキサイド類の平均分子量は水酸基価により算出した分子量である。
【0076】
本発明において、水溶性ポリマーを架橋する目的として本発明に影響しない範囲で架橋剤を適用することが好ましい。架橋剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン等のトリアジン系化合物、米国特許3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、特開平8−50342号記載のカルバモイルピリジニウム系化合物、米国特許3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンをもつ化合物、米国特許2,732,316号記載のN−メチロール化合物、米国特許3,103,437記載の如きイソシアナート類、米国特許3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシルアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体等の有機架橋剤、クロム明ばん、カリ明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸等無機架橋剤等があり、これらを1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0077】
本発明の受容層を形成する方法としては、サイズプレス法、ロールコーター法、ブレードコーター法、エアナイフコーター法、ゲートロールコーター法、ロッドバーコーター法、カーテン法、スライドホッパー法、エクストルージョン法等、通常用いられている塗工方法が用いられる。
【0078】
本発明の受容層には、更に、バインダ、硬膜剤の他、無機顔料、着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤等の公知の各種添加剤を添加することもできる。
【0079】
本発明の受容層には画質を向上させる目的で、インク吸収性を損なわない範囲で界面活性剤を添加することが好ましい。用いられる界面活性剤はアニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系のいずれもタイプでもよく、また低分子のものでも高分子のものでも、異なる種類のものを併用してもよい。これらの中で好ましくはフッ素系の界面活性剤である。
【0080】
上記フッ素系界面活性剤は、例えば米国特許2,559,751号、同2,567,011号、同2,732,398号、同2,764,602号、同2,806,866号、同2,809,998号、同2,915,376号、同2,915,528号、同2,918,501号、同2,934,450号、同2,937,098号、同2,957,031号、同3,472,894号、同3,555,089号、英国特許1,143,927号、同1,130,822号、特公昭45−37304号、特開昭47−9613号、同49−134614号、同50−117705号、同50−117727号、同50−121243号、同52−41182号、同51−12392号、英国化学会誌(J.Chem.Soc.)1950年2789頁、同1957年2574頁及び2640頁、米国化学会誌(J.Amer.Chem.Soc.)79巻2549頁(1957年)、油化学(J.Japan Oil Chemists Soc.)12巻653頁、有機化学会誌(J.Org.Chem.)30巻3524頁(1965年)等に記載された方法によって合成することができる。
【0081】
これらのフッ素系界面活性剤のうち、ある種のものは大日本インキ化学工業社からメガファック(Megafac)Fなる商品名で、ミネソタ・マイニング・アンド・マニファクチュアリング・カンパニー社からフルオラッド(Fluorad)FCなる商品名で、インペリアル・ケミカル・インダストリー社からモンフロール(Monflor)なる商品名で、イー・アイ・デュポン・ネメラス・アンド・カンパニー社からゾニルス(Zonyls)なる商品名で、又、ファルペベルケ・ヘキスト社からリコベット(Licowet)VPFなる商品名で、それぞれ市販されている。
【0082】
本発明の受容層の塗工量としては5〜100g/m2が好ましく、より好ましくは10〜50g/m2である。また受容層の厚みとしては10〜100μmであることが好ましく、特に好ましくは40〜70μmの範囲である。
【0083】
インク受容層中には、搬送性を向上させる目的で有機マット剤を使用することができる。
【0084】
マット剤は、写真技術分野においてよく知られており、親水性有機コロイドバインダー中に分散可能な有機材料の不連続固体粒子であると定義できる。
【0085】
有機マット剤の例としては澱粉、セルロースエステル(例えば、セルロースアセテートプロピオネート等)、セルロースエーテル(例えばエチルセルロース等)、合成樹脂等である。合成樹脂の例としては、水不溶又は難溶性合成ポリマーであり、例えばアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル(例えば酢酸ビニル)、アクリロニトリル、オレフィン(例えばエチレン等)、スチレン、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物等の単独若しくは組み合わせ、又はこれらとアクリル酸、メタクリル酸、α,β−不飽和ジカルボン酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、スルホアルキル(メタ)アクリレート、スチレンスルホン酸等の組み合わせを単量体成分とするポリマーを用いることができる。
【0086】
その他エポキシ樹脂、ナイロン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリ塩化ビニリデン等も用いることができる。
【0087】
これらマット剤は、搬送性の観点から、重量平均粒径が3〜20μmが好ましく、かつ受容層中の総重量(付き量ともいう)は10〜100mg/m2であることが好ましく、塗工液安定性の点から、3μm以下の粒子や、20μm以上の粒子を分級により予め排除しておくことが好ましい。また、これらマット剤は併用することも可能である。
【0088】
本発明に係るインクジェットプリンター用記録用紙とは、紙に限らず、いわゆるインクジェット記録材の全てを意味しており、記録材とは、支持体上に塗工するか、含有させたものをさし、支持体としては、シート状、板状だけでなく、缶の表面などのようなものなど特に制限無く利用できる。また、透明な支持体でも不透明な支持体でも使用目的に応じて用いることができる。
【0089】
透明な支持体としては、従来公知のものがいずれも使用でき、例えば、ポリエステル樹脂、セルロースアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニール樹脂、ポリイミド樹脂、セロファン、セルロイドなどのフィルムないしシートあるいはガラス板などがある。これらの中で支持体の剛性、透明性の観点からポリエステル樹脂、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
【0090】
不透明な支持体としては、上質紙、中質紙、スーパーカンレンダー処理紙、片艶原紙、トレーシングペーパー等の非塗工紙、アート紙、コート紙、軽量コート紙、微塗工紙、キャストコート紙等の塗工紙、プラスチックフィルム、顔料入り不透明フィルム、発泡フィルム等のフィルム、樹脂被覆紙、樹脂含浸紙、不織布、布、金属フィルム、金属板など、およびこれらの複合体を用いることができる。
【0091】
これらの中で、光沢性、平滑性の観点から樹脂被覆紙、各種フィルムが好ましく、手触り感、高級感から樹脂被覆紙ではポリオレフィン樹脂被覆紙、また各種フィルムでは、ポリエステル系のフィルムがより好ましい。
【0092】
好ましく用いられる樹脂被覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
【0093】
更に、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面に塗布されていてもよい。
【0094】
又、原紙の厚みに関しては特に制限はないが、紙を抄造中又は抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましい。
【0095】
樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリオレフィン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン等のオレフィンのホモポリマー又はエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、各種の溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独あるいはそれらを混合して使用できる。
【0096】
又、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウム等の白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0097】
本発明で用いられる支持体はJIS P−8125によるテーバー剛度が1〜15g・cmのものが温湿度の環境変化に対して、連続搬送性が向上するため特に好ましく使用される。
【0098】
本発明のインクジェット記録方法は、▲1▼5種以上の異なるインクを使用して出力する記録装置で、本発明の記録材に記録すること、▲2▼少なくとも1種の基準色に対して、2種以上の異なるインクにより記録する記録装置で、本発明の記録材に記録すること、又は▲3▼前記基準色が、該基準色のインクの吸光度が実質的に異なる2種以上のインクにより記録する記録装置で記録することを特徴とする。
【0099】
本発明に使用されるインクジェット記録方法は、例えば水を40重量%以上含有するインクで本発明のインクジェット用記録シートに記録するインクジェット記録方法が好ましく用いられ、該インクに下記の着色剤、液媒体、その他の添加剤からなるインクジェット記録液体が用いられる。着色剤としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料あるいは食品用色素等の水溶性染料が挙げられる。
【0100】
本発明の受容層に用いられるインクの溶媒としては、水及び水溶性の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個のアルキレングリコール類;グリセリン、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコール、モノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2H−ピロリジノン等のピロリジノン類、1−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等のピロリドン類等が挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル、ピロリドン類が好ましい。
【0101】
インクの溶媒はインクヘッドノズルの目詰り防止の観点から水と前記有機溶媒の混合溶媒を用いることが好ましいが、この時、水のインクに対する含有量は40重量%以上であり、好ましくは50〜90重量%である。
【0102】
その他のインクへの添加剤としては、例えば、pH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤及び防錆剤等が挙げられる。
【0103】
また、本発明においては、濃淡インクを使用した記録装置で記録すると、本発明の効果が顕著に現れる。例えば、従来のカラー記録装置は、Y、M、C、Kの4つの基準色に対して、各1種類のインクを使用する方法が主流であるが、ある基準色については2種以上のインクを使用した場合、多階調化や、低濃度部のざらつき感を向上できる。特にある基準色(例えばY、M、C、K)が2種類以上の吸光度の異なるインク(濃淡インク)を使用することであり、低濃度部は主として淡色(吸光度の低い)のインクを使用しざらつき感を低減し、また、高濃度部は主として濃色(吸光度の高い)のインクを使用し、十分な最大濃度が出るような構成が知られている。淡色インクと濃色インクが同じ染料を使用していても構わないし、異なる染料を使用していても、複数の異なる染料の組み合わせなどでも構わない。このような基準色について濃淡インクを使用している記録装置としては、PM−700C(セイコーエプソン)、Picty300(NEC)、Photo Smart(ヒューレットパッカード)の商品名で市販されており、Y、M、C、Kのほかに淡色のM、淡色のCのインクの計6種のインクにより出力することが特徴である。また、同様の方式の記録装置の例としてBJC−700J(キャノン社製)も挙げられる。
【0104】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0105】
<支持体の作製>
坪量60g/m2の基材の表面に低密度ポリエチレン70部と高密度ポリエチレン20部からなる樹脂組成物を20g/m2塗工し、裏面に低密度ポリエチレン50部からなる樹脂組成物を20g/m2塗工した支持体を作製した。
【0106】
<有機カチオン性ポリマーが結合した無機微粒子(ポリマー結合無機微粒子)の合成>
(1)表面処理されたコロイダルシリカの合成
300mlの四つ口フラスコに攪拌機を装着し、コロイダルシリカ(商品名スノーテックスOUP、日産化学社製)を100g(シリカの含有量は20%)を投入した。これに3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを1.0g、蒸留水を10g、攪拌しながら滴下した。さらに室温で30分反応させ、目的とする表面処理されたコロイダルシリカを分散物として得た。
【0107】
(2)中間体微粒子の合成
2リットルの四つ口フラスコに攪拌機、温度計、ガス導入管、コンデンサーを装着し、蒸留水を200g、界面活性剤(商品名トラックスH−45)を7.7g、水酸化カリウムを0.78gを投入した。窒素ガスを流しながら室温で30分間攪拌し、脱気した。これにスチレンを12.1g、ジビニルベンゼンを0.8g、ジメチルアミノメチルスチレンを12.9gを投入し、さらに上記(1)で表面処理したコロイダルシリカの分散液を13.7g加えた。毎分300回転で攪拌しながら内温が70℃になるまで加熱し、その後2,2′−アゾビス(イソシアノ吉草酸)を0.84g添加した。そのまま5時間、窒素気流下で加熱攪拌を行い、重合させた。
【0108】
反応終了後、グラスフィルターを用いて不要な固形分を除去した後、目的とする中間体微粒子を乳白色分散物として得た。
【0109】
(3)ポリマー結合無機微粒子(1)の合成
300mlの四つ口フラスコに攪拌機を装着し、上記(2)で合成した中間体微粒子を100g投入した。これにアセトニトリル30mlを30分間かけて攪拌しながら滴下した。さらに塩化ベンジルを3.1g滴下し、60℃の油浴中で6時間加熱攪拌した。反応終了後、室温まで放冷した後、減圧下溶媒を約40ml溜去した。残った液体に蒸留水を加え、全体を100gに調整して目的とするポリマー結合無機微粒子(1)を乳白色分散物として得た。
【0110】
(4)表面処理される無機微粒子を表1記載の化合物にすると共に各モノマーの比率を例示化合物中記載の値にした他は同様の操作により例示化合物(2)、(3)、(4)、(7)、(8)、(10)を母核にもつポリマー結合無機微粒子(1)、(2)、(3)、(4)、(7)、(8)、(10)を合成した。
【0111】
実施例1〜13
上記方法により作成されたポリマー結合無機微粒子(1)、(2)、(3)、(4)、(7)、(8)、(10)を88重量部、ケン化度98%ポリビニルアルコール重合度2500(以下単にPVAと称することもある)を12重量部添加した塗工液を作成し、ワイヤーバーにて乾燥固形分が20g/m2となるように塗工し、試料を作成した。
【0112】
比較例1〜3
コロイダルシリカ、アルミナゾル、酸化亜鉛をそれぞれ88重量部、ケン化度98%ポリビニルアルコール重合度2500を12重量部添加した塗工液を作成し、ワイヤーバーにて乾燥固形分が20g/m2となるように塗工し、試料を作成した。
【0113】
比較例4
polymerjournal,vol.21,No.6,p475(1989)や、Journal of polymerscience,A,vol.29,p697(1992)や、表面,vol.30,No.1,p74(1992)等に記載の方法にしたがって、シリカを核としてアクリレートをグラフト化した無機微粒子を作成した。その後、作成した無機微粒子を88重量部、ケン化度98%ポリビニルアルコール重合度2500を12重量部添加した塗工液を作成し、ワイヤーバーにて乾燥固形分が20g/m2となるように塗工し、試料を作成した。
【0114】
次に上記実施例1〜13及び比較例1〜4で作成した試料を以下の方法により、評価を行った。この時すべての評価はセイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM700Cを用いて出力した。また、この時の出力環境としては、クラックの発生を除き梅雨時期を想定し、25℃、70%RHの環境で行った。
【0115】
<クラックの発生>
得られた試料を210mm×297mm(A4)に裁断し、内径30mmの筒状となるように長手方向に丸め、テープで止めた試料を10本作製し、15℃、20%環境に1週間放置した。その後、1枚につき5、6カ所ランダムに10mm×10mm範囲を決定し、亀裂の個数を光学顕微鏡にて測定し、A4、1枚あたり平均亀裂数をクラック数とした。
【0116】
<ブリーディング>
SCID N3画像を印字し、シアン−マゼンタ、マゼンタ−イエロー、イエロー−シアンのドットの重なりを光学顕微鏡にて観察した。
◎;色濁りは殆ど観察されず、鮮鋭性も高い画像が得られた。
○;シアン−マゼンタ部分にのみ多少の色濁りが生じるが、画像は問題ないレベル。
△;シアン−マゼンタ、マゼンタ−イエロー部分に色濁りがあり、画像の赤色部分がムラ状に見える。
×;全色で色濁りが生じており、全体的にぼやけた画像になった。
【0117】
<ビーディング>
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、グリーン、ブルー、レッドの最高濃度部を出力し、ざらつき度合いを目視にて評価した。
◎;各色ともに全くざらつきが無く、優れている。
○;グリーン部にわずかなざらつきが確認されるが実害レベルではない。
△;グリーン部とブルー部にざらつきが確認される。
×;全体的にざらつきが酷く、商品レベルにならない。
【0118】
<乾燥性>
A4サイズの自然画像を出力し、10分後に用紙を内径4cmとなるように丸め、テープで止めた後、1日後に試料を観察し、裏面の転写度合いを目視にて評価した。
【0119】
◎;全く転写無し。
○;わずかに転写があるが実技上問題なし。
△;高濃度部において転写が発生する。
×;転写が発生し、転写面より膜がはがれる。
【0120】
【表1】
表1からも判るように、本発明のインクジェットプリンター用記録用紙はクラックの発生を防止し、かつ高湿条件下においても乾燥性を向上させ、かつ高濃度で高精細な画像を得ることができ、良好な結果を示すことも判る。
【0121】
実施例14〜29
実施例3で使用したコロイダルシリカ(日産化学社製;スノーテックスOUP)と例示化合物3を用い、表2記載の値となるように有機カチオン性ポリマー/無機微粒子比を調整し、又、塗工液中のポリマー結合無機微粒子の量を調整し、受容層中の含有率を表2記載の値となるようにした他は同様の操作により、試料を作成し、評価を行った。このとき以下の評価を追加した。
【0122】
<髭状の筋発生>
クラックの発生と同様の評価を行った後、試料の全面にアルファベット(26文字)黒字を印刷し、文字の境界線に発生する髭状の筋を目視にて観察した。
◎;髭状の筋の発生は全く見られなかった。
○;5カ所未満の発生は見られたが実技上全く問題ないレベル。
△;5〜30カ所の発生が確認され、やや目立つレベル。
×;30カ所以上の発生が確認され、実技上問題あるレベル。
【0123】
<印字後の光沢性>
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、グリーン、ブルー、レッドの最高濃度部を出力し、十分乾いた後に光沢性を目視にて確認した。
◎;各色ともに光沢性を維持している。
○;ブラック部の光沢性が若干落ちているのものの、その他の色は光沢性を維持しており、実技上全く問題ないレベル。
△;全体的に若干光沢性が劣り、濃度もやや劣るレベルであるが、実害性は問題なし。
×;各色ともに光沢性が無く、問題レベル。
【0124】
【表2】
【0125】
表2から判るように有機カチオン性ポリマー/無機微粒子比が1/99以上99/1以下のとき良好な結果を示しており、又、受容層中の含有率が10〜99重量%のとき更に良好な結果を示すことが判る。
【0126】
実施例30
実施例1〜29で作成した試料を、セイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM700Cに代えてヒューレットパッカード社製デスクジェット2000Cにて行ったが、ほぼ同様の結果が得られ、本発明の効果が十分発揮されていることが確認された。
【0127】
【発明の効果】
本発明によるインクジェットプリンター用記録シート等の記録材は、上述した近年急速に増加している高速、多吐出量プリンターやロールプリンターで生じている画質の劣化(ビーディング、ブリーディングなど)や乾燥性の劣化、クラックの発生や印字部と未印字部の境界に生じる髭状の筋の発生を解決する。
Claims (9)
- 受容層中に下記一般式(I)で表される化合物から構成される有機カチオン性ポリマーが共有結合した無機微粒子を含有するインクジェットプリンター用記録用紙において、前記無機微粒子の平均粒径が1〜500nmであって、クラックの発生や印字部と未印字部の境界に生じる髭状の筋の発生を抑制することを特徴とするインクジェットプリンター用記録用紙。
一般式(I)において(A)は第四級アンモニウム基を有する共重合可能なモノマーを重合したモノマー単位を表し、(B)は下記一般式(II)、(III)、(IV)及び(V)で表される構造のうち少なくとも一つ含有する共重合可能なモノマーを重合したモノマー単位を表す。
一般式(II)においてR1及びR2は脂肪族基を表し、一般式(III)においてZは−C−N=C−と共同して五員又は六員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。
一般式(IV)においてR3及びR4は芳香族基、ハロゲン原子、シアノ基及びオキシカルボニル基を表す。一般式(V)においてR5は水素原子及び脂肪族基を表し、R6は脂肪族基を表す。
上記一般式(I)において(C)は少なくとも二個のエチレン状不飽和結合基を有する共重合可能なモノマーを重合したモノマー単位を表し、(D)は(A)、(B)、及び(C)以外の共重合可能なモノマーを重合したモノマー単位を表す。
上記一般式(I)において、(E)で表されるモノマー単位は前記無機微粒子と共有結合を形成しうる基を有し、以下の一般式(XIV)で表される。kは10から95モル%、mは0から30モル%、nは0から10モル%、pは0から80モル%、およびqは0.1から20モル%を表す。但し、k,m,n,p,qの合計は100モル%である。
上記一般式(XIV)においてR7は水素原子又は炭素原子数1から4の脂肪族基を表す。Fは−O−又は−N(R)−(式中Rは水素原子、アルキル基、あるいはアリール基を表す)を表し、bは0又は1を表す。上記一般式(XIV)においてG及びHは二価の連結基を表し、dは0、または1から3の整数を表す。上記一般式(XIV)においてSは無機微粒子と共有結合を形成しうる−Si(OCH3)3基を表す。 - 前記無機微粒子に対する有機カチオン性ポリマー重量比(有機カチオン性ポリマー/無機微粒子)が1/99以上99/1以下であることを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンター用記録用紙。
- 前記有機カチオン性ポリマーが結合した無機微粒子が、受容層中に10〜99重量%含有していることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のインクジェットプリンター用記録用紙。
- 前記有機カチオン性ポリマーが結合した無機微粒子が、シリカ微粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカラーインクジェット記録用紙。
- 前記有機カチオン性ポリマー/無機微粒子比が1/99以上99/1以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカラーインクジェット記録用紙。
- 支持体がポリオレフィン被覆紙であることを特徴とする請求項1〜5のいずれに記載のインクジェットプリンター用記録用紙。
- 5種以上の異なるインクを使用して出力する記録装置で、請求項1〜6のいずれかに記載の記録用紙に記録することを特徴とするカラーインクジェット記録方法。
- 少なくとも1種の基準色に対して、2種以上の異なるインクにより記録する記録装置で、請求項1〜7のいずれかに記載の記録用紙に記録することを特徴とするカラーインクジェット記録方法。
- 前記基準色が、該基準色のインクの吸光度が実質的に異なる2種以上のインクにより記録する記録装置で記録することを特徴とする請求項8記載のカラーインクジェット記録方法。
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