JP2015092899A - 洗濯機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザによる給水量の設定が可能な構成にあって、所期の洗濯性能を得ることができる洗濯機を提供する。【解決手段】洗濯機は、内部に槽を有する洗濯機本体と、洗濯物量を検出する洗濯物量検出手段と、前記槽内に給水する給水手段と、前記給水手段の給水量をユーザが設定するための設定手段と、前記洗濯物量検出手段により検出された洗濯物量または当該洗濯物量に応じた給水量に比して、前記設定手段により設定された給水量が多いか少ないかを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段の判定結果に基づいて、洗濯性能に関する情報を報知する報知手段とを備える。【選択図】図1

Description

本実施形態は、洗濯機に関する。
従来から、洗濯機では、槽内に設定水位まで給水し、且つ洗剤投入手段により洗剤を槽内に投入した上で、槽の内部に設けられた撹拌体を駆動して洗い行程が実行される。この種の洗濯機では、槽内への水位(給水量)を設定する水位キーを備えており、ユーザが水位キーを操作することで給水量を設定することができる。
例えば、ユーザは洗濯物の汚れ度合いに応じて、多量の水を使って洗いを行いたい場合、水位キーの操作により給水量を多めに設定して、洗濯運転を開始する。或いは、ユーザは洗濯運転の開始後、水が足りないと判断した場合、その洗濯運転の途中で給水量を増やす設定変更を行うこともある。
特開2007−89775号公報
従来の構成では、ユーザの判断により給水量を変更したとしても、必ずしも所期の目的を満足しない場合がある。即ち、多量の水を使って洗濯物の汚れを落とそうと考え、水位を高めに設定したとする。ところが、この場合、槽内で洗濯物が泳ぐような状態となり、洗濯物に前記撹拌体の機械力が伝わりにくくなることがある。この結果、洗浄性能の低下を招き、水を不必要に使用することになる。
そこで、ユーザによる給水量の設定が可能な構成にあって、所期の洗濯性能を得ることができる洗濯機を提供する。
本実施形態の洗濯機は、内部に槽を有する洗濯機本体と、洗濯物量を検出する洗濯物量検出手段と、前記槽内に給水する給水手段と、前記給水手段の給水量をユーザが設定するための設定手段と、前記洗濯物量検出手段により検出された洗濯物量または当該洗濯物量に応じた給水量に比して、前記設定手段により設定された給水量が多いか少ないかを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段の判定結果に基づいて、洗濯性能に関する情報を報知する報知手段と、を備える。
第1実施形態における水位判定処理を含む給水開始前の処理の流れを示すフローチャート 洗濯機の一部を破断して示す縦断側面図 電気的構成を示すブロック図 (a)及び(b)は、高水位及び少水位に設定した状態で示す操作パネルの一例を示す図 適正水量を表す判定用テーブルの説明図 第2実施形態における水位表示器を説明するための拡大図 第3実施形態における浴比テーブルの説明図 説明エリアに表示される洗濯性能に関する得失の一例を示す図 評価テーブルの説明図 第4実施形態に関する説明図であって、(a)及び(b)は、槽内における水位に比して洗濯物量が少ない時及び多い時の状態を表す模式図 q軸電流とパルセータの動きやすさの関係を示す図 図1相当図 図8相当図 第5実施形態を示すもので、(a)及び(b)は、洗剤量テーブルの一例及び水位変更時の表示画面の一例として表す説明図 第6実施形態の給水工程における処理の流れを示すフローチャート 洗い工程における処理の流れを示すフローチャート 第7実施形態の洗濯機の外観斜視図
<第1実施形態>
以下、縦型全自動洗濯機(以下、単に洗濯機とする)に適用した第1実施形態について図1から図5を参照して説明する。図2に示すように、当該洗濯機の洗濯機本体1は、矩形箱状の外箱2と、外箱2の上面に設けられたトップカバー3とを備える。外箱2の内部には、支持軸5a及びばね5bよりなる複数の弾性吊持機構5(図2に1つのみ図示)により水槽4が弾性吊持されており、水槽4の内部には洗濯槽兼脱水槽である回転槽6が回転可能に配設されている。回転槽6の周壁部には多数の脱水孔6aが形成されている。また、回転槽6の上端部にはバランスリング7が設けられている。さらに、回転槽6の内底部には、撹拌体としてのパルセータ8が回転可能に配設されている。
外箱2のうち水槽4の外底部には、槽軸9a及び撹拌軸9bを有する機構部9が配設されている。槽軸9aには回転槽6が連結され、撹拌軸9bの上端部にはパルセータ8が連結されている。また撹拌軸9bの下端部はブラシレスDCモータからなる洗濯機モータ10のアウタロータ10aが連結されている。そして、洗い行程及びすすぎ行程では、このモータ10によりパルセータ8のみが直接正逆回転されて、回転槽6内に水流を生成する。また、脱水行程ではパルセータ8及び回転槽6が同期して高速回転され、回転槽6内の洗濯物を遠心脱水する。
水槽4の底部には排水口11が形成されており、その排水口11には、排水弁12を介して排水ホース12aが接続されている。また、排水口11には、水位検知用のエアトラップ13を併設し、このエアトラップ13にエアチューブ13aを接続している。また、詳しい図示は省略するが、洗濯機本体1内には水槽4内に給水する給水手段として、水道水を供給するための給水弁14及び風呂水を供給するための風呂水ポンプ15(何れも図3参照)と、夫々の給水経路(図示略)を備える。これら給水弁14或いは風呂水ポンプ15は、その給水動作により、夫々の給水経路を通じて水槽4内に水道水或いは風呂水を供給する。
尚、図示は省略するが、洗濯機本体1内には、乾燥手段として洗濯物を乾燥するための乾燥ユニットが設けられている。この乾燥ユニットは、送風ファンを備えた送風装置並びに加熱装置(図3のファンモータ17a並びにヒータ17b参照)を備えており、ヒータ17bで加熱した空気を回転槽6に供給することで洗濯物を乾燥させる。
図2に示すように、上記トップカバー3には、二つ折り式の蓋3aが設けられている。また、このトップカバー3の前部上面には、操作パネル18が設けられ、これの裏面側に制御装置19が配置されている。
ここで、図4は、操作パネル18を、後述する特定の表示状態で示している。この操作パネル18は、電源スイッチとして、電源入スイッチ16a及び電源切スイッチ16bを有すると共に、洗濯運転と、洗濯運転〜乾燥運転と、乾燥運転との各運転コースを設定するためのコーススイッチ20を有する。また、操作パネル18は、運転を開始させるためのスタートスイッチ21の他、運転の予約を設定するための予約スイッチ22や、風呂水を使用するときの風呂水スイッチ23を有する。
更に、操作パネル18は、洗いの行程を設定するための洗いスイッチ24、すすぎの行程を設定するためのすすぎスイッチ25、脱水の行程を設定するための脱水スイッチ26、乾燥の行程を設定するための乾燥スイッチ27、並びにこれらスイッチ23〜27で設定された内容や、洗濯に関する情報を表示する表示部28が設けられている。表示部28は例えば液晶ディスプレイからなり、洗い〜乾燥の各工程における時間や回数、設定内容を表示したり、報知手段として後述する洗濯性能に関する情報等を表示する。そして、操作パネル18は、水位を設定するための水位スイッチ30と、設定水位を表示する水位表示器31〜34を有している。例えば、操作パネル18における表示器にはLEDを使用しており、これら水位表示器31〜34、水位スイッチ30及び制御装置19は、給水量をユーザが設定するための設定手段に相当する。
図3は、洗濯機における電気的構成を示すブロック図である。制御装置19は、マイクロコンピュータを主体に構成されており、上記した洗濯〜乾燥の各行程を含む洗濯運転の動作全般を制御する。
制御装置19には、前記電源入スイッチ16aの操作により、電源35から給電され、それに基づく制御装置19からの信号で、電源リレー回路36が給電状態を保持するようになっている。また、前記電源切スイッチ16bの操作により、それに基づく制御装置19からの信号で、電源リレー回路36が給電状態を解除する。
制御装置19には、操作パネル18における上記した各スイッチ20〜27,30からなるスイッチ入力部37より各種操作信号が入力される。また、洗濯機モータ10の回転(ひいては回転槽6やパルセータ8の回転)を検知するように設けた回転センサ38からパルス信号である回転検知信号が入力され、前記エアトラップ13にエアチューブ13aを介して水槽4内の水位を検知するように設けた水位検知手段である水位センサ39から水位検知信号が入力される。更に、制御装置19には、トップカバー3の蓋3aの開閉を検知する蓋開閉センサ40からの開閉検知信号が入力される。蓋開閉センサ40は、例えば二つ折り式の蓋3aが開かれた時に動作する。
不揮発性メモリ(EEPROM)41には、制御プログラムや、後述する閾値や各種の情報テーブルが予め記憶されている。そして、制御装置19は、上記した操作信号や検知信号並びに前記制御プログラムに基づいて、前記表示部28の表示制御を行うと共に、ブザー(電子ブザー)42、給水弁14、風呂水ポンプ15、排水弁12、及び洗濯機モータ10の駆動制御するようになっている。また、以下の作用説明で述べるように、本実施形態の制御装置19、表示部28、ブザー42は報知手段に相当し、洗濯性能に関する情報を報知するようになっている。
次に、上記構成の作用について、図1も参照しながら説明する。ここで、図1は、制御装置19が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
制御装置19は、電源入スイッチ16aの操作により、電源35から給電されると、それに基づき電源リレー回路36に給電状態を保持させ、この処理を開始する。一方、ユーザは、回転槽6内に洗濯物を収容した上で、コーススイッチ20を操作して所望の運転コースを選択する。また、水位スイッチ30を操作して所望の水位(給水量)に設定することができる(ステップS1)。この後、スタートスイッチ21の操作により(ステップS2)、選択したコースでの運転が行われる。
以下では、前記ステップS1にて通常の洗濯運転(標準コース)が選択されたものとして説明する。また、前記ステップS1での給水量は、水位スイッチ30が押圧操作される度に、図4に示す水位表示器31〜34の何れかが順次点灯することで、例えば12L〜60Lの水量を4段階に分けて設定した値に対応する「高」「中」「低」「少」の何れかの水位を選択するようになっている。
次いで、ステップS3において、制御装置19は、洗濯物量を検知する。この洗濯物量の検知は、例えば回転槽6を所定の回転速度まで回転させたときの、回転センサ38からのパルス信号のカウント数と、その後、回転槽6の駆動を停止して回転槽6を惰性回転させ、それによって回転槽6の回転速度が所定の回転速度まで下降するときの前記パルス信号のカウント数とに基づいて、その回転負荷を検知することにより行う。このように、回転センサ38と制御装置19は洗濯物量検出手段として機能する。
ここで、制御装置19は、前記ステップS3で計数したカウント数に基づき、洗濯物量(布量)を求め(ステップS4)、その洗濯物量が4.0Kgであったと仮定する。このとき、制御装置19は、洗濯物量に対応付けた適正水量を表す判定用テーブル(図5参照)を照合することで、4.0Kgの洗濯物量に応じた適正水量である35Lを、判定用の給水量として読み出す。尚、図5の判定用テーブルは一例を示すものであり、当該テーブルや、前記カウント数から洗濯物量を求めるための数値は、不揮発性メモリ41等の記憶手段に記憶されているものとする。
また、制御装置19は、前記ステップS1でユーザにより設定された給水量と、前記ステップS4で求めた判定用の適正水量とを比較する(ステップS5)。この場合、設定された給水量が適正水量よりも多いと判定されると(YES)、その旨をブザー42で報知する(ステップS7)。一方、設定された給水量が適正水量よりも少ないと判定されると(ステップS5にてNO、ステップS6にてYES)、その旨をブザー42で報知する(ステップS8)。この報知は、ステップS7とS8とでブザー42の鳴動時間を異ならせたり、他のアラーム音で例えば、ステップS7にて「ピッ」、ステップS8にて「ピピッ」という具合に異ならせてもよい。また、スピーカを用いて音声で報知するようにしてもよい。
そして、ステップS9では、操作パネル18の表示部28には、洗濯に係る運転時間や洗剤量が表示されると共に、洗濯性能に関する情報が表示される。具体的には、図4(a)に示すように、ユーザにより高水位が設定された場合、その高水位が水位表示器31で示されると共に、表示部28の説明エリア28aに例えば「適正水位よりも高い水位で洗濯を行います」と表示して、係る高水位までの給水量が前記適正水量よりも多い旨を報知する。一方、図4(b)に示すように、ユーザにより少水位が設定された場合、その少水位が水位表示器34で示されると共に、説明エリア28aに例えば「適正水位よりも低い水位で洗濯を行います」と表示して、係る少水位までの給水量が前記適正水量よりも少ない旨を報知する。尚、表示部28には、図4(a)(b)に示すように、前記ステップS1で設定したコースの具体的内容である、洗い、すすぎ、脱水の各行程について時間や回数、設定内容が表示される。また、後述するように、表示部28の説明エリア28aには、同図に示す表示内容に限らず、洗濯性能に関する他の情報を表示してもよい。
こうして、ユーザは、表示部28の表示やブザー42の音等で、設定した給水量が適正水量から見て多いか少ないかを把握することができ、その設定水量を水位スイッチ30で変更することができる。また、後の実施形態で詳述するが、表示部28には、その水位スイッチ30で設定した給水量に応じた洗剤量が表示される。ユーザは、表示された量の洗剤を投入し、蓋3aを閉じる。
そして、ステップS10では、前記ステップS1で選択された標準コースにおける洗濯運転、つまり例えば給水、洗い、排水、脱水、給水、すすぎ、排水、脱水の各行程を順次実行する制御が行われる。尚、水槽4内への給水は、前述した給水弁14の給水動作による水道水の供給に限らず、風呂水ポンプ15の駆動による風呂水の供給により行うようにしてもよい。また、給水は、前記水位センサ39の水位検知信号に基づいて、上記のように設定し或いは変更した給水量となる設定水位まで給水動作が行われることとなる。
以上説明したように、本実施形態の洗濯機は、前記給水手段の給水量をユーザが設定するための設定手段を備え、制御装置19は、洗濯物量検出手段により検出された洗濯物量または当該洗濯物量に応じた給水量に比して、設定手段により設定された給水量が多いか少ないかを判定する第1判定手段に相当し(前記ステップS5,S6参照)、前記第1判定手段の判定結果に基づいて、洗濯性能に関する情報を報知するように構成されている。
これによれば、設定手段によりユーザが給水量を任意に設定した場合でも、第1判定手段によりその給水量の判定がなされて、洗濯性能に関する情報が報知される。このため、ユーザは、給水量の設定が洗濯機の洗濯性能に及ぼす影響を把握することができ、その設定を変更する等して所期の洗濯性能を得ることができる。
即ち、従来において、ユーザは自ら設定した給水量が洗濯機の洗濯性能に及ぼす影響を正確に把握することは困難である。従って、「洗濯物の汚れの度合いから、水を多めに入れて洗ったものの、汚れが十分に落ちていない」というような事態も生じうる。その原因としては、洗濯機に投入した洗濯物量に対して、洗浄性能が最大限に得られる水位になっていないことが考えられる。つまり、給水量を増やすと、洗濯物にパルセータ8の機械力が伝わりにくくなり、又、その撹拌中における洗濯物同士の接触が少なくなり、洗濯物が水の中で泳ぐような形となる結果、良好な洗浄性能が得られないこととなる。これに対し、本実施形態では事前に洗濯性能に関する情報がなされることから、給水量の設定を変更する等して、洗濯物が泳ぐような事態となるのを防止することができ、所期の洗濯性能を得ることができるのである。
図6〜図17は、他の実施形態を示すものであり、以下では第1実施形態と同一部分には同じ符号を付す等して説明を省略するものとする。
<第2実施形態>
図6(a)及び(b)は、第2実施形態の設定手段として、水位表示器51〜55及び水位表示器61〜63を示している。先ず、図6(a)の水位表示器51〜55は、水位スイッチ30が押圧操作される度に、例えば「12L」「25L」「42L」「51L」「62L」に対応する前記LEDが順次転点灯することで、5段階に分けて設定した具体的な給水量の値を示す。この場合、水位表示器51〜55の表示を、表示部28における液晶表示で行うようにしてもよい。また、例えば、ユーザが「25L」に設定した場合、その給水量と前記適正水量とが比較され(前記ステップS5,S6参照)、その比較結果が報知されることとなる(前記ステップS7〜S9参照)。
図6(b)の水位表示器61〜63は、水位スイッチ30が押圧操作される度に、例えば例えば20L、40L、60Lの3段階に分けて設定した給水量に対応する「低」「中」「高」の前記LEDが順次転点灯する。このように、水位表示器61〜63における給水量は、複数の段階に分け或いは任意の値に設定(表示)できるようにしてもよく、これを表示部28に表示してもよい。この場合でも、水位表示器51〜55と同様に、前記適正水量との比較結果を報知することで、第1実施形態と同様の効果を奏する。
<第3実施形態>
近年洗濯機の主流となっているドラム式の洗濯機などを筆頭に低浴比で洗濯運転を行う洗濯機も存在する。しかし、給水量が不十分な結果、洗いムラが発生してしまうこともある。そこで、本第3実施形態の洗濯機では、例えば8〜14の浴比が最も洗浄性能の高い条件とし、当該浴比に基づき適正水量を規定する。ここに、浴比とは1キログラムの洗濯物を洗うのに使う水の量(リットル)であり、この第3実施形態について、図1のフローチャートも参照しながら説明する。
前記ステップS1、S2の後に実行されるステップS3、S4では、洗濯物量が検知される。このとき、制御装置19は、図7に示す浴比テーブルを照合して適正水量を取得する。即ち、制御プログラムは、洗濯物量と給水量とを対応付けた浴比テーブルを含んでおり、制御装置19は例えば、洗濯物量が4.0Kgであったとき、浴比テーブルから浴比が10となる水量40Lを適正水量として取得する(図7の矢印参照)。
そして、制御装置19は、浴比が10となるように給水量を設定し、当該浴比となる設定水位まで給水する(前記ステップS10)。もっとも、このように給水量が自動的に設定される場合でも、前記ステップS1〜S10の間において、水位スイッチ30の操作により、ユーザが希望する給水量に変更される場合もある。つまり、「よく洗いたいから、水位を上げる」といった設定や、逆に、節水意識や「投入した洗濯物が少ないから、水位を下げる」といった設定がユーザの主観により行われることもある。前者の設定では、給水量が多くなったことで、すすぎを十分に行い、洗濯物に洗剤成分が残りにくいというメリットはあるが、洗浄性能に関しては前述のように洗濯物が水中で泳ぐ形となり、又、洗剤濃度が低くなることにより汚れを除去するミセルが十分に生成できない虞もあり、洗浄性能を上げたいユーザの希望を満足しない結果となる。一方、後者の設定では、少ない水で洗濯運転を行うことはできるが、給水量が不十分な結果、洗いムラが発生する虞がある。
そこで、本第3実施形態の制御装置19は、ユーザにより設定された給水量について、浴比を基準に得失を判断して報知する。具体的には例えば、前記ステップS1でユーザが「高」水位に設定した場合、制御装置19は、表示部28の説明エリア28aに「水位を高めにして運転します」(図示略)と表示させる。そして、スタートスイッチ21が操作されると(前記ステップS2)、制御装置19は、洗濯物量を検知すると共に(前記ステップS3、S4)、その洗濯物量に基づいて、浴比が10となる適正水量を取得する。これにより、取得した適正水量とユーザが設定した給水量との比較・判定が行われ(前記ステップS5、S6)、その判定結果に基づき前記ステップS7〜S9にて報知が行われる。
ここで、前記ステップS9での報知例として、表示部28の説明エリア28aに表示される内容を図8に示す。同図に示すように、ユーザが設定した給水量が適正水量よりも多い場合、説明エリア28aに「水が多いため、布傷みの少ない優しい洗濯動作を行えます」というメリットと併せて、「機械力が洗濯物に伝わりにくく、洗浄性能が低下する場合があります」というデメリットも表示する。逆に、ユーザが設定した給水量が適正水量よりも少ない場合、「節水性能が高い洗濯動作を行います」というメリットと併せて、「パルセータと接触し易い条件のため、布傷みが懸念されます」というデメリットも表示する。他方、ユーザが設定した給水量が適正水量と同じ、或いは水位スイッチ30が操作されなかった場合には、「適正水位で洗濯動作を行います」というメリットを表示する。こうして、洗濯性能に関する情報として、洗浄性能の得失や、布傷みに関する情報が報知される。
この他、図8では省略したが、給水量が適正水量よりも多い場合、「洗濯物に洗剤成分が残りにくく、すすぎを十分に行えます」等、すすぎ性能に関して併せて表示するようにしてもよい。また、図8のように、洗濯性能に関する情報を文字で表わすだけでなく、図表や記号等で表わすようにしてもよい。
例えば、図9に示すように、ユーザが設定した給水量の判定結果を「★」の記号で報知することができる。図9は、図7の浴比テーブルに対応する評価テーブルであり、給水量と洗濯物量との比が前述した10〜14に近いほど「★」の数が多く、適正水量に近い(洗浄性能が高い)ことを表す一方、「★」の数が少ない場合、洗浄性能が劣ることを表す。このように直感的に視認しやすい形で、洗浄性能を「★」の数だけで説明エリア28aに表し、或いは、図9の表の全部或いは一部を表示部28に表示してもよい。
以上のように、本第3実施形態の報知手段は、洗濯性能に関する情報として、洗浄性能と、すすぎ性能と、布傷みとに関する情報のうち少なくとも何れか1つの情報を報知する。従って、ユーザは給水量を設定したとしても、その設定についての洗浄性能、すすぎ性能、布傷みといった情報を把握することができ、実用上好適なものとすることができる。
また、本第3実施形態の第1判定手段は、予め設定された所定の浴比を基準として、前記洗濯物量検出手段で検出される洗濯物量に基づき、前記設定手段により設定された給水量が多いか少ないかを判定し、報知手段は、第1判定手段の判定結果に基づいて、洗浄性能に関する情報を報知する。これによれば、浴比を基準として、設定された給水量について、より正確且つ妥当な判定を行うことができる。
<第4実施形態>
第4実施形態では、ユーザが設定した給水量、或いは検知された洗濯物量に基づき設定された適正水量を給水するにあたり、その給水動作を2回以上に分けて実行する。1回の給水動作で給水を完了した場合、その後の撹拌により洗濯物に洗濯水が浸透することで水位が低くなることがあるからである。特に、綿は化学繊維に比し吸水性が高いため、そのような傾向が顕著になる。このため、2回以上に分けて実行する給水動作のうち1回目の給水動作(以下第1給水と称する)の後、パルセータ8で撹拌して洗濯物に洗濯水を染み込ませ、その後再度給水を再開して、目標水位まで給水することでばらつきの少ない水位とする。
また、図10(a)に示すように水槽4内へある程度給水し、その給水動作を中断した場合、洗濯物が比較的少ないと浮くことがある。一方、図10(b)に示すように、同じ水位でも、洗濯物が比較的多いときは、浮かずにパルセータ8に接触した状態となる。ここで、制御装置19は、電流センサ(図示略)の出力信号に基づいて、洗濯機モータ10に流れる電流を検知することにより、水槽4内における実質的な水位と洗濯物との関係を判定する。検知する電流は、トルク成分に対応するq軸電流値であるが、詳細には特開2002−360970号、特開2007−50114号等に開示された公知の構成により求めることができ、その説明を省略する。
ここで、図11は、洗濯機モータ10への通電時(定速運転時)におけるq軸電流とパルセータ8の動き易さとの関係を示している。q軸電流は、負荷により必要な回転力が定まり、その値Iqが適正値つまり基準電流に略等しい場合は、給水量に対し洗濯物量が適正である。これに対し、q軸電流が基準電流よりも小さい場合は、給水量に対し洗濯物量が少ないためパルセータ8が動き易く(図10(a)参照)、逆にq軸電流が基準電流よりも大きい場合は、水量に対し洗濯物量が多いため(図10(b)参照)パルセータ8が動きにくい。
以上のような関係から、第1給水完了後に一定時間パルセータ8で撹拌を行い、そのときのq軸電流から洗濯物量と給水量との関係を判定する。ここで、給水量に対して、洗濯物量が少ない或いは多いと判定された場合、その旨を報知する。同時に、制御装置19によって、給水量の設定の変更も受け付け、ユーザによりその設定の変更がなされた場合、その変更した給水量を目標水位として洗濯運転を行う。この一連の流れを図12のフローチャートを参照して説明する。
図12のステップS11〜S17では、図1のステップS1〜S10と同じ処理が実行され、従って、ステップS15、S16では、ステップS5〜S9が実行される。
そして、制御装置19は、ステップS17で標準コースにおける洗濯運転を開始し、ステップS18で、給水弁14を開放させて水槽4内へ給水する。この給水中において、制御装置19は、水位センサ39の水位検知信号に基づいて、水槽4内の水位が第1水位(設定された水位よりも低い所定の水位)に達したか否かを判断する(ステップS19)。ここで、水槽4内の水位が第1水位に達すると(YES)、制御装置19は、給水弁14を閉じ、洗濯機モータ10の駆動をさせてパルセータ8による撹拌を開始する(ステップS20、S21)。
このとき、制御装置19は例えば、パルセータ8の正回転、休止、逆回転、休止を1サイクルとし、その4サイクル分について、前記q軸電流の平均値(以下q軸電流値とする)を算出する。そして、算出したq軸電流値は予め定められた閾値T1,T2と比較される(ステップS22、S23)。この場合の閾値T1,T2は、洗濯物量と対応付けて予め設定された閾値テーブルから取得されるものであり、制御装置19は、前記ステップS14で検知された洗濯物量について、対応する閾値T1,T2とq軸電流値を比較する。
ここで、制御装置19によりq軸電流値が閾値T1よりも大きいと判断される場合(ステップS22にてYES)、洗濯物量に対して水位が低く、パルセータ8が洗濯物と接触して回りにくい状態となっている。一方、q軸電流値が閾値T2よりも小さい場合(ステップS23にてYES)、洗濯物量に対して水位が高く、洗濯物が浮いているため、パルセータ8が回り易い状態となっている。
そこで、制御装置19は、ステップS24にて表示部28の説明エリア28aの表示を更新する。例えば図13(a)に示すように、「給水中」であることを表示する共に(前記ステップS17から表示してもよい)、「洗濯物量に対して水量が少ない」場合には、その旨を表示する。また、この場合、「機械力が洗濯物に伝わりやすいため、頑固汚れに効きます。」と表示し、併せて「布傷みが懸念されます。おしゃれ着のお洗濯にはお勧めしません。」と表示して、当該設定における洗濯運転の得失を報知する。一方、図13(b)に示すように、「洗濯物量に対して水量が多い」場合には、その旨を表示すると共に、「布傷みしにくく優しく洗えます。」や、「機械力が洗濯物に伝わりにくいため、洗浄性能が衰えます。」と表示して、当該設定における洗濯運転の得失を報知する。
ユーザは、こうした報知を受けて、水位スイッチ30の操作により給水量の設定を変更することができる。この変更は、ステップS28で給水弁14を開放することによる給水動作の再開(第2給水)されるまで制御装置19により受付けられる。この受付けの間(例えば1分間)、第1水位でパルセータ8による撹拌が行われる。ここで、給水量の設定変更があれば(ステップS25にてYES)、その変更後の給水量を目標水位として(ステップS26)、第2給水が行われる(ステップS28)。また、給水量の設定の変更がなければ(ステップS25にてNO)、目標水位の変更がないまま、第2給水により当該目標水位まで給水する(ステップS28)。
尚、ステップS27では、ステップS26での変更を水位表示器31〜34により表すだけでなく、変更後の給水量と前記適正水位とを比較し、その比較結果や当該比較結果に基づく前記得失等の洗濯性能に関する情報を説明エリア28aに表示してもよい。また、q軸電流値に係る演算は、上記のように給水動作を一旦停止して行うようにしたが、一旦停止の有無にかかわらず給水動作の途中で行うようにしてもよい。
以上説明した本第4実施形態において、制御装置19は、給水手段の給水動作の途中で又は給水動作を一旦停止して、洗濯機モータ10を駆動させたときの当該モータ10に作用する負荷を、その閾値T1,T2との比較により判定する第2判定手段を構成し、報知手段は、第2判定手段の判定結果に基づいて、洗濯性能に関する情報を報知する(前記ステップS24等参照)。これによれば、給水動作を経てモータ10に作用する負荷とその閾値を比較することから、水槽4内における実質的な水位、或いは綿や化学繊維の吸水性をも考慮した、より正確な判定を行うことができる。また、判定結果に基づき報知を行うことで、ユーザが適正な水位を設定できるよう導くことができる。
<第5実施形態>
不揮発性メモリ41には、図14(a)に示すように給水量と洗剤量とを対応付けた洗剤量テーブルが予め記憶されている。洗剤量テーブルでは、例えば10L、15L、20L、…といった具体的な給水量の値毎に、例えば粉末洗剤であるアタック(登録商標、花王社製)等、液体洗剤を含む各種洗剤の具体的な量が夫々規定されている。
制御装置19は、前記ステップS9等において、ユーザにより設定された給水量に基づいて、洗剤量テーブルを照合し、該当する各種洗剤の量をその洗剤の種類(商品名)と共に操作パネル18の表示部28に表示する。この場合、表示する洗剤量は、その市販されている洗剤の種類毎に、一覧として表すようにしてもよいし、代表的な粉末洗剤と液体洗剤との一部でもよい。また、図14(a)に示す[g]、[mL]の表示の他、例えば当該洗剤に用いられる洗剤カップ、またはキャップに対応した「1.0杯」や「0.8キャップ」といった具合に、ユーザに直感的に分かり易い表示を行うようにしてもよい。
前記ステップS25の如く、途中で給水量の変更があった場合、その分洗剤濃度が低くなる等して、洗浄性能の低下が生じる虞がある。そこで、水量が増えた分に対応して、洗剤の追加を促す表示を行う。例えば図14(a)に示すように、給水量が40Lから60Lへ変更された場合、その差はプラス20Lであるため、20L分の洗剤量を表示する。ここで、図14(b)は、このとき追加すべき20Lの給水量に対応する洗剤量を表している。このように、表示部28には、図表として各種洗剤の洗剤量を給水量と併せて表示してもよい。
以上説明したように、給水手段は、洗濯運転の途中で設定手段による給水量の設定の変更が可能に構成され、報知手段は、給水量の設定の変更があったときに、その変更後の給水量に応じた洗剤量に関する情報を報知する。これによれば、ユーザが給水量を途中で変更したとしても、これに対応して洗剤量に関する情報が報知されるため、適正な洗剤濃度で洗濯運転を行うことができ、十分な洗浄効果が得られる。
<第6実施形態>
図15は、第6実施形態におけるフローチャートで、制御装置19が実行する前記ステップS10以降の処理つまり給水工程における処理の流れを示している。
制御装置19は、給水弁14を開放させて水槽4内へ給水する(ステップS30)。ここで、前記ステップS1で設定された給水量を給水するまでの間(つまり目標水位に達するまで)、水位スイッチ30の操作が無い場合(ステップS31にてNO、ステップS32にてYES)、給水弁14を閉じて、そのまま洗い工程へ移行する(ステップS33、S34)。
これに対し、目標水位に達するまでの間に(ステップS32にてNO)、水位スイッチ30の操作により給水量が変更されると(ステップS31にてYES)、目標水位が更新される(ステップS35)。このとき制御装置19は、更新された目標水位が、更新前の水位よりも高く、給水量が増加すると判断した場合(ステップS36にてYES)、洗剤追加判定用フラグをセットする(ステップS37)。この後、更新された目標水位に達すると(ステップS38にてYES)、給水弁14を閉じる(ステップS39)。次いで、制御装置19は、前記フラグのセット状態に基づいて、洗剤の追加を必要としないと判断した場合(ステップS40にてNO)、洗い工程へ移行する(ステップS34)。
一方、制御装置19は、フラグのセット状態に基づき、洗剤の追加が必要であると判断した場合(ステップS40にてYES)、表示部28に、追加すべき洗剤量をその洗剤の種類と共に表示させる(ステップS41)。ここで、制御装置19は、前記蓋開閉センサ40からの開閉検知信号に基づき、蓋3aの開閉を検知した場合(ステップS42にてYES)、洗剤が追加されたと判断し、洗い時間の更新を行う(ステップS44)。この更新時間に係るデータは、予め制御プログラムに含まれており、変更後の給水量に対応する運転時間に更新される。他方、蓋3aの開閉を検知しない場合でも(ステップS42にてNO)、前記ステップS41で洗剤量の表示をした時からの時間をタイマーで計測し、1分間経過したかどうが判定される(ステップS43)。そして、1分間が経過しても蓋3aの開閉を検知しなかった場合(ステップS42にてNO、ステップS43にてYES)、洗い時間を更新して(ステップS44)、洗い工程へ移行する(ステップS34)。このように、洗い時間が自動的に更新されると共に、前述した表示部28における洗い時間の表示(図4(a)等参照)も更新される。
ここで、図16は、洗い工程における処理の流れを示している。
制御装置19は、洗い工程において水位スイッチ30の操作が無い場合、そのまま洗い工程を継続して行う(ステップS50、S51)。これに対し、制御装置19は、水位スイッチ30の操作があると(ステップS50にてYES)、目標水位を更新する(ステップS52)。このとき制御装置19は、目標水位が更新されることで、給水量が増加すると判断した場合(ステップS53にてYES)、閉じていた給水弁14を開放すると共に、洗剤追加判定用フラグをセットする(ステップS54、S55)。これにて、更新された目標水位に達すると(ステップS56にてYES)、給水弁14を閉じる(ステップS57)。次いで、制御装置19は、前記フラグのセット状態に基づいて、洗剤の追加を必要としないと判断した場合(ステップS58にてNO)、そのまま洗い工程を継続して行う(ステップS51)。
一方、制御装置19は、フラグのセット状態に基づき、洗剤の追加が必要であると判断した場合(ステップS58にてYES)、表示部28に、追加すべき洗剤量をその洗剤の種類と共に表示させる(ステップS59)。ここで、制御装置19は、蓋開閉センサ40により蓋3aの開閉を検知した場合(ステップS60にてYES)、洗剤が追加されたと判断し、洗い時間の更新を行う(ステップS62)。
このときの更新時間は、例えば洗い工程の開始から計時して、変更後の水位に達するまで、或いは洗剤が追加されたと判断するまでの時間とする。具体例としては、洗い工程開始から3分後に、変更した水位に達した場合、3分間洗い工程の時間を延長する。また、洗い工程では、その変更の目的やユーザの要望を満たす水位で洗濯運転を行うことが望ましい。そこで、変更された水位に対応した洗剤量が新たに投入されたとき、洗い時間をその分増加させるようにしてもよい。もっとも、洗い工程の開始から10分後に水位が変更された場合、さらに10分洗いを行うことは、洗い工程全体の時間が長引くことに加えて、洗濯物の傷みが懸念される。そのため、例えば5分以上洗い工程が行われてから水位を変更した場合は、5分の半分の2.5分、洗い工程を延長するようにしてもよい。つまり、ユーザが水位を変更したことによる効用を得られる程度に洗い工程の時間を増やせばよい。尚、前記ステップS59で洗剤量の表示と共に計時を開始し、1分間が経過しても蓋3aの開閉を検知しなかった場合(ステップS60にてNO、ステップS61にてYES)、洗剤の追加がないものとして洗い時間を更新し(ステップS62)、洗い工程を継続する(ステップS51)。
以上説明したように、本第6実施形態の制御装置19は、水槽4への洗剤の投入量の変更または給水量の設定の変更を検知した場合、洗濯運転における洗い時間を変更後の給水量に応じた時間に変更する変更手段として構成されている。これによれば、ユーザが洗濯運転の途中で給水量を変更したとしても、これに伴い洗い時間も自動的に変更されるため、手間をかけることなく、ユーザによる給水量の目的や要望を満たした条件で洗濯運転を行うことができ、総じて、所期の洗濯性能を得ることができる。
尚、図15のステップS35或いは図16のステップS52に示すように、給水開始後或いは洗い開始後に水位スイッチ30の操作があった時、目標水位を更新するだけでなく、前記ステップS27と同様に、更新後の給水量と前記適正水位との比較結果に基づいて、前記得失等の洗濯性能に関する情報を報知してもよい。
<第7実施形態>
図17に示すように、第7実施形態ではドラム式洗濯機70への適用例について概説する。ドラム式洗濯機70の洗濯機本体71は、略矩形箱状の外箱72を備えている。図示は省略するが、外箱72内部には図示しない弾性支持機構を介して水槽が弾性吊持されており、水槽の内部には洗濯槽兼脱水槽である回転槽が回転可能に配設されている。また、図示は省略するが、外箱72内部には当該回転槽を回転させるべくブラシレスDCモータからなる洗濯機モータが配設されている。そして、洗い行程及びすすぎ行程では、このモータにより回転槽を正逆回転させ、脱水行程では高速回転されて回転槽内の洗濯物を遠心脱水する。
ドラム式洗濯機70の制御装置(図示略)は、全体の制御を司り、回転槽内の洗濯物量を検出する洗濯物量検出手段として構成されている。また、図示は省略するが、外箱72内部には給水手段が配設されていて、外箱72上部に配設された操作パネル73の水位スイッチ73aで、給水手段の給水量をユーザが設定することができるようになっている。そして、ドラム式洗濯機70の制御装置は、前記制御装置19と同様に、ステップS1〜S10、S11〜S28、S30〜S44、S50〜S62を実行する、第1及び第2判定手段、報知手段、変更手段として構成されている。
即ち、ドラム式洗濯機70の制御装置は、ステップS1〜S4を実行して洗濯物量を検出し、その洗濯物量または当該洗濯物量に応じた給水量に比して、水位スイッチ73aで設定した給水量が多いか少ないかを判定する(ステップS5、S6)。そして、この判定結果に基づき、洗濯性能に関する情報を、アラーム音で報知したり操作パネル73の表示部73bに表示する(ステップS7〜S9)。また、第3実施形態で説明したように、前記ステップS5、S6において、所定の浴比を基準として、水位スイッチ73aで設定された給水量が多いか少ないかを判定してもよい。
この点、前述したように、洗濯機の種類によって最適な浴比は異なることがある。当該浴比について一般的には、例えば全自動洗濯機であれば10程度である一方、ドラム式洗濯機であれば5程度とされている。図9では、浴比が8〜14の場合は、洗浄性能を表す指標が最高評価の「★★★★★」とし、逆に、浴比が低すぎたり、高すぎたりした場合には洗浄性能を表す指標を最低評価「★」とした。ドラム式洗濯機70でも、その種類に応じて最適な浴比の範囲を設定しており、その浴比テーブルを照合して、判定結果を表示部73bに表示する。これにより、ドラム式洗濯機70等の各種の洗濯機でも、所期の洗濯性能を得ることができ、上記した実施形態と同様の効果を奏する。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
図面中、1,71は洗濯機本体、4は水槽、6は回転槽、10はモータ、14,15は給水手段、19は制御装置(洗濯物量検出手段、設定手段、第1及び第2判定手段、報知手段、変更手段)、28,42,73bは報知手段、30,73aは設定手段、38は洗濯物量検出手段を示す。

Claims (6)

  1. 内部に槽を有する洗濯機本体と、
    洗濯物量を検出する洗濯物量検出手段と、
    前記槽内に給水する給水手段と、
    前記給水手段の給水量をユーザが設定するための設定手段と、
    前記洗濯物量検出手段により検出された洗濯物量または当該洗濯物量に応じた給水量に比して、前記設定手段により設定された給水量が多いか少ないかを判定する第1判定手段と、
    前記第1判定手段の判定結果に基づいて、洗濯性能に関する情報を報知する報知手段と、
    を備えることを特徴とする洗濯機。
  2. 前記洗濯性能に関する情報は、洗浄性能と、すすぎ性能と、布傷みとに関する情報のうち少なくとも何れか1つの情報を含むことを特徴とする請求項1記載の洗濯機。
  3. 前記槽内における水流の生成が可能なモータと、
    前記給水手段の給水動作の途中で又は前記給水動作を一旦停止して、前記モータを駆動させたときの当該モータに作用する負荷を、その閾値との比較により判定する第2判定手段とを備え、
    前記報知手段は、前記第2判定手段の判定結果に基づいて、洗濯性能に関する情報を報知することを特徴とする請求項1または2記載の洗濯機。
  4. 前記報知手段は、洗濯運転の途中で前記設定手段で給水量の設定の変更があったときに、その変更後の給水量に応じた洗剤量に関する情報を報知することを特徴とする請求項1から3の何れか一項記載の洗濯機。
  5. 前記設定手段による給水量の設定の変更または前記槽内への洗剤の投入量の変更を検知した場合、前記洗濯運転における洗い時間を前記変更後の給水量に応じた時間に変更する変更手段を備えることを特徴とする請求項4記載の洗濯機。
  6. 前記第1判定手段は、予め設定された所定の浴比を基準として、前記洗濯物量検出手段で検出される洗濯物量に基づき、前記設定手段により設定された給水量が多いか少ないかを判定することを特徴とする請求項1から5の何れか一項記載の洗濯機。
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