以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態の洗濯機100の外観の一例を示す斜視図であり、図2は本実施の形態の洗濯機100の内部構成の一例を示す縦断面図である。洗濯機100は、洗濯と乾燥とを行うことができる洗濯乾燥機であるが、乾燥を行わず洗濯のみ行うものでもよい。
本実施の形態の洗濯機100は、外装を構成する外箱1の内部に水槽2及び回転ドラム3などを備える。水槽2は、一側に開口20を設けた大径の有底円筒体であり、外箱1の底面に立設された複数本の支持脚21(1本のみ図示)により、開口20の側を上とし、水平面に対して軸心を傾けた傾斜姿勢を保って弾性的に支持されている。
水槽2の内部には、回転ドラム3が収容されている。回転ドラム3は、水槽2よりも若干小径の有底円筒体であり、一側の開口30を水槽2の開口20の内側に臨ませ、水槽2の底部中央に固設されたドラムモータ4の出力軸40の端部に連結してあり、ドラムモータ4の駆動により、水槽2の内部にて回転するように構成してある。
回転ドラム3は、開口30の外側に周設された流体バランサ31を備える。流体バランサ31は、回転ドラム3が回転した場合に、当該回転に伴う振動を吸収して緩和する機能を有する。ドラムモータ4は、水槽2の底板の外側に連設されたモータ室41の内部に設けてある。ドラムモータ4の出力軸40は、水槽2の底板を液密に貫通し、当該底板の中央に突出しており、回転ドラム3は、突出した出力軸40の端部に連結してある。回転ドラム3の周壁には、多数の小孔32が全面に亘って貫通形成されている。また、回転ドラム3の内面には、軸長方向に延びる複数のバッフル33が周方向に等配をなして突設されている。なお、簡便のため、図2には、小孔32の一部及び1つのバッフル33を図示している。
外箱1の前面(図2の左側面)には、水槽2の開口20を臨む位置に、ドア10によって開閉可能に洗濯物Aの投入口11が開設されている。投入口11と水槽2の開口20との間は、ベローズ12によって液密に封止されている。外箱1の前面には、ドア10の近傍にドア開ボタン13が設けてある。また、ドア10には、ドア10の閉止時に押圧操作するための押圧部14が設けてある。ドア10は、ドア開ボタン13の操作によって開放され、また周縁部を把持して閉操作し、押圧部14を外側から押すことにより閉止される。外箱1の前面に設けた投入口11は、水槽2及び回転ドラム3の開口20、30に臨ませてある。
外箱1の前面上部には操作パネル15が設置されている。操作パネル15は、運転内容を決定するための複数の操作ボタンと、操作ボタンによって決定された運転内容に対応する文字及び/又は図形を表示する表示部とを有する。操作パネル15は、外箱1の内部における前下部に設けられている運転制御部16に接続してあり、操作パネル15に対する操作情報は、運転制御部16へ出力される。運転制御部16は、操作パネル15から出力された操作情報に基づいて運転内容を決定し、決定した運転内容に従って洗濯運転及び乾燥運転等を行う。
外箱1の後部上面には、水道への接続端となる給水口17が設けてあり、給水口17は、外箱1の内側に設けられた給水弁18に接続されている。給水弁18は、複数の給水出口を有する多連形の電磁弁である。給水弁18の第1給水出口は、給水管19を介して水槽2の底板近傍の上部周面に接続されている。給水管19の中途には、銀イオン発生器22が設けられている。銀イオン発生器22は、給水管19を流れる水を滞留させる図示しない水溜め部と、電圧の印加によって銀イオンを水溜め部に滞留している水に溶出する図示しない対向電極とを有する。銀イオン発生器22、より具体的には対向電極夫々は、運転制御部16に接続されており、運転制御部16による対向電極間の電圧印加によって、銀イオンを水溜め部に滞留している水に溶出する。給水弁18が第1給水出口に切換えられた場合、給水口17に流入した水は、給水弁18及び給水管19を経て水槽2の内部に供給され、洗い用の洗濯水、又は、すすぎ用のすすぎ水として使用される。尚、給水管19の中途に、銀イオン発生器22の他に、公知のように洗剤ケースを配置し、給水と共に適量の洗剤が導入されるように構成することができる。
水槽2には、最下位置となる底板近傍の周面に導水管23が接続されており、導水管23は、外箱1の内側における前下部に固定支持された筒形のフィルタケース24に接続されている。フィルタケース24の内部には、繊維屑等の異物を捕捉する糸くずフィルタ25が収容されている。フィルタケース24の下部は、排水弁26を介して外箱1の底面に沿って敷設された排水管27に接続されている。排水弁26が開放された場合、水槽2内の洗濯水又はすすぎ水は、導水管23及びフィルタケース24を経て排水管27に排出される。水槽2内の洗濯水又はすすぎ水に含まれる異物は、フィルタケース24内の糸くずフィルタ25によって捕捉され、洗濯水又はすすぎ水から除去される。従って、異物が排水管27を経て下水管に排出される虞がないため、環境負荷の軽減を図ることができる。
また、図2に示すように、循環風路5は、水槽2の下部底面に開設された導出口50と、水槽2の開口20の周縁部に開設された導入口51とを、上行ダクト52及び前行ダクト53により連絡してある。上行ダクト52及び前行ダクト53夫々は、外箱1の内部における後側及び上側に配してある。上行ダクト52の下端部及び上端部夫々は、導出口50及び前行ダクト53の後端部に連結してある。前行ダクト53の前端部は、水槽2の前側上部の周縁に開口する導入口51に接続されている。
前行ダクト53の中途には、塵埃を捕捉するためのリントフィルタ(乾燥フィルタ)54、乾燥風を起風する送風機55、及び、乾燥風を加熱するヒータ56が、後側から前側にこの順に介装してある。また、送風機55及びヒータ56の間を接続してある前行ダクト53の側壁には、プラズマクラスタイオン(Plasma Cluster Ion; PCI)を発生させて、前行ダクト53を通流する乾燥風にPCIを含ませるPCI発生器57が設けてある。また給水弁18の第2給水出口は、冷却水管58を介して上行ダクト52に沿って下方に延設されており、冷却水管58の下端は、上行ダクト52における下部の後壁に接続されている。
図3は本実施の形態の洗濯機100の構成の一例を示すブロック図である。運転制御部16は、CPU(Central Processing Unit)61、記録部62、入出力部63及び通信部64などを備える。
CPU61は、記録部62に記憶された制御プログラムなどを読み出して実行することにより、洗濯動作に係る各種の演算処理及び制御処理等を行う。
記録部62は、例えば、RAM(Random Access Memory)又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)又はフラッシュメモリ等の不揮発性でデータ書き換え可能なメモリ素子で構成されており、CPU61が実行する制御プログラム及びこれに必要な種々のデータ等が記録してある。また、記録部62は、運転履歴を記録してある。運転履歴は、例えば、今回洗濯機を使用する際の運転の種別(運転のコース)、洗濯運転前に確認する洗濯物の量の多少、また洗剤量の多少、すすぎ回数、排水の汚れ度合、運転工程終了からロック解除までの時間、所定期間内の運転回数及び運転時の異常状態(エラー)などの少なくとも1つに関するものである。このような情報の記憶であれば、RAMで対応可能である。なお、運転履歴は、過去の上述した運転の種別(運転コース)やエラーの累積など、上述の例に限定されるものではなく、この内容を記憶させる場合には、不揮発性メモリを用いる必要がある。
入出力部63は、ドラムモータ4、給水弁18、排水弁26、送風機55、ヒータ56、銀イオン発生器22及びPCI発生器57等が接続されており、これらとCPU61との間のデータ入出力を行う。CPU61は、入出力部63を介して、例えば、ドラムモータ4の回転制御及び給水弁18の開閉制御等を行うことができる。
通信部64は、信号線を介して操作パネル15に接続されており、CPU61と操作パネル15との間の情報送受信を行う。CPU61は、通信部64を介して、操作パネル15にて受け付けたユーザの操作に基づいた洗濯動作を行うことができる。
操作パネル15は、CPU71、操作部72、タッチセンサ73、LED(Light Emitting Diode)74、通信部75、報知部76、記憶部77などを備える。なお、報知部76は、報知情報を音声で出力する場合、例えば、スピーカで構成することができ、報知情報を文字等で出力する場合、LED、液晶表示装置(LCD)で構成することができる。
CPU71は、操作部72における操作の受け付け、タッチセンサ73に対する接触操作の有無の判定、LED74の点灯制御、報知部76への報知情報の出力、記憶部77に記憶した情報の読出し又は記憶部77への情報の書込みなどの処理を行う。操作部72及びタッチセンサ73は、運転操作を受け付ける受付部としての機能を有する。
CPU71は、操作部72又はタッチセンサ73にて操作を受け付けた場合に、通信部75を介して操作内容等の情報を運転制御部16へ送信する処理を行う。操作内容等の情報を入力することでCPU61は、洗濯、乾燥運転の制御を行う。
通信部75は、信号線(有線又は無線等)を介して運転制御部16に接続されており、CPU71と運転制御部16との間の情報送受信を行う。
操作部72は、図4に一例を示すように、例えば、電源入操作を受け付けるための入ボタン72a、電源切操作を受け付けるための切ボタン72b、運転開始操作を受け付けるためのスタートボタン72c、洗濯槽のドアロックを解除するロック解除操作を受け付けるためのロック解除ボタン72d、報知情報としての音声出力の開始操作を受け付けるための音声ボタン72eなどの複数のタクトボタン(機械式ボタン)を有しており、各ボタンに対するプッシュ操作がなされた場合に、CPU71への通知を行う。なお、上述の操作ボタンは、これらに限定されるものではない。
タッチセンサ73は、ユーザによる接触操作を検知するためのものであり、接触に係る物理量を検知して、検知した物理量に応じた信号を出力する。タッチセンサ73は、例えば静電容量方式のものであり、検知した静電容量に応じた電気信号をCPU71へ出力する。CPU71は、タッチセンサ73が出力した電気信号の電圧値と予め設定されている閾値とを比較し、電圧値が閾値を超えて変化した場合にタッチセンサ73に対する接触操作がなされたと判定することができる。
LED74は、操作パネル15上に文字、絵柄又は図形等を点灯により表示するためのものである。CPU71は、複数のLED74の点灯/消灯を個別に制御することにより、洗濯乾燥機の運転状態又はユーザによる操作状態等に適した表示を行うことができる。
記憶部77は、報知情報と当該報知情報を報知するための報知条件とを関連付けて記憶してある。報知条件及び報知情報の詳細は後述する。
CPU71は、判定部としての機能を有し、操作パネル15(操作部72、タッチセンサ73など)で運転操作を受け付けた場合に、記録部62に記録した運転履歴に基づいて報知条件を充足するか否かを判定する。
また、CPU71は、選択部としての機能を有し、記憶部77に記憶した報知情報の中から、充足する判定した報知条件に関連付けられた報知情報を選択し、選択した報知情報を報知部76へ出力する。以上説明した判定部、選択部として機能する手段としてCPU71として説明したが、この機能をCPU61で担うこともできる。以下の説明では、CPU71が行うものとして説明するが、CPU61にて実行させてもよい。
図4は本実施の形態の洗濯機100の操作パネル15の一例を示す模式図である。操作パネル15上には、複数のタクトボタン(入ボタン72a〜音声ボタン72e)を有する操作部72が、向かって右端側の部分に設けられている。また、操作パネル15上の他の部分には、タッチセンサ73によるタッチボタン73a〜73n、及びLED74にて表示/非表示の制御がなされる表示部74a〜74mなどが適宜に配置されている。また、操作パネル15上の略中央部には、報知部としてスピーカ76を設けている。なお、これらのボタンの配置、スピーカ76の配置は、図4の例に限定されるものではない。
操作部72の各タクトボタンは、ユーザのプッシュ操作に応じて機械的な接点の接触/非接触が切り替わり、これによりユーザのプッシュ操作を検知する構成である。各タクトボタンの表面には、操作受付内容を示す文字及びボタンの位置を示す枠線等が印刷されており、ユーザはこれらを常に視認可能である。入ボタン72aは、洗濯乾燥機に対する電源投入の指示を受け付けるために用いられる。切ボタン72bは、電源遮断の指示を受け付けるために用いられる。スタートボタン72cは、洗濯動作の開始及び一時停止の指示を受け付けるために用いられる。ロック解除ボタン72dは、ドア10のロックを解除する指示を受け付けるために用いられる。音声ボタン72eは、使用者が報知情報を確認したい場合などに音声出力する指示を受け付けるために用いられる。
次に、報知条件と報知情報について説明する。図5は本実施の形態の洗濯機100による報知情報の第1の実施態様例を示す説明図である。運転状態は、運転履歴が示す運転の状態であり、例えば、入ボタン72aを操作して洗濯機100の電源入操作を行う前においては、過去に行った運転履歴である。例えば、前回運転による電源を投入後に、運転切換キー73a、コースキー73bを含めて選択された運転モード等が過去の運転履歴として記録される。また、今回、入ボタン72aを操作して洗濯機100の電源入操作を行った場合には、当該操作により選択された運転モード等の運転による運転履歴も含まれる。報知条件は、対応する報知情報を報知するか否かを判定するための条件であり、報知条件が充足する場合には、充足した報知条件に関連付けられた報知情報が報知される。報知タイミングは、報知情報が報知されるタイミングを示す。なお、図5に示す報知条件と報知情報とは予め関連付けして記憶部77に記憶してある。
図5に示すように、例えば、使用者が設定した運転コースが「お急ぎ」である場合、記録部62には、運転コースとして「お急ぎ」が記録される。スタートボタン72cを操作したタイミングで「急いで仕上げるよ」という音声を出力する。すなわち、CPU71は、スタートボタン72cが操作された場合(運転開始操作を受け付けた場合)、記録部62に運転履歴として記録された運転コースが「お急ぎ」である場合、「お急ぎ」に関連付けられた報知情報「急いで仕上げるよ」を選択する。これにより、報知部76は、「「急いで仕上げるよ」という音声を出力する。
同様に、運転履歴として記録された運転コースが「柔らか」である場合、「やさしく仕上げるよ」という音声を出力する。また、同様に運転コースが「わが家流」である場合、「ウチだけの特別コース。始めます」という音声を出力する。また、運転コースが「室内干し」である場合、「私が干すお手伝いをしてあげる」という音声を出力する。また、運転コースが「念入り」である場合、「がんばって、しっかり洗うぞ」という音声を出力する。また、運転コースが「ドライ」である場合、「大事な洋服、ていねいに洗うよ」という音声を出力する。また、運転コースが「毛布」である場合、「大きいのは大変だけど、がんばって洗うよ」という音声を出力する。なお、図5に例示した報知情報は一例であって、これらに限定されるものではない。
図5に示すように、使用者が設定した運転コースが記録部62に運転履歴として記録され、運転履歴に応じて、運転コースと関連性がある内容の報知情報を出力する。これにより、使用者は楽しい状態になり、洗濯又は洗濯機100に対する関心又は愛着を強く抱くことができる。このような報知が行われることで、日々の洗濯を楽しくすることができ、使用者の洗濯への関心を高めることができる。
図6は本実施の形態の洗濯機100による報知情報の第2の実施態様例を示す説明図である。なお、図6に示す報知条件と報知情報とは予め関連付けして記憶部77に記憶してある。運転制御部16は、スタートボタン72cが操作された後、容量センシングを行って洗濯物の量の多少を判定し、判定した結果を運転履歴として記録部62に記録する。そして、図6に示すように、例えば、洗濯物の量が3kg以下である場合、記録部62には、洗濯物の量が3kg以下であることが記録される。スタートボタン72cを操作した後、容量センシングを行って洗濯物の量が判定され、洗濯物の量が3kg以下であるときは、「まかせといて」又は「余裕、余裕」のいずれかが音声出力される。
すなわち、CPU71は、スタートボタン72cが操作された後、容量センシングの判定結果が記録部62に記録されると、記録部62に記録された報知条件が、洗濯物の量が3kg以下である場合、洗濯物の量が3kg以下である状態に関連付けられた報知情報「まかせといて」又は「余裕、余裕」のいずれかを選択する。なお、いずれの報知情報を選択するかは、例えば、乱数等を発生させて適宜選択するようにすることができる。これにより、報知部76は、「まかせといて」又は「余裕、余裕」という音声を出力する。なお、乱数でなく、前回の報知内容と異なる側の報知内容を音声出力するようにしてもよい。
同様に、洗濯物の量が3kg〜6kg以下である場合、「いつもご苦労様」又は「きれいにするぞ」という音声を出力する。また、洗濯物の量が6kgを越えた場合、「大変だ、がんばるよ」という音声を出力する。
また、前回に行った洗濯時の洗濯物の量が容量上限を超えていた場合、入ボタン72a(電源入ボタン)が操作されたタイミングで、「この前の洗濯は入れ過ぎだよ」という音声を出力する。また、3回連続して洗濯物の量が容量下限を下回った場合、入ボタン72a(電源入ボタン)が操作されたタイミングで、「まとめ洗いでエコになるよ」という音声を出力する。なお、連続回数は3回に限定されるものではなく、2回又は4回以上であってもよい。
また、洗濯物の量が乾燥容量の上限を越えた場合、ロック解除ボタン72dが操作されたタイミングで、「乾燥するには多過ぎだよ。時間がかかっちゃった」という音声を出力する。なお、図6に例示した報知情報は一例であって、これらに限定されるものではない。
図6に示すように、洗濯物の量(運転履歴)に応じて、洗濯物の量と関連性がある内容の報知情報を出力することにより、使用者は楽しい状態になり、洗濯又は洗濯機100に対する関心又は愛着を強く抱くことができる。
また、所定の推奨運転として、洗濯物の量が多すぎることもなく、かつ少なすぎることもない場合、すなわち洗濯物の量が適量である状態の運転とした場合、CPU71が、記録部62に記録した運転履歴が示す運転(すなわち、洗濯物の量)が推奨運転ではない場合、報知条件を充足すると判定して、洗濯物の量に関連する報知情報を報知することにより、使用者の洗濯機の使用状態又は洗濯パターンに応じて、適切なアドバイスを使用者に提供することができ、洗濯への関心をさらに高めることができる。
図7は本実施の形態の洗濯機100による報知情報の第3の実施態様例を示す説明図である。なお、図7に示す報知条件と報知情報とは予め関連付けして記憶部77に記憶してある。運転制御部16は、例えば、水槽2内で発生する泡の多少に応じて洗剤量の多少を判定することができる。運転制御部16は、運転が終了した場合、洗剤量の多少を運転履歴として記録部62に記録する。そして、図7に示すように、記録部62に記録された洗剤量が多い場合、ロック解除ボタン72dを操作したタイミングで、「洗剤入れ過ぎだったかな?」、「しっかりすすいでおいたよ」又は「次回は洗剤量を減らしてね」のいずれかを選択して音声出力される。
すなわち、CPU71は、ロック解除ボタン72dが操作された場合、記録部62に記録された報知条件が、洗剤量が多い場合、洗剤量が多い状態に関連付けられた報知情報「洗剤入れ過ぎだったかな?」、「しっかりすすいでおいたよ」又は「次回は洗剤量を減らしてね」のいずれかを選択する。なお、いずれの報知情報を選択するかは、例えば、乱数等を発生させて適宜選択するようにすることができる。これにより、報知部76は、「洗剤入れ過ぎだったかな?」、「しっかりすすいでおいたよ」又は「次回は洗剤量を減らしてね」という音声を出力する。
また、前回に行った洗濯時の洗剤量が多かった場合、入ボタン72a(電源入ボタン)が操作されたタイミングで、「もう少し洗剤を減らしても、ちゃんと洗えるよ」という音声を出力する。また、前回に行った洗濯時の洗剤量が少なかった場合、入ボタン72a(電源入ボタン)が操作されたタイミングで、「洗剤が少な目とちがう?ちゃんと洗えている?」という音声を出力する。
また、洗剤量が少なかったとき、又は、すすぎ1回の洗剤のとき、ロック解除ボタン72dが操作されたタイミングで、「次回はすすぎ1回にする?」という音声を出力する。なお、図7に例示した報知情報は一例であって、これらに限定されるものではない。
図7に示すように、洗剤量(運転履歴)に応じて、洗剤量と関連性がある内容の報知情報を出力することにより、使用者は楽しい状態になり、洗濯又は洗濯機100に対する関心又は愛着を強く抱くことができる。
また、所定の推奨運転として、洗剤の量が多すぎることもなく、かつ少なすぎることもない場合、すなわち洗剤の量が適量である状態の運転とした場合、CPU71が、記録部62に記録した運転履歴が示す運転(すなわち、洗剤の量)が推奨運転ではない場合、報知条件を充足すると判定して、洗剤の量に関連する報知情報を報知することにより、使用者の洗濯機の使用状態又は洗濯パターンに応じて、適切なアドバイスを使用者に提供することができ、洗濯への関心をさらに高めることができる。
図8は本実施の形態の洗濯機100による報知情報の第4の実施態様例を示す説明図である。なお、図8に示す報知条件と報知情報とは予め関連付けして記憶部77に記憶してある。運転制御部16は、運転を終了する都度、使用者により当初設定されたすすぎ回数を増加するように判定したか、あるいは、設定されたすすぎ回数を減らすように判定したかを示す判定結果を運転記録として記録部62に記録する。そして、図8に示すように、過去の運転において、3回連続してすすぎ回数を増やすと判定した判定結果が記録部62に記録されている場合、入ボタン72a(電源入ボタン)が操作されたタイミングで、「しっかり洗うなら念入りコースを選んでね」という音声出力をする。
すなわち、CPU71は、入ボタン72a(電源入ボタン)が操作された場合、報知条件として、3回連続してすすぎ回数を増やすと判定した運転履歴が記録部62に記録されている場合、「しっかり洗うなら念入りコースを選んでね」という報知情報を報知部76へ出力する。これにより、報知部76は、「しっかり洗うなら念入りコースを選んでね」という音声を出力する。
同様に、過去の運転において、3回連続してすすぎ回数を減らすと判定した判定結果が記録部62に記録されている場合、入ボタン72a(電源入ボタン)が操作されたタイミングで、「すすぎ1回洗剤使ってる?」又は「洗剤量を少し減らしても大丈夫だよ」という音声出力をする。なお、図8に例示した報知情報は一例であって、これらに限定されるものではない。
図8に示すように、すすぎ回数(運転履歴)に応じて、すすぎ回数と関連性がある内容の報知情報を出力することにより、使用者は楽しい状態になり、洗濯又は洗濯機100に対する関心又は愛着を強く抱くことができる。
また、所定の推奨運転として、すすぎ回数の増減の頻度が少ない状態の運転とした場合、CPU71が、記録部62に記録した運転履歴が示す運転(すなわち、すすぎ回数の増減)が推奨運転ではない場合、報知条件を充足すると判定して、すすぎ回数に関連する報知情報を報知することにより、使用者の洗濯機の使用状態又は洗濯パターンに応じて、適切なアドバイスを使用者に提供することができ、洗濯への関心をさらに高めることができる。
図9は本実施の形態の洗濯機100による報知情報の第5の実施態様例を示す説明図である。なお、図9に示す報知条件と報知情報とは予め関連付けして記憶部77に記憶してある。運転制御部16は、運転を終了する都度、排水の汚れを判定し、判定結果を運転記録として記録部62に記録する。なお、排水の汚れは、排水時の水に所定の光を透過させ、透過率の大小で判定することができる。そして、図9に示すように、過去の運転において、排水の汚れが多いと判定した判定結果が記録部62に記録されている場合、入ボタン72a(電源入ボタン)が操作されたタイミングで、「念入りコースを使ってね」又は「先に予備洗いする?」のいずれかを選択して音声出力する。
図9に示すように、排水の汚れ(運転履歴)に応じて、排水と関連性がある内容の報知情報を出力することにより、使用者は楽しい状態になり、洗濯又は洗濯機100に対する関心又は愛着を強く抱くことができる。
また、所定の推奨運転として、排水の汚れが少ない状態の運転とした場合、CPU71が、記録部62に記録した運転履歴が示す運転(すなわち、排水の汚れが多い)が推奨運転ではない場合、報知条件を充足すると判定して、排水に関連する報知情報を報知することにより、使用者の洗濯機の使用状態又は洗濯パターンに応じて、適切なアドバイスを使用者に提供することができ、洗濯への関心をさらに高めることができる。
図10は本実施の形態の洗濯機100による報知情報の第6の実施態様例を示す説明図である。なお、図10に示す報知条件と報知情報とは予め関連付けして記憶部77に記憶してある。運転制御部16は、運転終了から使用者がロック解除ボタン72dを操作するまでの時間を計測し、計測した時間を運転履歴として記録部62に記録する。そして、図10に示すように、運転終了からロック解除までの時間が20分以内である場合、ロック解除ボタン72dが操作されたタイミングで、「すぐに来てくれてうれしいな」という報知情報を音声出力する。
すなわち、CPU71は、ロック解除ボタン72dが操作された場合、報知条件として、運転終了からロック解除までの時間が20分以内であるという運転履歴が記録部62に記録されているとき、「すぐに来てくれてうれしいな」という報知情報を報知部76へ出力する。これにより、報知部76は、「すぐに来てくれてうれしいな」という音声を出力する。
同様に、運転終了からロック解除までの時間が21分〜60分以内であるという運転記録が記録部62に記録されている場合、ロック解除ボタン72dが操作されたタイミングで、「早く取りに来てくれてありがとう」という報知情報を音声出力する。また、運転終了からロック解除までの時間が61分以上であるという運転記録が記録部62に記録されている場合、ロック解除ボタン72dが操作されたタイミングで、「早く取り出したらシワになりにくいよ」という報知情報を音声出力する。なお、図10に例示した報知情報は一例であって、これらに限定されるものではない。
図10に示すように、運転終了からロック解除までの時間に応じて、当該時間と関連性がある内容の報知情報を出力することにより、使用者は楽しい状態になり、洗濯又は洗濯機100に対する関心又は愛着を強く抱くことができる。
図11は本実施の形態の洗濯機100による報知情報の第7の実施態様例を示す説明図である。なお、図11に示す報知条件と報知情報とは予め関連付けして記憶部77に記憶してある。運転制御部16は、運転を行った日時を運転履歴として記録部62に記録する。そして、図11に示すように、所定期間としての過去5日の間で、運転回数が3回以上である場合、入ボタン72a(電源入ボタン)が操作されたタイミングで、「いつも洗濯お疲れ様」という報知情報を音声出力する。
また、同様に、所定期間としての過去5日の間で、1回も運転していない場合、入ボタン72a(電源入ボタン)が操作されたタイミングで、「最近洗濯していないね」という報知情報を音声出力する。また、所定期間としての同じ日にで、3回以上運転している場合、入ボタン72a(電源入ボタン)が操作されたタイミングで、「大変だね。一日に何度もご苦労様。これでO回目だね」という報知情報を音声出力する。なお、図11に例示した報知情報は一例であって、これらに限定されるものではない。
図11に示すように、運転頻度に応じて、運転頻度と関連性がある内容の報知情報を出力することにより、使用者は癒された気分となり、楽しい状態になる。また、洗濯又は洗濯機100に対する関心又は愛着を強く抱くことができる。
図12は本実施の形態の洗濯機100による報知情報の第8の実施態様例を示す説明図である。なお、図12に示す報知条件と報知情報とは予め関連付けして記憶部77に記憶してある。運転制御部16は、運転中に発生した運転工程(洗い工程、すすぎ工程、脱水工程、乾燥工程など)でのエラー(異常)を検出し、検出したエラーを記録部62に記録する。そして、図12に示すように、乾燥フィルタエラーが発生した場合、入ボタン72a(電源入ボタン)が操作されたタイミングで、「乾燥フィルタの掃除をしないと時間がかかるよ」又は「乾燥フィルタの掃除をしてね。こわれちゃうよ」のいずれかの報知情報を選択して音声出力する。
また、脱水エラー、過電流エラー、IPM温度エラー(ICの温度上昇)又はモータ温度エラーなどの異常が発生した場合、入ボタン72a(電源入ボタン)が操作されたタイミングで、「重たい衣類が偏らないようにね」又は「少量の重たい衣類は苦手なんだ。ごめんね」のいずれかの報知情報を選択して音声出力する。なお、図12に例示した報知情報は一例であって、これらに限定されるものではない。
運転中に異常が発生した場合に、従来のように、単にエラーコードを表示させて、使用者に取扱説明書の記載されたエラーコードと照合してもらうことにより、使用者に所要の対処をしてもらう場合に比べて、本実施の形態では、例えば、音声により図12に示すような報知情報が出力されるので、使用者は、どのような「お手入れ」をすればよいか、直ちに判断することができ、洗濯機に対するお手入れへの関心を高めることができる。また、使用者はエラーに対して、どのように対処すればよいかが直ぐに解るので、使用者の利便性を向上させることができる。これにより、日々の洗濯を楽しくすることができ、使用者の洗濯への関心を高めることができる。
図13は本実施の形態の洗濯機100による報知情報の第9の実施態様例を示す説明図である。なお、図13に示す報知条件と報知情報とは予め関連付けして記憶部77に記憶してある。運転制御部16は、運転中に発生した運転工程(洗い工程、すすぎ工程、脱水工程、乾燥工程など)でのエラー(異常)を検出し、検出したエラーを記録部62に記録する。そして、図13に示すように、乾燥フィルタエラーが発生した場合、音声ボタン72eが操作されたタイミングで、「乾燥フィルタのお手入れをしてね」という報知情報を音声出力する。図13に示す他の報知条件及び報知情報についても同様であるので、説明は省略する。なお、図13に例示した報知情報は一例であって、これらに限定されるものではない。
運転中に異常が発生した場合に、従来のように、単にエラーコードを表示させて、使用者に取扱説明書の記載されたエラーコードと照合してもらうことにより、使用者に所要の対処をしてもらう場合に比べて、本実施の形態では、例えば、使用者がエラーの内容をもっと詳しく知りたい場合には、音声ボタン72eを操作するだけで、図13に例示するような報知情報を音声で聞くことができ、どのように対処すればよいかが直ぐに解り、使用者の利便性を向上させることができる。これにより、日々の洗濯を楽しくすることができ、使用者の洗濯への関心を高めることができる。
なお、報知条件及び報知情報は、前述の図5から図13の例に限定されるものではない。例えば、入ボタン72a(電源入ボタン)が操作された時刻に応じて、当該時刻が午前中であれば、「おはよう」と音声出力し、当該時刻が午後であれば、「こんにちは」と音声出力し、当該時刻が夜間であれば、「こんばんは」と音声出力し、当該時刻が早朝又は深夜であれば、「こんな時刻に大変だね」と音声出力することができる。これにより、使用者は洗濯機に対して親近感を抱くことができ、使用者を楽しい気分にすることができる。
また、予め、1年365日の日毎に、何の日であるかを定めておき、入ボタン72a(電源入ボタン)が操作された日に応じて、「今日はOOOの日です」と音声出力することもできる。これにより、使用者を楽しい気分にすることができる。一例として結婚記念日、誕生日など、家族独自のメモリアル日等を設定しておく。このメモリアルの項目、日時を運転履歴情報として記憶部に記憶させる。電源入ボタンの操作の日時が、記憶されたメモリアル日に一致すれば、メモリアル内容「本日は誕生日です。誕生日ケーキでお祝いをしては」といったような音声出力が行われる。これにより、使用者が忘れているような記念日を音声出力により再認識でき、楽しさを一層守り立てる効果も期待できる。
また、予め、1年12月の月毎に、季節に関連する報知情報を定めておき、入ボタン72a(電源入ボタン)が操作された月に応じて、例えば、梅雨などの6月の場合には「洋服のニオイを抑えるならAg+イオン」又は「梅雨時期には室内干しコースを」などの音声出力することもできる。これにより、使用者を楽しい気分にさせるとともに、季節に応じた適切なアドバイスを使用者に提供することができる。
本発明によれば、以上説明したように、電源入ボタン72aを操作することで上述した発話を行う。これとは別に、電源入ボタン72aを操作し、洗濯物の容量検出、また使用する洗剤量を決定することで、図6、図7で説明した前回の洗濯物の量や洗剤量の運転履歴に基づき、報知情報の発話するようにしている。
また、電源入ボタン72aの操作により洗濯運転を行っている間に、上述したように決められた条件で、その状況つまり運転履歴に応じた発話を行っている。このような条件で、さらに洗濯運転の終了まで、後3分(単なる一例)になるタイミングで、「残りおよそ3分で洗濯物を取り出せます。」といったように発話することもできる。これは、運転履歴として洗濯の時間がすすぎや脱水工程を含めて30分が設定(容量センシングを行った場合自動で設定、またユーザが洗濯、すすぎ、脱水の時間を独自で設定)されていれば、27分が経過した時点で、報知条件が整うことで音声出力できる。
また乾燥運転を行っている場合においても同様である。例えば乾燥運転の時間も自動、またはユーザが設定され、その設定時間に基づき、残り時間が10分(一例)になれば「もうすぐ乾燥が仕上がります」とった音声出力を行う。この運転履歴は乾燥運転で、音声出力するタイミングは、設定時間の10分前となる。
以上、洗濯機の運転中に洗濯時間、乾燥時間等の運転履歴が記憶され、洗濯、乾燥の残り時間を条件として音声出力する。これにより、洗濯物の取り忘れの防止策となり、ユーザとしては、音声出力によりその準備を行え、洗濯機との信頼関係も築ける。
もし、洗濯物の取り出し忘れ(長時間放置した後、取り出す場合もある)等があれば、それを運転履歴として記憶しておき、電源ボタンの操作時に、ユーザに念を押すため「洗濯が終われば、洗濯物を取り出すのを忘れないでね。」といった音声出力を行う。このようにすれば、洗濯機との親近感も沸く。