JP2005289037A - 受像材料及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 支持体上に、貫通孔を有する粒子及び凹部を有する粒子のうちの少なくとも一方の粒子を含むインク受容層を有し、かつ該インク受容層が熱可塑性を有するとともに、当該熱可塑性に起因する熱可塑性成分の含有率がインク受容層中の固形分全体に対して50質量%以上であることを特徴とする受像材料、及び該受像材料に、分散インク、顔料インク、水溶性染料インク、光硬化性インク、及び溶剤系インクのうちのいずれかのインクを用いて記録し、得られた受像材料を平滑化処理することを特徴とするインクジェット記録方法である。
【選択図】 なし
Description
しかしながら、従来のインクジェット用受像材料におけるインク受容層の平均細孔径は比較的小さく(例えば、前記特許文献2の段落0085の表7に記載の記録用シート(専用光沢フィルムB)では0.03μm)、インクジェット記録インクとして種々開発されている水溶性染料系、顔料系、分散インク系、UVインク系、溶剤系等のインクにより、必ずしもすべて良好に印画ができるものではない。特に分散インク系のインクジェット記録インク、すなわち、油溶性染料を油溶性ポリマーの微粒子中に内包させた着色微粒子を分散させたインクを、前記のごときインクジェット用受像材料に印画すると、浸透性が極めて悪く速乾性がないため、分散インクを高速印画に用いることは現状では不可能である。
しかし、この記録シートの製造方法は、無機粉体とポリオレフィン系樹脂に可塑剤を混合し、加熱溶融・混練しながらシート状に成形した後、更に有機溶剤で可塑剤を抽出除去しなければならず、製造上問題が多い。また、上記方法で製造した多孔質膜は、疎水性が強く、水性インクの吸液性は十分なものではない。
しかしながら、前記インクジェット記録用受像材料も基本的に水溶性染料系インクを対象としたものであり、また平均細孔径は0.1μm以下である。
<1> 支持体上に、貫通孔を有する粒子及び凹部を有する粒子のうちの少なくとも一方の粒子を含むインク受容層を有し、かつ該インク受容層が熱可塑性を有するとともに、当該熱可塑性に起因する熱可塑性成分の含有率がインク受容層中の固形分全体に対して50質量%以上であり、かつ前記貫通孔を有する粒子又は凹部を有する粒子がインク受容層中の固形分全体に対して10質量%以上であることを特徴とする受像材料である。
本発明の受像材料においては、前記インク受容層が、貫通孔粒子及び凹部を有する粒子の少なくとも一方の粒子を含み、当該粒子により、インク受容層のインクに対する浸透性を向上させることができる。そして、インク受容層が熱可塑性を有するとともに、当該熱可塑性に起因する熱可塑性成分の含有率がインク受容層中の固形分全体に対して50質量%以上であることにより、加熱による平滑化処理により光沢性に優れた画像を形成することができる。
(貫通孔粒子)
貫通孔粒子は、粒子のある面(エリア)から他の面(エリア)に貫通する孔を有する粒子である。インク受容層に貫通孔粒子を含有させて形成することにより、粒子間の空隙のみならず、貫通孔にもインクを吸収(収容)することができるため、インク受容層全体としてのインクの吸収性が向上する。
貫通孔粒子の表面は、疎水的あるいは疎水的な部分があるため、溶剤系インク、UVインクのインク浸透性は良好と推定される。また、疎水性部と親水性部とを有する界面活性剤(高分子のものも含む)で表面を親水化することにより、水溶性染料インク、顔料インク、分散インクに対しても親和性が増し、吸水性(インク浸透性)がアップするものと期待される。
以上のような貫通孔粒子の具体例としては、有機粒子であることが好ましく、該有機粒子として、スチレン系又はアクリル系が好ましい。具体的には、三井化学社製ミューティクルPP−2000TX(スチレン・アクリル系)、等が挙げられる。
貫通孔粒子は、例えば、特開平5−222108号公報に記載の方法により製造することができる。
凹部を有する粒子は、その少なくとも一部に凹部を有する粒子であり、例えば、赤血球型扁平粒子(以下、「赤血球型粒子」と呼ぶ。)、ゴルフボール型粒子を挙げることができ、中でも、赤血球型粒子が好ましい。赤血球型粒子は、その形状が、扁平化した球体に凹部を有する形状であり、例えば、人の赤血球のような形状である。凹部を有する粒子においても、貫通孔粒子と同様に、粒子間の空隙のみならず、凹部にもインクを吸収(収容)することができるため、インク受容層全体としてのインクの吸収性が向上する。
凹部を有する粒子の粒子径は、0.1〜10μmであることが好ましく、0.2〜7μmであることがより好ましい。ここで、凹部を有する粒子の粒子径とは、レーザー回折/散乱式粒径測定装置LA−910(堀場製作所製)によって測定される数値である。
また、貫通孔粒子と凹部を有する粒子とを併用する場合、その含有比は任意に設定することができる。
インク受容層には、前記貫通孔粒子又は凹部を有する粒子の他、熱可塑性微粒子を含有することが好ましい。該熱可塑性微粒子はバインダーとして機能する。
熱可塑性微粒子としては、水分散アクリル樹脂、水分散ポリエステル樹脂、水分散ポリスチレン樹脂、水分散ウレタン樹脂等の水分散型樹脂;アクリル樹脂エマルジョン、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、SBR(スチレン・ブタジエン・ゴム)エマルジョン等のエマルジョン、下記「熱可塑性樹脂」を水分散した樹脂やエマルジョン、あるいは、これらの共重合体、混合物、及びカチオン変性のもの等の水性液の中から適宜選択し、2種以上組合わせて用いることができる。水分散樹脂の市販品としては、例えば、東洋紡製バイロナールMD−1200、MD−1220、MD−1930や、互応化学製プラスコートZ−446、Z−465、RZ−96、大日本インキ化学工業製ES−611、ES−670、高松油脂製ペスレジンA−160P、A−210、A−620、星光化学工業製ハイロスXE−18、XE−35、XE−48、XE−60、XE−62、日本純薬製ジュリマーAT−210、AT−510、AT−515、AT−613、ET−410、ET−530、ET−533、FC−60、FC−80等が挙げられる。
(イ)エステル結合を有するもの
テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、アピエチン酸、コハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等のジカルボン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸基、カルボキシル基等が置換してもよい)と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのジエーテル誘導体(例えば、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2付加物など)、ビスフェノールS、2−エチルシクロヘキシルジメタノール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキシルジメタノール、グリセリン等のアルコール成分(これらのアルコール成分には、水酸基などが置換されていてもよい。)との縮合により得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル酸エステル樹脂又はポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等が挙げられる。
(ハ)ポリアミド樹脂、尿素樹脂等
(ニ)ポリスルホン樹脂
(ホ)ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体樹脂等
(ヘ)ポリビニルブチラ−ル等の、ポリオール樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース樹脂等、市販品として、電気化学工業製、積水化学製等のものが挙げられる。本発明に用いるポリビニルブチラ−ルとしては、ポリビニルブチラ−ル含有量が70質量%以上、平均重合度500以上のものが好ましく、更に好ましくは平均重合度1000以上である。市販の商品としては、電気化学工業製デンカブチラール3000−1、4000−2、5000A、6000C、積水化学製エスレックBL−1、BL−2、BL−3、BL−S,BX−L、BM−1、BM−2、BM−5、BM−S、BH−3、BX−1、BX−7等が挙げられる。
(チ)ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂や、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体等も使用することができる。さらに、熱可塑性樹脂としては、特公平5−127413号公報、同8−194394号公報、同8−334915号公報、同8−334916号公報、同9−171265号公報、同10−221877号公報等に開示されている物性等を満足するものが好ましく用いられる。
水溶性ポリマーの水可溶化基の例としては、スルホン酸(塩)基、スルフィン酸(塩)基、水酸基、カルボン酸(塩)基、アミノ基、アンモニウム基、アミド基、又はエーテル基(エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基を含む)等が挙げられる。
水溶性ポリマーの例としては、リサーチ・ディスクロージャー17,643号の26頁、18,716号の651頁、307,105号の873〜874頁及び特開昭64−13546号公報の(71)頁〜(75)頁に記載されたものが挙げられる。具体的には、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂〔ポリビニルアルコール(PVA)、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール等〕、エーテル結合を有する樹脂〔ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル(PVE)等〕、カルバモイル基を有する樹脂〔ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリル酸ヒドラジド等〕、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ビニルピロリドン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、水溶性ポリエステル、水溶性ポリウレタン、水溶性ナイロン、水溶性エポキシ樹脂、アルキレンオキサイド系樹脂を挙げることができる。
熱可塑性成分の含有率は、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上である。
前記Tgを25〜150℃に設定することにより、塗布乾燥時や保管時に空隙を維持することができ、吸液性が高くなり、受像材料の保存中における空隙率の低下や、ブロッキング故障の発生を回避することができるとともに、インク受容層が強固で、印字後の平滑化処理が良好になされる。
インク受容層又は/及びその隣接層には、公知のインクジェット記録用受像材料のインク受容層に添加する水溶性バインダー、媒染剤、微粒子、架橋剤等を適宜添加することができる。
水溶性バインダーとしては、前記熱可塑性水溶性ポリマーとして挙げたもの以外に、例えば、親水性構造単位としてヒドロキシ基を有する樹脂である、セルロース系樹脂〔メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等〕、キチン類、キトサン類、デンプン、等が挙げられる。
また、前記貫通孔粒子、前記凹部を有する粒子、熱可塑性微粒子の他に、他の有機微粒子及び無機微粒子を使用することができる。有機微粒子としては例えば、乳化重合、マイクロエマルジョン系重合、ソープフリー重合、シード重合、分散重合、懸濁重合などにより得られるポリマー微粒子で架橋基が導入されたもの、天然高分子等の粉末等の微粒子が挙げられる。
無機微粒子としては、シリカ微粒子、コロイダルシリカ、二酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロイサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、擬ベーマイト、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、アルミナ、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ランタン、酸化イットリウム等が挙げられる。
架橋剤は、前記の水溶性樹脂がポリビニルアルコールの場合には、ホウ素化合物が好ましく用いられる。該ホウ素化合物としては、例えば、硼砂、硼酸、硼酸塩(例えば、オルト硼酸塩、InBO3、ScBO3、YBO3、LaBO3、Mg3(BO3)2、Co3(BO3)2、二硼酸塩(例えば、Mg2B2O5、Co2B2O5)、メタ硼酸塩(例えば、LiBO2、Ca(BO2)2、NaBO2、KBO2)、四硼酸塩(例えば、Na2B4O7・10H2O)、五硼酸塩(例えば、KB5O8・4H2O、Ca2B6O11・7H2O、CsB5O5)等を挙げることができる。中でも、速やかに架橋反応を起こすことができる点で、硼砂、硼酸、硼酸塩が好ましく、特に硼酸が好ましい。
例えば、ホルムアルデヒド、グリオキザール、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、ジアルデヒドスターチ、植物ガムのジアルデヒド誘導体等のアルデヒド系化合物;ジアセチル、1,2−シクロペンタンジオン、3−ヘキセン−2,5−ジオン等のケトン系化合物;ビス(2−クロロエチル)尿素、ビス(2−クロロエチル)スルホン、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン・ナトリウム塩等の活性ハロゲン化合物;ジビニルスルホン、1,3−ビス(ビニルスルホニル)−2−プロパノール、N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセタミド)、ジビニルケトン、1,3−ビス(アクリロイル)尿素、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン等の活性ビニル化合物;ジメチロ−ル尿素、メチロールジメチルヒダントイン等のN−メチロール化合物;トリメチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン、メラミン、ベンゾグアナミン、メラミン樹脂等のメラミン化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、スピログリコールジグリシジルエーテル、フェノール樹脂のポリグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;
上記の架橋剤は、一種単独で用いてもよいし、2種以上を組合わせて用いてもよい。
アニオン性色素をインク受容層に固定するために媒染剤が用いられる。
媒染剤としてはカチオン性のポリマー(カチオン性媒染剤)、又は無機媒染剤が好ましく用いられる。
カチオン性媒染剤としては、カチオン性基として、第1級〜第3級アミノ基、又は第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が好適に用いられるが、カチオン性の非ポリマー媒染剤も使用することができる。これら媒染剤は、インク受容層のインク吸収性良化の観点から、重量平均分子量が500〜100000の化合物が好ましい。
上記ポリマー媒染剤としては、第1級〜第3級アミノ基及びその塩、又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体(媒染モノマー)の単独重合体や、該媒染モノマーと他のモノマー(以下、「非媒染モノマー」という。)との共重合体又は縮重合体として得られるものが好ましい。また、これらのポリマー媒染剤は、水溶性ポリマー又は水分散性ラテックス粒子のいずれの形態でも使用できる。
その他、共重合可能なモノマーとして、N―ビニルイミダゾール、N―ビニル−2−メチルイミダゾール等も挙げられる。
また、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミドなどの単位を用い、重合後に加水分解によってビニルアミン単位とすること、及びこれを塩にしたものも利用できる。
上記非媒染モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等のアラルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類;塩化ビニリデン、塩化ビニル等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル;エチレン、プロピレン等のオレフィン類、等が挙げられる。
中でも、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートが好ましい。
上記非媒染モノマーも、一種単独で又は二種以上を組合せて使用できる。
無機媒染剤の具体例としては、例えば、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、インジウム、バリウム、ランタン、セリウム、プラセオジミウム、ネオジミウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスロプロシウム、エルビウム、イッテルビウム、ハフニウム、タングステン、ビスマスから選択される金属の塩又は錯体が挙げられる。
本発明の受像材料は、必要に応じて、更に各種の公知の添加剤、例えば酸、紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、モノマー、重合開始剤、重合禁止剤、滲み防止剤、防腐剤、粘度安定剤、消泡剤、界面活性剤、帯電防止剤、マット剤、カール防止剤、耐水化剤等を含有することができる。
具体的な酸の例としては、ギ酸、酢酸、グリコール酸、シュウ酸、プロピオン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、グルタル酸、グルコン酸、乳酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、サリチル酸、サリチル酸金属塩(Zn,Al,Ca,Mg等の塩)、メタンスルホン酸、イタコン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、スチレンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、バルビツール酸、アクリル酸、メタクリル酸、桂皮酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アミノ安息香酸、ナフタレンジスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、トルエンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸、スルファニル酸、スルファミン酸、α−レゾルシン酸、β−レゾルシン酸、γ−レゾルシン酸、没食子酸、フロログリシン、スルホサリチル酸、アスコルビン酸、エリソルビン酸、ビスフェノール酸、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、ほう酸、ボロン酸等が挙げられる。これらの酸の添加量は、インク受容層の表面pHが3〜8になるように決めればよい。
上記の酸は金属塩(例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、セシウム、亜鉛、銅、鉄、アルミニウム、ジルコニウム、ランタン、イットリウム、マグネシウム、ストロンチウム、セリウムなどの塩)、又はアミン塩(例えばアンモニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、ポリアリルアミンなど)の形態で使用してもよい。金属塩の例としては、ポリ塩化アルミニウム、オキシ塩化ジルコニウム、酢酸ジルコニルなどがあげられる。
アルキル化フェノール化合物(ヒンダードフェノール化合物を含む)、アルキルチオメチルフェノール化合物、ヒドロキノン化合物、アルキル化ヒドロキノン化合物、トコフェロール化合物、チオエーテル結合を有する脂肪族・芳香族及び/又は複素環化合物、ビスフェノール化合物、O−,N−及びS−ベンジル化合物、ヒドロキシベンジル化合物、トリアジン化合物、ホスホネート化合物、アシルアミノフェノール化合物、エステル化合物、アミド化合物、アスコルビン酸、アミン系抗酸化剤、2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール化合物、2−ヒドロキシベンゾフェノン化合物、アクリレート、水溶性又は疎水性の金属塩、有機金属化合物、金属錯体、ヒンダードアミン化合物(TEMPO化合物を含む)、2−(2−ヒドロキシフェニル)1,3,5,−トリアジン化合物、金属不活性化剤、ホスフィット化合物、ホスホナイト化合物、ヒドロキシアミン化合物、ニトロン化合物、過酸化物スカベンジャー、ポリアミド安定剤、ポリエーテル化合物、塩基性補助安定剤、核剤、ベンゾフラノン化合物、インドリノン化合物、ホスフィン化合物、ポリアミン化合物、チオ尿素化合物、尿素化合物、ヒドラジト化合物、アミジン化合物、糖化合物、ヒドロキシ安息香酸化合物、ジヒドロキシ安息香酸化合物、トリヒドロキシ安息香酸化合物等が挙げられる。
上記ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル及びポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリーコールジエチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等)、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレート等)、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類(例えば、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等)、グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、グリセロールモノオレート等)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類(モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリン等)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノオレート等)、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アセチレングリコール類(例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、及び該ジオールのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物等)等が挙げられ、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類が好ましい。該ノニオン系界面活性剤は、第1の塗布液及び第2の塗布液において使用することができる。また、上記ノニオン系界面活性剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記カチオン系界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩などがあげられる。
例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルトリアルキルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル基含有オリゴマー、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどがあげられる。
具体的には、芳香族カルボン酸エステル類(例えばフタル酸ジブチル、フタル酸ジフェニル、安息香酸フェニルなど)、脂肪族カルボン酸エステル類(例えばアジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、ステアリン酸メチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル、アセチルクエン酸トリエチルなど)、リン酸エステル類(例えばリン酸トリオクチル、リン酸トリクレジルなど)、エポキシ類(例えばエポキシ化大豆油、エポキシ化脂肪酸メチルなど)、アルコール類(例えば、ステアリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGMBE)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリンモノメチルエーテル、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、トリエタノールアミン、ポリエチレングリコールなど)、植物油(例えば大豆油、ヒマワリ油など)高級脂肪族カルボン酸(例えばリノール酸、オレイン酸など)等が挙げられる。
支持体としては、プラスチック等の透明材料よりなる透明支持体、紙等の不透明材料からなる不透明支持体のいずれをも使用できる。インク受容層のインク吸収速度を上げるためには紙を用いることが好ましい。またCD-ROM、DVD-ROM等の読み出し専用光ディスク、CD-R,DVD-R等の追記型光ディスク更には書き換え型光ディスクを支持体として用いレーベル面側にインク受容層を付与することもできる。
上記透明支持体の厚みとしては、特に制限はないが、取り扱い易い点で、50〜200μmが好ましい。
白色顔料含有発泡ポリエステルフィルム(例えば、ポリオレフィン微粒子を含有させ、延伸により空隙を形成した発泡PET)も好適に挙げることができる。更に銀塩写真用印画紙に用いられるレジンコート紙も好適である。
上記原紙としては、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプ、あるいはナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙される。上記木材パルプとしては、LBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることができるが、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。
但し、LBSP及び/又はLDPの比率としては、10質量%以上、70質量%以下が好ましい。
更に、原紙剛度としては、JIS P−8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。
原紙のpHは、JIS P−8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であることが好ましい。
前記ポリエチレン層は、通常ポリエチレンの溶融押し出し法によるラミネート加工が行われるが、ポリエチレン粒子の水性分散液を塗布し加熱乾燥することによっても設けることができる。また、ポリエチレン以外のポリマー分散物の塗布によっても樹脂被覆紙を製造することができる。
バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
受像材料は、前記のごとき支持体にインク受容層用塗布液を塗布することにより作製される。インク受容層用塗布液は、インク受容層を形成する各成分を溶媒、好ましくは水性溶媒中に分散・溶解させることにより調製される。
前記溶媒として水、有機溶媒、又はこれらの混合溶媒を用いることができる。前記有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、メトキシプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン等が挙げられる。
前記インク受容層用塗布液の塗布は、例えば、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等の公知の塗布方法によって行うことができる。
本発明のインクジェット記録方法は、前記のごとき受像材料に分散インク、顔料インク、水溶性染料インク、光硬化性インク、及び溶剤系インクのうちのいずれかのインクを用いて記録し、得られた受像材料に平滑化処理を施すことを特徴としている。この平滑化処理により、光沢性に優れた画像が形成される。
平滑化は、印画面を加圧する方法(加圧平滑化)、加熱する方法(加熱平滑化)、又は加熱・加圧する方法(加熱・加圧平滑化)等が挙げられる。また、加熱して平滑化した場合は、加熱後、受像材料を必要に応じ適宜冷却する。
前記1対の加熱ロールによる加熱・加圧平滑化における受像材料表面における加熱温度は、多孔質層のTgにより適宜選択されるが、一般的に80〜160℃程度である。また、加圧条件は、1〜30Kg/cm程度である。
対向する1対のロールは、アルミ製又はステンレス鋼製等の金属ロール表面に、シリコーン樹脂(ゴム)やフッ素樹脂(ゴム)等の離型層を設けたものが用いられる。また、前記ベルトは、耐熱性及び機械的強度を考慮して、ニッケル、アルミニウム、ステンレス等の金属シートや、PET、PBT、ポリエステル、ポリイミド、ポリイミドアミド等の樹脂フィルムの上に、シリコーン系ゴム、フッ素系ゴム、シリコーン−フッ素系ゴムなどの耐熱性及び離型性に優れたゴムを含む離型層を形成したものを用いることができる。
また、加熱後、加熱ベルトを受像材料の表面から剥離する際、剥離前に加熱ベルトを冷却してから剥離すると、剥離面がより平滑となり好ましい。
図2は加熱・加圧平滑化に用いる他の手段を示すもので、40は加熱ベルトを示し、42はベルト、44は加熱ロール、45は金属ロール、46は離型層、48はハロゲンランプ等の加熱手段、49は支持ロールをそれぞれ示す。また、50は加熱ロール44とニップ部を形成する加圧ロールであり、52は金属ロール、54は離型層である。
分散インクは、少なくとも一種の油溶性染料と、少なくとも一種の油溶性ポリマーと、少なくとも一種の(水の溶解度が25g以下である)低沸点有機溶媒とを混合して油相(有機相)を調製し、得られた油相を水(水相)中に加え、ホモジナイザーなどの乳化機を用いて乳化分散させることにより得られる、油溶性ポリマー中に油溶性染料が内包された着色微粒子が分散されたインクである。
また、前記着色微粒子の分散液に、末端に疎水性基をもつ水溶性化合物(ポリマーを含む)を添加することにより、着色微粒子(分散滴)の凝集を効果的に抑制し、均一な分散状態を安定に保持することができる。
前記のごとき分散インクは特願2003−24530号明細書に詳細に記載されており、該明細書に記載の分散インクを本発明の記録方法に用いることができる。
例えば、アントラキノン系、ナフトキノン系、スチリル系、インドアニリン系、アゾ系、ニトロ系、クマリン系、メチン系、ポルフィリン系、アザポルフィリン系、フタロシアニン系等の染料が挙げられる。なお、フルカラー印刷用には、通常イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の三原色に黒(K)を加えた、少なくとも4色が必要となる。これらの4色の色素の具体例及びインク中での含有量は前記明細書の段落0030〜0213に記載のものが適用できる。
また、油溶性ポリマーのガラス転移温度等を調節したり分散安定性等を向上させるために高沸点有機溶媒を添加することもできる。
疎水性基とは脂肪族基、芳香族基、脂環式基等であり(具体的には前記明細書の段落0306〜0314に示されるものが挙げられる)、疎水性ポリマーとはポリスチレン及びその誘導体、ポリメタクリル酸エステル及びその誘導体、ポリアクリル酸エステル及びその誘導体、ポリ塩化ビニル等である。また、ヘテロ結合を有する2価の連結基とはエーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合、チオエステル結合等をいう。また、水溶性ポリマーとはビニルアルコール系モノマー及び不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー又は不飽和ホスホン酸モノマーの少なくとも1種、更にこれらにビニルエステル系モノマー(酢酸ビニル、蟻酸ビニル、プロピオン酸ビニル等)を含むモノマーから重合して得られるポリマーや、−CH2−C(R)(OH)−CH2−O−(Rは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基)を繰り返し単位として含むポリマー等が挙げられる。
末端に疎水性基を有する水溶性ポリマーの具体例及びそのインク中の含有量は前記明細書の段落0329〜0332に記載のものを適用しうる。
前記成分の他に、油相を調製する際、他の水溶性ポリマー(前記明細書段落0336に記載のもの)、界面活性剤(前記明細書段落0337に記載のもの)を適宜使用できる。
顔料インクは、水不溶性の有機顔料を界面活性剤や分散ポリマーを含む水性媒体に添加後、硬質ビーズを用いてサンドミル、ボールミルなどの分散機によって微細化して調製される。この顔料インクにおいて、分散インクの説明の箇所で述べた、末端に疎水性基を有する水溶性ポリマーを顔料と共存させることにより、顔料を、凝集を起こすことなく均一かつ安定に水系媒体に分散させることができる。このような顔料インクは特願2003−24004号明細書に詳細に開示されており、本発明の記録方法に用いられる。前記の末端に疎水性基を有する水溶性ポリマー及びインク中の含有量は前記明細書の段落0023〜0056に記載のものを、また、用いうる顔料及びインク中の含有量は同明細書段落0057及び0058に記載のものを適用しうる。
水溶性染料インクは、水溶性染料を水性媒体に溶解させたインクである。水溶性染料インクは透明性及び色濃度が高いという特徴を有する。また、水溶性染料は水中安定性が良好であるが、まれに保存中に徐々に析出することがあり、これがノズル中で起こると液詰まりを起こす。このため、前記で述べたと同様な、ヘテロ結合を有する2価の連結基を介して、疎水性基又は疎水性ポリマーと、繰り返し単位として−CH2−C(R)(OH)−CH2−O−(Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基)を含むポリマーとが連結した水溶性ポリマーを水溶性染料インク中に添加すると、保存時に染料の析出が抑制される。したがって、ノズル部での液詰まりの発生を防ぎ、また液詰まりが発生してもその部分での洗浄(クリーニング)性に優れている。このような水溶性染料インクは、特願2003−100492号明細書に詳細に説明されており、用いうる水溶性染料及び水溶性染料のインク中における含有量については前記明細書段落0045〜0056に、前記疎水性基含有水溶性ポリマー及び該ポリマーのインクにおける含有量については同明細書段落0019〜0043に記載のものを適用しうる。
光硬化性インクは、印字後に光(紫外線等)照射して重合硬化させるインクであり、着色剤、光硬化性オリゴマー及び/又はモノマー及び光重合開始剤を少なくとも含み、水系のもの及び非水系のものがあるが、いずれも用いることができる。例えば水系の光硬化性インクとしては、例えば特開2001−323194号公報の段落0035〜0053、0056〜0065に記載のもの[光硬化性モノマー/オリゴマー(0035〜0037)、光重合開始剤(0038〜0040)、着色剤(0041〜0048)、水性媒体(0051〜0052)]、特開2000−336295号公報の段落0015〜0078、0089〜0093に記載のもの[光重合ウレタンオリゴマー/モノマー(0016〜0028)、光重合開始剤(0030〜0032)、着色剤(0030〜0038)、水性溶媒(0043〜0044)]のものを用いることができる。また、非水系の光硬化性インクとしては、例えば、特開2003−147233号公報の段落0005〜0048に記載のもの[顔料(0013)、紫外線硬化性化合物(0014〜0019)、光重合開始剤及び増感剤(0020〜0023)]を用いることができる。
前記光重合性モノマーを、印字後に紫外線等の光によって重合硬化させることにより、印字画像は任意に選択された被記録材に固定され、画像の画像安定性、すなわち耐水性、耐光性(特に対オゾン性)、及び耐擦過性を向上させることができる。
溶剤系インクは、油溶性染料を有機溶媒に溶解させたものである。油溶性染料としては、前記分散インクの箇所で記載した油溶性染料を同様に用いることができる。また、有機溶媒としては、溶剤系インクが記載されている特開昭63−60784号公報の4頁右下欄下から5行ないし5頁右下欄5行中、同箇所の5頁左上欄2行〜同頁左下欄7行に記載の有機溶媒が使用しうる。
LBKP100部からなる木材パルプをダブルディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlまで叩解し、エポキシ化ベヘン酸アミド0.5部、アニオンポリアクリルアミド1.0部、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン0.1部、カチオンポリアクリルアミド0.5部を、いずれもパルプに対する絶乾質量比で添加し、長網抄紙機により秤量し170g/m2の原紙を抄造した。
(インク受容層用塗布液B1の調製)
下記処方における各成分を上から順次少しずつ添加してインク受容層用塗布液B1を調製した。
−インク受容層受像用塗布液B1の組成−
ミューティクルPP2000TX(貫通孔粒子) 100部
(アクリルスチレン系ディスパージョン、固形分濃度;20%)
(三井化学製、平均粒径;0.5μm、Tg;105℃)
エマルゲン109P(ポリオキシエチレンラウリルエーテル) 1部
(花王(株)製、HLB値13.6、固形分濃度;10%水溶液)
リカボンドES−90 40部
(アクリル系エマルジョン、固形分濃度;50質量%)
(中央理化工業製、Tg;108℃)
ビニブロン2642 5部
(アクリル系エマルジョン、固形分濃度;40質量%)
(日信化学工業製、Tg;−34℃)
上記支持体Aのオモテ面に上記インク受容層用塗布液B1を、ホッパー型塗布機を用いて乾燥膜厚35g/m2の塗布量で塗布し、熱風乾燥機にて50℃で乾燥させた。以上により、実施例1のインクジェット記録用受像材料を作製した。
なお、インク受容層中の熱可塑性成分の含有率は、インク受容層中の固形分全体に対して99.8質量%であり、貫通孔粒子の含有率は、インク受容層中の固形分全体に対して47.5質量%であった。
実施例1のインクジェット記録用受像材料の作製において、インク受容層用塗布液B1の代わりに下記インク受容層用塗布液B2を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2のインクジェット記録用受像材料を作製した。
なお、インク受容層中の熱可塑性成分の含有率は、インク受容層中の固形分全体に対して99.9質量%であり、凹部を有する粒子の含有率は、インク受容層中の固形分全体に対して47.6質量%であった。
(インク受容層用塗布液B2の調製)
下記のインク受容層用塗布液組成を、撹拌しながら上から順次少しずつ添加して調製した。
−インク受容層用塗布液B2の組成−
ミューティクルPP240D(凹部を有する粒子) 45.5部
(アクリル系ディスパージョン、固形分濃度;44%)
(三井化学製、平均粒径;0.5μm、Tg:105℃)
エマルゲン109P(ポリオキシエチレンラウリルエーテル) 0.5部
(花王(株)製、HLB値13.6、固形分濃度;10%水溶液)
リカボンドES−90 40部
(アクリル系エマルジョン、固形分濃度;50質量%)
(中央理化工業製、Tg;108℃)
ビニブロン2642 5部
(アクリル系エマルジョン、固形分濃度;40質量%)
(日信化学工業製、Tg;−34℃)
実施例1のインクジェット記録用受像材料の作製において、インク受容層用塗布液B1の代わりに下記インク受容層用塗布液B3を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3のインクジェット記録用受像材料を作製した。なお、インク受容層中の熱可塑性成分の含有率は、インク受容層中の固形分全体に対して99.8質量%であり、貫通孔粒子の含有率は、インク受容層中の固形分全体に対して47.5質量%であった。
(インク受容層用塗布液B3の調製)
下記のインク受容層用塗布液組成を、撹拌しながら上から順次少しずつ添加して調製した。
−インク受容層用塗布液B3の組成−
ミューティクルPP2000TX(貫通孔粒子) 100部
(アクリルスチレン系ディスパージョン、固形分濃度;20%)
(三井化学製、平均粒径;0.5μm、Tg;105℃)
エマルゲン109P(ポリオキシエチレンラウリルエーテル) 1部
(花王(株)製、HLB値13.6、固形分濃度;10%水溶液)
リカボンドES−90 40部
(アクリル系エマルジョン、固形分濃度;50質量%))
(中央理化工業製、Tg;108℃)
リカボンドET−111 4部
(アクリル系エマルジョン、固形分濃度;50質量%))
(中央理化工業製、Tg;−11℃)
実施例1のインクジェット記録用受像材料の作製において、インク受容層用塗布液B1の代わりに下記インク受容層用塗布液B4を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4のインクジェット記録用受像材料を作製した。なお、インク受容層中の熱可塑性成分の含有率は、インク受容層中の固形分全体に対して95.2質量%であり、貫通孔粒子の含有率は、インク受容層中の固形分全体に対して45.8質量%であった。
(インク受容層用塗布液B4の調製)
下記のインク受容層用塗布液組成を、撹拌しながら上から順次少しずつ添加して調製した。
−インク受容層用塗布液の組成−
ミューティクルPP2000TX(貫通孔粒子) 100部
(アクリルスチレン系ディスパージョン、固形分濃度;20%)
(三井化学製、平均粒径;0.5μm、Tg;105℃)
エマルゲン109P(ポリオキシエチレンラウリルエーテル) 1部
(花王(株)製、HLB値13.6、固形分濃度;10%水溶液)
VONCOAT SK−105(アクリル系エマルジョン) 40部
(DIC製、Tg;100℃、固形分濃度;54質量%)
PVA205水溶液(固形分濃度;10質量%) 20部
(PVA205:東レ製)
実施例1のインクジェット記録用受像材料の作製において、インク受容層用塗布液B1の代わりに下記インク受容層用塗布液B5を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例5のインクジェット記録用受像材料を作製した。なお、インク受容層中の熱可塑性成分の含有率は、インク受容層中の固形分全体に対して99.6質量%であり、貫通孔粒子の含有率は、インク受容層中の固形分全体に対して83.0質量%であった。
(インク受容層用塗布液B5の作製)
下記のインク受容層用塗布液組成を、撹拌しながら上から順次少しずつ添加して調製した。
−インク受容層用塗布液の組成−
ミューティクルPP2000TX(貫通孔粒子) 100部
(アクリルスチレン系ディスパージョン、固形分濃度;20%)
(三井化学製、平均粒径;0.5μm、Tg;105℃)
エマルゲン109P(ポリオキシエチレンラウリルエーテル) 1部
ケミパールM200(低密度ポリエチレン微粒子分散物) 10部
(三井化学製、平均粒径6μm、40質量%)
実施例1のインクジェット記録用受像材料の作製において、インク受容層用塗布液B1の代わりに下記インク受容層用塗布液B6を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例6のインクジェット記録用受像材料を作製した。なお、インク受容層は下記貫通孔粒子の存在により熱可塑性を呈する。なお、インク受容層中の熱可塑性成分の含有率は、インク受容層中の固形分全体に対して99.9質量%であり、貫通孔粒子の含有率は、インク受容層中の固形分全体に対して91.7質量%であった。
(インク受容層用塗布液B6の作製)
下記のインク受容層用塗布液組成を、撹拌しながら上から順次少しずつ添加して調製した。
−インク受容層用塗布液の組成−
ミューティクルPP2000TX(貫通孔粒子) 100部
(アクリルスチレン系ディスパージョン、固形分濃度;20%)
(三井化学製、平均粒径;0.5μm、Tg;105℃)
PVA205水溶液(固形分濃度;10質量%) 10部
(PVA205:クラレ製)
TEGmBE(トリエチレングリコールモノブチルエーテル) 0.8部
実施例3において、ミューティクルPP2000TXを添加しなかったこと、及びエマルゲン109Pを0.3部にしたこと以外は実施例3と同様にして比較例1のインクジェット記録用受像材料を作製した。なお、インク受容層中の熱可塑性成分の含有率は、インク受容層中の固形分全体に対して99.9質量%であった。
実施例4において、ミューティクルPP2000TXを添加しなかったこと、及びエマルゲン109Pを0.3部、イオン交換水を20部加えたこと以外は実施例4と同様にして比較例2のインクジェット記録用受像材料を作製した。なお、インク受容層中の熱可塑性成分の含有率は、インク受容層中の固形分全体に対して91.4質量%であった。
実施例5において、ミューティクルPP2000TXを添加しなかったこと、及びエマルゲン109Pを0.3部、イオン交換水を20部加えたこと以外は実施例5と同様にして比較例3のインクジェット記録用受像材料を作製した。なお、インク受容層中の熱可塑性成分の含有率は、インク受容層中の固形分全体に対して99.3質量%であった。
−着色微粒子分散物D−1の調製−
酢酸エチル10部に、下記油溶性染料(a)0.6部と、油溶性ポリマー(ブチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体〔共重合比(モル比)=50/50〕)1.4部と、下記化合物(B−1)0.3部とを混合して溶液I(有機相)を得た。一方、水15部にジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム0.3部を加えて溶液II(水相)を得た。
得られた着色微粒子分散物D−1を用いて下記組成とし、該組成成分を混合し、さらに0.45μmのフィルタで濾過して、分散インクAを調製した。
・前記着色微粒子分散物(D−1) …60部
・ジエチレングリコール … 5部
・グリセリン …15部
・ジエタノールアミン … 1部
・ポリエチレングリコール … 1部
・水 …全体で100部となる量
−着色微粒子分散物D−2の調製−
分散インクAの調製において、化合物(B−1)を添加せず、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム0.3部の代わりに、エマール20C(25%)2部を使用して、乳化分散後、水溶性ポリマー(c−1)を加えずに減圧脱溶媒して酢酸エチルを除去、固形分濃度10%に調整し、着色微粒子分散液D−2を得た。この着色微粒子分散物D−2中の分散滴(有機相)の粒径を着色微粒子分散物D−2と同様に測定したところ、体積平均粒径で95nmであった。
得られた着色微粒子分散物D−2を用いたこと以外は前述の「分散インクAの調製」と同様にして分散物インクBを調製した。
上記より得られた実施例1〜6のインクジェット記録用受像材料及び比較例1〜3のインクジェット記録用受像材料について以下の評価試験を行った。結果を表1に示す。
インクジェット記録用受像材料表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真(引き伸ばし後の倍率1万〜10万倍)をスキャナに入力してデジタル化した後、コンピュータ画像処理を行い、抽出された各空隙部分の面積と等しい面積を有する円の直径の分布の平均径(数平均)を求めて、それぞれインク受容層の平均細孔径とした。
分散インクAのインクジェット記録用受像材料への浸透性評価を以下のようにして行った。
J.TAPPI No.51−87に記載のブリストー法に記載されている方法であるブリストー法の液体吸収試験方法で測定した接触時間の平方根((ms)1/2)に対して吸液量(分散インクAの転写量)(ml/m2)をプロットしてその傾きKa(ml/m2・s1/2)より浸透性を評価した。傾きKaが大きいほど浸透性が大きいと言える。
1)EPSON V700にて、分散インクA及び分散インクBを詰めて印画後(それぞれ、「評価1」、「評価2」)、
2)EPSON G800及びG900にて印画後(それぞれ、「評価3」、「評価4」)、
それぞれ、図1に示す加熱ロール(金属ロール表面温度:150℃)で平滑化処理を行った。
そして、アルファベット及び文字(漢字)からなる印字サンプルを男女5名ずつ計10名に見せて官能評価を行った。官能評価は各人の以下の評価点数を合計し、以下の評価基準に従い評価した。結果を表1に示す。
(評価点数)
3:エッジがシャープで鮮明な画像である。
2:エッジがややぼやけている。
1:フェザリングやニジミが発生している。
(評価基準)
○:25点以上
△:20〜25点
×:20点未満
16、48 加熱手段
30 インクジェット記録用受像材料
40 加熱ベルト
42 ベルト
44 加熱ロール
50 加圧ロール
Claims (10)
- 支持体上に、貫通孔を有する粒子及び凹部を有する粒子のうちの少なくとも一方の粒子を含むインク受容層を有し、かつ該インク受容層が熱可塑性を有するとともに、当該熱可塑性に起因する熱可塑性成分の含有率がインク受容層中の固形分全体に対して50質量%以上であり、かつ前記貫通孔を有する粒子又は凹部を有する粒子がインク受容層中の固形分全体に対して10質量%以上であることを特徴とする受像材料。
- 前記貫通孔を有する粒子が有機粒子であることを特徴とする請求項1に記載の受像材料。
- 前記有機粒子がスチレン系又はアクリル系の粒子であることを特徴とする請求項2に記載の受像材料。
- 前記凹部を有する粒子が赤血球型扁平粒子であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の受像材料。
- 前記インク受容層が熱可塑性微粒子を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の受像材料。
- 前記インク受容層が熱可塑性水溶性ポリマーを含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の受像材料。
- 前記インク受容層が多孔質層であって、その平均細孔径が0.1μm以上であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の受像材料。
- 前記インク受容層の熱可塑性成分が、有機粒子、熱可塑性微粒子、及び熱可塑性水溶性ポリマーのうちの少なくともいずれか1種であって、有機粒子、熱可塑性微粒子、及び熱可塑性水溶性ポリマーのうちのいずれか1種以上のTgが150℃以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の受像材料。
- 前記受像材料が、インクジェット記録用であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の受像材料。
- 請求項1から9のいずれか1項に記載の受像材料に、分散インク、顔料インク、水溶性染料インク、光硬化性インク、及び溶剤系インクのうちのいずれかのインクを用いて記録し、得られた受像材料を平滑化処理することを特徴とするインクジェット記録方法。
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2004
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