JP3574981B2 - インクジェット記録用シート - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はインクジェット記録用シートに関し、詳しくは高濃度部での光沢性または透明性が改良されたインクジェット記録用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータの普及に伴い、インクジェット記録方式のプリンターが急速に普及している。特に高画質が要求される印刷分野やデザイン分野においてその利用が注目されている。
【0003】
インクジェット記録方式に使用される記録用シートとしては、従来、通常の紙やインクジェット記録用紙と称される支持体上にインク受容層(以下、インク吸収層とも言う)を設けた記録用シートが使用されてきた。しかしながら、これらの記録シートを用いた場合、インクのにじみが多い、光沢性が低いなど、高解像度、高光沢が求められる前記分野では使用できうるものではなかった。
【0004】
更に、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)用の原稿として透明支持体を用いても多孔質インク吸収層が光透過性を悪化させるという問題があった。
【0005】
これらの問題点を解決するため、光透過性が高く、水性インク受容性に優れたインク吸収層としてゼラチンを用いる事が提案されている。例えば特開昭59−255131号公報において高インク吸収層としてゼラチンを使用する事が開示され、特開昭62−263084号公報では特定pHのゼラチンから形成された受容層が開示されている。又特開平1−146784号公報には酸処理ゼラチンとフッ素系界面活性剤との併用使用が開示され、同6−64306号公報では塗布したゼラチンを一旦ゲル状態にした後、コールドドライ法により乾燥させて得られる記録シートが提案されている。
【0006】
確かにこれらゼラチンを用いた受容層はインクの吸収特性に優れ、光沢性や光透過性も高いが、インクジェット記録を行った後の高濃度部において光沢性や透明性が低下することが判明した。例えば、支持体としてレジンコート紙、キャストコート紙、合成紙などを用いた反射型インクジェット記録シートにおいては、高濃度部の光沢性が低下するという問題が発生し、また、支持体としてプラスチックフィルムなどの透明支持体を用いた透過型インクジェット記録シートにおいては、高濃度部の透明性が低下するという問題が発生することが判った。
【0007】
一方、ポリウレタン樹脂を用いることによってインク吸収性を向上できることが特開昭61−40181号、同61−92886号、同61−135786号、同61−158495号、米国特許4,578,285号、同4,642,247号、同4,849,286号で知られている。しかし、これらの特許に記載されるポリウレタン樹脂を含む構成を用いた場合においてもインク吸収性は充分ではなく、また、記録前のシートを製造後数カ月の経時をさせた場合において画像ムラ発生に起因する画質低下が起こることが判った。特に、30℃以上の高温保存において著しい画質低下が生じることが判明した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の第一の目的は、インク吸収性に優れ、且つ、高濃度部の光沢性と透明性に優れたインクジェット記録用シートを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、記録前の保存によって画像ムラが発生することによる画質低下が起こらない高画質なインクジェット記録用シートを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は鋭意研究の結果、以下の構成によって達成できた。
【0011】
(1)支持体の少なくとも一方の側にインク受容層を設けてなるインクジェット記録用シートにおいて、該インク受容層がガラス転移点温度が60℃以上のアニオン性ウレタンポリマーとゼラチンのアミノ基が下記の置換基で置換されたゼラチン誘導体を含有することを特徴とするインクジェット記録用シート。
(a)アシル基、
(b)スルホニル基、
(c)カルバモイル基、
(d)チオカルバモイル基、
(e)炭素数1〜18個の直鎖、分岐のアルキル基、
(f)アリール基。
【0012】
(2)インク受容層にポリビニルピロリドンを含有することを特徴とする前記1項に記載のインクジェット記録用シート。
【0013】
(3)ゼラチン誘導体がアリールカルバモイルゼラチンであることを特徴とする前記1又は2項記載のインクジェット記録用シート。
【0014】
(4)アニオン性ウレタンポリマーが自己乳化型ラテックスポリマーであることを特徴とする前記1、2または3項記載のインクジェット記録用シート。
【0016】
以下、本発明について詳細に述べる。
【0017】
本発明に係わるアニオン性ウレタンポリマーとは、ポリイソシアネート化合物と2個以上の水酸基を有するポリオールとの付加重合物であり、側鎖または末端にアニオン性基を有するウレタンポリマーである。
【0018】
本発明に用いるウレタンポリマーは環境問題の観点から有機溶剤を塗布時に使用せずに済む水性分散体であることが好ましい。ウレタンポリマー水性分散体には外部界面活性剤の使用により乳化する「強制乳化型」とウレタンポリマー骨格中に親水性を導入後乳化する「自己乳化型」の両タイプがある。本発明ではいずれのタイプを用いることもできるが、インクジェット記録用シートの光沢性と透明性の点で「自己乳化型」であることが好ましい。
【0019】
ポリウレタンの形成に有用なポリイソシアネートとしては、イソシアネート基を2個有するものとして、1,2−ジイソシアネートエタン、1,3−ジイソシアネートプロパン、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ω,ω′−ジプロピルエーテルジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ヘキサヒドロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、ヘキサヒドロジフェニルエーテル−4,4′−ジイソシアネート、フェニレン−1,4−ジイソシアネート、トルイレン−2,6−ジイソシアネート、トルイレン−2,4−ジイソシアネート、1−メトキシベンゼン−2,4−ジイソシアネート、1−クロロフェニレンジイソシアネート、テトラクロロフェニレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、パラキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルスルフィド−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−4,4−′ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−3,4′−ジイソシアネート、ジフェニルケトン−4,4′−ジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、2,4′−ビフェニルジイソシアネート、4,4′−ビフェニルジイソシアネート、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ビフェニルジイソシアネート、アントラキノン−2,6−ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、アゾベンゼン−4,4′−ジイソシアネート等が挙げられる。
【0020】
またイソシアネート基を3個含むものとしては、例えば下記の(I)〜(IV)の構造式によって示される化合物を用いることができる。
【0021】
【化1】
Figure 0003574981
【0022】
また、2個以上の水酸基を有する、ポリオールの適切なものとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、グリセリン等のトリオール、ソルビトール等のヘキサオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリエーテルポリオールが挙げられ、ポリエステルポリオールは、多塩基酸とポリヒドロキシ化合物とから製造される化合物のことであり、末端ヒドロキシポリエステルが好適である。多塩基酸として、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸等の飽和脂肪酸、マレイン酸、フマール酸等の不飽和脂肪酸、フタール酸、イソフタル酸等の芳香族酸あるいはその無水物を単独または混合し、ポリヒドロキシ化合物として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のジオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール、グリセリン等のトリオール、ソルビトール等のヘキサオール等の1種又は2種以上を混合して使用できる。
【0023】
本発明に使用するポリエーテルポリオールとは1分子中に水酸基を2個以上含み、且つエーテル結合を有する化合物のことであり、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)の単独重合物又は共重合物、およびグリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール等のトリオール、ソルビトール等のヘキサオール等の多価アルコールまたはエチレンジアミン、ベンゼンスルファマイド、2−アミノエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジエチレントリアミン、芳香基を有するアミン等のアミンに、EOまたはPOを任意に付加して形成されたポリオール、またはこれらの誘導体が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して使用出来る。ポリエステルポリエーテルポリオールとしては、上記の如き多塩基酸とポリエーテルポリオールを末端水酸基となるように縮合して得られるものである。
【0024】
その他のポリオールとしては、例えばヒマシ油、トール油あるいはそれらの誘導体、アクリルポリオール、ウレタンポリオール等がある。更に以上の如き各種のポリオールは単独でも混合物としても使用できる。
【0025】
以上の如き成分からなるポリウレタンの調製はいずれも公知の方法により行うことができる。
【0026】
本発明のウレタンポリマーのガラス転移点温度は60℃以上であり、好ましくは70℃以上である。ガラス転移点温度が60℃以下においては、長期保存において画像部の均一性の劣化という問題を生じることが判った。
【0027】
ガラス転移点温度は、温度を変化させる過程において熱膨張係数及び比熱などが不連続的に変化することを利用して公知の方法で測定することができる。
【0028】
本発明に使用できるアニオン性ウレタンポリマーとしてはウレタンポリマー骨格中にアニオン性基を導入後乳化する「自己乳化型」が好ましい。
【0029】
上記アニオン性基として代表的なものは、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基等である。
【0030】
これらの自己乳化型アニオン性ウレタンポリマーの調整方法としては、特公昭43−9076号、同42−24194号、特開昭50−112490号、同51−60294号、特公昭49−28653号、同46−15517号、特開昭51−36294号等に記載の方法を用いることができる。
【0035】
本発明において、インクジェット記録用シートのインク受容層に用いるバインダとしてゼラチンのアミノ基が下記の置換基で置換されたゼラチン誘導体(以下、本発明に係るゼラチン誘導体ともいう。)を用いることが必要である。
(a)アルキルアシル、アリールアシル、アセチル及び置換、無置換のベンゾイル等のアシル基、
(b)アルキルスルホニル、アリールスルホニル等のスルホニル基、
(c)アルキルカルバモイル、アリールカルバモイル等のカルバモイル基、
(d)アルキルチオカルバモイル、アリールチオカルバモイル等のチオカルバモイル基、
(e)炭素数1〜18個の直鎖、分岐のアルキル基、
(f)置換、無置換のフェニル、ナフチル及びピリジル、フリル等の芳香族複素還等のアリール基。
【0036】
本発明に係るゼラチン誘導体は、これらの中でもアシル基(−COR1)又はカルバモイル基(−CONR12)によりアミノ基が置換されたものが好ましい。
【0037】
前記アシル基又はカルバモイル基のRは置換、無置換の脂肪族基(例えば炭素数1〜18個のアルキル基、アリル基等)、アリール基又はアラルキル基(例えばフェネチル基等)であり、Rは水素原子、脂肪族基、アリール基又はアラルキル基である。
【0038】
本発明において特に好ましいものは、R1がアリール基、R2が水素原子の場合である。以下、本発明に係るゼラチン誘導体のアミノ基置換基の例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0039】
本発明に係るゼラチン誘導体のアミノ基置換基の例−
【0040】
【化2】
Figure 0003574981
【0041】
本発明に係るゼラチン誘導体は、迅速にインクを受容層に吸収させるために、アミノ基の総量の60%以上が置換基により予め置換されたものを用いるのが好ましいが、特に好ましくはアミノ基の総量の80%以上が置換されたゼラチン誘導体である。
【0042】
本発明係るゼラチン誘導体のゼリー強度(PAGI法、ブルーム式ゼリー強度計による)としては、150g以上、特に200〜300gであることが好ましい。
【0043】
本発明においては、インク受容層に含まれる本発明に係るゼラチン誘導体の塗布量としては、0.5〜30g/m2が好ましく、さらに好ましくは1〜20g/m2である。インク受容層中の本発明に係るゼラチン誘導体が0.5g/m2未満ではインクの受容性が劣り、印字後インクが受容層から溢れてしまう。更に、30g/m2を越えて多い場合には、インクの受容性は向上するがひび割れ、カール等で問題が発生しやすくなる。
【0044】
本発明においては、インクの受容性やドット再現性を向上させる目的で本発明のアニオン性ウレタンポリマーと本発明に係るゼラチン誘導体及び以下のポリマーを併用することが好ましい。併用されるポリマーとしては例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジニウムハライド、各種変性ポリビニルアルコール等のビニルホルマールおよびその誘導体(特開昭60−145879号、同60−220750号、同61−143177号、同61−235182号、同61−235183号、同61−237681号、同61−261089号参照)、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリジメチルアミノアクリレート、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸メタクリル酸共重合体塩、ポリメタクリル酸ソーダ、アクリル酸ビニルアルコール共重合体塩等のアクリル基を含むポリマー(特開昭60−168651号、同62−9988号等に記載)、澱粉、酸化澱粉、カルボキシル澱粉、ジアルデヒド澱粉、カチオン化澱粉、デキストリン、アルギン酸ソーダ、アラビアゴム、カゼイン、プルラン、デキストラン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の天然高分子材料またはその誘導体(特開昭59−174382号、同60−262685号、同61−143177号、同61−181679号、同61−193879号、同61−287782号等に記載)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリグリセリン、マレイン酸アルキルビニルエーテル共重合体、マレイン酸−N−ビニルピロール共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレンイミン等の合成ポリマー(特開昭61−32787号、同61−237680号、同61−277483号等に記載)等を挙げることができる。これらのポリマーのうち好ましくはポリビニルピロリドン類、ポリビニルアルコール類、及び、メタクリル酸/アクリル酸系共重合体およびその塩である。
【0045】
特に好ましくは、画像の解像度、均一性に優れしかも長期に保存されても画像の解像度に影響を与えない平均分子量10万〜50万のポリビニルピロリドン類、分子量2〜7万のポリビニルアルコール類である。
【0046】
本発明においてポリマーの本発明に係るゼラチン誘導体に対する添加比率(重量)は1/20〜2/1であり好ましくは1/10〜1/1である事がインクの受容性やドット再現性の上からも好ましい。
【0047】
本発明において、インク受容層は、耐水性、ドット再現性を向上させる目的で適当な硬膜剤で硬膜することができる。硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、米国特許3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンをもつ化合物、米国特許2,732,316号記載のN−メチロール化合物、米国特許3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、カリ明ばん、硫酸ジルコニウムの如き無機硬膜剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。硬膜剤の添加量はインク受容量を構成するバインダー100gに対して0.01g〜10gが好ましく、より好ましくは0.1〜5gである。しかし、本発明を実施する態様としては硬膜剤を使用しない事である。
【0048】
即ち、硬膜剤があると本発明の効果が小さくなり、しかも硬膜が経時で変わる為インク吸収性や画像の解像度が使用する時間によつて変わるという問題があり、好ましくない。
【0049】
本発明において、更に、インク受容層には界面活性剤、バインダの他、無機顔料、着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することができる。
【0050】
本発明におけるインク受容層塗液の塗布方法としては、通常用いられている塗布方法(例えば、カーテン方式、エクストルージョン式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等)が用いられる。
【0051】
本発明において、インク受容層は単層構成でも多層構成でもよい。多層構成の例としては、特開昭57−89954号、同60−224578号、同61−12388号等に記載されたものが挙げられる。例えば、特開昭61−12388号に記載のインク透過層を本発明のインク受容層の上に更に受けてもよい。
【0052】
本発明においてインク受容層は支持体の少なくとも片面に設けられているが本発明の好ましい実施態様としてはインク受容層とは異なったバック層と呼ばれる層を設けることである。バック層を設けることで温湿度変化による記録紙のカーリングや面同士のくっつき等が防止できる。
【0053】
又本発明のインク受容層の膜面のpHは3〜10が好ましく、特に好ましくは4〜8である。pHが3より低いと光沢感が失われpHが10を超えると未プリント部の白地性が経時で劣化する。
【0054】
本発明において用いられる支持体としては、透明な支持体でも不透明な支持体でも使用目的に応じて用いることができる。
【0055】
透明な支持体としては、従来公知のものがいずれも使用でき、例えば、ポリエステル樹脂、セルロースアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニール樹脂、ポリイミド樹脂、セロファン、セルロイドなどのフィルムがある。これらの中で支持体の剛性、透明性の観点からポリエステル樹脂、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
【0056】
このような透明支持体はその厚さが約10〜200μm程度のものが好ましく、更に好ましくは50〜150μm程度のものである。
【0057】
不透明支持体としては樹脂被覆紙、顔料入り不透明フィルム、発泡フィルム等の従来公知のものがいずれも使用できるが、光沢性、平滑性の観点から樹脂被覆紙、各種フィルムが好ましく、手触り感、高級感から樹脂被覆紙、ポリオレフィン樹脂被覆紙、ポリエステル系のフィルムがより好ましい。
【0058】
好ましく用いられる樹脂被覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
【0059】
さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面に塗布されていてもよい。
【0060】
また、厚紙の厚みに関しては特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その秤量は30〜250g/mが好ましい。
【0061】
樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリオレフィン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体およびこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0062】
また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0063】
本発明において好ましく用いられる支持体である樹脂被覆紙は、走行する原紙上にポリオレフィン樹脂の場合は、加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる押出しコーティング法により製造され、その両面が樹脂により被覆される。また、電子線により硬化する樹脂の場合は、グラビアコーター、ブレードコーターなど一般に用いられるコーターにより樹脂を塗布した後、電子線を照射し、樹脂を硬化させて被覆する。また、樹脂を原紙に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。支持体のインク受容層が塗布される面(表面)は、その用途に応じて光沢面、マット面などを有し、特に光沢面が優位に用いられる。裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができる。また、被覆樹脂層の厚みとしては特に制限はないが、一般に5〜50μmの厚みに表面または表裏両面にコーティングされる。
【0064】
本発明のインクジェット記録用シートに適したインクは水性インクであり、その水性インクとしては、下記の着色剤、液媒体、その他の添加剤からなる記録液体である。着色剤としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料或いは食品用色素等の水溶性染料が挙げられる。
【0065】
水性インクの溶媒としては、水及び水溶性の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエトチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個のアルキレングリコール類;グリセリン、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコール、モノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2H−ピロリジノン等のピロリジノン類、1−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等のピロリドン類等が挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル、ピロリドン類が好ましい。
【0066】
本発明においてインクの溶媒はインクヘッドノズルの目詰り防止の観点から水と前記有機溶媒の混合溶媒を用いることが好ましいが、この時、水と有機溶媒の混合比率は重量比で1/9〜9/1が好ましく、より好ましくは4/6〜9/1である。
【0067】
その他の添加剤としては、例えば、pH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤及び防錆剤等が挙げられる。
【0068】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお以下の記載において、「部」は重量部を意味する。
実施例1
樹脂被覆紙(坪量100gの基紙の表面に低密度ポリエチレン(70部)と高密度ポリエチレン(20部)からなる樹脂組成物を20g/m塗布し、裏面に低密度ポリエチレン(50部)と高密度ポリエチレン(50部)からなる樹脂組成物を20g/m塗布したもの)の表面に、下記組成のインク受容層塗液を乾燥後の膜重量が10g/mとなるようにバーコート法により塗布した後、乾燥させてインクジェット記録用シート試料を得た。
【0069】
〈インク受容層用塗液組成〉
石灰処理ゼラチン(ブルーム強度;250g) 39.7重量部
PVP−K90(BASF社) 30重量部
添加ポリマーA(表1記載) 30重量部
界面活性剤(メガファックスF−120) 0.3重量部
*塗布液の固形分濃度8%(wt/vol)
塗布液pH:NaOH5%水溶液を用いて7.5に調整した。
【0070】
尚、この時の各インクの組成は以下の通りである。
【0071】
Figure 0003574981
次に得られた試料の一部をインクジェットプリンタ(MJ−5000C、エプソン社製)を用いて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブルー(B)、グリーン(G)、レッド(R)、ブラック(K)の各色をプリントし、均一画像部のムラ及び光沢性について観察、評価し、その試料を冷暗所で保存した。この試料を(A)とする。
【0072】
次に試料の残りを30℃−55%RHの環境下で1ケ月間保存し、上記と同様の評価を行った。この試料を(B)とする。
【0073】
評価方法を下記に示す。
【0074】
〈均一画像部のムラ,マダラ:B,G,R,Kの各色を最大濃度にプリントし、この最大濃度部の均一性を目視で評価した〉
Figure 0003574981
【0075】
〈光沢性:Kの均一画像部を目視にて観察し、この光沢度を判定した〉
Figure 0003574981
【0076】
【表1】
Figure 0003574981
【0077】
表1の結果から明らかな様に本発明のガラス転移点温度が高く且つ、アニオン性のウレタンポリマーを用いる事で長期に試料を保存した後印刷した場合でも画像部の均一性の劣化や光沢性の劣化は認められず、良好な結果を得た。特に自己乳化型の高ガラス転移点温度のアニオン性ウレタンポリマーを用いることで良好な結果が得られる事が判る。
【0078】
実施例2
実施例1のインク受容層用塗液組成において試料No1−2,1−6で使用した添加ポリマーAを表2の様に変化させて実施例1と同様の評価を行った。ただし保存期間は2ケ月とした。
【0079】
結果を表2に示す。
【0080】
【表2】
Figure 0003574981
【0081】
表2より明らかな様に添加ポリマーAの量が1.0g/m〜3.5g/mで画像均一性と光沢性が経時の前後で変わらず、いずれにおいても優れていることが判る。
【0082】
実施例3
実施例1においてインク受容層用塗液組成のPVP−K90を表3の様に併用ポリマーとして変化させた以外は実施例1と同様の評価を行った。
【0083】
結果を表3に示す。なお添加ポリマーAとしてスーパーフレックス126(第一工業製薬(株)製)を使用し、添加量を3g/mとした。
【0084】
【表3】
Figure 0003574981
【0085】
表3より明らかな様に他のポリマーを併用することで画像の均一性を高く維持し、しかも劣化しないことが判る。
【0086】
実施例4
インク受容層を塗工する基材に膜厚100μmの透明なポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた以外は、実施例1と同様に実施した。但し、光沢性の評価に替えて下記の基準に基づいて透明性(クリアリティ)の評価を行った。
【0087】
〈透明性:MインクとYインクからなる赤色の均一画像部を透過光で目視にて観察し、その透明度を判定した〉
Figure 0003574981
結果を表4に示す。
【0088】
【表4】
Figure 0003574981
【0089】
表4の結果から明らかなように、透明支持体を用いた場合においても、本発明のウレタンポリマーを用いることにより、長期保存においても画像部の均一性の劣化や透明性の劣化のない良好な結果が得られた。
【0090】
実施例5
実施例1の試料1−2のインク受容層塗布液組成において、石灰処理ゼラチンに替わりに表5に示すゼラチン誘導体を用いて、試料を作製した。評価としては実施例1と同様に画像均一性と光沢性について評価した。
【0091】
【表5】
Figure 0003574981
【0092】
表5から明らかなように、ゼラチン誘導体であるアリールカルバモイルゼラチンを用いることにより画像均一性が更に向上することがわかる。
【0093】
【発明の効果】
本発明の構成により画像の均一性及び光沢性が良好であり、さらに経時でも劣化のないインクジェット記録用シートが得られた。

Claims (4)

  1. 支持体の少なくとも一方の側にインク受容層を設けてなるインクジェット記録用シートにおいて、該インク受容層がガラス転移点温度が60℃以上のアニオン性ウレタンポリマーとゼラチンのアミノ基が下記の置換基で置換されたゼラチン誘導体を含有することを特徴とするインクジェット記録用シート。
    (a)アシル基、
    (b)スルホニル基、
    (c)カルバモイル基、
    (d)チオカルバモイル基、
    (e)炭素数1〜18個の直鎖、分岐のアルキル基、
    (f)アリール基。
  2. インク受容層にポリビニルピロリドンを含有することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用シート。
  3. ゼラチン誘導体がアリールカルバモイルゼラチンであることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録用シート。
  4. アニオン性ウレタンポリマーが自己乳化型ラテックスポリマーであることを特徴とする請求項1、2または3記載のインクジェット記録用シート。
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