JP2015092281A - マスクブランクス、位相シフトマスク及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マスクブランクスが、透明基板11と、前記透明基板の上に形成された半透明層12と、前記半透明層の上に形成された中間層13と、前記中間層の上に形成された遮光層14と、を有し、前記遮光層が、遷移金属を含まない単一の金属材料から構成されており、前記遮光層の膜厚が40nm以下であり、前記半透明層、前記中間層、前記遮光層の3種の層を積層した積層体の前記露光光に対する光学濃度が遮光領域として機能する値以上である。
【選択図】図1
Description
このようなハーフトーン型位相シフトマスクにおいては、半透明パターン膜が設けられた部分(以後、マスクパターン部とも言う)と透明基板が露出する部分との境界部で位相反転による光強度低下が生じ、光強度分布の裾の拡がりを抑えることができる。半透明パターン膜の材料には、主にモリブデンシリサイド(MoSi)の化合物、例えば、酸化窒化モリブデンシリサイド(MoSiON)等が広く用いられている。
そこで、半透明パターン膜の上に遮光部(以後、遮光パターン膜とも言う)を設け、不要な露光光を確実に遮光する構成が提案されている。(例えば、特許文献1参照)。このような構成のハーフトーン型位相シフトマスクは、トライトーンマスクと称される。
しかしながら、遮光パターン膜を厚くすると、遮光パターン膜を加工するためのレジストパターンも厚くする必要があり、微細パターンの加工が難しくなる。また、マスクを加工する過程において、遮光パターン膜と半透明パターン膜の高さが高くなり、洗浄時でのパターン倒れも起こり易くなるという不具合がある。
Magnetics Field)効果に起因するマスクパターン線幅の補正量であるバイアス(EMFバイアスと言う)の値が大きくなるという問題が生じてきている。
そして、このような問題は、上記のような遮光パターン膜を有するハーフトーン型位相シフトマスク(トライトーンマスク)においても生じるものである。
まず、本発明に係るマスクブランクスについて説明する。
図1は、本発明に係るマスクブランクスの例を示す概略断面図である。ここで、図1(b)に示す形態のマスクブランクス20は、図1(a)に示す形態のマスクブランクス10の遮光層14の上にハードマスク層21を有するものである。
図1(a)に示すように、本実施形態のマスクブランクス10は、透明基板11と、その上に形成された半透明層12と、半透明層12の上に形成された中間層13と、中間層13の上に形成された遮光層14と、を有している。
そして、遮光層14は、遷移金属を含まない単一の金属材料から構成されており、遮光層14の膜厚は40nm以下であり、半透明層12、中間層13、遮光層14の3種の層を積層した積層体のArFエキシマレーザ露光光に対する光学濃度は遮光領域として機能する値以上、特に好ましくは、2.8以上である。以下、本実施形態のマスクブランクス10を構成する透明基板11、半透明層12、中間層13、および遮光層14等について、それぞれ説明する。
本実施形態において、透明基板11としては、露光光を高透過率で透過する光学研磨された合成石英ガラス、蛍石、フッ化カルシウムなどを用いることができるが、通常、多用されており品質が安定し、短波長の露光光の透過率の高い合成石英ガラスがより好ましい。
本実施形態において、半透明層12は、ArFエキシマレーザ露光光の位相及び透過率を制御するハーフトーン層として作用するものであり、その材料としては、特に限定されず、従来のハーフトーン型位相シフトマスクに用いられてきたものを用いることができる。
例えば、半透明層12として、窒化珪素(SiN)系材料であるSixO1−x−yNy(xおよびyは、0<x<1、0<y<1、および0<x+y≦1を満足する)からなる膜、又はモリブデンシリサイド(MoSi)系材料であるモリブデンシリサイド酸化膜(MoSiO)、モリブデンシリサイド窒化膜(MoSiN)、モリブデンシリサイド酸化窒化膜(MoSiON)などを用いることができる。
一方、本発明のマスクブランクスは、位相シフトマスクに加工された際には半透明パターン膜の上に遮光パターン膜を有する形態(トライトーンマスク)になるため、本実施形態の半透明層12は、より高い透過率(例えば30%程度)を有するように設計することもできる。そして、半透明層12が高い透過率を有する場合には、位相効果をより向上させることができる。
本実施形態において、中間層13は、遮光層14をエッチング加工する際のエッチング停止層、および、半透明層12をエッチング加工する際のエッチングマスクとして作用するものである。また、中間層13は、遮光層14から半透明層12に遮光層14を構成する材料が拡散するのを防止する拡散防止層として作用するものである。
上記のように、半透明層12には、窒化珪素(SiN)系の化合物又はモリブデンシリサイド(MoSi)系の化合物を用いることが好ましく、この窒化珪素(SiN)系の化合物又はモリブデンシリサイド(MoSi)系の化合物は、主に、フッ素系ガスを用いたドライエッチングで加工されることから、中間層13は、フッ素系ガスを用いたドライエッチングに対して耐性を有する材料から構成されていることが好ましい。
この中間層13を構成する材料の具体例としては、Cr、CrO、CrN、CrNO等のクロム系の材料や、Ta、TaO、TaN、TaNO等のタンタル系の材料を挙げることができる。
上述した通り、半透明層12、中間層13、遮光層14の3種の層を積層した積層体のArFエキシマレーザ露光光に対する光学濃度は、2.8以上にする必要がある。また、単一の金属材料であるシリコン(Si)から構成される層の方が、クロム(Cr)を含有するクロム系材料から構成される層よりも消衰係数kが大きい。このため、クロム(Cr)を含有するクロム系材料から構成される中間層13の膜厚を薄くして、中間層13で得られる光学濃度の割合を小さくする一方で、単一の金属材料であるシリコン(Si)から構成される遮光層14を厚くして、遮光層14で得られる光学濃度の割合を大きくすることによって、上記積層体のArFエキシマレーザ露光光に対する光学濃度を2.8以上にするために必要となる中間層13および遮光層14の全体の膜厚を薄くすることができる効果が得られる。これにより、位相シフトマスクのEMFバイアスの値が大きくなってしまうことを回避することができる効果が得られる。そして、中でも、中間層13の膜厚が、上記範囲を超えることなく、5nm以下である場合には、これらの効果は顕著になる。
本実施形態において、遮光層14は、遷移金属を含まない単一の金属材料から構成されている。遮光層14を構成する単一の金属材料の膜は、スパッタリング法などの通常の成膜方法で形成することができる。単一の金属材料の膜は、例えば、スパッタリング時に該単一の金属材料のターゲットを用いて成膜することができ、実質的に他の元素を含まない単一の金属材料の膜から構成される。
本発明においては、単一の金属材料の膜形成以外に、他の金属の混入、あるいは酸化物や窒化物などの形成は意図しておらず、成膜時に酸素や窒素ガスの導入は行なわない。しかし、成膜された膜の表面などに装置内に残存していた微量の酸素などが意図せずに取り込まれている場合は、実質的に本発明の単一の金属材料よりなる遮光層として含まれるものである。
ここで、遮光層14の膜厚は、上記の光学濃度を満たす範囲で変化させることができる。すなわち、半透明層12の透過率が小さい場合は、それに応じて遮光層14の膜厚を薄くすることができる。
本実施形態において、半透明層12の透過率Tと遮光層14の膜厚dとの関係は、T=6%において23nm≦d≦27nmの範囲であり、T=20%において31nm≦d≦35nmの範囲であり、T=30%において33nm≦d≦37nmの範囲であることが、より好ましい。
なお、ハードマスク層21は同一材料から構成される単層構造であってもよく、異なる材料から構成される複層構造であってもよい。
ハードマスク層21の形成は、従来公知の真空成膜の方法が適用でき、例えばハードマスク層21がクロム膜(Cr)の場合は、クロムのターゲットを用い、アルゴンガス雰囲気で、反応性スパッタリング法により形成することができる。
また、中間層13および遮光層14の組み合わせとしては、中でも、上記クロム系の材料から構成される中間層13および上記単一の金属材料であるシリコン(Si)から構成されている遮光層14の組み合わせが好ましい。上記単一の金属材料であるシリコン(Si)は、上記クロム系の材料と比較して、消衰係数kが大きく、両者の消衰係数kの差は大きいからである。これにより、上述した通り、中間層13を薄くすることによって、上記積層体のArFエキシマレーザ露光光に対する光学濃度を遮光領域として機能する値以上、特に好ましくは、2.8以上にするために必要となる中間層13および遮光層14の全体の膜厚を薄くすることができる効果が得られるからである。そして、中間層13の膜厚が、5nm以下である場合には、この効果は顕著になるからである。
次に、本発明に係る位相シフトマスクについて説明する。
図2は、本発明に係る位相シフトマスクの例を示す概略断面図である。
例えば、図2(a)に示すように、本実施形態の位相シフトマスク30は、透明基板11と、その上に形成された半透明パターン膜32と、半透明パターン膜32の上に形成された中間パターン膜33と、中間パターン膜33の上に形成された遮光パターン膜34と、を有している。そして、遮光パターン膜34は、遷移金属を含まない単一の金属材料から構成されており、遮光パターン膜34の膜厚は40nm以下であり、半透明パターン膜32、中間パターン膜33、遮光パターン膜34の3種の層を積層した積層体のArFエキシマレーザ露光光に対する光学濃度は遮光領域として機能する値以上、特に好ましくは、2.8以上である。
この遮光パターン膜34a、および、遮光パターン膜34cが形成されている領域は、マスクパターンが形成された領域(有効領域)の外周部であって、従来のハーフトーン型位相シフトマスクにおいて遮光帯が設けられていた領域に相当する。
従来のハーフトーン型位相シフトマスクにおいては、遮光帯に形成したパターンによる光の干渉を利用して、外周部から透過する不要な露光光を遮光していたが、本実施形態の位相シフトマスク30においては、遮光パターン膜34a、および、遮光パターン膜34cによって確実に不要な露光光を遮光することができる。
積層構成部の半透明パターン膜32cの面積は、通常、単層構成部の半透明パターン膜32cの面積よりも大きく、それゆえ、積層構成部には遮光パターン膜34bを設けて、半透明パターン膜を透過する不要な露光光を確実に遮光している。位相シフトマスク30においては、積層構成部の半透明パターン膜32cによる位相効果を消してしまわないように、半透明パターン膜32cのエッジ部分が遮光パターン膜34bから露出するように設計されている。
例えば、図2(b)に示す形態の位相シフトマスク40は、位相シフトマスク30と同様に、透明基板11と、その上に形成された半透明パターン膜42と、半透明パターン膜42の上に形成された中間パターン膜43と、中間パターン膜43の上に形成された遮光パターン膜44と、を有しているが、その有効領域には、半透明パターン膜42cのエッジ部分が、遮光パターン膜44bから露出しない形態の積層構成部を有している。このような積層構成部は、例えば、アライメントマークとして利用できる。
次に、本発明に係る位相シフトマスクの製造方法について説明する。
(第1の実施形態)
図3は、図2(a)に示す形態の位相シフトマスク30の製造方法の例を示す概略工程図である。
本実施形態に係る製造方法によって、位相シフトマスク30を得るには、例えば、まず、図3(a)に示すように、透明基板11と、透明基板11の上に形成された半透明層12と、前記半透明層の上に形成された中間層13と、中間層13の上に形成された遮光層14と、を有するマスクブランクス10の遮光層14の上にハードマスク層21を形成した、ハードマスク層付きマスクブランクス20を準備する。
図4は、図2(b)に示す形態の位相シフトマスク40の製造方法の例を示す概略工程図である。
本実施形態に係る製造方法によって、位相シフトマスク40を得るには、例えば、まず、図4(a)に示すように、透明基板11と、透明基板11の上に形成された半透明層12と、前記半透明層の上に形成された中間層13と、中間層13の上に形成された遮光層14と、を有するマスクブランクス10の遮光層14の上にハードマスク層21を形成した、ハードマスク層付きマスクブランクス20を準備する。
透明基板11として光学研磨した6インチ角、0.25インチ厚の合成石英基板を用い、半透明層12としてモリブデンシリサイド酸化膜(MoSiO)を用い、中間層13として膜厚3nmのクロム膜(Cr)を用い、遮光層14としてシリコン膜(Si)を用い、ハードマスク層21として膜厚3nmのクロム膜(Cr)を用いて、ハードマスク層付きマスクブランクス20を準備した。
ここで、半透明層12の膜厚は、露光光に対する透過率が6%になるように調整し、遮光層14の膜厚は、半透明層12、中間層13、遮光層14の3種の層を積層した積層体の露光光に対する光学濃度が3.0になるように調整した。
1の形態のハードマスクパターン膜22から露出する遮光層14をエッチングして、第1の形態の遮光パターン膜64を形成し、その後、第1のレジストパターン膜51を、酸素プラズマでアッシング除去した。
ン膜23から露出する第1の形態の遮光パターン膜64と、第1の形態の中間パターン膜63から露出する半透明層12をエッチングして、第2の形態の遮光パターン膜34、および半透明パターン膜32を形成した。
露光光に対する透過率が20%になるように、半透明層12の膜厚を調整し、半透明層12、中間層13、遮光層14の3種の層を積層した積層体の露光光に対する光学濃度が3.0になるように、遮光層14の膜厚を調整したこと以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−2の位相シフトマスク30を得た。
露光光に対する透過率が30%になるように、半透明層12の膜厚を調整し、半透明層12、中間層13、遮光層14の3種の層を積層した積層体の露光光に対する光学濃度が3.0になるように、遮光層14の膜厚を調整したこと以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−3の位相シフトマスク30を得た。
光学研磨した6インチ角、0.25インチ厚の透明な合成石英基板上に、モリブデンシリサイド窒化膜(MoSiN)を膜厚50nm成膜して遮光層とし、その上に、クロム膜(Cr)を膜厚3nm成膜してハードマスク層とした構成のバイナリ型フォトマスクブランクスを準備した。
次に、上記のブランクスのハードマスク層の上に電子線レジストを塗布し、電子線描画装置にてパターン描画、現像し、所望形状のレジストパターン膜を形成した。
次に、上記のレジストパターン膜をエッチングマスクに用いて、塩素と酸素の混合ガスでハードマスク層のクロム膜をエッチングし、さらに、SF6ガスを用いて遮光層のモリ
ブデンシリサイド窒化膜をドライエッチングして所望のマスクパターンを形成し、その後、レジストパターン膜を酸素プラズマでアッシング除去した。
次に、塩素と酸素の混合ガスでハードマスク層のクロム膜パターンをエッチングして除去し、比較例1−1のバイナリ型フォトマスクを得た。
まず、上記の実施例1−1〜1−3における半透明層12の各透過率と、遮光層14の膜厚との関係について説明する。
本発明において遮光層14の膜厚は、上記の光学濃度を満たす範囲で変化させることができる。すなわち、半透明層12の透過率が小さい場合は、それに応じて遮光層14の膜厚を薄くすることができる。ここで、中間層13の膜厚は3nmと極めて薄く、材料もクロム系であることから、その遮光性は無視することができる。
したがって、遮光層14にシリコン膜を用いる場合、半透明層12と遮光層14の2層で光学濃度が3.0となることを満たす半透明層12の透過率と遮光層14の膜厚との関係は、図5のようになる。
それゆえ、本実施形態においては、半透明層12の透過率Tと遮光層14の膜厚dとの関係が、T=6%において23nm≦d≦27nmの範囲であり、T=20%において31nm≦d≦35nmの範囲であり、T=30%において33nm≦d≦37nmの範囲であることが好ましい。
次に、本発明に係る位相シフトマスクと従来のバイナリ型フォトマスクについて、EMFバイアスおよび露光裕度(EL:Exposure Latitude)をシミュレーションにより評価した結果について説明する。
シミュレーションは、下記の条件により行なった。シミュレーション・ソフトウェアとして、EM−Suite Version v6.00(商品名:Panoramic Technology社製)を用い、3次元(3Dとも記す)シミュレーション条件としては、シミュレーション・モードには3次元電磁界シミュレーションのTEMPEST(EM−Suiteオプション)によるFDTD法(時間領域差分法、有限差分時間領域法とも言う)を用い、グリッドサイズは1nm(4倍マスクにおいて)とした。2次元(2Dとも記す)シミュレーション条件としては、シミュレーション・モードにキルヒホッフ(Kirchhoff)法を用いた。
2次元及び3次元シミュレーションにおけるリソグラフィ条件として、露光光源はArFエキシマレーザで露光波長は193nm、投影レンズの開口数(NA)は1.35とした。照明系は瞳フィルタを用いた斜入射光による露光とし、図6に示す四重極(C−quad)の瞳フィルタを用いた四重極照明を設定した。C−quadの4つの光透過部91は、XY軸上に瞳中心からの開口角が20度の扇型をなし、縦・横のマスクパターンを高解像で転写し得るように、マスクパターンに対し光透過部91が0度、90度の配置(XYポーラリゼーション)をとり、瞳フィルタの半径を1としたとき、瞳中心からの距離の外径(外σ)を0.98、内径(内σ)を0.8とした。4つの光透過部91以外の箇所は遮光部92(斜線部分)としている。
また、上記の照明系として四重極照明を用いたのは、四重極照明は縦・横のパターンが同時に解像でき、普遍性が高くて一般的なマスクパターン転写に適用できるからである。ただし、四重極照明は好ましい一例として用いたものであり、本発明においては、四重極照明以外の他の変形照明系、例えば、輪帯照明、二重極照明などにおいても同様に露光裕度の改善効果が得られるものである。
実施例1−1〜1−3の位相シフトマスク、および比較例1−1の従来のバイナリ型フォトマスクを用いて、直径40nmの孤立ホールパターンをウェハ上のレジストに形成する際のEMFバイアスの評価結果について、図7を用いて説明する。
図7においては、透過率0%の点が比較例1−1のEMFバイアスの値を示し、透過率6%の点が実施例1−1のEMFバイアスの値を示し、透過率20%の点が実施例1−2のEMFバイアスの値を示し、透過率30%の点が実施例1−3のEMFバイアスの値を示している。なお、図7におけるEMFバイアスの値は、ウェハ上における大きさを示している。図7に示すように、直径40nmの孤立ホールパターンをウェハ上のレジストに形成する場合、比較例1−1の従来のバイナリ型フォトマスクにおいては、ウェハ上における大きさで10nmのEMFバイアスを必要とするが、実施例1−1〜1−3の位相シフトマスクにおいては、いずれもEMFバイアスの値を小さくでき、特に、実施例1−3の位相シフトマスクにおいては、−0.6nmにまでEMFバイアスの値を小さくすることができる。
図8において、バイアスdは、
バイアス(d)=2×a
と表される。
上記において、バイアスdの値が+の場合はラインCDが広がる方向であり、dの値が−の場合はラインCDが狭くなる方向を意味する。ただし、本発明では、+の場合には特に+の表示はしていない。
次に、露光裕度の評価結果について、表1を用いて説明する。
ここで、露光裕度(EL:%)は、ウェハ上のレジストパターン膜の寸法が、許容される限界内に収まるような露光エネルギーの範囲であり、フォトリソグラフィにおける露光量(ドーズ量)の変動に対する裕度を示す値である。すなわち、レジストパターンの線幅寸法の変動量が所定の許容範囲内に入るような露光エネルギーの範囲である。露光裕度が大きければ、半導体素子製造のフォトリソグラフィ工程における歩留が向上することになる。
評価したマスクパターンは、ラインアンドスペースパターンであって、ウェハ上に転写したときのスルーピッチ(フルピッチ)が80nm〜300nmの範囲であり、ターゲットとするラインCDはウェハ上で10nmとした。
透明基板11として光学研磨した6インチ角、0.25インチ厚の合成石英基板を用い、半透明層12としてモリブデンシリサイド酸化膜(MoSiO)を用い、中間層13として膜厚2nmのCrN膜を用い、遮光層14としてシリコン膜(Si)を用いて、マスクブランクス20を作製した。
中間層13として膜厚4nmのCrN膜を用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして、マスクブランクス20を作製し、半透明層12の膜厚および遮光層14の膜厚を調整した。
中間層13として膜厚6nmのCrN膜を用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして、マスクブランクス20を作製し、半透明層12の膜厚および遮光層14の膜厚を調整した。
中間層13として膜厚8nmのCrN膜を用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして、マスクブランクス20を作製し、半透明層12の膜厚および遮光層14の膜厚を調整した。
中間層13として膜厚10nmのCrN膜を用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして、マスクブランクス20を作製し、半透明層12の膜厚および遮光層14の膜厚を調整した。
上記実施例2−1〜2−2および上記比較例2−1〜2−3における中間層13の膜厚と中間層13および遮光層14の全体の膜厚との関係について説明する。表2に、上記実施例2−1〜2−2および上記比較例2−1〜2−3における中間層13(CrN膜)の膜厚、遮光層14(シリコン膜(Si))の膜厚、中間層13および遮光層14の全体の膜厚、ならびに上記積層体の露光光に対する光学濃度(OD値)を示した。なお、中間層13に用いられるCrN膜の屈折率nおよび消衰係数kは、それぞれ1.5および1.8であり、遮光層14に用いられるシリコン膜(Si)の屈折率nおよび消衰係数kは、それぞれ0.9および2.7である。
中間層13として膜厚2nmのCrON膜を用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして、マスクブランクス20を作製し、半透明層12の膜厚および遮光層14の膜厚を調整した。
中間層13として膜厚4nmのCrON膜を用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして、マスクブランクス20を作製し、半透明層12の膜厚および遮光層14の膜厚を調整した。
中間層13として膜厚6nmのCrON膜を用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして、マスクブランクス20を作製し、半透明層12の膜厚および遮光層14の膜厚を調整した。
中間層13として膜厚8nmのCrON膜を用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして、マスクブランクス20を作製し、半透明層12の膜厚および遮光層14の膜厚を調整した。
中間層13として膜厚10nmのCrON膜を用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして、マスクブランクス20を作製し、半透明層12の膜厚および遮光層14の膜厚を調整した。
上記実施例3−1〜3−2および上記比較例3−1〜3−3における中間層13の膜厚と中間層13および遮光層14の全体の膜厚との関係について説明する。表3に、上記実施例3−1〜3−2および上記比較例3−1〜3−3における中間層13(CrON膜)の膜厚、遮光層(シリコン膜(Si))14の膜厚、中間層13および遮光層14の全体の膜厚、ならびに上記積層体の露光光に対する光学濃度(OD値)を示した。なお、中間層13に用いられるCrON膜の屈折率nおよび消衰係数kは、それぞれ2.4および1.4であり、遮光層14に用いられるシリコン膜(Si)の屈折率nおよび消衰係数kは、それぞれ0.9および2.7である。
11 透明基板
12 半透明層
13 中間層
14 遮光層
21 ハードマスク層
22、23、24、25 ハードマスクパターン膜
30、40 位相シフトマスク
32、32a、32b、32c、32d 半透明パターン膜
33、33a、33b、33c 中間パターン膜
34、34a、34b、34c 遮光パターン膜
42、42a、42b、42c、42d 半透明パターン膜
43、43a、43b、43c 中間パターン膜
44、44a、44b、44c 遮光パターン膜
51、53、54、56 レジストパターン膜
52、55 レジスト層
63、73 中間パターン膜
64、74 遮光パターン膜
91 光透過部
92 遮光部
100 バイナリマスク
101 透明基板
102 遮光パターン膜
Claims (19)
- ArFエキシマレーザ露光光が適用されるハーフトーン型の位相シフトマスクを作製するために用いられるマスクブランクスであって、
透明基板と、
前記透明基板の上に形成され、前記露光光の位相及び透過率を制御する半透明層と、
前記半透明層の上に形成された中間層と、
前記中間層の上に形成された遮光層と、
を有し、
前記遮光層が、遷移金属を含まない単一の金属材料から構成されており、
前記遮光層の膜厚が40nm以下であり、
前記半透明層、前記中間層、前記遮光層の3種の層を積層した積層体の前記露光光に対する光学濃度が遮光領域として機能する値以上であることを特徴とするマスクブランクス。 - 前記半透明層、前記中間層、前記遮光層の3種の層を積層した積層体は、前記露光光に対する光学濃度が2.8以上となるよう調整したものであることを特徴とする請求項1に記載のマスクブランクス。
- 前記半透明層の前記露光光に対する透過率Tと前記遮光層の膜厚dとの関係が、
T=6%において23nm≦d≦27nmの範囲であり、
T=20%において31nm≦d≦35nmの範囲であり、
T=30%において33nm≦d≦37nmの範囲であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマスクブランクス。 - 前記遮光層は、屈折率nが1.0以下であり、かつ、消衰係数kが2.0以上の単一の金属材料から構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のマスクブランクス。
- 前記単一の金属材料が、シリコンであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のマスクブランクス。
- 前記半透明層が、SixO1−x−yNy(xおよびyは、0<x<1、0<y<1、および0<x+y≦1を満足する)からなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のマスクブランクス。
- 前記中間層が、フッ素系ガスを用いたドライエッチングに対して耐性を有する材料から構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のマスクブランクス。
- 前記中間層がクロム(Cr)を含有するクロム系材料から構成され、かつ前記中間層の膜厚が2nm〜5nmの範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載のマスクブランクス。
- 前記遮光層の上に、フッ素系ガスを用いたドライエッチングに対して耐性を有する材料から構成されるハードマスク層を有することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のマスクブランクス。
- ArFエキシマレーザ露光光が適用されるハーフトーン型の位相シフトマスクであって、
透明基板と、
前記透明基板の上に形成され、前記露光光の位相及び透過率を制御する半透明パターン膜と、
前記半透明パターン膜の上に形成された中間パターン膜と、
前記中間パターン膜の上に形成された遮光パターン膜と、
を有し、
前記遮光パターン膜が、遷移金属を含まない単一の金属材料から構成されており、
前記遮光パターン膜の膜厚が40nm以下であり、
前記半透明パターン膜、前記中間パターン膜、前記遮光パターン膜の3種の膜を積層した積層体の前記露光光に対する光学濃度が遮光領域として機能する値以上であることを特徴とする位相シフトマスク。 - 前記半透明パターン膜、前記中間パターン膜、前記遮光パターン膜の3種の膜を積層した積層体は、前記露光光に対する光学濃度が2.8以上となるよう調整したものであることを特徴とする請求項10に記載の位相シフトマスク。
- 前記半透明パターン膜の前記露光光に対する透過率Tと前記遮光パターン膜の膜厚dとの関係が、
T=6%において23nm≦d≦27nmの範囲であり、
T=20%において31nm≦d≦35nmの範囲であり、
T=30%において33nm≦d≦37nmの範囲であることを特徴とする請求項10または請求項11に記載の位相シフトマスク。 - 前記遮光パターン膜は、屈折率nが1.0以下であり、かつ、消衰係数kが2.0以上の単一の金属材料から構成されていることを特徴とする請求項10乃至請求項12のいずれか一項に記載の位相シフトマスク。
- 前記単一の金属材料が、シリコンであることを特徴とする請求項10乃至請求項13のいずれか一項に記載の位相シフトマスク。
- 前記半透明層が、SixO1−x−yNy(xおよびyは、0<x<1、0<y<1、および0<x+y≦1を満足する)からなることを特徴とする請求項10乃至請求項14のいずれか一項に記載の位相シフトマスク。
- 前記中間パターン膜が、フッ素系ガスを用いたドライエッチングに対して耐性を有する材料から構成されていることを特徴とする請求項10乃至請求項15のいずれか一項に記載の位相シフトマスク。
- 前記中間層がクロム(Cr)を含有するクロム系材料から構成され、かつ前記中間層の膜厚が2nm〜5nmの範囲内であることを特徴とする請求項10乃至請求項16のいずれか一項に記載の位相シフトマスク。
- 透明基板と、前記透明基板の上に形成され、前記露光光の位相及び透過率を制御する半透明層と、前記半透明層の上に形成された中間層と、前記中間層の上に形成された遮光層と、を有し、前記遮光層が、遷移金属を含まない単一の金属材料から構成されているマスクブランクスの前記遮光層の上にハードマスク層を形成した、ハードマスク層付きマスクブランクスを準備する工程と、
前記ハードマスク層の上に、第1のレジストパターン膜を形成する工程と、
前記第1のレジストパターン膜から露出する前記ハードマスク層をエッチングして、第1の形態のハードマスクパターン膜を形成する工程と、
前記第1の形態のハードマスクパターン膜から露出する前記遮光層を、前記中間層をエッチング停止層に用いてエッチングして、第1の形態の遮光パターン膜を形成する工程と、
前記第1のレジストパターン膜を除去する工程と、
前記第1の形態のハードマスクパターン膜の所望の領域、および、前記第1の形態の遮光パターン膜から露出する前記中間層の所望の領域を覆う第2のレジストパターン膜を形成する工程と、
前記第2のレジストパターン膜から露出する前記第1の形態のハードマスクパターン膜、および、前記第2のレジストパターン膜と前記第1の形態の遮光パターン膜から露出する前記中間層をエッチングして、第2の形態のハードマスクパターン膜、および第1の形態の中間パターン膜を形成する工程と、
前記第2のレジストパターン膜を除去する工程と、
前記第2の形態のハードマスクパターン膜から露出する前記第1の形態の遮光パターン膜と、前記第1の形態の中間パターン膜から露出する前記半透明層をエッチングして、第2の形態の遮光パターン膜、および半透明パターン膜を形成する工程と、
前記第2の形態のハードマスクパターン膜、および前記第2の形態の遮光パターン膜から露出する前記第1の形態の中間パターン膜をエッチングして、前記第2の形態のハードマスクパターン膜を除去しつつ、第2の形態の中間パターン膜を形成する工程と、
を順に備えることを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。 - 透明基板と、前記透明基板の上に形成され、前記露光光の位相及び透過率を制御する半透明層と、前記半透明層の上に形成された中間層と、前記中間層の上に形成された遮光層と、を有し、前記遮光層が、遷移金属を含まない単一の金属材料から構成されているマスクブランクスの前記遮光層の上にハードマスク層を形成した、ハードマスク層付きマスクブランクスを準備する工程と、
前記ハードマスク層の上に、第1のレジストパターン膜を形成する工程と、
前記第1のレジストパターン膜から露出する前記ハードマスク層をエッチングして、第1の形態のハードマスクパターン膜を形成する工程と、
前記第1の形態のハードマスクパターン膜から露出する前記遮光層を、前記中間層をエッチング停止層に用いてエッチングして、第1の形態の遮光パターン膜を形成する工程と、
前記第1の形態の遮光パターン膜から露出する前記中間層をエッチングして、第1の形態の中間パターン膜を形成する工程と、
前記第1のレジストパターン膜を除去する工程と、
前記第1の形態のハードマスクパターン膜の所望の領域を覆う第2のレジストパターン膜を形成する工程と、
前記第2のレジストパターン膜から露出する前記第1の形態のハードマスクパターン膜をエッチングして、第2の形態のハードマスクパターン膜を形成する工程と、
前記第2のレジストパターン膜を除去する工程と、
前記第2の形態のハードマスクパターン膜から露出する前記第1の形態の遮光パターン膜、および前記第1の形態の中間パターン膜から露出する前記半透明層をエッチングして、第2の形態の遮光パターン膜、および半透明パターン膜を形成する工程と、
前記第2の形態のハードマスクパターン膜、および前記第2の形態の遮光パターン膜から露出する前記第1の形態の中間パターン膜をエッチングして、前記第2の形態のハードマスクパターン膜を除去しつつ、第2の形態の中間パターン膜を形成する工程と、
を順に備えることを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
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