缶商品やPETボトル商品等の様々な縦長形状の飲料商品を扱う自動販売機は、一般的に、自動販売機本体内に、投入口傾斜板等で構成される商品投入口部と、蛇行上に上下方向に伸びた商品通路、可動側板および商品搬出装置で構成される商品収容棚が、複数収納されている。そして、自動販売機で販売される飲料商品は、この商品収容棚に一旦収容され、その後、販売される構造となっている。
次に、自動販売機の商品収容棚への飲料商品の収容から販売までの流れを説明する。
まず、商品投入口部に水平状態(横倒し状態)で投入された飲料商品は、投入口傾斜板から水平状態(横倒し状態)を保持しながら商品通路へ収容され、収容された商品は商品通路の下端部に取り付けられた商品搬出装置上に水平状態(横倒し状態)で積み上げられ販売待機状態となる。
その後、販売信号に応じて、下から2本目の飲料商品を次期商品支持部材と商品通路板で一旦保持し、その間に最下部商品を商品搬出装置から払い出して、購入者に飲料商品を提供する。
その際、下から2本目の次期商品支持部材により保持される飲料商品には、上方に積み上げられた飲料商品の荷重がかかるため変形する可能性が高い。
自動販売機で販売される飲料商品は、缶商品やPETボトル商品やびん商品といった容器種類の違い、中身飲料の容量の違いから、様々な種類の飲料商品が販売されており、また、一方で容器の原材料の削減を目的とした缶商品やPETボトル商品の容器の薄肉化が進んでいる。
容器の強度が弱い飲料商品(特に、PETボトル商品)にあっては、上方に積み上げられた飲料商品の商品荷重も相まって次期商品支持部材の商品保持部に保持された箇所が変形して次期商品支持部材の商品保持部と商品搬出装置本体を構成するフレームとの間の隙間に飲料商品が食い込んでしまうおそれがある。
この隙間に飲料商品(の容器)が食い込んだ場合、次期商品支持部材は退避位置に復帰できなくなり、商品通路に飲料商品が残っているにも係わらず飲料商品を販売することができないという販売トラブルが生じる。
そのため、自動販売機では上述したような多種多様な飲料商品が販売可能であることが望まれている。
前述のような多種多様な飲料商品、特に薄肉化の進んだ脆弱容器を商品収容棚で正常に販売するためには、販売信号に応じて下から2本目の飲料商品を、次期商品支持部材と商品通路板で一旦保持する際に生じる下から2本目の飲料商品の変形があっても、異常を発生することなく正常に販売することのできる商品搬出装置が必要とされている。
そこで、次期商品支持部材の上方位置で商品搬出装置のフレームに回動自在に軸支されると共に次期商品支持部材の先端(商品保持部部)に接する位置まで垂下し、次期商品支持部材の突出位置への移動に連動して商品通路に進出し、次期商品支持部材の先端(商品保持部部)と下から2本目の飲料商品との間に位置して、次期商品支持部材の商品保持部とフレームとの間の隙間を塞ぐフラップを設けることが提案されている(例えば、特許文献1)。
以下、図面を参照しながら特許文献1に開示された従来の自動販売機の商品搬出装置について説明する。
図39から図41に示すように、従来の自動販売機の商品搬出装置100は、商品通路板101との間に形成される商品通路102と対向するフレーム103に取り付けられ突出時に商品通路102の最下流側の飲料商品104を保持できるように商品通路102に対して突出動作と後退動作を行う主商品支持部材105と、主商品支持部材105よりも商品通路102の上流側で回動可能にフレーム103の開口部に設けられ主商品支持部材105の後退動作で最下流側の飲料商品104が払い出される時に下流側から2番目の飲料商品104を上端部に形成された商品保持部106で保持できるように商品通路102に対して突出動作と後退動作を行う次期商品支持部材107と、次期商品支持部材107が商品通路102に突出する時に次期商品支持部材107により商品通路102側に押し出されて次期商品支持部材107の商品保持部106とフレーム103との間の隙間を塞ぐフラップ108とを備えている。
フラップ108は潤滑鋼板からなり、次期商品支持部材107の横幅よりも長く左右方向に延在する横長の平板部109と、この平板部109の上端から上方に延在してヘアピンカーブ状に屈曲して次期商品支持部材107よりも上側でフレーム103に回動可能に係止される二股の係止部110と、この二股の係止部110の先端を連結する水平方向に延在する脱落防止片111とからなる。
平板部109は、係止部110と飲料商品104に当接する先端側(自由端側)との間に、先端側(自由端側)が下がった段差部112を有しており、さらに、平板部109の先端側(自由端側)は飲料商品104と当接する面とは反対側に略密着するように折り返されて、その折り曲げた箇所も含めて平板部109が2重になっている。
フラップ108は、その係止部110をフレーム103の開口部113の下縁に引っ掛けて用いられる。すなわち、フレーム103の前面(商品通路102側)からフラップ108の脱落防止片111を開口部113を貫通させた上でヘアピンカーブ状に屈曲した係止部110を開口部113の下縁に係止させる。なお、フラップ108のフレーム103への取付けは、売切検出スイッチ114を取付ける前段階で行う。
フラップ108の脱落防止片111は、フラップ108の係止部110をフレーム103の開口部113の下縁に係止した後、売切検出スイッチ114をフレーム103に取付けた場合、売切検出スイッチ114の取付台の下辺の下方に位置するように構成されている。これにより商品搬出装置100を組立てた場合、脱落防止片111の上部に売切検出スイッチ114の取付台の下辺が位置するので、フラップ108の上方への浮き上がりが防止される。
主商品支持部材105は、金属板の裏面に樹脂製の軸受台を備えた構成であり、フレーム103の開口部115の左右両側フランジの間に配置され、軸方向が左右方向となるようにフレーム103の開口部115に取り付けられたピン116に回動可能に支持されている。主商品支持部材105は、ピン116を中心として回動して、フレーム103の開
口部115から商品通路102の内側に突出する突出位置と、開口部115を閉塞する態様で商品通路102から退く退避位置との間に移動可能である。
主商品支持部材105は、ピン116に巻装されたねじりコイルバネ117の弾性付勢力によって突出位置に向けて常に付勢されており、突出位置において、その上面が飲料商品104を保持する保持面として形成されている。
次期商品支持部材107は、フレーム103の開口部115の左右両側フランジの間に配置され、軸方向が左右方向となるようにフレーム103の開口部115に取り付けられたピン118に回動可能に支持されている。次期商品支持部材107は、ピン118を中心として回動して、フレーム103の開口部115から商品通路102の内側に突出する突出位置と、開口部115を閉塞する態様で商品通路102から退く退避位置との間に移動可能である。
次期商品支持部材107は、ピン118に巻装されたねじりコイルバネ(図示せず)の弾性付勢力によって退避位置に向けて常に付勢されている。
次期商品支持部材107は、合成樹脂からなり、ピン118を挿通するピン孔と、複数の爪部119を有する商品保持部106と、ストッパ部が一体成形されている。次期商品支持部材107の爪部119は、同一構成の商品搬出装置100を背中合わせに抱き合わせた際に他方の商品搬出装置100における次期商品支持部材107の爪部119と互いに緩衝せずに噛み合うように形成されており、これにより次期商品支持部材107が商品通路102に突出した際にその商品保持部106とフレーム103との間の隙間を埋める機能を有する。
フラップ108の平板部109に段差部112を設けたのは、フラップ108の回動支点(ヘアピンカーブ状に屈曲した係止部110が開口部113の下縁に係止した箇所)を見掛け上、退避位置に復帰している次期商品支持部材107の先端(商品保持部106)に接近させてフラップ108の傾倒姿勢方向を次期商品支持部材107の先端(商品保持部106)と略同一の移動軌跡に近似させて商品通路102に進出させるためである。
すなわち、フラップ108は次期商品支持部材107により押し出されるので、次期商品支持部材107よりも先に下流側から2番目の飲料商品104に当接することとなる。この場合、フラップ108の回動支点が退避位置に復帰している次期商品支持部材107の商品保持部106から大きく離れている際には下流側から2番目の飲料商品104に当接したフラップ108が次期商品支持部材107の商品通路102への突出を遮ることから次期商品支持部材107が商品通路102の規定の突出位置への突出を妨げてしまう。
一方、フラップ108の回動支点が退避位置に復帰している次期商品支持部材107の商品保持部106に近接している場合にはフラップ108の傾倒姿勢は、次期商品支持部材107により押し出される当初から次期商品支持部材107が商品通路102の規定の突出位置に至るまで殆ど一定である。
つまり、フラップ108の回動支点が退避位置に復帰している次期商品支持部材107の商品保持部106に近接している場合には、フラップ108の傾倒姿勢方向が次期商品支持部材107の商品保持部106と略同一の移動軌跡に近似する。
このため、フラップ108が下流側から2番目の飲料商品104に当接した場合にも次期商品支持部材107は電磁ソレノイド120の吸引力(駆動力)により商品通路102の規定の突出位置に突出することができる。
ところが、フラップ108の回動支点が退避位置に復帰している次期商品支持部材107の商品保持部106に近接させた場合、次期商品支持部材107は退避位置から商品通路102への突出位置に突出する際、フラップ108の回動支点近傍を押圧して垂下したフラップ108を回動させねばならない。
フラップ108は軽量であるとしても回動支点の近傍を押圧して回動させるためには比較的大きな力を必要とすることから、フラップ108は次期商品支持部材107が商品通路102へ突出する際の抵抗となる。
次期商品支持部材107の商品通路102への突出タイミングは主商品支持部材105による飲料商品104の搬出タイミングと同期するように最適に定められているので、フラップ108が次期商品支持部材107の商品通路102への突出の際の抵抗となるのを出来る限り避けるのがのぞましい。
そこで、特許文献1に開示された従来の自動販売機の商品搬出装置に用いたフラップ108は、平板部109に段差部112を設け、フラップ108の回動支点を見掛け上、退避位置に復帰している次期商品支持部材107の商品保持部106に接近させている。
これにより、フラップ108の傾倒姿勢方向は、次期商品支持部材107の先端(商品保持部部106)と略同一の移動軌跡に近似して商品通路102に進出することとなるので、フラップ108が次期商品支持部材107の商品通路102への突出を妨げることがない。
また、フラップ108の回動支点が次期商品支持部材107の商品保持部106から離れることから次期商品支持部材107がフラップ108を押し出すための力は小さいものとなり、フラップ108が次期商品支持部材107の商品通路102への突出の際の抵抗となるのを抑えることができる。
ところで、自動販売機の商品搬出装置100は、径の異なる複数種類の飲料商品104を販売することができるものであり、商品の幅(長さ)も様々である。一方、商品通路102の横幅は販売する飲料商品104の内の横幅が最大のロングサイズの飲料商品104の長さ寸法を有するのに対して商品搬出装置100の横幅は短く、かつ、商品搬出装置100は商品通路102の幅方向の一方側に偏らせて配設されている。
これは、商品通路102の幅に対してショートサイズの飲料商品104を販売する場合には商品通路102に配設された通路幅調整部材を商品通路102の他方側から一方側に移動調整することによりショートサイズの飲料商品104を商品通路102の一方側(商品搬出装置100が配設された側)に整列させて上下方向に積み重ねるように構成し、これにより商品通路102内で商品姿勢(横倒し姿勢)が崩れて商品詰まりを生じるのを防止している。
このように、商品搬出装置100は商品通路102の幅方向一方側に寄せて配設されるとともにロングサイズの飲料商品104の幅よりも小さいことから、ロングサイズの飲料商品は次期商品支持部材107からはみ出すこととなる。
これに対し、フラップ108における平板部109の横幅は、次期商品支持部材107の横幅よりも長く形成されているので、ロングサイズの飲料商品の広い範囲をフラップ108により保持することができるので、軟弱な容器であっても変形を抑制することができる。
以上のように構成された従来の自動販売機の商品搬出装置100の動作を図面を参照しながら説明する。
図42に示した販売待機状態においては、電磁ソレノイド120が通電されていない状態であって、主商品支持部材105は、ねじりコイルバネ117の弾性付勢力によって突出位置にあり、その保持面に最下流側の飲料商品104が当接していることで、保持面の上に積み上げられた飲料商品104の荷重を受けている。
また、販売待機状態において、次期商品支持部材107は、ねじりコイルバネ(図示せず)の弾性付勢力によって退避位置に復帰している。また、フラップ108はフレーム103に沿って垂下している。
販売待機状態から販売指令により電磁ソレノイド120が通電されると、電磁ソレノイド120が復帰ばねの弾性付勢力に抗してプランジャーを吸引してリンク部材121を上昇させる。すると、主商品支持部材105のロックが解除され、主商品支持部材105は飲料商品104の商品荷重により退避位置に向けて回動する。
これと同時に、次期商品支持部材107は、退避位置から突出位置に向けて突出する。すなわち、販売待機状態からリンク部材121が上昇すると、次期商品支持部材107の摺動溝に係合した上リンクピン122が上昇する。
すると、次期商品支持部材107はピン118を中心として突出位置に向けてねじりコイルバネ(図示せず)の弾性付勢力に抗して移動する。リンク部材121が上限位置まで上昇すると上リンクピン122は次期商品支持部材107のストッパ面と当接して次期商品支持部材107の退避(後退)動作を阻止する。
次期商品支持部材107が退避位置から突出位置へ移動する過程において、次期商品支持部材107の先端(商品保持部106)はフラップ108の背面(飲料商品104と当接する面とは反対側の面)に当接してフラップ108を商品通路102に押し出す。つまり、フラップ108は次期商品支持部材107の退避位置から突出位置への移動に連動して商品通路102に押し出される。
突出位置に至った次期商品支持部材107の商品保持部106は、フレーム103と商品保持部106との間の隙間を塞ぐフラップ108を介して下流側から2番目の飲料商品104を保持し、商品通路板101との間で下流側から2番目の飲料商品104を保持する。この結果、最下流側の飲料商品104が主商品支持部材105を擦り抜けて搬出される(図43参照)。
ここで、図44に示すように、最下流側の飲料商品104が搬出されて主商品支持部材105が飲料商品104の商品荷重を受けなくなると、主商品支持部材105がねじりコイルバネ117の付勢力によって突出位置(販売待機位置)に復帰し、主商品支持部材105が販売待機位置でロック状態となる。
そして、電磁ソレノイド120への通電がなくなると、リンク部材121が復帰ばねの付勢力により下降するので、上リンクピン122による次期商品支持部材107の退避(後退)動作阻止状態が解除され、次期商品支持部材107は、ねじりコイルバネ(図示せず)の付勢力により待機位置に復帰する。
上述したように、フラップ108は、商品搬出装置100の販売動作時に次期商品支持
部材107の商品保持部106とフレーム103との間の隙間を塞ぎ、容器形態が軟弱な飲料商品104が次期商品支持部材107の商品保持部106とフレーム103との間の隙間に食い込んで次期商品支持部材107が復帰できなくなるような販売トラブルを未然に防止する。
第1の発明は、商品通路と対向するフレームに取り付けられ突出時に前記商品通路の最下流側の商品を保持できるように前記商品通路に対して突出動作と後退動作を行う主商品支持部材と、前記主商品支持部材よりも前記商品通路の上流側で回動可能に前記フレームの開口部に設けられ前記主商品支持部材の後退動作で最下流側の商品が払い出される時に下流側から2番目の商品を上端部に形成された商品保持部で保持できるように前記商品通路に対して突出動作と後退動作を行う次期商品支持部材と、前記次期商品支持部材が前記
商品通路に突出する時に前記次期商品支持部材により前記商品通路側に押し出されて前記次期商品支持部材の前記商品保持部と前記フレームとの間の隙間を塞ぐフラップとを備えた自動販売機の商品搬出装置において、前記フラップは、左右方向に延在する横長の平板部と、前記平板部の上端から上方に延在して少なくともヘアピンカーブ状に屈曲して前記次期商品支持部材よりも上側で前記フレームに回動可能に係止される係止部とを備え、
前記次期商品支持部材の前記商品保持部と前記フレームとの間の隙間を塞いでいる状態の前記フラップの上に載った下流側から2番目の商品が、前記フラップの前記係止部側の前記平板部の傾斜よりも急角度の傾斜によって前記次期商品支持部材の前記商品保持部の上に誘導されるように、前記平板部の自由端側を前記商品通路から後退する回動方向に折り曲げたことを特徴とする。
上記構成において、次期商品支持部材の商品保持部とフレームとの間の隙間を塞いでいる状態のフラップの上に載った下流側から2番目の商品が、フラップの係止部側の平板部の傾斜よりも急角度の傾斜によって次期商品支持部材の商品保持部の上に誘導されるように、平板部の自由端側を商品通路から後退する回動方向に折り曲げたので、フラップの上に載った下流側から2番目の商品は、フラップの係止部側の平板部の傾斜よりも急角度の傾斜によって次期商品支持部材の商品保持部の上に誘導され、次期商品支持部材の商品保持部の上に直接、下流側から2番目の商品が載り易くなる。
そのため、従来よりも、フラップや次期商品支持部材の爪部に商品荷重が掛かりにくくなり、次期商品支持部材は、従来よりも次期商品支持部材の本体部側に商品荷重が掛かるため、次期商品支持部材が商品荷重で変形しにくい。
また、フラップの上に載った下流側から2番目の商品が、フラップの係止部側の平板部の傾斜よりも急角度の傾斜によって次期商品支持部材の商品保持部の上に誘導されるように、平板部の自由端側を商品通路から後退する回動方向に折り曲げたので、そのように折り曲げていないフラップを設けた従来の場合よりも、フラップの先端(自由端)寄りの部分を次期商品支持部材によって押圧されてフラップが回動することになる。しかも、フラップの回動動作が次期商品支持部材の突出動作の初期に集中せず、次期商品支持部材の突出動作の中期でもフラップが従来よりも大きく回動する。
一般に、電磁ソレノイドの吸引力(駆動力)は電磁ソレノイドに吸引されるプランジャーが電磁ソレノイドに近くなるにつれて大きくなる傾向にある。
したがって、次期商品支持部材を商品通路へ突出させる電磁ソレノイドに求められる吸引力(駆動力)を従来のものよりも小さくすることができる。
また、フラップの上に載った下流側から2番目の商品が、フラップの係止部側の平板部の傾斜よりも急角度の傾斜によって次期商品支持部材の商品保持部の上に誘導されるように、平板部の自由端側を商品通路から後退する回動方向に折り曲げたので、フラップが次期商品支持部材よりも商品通路に突出する時の突出量が従来よりも小さくなり、回動途中のフラップが商品に当接する可能性は低くなる。
また、商品により商品通路側への回動を妨害されたフラップが、次期商品支持部材の突出動作を妨げる場合でも、フラップが商品から商品通路側への回動を妨害する力を受ける箇所と、フラップが次期商品支持部材から商品通路側に回動する力を受ける箇所との距離が、従来のものより近くなるので、てこの原理で、フラップと次期商品支持部材を商品通路側に充分に回動させるのに必要な力は従来よりも小さい力で済み、次期商品支持部材を商品通路へ突出させる電磁ソレノイドに求められる吸引力(駆動力)を従来のものよりも小さくすることができる。
また、フラップをフレームに回動自在に設けた場合でも、下流側から2番目の商品を次期商品支持部材の商品保持部で直接保持でき、次期商品支持部材の本体部側に商品荷重が掛かることになり、フラップを設ける前と後とで、次期商品支持部材によって保持された下流側から2番目の商品の高さ位置がほとんど変わらず、フラップが次期商品支持部材よりも商品通路に突出する時の突出量を従来よりも小さくできるので、次期商品支持部材の形状や強度等を大きく見直す必要がない。
以上のことから、商品搬出の信頼性に優れた自動販売機の商品搬出装置を提供することができる。
第2の発明は、特に第1の発明において、前記フラップの前記平板部の自由端側が商品と当接する面とは反対側に略密着するように折り返されて、前記折り曲げた箇所も含めて前記平板部が2重になっていることを特徴とする。
上記構成により、フラップにおける商品と当接する可能性が高い箇所を簡単に補強することができ、強度を確保するために厚みのある金属板を用いる必要がないためフラップを軽量化でき、また、折り曲げた箇所の折り曲げ状態(折り曲げ角度)を長期にわたって維持することができる。
第3の発明は、特に第1または第2の発明において、前記フラップの屈曲した前記係止部の回動軸方向の縁が摺動面とは反対側に略密着するように折り返されていることを特徴とする。
フラップの屈曲した係止部は、フラップの回動動作で応力が集中して比較的変形や破断が起こりやすい箇所でもある。
しかしながら、上記構成により、フラップの回動動作に影響を与えることなく、フラップの係止部を簡単に補強することができ、係止部の強度を確保するために厚みのある金属板を用いる必要がないためフラップを軽量化でき、係止部の信頼性を長期にわたって維持することができる。
第4の発明は、特に第1から第3のいずれかの発明において、前記フラップの前記平板部の前記折り曲げた箇所から前記自由端までは、前記フレームにおける前記次期商品支持部材が出入りする前記開口部内に入り込むことができるように、前記平板部の左右方向の寸法が前記係止部側から前記自由端に向かうにしたがって小さくなっており、前記次期商品支持部材は、前記次期商品支持部材が前記商品通路から後退している時に前記フラップが前記次期商品支持部材との当接により前記商品通路に突出して(前記フラップの一部が前記商品通路にはみ出て)前記商品通路の障害になることがないように、前記フラップと近接する部分が前記平板部の前記折り曲げの形状に合わせて凹んでいることを特徴とする。
平板部の自由端側を商品通路から後退する回動方向に折り曲げたフラップを用いた場合は、平板部の自由端の左右方向の寸法が、フレームにおける次期商品支持部材が出入りする開口部内に入り込むことができない寸法である場合、または、フラップの平板部の折り曲げた箇所から自由端までを、フレームにおける次期商品支持部材が出入りする開口部内に入り込むことができるように、平板部の左右方向の寸法を係止部側から自由端に向かうにしたがって小さくした場合でも、フラップが後退状態(販売待機状態)の次期商品支持部材と当接することによりフラップが商品通路に突出する(フラップの一部が商品通路にはみ出る)場合は、商品通路に突出した(一部が商品通路にはみ出た)フラップが商品通
路の障害になる可能性がある。
しかしながら、上記構成により、販売待機時に、次期商品支持部材が出没する部分で商品搬出装置と商品通路板との間の商品通路の前後方向(商品通路の商品の径方向に関係する方向)の寸法が、平板部の自由端側を商品通路から後退する回動方向に折り曲げたフラップを用いたことによって、平板部を折り曲げていないフラップを用いた場合よりも、狭くならないようにできる。
第5の発明は、特に第1から第4のいずれかの発明において、前記次期商品支持部材は、前記商品保持部に前記商品通路とは反対方向に延在する爪部を有し、前記次期商品支持部材の回動軸方向の一方向側に片寄った位置に前記次期商品支持部材を前記商品通路に突出させる力を受けるものであり、前記次期商品支持部材が前記商品通路に突出させる力を比較的大きく受ける側の前記爪部と前記フレームとの間の隙間に入り込んでしまった前記フラップの前記平板部の前記自由端が前記次期商品支持部材の前記商品通路からの後退動作を阻止しないように、前記次期商品支持部材が前記商品通路に突出させる力を比較的大きく受ける側の前記爪部の先端に、前記先端に向かうにしたがって低くなり前記次期商品支持部材を前記商品通路から後退させる力で前記平板部の前記自由端を持ち上げる応力を発生させる傾斜面を形成したことを特徴とする。
商品保持部に商品通路とは反対方向に延在する爪部を有し、回動軸方向の一方向側に片寄った位置に商品通路に突出させる力を受ける次期商品支持部材が、商品通路に勢いよく突出し、係止部から平板部の自由端までの長さを必要以上に長くしていないフラップに商品の荷重が掛かった場合には、次期商品支持部材が商品通路に突出させる力を比較的大きく受ける側の爪部とフレームとの間の隙間にフラップの平板部の自由端が入り込んで、その結果、次期商品支持部材の商品通路からの後退動作が困難になるという課題を解決する必要がある。
しかしながら、次期商品支持部材が商品通路に突出させる力を比較的大きく受ける側の爪部の先端に、先端に向かうにしたがって低くなり次期商品支持部材を商品通路から後退させる力で、上記隙間に入り込んだ平板部の自由端を持ち上げる応力を発生させる傾斜面を形成したので、次期商品支持部材が商品通路に突出させる力を比較的大きく受ける側の爪部とフレームとの間の隙間にフラップの平板部の自由端が入り込んだ場合でも、フラップの平板部の自由端が爪部に引っ掛からず、その傾斜面でフラップの平板部の自由端を持ち上げて、爪部とフレームとの間の隙間から上方にフラップの平板部の自由端を押し出すことにより、次期商品支持部材の商品通路からの後退動作を可能にすることができる。
以下、本発明の自動販売機の商品搬出装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、従来と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
また、特に断りのない限り上下方向、幅方向、奥行き方向等の位置関係については、自動販売機やこれに組み込まれる商品収納棚の通常の設置状態を基準として説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における自動販売機の商品搬出装置を商品通路に露出する側の右斜め上方から見た斜視図である。図2は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置を商品通路に露出する側とは反対側の右斜め上方から見た斜視図である。
図3は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置を主商品支持部材と次期商品支持部材の両方を商品通路から後退させた状態で商品通路に露出する側から見た正面図であ
る。
図4は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置を主商品支持部材と次期商品支持部材の両方を商品通路から後退させた状態で商品通路に露出する側とは反対側から見た背面図である。
図5は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置の販売待機時の左側面図である。図6は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置の主商品支持部材と次期商品支持部材が共に商品通路に突出している状態での図4のA−A線断面図である。
図7は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置の販売待機時の主商品支持部材と次期商品支持部材とフラップの状態を説明するための説明図である。
図8は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置において下流側から2番目の商品を次期商品支持部材と商品通路板とで保持している間に主商品支持部材が最下流側の商品を払い出し終えて商品を保持可能な位置に復帰した時の主商品支持部材と次期商品支持部材とフラップの状態を説明するための説明図である。
図9は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置に用いた次期商品支持部材を商品通路に露出する側から見た正面図である。図10は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置に用いた次期商品支持部材を商品通路に露出する側とは反対側から見た背面図である。
図11は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置に用いた次期商品支持部材の右側面図である。図12は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置に用いた次期商品支持部材を商品通路に露出する側の右斜め上方から見た斜視図である。図13は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置に用いた次期商品支持部材を商品通路に露出する側とは反対側の左斜め上方から見た斜視図である。
図14は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置に用いた次期商品支持部材を商品通路に露出する側とは反対側の左斜め上方から図13とは異なる角度で見た斜視図である。図15は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置に用いた次期商品支持部材を商品通路に露出する側の右斜め上方から図12とは異なる角度で見た斜視図である。
図16は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置に用いた次期商品支持部材を商品通路に露出する側とは反対側の右斜め上方から見た斜視図である。図17は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置に用いた次期商品支持部材のスライドピン保持爪周辺部をスライドピンと共に示す要部拡大左側面図である。
図18は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置に用いたフラップを商品通路に露出する側とは反対側から見た背面図である。図19は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置に用いたフラップを商品通路に露出する側から見た正面図である。
図20は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置に用いたフラップを商品通路に露出する側とは反対側の右斜め上方から見た斜視図である。図21は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置に用いたフラップを商品通路に露出する側の右斜め上方から見た斜視図である。
図22は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置に用いた左スライド保持部材を商品通路に露出する側とは反対側の右斜め上方から見た斜視図である。図23は同実施
の形態における自動販売機の商品搬出装置に用いた左スライド保持部材の右側面図である。図24は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置に用いた左スライド保持部材の背面図である。図25は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置に用いた左スライド保持部材の左側面図である。
図26は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置の販売待機時のフラップと次期商品支持部材とスライドピンと左スライド保持部材の状態を示す要部断面図である。図27は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置においてスライドピンの上方への移動により次期商品支持部材が商品通路側に最も突出した時のフラップと次期商品支持部材とスライドピンと左スライド保持部材の状態を示す要部断面図である。
図28は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置に用いたフラップ保持部材を商品通路に露出する側とは反対側の右斜め上方から見た斜視図である。図29は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置に用いたフラップ保持部材を商品通路に露出する側とは反対側から見た背面図である。図30は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置に用いたフラップ保持部材を上から見た上面図である。図31は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置に用いたフラップ保持部材を下から見た底面図である。
図32は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置に用いたフラップ保持部材の右側面図である。図33は図29のB−B線断面図である。図34は図29のC−C線断面図である。図35は図29のD−D線断面図である。
図36は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置に用いたフレームにおけるフラップを取り付ける部分を商品通路に露出する側とは反対側の右斜め上方から見た要部拡大斜視図である。
図37は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置に用いたフレームにフラップを取り付けた状態を商品通路に露出する側とは反対側の右斜め上方から見た要部拡大斜視図である。
図38は同実施の形態における自動販売機の商品搬出装置に用いたフレームにフラップをフラップ保持部材で保持した状態を商品通路に露出する側とは反対側の右斜め上方から見た要部拡大斜視図である。
図1から図8に示すように、本発明の実施の形態1における自動販売機の商品搬出装置は、商品通路板1との間に商品通路2を形成しており、商品通路2と対向するフレーム3の開口部3aに取り付けられ突出時に商品通路2の最下流側の飲料商品4を保持できるように商品通路2に対して突出動作と後退動作を行う主商品支持部材5と、主商品支持部材5よりも商品通路2の上流側で回動可能にフレーム3の開口部3aに設けられ主商品支持部材5の後退動作で最下流側の飲料商品4が払い出される時に下流側から2番目の飲料商品4を上端部に形成された商品保持部6と商品通路板1とで保持できるように商品通路2に対して突出動作と後退動作を行う次期商品支持部材7と、次期商品支持部材7が商品通路2に突出する時に次期商品支持部材7により商品通路2側に押し出されて次期商品支持部材7の商品保持部6とフレーム3との間の隙間を塞ぐフラップ8とを備えている。
図7、図8、図18から図21、図26、図27、図37、図38に示すように、フラップ8は、例えば、板厚が約0.4mmの溶融亜鉛鋼板からなり、次期商品支持部材7の左右方向の横幅よりも長く左右方向に延在する横長の平板部9と、この平板部9の上端から上方に延在してヘアピンカーブ状に屈曲して次期商品支持部材7よりも上側でフレーム3に回動可能に係止される二股の係止部10と、この二股の係止部10の先端を連結する
水平方向に延在する脱落防止片11とを備える。
そして、次期商品支持部材7の商品保持部6とフレーム3との間の隙間を塞いでいる状態のフラップ8の上に載った下流側から2番目の飲料商品4が、フラップ8の係止部10側の平板部9の傾斜よりも約22度だけ急角度の傾斜によって次期商品支持部材7の商品保持部6の上に誘導されるように、平板部9の自由端側を商品通路2から後退する回動方向に約158度の鈍角の角ができるように折り曲げている。
また、図18から図21に示すように、フラップ8の平板部9の自由端側は飲料商品4と当接する面とは反対側に略密着するように折り返されて、折り曲げた箇所も含めて平板部9が2重になっており、フラップ8の屈曲した二股の係止部10の回動軸方向の外側の縁は摺動面とは反対側に略密着するように折り返されている(二股の係止部10の回動軸方向の外側の縁に、摺動面とは反対側に略密着するように折り返されたヘミング曲げ部12を有している)。
また、図1、図3、図5から図8、図11、図14、図18から図21、図26、図27に示すように、フラップ8の平板部9の折り曲げた箇所から自由端までは、フレーム3における次期商品支持部材7が出入りする開口部3a内に入り込むことができるように、平板部9の左右方向の寸法が係止部10側から自由端に向かうにしたがって小さくなっており、次期商品支持部材7は、次期商品支持部材7が商品通路2から後退している時にフラップ8が次期商品支持部材7との当接により商品通路2に突出して商品通路2の障害になることがないように、フラップ8と近接する部分に平板部9の折り曲げの形状に合わせて凹んだ凹部13を形成している。
図2から図4、図36から図38に示すように、フレーム3は開口部3aの上方に角孔14を有し、角孔14の下縁の中央部には上方に突出し途中から商品通路2側とは反対側に折り曲げられたフランジ15を有する。また、図18、図19、図21に示すように、フラップ8は、平板部9と、二股の係止部10と、脱落防止片11とに囲まれた左右方向に長い長孔16を有している、
そして、図37に示すように、フラップ8は、二股の係止部10を上側にすると共に平板部9を商品通路2側に向けた状態で、長孔16にフランジ15を挿入して、ヘアピンカーブ状に屈曲した二股の係止部10をフランジ15の左右両側の角孔14の下縁に載せる(引っ掛ける)ことにより、フレーム3に回動自在に取り付けられる。
その後、図38に示すように、フラップ8の長孔16に、フランジ15及びフレーム3と、脱落防止片11との間の隙間を小さくすると共に脱落防止片11の上下を覆い、二股の係止部10をフランジ15の左右両側の角孔14の下縁との間に挟むポリアセタール樹脂製のフラップ保持部材17を挿入し、フランジ15の折り曲げられた部分に設けられた左右一対の係合孔18に、下から、フラップ保持部材17の上面から上方に突出する左右一対の係合爪19を挿入して、フラップ保持部材17の下端から商品通路2側とは反対側に突出する弾性片20の下面に設けられた係合突起21を、フレーム3の開口部3aの上縁から商品通路2側とは反対側に突出するフランジに設けられた係合孔22に係合させることにより、フラップ保持部材17をフレーム3に固定する。
この状態で、フラップ8は、脱落防止片11がフラップ保持部材17に当接しない範囲で回動可能であり、フレーム3に係合したフラップ保持部材17をフレーム3から取り外さない限り、フラップ8はフレーム3から外れないように構成している。
また、図28から図35、図38に示すように、フラップ保持部材17は、弾性片20の横隣にフラップ保持部材17の下端から商品通路2側とは反対側に突出する突出片23
を有している。弾性片20は上下方向に変移しやすいように構成されているが、突出片23は上下方向に変移しにくいように構成されている。
そして、弾性片20と突出片23は、それぞれの上面が脱落防止片11の下面と当接することにより、フラップ8が商品通路2側に突出する方向に必要以上に回動するのを防止する機能を有している。
なお、突出片23は、弾性片20が上方に変移することによりフラップ保持部材17がフレーム3から所定の力より弱い力で外れるのを防止するために設けている。
フラップ保持部材17において、脱落防止片11を上から覆う腕部24の左右方向の長さは、長孔16の左右方向の長さより長く、腕部24の左右端部には商品通路2側に突出する突起部25が設けられ、二股の係止部10は、突起部25と、フランジ15の左右両側の角孔14の下縁との間に挟まれている。
次期商品支持部材7は、商品保持部6に商品通路2とは反対方向に延在する爪部26,27を有し、次期商品支持部材7の回動軸方向の一方向側に片寄った位置に次期商品支持部材7を商品通路2に突出させる力と商品通路から後退させる力を摺動溝28で受けるスライドピン保持爪29を有している。
また、次期商品支持部材7が商品通路2に突出させる力を比較的大きく受ける側の爪部26とフレーム3との間の隙間に入り込んでしまったフラップ8の平板部9の自由端が次期商品支持部材7の商品通路2からの後退動作を阻止しないように、次期商品支持部材7が商品通路2に突出させる力を比較的大きく受ける側の爪部26の先端に、先端に向かうにしたがって低くなり次期商品支持部材7を商品通路2から後退させる力で平板部9の自由端を持ち上げる応力を発生させる傾斜面30を形成している。
図1から図4に示すように、本実施の形態の自動販売機の商品搬出装置の枠状のフレーム3には、開口部3aが設けられており、この開口部3aに次期商品支持部材7および主商品支持部材5が、フレーム3と、左スライド保持部材31と、右スライド保持部材32とによって軸支された回動軸ピン33によって回動自在に設けられている。
ここで、主商品支持部材5は、商品通路2内の飲料商品4と対向する面がフレーム3(または商品通路板1)に対して略平行になる状態と、フレーム3(または商品通路板1)に対して略垂直になる状態とに変化するように、主商品支持部材5の上端部が商品通路2内の飲料商品4の長手方向と略平行な回動軸ピン33によって回動自在に支持され、商品通路2内の飲料商品4と対向する面がフレーム3(または商品通路板1)に対して略垂直になる状態で商品通路2内の最も下流にある飲料商品4を下から保持するものである。
ここで、主商品支持部材5は、回動軸ピン33に取り付けられたねじりコイルバネ34によって商品通路2内の飲料商品4と対向する面がフレーム3(または商品通路板1)に対して略垂直になる方向に付勢されている。
なお、主商品支持部材5には、商品通路2内の飲料商品4と対向する面がフレーム3(または商品通路板1)に対して略垂直になる状態で商品通路2内の最も下流にある飲料商品4を保持する時に、飲料商品4から受ける力でフレーム3の方に後退するように回動するのを阻止する後退阻止部材35が配備されている。
一方、次期商品支持部材7は、下端部が商品通路2内の飲料商品4の長手方向と略平行な回動軸ピン33によって回動自在(揺動自在)に支持され、主商品支持部材5の後退動
作で商品通路2の最下流側の飲料商品4が払い出される時に下流側から2番目の飲料商品4を上端部の上面に形成された商品保持部6と商品通路板1とで保持できるように、主商品支持部材5よりも上側(商品通路2の上流側)で、先端部(上端部)が商品通路2に対して突出動作と後退動作を行う(揺動する)ものである。
また、商品搬出装置には、販売信号に応じて電流が流れた時に磁力で吸引してプランジャー36を上方に引き上げる電磁ソレノイド37が設けられている。また、電磁ソレノイド37の下側で電磁ソレノイド37により上下動するプランジャー36の下端部には、略角孔形状の孔があり、その孔には上下方向に長い連動部材38がプランジャー36の上下動と連動して上下動できるように係合されている。
この連動部材38の中央部の左右両端は互いに対向するように直角に曲げられた一対のフランジを形成しており、各フランジには互いに対向する位置に丸孔が設けられており、両フランジの丸孔に回動軸ピン33と平行にスライドピン39が挿入されている。
また、連動部材38には、電磁ソレノイド37の磁力の吸引力でプランジャー36と共に連動部材38が引き上げられると延びるコイルバネ40が取り付けられている。
なお、コイルバネ40の他端は、左スライド保持部材31の長孔41と右スライド保持部材32の長孔(図示せず)とに挿通されたバネ係止用ピン42に引っ掛けている。
次期商品支持部材7は、ポリアセタール樹脂製で、本体部43と、本体部43における商品通路2に露出する側とは反対側の面から次期商品支持部材7の回動軸に垂直に次期商品支持部材7の後退方向に突出する複数のスライドピン保持爪29と、次期商品支持部材7における回動軸から遠い方の端で商品保持部6となる先端部(上端部)と、先端部(上端部)から次期商品支持部材7の後退方向に商品搬出装置の他の構成部品を避けるように突出する爪部26,27と、回動軸ピン33が挿入され次期商品支持部材7をフレーム3に回動軸支するためのピン挿通孔44を有している。
また、次期商品支持部材7が商品通路2に突出させる力を比較的大きく受ける側とは反対側の端のピン挿通孔44の近傍から回動軸ピン33の軸方向に突出し、次期商品支持部材7が商品通路2に所定量突出した場合に、フレーム3の開口部3aの左縁から開口部3aの中央寄りに突出させた開口部突出片45と当接して、次期商品支持部材7が商品通路2に突出し過ぎるのを防ぐ第1ストッパー爪46を設けている。
第1ストッパー爪46は、回動軸ピン33が挿入されるピン挿通孔44に近づくにつれて厚みが増しているが、第1ストッパー爪46の根元から先端に向かう方向では厚み(太さ、径)がほとんど変わらない。
また、次期商品支持部材7が商品通路2に突出させる力を比較的大きく受ける側の端のピン挿通孔44の近傍から商品通路2方向に突出し、次期商品支持部材7が商品通路2に所定量突出(回動)した場合に、左スライド保持部材31の回動軸ピン33挿通用の丸孔47の近傍から商品通路2方向に突出させたストッパー突起48と当接して、次期商品支持部材7が商品通路2に突出し過ぎるのを防ぐ第2ストッパー爪49を設けている。
なお、ストッパー突起48の先端は、左スライド保持部材31の回動軸ピン33挿通用の丸孔47の中心軸から約8mm離れている。
ストッパー突起48の回動軸ピン33の軸方向の幅は約9mm、第2ストッパー爪49の回動軸ピン33の軸方向の幅は約14.5mmで、ストッパー突起48は第2ストッパ
ー爪49の回動軸ピン33の軸方向の略中央部分に当接する。また、ストッパー突起48と第2ストッパー爪49は、先端の商品通路2側に向かうにしたがって細くなっている。
また、販売待機状態(次期商品支持部材7がフレーム3の開口部3a内に収納されている状態)において、第2ストッパー爪49の上面は商品通路2側に向かうにしたがって低く傾斜しており、ストッパー突起48は第2ストッパー爪49よりも商品通路2側に突出していないので、ストッパー突起48と第2ストッパー爪49は、商品通路2内の飲料商品の搬出の障害物になりにくい。
第1ストッパー爪46と開口部突出片45は、第1ストッパー爪46と開口部突出片45との当接によって、先端側が次期商品支持部材7の回動方向に曲がる可能性があり。これに対して、第2ストッパー爪49とストッパー突起48は、幅広で根元が太く当接による応力を受ける方向が回動軸ピン33の周方向に比較的近いため、第2ストッパー爪49とストッパー突起48との当接によって変形しにくく、第1ストッパー爪46と開口部突出片45との組合せよりも、次期商品支持部材7が商品通路2に突出し過ぎるのを防ぐ効果に優れている。
なお、左スライド保持部材31は、ガラス繊維を含有させたポリアセタール樹脂からなり、商品通路2側とは反対側の面に縦補強リブ50、回動軸ピン33挿通用の丸孔47を間に挟んでストッパー突起48の反対側に回動補強リブ51、縦補強リブ50と回動補強リブ51とを連続させる形状の斜め補強リブ52とを設けている。
回動補強リブ51は、ストッパー突起48が第2ストッパー爪49から受ける力で、左スライド保持部材31が丸孔47の近傍で変形するのを抑制するものである。
また、斜め補強リブ52は、ストッパー突起48が第2ストッパー爪49から受ける力で、回動補強リブ51と縦補強リブ50との間の部分で左スライド保持部材31が変形するのを抑制するとともに、回動補強リブ51にかかる力を縦補強リブ50に伝えて回動補強リブ51の負担を軽減するものである。
そして、次期商品支持部材7は、連動部材38の中間部に挿通軸支されたスライドピン39が連動部材38と伴って往復動する際に、スライドピン39とスライドピン保持爪29の摺動溝28を構成する面(上面)が当接することにより、次期商品支持部材7が商品通路2側へ回動、押し出され、スライドピン39とスライドピン保持爪29の摺動溝28を構成する面(下面)が当接することにより、次期商品支持部材7が商品通路2側とは反対側(フレーム3側)へ回動、開口部3a内に押し戻される。
すなわち、次期商品支持部材7のスライドピン保持爪29に形成された摺動溝28の形状によって、スライドピン39が連動部材38と伴に往復動する際の次期商品支持部材7の商品通路2側への突出量と、スライドピン39の上下動の移動距離に対する次期商品支持部材7の回動の大きさが決定されている。
なお、スライドピン保持爪29がスライドピン39から受ける力により、次期商品支持部材7が商品通路2内に突出する方向に回動する時に、スライドピン39が当接する摺動溝28の上面には、次期商品支持部材7が商品通路2側に突出する方向に第1の所定角度回動するまでスライドピン39が当接する第1の傾斜面28aと、その後、次期商品支持部材7が商品通路2側に突出する方向に第2の所定角度回動するまでスライドピン39が当接する第2の傾斜面28bと、その後にスライドピン39が当接する第3の傾斜面28cとが形成されている。
図17に示した販売待機状態(次期商品支持部材7が開口部3a内に収納されている状態において、第1の傾斜面28aの傾斜角度は、例えば約32.5度で、第2の傾斜面28bよりも傾斜角度が約5度大きいが、約50度の傾斜角度の第3の傾斜面28cよりも傾斜角度が小さい。
なお、図17に示した販売待機状態(次期商品支持部材7が開口部3a内に収納されている状態において、第1の傾斜面28aと第2の傾斜面28bの境界は、次期商品支持部材7の回動の中心を通る鉛直な仮想基準平面から商品通路2側とは反対側に約5.6mm離れた部分までであり、第2の傾斜面28bと第3の傾斜面28cとの境界は、次期商品支持部材7の回動の中心を通る鉛直な仮想基準平面から商品通路2側とは反対側に約10.2mm離れた部分までである。また、スライドピン保持爪29は、次期商品支持部材7の回動の中心を通る鉛直な仮想基準平面から商品通路2側とは反対側に約12.9mm突出している。
そして、第3の傾斜面28cは、スライドピン39の上方への移動距離に対する次期商品支持部材7が商品通路2側に突出する方向への回動角度は他の傾斜面よりも比較的小さくなるが、他の傾斜面よりも比較的大きい力で次期商品支持部材7を商品通路2側に突出する方向へ回動させることができる。
また、スライドピン39が第3の傾斜面28cに当接している状態の次期商品支持部材7を商品通路2から後退させる(押し戻す)力が次期商品支持部材7に加わった場合には、第3の傾斜面28cがスライドピン39をスライドピン39の移動可能な方向(上下方向)とは略垂直な前後方向に押すことになるが、スライドピン39は前後方向に移動できないようにフレーム3に固定されているので、スライドピン39が第3の傾斜面28cに当接している状態の次期商品支持部材7は、商品通路2内の飲料商品4の商品荷重によって商品通路2から後退する(押し戻される)ことはない。
また、第2の傾斜面28bが有ることによって、第2の傾斜面28bが無い場合(第2の傾斜面28bを形成する部分も第1の傾斜面28aとした場合)よりも、スライドピン39の上方への移動距離に対する次期商品支持部材7が商品通路2側に突出する方向への回動角度を大きくすることができる。
図1、図2、図5、図7、図26に示した販売待機状態においては、電磁ソレノイド37が通電されていない状態であって、主商品支持部材5は、ねじりコイルバネ34の付勢力と後退阻止部材35の働きによって突出位置にあり、その保持面に最下流側の飲料商品4が当接していることで、保持面の上に積み上げられた飲料商品4の荷重を受けている。
また、販売待機状態において、スライドピン39がスライドピン保持爪29の摺動溝28の奥に位置して次期商品支持部材7の回動位置を制限しており、そのため次期商品支持部材7は、フレーム3の開口部3aに収納されている。また、フラップ8はフレーム3に沿って垂下している。
販売信号に応じて電磁ソレノイド37に電流が流れると、電磁ソレノイド37がコイルバネ40の付勢力に抗してプランジャー36を吸引してプランジャー36が上方に引き上げられ、それに伴いプランジャー36に係合された連動部材38が引き上げられ、連動部材38に挿入されたスライドピン39が引き上げられることで、スライドピン39は次期商品支持部材7に設けられたスライドピン保持爪29の摺動溝28に当接し、このスライドピン保持爪29が摺動溝28(摺動溝28の上面)においてスライドピン39から受ける力により、次期商品支持部材7を商品通路2内に回動突出させる。
上限位置まで引き上げられたスライドピン39は、次期商品支持部材7のスライドピン保持爪29の摺動溝28の第3の傾斜面28cと当接して次期商品支持部材7の退避(後退)動作を阻止する。
次期商品支持部材7が退避位置から突出位置へ移動する過程において、次期商品支持部材7の先端(商品保持部6)はフラップ8の背面(飲料商品4と当接する面とは反対側の面)に当接してフラップ8を商品通路2に押し出す。つまり、フラップ8は次期商品支持部材7の退避位置から突出位置への移動に連動して商品通路2に押し出される。
次期商品支持部材7は、商品通路2内に突出し主商品支持部材5上に積み上げられた飲料商品4の下から2番目の飲料商品4と当接し、商品搬出装置に対向して配置された商品通路板1と挟み込むことによって下から2番目の飲料商品4を保持し(図6の実線状態、図8、図27参照)、その間に主商品支持部材5から飲料商品4が下方に払い出される。
なお、次期商品支持部材7が、下から2番目の飲料商品4を保持した時に主商品支持部材5から飲料商品4が下方に払い出される仕組みは、連動部材38の上方への移動に連動して後退阻止部材35が、飲料商品4から受ける力で主商品支持部材5がフレーム3の方に後退する(主商品支持部材5における商品通路2内の飲料商品4と対向する面がフレーム3(または商品通路板1)に対して略平行になるように主商品支持部材5が回動する)のを阻止できない状態になるからである。
この時、フラップ8は、次期商品支持部材7の商品保持部6とフレーム3との間の隙間を上から塞ぎ、飲料商品4を次期商品支持部材7の商品保持部6に誘導する。
ここで、最下流側の飲料商品4が搬出されて主商品支持部材5が飲料商品4の商品荷重を受けなくなると、主商品支持部材5がねじりコイルバネ34の付勢力によって突出位置(販売待機位置)に復帰し、主商品支持部材5が販売待機位置に復帰する。
その後、電磁ソレノイド37への通電が終了すると、プランジャー36を吸引する磁力がなくなることによりプランジャー36が重力と連動部材38に取り付けられたコイルバネ40の縮もうとする力で下方に移動することで、プランジャー36の孔に係合した連動部材38および連動部材38のフランジの孔に挿入されたスライドピン39も下方に移動し、スライドピン39とスライドピン保持爪29の摺動溝28(摺動溝28の下面)とが当接することで商品通路2内に回動突出していた次期商品支持部材7が元の位置に回動復帰する。次期商品支持部材7が元の位置に回動復帰することに伴い、フラップ8はフレーム3に沿って垂下する状態に戻る。
これにより、次期商品支持部材7上に保持されていた飲料商品4が主商品支持部材5上に落下し、販売待機状態となる。
商品搬出装置は、この一連の動作を繰り返すことによって、商品通路2内に収納された飲料商品4を販売する構造となっている。
上述したように、フラップ8は、商品搬出装置の販売動作時に次期商品支持部材7の商品保持部6(爪部26,27を含む)とフレーム3との間の隙間を塞ぎ、容器形態が軟弱な飲料商品4が次期商品支持部材7の商品保持部6(爪部26,27を含む)とフレーム3との間の隙間に食い込んで次期商品支持部材7が復帰できなくなるような販売トラブルを未然に防止する。
以上説明したように、本実施の形態における自動販売機の商品搬出装置は、商品通路2
と対向するフレーム3に取り付けられ突出時に商品通路2の最下流側の飲料商品4を保持できるように商品通路2に対して突出動作と後退動作を行う主商品支持部材5と、主商品支持部材5よりも商品通路2の上流側で回動可能にフレーム3の開口部3aに設けられ主商品支持部材5の後退動作で最下流側の飲料商品4が払い出される時に下流側から2番目の飲料商品4を上端部に形成された商品保持部6で保持できるように商品通路2に対して突出動作と後退動作を行う次期商品支持部材7と、次期商品支持部材7が商品通路2に突出する時に次期商品支持部材7により商品通路2側に押し出されて次期商品支持部材7の商品保持部6とフレーム3との間の隙間を塞ぐフラップ8とを備えている。
このフラップ8は、左右方向に延在する横長の平板部9と、平板部9の上端から上方に延在して少なくともヘアピンカーブ状に屈曲して次期商品支持部材7よりも上側でフレーム3に回動可能に係止される係止部10とを備えている。
そして、本実施の形態の自動販売機の商品搬出装置に用いたフラップ8は、次期商品支持部材7の商品保持部6とフレーム3との間の隙間を塞いでいる状態のフラップ8の上に載った下流側から2番目の飲料商品4が、フラップ8の係止部10側の平板部9の傾斜よりも急角度の傾斜によって次期商品支持部材7の商品保持部6の上に誘導されるように、平板部9の自由端側を商品通路2から後退する回動方向に折り曲げている。
上記構成において、次期商品支持部材7の商品保持部6とフレーム3との間の隙間を塞いでいる状態のフラップ8の上に載った下流側から2番目の飲料商品4が、フラップ8の係止部10側の平板部9の傾斜よりも急角度の傾斜によって次期商品支持部材7の商品保持部6の上に誘導されるように、平板部9の自由端側を商品通路2から後退する回動方向に折り曲げたので、フラップ8の上に載った下流側から2番目の飲料商品4は、フラップ8の係止部10側の平板部9の傾斜よりも急角度の傾斜によって次期商品支持部材7の商品保持部6の上に誘導され、次期商品支持部材7の商品保持部6の上に直接、下流側から2番目の飲料商品4が載り易くなる。
そのため、従来よりも、フラップ8や次期商品支持部材7の爪部26,27に商品荷重が掛かりにくくなり、次期商品支持部材7は、従来よりも次期商品支持部材7の本体部43側に商品荷重が掛かるため、次期商品支持部材7が商品荷重で変形しにくい。
また、フラップ8の上に載った下流側から2番目の飲料商品4が、フラップ8の係止部10側の平板部9の傾斜よりも急角度の傾斜によって次期商品支持部材7の商品保持部6の上に誘導されるように、平板部9の自由端側を商品通路2から後退する回動方向に折り曲げたので、そのように折り曲げていないフラップ8を設けた従来の場合よりも、フラップ8の先端(自由端)寄りの部分を次期商品支持部材7によって押圧されてフラップ8が回動することになる。しかも、フラップ8の回動動作が次期商品支持部材7の突出動作の初期に集中せず、次期商品支持部材7の突出動作の中期でもフラップ8が従来よりも大きく回動する。
一般に、電磁ソレノイド37の吸引力(駆動力)は電磁ソレノイド37に吸引されるプランジャー36が電磁ソレノイドに近くなるにつれて大きくなる傾向にある。
したがって、次期商品支持部材7を商品通路2へ突出させる電磁ソレノイド37に求められる吸引力(駆動力)を従来のものよりも小さくすることができる。
また、フラップ8の上に載った下流側から2番目の飲料商品4が、フラップ8の係止部10側の平板部9の傾斜よりも急角度の傾斜によって次期商品支持部材7の商品保持部6の上に誘導されるように、平板部9の自由端側を商品通路2から後退する回動方向に折り
曲げたので、フラップ8が次期商品支持部材7よりも商品通路2に突出する時の突出量が従来よりも小さくなり、回動途中のフラップ8が飲料商品4に当接する可能性は低くなる。
また、飲料商品4により商品通路2側への回動を妨害されたフラップ8が、次期商品支持部材7の突出動作を妨げる場合でも、フラップ8が飲料商品4から商品通路2側への回動を妨害する力を受ける箇所と、フラップ8が次期商品支持部材7から商品通路2側に回動する力を受ける箇所との距離が、従来のものより近くなるので、てこの原理で、フラップ8と次期商品支持部材7を商品通路2側に充分に回動させるのに必要な力は従来よりも小さい力で済み、次期商品支持部材7を商品通路2へ突出させる電磁ソレノイド37に求められる吸引力(駆動力)を従来のものよりも小さくすることができる。
また、フラップ8をフレーム3に回動自在に設けた場合でも、下流側から2番目の飲料商品4を次期商品支持部材7の商品保持部6で直接保持でき、次期商品支持部材7の本体部43側に商品荷重が掛かることになり、フラップ8を設ける前と後とで、次期商品支持部材7によって保持された下流側から2番目の飲料商品4の高さ位置がほとんど変わらず、フラップ8が次期商品支持部材7よりも商品通路2に突出する時の突出量を従来よりも小さくできるので、次期商品支持部材7の形状や強度等を大きく見直す必要がない。
以上のことから、商品搬出の信頼性に優れた自動販売機の商品搬出装置を提供することができる。
また、本実施の形態の自動販売機の商品搬出装置に用いたフラップ8は、フラップ8の平板部9の自由端側が飲料商品4と当接する面とは反対側に略密着するように折り返されて、この折り曲げた箇所も含めて平板部9が2重になっている。
上記構成により、フラップ8における飲料商品4と当接する可能性が高い箇所を簡単に補強することができ、強度を確保するために厚みのある金属板を用いる必要がないためフラップ8を軽量化でき、また、折り曲げた箇所の折り曲げ状態(折り曲げ角度)を長期にわたって維持することができる。
また、本実施の形態の自動販売機の商品搬出装置に用いたフラップ8は、フラップ8の屈曲した係止部10の回動軸方向の縁がフレーム3との摺動面とは反対側に略密着するように折り返されている(係止部10の回動軸方向の外側の縁に、フレーム3との摺動面とは反対側に略密着するように折り返されたヘミング曲げ部12を有している)。
ところで、フラップ8の屈曲した係止部10は、フラップ8の回動動作で応力が集中して比較的変形や破断が起こりやすい箇所でもある。
しかしながら、上記構成により、フラップ8の回動動作に影響を与えることなく、フラップ8の係止部10を簡単に補強することができ、係止部10の強度を確保するために厚みのある金属板を用いる必要がないためフラップ8を軽量化でき、係止部10の信頼性を長期にわたって維持することができる。
また、本実施の形態の自動販売機の商品搬出装置に用いたフラップ8は、フラップ8の平板部9の折り曲げた箇所から自由端までは、フレーム8における次期商品支持部材7が出入りする開口部3a内に入り込むことができるように、平板部9の左右方向の寸法が係止部10側から自由端に向かうにしたがって小さくなっている。
一方、本実施の形態の自動販売機の商品搬出装置に用いた次期商品支持部材7は、次期
商品支持部材7が商品通路2から後退している時にフラップ8が次期商品支持部材7との当接により商品通路2に突出して(フラップ8の一部が商品通路2にはみ出て)商品通路2の障害になることがないように、フラップ8と近接する部分が平板部9の折り曲げの形状に合わせて凹んだ凹部13を形成している。
本実施の形態のように、平板部9の自由端側を商品通路2から後退する回動方向に折り曲げたフラップ8を用いた場合においては、平板部9の自由端の左右方向の寸法が、フレーム3における次期商品支持部材7が出入りする開口部3a内に入り込むことができない寸法である場合、または、フラップ8の平板部9の折り曲げた箇所から自由端までを、フレーム3における次期商品支持部材7が出入りする開口部3a内に入り込むことができるように、平板部9の左右方向の寸法を係止部10側から自由端に向かうにしたがって小さくした場合でも、フラップ8が後退状態(販売待機状態)の次期商品支持部材7と当接することによりフラップ8が商品通路2に突出する(フラップ8の一部が商品通路2にはみ出る)場合は、商品通路2に突出した(一部が商品通路2にはみ出た)フラップ8が商品通路2の障害になる可能性がある。
しかしながら、上記構成により、販売待機時に、次期商品支持部材7が出没する部分で商品搬出装置と商品通路板1との間の商品通路2の前後方向(商品通路2の飲料商品4の径方向に関係する方向)の寸法が、平板部9の自由端側を商品通路2から後退する回動方向に折り曲げたフラップ8を用いたことによって、平板部9を折り曲げていないフラップ8を用いた場合よりも、狭くならないようにできる。
また、本実施の形態の自動販売機の商品搬出装置に用いた次期商品支持部材7は、商品保持部6に商品通路2とは反対方向に延在する爪部26,27を有し、次期商品支持部材7の回動軸方向の一方向側に片寄った位置に次期商品支持部材7を商品通路2に突出させる力を受けるものであり、次期商品支持部材7が商品通路2に突出させる力を比較的大きく受ける側の爪部26とフレーム3との間の隙間に入り込んでしまったフラップ8の平板部9の自由端が次期商品支持部材7の商品通路2からの後退動作を阻止しないように、次期商品支持部材7が商品通路2に突出させる力を比較的大きく受ける側の爪部26の先端に、先端に向かうにしたがって低くなり(先端に向かうにしたがって次期商品支持部材7の回動の中心軸からの距離が短くなり)次期商品支持部材7を商品通路2から後退させる力で平板部9の自由端を持ち上げる応力を発生させる傾斜面30を形成している。
商品保持部6に商品通路2とは反対方向に延在する爪部26,27を有し、回動軸方向の一方向側に片寄った位置に商品通路2に突出させる力を受ける次期商品支持部材7が、商品通路2に勢いよく突出した場合、特に、係止部10から平板部9の自由端までの長さを必要以上に長くしていないフラップ8に飲料商品2の荷重が掛かった場合には、次期商品支持部材7が商品通路2に突出させる力を比較的大きく受ける側の爪部26とフレーム3との間の隙間にフラップ8の平板部9の自由端が入り込んで、その結果、次期商品支持部材7の商品通路2からの後退動作が困難になるという課題を解決する必要がある。
しかしながら、次期商品支持部材7が商品通路2に突出させる力を比較的大きく受ける側の爪部26の先端に、先端に向かうにしたがって低くなり(先端に向かうにしたがって次期商品支持部材7の回動の中心軸からの距離が短くなり)次期商品支持部材7を商品通路2から後退させる力で、上記隙間に入り込んだ平板部9の自由端を持ち上げる応力を発生させる傾斜面30を形成したので、次期商品支持部材7が商品通路2に突出させる力を比較的大きく受ける側の爪部26とフレーム3との間の隙間にフラップ8の平板部9の自由端が入り込んだ場合でも、フラップの平板部の自由端が爪部に引っ掛からず、その傾斜面30でフラップ8の平板部9の自由端を持ち上げて、爪部26とフレーム3との間の隙間から上方にフラップ8の平板部9の自由端を押し出すことにより、次期商品支持部材7
の商品通路2からの後退動作を可能にすることができる。
なお、本実施の形態では、フレーム3の開口部突出片45と当接して次期商品支持部材7が商品通路2に突出し過ぎるのを防ぐ第1ストッパー爪46と、左スライド保持部材31のストッパー突起48と当接して次期商品支持部材7が商品通路2に突出し過ぎるのを防ぐ第2ストッパー爪49とを設けているので、特に、第2ストッパー爪49による高いストッパー効果により、次期商品支持部材7が商品通路2に突出し過ぎるのを極力防ぐことで、爪部26とフレーム3との間の隙間にフラップ8の平板部9の自由端が入り込むことを抑制している。
なお、本実施の形態では、飲料商品4を対象としたが、飲料商品4と形状が類似した他の商品でも対応できる。